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江戸プロフェッショナル・必殺商売人 [必殺]

江戸プロフェッショナル・必殺商売人
放映データ
テレビ神奈川
2015/03/06~2015/09/11 金曜日午後3時~
テレビ埼玉
2016/03/10~2016/04/14
テレビ埼玉のほうは、全シリーズを連続して放映しているので、そのまま録画していたが、もっと前にテレビ神奈川で放映されたものも録画してあった。
テレビ神奈川の方。おおむねきれいに録画できていた。第2話の最初のCM明けに数秒L字で広告(別番組宣伝)が入る
視聴したのはテレビ神奈川の方なのだが、なぜか途中の回から(最終回まで)番組の冒頭に不適切な表現があるがオリジナリティを尊重してそのまま放映する旨のテロップが入る

おせいの家の表札に「菊川春江」とある。踊りの師匠であるから芸名ということだろう。第17話で「「きくかわしゅんこう」という踊りの師匠の家にうんぬん」という台詞がある。
タイトルの「プロフェッショナル」という言葉が目新しい。
キャストクレジットに「音楽」の項目なし。時折ドラマのクレジットで主題歌の作詞作曲を「主題歌」の項目とは別に、「作詞」「作曲」と項目にしている場合があったが、ここでもそうなのかと思った(「作詞」「作曲」と別に「主題歌」の欄でもう一度「作詞」「作曲」として名前が出る)。つまりここで作曲としてクレジットされている森田公一はあくまでも主題歌の作曲担当で、劇中音楽の担当は別にいるのかと思ったのだ。ウィキによると、劇中音楽の担当も森田公一らしい。
その音楽だが、主題歌をアレンジした殺しの際のテーマ曲は出来が良い。いつもの平尾昌晃のものとは雰囲気が違うが。
その主題歌は小林旭「夢ん中」で作詞が阿久悠、作曲が森田公一。編曲としてEDISONと第1話ではクレジットされるが、第2話ではなかった。
ラストで主題歌がかかる場面、本編が終わる前からイントロが始まる。これは必殺では珍しいパターンだと思う
主水と正八が『新・必殺仕置人』からのキャラクターである。劇中で「仕置人」という言葉が何度も出てくる。ここでは仕事人で言う仕事を「仕置」と表現する。
主水は他の作品と大きく異なってるわけではないが、多少えげつないことで稼ごうとしている場面がちょくちょくある。なにかのネタで「これでゆすればいくらかにはなる」というようなセリフで。
その主水は第1話でりつが懐妊ということになり、その設定はその後もずっと続き、中村家の場面はそれ絡みの話ばかり
おせいを演じるのは草笛光子、必殺シリーズで何度もレギュラーを務めている。新次は梅宮辰夫。必殺のレギュラーは今作品のみ。ゲストはあったかどうか。梅宮の作品はあまり見たことがないが、多数の作品に出ている著名な役者だけあって魅せる。
主水正八チームとおせい新次チームが互いに不信感を抱きながら組むという構成。第1話2話でチームが結成されていくのが、この過程はちょっと不自然。第2話でなぜ新次が主水につきまとって監視してるのか、そして、仕置に加わって来るのかがいくらか唐突。第1話の結末が一緒にやっていくと決めた場面なのだと解釈できないこともなく、それならこれからのパートナーの調査ということで主水を調べていたということにもなるが。
第1話での主水の仕事を横取りし、主水が見てる前で仕置を実行するのも、そんな危険なことするかなあという風にも思う。まあ、互いに正体明かしているのだし、だからこそ、目の前でやってみせたとも言えるし、ゆえに、そこで主水チームとおせいチームが新たに行動を共にすることを決めた場面とも言えるのだが。
与力の坂口は主水に冷たく当たる役で、後の「筆頭同心・田中」に通じる役柄
鮎川いずみ演じる秀英尼は特異なキャラクター。序盤中盤まではあまり筋に絡まない感じからは「仕事人」で順之助につきまとう玉助風。基本的に正八にのみ絡む。基本的に子供を引き連れ御報謝、御報謝と金をせびる場面が多く、また、正八が口説こうとする場面や、逆に秀英が正八を口説く場面もあり、俗物で色欲のインチキ尼さん。
喋り方がゆっくりで甲高い声で「御報謝、御報謝」と叫ぶ独特なものだが、多少かったるい。
シリーズの後半ではさらに正八と親密になっている描写もある(第24話では正八が秀英を乗せて車を引っ張っている)。
そして第24話では大きく話に絡んでくる。この回での秀英のかっぽれのシーン、実はこのシリーズ以前に一回見ていたのだが、放映時間の関係でほとんどの話で半分眠りながら見ていたということを覚えている。その中で唯一鮮明に覚えてるのがこの場面。よほどのインパクトだったのだろう。自分の記憶では、今話さえもその場面以外は眠ってしまったのだが。
最終話では正八おせいの前に現れ、商売人の素性を最初から知っていたこと、そして自分の父親も殺し屋をやっていたことを話す
正八。単独での演技や主水とのやり取りも含め、「新必殺仕置人」の時より単調に思える。もうマンネリ感が漂っているというか、やる気が少し落ちているというか。
走る姿が印象深いが第22話ではそれを踏まえてだろう「おれは走るのが商売だから」という台詞がある。
今シリーズは全体的に、各話で起きる事件を商売人が逐一探っているのが不思議といっちゃ不思議に思える。もちろんドラマなのだから視聴者的には事件がどう起きたのか、どう進行したのかを見せるためこういう作りなのは仕方ないし、他の必殺シリーズについても言えることかもしれない。そうしないためには別の作りが必要で、それは元締が仕事を受け、その依頼通りに殺すという形にするとそういうことはなくなる。
解釈としては、事件の臭いに接して、主水が言うような「探れば金になりそう」だから事件を追っていたということなのだろう。
都合が良すぎるように思える。
都合が良いといえば、もう一つ、おせいに関わりのある娘が被害者になる事件が多く、おせいとの関係からおせいがその事件に関して責任を感じるという話も多い。
また、依頼人が誰でどこから金を得たのかがよくわからない話がいくつかある。


第1話 「女房妊娠 主水慌てる」
美代 - 斎藤こず恵
政五郎 - 小松方正
伊兵衛 - 北見唯一
当時有名子役だった斎藤こず恵が出演。クレジットで見るまで気づかなかった。
北見は必殺でよく見る名バイプレイヤー
おせいの踊りの場面は見せ場。
黒人のキンタを人さらいさながらに江戸へ連れてきて見世物にしようとするのが政五郎で今話の仕置の標的。政五郎はそのキンタに熊の着ぐるみをさせ、その格好で飯を食ったり、力自慢を見せたりという見世物にしようとするが、キンタはそれを断り殺されてしまう。そのキンタを助けようとするのが美代で、やはり無理やり連れてこられ政五郎のところで軽業の芸をやらされているという子供。
仕置の場面でおせいと政五郎は小舟で逢引をするという舞台立て。ここはいいのだが、そこでおせいは政五郎に熊の着ぐるみを着るように頼む。その格好で遊ぼうというのだ。
これを嬉々として政五郎は受け入れるのだが、ここはちょっと変。キンタの件もあるし、そこは警戒するだろと。無理に解釈すれば、その小舟は政五郎のもので、そこに熊の着ぐるみがあるのはおかしくなくて、その着ぐるみを見ておせいが、そこにあるのを着てみてよと頼んだという程度ならわからないでもないが。
黒人のキンタというのは「ルーツ」からだろう。「ルーツ」は1977年の作品で日本でも大層話題になったから

第2話 「誘拐されて女よろこぶ」
おうら - 風吹ジュン
藤兵ヱ - 金田龍之介
弥造 - 牧冬吉
風吹ジュン、まだ若い。金田、牧は共に必殺でよく見る顔。
おうらは藤兵ヱの囲い者でタイトルにあるように誘拐されてしまう女。誘拐した若者たちと仲良くなってしまうが、身代金を持ってきた藤兵ヱの一団にその若者たちは殺されてしまい、おうらも藤兵ヱの元に戻るが藤兵ヱに愛想を尽かしており、それを悟った藤兵ヱに殺されてしまう。依頼はされていないが、その若者の持ってたお金(藤兵ヱが出した身代金)を正八が持ってきてそれを依頼金にする。またおうらはおせいに踊りを習っており、その貯まった月謝を殺される前に渡すという場面もある。
藤兵ヱの配下に弥造。

第3話 「むかし夫婦いま他人」
佐久良平馬 - 中条きよし
上総屋利平ヱ - 伊沢一郎
中条きよしがゲストで登場。仕置の標的役。
西田良という時代劇でよく見る顔がたった一場面の脇役で出ている。
おせい新次がかつて仕置の標的を間違えたことを今でも夢見るという場面から始まるのが、今回の事件を探っていくとその標的が彼らかかつて間違えたときの本当の標的であることが判明というのはちょっと都合良すぎか

第4話 「お上が認めた商売人」
河内山宗俊 - 芦屋雁之助
松平右京亮広正 - 小坂一也
河内山宗俊という歌舞伎など創作物に出てくるキャラクターが登場。小坂一也は今話の標的。盗み癖のある大名の役で悪役なのだが、彼の風貌からそれほどの悪には見えず、彼ならではの小悪党という感じ。割合に早く仕置の場面が到来する。話の中身が薄いためだろうか。その仕置の場面からは比較的珍しい凝った作りではある。
主水の「商売になるぞ」という台詞がある。仕事人でいう「仕事」という意味であり、タイトルの「商売人」から取った台詞、初登場だと思う。
しらけ鳥を正八が歌う場面がある。以前も必殺でしらけ鳥を歌ってる場面を見たような記憶があり、メモに書いたような気がするが検索しても出てこない。時代背景というか、この時代に現代の流行り歌ということで目くじらを立てる必要はないが引っかかったのだ。もうちょっと記憶をたどると、火野正平がジュリーの歌を歌う場面もどこかであったような気がする。
正八のコスプレとでもいうか、化粧をさせられ、鏡を見てうっとりする場面がある。誰かに似てるんだよなあって考えてみたらちょっと濱田岳に似てる。で、思い出したがそういや火野正平と濱田岳って親子説があるくらい似てると評判だった
※追記2019/5/8
見直していたのだが、上記、しらけ鳥の件、これは第5話にある。第4話にあったのかもう一度見るのはかったるいので確認してない。

第5話 「空桶で唄う女の怨みうた」
三州屋与兵ヱ - 織本順吉
榊原直周 - 須賀不二男
幇間六助 - 平野雅昭
空桶は(カラオケ)とルビが振られており、作中に主水の江戸時代と対比される形で現代の盛り場が映し出され、そこで多分当時の流行歌なのだろう「チャンカチャンカチャンカと合いの手で連呼される」歌(※)がバーで歌われる。その歌は作中の主水が取り仕切る宴会場でも民謡と混ぜた形で「民謡チャンチャカチャン」と称し歌われる。必殺ではお馴染みのお遊び場面。
今話では宴会の場面が多く取り上げられ、主水がおどけて踊る場面も見られる。また仕置の場面も宴会を利用したもの。
織本順吉は彼ならではの理不尽にいたぶられ、最後は夫婦で自害する商人の役。須賀不二男は奉行。筆頭与力の秋月と一緒になって三州屋をいたぶる側。
特技の宍戸大全の名前がキャストクレジット(酔っ払いの男)にもあり
※キャストクレジットでもどの人がそれかよくわからなかったが、ウィキの配役に名前の載っていた「平野雅昭」で検索したらすぐ出てきた。1977年11月発売の「演歌チャンチャカチャン」というのがあるらしい。

第6話 「手折られ花は怨み花」
伊平 - 島田順司
みの - 白石奈緒美
越後屋 - 横森久
井本兵衛 - 田畑猛雄
親に捨てられた子供が江戸に出てきて、父親を捜しているところで正八と出会い、正八が世話することになるというのが発端。そういえば「新・必殺仕置人」のいくつかで正八が主役となる名作があるが、今作品ではそういうのはあるのだろうか。
正八のキャラは子供と相性が良さそうで、これなんかはそういう名作になりそうなもんだけど、そちらのエピソードの一方で別の話も進行し、それほど正八が主役とはなっていない。
もう一つのエピソードは侍の家の相続についてで、主人が亡くなり、後妻は武士の家に嫌気がさして逃げ出したく思っており、跡取りの養子を殺して家を断絶にし、領地を商人に渡すというようなことを企むというようなもの。その養子は娘と心中の形で殺されるのだが、その娘はおせいに踊りを習っている女。
標的は3人で商売人3人がそれぞれ一人ずつ殺すのであるが、標的3人が一緒にいるところに一斉に踏み込み、画面を3分割しての仕置の場面という演出

ここから神奈川
第7話 「嘘か真実かまことが嘘か」
茂作 - 戸浦六宏
大前田英五郎が出てくるが、これは偽物であり、また今話の標的。依頼人が戸浦六宏演じる百姓。戸浦は序盤に出てきて正八に大前田英五郎を殺してくれと頼んで、その後は出てこないので、出番が少なくなんだかもったいない作りだと思っていたら、仕置も済んでのラストに正八の前に現れ身を明かすという展開。
そもそも大前田英五郎を殺せという依頼に、調べてみると江戸にいるのは大前田英五郎の偽物と判明。それを仕置してしまうのだが、それ依頼内容と違うじゃんと思ってしまった。
それはさておき、ラストで茂作が身を明かすというのは、なんと彼こそ大前田英五郎で、偽物がひどいことをしやがるので狙っていたが、八州の役人が付き添っていて手が出せない、そこで江戸で著名な商売人に頼もうと正八に声をかけたというもの。
標的は偽大前田と八州の役人とそれと組んでいる男の3人で、商売人がそれぞれひとりずつ殺すという前話に続いてオーソドックスなもの。またおせいが芸者を辞めるという女を偽大前田に紹介してしまい、女郎に売られそうになり抵抗したら殺されるという展開で、前話に続きおせいに関わりのある女が殺されるという展開

第8話 「夢売ります手折れ花」
北岡菊 - 藤村志保
まむしの六助 - 丹古母鬼馬二
おしの - 荒砂ゆき
足立竜人 - 岩田直二
藤村志保演じる菊は幼少の折、町方役人の父親が同僚や大和屋などに嵌められて殺されており、その恨みを晴らすために生きてきたという役どころ。敵は5人でそのうちの一人が菊に殺される場面から始まり、その顛末がなぜか絵草子として発売され人気を得る。その絵草子を読んで肩入れするのが正八。今話は正八が主役の回と言えるが、「新・必殺仕置人」のときのような特筆されるほどのものではない。
正八は「新・必殺仕置人」で貸本屋をやっており、そのことに言及する場面もある。
その絵草子の文章と菊の場面が重なるという芝居仕立てで進行するのが特色。
また、今話より前の話でも何回か思ったのだが、「省略」の演出が多く、結構大胆に「省略」している。「省略」とは通常ならもうちょっと描かれるところが省かれてるためにリズムが良くなるような演出。例えば(今話のことではないが)女郎買いへ行こうと誘い、相手がちょっと断るような仕草をした次の場面で、連れ立って吉原へ来ているというように、相手が行くことを承知する場面を「省略」するようなこと。
正八が女たちに金を借りる場面はコント仕立て。3人の女に本業のマッサージをしながら金を借りようとするが断られ、性的な奥義を繰り出し、すぐ止めて帰ろうとすると女たちが金を貸すから続けてくれと懇願するというもの。
この女3人は多分レギュラーの花竜 / 蝶々とお梶だと思うが、この3人、結構出てるわりに、あまり印象に残らないキャラクター


第9話 「非行の黒い館は蟻地獄」
神谷仙之助 - 滝田裕介
大蔵屋利兵ヱ - 藤岡重慶
虎河豚の権次 - 江幡高志
ここでもおせいが教えている若い娘(お袖)が殺されるという事件が起きる。今シリーズはこれが多い。
殺しを終えてすぐエンディングへ。今シリーズでは初のパターン。
主水の同僚・神谷が阿片摘発に躍起になり、主水は忠告するものの「あんたも親になればわかる」と言われてしまう。その言葉は、自分の娘が家を出て阿片に嵌っていたことから来ていたもので、娘が自分の目の前で殺され、しかも神谷がその下手人に仕立て上げられてしまう。主水は神谷の家で神谷に墓に一緒に入れてくれと頼まれた娘が好きだった人形を取りに行き、傍らに置いてあった金を頼み料として神谷の恨みを晴らすことにする。おせいはやることはやるが役人の恨みを晴らすんじゃなくて、先に書いたお袖のためにやると言う。
「仕事」という言葉が仕置と同じ意味で出てくる

第10話 「不況に新商売の倒産屋」
天満屋宗衛ヱ - 堺左千夫
おもん - 磯村みどり
美濃屋太兵ヱ - 草薙幸二郎
「仕事」という言葉が出てくる。これは「仕置」とは置き換えにくく「仕事」としか言いようのない場面で出てくる。仕置は金をもらって依頼通り人を殺すことだが、ここでの「仕事」だと依頼を受けてなにか「仕事」をやるというような意味合い。
主水がおもんを殺す場面でおもんが主水が何をしに来たのか気付き(前の場面で主水がおもんに恨みを晴らす稼業のことを教えている)「あなたが、し・・・」というように言う場面があるが「仕事人」と言おうとしたのか「商売人」と言おうとしたのか、「し」は聞こえないくらいだが。
おもんは依頼人でもあり、結果的に依頼人が自分を殺すことを依頼するという展開。依頼人が自分を殺すことを依頼するという展開は時折あるパターンで名作が多いのだが、それは依頼人がわかっていて自分を殺すことを依頼するのであって、今話では自分が殺されるとは思っていないで依頼してしまうという展開で珍しいような気がする
その場面での主水はちょっと胸をまさぐるような仕草をしておりエロい主水という珍しい場面。
堺左千夫が軽い廻船問屋の主人を好演。おせいに踊りを習っているのだが旦那芸。おせいに殺される場面では「最後はきれいに踊っていただきますよ」と言われ殺されるのだが、最後に一踊りするのは名場面
西田良が主水に斬られる役で出ている。
美濃屋とおもんが夫婦でどちらも見たことある顔だが名前は知らない役者だ
ちょっとおかしいのは正八が「死んだはずの若い男」が生きていたと主水に話す場面。死んだ若い男は話には聞いているのかもしれないが顔は見てないんだから、その男が生きていたという判断はできないはず。

第11話 「女体が舞台の弁天小僧」
矢之助 - ピーター
ピーターが大活躍。おせいの弟弟子で踊りは止めて遊び呆けている札付きのワルという役どころ。芝居がかった言動をする設定でピーターにはぴったり。序盤では弁天小僧を気取るところなんかもある。演技も悪くない。
矢之助は京屋のたくらみで大奥の老女・藤尾に差し出されるが、たくらみなのは矢之助も承知で、それを利用して京屋を食ってやろうとしている。しかし返り討ちに遭ってしまい、おせいたち商売人が恨みを晴らすために立ち上がる。

第12話 「裏口を憎む男にない明日」
藤堂兵馬 - 桜木健一
久米玄一郎 - 荒谷公之
服部格之進 - 小笠原良知
与兵ヱ - 北村英三
奉行所採用試験にまつわる話。兵馬は実力的には受かるはずの試験に落ちる。裏で金を献上して試験に合格している者がいると友達の鹿之助から聞き、腹立ちまぎれに鹿之助とともに町方役人を次々と襲う。兵馬は新次の出入りの家の息子で、新次は兵馬を案ずる。
試験の不正で合格した久米の策略で不正ががばれるのを防ぐため、兵馬は殺され、不正をした一味を商売人が仕置する

第13話 「裏の稼業にまた裏稼業」
おいね - 吉沢京子
重右ヱ門 - 吉田義夫
重右ヱ門はおせいが子供のころ、おせいの父親と一緒に「仕事」をしていた商売人の元締のような役どころ。重右ヱ門が江戸の「商売人」を集めるという場面がある。
今話では「仕事」「商売人」「仕置料」「仕事料」という言葉が出てくる。自らを「商売人」としているのは今話が初めてだったと思う。多少用語が混乱してるようにも思えるが、その言葉通りの意味と思えばそれほどおかしくはない(「仕置料」「仕事料」は統一されていたほうが良いと思うが)。また重右ヱ門とおせいの会話で、おせいが5年前「仕事」をやっていた、そのころは「商売人でなく、「仕事屋」を名乗っていたというようなことが話され、『必殺必中仕事屋稼業』の「おせい」であることがわかる。
話の内容は、女が続けて江戸の街で殺されていき、商売人側からもそれをやっているやつを見つけ出して始末することになる。それを疑われたのは、新次、おせいと顔なじみの灸吉。だが真相は異なった。
り、真犯人の商売人・仙造によって灸吉は恋仲であるおいねと共に殺されてしまい、その灸吉、おいねの恨みを晴らそうと商売人が立ち上がる。
おいねはおせいの馴染みの娘で、おせいはおいねが殺されたのは自分のせいでもあると思い込むのは今シリーズでよくあるパターン

第14話 「忠義を売って得を取れ!」
忠助 - 石山律雄
今話は石山律雄が冒頭に出てくるのだが、この人は必殺シリーズのどれかで印象的な役を演じていて、それ以来、この人が出てくる回は毎度注目しているのだが、大抵同じような役ばかり。
実直そうな、そして気の弱そうな使用人なのだが、どこか裏がありそうな役どころ。そして進行するに連れ裏の顔が明らかになり、旦那を裏切り金をせしめ、最後には仕事人の標的となるという感じ。今話も同様。
ちょっと白けるのは、今回の忠助という役は侍の中間だが、その侍は辻斬りに遭い殺されてしまいお取り潰しになり、後家と娘に尚仕えるという役なのだが、もうお金もなく、身分もないその母娘に仕えるというのはちょっとおかしい。そして、その母にしろ娘にしろ馬鹿正直に忠助を頼り信頼しているのが、バカすぎるように見えること。
といっても、忠助に裏がありそうというのはテレビを見ている側だけがわかることであり、そういう風に作ってるからそういう風に見えているだけのことでもあり、母娘が忠助を信頼するのはおかしくないのかもしれないが。
吉原に身売りした娘に忠助が裏切ったことをおせいが伝え、商売人の存在を教え、仕事を受ける。ラストシーンは花魁道中、脇におせいと新次、目線を合わせ依頼された仕事が完遂したことを伝えるという場面。仕事が済んだことを依頼人に伝える場面というのは時折あるが、これはしびれる。

第15話 「証人に迫る脅しの証言無用」
倉田屋治兵衛 - 梅津栄
東吉 - 内田昌宏
おたみ - 村田みゆき
おたみは倉田屋の娘で目が不自由、琴を習っている。おせいとも知り合いで、おせいと挨拶を交わした後に拐かされるという展開から、またもおせいがそれを悔やむというお馴染みの場面がある。
砂糖の商売を一手に奪おうと暗躍するのが「向島のご隠居」で、彼の息子・東吉が行った殺しを目撃してしまった倉田屋に証言を翻させようとおたみは誘拐されたのだ。
東吉は脅しに屈し翻した倉田屋の証言のおかげで釈放になるのだが結局殺されてしまう。殺され方がえげつなく、氷室に閉じ込められるというもの
映像的にも幾分実験的とでもいおうか特徴のあるものが散見できる。
一つは、灯台の家を断面から一階と二階が見えるように撮るというもので、それが何回か映し出される。一階と二階には押し入った賊が屯している(正八とおたみは一番上の三階にいる)のだが、殺しの場面でもその構図の映像。二階で新次が、一階で主水が殺しをする場面が同時に進行し一つの画面で映し出される。
もう一つは思い出したものだがある。「暗闇仕留人」の第21話だ。自分の文章をコピペする。こんな感じの映像が今話にもある。
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3人が相談する場面で背景が映らず3人の顔のアップ、喋る人間にピントが合っており、他の二人がぼやける、喋る人間が代わるとそれに合わせて、ピントがその人間に移るという凝った映像
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拐かされたおたみが連れ込まれるのが正八の灯台の家。もちろん連れ込む方は商売人・正八の家とは知らずに来てしまったのだが。
ラストは父親が殺されたことを告げられずにおたみを葬式の準備で忙しい家に送る正八。正八のキャラクターを生かしたほろ苦いもの。
好作品。

第16話 「殺して怯えた三人の女」
おつな - 茅島成美
呉服店の越後屋。主人は亡くなり、後妻のおつな、先妻の娘・おけい、女中のおきよ、この3人の女と番頭の喜三郎は関係を持っている。対処に困り、3人の女は喜三郎を殺すことにするのだが、、、
正八が「お引越しのお祝い返しはお金がほしい~」と「微笑み返し」を口ずさむ場面がある。

第17話 「仕掛けの罠に仕掛けする」
風切の矢造はおせいと新次とは旧知の元同業。その矢造は妻が亡くなったことから娘のさちを里子に出した。しかし親の情が沸き、探し出して、名乗らずに見守っていた。さちと交際相手の銀次とが一緒になるのを待っていたが、その銀次は盗賊でさちもその手先となって働き出すのを見て、町方に捕らわれるのならと、自分で殺す決心をする。銀次たちは狙われているのを知り逃げている。という設定で江戸で新次が誰か(矢造)に追われてるらしいさちと出会うところから話は始まる。

第18話 「殺られた主水は夢ん中」
およう - 弓恵子
政吉 - 菅貫太郎
清五郎 - 今井健二
三造 - 神田隆
多平 - 江幡高志
今話はシリーズ通算300回。「記念して、過去のシリーズで個性的な悪役を演じて来た今井健二、菅貫太郎、神田隆、江幡高志、弓恵子らをゲスト出演者に迎え、冒頭部で、主水を全員で殺してしまうシーンが挿入された」とのこと。この冒頭部分は、実は現代の藤田まことがタクシーの中で見ている夢という趣向。タクシーの運転手は火野正平で、撮影所に向かっているという設定。
弓恵子、神田隆は自分はこれまで聞いたことのない名前。弓恵子は坂口良子みたいな感じで、見覚えはあるようなないような。
話は墓掘り人夫の政吉と棺桶屋の三造が組んで、亡くなったばかりのおようの亭主の遺体を盗んで強請るというもの。おようのバックには清五郎、三造はラストで政吉の依頼に応じて登場するのだが、政吉と清五郎は通じており、あえなく政吉と三造は殺される。
疑問なのは正八が金を出して商売人が動くのだが、誰が依頼人で、なぜ商売人が動くのかわからないということ。商売人としては金になり、多少の大義名分があればいいのだから、そこは問題ないが、正八は最後に出した金を誰かからもらう件はあったっけかな。

第19話 「親にないしょの片道切符」
北見屋 - 須賀不二男
須賀不二男が標的。
庄太郎は外国に行って勉強をしたがっている先進的だがちょっと短絡的な考えの持ち主。北見屋に外国に連れていくと騙されて監禁されてしまい、両親に送金するよう頼む手紙も書かされてしまう。

第20話 「花嫁に迫る舅の横恋慕」
お京 - 荒砂ゆき
おたき - 鷲尾真知子
呉服の越後屋が舞台。
主人の伊兵衛は多一郎、お美代の養子夫婦がいる。この関係がイマイチ不明瞭で、どちらかが養子でそこへ婿だか嫁を取ったという形だと思うが、どちらも成人になってからきたかのような関係に見える。お美代にはおたきという下女がついている。おたきはお美代を昔から世話しているようだ。
伊兵衛にはお京という囲い者がおり、その兄が己之吉。
序盤で多一郎が京から江戸へ帰ってくると、お京に強引に誘われ、家へ寄ってしまい、越後屋へ帰ってくるとそれを理由に伊兵衛から叱責されるという場面がある。ここらへんはなんでそんな些細なことできつい叱責を受けるのかよくわからず、感情移入しにくい。その後も養子夫婦は伊兵衛から随分な仕打ちを受けるのだが、だったら出ていけばよいじゃんと思ってしまう。まあ、時代の違いやその人の境遇の違いで十分理解できる範囲のものなのだが、どこか理不尽すぎるように思えた。
伊兵衛はお美代を狙っており、お京、己之吉と組んで多一郎を嵌めていたということが後半でわかる
多一郎、お美代は心中をし、おたきが主水に伊兵衛の悪行を言い立て捕えるよう懇願、商売人が仕置に立ち上がる。
自分は落語で知った歌の文句が2つほど出てくる。ひとつは「夏やせと人に聞かれてほろりと涙」。もうひとつは「三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい」というやつ。後者は主水が己之吉を殺す場面で、連れ立って歩く二人、酔っぱらった己之吉がこれを歌いだし、「朝寝が~」で主水が殺し、「してみたい」と主水がつないで歌うという演出。
歌の文句といえば、その後のラストシーン。今話の事件を瓦版屋が「親子二代の心中事件」と瓦版にして売っている。そこで「男はつらいし女もつらい、男と女はなおつらい」と今シリーズの主題歌の一節を口上にしている

第21話 「暴走を操る悪の大暴走」
必殺ではよくある作りではあるが、現代(当時の)の世相から題材を取り上げたもの。荒れる若者というテーマで暴走族を模したものだろう。確か「仕事人」以降の作品だったと思うが、やはり暴走族を取り上げたものがあって、その作品では大八車を改造して街を走りまくるというような若者が問題になり取り締まられるというような話だった。そこまでやるとちょっと興醒めでもあるのだが、今作品では背景に大八車を押して暴れてる場面もあるが、とくにそれを暴走させて問題になるというようなあからさまなことはない。いや、若者が集団になって暴れる姿はやっぱり現代から持ってきたということがあからさますぎるか。
さぶは色街育ちの青年。レギュラーのお梶の息子。前にも書いたように、今作品のレギュラーでお梶、花竜、蝶々は出番が多いわりに印象に残らず、顔も名前もなかなか覚えられない。そのため、今回はフィーチャーされているのに、この人レギュラーの人だと思うが、違うかなくらいの認識だった。ウィキ見て確認した。
そのさぶと恋仲のおしまは大店の娘。厳しい家に反発して若者グループに入っているおしまはさぶもグループに誘った。
さぶはおしまの家に結婚を申し込みに行くが、断られてしまい、グループは店に暴動をしかける。
主水が取り締まりに入り、揉み合いの最中さぶは刺殺されてしまう。その責任を問われ主水は謹慎、おしまは主水を狙うがそこはあっけなく、かわされてしまい、主水に「殺したのは俺じゃねえ、そっちの仲間に裏切者がいて、そいつがさぶを殺った」と聞かされる。
次郎はそのグループのリーダーであるが、別の悪党どもともつながっていた。その悪党は若者に騒ぎを起こさせてそれに乗じて仲間の脱獄を計るという計画を持っていた。
それを正八が調べ、商売人に話を持ってくる。
これで商売人が次郎とその悪党を仕置するで話は終わりなのだが、その若者の街での騒ぎと脱獄計画が仕置の場面であるが、その最中におしまは次郎の裏切りを知り、詰るのだが、逆に殺されてしまう。ここは話としては不要であるとは思うがドラマの盛り上がり的には必要なのだろう。おしまがどうして裏切りを知ったのかがちょっと疑問だが、主水から言われて注意して仲間を監視し、次郎の挙動からわかったと解釈すれば良いか。
また脱獄の後に、船で逃げようとするのだが、その船底に千両箱があってうんぬんという話もあるのだが、これもちょっと余計に思える。そこの場面以前にそういう話の前振りがなく、唐突に思えた。
主題歌の一節「男はつらいし女もつらい」と正八が口ずさむ場面がある

第22話 「殺した奴をまた殺す」
蔵間 - 稲葉義男
京極 - 清水紘治
榊原 - 城所英夫
京極役の清水紘治というのは「新・必殺仕置人」の最終回で主水に斬られる諸岡の役の人。稲葉義男、城所英夫もよく見る顔のような気がする。
京極は死後すぐなら死因により、生き返らせる技を持つ針医。京極とつながり、奉行職を狙う与力・榊原。蔵間は京極の住む島を支配する男だが、京極とは対立している。
冒頭で正八が仕事を持ち込み、すぐ仕置の場面。新次が殺した男が京極によって蘇り・・・という展開。
京極が蔵間の親娘を殺して、その恨みを晴らすという内容なのだが、誰が金を出したのかが不明。

第23話 「他人の不幸で荒稼ぎ」
大黒屋 - 西山嘉孝
主水の同僚の同心・青木兵馬がまだそんな年齢でもないのに、息子・数馬に職を譲って引退。しかし数馬はその職に向いていないと感じている。着物の下絵が好きでおせいに見せたりもしている。恋仲の娘・茜には母方の祖父に下絵師の利助がいる。利助はおせいに娘夫婦の恨みを晴らしてほしいとの仕置の依頼をする。茜の父親は同心であり、その同心の仕事で茜の母親を囮に使い、夫婦ともども殺されたという。
標的は口入業の大黒屋五郎蔵(なぜかキャストクレジットでは大福屋)と占い師の心源坊一角だという。商売人たちはその事件を探る。
大黒屋と占い師の心源坊一角は向かいに住んでおり、そこに茜の父親の代わりに同心になった荒巻が絡んで悪だくみをしているらしい。
一方、数馬は主水に父親がなぜ焦って息子に継がせたのかの真相、命がもう長くないということを知らされ、俄然やる気を出し、序盤にあった件で取り逃した心源坊一角をお縄にかけるのだが、荒巻の策略で心源坊は奪い返され、青木親子は殺される。そして商売人が立ち上がる。
一つ、途中で挟まれるエピソード。悪3人組が秋田屋の女将をペテンにかける場面がある。主人が亡くなり、長男と次男が残された。女将は後妻で、長男は実の子ではない。長男は遊び人、次男が継ぐべきだと思っているが、遺言書がどうなってるかがわからない。それを占い師が見てあげて、遺言には長男と書いてあるが、あなたの思い通りにしてあげようと告げ、長男を殺してしまい、礼金をせびるのだ。こんなもん、殺してくれなんて頼んでないのだし断ればいいだけなのに、動揺してしまう。まあ、そこに同心・荒巻が下手人を女将としてしょっ引くぞと脅したりもするのだが。
ラストは、必殺にはいくつかパターンがあって、このシリーズだと3つに分けられる。一つは仕置の直後に本編が終了、一つは、仕置のあとに、仕置の雰囲気を一転させる明るいコント仕立ての場面、そして、もう一つは、仕置の後始末とでもいうべき、暗い調子の場面。これは3番目のパターンで、茜に事件のことを報せに行くという場面。茜は自分の家の前で掃除をしており、新次と正八が、お互いにお前行ってくれとやりあっている。普通のパターンなら正八が適役と思えるが、ここでは新次が折れて、茜の肩に手をかけ、家の中へ連れて行くというところで終わる。上からのカメラの映像。ほろ苦い終わり方。

第24話 「罠にはまって泣く主水」
安五郎 - 亀石征一郎
たえ - 幸真喜子
おはん - 加藤和恵
廻船問屋が舞台。主人が番頭の嵌められ、乗っ取られようとする話。女房は後妻で連れ子の娘がいる。
必殺は大衆娯楽の一時間ドラマなのでわかりやすく単純な作りで登場人物は出てくる最初の場面で、大体悪役なのか善玉なのかわかるものだが、意外だったのはその女房が善玉っぽく登場(病に臥せっているのか寝床で江戸処払いの主人を迎える)したのだが、悪役であること。
女房と番頭はつながっており、連れ子の娘・たえは義父になついているという構図。ここらへんは珍しい構図ではない。
たえが真相を知ったあと、番頭との結婚を強要され、蔵に閉じ込められる。そこで正八が助けに来るのだが、そこを出るのを拒んだところも意外であった。この後どう処理をするのだろうと思っていると、正八が立ち去ると同時に自害。これはまあありがちだな
仕置の後に、たえの遺骸を小舟に乗せ、正八が「お父さんのとこへ行きな」と送り出す。
そういえば、今シリーズのどこかの回で、仕置のあとの死骸の処理を正八がしているというようなことを言ってる場面があった。必殺シリーズ全般に言えるが、殺しをしない人があまり働いていない
のに同じ金をもらっていることがある。これは画面に映ってないけどそういう処理をしていると考えると納得は行くなと思った

第25話 「毒を食わせて店食う女」
冒頭、主水と連れ立って料理屋・辰巳屋へ行く同僚・西田を演じるのは西田良。ちょっとしたお遊びだろう。出番はここだけ。
主水も西田もそしてその日の辰巳屋の客がみな、腹を壊してしまう。これが今話の発端。
辰巳屋は営業停止1か月となり、年老いて身体の具合も良くない主人は店を売ることにする。そこで出てくるのが大坂の料理屋で江戸へも店を出そうと出てきた女主人と番頭。実がこの二人と辰巳屋の料理人・長次がつるんで、辰巳屋を詐欺にかける話。
ラストのキャストクレジットで気象情報のテロップあり

第26話 「毒牙に噛まれた商売人」
蛭子屋卯兵ヱ - 山本麟一
根来 - 石橋蓮司
「仕事」「商売人」「仕置」という言葉がここまで使われてきたが、今話ではさらに「殺し屋」という言葉がその意味で使われている。これはそのものズバリの言葉。
勘定奉行が殺され、奉行所のメンツにかけての捜索。でっち上げでもいいから下手人を挙げなくてはならず北町奉行が江戸の殺し屋の総元締・蛭子屋卯兵ヱと顔合わせ。根来は北町奉行の供の町方で、蛭子屋と実務面でつながりを持つ。
そして下手人はおせいとなり狙われた。


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必殺仕事人2016 [必殺]

09/25(日) 21:00 -
テレビ朝日|130分

この作品に限ったことではないがきれいな映像で時代劇を見ると、なぜかセットでやってるように見える。そのためコントのように思えてしまう。
主演の東山は、ジャニーズと言うこともあり批判も多いが、なかなか良いと思う。もう必殺も長くやっているが、これだけやれれば充分及第点。それに比べると松岡はちょっと芝居がくさい。知念侑李は今回で3作目とのことだが、これまでの作品での印象が薄く、あまり覚えていない。今回のもキャラが弱く、あまり必要ないキャラ。ラストの殺しの場面で危機に陥り、涼次に助けてもらったのに、なぜか「なんで助けてくれないですか」と涼次に食って掛かるのには冷えた。
遠藤憲一は前回はゲストでの参加で大きくフィーチャーされていたが、今回は仲間に加わりレギュラーということだろうか。出番は少ない。あと、年齢が仲間の中で一人だけ高くちょっと浮いてしまうのが難点ではあるが、そこは人物設定でカバーしようとしてるように見える。

今作の筋のキモとなるのが、これまでレギュラーで出ていた渡辺小五郎の同僚、田口浩正が演じる結城新之助。この作品は一年に一回しかやらないので、レギュラーと言ってもそれほど思い入れもないのだが、いくらかは記憶にあり、この結城はレギュラーだから死ぬという展開はないだろうと思いながら見ていたが、どんどんストーリー的には死ぬ運命になりそうな展開で、そこら辺、興味深く見れた。
この結城は行動からするとちょっとバカすぎて、2度も喋っちゃいけない相手(今回の殺しの的となる人物)に喋ってしまうということをやらかす。そこら辺は共感できないが、その一方で「必殺」ではありがちなパターンであるが、可哀想すぎるくらいに惨めな状況に陥り殺されていき、妻がその恨みを仕事人に果たしてほしいと依頼するという展開。「必殺」はニヒルな面とその反面ベタベタな人情劇のような面があり、そのうちの人情劇的側面がこれだろう。

スタッフでは古い作品と同じ人は平尾昌晃が音楽、布目真爾の名前もあったがそれくらいか。布目真爾は昔の作品では殺陣となっていたと思うが、新しいシリーズでは特殊小道具とのことでHPにはインタビューも掲載されている。
ラストにかかるThe SHIGOTONIN「鏡花水月」はなかなかの出来。これは平尾昌晃は関わっていないと思うけど。
前作では確か、昔の各テーマ曲がふんだんに使われ、それがかかる度に耳を奪われ旧作を思い出してしまい、気が散ったというようなことを書いたと思うが、今作でも同じようにふんだんに使われているが、多少控えめだったり、同曲を新しめのアレンジの新緑だったりしたので、前作のようなことはなかった

悪役として、安田顕、寺島進、温水洋一。尾美としのりは渡辺の同僚であるが、仕事人の殺しの的になる役。
ミッツ・マングローブがちょっとの出番ながら目立っている。冒頭で、最初の仕事人の仕事の的になってしまい殺されてしまう商家の女房気取りの女という役。

筋の発端がちょっと弱い、また理解しづらい。
若い女を綺麗に描いてあげるからと連れ出し、絵を描いて、それを売った「見返り」にその少女たちをたぶらかす、というのが冒頭に出てくる説明(冒頭でそういうことをやっている商家が腰の的となり、同じようなことをやっているもう一つの集団がメインストーリー)。絵を描いてあげたのだから、その絵を売る相手は少女? だったら「見返り」という言葉の使い方もおかしい(絵を売って代金を「見返り」としてもらっているのだから)。必殺やその他時代劇でも定番なのは女を騙して連れ出して女郎として搾取するというようなものだが、今作では、少女に絵を描いてあげて、その少女をその内輪だけでいたぶるというもので、そもそも女もそれを承知で来ているのだから、悲壮感がまったくない感じがする。

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必殺仕事人 [必殺]

必殺仕事人がテレビ埼玉の再放送で6/7より始まった。
「必殺仕事人」というとそれがシリーズ化され、また「必殺シリーズ」の代表作でもあるので、わかりにくい感じもするが、テレビシリーズとしての「必殺仕事人」、つまりは「必殺仕事人シリーズ」の第1作である。
これは一度見ており、残しておくために録画しているつもりだったのだが、第1話の最初の部分を見てみたら、実に出来が良く、見入ってしまった。本日の第2話もかなり良い。何気なく見てしまい、そのまま見入ってたのは「新 必殺からくり人」のときと同じだ。そちらの作品は放映と同じようなペースで見たが、こちらは長丁場なので、あまり見るのを義務ともせず、のんびり見て行こうと思う。

こんなに出来が良かったか。さすが代表作。
「必殺仕事人」は全84話、1年半以上続いた人気シリーズではあるのだが、元締の交代やそれに伴いその配下の人間の交代、主要登場人物である左門のキャラ変更など、どこかゴタゴタしたイメージがあり、作品の出来でいうと、それほど上位に来ないイメージだったのだ。

第1話の冒頭で日高久が出ていた。この人は有名な俳優でなく、例えば必殺に出ているとしても、ほんのちょっとしか出番のないかなり下の位置づけの出演者なのだが、顔に特徴があり、時代劇にはうってつけの人。時折出番も台詞も多い役(たしか、殺される娘(話のメインの部分)の父親役をどこかの回でやっている)をやっているのだが、今作の役もかなり多い出番である。冒頭では主水は八王子に派遣されているのだが、その地の十手持ちの役。

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おしどり右京捕物車 [必殺]

テレビ神奈川 2015/10/3から毎週土曜日20:00。2016/4/2(第22話)以降は毎週土曜日12:00

制作の経緯が興味深い。『助け人走る』の後番組としても計画されてたようで準「必殺シリーズ」としてもよいくらい。スタッフ陣は当時の必殺の人々。
さて、内容だが、これが「必殺シリーズ」だったら、かなり異色作と評されることにもなろう、他のシリーズとは異なる点がいくつもある。と同時に、共通点もあり、シリーズ中、異色の1作となっていたかもしれない。
共通点は、金をもらって他人がやらないような仕事を請け負うという点。
異なる点の一番大きな部分は、他のシリーズ(多分すべて)は「裏の仕事」という概念で共通しているが、今作では、奉行所のほぼ公認である点。そして仕事をするときは他のシリーズでは「裏の仕事」であるから見られてはならず、したがって秘密裡に行われるのだが、今作ではそういう配慮は一切ない。であるから、他のシリーズではたくさんは出てこない大勢を相手にする殺陣というのが今シリーズではほとんどの回でクライマックスシーンになる
仕事の依頼は必ずしも「殺し」ではないのだが、主人公・右京が残忍なのか怒りあまってという感じで殺さないで縛って奉行所に渡すべき罪人を殺してしまうという風に感じる場面も多い。
仕事を行うのが右京ひとりというのも異なっているかもしれない。といっても車を押すはなと二人でひとつではあるが。またチームとして観念、音三もいるにはいるが、彼らは必殺シリーズにおける仕事はしない情報探索係といった位置づけ。
そういえば中村敦夫が演じたほかのシリーズでのキャラともダブり、孤高の存在で他者と馴れ合わないという性格設定なのが可笑しい。「木枯し紋次郎」にも通ずる。というより「木枯し紋次郎」から来てるのだろう。

話の内容は都合の良すぎる展開や、辻褄の合わないように感じる場面、前後関係がイマイチに感じるような話が多い印象。
設定にも荒唐無稽な感じがいくつかあるが、一番は最大の見所である手押し車での移動と攻撃。いまで言えば車椅子に乗っての活躍といったところか。
今なら高性能の車椅子もあろうし、バリアフリーで街中でも比較的不自由なく移動できるかもしれない。しかし、舞台は江戸時代、そして手作りの手押し車。あれじゃあどうしたって素早い移動はできないだろうし、大勢との対決のときに小回りの効いた動きなんて無理だろう。
ちょっとの段差や坂道などの高低差にも不自由すると思う。
まあ、障害のある人間が必死の訓練で超人的能力を身につけ、というようなファンタジーなのだから、そこは高性能なのだと思うべきなのか。
それにしてもはなが必死に車を押している場面がよく出てくるが、それを何時間も続けてなんて無理だわ。それに、右京が車から降りて、人と対面しているような場面もあるが、あれだって座敷に上がるのも、帰る段になって、また車に乗るのも相当な苦労だぜ、と思う。
そういや最終回で(他の回でも似たようなことはあったような気がする)、仕事へ行くからとはなに車を押すように頼み、その仕事ははなが止めてほしいと思っている仕事であるから、押すのをはなが拒むと、右京が一人で腕の力で這いずっていくという場面がある(それを見てはなが折れて車を押すことになる)。ああいう場面は非常に嫌だな。障がい者のわがままを見せ付けられてるようで。そんなので進めるわけないし、場についても仕事が出来るわけもなく返り討ちになってしまう。またそれを見せられたら、はなは折れざるを得ない(といってもそこでははなが折れたというより、やはり私は夫についていくと決意を固めるというような演出だが)。
最近、著名な車椅子の障がい者の方の不倫が大々的に報じられた。そのとき思ったのだが、ああいう肢体と車椅子の装備というのは、一種の威圧感があると思う。それを今作品を見ているときに思い起こした。
そもそも手押し車というアイデアは、有名な「子連れ狼」から来ているのだろうが。

画像の質、演出方法、出ている俳優(レギュラーやゲストもそうだが、それ以外の脇役などにそれを感じる)などはほぼ「必殺」。音楽は鈴木淳。平尾昌晃でないせいか、「あの必殺」の感じが全面的に出ている感じではない。

第1話は与力の右京が足を失うエピソードから始まり、その後、同僚で親友の秋山から手に余る仕事を1両で仕事を受けるようになるまでを描いている。与力時代の右京が、普通の時代劇だと、悪役になりそうな描かれ方(強引な捜査手法)で、それが右京の性格であり、それ故の今シリーズでのそういう仕事を請け負うことになる原因でもあり、全編通してそういう性格、言動が継続する。
これがどうにも、普通のドラマなら主役の善玉への肩入れするのだが、そういう安直な感情移入を許さない感じになっている。どうにも「行過ぎた正義感」に見えるのだ。
それがセリフ面で出ているのが、中尾彬の出ている第13話や第18話だ。前者は中尾彬が医者役で貧しい人々のために格安で治療をしてやっているが、金持ちからはがっぽり取って、さらには薬価を下げさせるため殺しも行うというような人物。右京との対決になり、「お前も俺と同じでないのか」と声をかける場面がある(それへの受け答えや、その場面後に秋山と右京でそれについてちょっと会話を交わす場面もあるが安っぽく感じた)。後者では無軌道な若者集団の話で、これも右京との対決の場面で同じようなことを言われる場面がある。
ただ1時間ドラマであるため、そういう部分を掘り下げるような時間はなく、サラッと触れるだけという感じ。
結局ひっかかるのは、右京のいう正義が、「単に右京がそう思ってるだけの自己満足」に見えることだ。
また、もうひとつ右京の性格を物語るセリフが、観念が足に豆ができたというと、右京が「お前は豆でない男なのに」といい、ちょっとの間の後、観念が笑い出し「右京さんがダジャレを言うなんて」と言う場面。これは冗談ひとつ言わない右京の性格を物語っている。
そういえば最終回のラストシーンははなの言葉に呵呵大笑する右京である。今シリーズ通して右京が笑う場面はほとんどなく、だからこそのインパクトか。
右京がそういう性格だからか、周りのレギュラー陣はコメディ要素を併せ持っている感じだ。はな(ジュディ・オング)、音三(太田博之)、観念(下條アトム)観念の姉・おふく(中原早苗)。コメディ的という点ではレギュラーの中で秋山(前田吟)は別かな。風格もあり演技は良い
ちなみにウィキに、観念の姉・おふくが「(第9・14・16・26話)」とある(中原早苗の項目ではそれ以外に第20話への出演も記述)が、第25話でも出演。なぜか第25話ではクレジットなしだった。

ちなみにさっき見たばかりだから各話の感想をちょっと記すと、最終回はかなり多くの場面で疑問を感じるような展開があった。第25話はシリーズ内では異色作。普通は一話完結のため、その一話の中ではその話の主役になるゲストを中心に話が進むのであるが、今話では、はなの母の形見である櫛をめぐる話。その櫛を質に入れたがその櫛は質屋の娘が勝手に持ち出し、それが掏られ、そして・・・と櫛が転々としていくのを右京夫婦が追いかける話で、であるから、その櫛を手にした人物と次々と右京が対面していく。大体3つのパートに別れており、普通の話ではその一つ一つを一話にしそうな作り。つまり、その3つのパートの第1パートで右京はクライマックスシーンのような殺陣を披露し、短いながらも「見終えた」気分になるような仕掛け。その第3パートで今話のメインゲスト宍戸錠が登場してくる。

ウィキ「オープニングナレーションは、第1話のみ現代社会の映像(サラリーマンの通勤風景、若者でにぎわう歩行者天国、列車転覆事故、学生デモを警戒する機動隊、火災現場など)をバックに、これから主人公に襲いかかる苦難を暗示した内容である。これは地上波再放送でもCSでもカットされ続けた幻のバージョンで、DVD収録で本放送以来29年ぶりに陽の目をみた。第2話から従来のバージョンとなったが、第12話のみ異なるテイクになっている」
本放送では第1話のオープニングは第2話以降のやつと同じだった。残念。第12話の異なるテイクというのもなかったようだ

録画データ
19 地震速報
22、23 録画失敗
24 全編L字で地震情報。さらに地震速報のテロップ

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必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 [必殺]

4/15-5/4
3日で見終えた。全14話
タイトルは「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」
細かい話だが、前作はタイトルが「新 必殺からくり人」、各話のサブタイトルが「東海道五十三次殺し旅 ○○」。今作はタイトルが「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」、各話のサブタイトルが「○○」。
これで「必殺シリーズ」すべての作品を一応一通り見たことになる、見納めのシリーズ(再放送されなかった回などは除く)。
今回のテレ玉の再放送で、初期のシリーズは初めて見るものも多かった。これまで、テレ玉やテレビ神奈川での再放送で見ていたが、いくつかのシリーズは録画機械のなかった時分で、半分眠りながら見ていたようなものもある。それをよく覚えてるのが「商売人」で、今回も録画をしており、これはもう一度見たいとは思っていたのだが、やはり初めて見るもののほうが楽しくて、こちらを先に見た。
さて、その商売人、それを見たのもテレ玉で多分今回の放映より2回前の2007年ころだったと思う(その次に放映されたときはテレビさえなかった)。で、ということは、この「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」もその流れで見たはずなのだ。が、こちらは見たという記憶がないのだ(実は唯一、なんとなく頭に残ってる場面はあるのだが)。そして次のシリーズ、「翔べ! 必殺うらごろし」、こちらははっきりと覚えている。今シリーズはよほど印象に残らなかったのか、単に見ていなかったのか。と思いつつシリーズを視聴したのだが、第11話、12話あたりで見た記憶が甦った。先に書いた唯一覚えている場面というのは、逆さ富士を見下ろしながら話をするからくり人たちの構図で、これを今回見ながら、やはり一応は見ていたのだなと思った。第11話は出来も良く、だから記憶に残っているのかもしれない。次の第12話の冒頭での今出川西紀が川を渡る場面も大層な迫力でこれも見たという記憶が少しだけ甦った。

音楽面。主題歌は前シリーズ『必殺商売人』と同じ(流れる部分の歌詞が1番2番で違うとのこと)。ゆえに、殺しの場面でかかるBGMもこれをアレンジしたもので前シリーズと一緒。さらにオープニングの口上のBGMも、タイトル・サブタイトルが出る際の短いBGMも同じ。オープニングの口上は、吉田日出子でこれは前シリーズとは違う、もちろんそこでの文句も。
最後の主題歌が流れるタイミング、他の必殺では、サブタイトルと「終わり」が出て後、イントロが流れるが、このシリーズでは本編の最後の場面(からくり人たちの旅の道中)でイントロが流れ始める。

以下の各話感想でも触れているが、この北斎の絵の中に殺しの依頼を書き込むという設定。自分なりに解釈すると、永寿堂が売れている広重の絵のからくりを北斎に教え、北斎にもそれをやってみよとの依頼により、北斎が諸国を巡り、前作の広重の如く絵を描いたということなのだろう。途中で永寿堂が受けた殺しの依頼を広重に伝え絵を描いてからくり人に渡すのではないかというようなことを書いたが、これは違うのだろうと思う

出雲のお艶(演・山田五十鈴)
三味線に刃物が仕込んであり、殺しの場面で三味線を解体するような形でそれを出すというやり方。山田五十鈴の必殺は、「からくり人」と「仕事人」であるが、ほとんどがシンプルに撥で相手を切り裂くというやり方をしているので、異色に思える。が、あまり成功しているとは思えない。
また、今シリーズでは安来節の師匠であるが、この曲がちょっと合わないという気がする。あくまでも他の素晴らしい作品群に比べてであるが。
三味線を奏で殺しの現場に現われ、殺した後、再び三味を構え弾きだすというのも、今作品以外でもよく見られるが、前記の殺し方のせいで、動作が少し大きくなりちょっとだけ違和感がある。
唐十郎(演・沖雅也)
髷を結っているが、月代は剃っていない。第4話では回想場面で月代を剃った町人姿、第5話では、武士に変装するため、武士の丁髷姿を披露
殺し方は刃物を首筋に刺すという形だが、釣竿のように長く伸びるようにもなっていて、遠くの敵を殺したりもする。また普通の殺陣のように斬り合いもする。一回で何人も殺す回も多い。
第1話で、その長い竿のようにして遠くの敵を殺し、その男が倒れたのをさらに奥にいた敵が気付き、唐十郎の方を向き、二人が対決という場面があるのだが、そこでそこに割って入り敵に向かっていき、一刀の下に斬られる男がいるのだが、あれは誰なんだろう。からくり人側の人間ではあるわけないし。
うさぎ(演・高橋洋子(第4話まで)、真行寺君枝(第5話以降))
最初の方では火のついた円盤を投げて相手を威嚇するという技を披露しており、そのためか火の扱いが得意ということなのだろう、北斎の絵を火であぶる際もうさぎが火を担当していたが、真行寺君枝になってからその設定はなくなったようだ
虫の鈴平(演・江戸家小猫(後の四代目・江戸家猫八 )
彼の得意芸を生かした設定は随所に見られるが、あまり活躍していたとは言いがたいか。
宇蔵(演・芦屋雁之助)
雁之助は前作のからくり人から続投。殺し方はアニメーションが入れられる荒唐無稽なもの。

第1話 「江戸 日本橋」
脚本が早坂暁、監督が黒木和男。黒木は必殺もやっていたとは。
前作(「新 必殺からくり人」)の世界観を継承している。キャストクレジットでは山田五十鈴[は「お艶」となっているが、作中ではもっぱら「太夫」と呼ばれる。彼女は前作を踏まえた役柄。
芦屋雁之助は「宇蔵」。前作で雁之助がやったようなお艶の忠実な手下であるが同一人物であるかどうかはわからない。
キャストクレジットのトップは沖雅也で「唐十郎」
シリーズ発端ということで、北斎とその娘のおえいの出番が長い。次回以降はこの二人は出てこない(ナレーションはおえいの吉田日出子で、話の途中でもナレーションで出てくる)。
北斎とおえいといえば、必殺の映画版でも扱われていたはず。またそれ以外でも出てきてたような気がするが、思い出せない。最近「百日紅」というアニメ映画が話題になっており、そこでおえいもなかなかの才人だったということが描かれているが、このエピソードをどっか別のとこで聞いた気がする。が、それは今シリーズには関係ない話か。
北斎の出番が長いことで、この第1話はからくり人の殺しにいたる話が短くなってしまっている。
また、先に書いた前作を踏まえているという作りのためだけに、北斎にも殺しを示唆した絵を描かせるというちょっと無理のある設定。殺しの依頼は西村永寿堂与八が北斎に殺しの対象を教え描かせているという設定のようだ。
この話以降の場面で「北斎先生の見込みが当たっているようだ」とかいうような台詞があるのだが、永寿堂の依頼通り北斎が描いているなら、北斎の見込みもなにもないと思うが

第2話 「隠田の水車」
清兵ヱ - 堺左千夫
源八郎 - 外山高士
北斎の絵に描きこまれたターゲットのヒントである赤くなる部分は「亀」
そしてストーリーにはいくつもの亀にまつわるものが出てくる。登場人物の「亀吉」、女郎屋の「亀甲屋」、亀の刺青をした男、そして商人に村の女を差し出すときの遊びでは亀が使われる。
これらのなにを指して北斎が描いたのだろうか

第3話 「駿州片倉茶園ノ不二」
玉木千阿弥- 大木実
土井玄蕃- 堀雄二
雪絵 - 佐藤万理
溝口兵江 - 高峰圭二
小松仙之助 - 大竹修造
琴路- 吉本真由美
片倉屋- 西山辰夫
茶壷道中(幕府に茶を運ぶ)の折、小島藩に立ち寄った将軍家茶道師範の千阿弥と賄賂を渡して地元の茶を幕府に公認の御飲料(「ごいんりょう」と発音されていた、どういう字があたるのかわからない)にしてもらおうとする小島藩の話。
小島藩の家老・土井玄蕃に娘を夜伽に差し出せなど千阿弥が無理難題を吹っかけながらも、頼みは一切聞かないという悪役。小島藩では不満がたまるが、玄蕃は殿にも家来にも我慢するように言う。
そして、その玄蕃は千阿弥をからくり人が狙ってることをかぎつけ、いつか始末してくれることを願う。
それがなされたことを報告されたとき、玄蕃は殿に向かってそのことを知っていたと言い、その場にいた千阿弥との間を取り次いでいた片倉屋を刺し殺し、自害する。
なかなか良い出来。
玄蕃とからくり人の絡みは、外で安来節をやっているお艶一行の元を訪れ、見物料の投げ銭を渡す場面、そしてその夜、娘・琴路の一周忌の墓前での場面(ここで何が起きたのかが語られ、回想場面となる)。
見ている最中、家臣はからくり人の存在を思いがけず知ったのかと思ったが、あとから思いなおすと依頼人が家臣なのかもしれん。
前作・「新 必殺からくり人」は広重が見聞してきた酷い出来事の始末をからくり人に頼むという形式だが、今作では元締が(仕事を受けて)、それを北斎に指示し絵を描かせて、それをからくり人の指令書にしているのだから。
と思って見直したが、そういう風に示唆されてる演出はないようだ。

第4話 「神奈川沖浪裏」
お静- 三浦真弓
上総屋 - 御木本伸介
魚辰- 谷口完
魚甚- 汐路章
丑松 - 黒部進
寅太 - 大林丈史
亥之助 - 内田勝正
魚辰と魚甚の抗争は放ったらかしなのはもったいない。良い話にできそうなのに。
一番鰹をめぐる魚卸屋の暗躍。そして唐十郎の過去の因縁が語られる。その回想場面が長いため、物語での現代(つまりからくり人たちが活動している時代)の描き方が短いためちょっと消化不良

第5話 「本所立川」
隼の俊次 - 花沢徳衛
用心棒 - 阿藤海
阿藤海は気づかなかった。他にも用心棒はいるのだが、阿藤だけ別にキャストクレジットされており、その中では格上なのだろう。
本所、置いてけ堀のかっぱ伝説を踏まえた話。ちょっとオカルトチックだったり、ふざけた調子があったりで前半はイマイチだと思っていたが、後半はなかなか。
今話からうさぎ役が高橋洋子から真行寺君枝へ。ほとんど違和感なし。そこまで目立っていなかったわけでもないが。

第6話 「下目黒」
鷹匠の話。

第7話 「駿州江尻」
政五郎 - 今井健二
今井健二はやくざの親分。
船を作るための図面をめぐる話。

第8話 「甲州犬目峠」
黄金屋幸兵衛- 江幡高志
江幡高志は商家の旦那というお似合いの役からはちょっと外れた役柄。疱瘡の病を偽るという話で、彼と、お艶、宇蔵が顔にボツボツをつけるという気持ち悪い場面あり。
この話は金山にまつわる不正を扱っており、疱瘡の病を偽るというのは、金が出た山一帯を独占するため、その山にある湯治場に病を偽り、強引に入り込み、文句が出たところで、一帯を買わせてくれと頼むという作戦。

第9話 「深川万年橋下」
旗本次男坊たちが作る「雷組(いかずちぐみ)」とやくざの対立。双方から人質を出して話し合いの機会を探ろうとするのだが、その人質はお取り潰しになり再興を願う武家が商売として、双方に出していた
なかなか良い出来だと思う。

第10話 「隅田川関屋の里」
新助- 住吉道博
住吉道博は助け人に出ていた住吉正博と同一人物
将軍家のお召し馬をめぐる話

第11話 「甲州三坂の水面」
富蔵- 三遊亭円之助
逆さ富士が題材。姥捨て山のような話。話の展開としては、その姥捨て山のような口減らしのための村のやり方が最初に紹介され、これじゃあ誰が悪いとも言えないし仕事にならないというようなセリフがあり、そこで、でももうちょっと調べれば何か出てくるかもしれないよと、さらに調べると、そこでは年貢で取った米を横流しして私腹を肥やしていたということが出てくるという流れでちょっと都合良すぎとも言えるし、整理されすぎとも言える。
その部分はちょっと疑問だが、出来は良い。
また演出が結構意欲的。暗い映像が続き、また一部では青み掛かった映像が効果的

第12話 「東海道金谷」
おふじ- 今出川西紀
川圧屋- 松山照夫
嘉平 - 梅津栄
大井川が舞台。船留めを恣意的に行い、儲けを企む悪人たちのために宿場町が混乱に陥っているというような話。
必殺のゲスト以外では知らないが、必殺ではかなり印象を残す役をこなしている俳優が何人かいるが、その最上位に確実に上がってくる二人、今出川西紀と松山照夫がゲスト。今出川西紀はウィキにある「不幸な田舎娘役を得意」とはちょっと違って、十代の娘がいる母親の役。松山照夫はいつもどおりのダミ声で典型的な悪役。
今出川西紀はお艶に食ってかかったり、宇蔵の安来節に合わせて「あら、エッサッサー」とでかい声で掛け声をかけたりと見せ場多し。
「不幸な田舎娘役」だと単発の出演になってしまうと思うが、普通の女の子役でレギュラーやっているのも見てみたいもんだ

第13話 「尾州不二見原」
弥助役で日高久。
十年ぶりに江戸から戻ったおりんはそこで自分の村がなくなっており、母親も許婚もいなくなっていることを知り呆然とする。しかも、顔見知りに聞いても、そんな村のことは知らず自分のことも知らないと言い張り、その村自体がなかったことにされていた。
第1話以来だと思うが元締の永寿堂の名前が出てくる(お艶の手紙にて)

第14話 「凱風快晴」
最終回というのは大抵なかなかの出来なのだが、これはどうにも散漫。
北斎親娘が第1話以来の登場。北斎を殺せという北斎自身の依頼。しかし、これは冗談で、殺されたような芝居をして、自らの葬式をしてしまうことで静かな環境で暮らしたいという願いからきたものだ。
その芝居は成功し、北斎は静かな生活を手に入れたのだが、北斎の本当の死を願う絵の版元と北斎の絵を所有しており値上がりを待っている者たちが結託して北斎を狙うというような筋立て。
ほかにも唐十郎を狙う謎の武芸者が出てきてキャラクターは多彩なのだが、話にまとまりがない感じがする



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おしどり右京捕物車 [必殺]

テレビ神奈川でやっていた「おしどり右京捕物車」
4月から放送時間が変更になっていたぁぁああああ
気づいたのが昨日。2話分録画し損ねた。
ここ数ヶ月で最大のショック
こういうこと時折ある。前にMXで必殺をやっていたとき、あるシリーズの最終話の分から放映時間が変更(多分去年の10月だったと思う)になり、その後新シリーズが今でもその時間で放映されている。、
必殺シリーズならどうせテレビ埼玉の放映で全シリーズ録画できそうなので、このときはショックはなかった(テレビ埼玉以外の放映も一応録画だけはしている)

どこかで再放送やってくんねえかなあ。まだ視聴していない。全話揃ってからの視聴を楽しみにしていたのだが、全話揃ってないと気分悪い。当分視聴するのは止めるか

このドラマは「必殺」のような人気シリーズと違って、あまり再放送しそうにないんだよな。

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新・必殺からくり人 [必殺]

テレ玉で2/22から3/9
全13話、全部放映
放映日、録画終了したものからどんどん見た。

第1話 「東海道五十三次殺し旅 日本橋」
同心 渡辺 - 剣持伴紀
備前屋 - 牧冬吉
2/22よりテレビ埼玉で放映開始。
全部録り終えてからまとめて見るつもりでなにげなくオープニングと最初の部分の雰囲気だけ見ようと録画開始した。まず冒頭に小舟に乗った山田五十鈴、そして志ん朝。志ん朝があのいい声で「ぇえ、お迎えさんえ、新内流しです」。もうたまらなくなって、とりあえず1話を全部見た。からくり人のどれかに志ん朝が出ているのは知っていたが、これを見る前にウィキなどで確認してなかったから面食らったのだ。
これはまとめてでなく、録画が済んだ回からどんどん見ていこうかとも思う。
志ん朝が予想以上の活躍。落語風の舞台で喋る部分もある。落語風と書いたのは、落語というより漫談風だからだ。志ん朝と山田五十鈴なんて、もうそれだけでずっと見ていたい感じ。
出演者はさらに豪勢で、その二人に加えて芦屋雁之助、ジュディ・オングが殺しを請け負う旅一座の面々。志ん朝以外は「必殺からくり人」でお馴染みの安心感。さらに同じく「必殺からくり人」の緒形拳。こちらはどうなんだろう。毎回出るのだろうか。殺しの依頼人である安藤広重役。安藤広重が浮世絵に隠し絵として描いた絵が依頼の内容という趣向。その絵を第1回では山田五十鈴演じるお艶に託しているが、その後は出てくる必要がなさそう。第2話では案の定出てこなかった(回想では出ていた。いや少しは出ていたかもしれない)。ナレーションを担当していて、殺しの絵をお艶たちが解析しているところで絵解きの説明ナレーションが入っている。
そして、もうひとりレギュラーが近藤正臣。近藤正臣は「必殺剣劇人」が初めてかと思っていたが、そうか、この作品にも出ていたか。
さてこれだけ豪勢だと主役は誰なんだろうとなる。キャストクレジットでは近藤正臣が最初。トメが山田五十鈴。1話を見た感じでは山田五十鈴が主役に思えるが。まあ必殺の場合は最初に名前が出る人が必ずしも、ということはある。
殺しの方法は志ん朝のはちょっと現実離れしすぎていていただけない。芦屋雁之助、ジュディ・オングのやつもちょっとなあ。山田五十鈴はいつも通りとも思えるが、集団に立ち向かい何人も殺すというのは珍しいかもしれない。が第1話に関しては殺しの場面あたりは大したことなかった。
女性の裸がかなり堂々と出ていた。これ以前にもあったとは思うが。
必殺お決まりのオープニングナレーションがなくて焦った。ウィキを見ると第2話から広重役の緒形のナレーションがあるとのことで、第1話で広重が依頼をして話が始まるので、第1話のオープニングでは入っていないとのこと。
第2話 「東海道五十三次殺し旅 戸塚」
あき - 川口晶
紋三郎 - 岸田森
木曽屋 - 西山嘉孝
蓬莱屋加兵衛 - 岡田英次
あきは幸薄そうな女ながらどこか魅力的で上手く演じられている
塩八は殺しに加わらない。出番が少ない。冒頭、旅路の場面でもなぜか映っていない。塩八だけ別行動という可能性もあるのだが、茶店での台詞でお艶が「まんじゅうを4人前」小駒が「5人前でしょ(蘭兵衛が新たに加わったから)」という場面があることから、ここに塩八はいるはずなのだけど。※追記2019/4/13 見直してみたら、塩八は興行をする小屋を探して、一足先に行ってるというようなことを言っていた。いなくていいのか。
小駒も殺しはしない。お艶と蘭兵衛で切り込みに掛かるが首謀者は生きたまま捕らえ、塩八が連れて来た彼らに恨みを持つ女郎たちに嬲り殺しにさせる。
蘭兵衛の殺陣の場面では相手の片腕を斬り落とし、その斬られた腕が映るという演出もある。
殺しの場所は戸塚宿だがブラ平は江戸へ戻って作品内で描かれている材木で儲けた商人の材木を焼くという一仕事(殺しはしない)。
鎌倉の縁切り寺・東慶寺の話でこれはこれまでにもたしか扱われていた題材。
ストーリーとしては最後戸塚での殺しと江戸へ戻っての一仕事と散らかってしまっている印象はあるが、女郎にされた女たちに復讐させるという趣向は良い。
そして安藤広重の絵に隠された殺しの依頼というちょっとやりにくそうな題材はうまく処理されている。戸塚宿から鎌倉の寺への脇道に悲しい話があるというのが広重の依頼。そこへお誂え向きの事件が起き、お艶はその依頼が正しいと確信し殺しを実行するという内容。
広重は今話には登場しないが、依頼内容をお艶らが広重の絵を見ながら確認する場面で緒形のナレーションで説明が入る。
その事件の当事者は最後河に入って心中するのであるが、それを誰かが止めるというわけでなく、物悲しい山田五十鈴の三味線と歌がBGMになる。
オープニングナレーションでは緒形拳が広重として語るのであるが、「私、安藤広重が・・」という場面で広重役の緒形が、そしてラストの「お艶さんお頼みします」という場面でお艶役の山田五十鈴が出るという趣向

第3話 「東海道五十三次殺し旅 三島」
おのぶ - 加賀まりこ
小幡弥十郎 - 和田浩治
遠州屋治兵ヱ - 須賀不二男
加賀まりこがなかなかの迫力で山田五十鈴とふたりの場面でも引けを取らない。アップになる場面も多いが肌が汚い。女郎に堕ちた女ということでの役作りかもしれない
塩八が前回以上に出番が少ない。冒頭で今回の仕事の聞き込みのため女郎のおのぶに会いに行くという場面は大いに見せ場を作っているのだが、何も聞きだせずに帰ってくるとお艶に「荷が重すぎたねえ」と軽んじたような言われ方をする。そして、次の仕事先へ先回りしてくれと言われ、ストーリーから外れてしまう。ラストでまた一行が旅路にあるとき、塩八が合流するという場面でチラッと映って終わり。
スケジュールの関係だろうか、キャラクターからして作品に入れにくいのか、どっちにしても作品が始まったばかりなのに、と思う。
広重は今話では登場。だがちょっと依頼内容に矛盾がある。絵に描かれた依頼内容はおのぶ・清吉が寺に寄贈した灯篭。しかし広重が登場して語るには、おのぶ・清吉が広重と知り合った後どんな目に会ったかは知らない様子。
山田五十鈴の三味線と泣き節(恨み節)がここでも冴える。山田五十鈴の強みは、三味線の腕前であることが常々思い知らさせる。
和田浩治という名前に記憶がないが、この人はよく見る顔だ。

第4話 「東海道五十三次殺し旅 原宿」
しの - 今出川西紀
小一郎 - 河原崎次郎
ここでも塩八は殺しに参加しない。殺し技の設定に無理があったからだろうか。出番はそこそこあり、小噺を披露する場面もある。塩八は落語家の役で落語に出てくる太鼓持ちのようなキャラクター。であるから志ん朝の落語口調そのままなのがとても楽しい。塩はしょっぱい芸ということでつまらない芸人というような意味あいかな。八はそういえば落語に出てくる太鼓持ちは一八だ。
今出川西紀は出番が非常に多い。依頼人という役柄(実際の依頼人は広重ではあるが)で、最後はブラ平の放った火で燃え盛る小屋に入っていき自害する。今シリーズは恨みをお艶に託す依頼人が最後死ぬという展開が多い。

第5話 「東海道五十三次殺し旅 府中」
春之助 - ピーター
鬼太郎 - アキ竹城
ピーターが魅せる。春之助はお艶の昔の弟子。6歳のときから門に入り、18歳で失踪。7年ぶりに出会うという設定。ピーターの妖艶な姿形を生かし、男、女に成り代わる役柄。二人の三味線の競演もある。
ここまで見て、塩八の「殺し」という仕事に対しての貢献度の低さが泣ける。あまりお艶から信頼されていない感じがこれまでも出ていたが、今回も殺しに出立する場面で、他の3人に続いて「ようし、おれも」と立ち上がるがブラ平から「お前は小駒と咲ちゃん(今話で出てくる女の子)の面倒を見てろ」と止められてしまう。ここを見て、仲間からも信頼されてないという設定なのだと再確認

第6話 「東海道五十三次殺し旅 日坂」
清太郎 - 綿引洪(現・勝彦)
角造 - 志賀勝
日高久がおふじ(今話の登場人物)が働く宿屋の主人。
小駒の来歴が明らかになる。清太郎は18歳の小駒が9年前に別れた実兄。小駒は兄からは「お駒」と呼ばれている。清太郎は幼名、「さくぞう」
小駒が兄と話す場面で微妙に、ほんの微妙に訛るが、その昔を思い出したという演技なのだろうか。微妙すぎてよくわからない。
小駒がお艶に今度の仕事はお前の兄が標的だと言われたときの返事が気が抜けたマヌケな声だがこれは演技なのだろうか。
最初の場面で塩八不在。先のりかと思いきや、その役目はブラ平に。塩八は今話の絵に描かれている石の場所に先に来ていて調査していたらしいが、絵を見る場面(最初の場面)では塩八はいなかった。絵はいつでも見ることができ、塩八にその石を調べろとでも命ぜられていたか。
その石の故事来歴(大昔の話)を塩八が語り、お艶に「何にも調べられてないじゃないか」と言われてしまったそのとき、その石のところに赤ん坊が。そこへ広重のナレーションで今回の仕事内容が語られる。
そこで一団は仕事内容を理解するのだが、これはどう考えればいいんだろう。絵を見ただけじゃ仕事内容は分からず、調査をする。では広重のナレーション内容をお艶たちはどうやって知ったのだろう。手紙でも後から来たのだろうか。
今話で自分たちの仕事を「からくり」と称する場面がある。今シリーズ初めてだと思う。
塩八が小噺をする場面あり。また、殺しの仕事もする。今シリーズ2度目。
※追記 2019/4/16
綿引洪が清太郎役。他に志賀勝

第7話 「東海道五十三次殺し旅 荒井」
志ま - 鮎川いづみ(現・いずみ)
善兵ヱ - 浜村純
今話で塩八退場。
第9話で退場かと勘違いしており、序盤で塩八が銃で撃たれ重傷を負うという展開に、あれっここで死ぬのかなあ、あっけないなあ、などと思いながら視聴。序盤までの展開はあっけない感じではあったが、後半は塩八の殉死を強調した作りになっている。その影響からか殺しの場面はおざなり。塩八が怪我を押して高座に上がり、客の役人を引きつけておき、その合間にブラ平、蘭兵衛が殺しを行う。お艶、小駒は塩八を見守る。
途中で「宮戸川」(二人がおじさんの家の2階に泊まることになり、「こっからこっちには入ってこないでください」という件)を披露する場面あり。また塩八が亡くなる場面での高座でかけているネタは「抜け雀」。
しかし、全13話の短いシリーズでのここでの降板というのはなんなのだろう。スケジュールなのか、合わないと判断されたのか、まったく意味がわからない。
ラストに毎回お艶の広重に向けた手紙がナレーションで流れるが、ここでは頭に「広重さんへ」というようなもの(普段はこのようになってる)がなく、広重宛のものなのかちょっとわかりにくくしてあり、内容は塩八を悼む内容。

第8話 「東海道五十三次殺し旅 藤川」
おせん - 西崎みどり
上田徳兵衛 - 松山照夫
西崎みどりは盲の馬子。馬子唄が彼女の売り物である歌声で見せ場になっている

第9話 「東海道五十三次殺し旅 鳴海」
鳴海の重蔵 - 山本麟一
お葉 - 横山リエ
多七 - 佐野守
山本麟一はその地のやくざの親分。ここでは悪役で最後殺されるが、根っからの悪というより田舎者丸出しのどことなく憎めないキャラ。興行をするために挨拶に訪れたお艶に芸を強要し、新内が始まると、親分始め一同が退屈になる場面はその田舎者具合が現われていて面白い。
ストーリーとしても巨悪でないのでラストで殺される展開でなくても良かったようにも思える。
お艶はこれまで殺しを行わない回が続いていたが、今回は久々に行う。小駒も同じく。
その殺しの場面、今話のゲストの方の主役はお葉と多七。旦那を店の番頭の多七に殺されたお葉の恨みを晴らす展開のように序盤は思えるのだが、話が展開し、実はお葉は多七とデキており、主人殺しはお葉の仕業で多七に罪をかぶせたということがわかってくる。
殺しの場面ではお葉が再度多七をくどく。そこで居合わせているお艶に「何か歌ってよ」と頼み、三味線バックにお葉が多七をくどくという芝居がかった場面が作られており、男女は芝居(歌舞伎のような)を意識したかのような動きを見せる。ここも見所。

第10話 「東海道五十三次殺し旅 桑名」
角屋善兵衛 - 桑山正一
小吉 - 桜木健一
桑名のお大尽・角屋善兵衛は桑名を表に裏に仕切っており、裏では騙されて各所から連れて来られた男と女たちがタコ部屋のような環境で働かされている。男たちは船を作り、女たちは船の帆を織る。小吉はそこで働く船大工。おしのは機織り娘。この二人がそこから逃げ出そうとする恋の話
一瞬緊張感のない場面がある。序盤でこの二人はタコ部屋から逃げ出し、逢引するのだが、逃げ出した時点ですぐに追っ手がかかっている。それなのに小吉のほうはのんびりしたもんで、一旦帰れなどと、単に会うことだけが目的だったようなことを言う。この逢引でさえ決死の覚悟で小吉からおしのに手紙を出したというのに。
桑名の殿様というお座敷唄を何度かお艶が歌う場面があり、調べてみると有名なものらしくウィキの項目にもある。歌詞の一節、「時雨で茶々漬」というのをお艶がラストにつぶやく場面がある。
お艶は二人を殺す。ひとりを三味線のバチを投げて殺してしまったので、バチは使えず。頭に挿してるかんざしを使用、これはちょっと珍しいかもしれない。


第11話 「東海道五十三次殺し旅 庄野」
巳之助 - 三ツ木清隆
話は本陣(多分庄屋みたいな地域の実力者)を守る女当主・おるいと本陣の地位を狙う脇本陣(2番手、3番手くらいの位置づけなのだろう)の村田屋。
大名行列が通る際のもてなしを本陣がやらねばならないのであるが、それにはお金がかかる。それを無事こなせるかということが話の焦点となる。
おるいの父親が失踪してしまい、おるいが今は継いでいるのであるが、先代からの使用人である爺やが殺されたことから、おるいの父親も同じ手口だろうということがわかってくる。
おるいと近々結婚する予定なのが巳之助。しかし、裏では村田屋とつながっていたのである。この巳之助が村田屋とつながってるかどうかというのは途中でいくらか示唆されている部分もあり、種明かしの前に、多分そうじゃないかなと気付いた。
この話のちょっと興醒めるところはおるいという女の思慮が欠けるところ。女ひとりで本陣を守ると言いながらも金のあてもなく、やり手でもなく、どう考えても無理だろという設定なのがたくさんある。

第12話 「東海道五十三次殺し旅 大津」
服部重四郎 - 石橋蓮司
宗右衛門 - 浜田寅彦
捨吉 - 江幡高志
運慶 - 梅津栄
キャストのうち、上記3人が悪の一味。なかなか豪華。
話の展開では、一座が持っている広重の絵が盗まれ、そしてその絵に疑念が持たれ、火で炙って、赤の部分が浮き出ることまで見破られてしまうというところが目を惹く。

第13話 「東海道五十三次殺し旅 京都」
佐市 - 山田吾一
斎藤嘉兵ヱ - 外山高士
目明しの安次役の西田良という人もよく見る顔
森崎東が監督
志ん朝が自分に似ているとネタにしていた山田吾一がゲスト。なにかそれに類するネタを絡めるかと思ったが。。。
盲人の役。検校の地位を巡る話
ラストでは広重が幕府の密偵ということが明かされ、お艶のバチが広重のおでこに突き刺さる場面があるのだが、その後平然と広重がお艶の絵を描いている場面。バチが突き刺さる場面は、お艶の殺すぞという妄想なのだろう
ラストにはお艶の静止画のあとに、登場人物の静止画像が流れるのだが、塩八のあとに蘭兵衛が2枚、そしてお艶に戻り終わる。塩八と蘭兵衛だけというのは、東海道の殺し旅が終わり、一座を抜けていった者という意味あいだろうか。
緒形拳は広重役としてナレーションを務めているが、実際に登場するのは今話を含めて確か4回だったと思う。第1話ではお艶の依頼、第3話では一座と出会う場面があり、もう一回はどこかの回で絵をあぶり一座が今回の仕事を確認してる際の広重のナレーションに乗って、回想シーンのような形で出てきていたはず。

実在の広重、高野長英にする意味があまりないなあと思いながら見ていた。まあ広重の絵に謎が含まれているというアイデアは視聴者への訴求力はあるだろうけど。
だが、最終話ではそのふたりにした意味がある内容であった。まあ無理やり絡めたという風にも見え、さして面白くはないが。

からくり人シリーズの次作は「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」というものであるが、今作と似た世界観である。
まず、タイトル。今作は「新 必殺からくり人」でサブタイトルが「東海道五十三次殺し旅 ○○」というもの。
次作は今作でサブタイトルに入っていた「○○殺し旅」までを含めて「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」がタイトル、サブタイトルは地名となっている。
登場人物、ウィキより--
山田五十鈴が演じた、前作の登場人物「泣き節お艶」は本作では「出雲のお艶」と名を変えて登場。同じく、芦屋雁之助が演じた一座の番頭格「火吹きのブラ平」も、劇中で同一人物とは名言はされないが、「どじょうの宇蔵」として登場するなど、前作のイメージを受け継いでいる。
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さらに小駒に変わり、踊り子の若い女性が入り、また蘭兵衛に変わり、沖雅也演じる唐十郎、仕事の元締の配下で見届け役となる。この配役も若い女性と、女性に人気の男優という風に形は似たままである。
塩八の代わりが芸人の江戸家小猫で虫の鈴平役である
さらに、「前作では絵師の安藤広重が描いた「東海道五十三次」をモチーフとしたのに対し、今作では葛飾北斎が描いた「富嶽百景」をモチーフにしており、殺しの依頼があぶり出しで絵に表れるというアイデアを、そのまま引き継いでいる」とのこと
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必殺からくり人・血風編 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/12/09(水)から12/23(水)まで全11話

舞台が江戸時代末期の薩長と幕府との争い前夜の品川。ということでなにやら騒々しく、幕府側の取り締まり係がせわしなくおりくの店や品川の町中に登場してくる。また騒乱の世ということでええじゃないかを歌い踊る町民というのも出てくる。
からくり人という名ではあるが前作と登場人物や設定での関わりはない。ただ音楽は前作と同じものを使っているので見てる側が感じる雰囲気はある面似ている。
内容は前作が必殺において異色作だが意欲作だと思うが、こちらも雰囲気としては異色の内容。考えてみると必殺の世界観として、安定の世情、固定化された身分制度というのが背景、それゆえの恨みというのが殺しの理由となっており、今作品はそこらへんがかっちりとした安定の世情でないゆえ、殺しに説得力が薄い。オープニングナレーションには「きのう勤皇 きょう佐幕きのうホントで きょうはウソ」。天長・官軍側であろうと、公方・幕府側であろうと、どちらが恨みの対象として殺されようとそれが絶対権力でないからスカッとはしないというようなことを見ているうちに思いついた。それでもうまく悪役の悪どさが描かれていればうまくはいくんだろうけど、ここを時代背景とするとそういう問題に気がつく。

制作背景として、次作の新・必殺仕置人の遅れから、この企画が立ち上がったということがある。

殺しの技では土左ヱ門が銃を使うというのはつまらない。直次郎は足指で人の首の骨を折るというものなのだが、毎回出るわけでなく、短刀で刺すというような普通の殺しも行うので強烈な印象にまではならない。新之介の針で相手の首筋を刺すというのは必殺ではお馴染みの感があるが、その針が裁縫で使うようなやつなので小さくて目立たない。
シリーズが11話で短く、殺しを行わない回や、毎回3人ともが殺しを行うわけでもないということ、さらに土左ヱ門にしろ、直次郎にしろ固定化した殺し技でないことから印象としては地味

新之介役がピーターというのは彼の本名からそのまま取ったのだろう。
芳太郎というのはおりくの婿なのだが、第1話と2話だけ。入れてみたはいいが使い道がなかったのかフェイドアウトといったところ。

第1話 「魔窟に潜む紅い風」
お国 - 宮本信子
宮本信子がゲスト。またレギュラーで吉田日出子と個性的な名女優が出てきて、期待が高まる。話はちょっとわかりにくい。薩摩藩の武家の嫁・お国が江戸にいる旦那に子供を連れ会いに来るが品川の関所が抜けられず、裏から関所手形を手に入れるが、手形を融通した相手の一味に連れ去られ暴行された挙句殺されてしまう。その敵討に立ち上がるという内容。

第2話 「非道にたてつく紅い刃」
お梅 - 浅香光代
品川心中をヒントにしただろう作品。そういえば今シリーズの舞台は品川だった。
浅香光代は彼女のキャラクターを生かした肝っ玉母さん風。色情魔で年増の芸者役。
殺しの場面は「ええじゃないか」に混じって行われるのであるが絵がガチャガチャしていてわかりにくい。二人を殺すのであるが、ということになると、最初に実行した新之介の技では殺せていないということになる。

第3話 「怒りが火を噴く紅い銃口」
源三 - 江幡高志
江幡高志は冒頭からラスト近くまで出てくるが、あまり見せ場なし。伊勢屋の番頭で直次郎の遊び友達。
直次郎は土左ヱ門に不信感を持っているおりくから探るよう命ぜられ、彼もまた同じように思っており、土左ヱ門と一緒に行動している。その二人の追いかけっこが今話のほとんどすべて。
伊勢屋に強盗が入る。直次郎の幼馴染が何人か殺されそれが伊勢屋の強盗と関連があるらしく、また伊勢屋と土左ヱ門がつながっているらしいことを探り当てた直次郎。土左ヱ門を抜いたからくり人グループは直次郎の恨みを晴らそうと伊勢屋一味を狙うが、そこに加勢してきたのはライフルを持った土左ヱ門だった。
最後の殺しの場面は大勢を相手にする。新之介の技(直次郎の技もそうかもしれない)は一人一殺のときに映えるもので、こういうところでは不向き。一応殺しを行ってはいるが。
ライフル様のもの、火縄銃ってことはないだろうけど、銃身の長い銃でバンバンと何回も撃つのには萎えた。というより必殺に、特に仕事人側に銃は似合わない。

第4話 「大奥の天下に挑む紅い声」
弥七 - 松山照夫
勘八 - 阿藤海
井筒屋 - 岩田直二
直次郎が主役。
大奥の15代将軍の世継ぎを巡る権力闘争。染井の自分の子を世継ぎにするための陰謀。
大奥に上がっていた女が世継ぎの権利のある子を連れ逃げ出し、その子を直次郎が拾ってしまうところから話が始まる。第2話でも第3話でもあった「金にならない仕事」をまたやらざるを得なくなってしまうことになるが、今話では直次郎が金を出し、しかしその金は返金され、仕事のついでにお金を拝借したという展開。いまのところ、「必殺からくり人」や「」で感じたような話の展開の無理さ「必殺必中仕事屋稼業」は感じない。
松山照夫、岩田直二はともに必殺のほかの作品で印象深い役をやっていたという記憶がある。
ウィキでの直次郎の記述--
捨て子だった彼を拾って育てたのは女郎だったため、女郎には優しいが反面、その仲間の女郎から性的虐待を受けたために女嫌いでもある(第2話)
--
これが具体的に語られるのは今話。第2話では具体的に育ててくれた女郎が直次郎を拾って育てたんだよと語る場面はあるが、性的虐待うんぬんの話はない

第5話 「死へ走る兄弟の紅い情念」
おりくが主役の回。
紺次郎は羅紗緬のお香を連れて逃げ、川に飛び込み心中。両方助かりお香はお咎めなし、紺次郎は晒し者にされた上で死刑。紺次郎の兄、洋三はおりくとかつて恋仲であったが、おりくが稼業を継ぐためか、洋三が新徴組に入り京へ向かったためか、別れてしまった。
晒し者になっている弟の前に洋三が現われ、おりくとも再会、過去についても明かされる。
仕事は刑に向かう紺次郎を奪うというもので殺しはなし。新之介とおいねを連れたおりくが刑に向かう列に立ちはだかり、止まったところで土左ヱ門がライフルをぶっ放す。この仕事では直次郎は絡んでこない。

第6話 「悲恋を葬る紅い涙」
お栄 - 鮎川いづみ
蛙の彦六 - 春風亭柳朝
宇佐美源四郎 - 剣持伴紀
必殺ではお馴染みの鮎川いづみにあっと驚く柳朝の登場。役柄は鮎川いづみが芸者で柳朝は太鼓持ち、二人は夫婦(芸者太鼓持ちのくっつきあいはご法度なので隠している)という関係。
柳朝については顔はそれほど見たことがなく、また落語もそれほど聞いていない。ので最初登場したときはわからなかったが、やけに目立つように演出されており、これは有名人だなと、そして見進めていくうちに、これは芸人だな、これは落語家、あ、見覚えある少しの記憶と、聞き覚えのある少しの記憶か、これひょっとして柳朝じゃないかなどと思う。先にキャストクレジットを見てしまおうかと思ったが、それは我慢した。
柳朝の師匠は8代目林家正蔵、後の彦六だが今話は彦六襲名前だ、これもすごい。
冒頭の囃し歌、途中の囃し歌(こりゃまた、猿股、ステテコパッチ)は由来があるのだろうか。明治に流行ったと言われるステテコ踊りかと思ったが調べてみたらこれは違うな。
鮎川いづみは後年の加代のようなキャラでなく、美人という面をクローズアップさせたキャラで純情な芸者。確かこれより前にもゲスト出演はあってそのときも後年のようなキャラでなく今回のような設定に近かった。

第7話 「恨みに棹さす紅い精霊舟」
精霊村源二郎 - 樋浦勉
楫取吾兵衛 - 浜村純
密偵 - 牧冬吉
おいねが今話で退場。ということもあり主役。客と惹かれあい、着いていくことになるが、その実像は・・・。一方おりくの方でも違う方向から仕事として調べていくと、おいねが着いていった男が浮かび上がり、救出に向かうことになる。おいねは命は助かるが、この後の作品には出てこない。
吉田日出子は今シリーズではレギュラーということで、ところどころではキャラクターを生かした面白い場面もあるのだが、大きくフィーチャーされては来なくて不満だったが、ようやっとというところ。

第8話 「帰らぬ愛に泣く紅い旅」
縫 - 高杉早苗
おはつ - 大谷直子
浄吉 - 綿引洪
浄吉によって女郎にさせられたおはつは、かつては武家に奉公に出ており、左近とは結婚約束もしていた。左近が京へ赴任となり、はつはやけになり奉公先を辞め、浄吉と結ばれたのだった。
女たらしで女を売り買いする男とそこから抜けられない女。こういう話は必殺に限らず時代劇全般、いや、現代劇にもよくあるテーマ。ひとつ思うのは、「簡単に別れればいいだけじゃん」と思うのだが、どうだろうか。それの妨げになっているのはなんなのだろうか。例えば借金によって縛られてるというのはあるだろう。また今話で伺えるのは、身体の相性ということも考えられる。でも後者は結びつけの論理としてはちょっと弱いか。なぜ、支配されてるかのようになってしまうのかが考えてみるとよくわからない。今話でそういう疑問でめちゃくちゃになっているということではなく、芝居の上手さもあり、充分見られる作品ではある。
殺しは新之介のみが担当

第9話 「小判が眼をむく紅い闇」
儀兵衛 - 菅貫太郎
おさよ - 八城夏子
武 - 石山律雄
枕探しの被害に遭った男 - 芝本正
芝本正はクレジットでは「男」となっているほんのチョイ役。おさよに被害を被った男役。
石山律雄は盲人の按摩。「按摩」が規制用語なのかカットされていたようだ。これが登場のところで嫌な笑いを浮かべていて悪役かと勘違いしたが、最後まで善玉役であった。武はおさよと相思相愛。しかしおさよは裏では相当の悪。ひとつわからなかったところがある。武は金を大いに貯めているが、そのありかを聞き出せと兄に言われおさよが気のないそぶりながらも聞き出し、それを隣で兄が聞いているという状況。その際、武は「ボクには怖い守り神がついてるんだよ」と言うのだが、その次の場面で金を盗み出そうとしている兄がギャーッと叫び倒れる場面。これが最後に謎解きされるのかと思ったがなにも説明されなかった。
菅貫太郎は一番のお得意の狂気の殿様・代官という役柄とはちょっと違い、商家の次男。長男が官軍(これは偽者で官軍を騙っている)への献金を断ったことで殺され、自分の代となる。
おさよを金で買い二人いるところに、また官軍を騙っていた男たちがまた金をせびりに来た。秘密を聞かれたということでおさよを殺し、また儀兵衛はその男たちも殺す。武の依頼でからくり人は儀兵衛を殺す。

第10話 「とらぬ狸の紅い舌」
栄吉 - 平泉征
釜屋 - 西山嘉孝
おたね、おまきという白濱屋の従業員が準レギュラー。他にもいたかもしれない。キャストクレジットで一応気がついてはいたが、どっちがどっちとか気にもならない単なる集団の一部分と行った役柄で、こういうキャラクターはあまり作品の中でクローズアップされることはない。例えば、『必殺仕置屋稼業』でおはつ、るみ、のぞみというのがいる。おはつは主水とコント的やり取りをやる飯屋の娘で目立つ存在だがそれでもストーリーには絡まない。るみ、のぞみというのはおこうの髪結屋の従業員だが、どちらがどっちというのは意識にもかけない。で、おたねもおまきもそんな存在だと思っていたのだが、今話ではおたねが、そして次の回ではおまきが重要な役割を担う。
おたねはおよし、栄吉夫婦と同郷で幼馴染だが、おたねのほうはずっと下層階級。おたねは栄吉に惚れており、およしを羨やみ憎んでいる。
栄吉が一攫千金を夢見て江戸に出てくるのだが騙され金を巻き上げられる。そして追い討ちをかけるようにさらに騙されるのだがこの場面はなかなか良い。官軍の塚原兵衛に芝居をしてくれと言われるのだ。塚原は江戸の各町を火にかけようと計画してる一環で品川一帯にもそれが行われると脅し組合から金を巻き上げようとしていた。金を渋る彼らの前に、他の街から同じ理由でお金を届けに来たと栄吉が芝居を始める。その金が足らないと切り捨てる塚原。これで品川の一行に脅しをかけているのだ。
栄吉の敵を取りたいなら金でなんとかしてくる人たちがいるとおよしに伝えるのがおたね。それを困った顔で隣で聞いているのが直次郎という構図が良い。

第11話 「夜明けに散った紅い命」
いよいよ官軍が江戸へ入り、直次郎は官軍の密告役を仙吉から紹介され不本意ながら行っている。白濱屋の従業員おまきが客の男・徳松と恋仲になるが、徳松は彰義隊。直次郎は密告はしないと約束するが、仙吉はその約束を破り密告、徳松は殺され、直次郎はおまきや土左ヱ門から恨まれる。直次郎は自分の身の証を立てようと仙吉に詰め寄るが、逆にからくり人だということまで知られてしまい、官軍に嬲り殺しにされる。土左ヱ門の家まで戻り、おりくに愛の告白の手紙を残し息絶える。
今話の新之助の殺しの場面はとても良い。土左ヱ門は相変わらず銃での殺しであるが、相手(上司にあたるのか、官軍の的場)の自慢する銃を手に取り、色々感触を確認しながら、相手に標的を定め撃つというものでたっぷり時間を取っている。
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必殺からくり人 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/11/20(金)から12/08(火)まで全13話

BGMで必殺で聞き馴染みのあるマイナー調のスローな曲がよくかかる。この作品が最初だろうか。「新・必殺仕置人」でかかってたのは覚えてるから「仕置人」が最初かもしれない。仕事人シリーズでもかかっていたような気がする。
殺しの場面のBGMは主題歌のインストバージョン。歌がなくメロディを管楽器が担当してるだけでアレンジはされてない。
第1話の序盤でかなりの時間、ディキシージャズ風のBGM。これのおかげがなんだか明るい雰囲気。オープニングのタイトルのときの音もちょっとコミカル。確認してないが「必殺剣劇人」もこんな感じだったか(調べたら同じものだった)。

凝った映像の演出が比較的多く見られる
話は非常にわかりにくい。ちょっと退屈なこともあり頭に入りにくい。
今シリーズは金を受け取らないで仕事を受けたり、殺しが明確には行われない回(作品上の巨悪配下のものと殺陣があって殺しが行われるが)や、巨悪の自害という回があったりする。
殺し技がイマイチパッとしない。必殺らしいのは天平の火薬を使ったものくらいか。火薬の導火線にに火をつけを相手の口に放り込み、胃のあたりで爆発させるというもの。爆発の瞬間はお馴染みのレントゲン風写真。
あとは殺し方があまり一定でなかったりして、印象が薄い。必殺の場合、ここが一つの見所で、毎回同じものをやって見得を切るというパターンのほうが印象に残りやすい
今シリーズはこれまでとかなり雰囲気が違う。脚本で早坂暁が参加しており、その雰囲気が違うところはそういう意欲作であること、そしてそれはそこそこ評価も受けたが視聴率的には振るわなかったようだ。自分も単純明快なマンネリの中からそれを凝縮したような作品が必殺における傑作だと思うので、この作品はちょっと取っ付きにくいところはあるが悪い作品ではない。「必殺必中仕事屋稼業」は設定で違和感をかなり感じたけど、こちらはそれ以上に変な設定でもあるのだが脚本がしっかりしているせいか、そういう違和感は感じない
1話が長く感じるが、気のせいか、もしかしたら実際に長いのかもしれない。またラストで一件落着した後が比較的長い。後期必殺では一件落着のあと、主水の家のコントで終わるのが定石だったが、そういうコントではなく、依頼人のその後みたいのが描かれるのが新鮮。普段見慣れてる感覚でいると、ここで終わりかなと思うところからもう一幕ある感じである。

間寛平が出ているのに驚いた。とんぼと同じくらいの年齢設定(八丈島からの島抜け場面の映像でふたりとも子供)。必殺には殺しを行わず情報屋という役割があり、へろ松もそうなんだろうけど、ほとんど役に立たない知恵遅れ気味の人物。

時次郎と天平の髪形が似ており、遠くから映した場面では二人を取り違えて見えてしまったこともあった。さらにつけ加えれば、へろ松も同じような髪形だ。

第1話 「鼠小僧に死化粧をどうぞ」
鼠小僧次郎吉 - 財津一郎
主人公グループの元締・壷屋蘭兵衛として芦田伸介。この第1話で殺されてしまい、元締を花乃屋仇吉が引き継ぐという展開。
殺し屋グループはもう一つ「曇り」というのが出てくるがその元締が須賀不二男。この二つのグループは敵対関係で、それが今シリーズのテーマになるのだろうか
壷屋蘭兵衛の殺し屋グループ・からくり人は今話ではもうグループとして仕事を行い何年も経過している模様。島送りになった八丈島から抜け出したのがグループの成員。そのときに、とんぼはまだ子供だったという風に描かれている。
次郎吉が誰かに脅され仕事をさせられており、彼と知り合った時次郎がそれに関わっていき、脱獄の手助けをするという展開。その次郎吉が持っている秘密というのがどでかいものだというのだが、それは時次郎は手に入れられず。だが持ってるふりをして「曇り」と対決する。その秘密というのは「曇り」に関することなのだろうか、今後に話が続くのだろうか、そこらへんがちょっとわからない。
冒頭は現代の新宿あたりの都会で、そこに時次郎が迷い込んだという設定。また、時次郎はカメラ目線でストーリーを語るという狂言回しの役割も演じており、これまでの必殺では確かなかった演出(「必殺仕置屋稼業」のオープニング映像ではあったが)。といっても後年はこういう現代を混ぜるというのは多くなるが。

第2話 「津軽じょんがらに涙をどうぞ」
冒頭はまたもや現代。山田五十鈴が花乃屋仇吉役でなく、本人として登場。楽屋でインタビューを受けており、三味線の弾き方や、今話に登場してくる瞽女(ごぜ)の説明をする。
脇役で宍戸大全がクレジット。「沢村」となっている。宍戸大全はスタッフクレジットで「特技」としてずっと必殺に関わってる人。この人と殺陣の布目真爾という人は時折キャストクレジットにも名を連ねている。確認してみると大抵はほんのチョイ役が多い。
話の出来はいいが今シリーズは金を受け取らず、関わった人の恨みを果たすという形なのだろうか。ちょっと戸惑う。

第3話 「賭けるなら女房をどうぞ」
魚屋の伝次 - 古川ロック
麻吉 - 草野大悟
篠崎頼母(よりも)役は谷口完。この人はよく時代劇で見る顔だ。
麻吉役の人は必殺でよく見る顔のような気がするが、本人のウィキを見ると必殺には二本だけだな。古川ロックという人もよく見ると思ったら「暗闇仕留人」では準レギュラー。この人は古川ロッパの息子。
冒頭は競馬場の時次郎。第1話と同じように狂言回しも兼ねている。
伝次は賭けにのめりこみ女房を女郎屋に取られてしまい、そこへ「曇り」一家の麻吉が絡んでくる。備前屋と「曇り」そして戸田藩・江戸家老・篠崎頼母が結託。
伝次を坊主に仕立てあげ、やらせで奇蹟を起こしてみて、百姓の信頼を得て、百姓一揆を起こさせ、備前屋が事前に買い占めておいた米の値上がりを目論むという計画。
伝次が起こす奇蹟は仕組まれたものなはずなのに、計画外の娘が連れ込んだ母親の目を治してしまい、本当に奇蹟を起こす「生き仏様」になったのかと思わせる展開もあるが、これについては説明はされず。まあ、そんなこともあるさみたいな感じで進行していく。伝次は藩と話し合うため一人で出かけていき撃ち殺される。
篠崎頼母は一揆の責任を取り自害。これは計画通りなのだろう。つまり、この家老は藩の財政を助けるため、備前屋からの借金を備前屋の計画に協力することで帳消しにし、その上で自害するというのが最初からの計画だったのだ。
備前屋に伝次の仕事への金を払わせようと仇吉が乗り込み、金を奪い(命は奪わず)、時次郎が伝次の嫁に渡す。

第4話 「息子には花婿をどうぞ」
安斉利正 - 佐々木功
久 - 原泉
たんす屋の親父として日高久がチョイ役。
ホモの話で陰間茶屋の説明がなされたりもする。
冒頭に「現代」がない演出

第5話 「粗大ゴミは闇夜にどうぞ」
やくざ政吉 - 内田勝正
大前田英五郎 - 金田竜之介
金田竜之介は出番は少ない。ラストは山田五十鈴との芝居合戦。
冒頭は「現代」の夢の島に天平ととんぼ。この二人が兄妹であるかもしれないということが仇吉と藤兵ヱとのやり取りで明かされる。
時代劇部分になっても「粗大ゴミ」という単語が出てきてしまって、時代劇ムードをあえて壊そうとしているのだが、あまりこういうのは好きでない。

第6話 「秘めごとは白い素肌にどうぞ」
長崎屋 - 山形勲
刺青の話。日本地図の持ち出しが禁止されてた当時、オランダ人が隔し刺青で日本地図を女の身体に彫り持ち出そうとする。
「日本というお国を売るんだ」というようなせりふがあるが、この当時そういう国家意識があったのかどうかは甚だ疑問。ではあるが、まあこういうのはいい。
冒頭は前回を引き摺ってか、また百万坪(夢の島のようなゴミを捨てて東京湾を埋め立てた場所)で死体が見つかるというもの(前回もあった)。

第7話 「佐渡からお中元をどうぞ」
佐渡金山に江戸から連れて行かれ酷使され仲間が大勢亡くなった男がその恨みを晴らすため仇吉に依頼。金が江戸に運ばれる最中にそれを奪い取るという話。江戸を離れての旅もの。蔵に納められるはずの金を奪うため隣から穴を掘り忍び込む手筈。その穴掘りが見つからないようにと三味線を弾く。今シリーズ、山田五十鈴が三味線を弾く場面がとても多い(1話に1回はあるように思う)が、今話は特に多い。ラストでも宿場町の盆踊りに駆りだされお囃子をする場面もある。
冒頭は現代のかき氷の情景でそこにとんぼがいるが、仇吉の声がとんぼを呼び、次の場面では江戸時代へ。このかき氷は今話のラストの「お氷番」のエピソードへ繋がる。この「お氷様(おこおりさま)」は暗闇仕掛人・第7話ではメインストーリーとして扱われたが、そこでは「御雪さま」で富士山から雪を運び出しているが、今話では信濃国の湖から取り出した氷である。

第8話 「私ハ待ッテル一報ドウゾ」
ヤス - 荒砂ゆき
せん - 西崎みどり
天斎 - 梅津栄
西崎みどりはとんぼの友だちのおてんば娘。前半はかなり出番が多いが中盤で殺されてしまう役。
梅津栄は酔っ払いで潜りの医者。
荒砂ゆきは必殺でよく見る顔で特徴があり印象深い。大抵相当の悪役。ここでもそういう役で、またラストでは彼女をめぐるやり取りはかなり出来が良い。
冒頭は「現代」のテレビスタジオ。家出人の公開呼びかけ。そこにからくり人は絡まず、江戸時代の情景になり、本所の橋の袂の尋ね石が紹介される。そこには尋ね人の張り紙がたくさんあったと言う。
人攫いに会い、10年後見つかった越前屋の息子・彦市。その息子とせんは幼馴染。せんはその帰ってきた彦市を疑うが・・・。
ラストで藤兵ヱが彦市を操っていたヤスを殺すが、そこで彦市がヤスが自分の母親であることを告白。藤兵ヱは唖然。殺されて良かったと言うものの藤兵ヱのおれのとこに頼って来いという言葉に母親を殺したやつのところなんか行けるかと叫び駆け出して行ってしまう。
最後には尋ね石に藤兵ヱの名で息子を探す張り紙が。

第9話 「食えなければ江戸へどうぞ」
時次郎が出ていない
冒頭は仇吉の三味線、それに続き仇吉と藤兵ヱのせりふのやり取り。ここで最後に仇吉が「この国はまだまだ貧しいんだねえ」みたいなセリフがあるが、外の国の事情を知らない江戸時代の人がそんなこと言うかねえ。
その後ナレーションで江戸への人口流入の話があり、そして「現代」の通勤の様子や都会の喧騒が映し出され、都会への人口流入は農村の過疎化を生み出すというのは今も昔も同じみたいな説明がある。
幕府が「人返し」という政策を打ち出し取り締まる。その際にはぐれてしまったおすえを捜す弥助がおすえを捜して欲しいという依頼を仇吉に持ち込む。
探ってみると、口入屋の高田屋と女衒の吉五郎が絡んでおり戻し屋という裏稼業をやってることがわかり・・・。
描き方としては途中出てくるおすえが完全に自分の意思で女郎屋に身を沈めており、助ける必要があるのかという疑問がある。

第10話 「お上から賞金をどうぞ」
円蔵 - 山本麟一
山本麟一は岡っ引きで悪役。たっぷり芝居している。
時次郎の出番は少ない。この後は第11話と最終話が出演なし。これは多分スケジュールの都合なんだろうけど、辻褄合わせのように出てくるのはちょっと萎える。
冒頭は「現代」の教会での結婚式の情景で、そこからキリシタン弾圧へと話をつなぐ。このテーマは時代劇でよく扱われるが、いまの時代を考えて、当然弾圧側は悪と描かれる。これも弾圧側を善とは描いていないが、キリシタン側を善とも描いてはおらず、というか、登場人物にキリスト教に殉じようとする信者はいない。キリシタンを捕まえると賞金が出るとあって、証拠をでっちあげる話。
同郷の米吉と兵作。米吉の密告により円蔵に兵作が追われ鐘楼から落ちて死んでしまうのが発端。話の展開から米吉の家族がキリシタンだと察せられる。兵作のお父さんもなのかな。ちょっとセリフが聞き取れない、また、意味がよくわからないところがあってわからないが。
仇吉のせりふでキリシタンに対する評価が揺れる面が見える。キリシタンも悪くないんだけどねえというようなものと、自分の身内がキリシタンと疑われたらどうなるかわからないのというのとがある

第11話 「私にも父親をどうぞ」
妻木良正 - 藤岡重慶
山田五十鈴のワンマンショーのような作品。他のからくり人の出番はとんぼ(とんぼはストーリーに絡むので出番は多い)を除いて極端に少ない。
仇吉の過去が語られ、とんぼの父親も明かされる。必殺シリーズの中で山田五十鈴の出番が一番多い作品ではなかろうか。
ウィキに時次郎の出演はなしとなっているが、一応ラスト近くに、今シリーズ前半でよく出てきた歌いながら枕を売る場面が挿入される。過去の映像の使いまわしかもしれないが。そして一応キャストクレジットにも名前は出ている。
この話以降は冒頭の「現代」場面はなし
第6話と矛盾があるとウィキにはあるが、どういうことだろう。長崎屋というのが両方に出てくるからそこらへんのことかしら。
山田五十鈴は「仕事人」でのりくのイメージが強く、今シリーズでもそれと同じようなキャラクター。唯一無比だと思うが、それ以外の役柄というのがイメージできない。映画も見たことないしな。そういうことから考えると今話での仇吉の昔の姿というのは興味深い。幸せそうに笑う姿なんていうのもあまりこれまで見てないのだ。ただちょっと気色悪く感じてしまったが。ああ、そういえば山田五十鈴の最初の必殺へのゲストでの登場のときは、二枚目の女たらしに振り回される役だったな。これも必殺の他の回では見ない役柄だ。


第12話 「鳩に豆鉄砲をどうぞ」
鳥居耀蔵 - 岸田森
しぐれ / アキ(二役) - 赤座美代子
赤座美代子というのはちょっと桃井かおりに似た雰囲気。
前作は仇吉主役で過去が語られているが、今話は時次郎の過去が語られる。が、こちらは緒形拳の出番は少なめで、中盤まではからくり人グループから姿を消した時次郎の足跡を辿るという形で描かれる。後半で時次郎が曇りと鳥居たち幕府の要職を狙うという展開になる。ここはさすがに時次郎の出番となる。銃での狙撃という方法であり、結果は失敗。時次郎は天平の家から盗んだ爆薬で自爆。
時次郎の映像を丹念に追うと、ひとりの場面が多く、いくつかは他の人との場面(赤座美代子との芝居など)はあるが、からくり人レギュラーとの絡みはなし。序盤でとんぼが時次郎を追いかけ見送る場面はあるにはあるが、同一画面に映ってないので別撮り可能。後半も遠いところからの狙撃という
手法のため、別撮りが可能。というようなことことから考えると、これもスケジュールの都合だろうと思われる。

第13話 「終りに殺陣をどうぞ」
第12話を受けてのストーリー。曇りと全面対決となる。
過去の回想という形で時次郎も前の元締・壷屋蘭兵衛も出てくる(両者ともクレジットはなし)
そこを見ていて気付いたが、からくり人グループは全員一緒に島抜けしたという設定のはずだが、その島抜け場面の映像(シリーズ中何回か使いまわされる)では一人足りない。最初に映ってるのは誰だろう、天平か蘭兵衛か。天平だろうな。
曇りと対峙するラストでちょっと微笑んだような表情が素晴らしい。
ラストではとんぼが明治初期に清元の名手・のぶじゅとなったと語られ、山田五十鈴が「のぶじゅ」として三味線と歌を。
全体を見ての印象であるが、後半にそういう作品が多いという影響もあり、山田五十鈴の傑作と思える。彼女はこの後、仕事人でも重要な役割を演じるのではあるが、山田五十鈴を楽しむにはこの作品が良い。

※追記2019/2/3
現在見直している。これは上記のときに初めて見て、今回が2回目だと思う。比較的見覚えのある場面が多い。印象に残っているのだろう。
また上記の感想を読むと、今回感じたことがほとんど書かれていて、何度見ても同じ感じなのだと思う。
名作とのことだが、出だしの1話2話あたりはなにやらわかりにくく、またからくり人に統一のチームでやってる感じが薄い。他の作品とそうは違わないのだけど。
また、どういう過程でチームが結成されたのかがよくわからない。これは1話の以前から統一のチームで殺し稼業をやっていたのだから仕方ないといえばそうだけど。
2話は特に依頼を受けずに仕事をしているので、そこも殺しを稼業をしているように見えず、それがシリーズの頭にきているので混乱する
殺しの依頼の場面が描かれないことがこの作品の特徴らしいのだが、それがないために慈善事業でもやってるように感じてしまう
山田五十鈴のレギュラー1作目。後年に比して比較的若々しい。また舞台が得意な芦屋雁之助との呼吸がよい
山田五十鈴が得意の三味線を弾く場面がほかの作品でもそうだがたくさんあり、見どころ。演技とともにこの三味線の腕もギャラとして製作者が買い入れたように見える。そしてそれに聞き惚れていたのだが、よく見ると今ここで三味線弾く場合じゃないのではと思える場面でも弾いていることに気づいた。例えば第11話、仇吉が娘に過去を物語る場面で三味線を持って弾き語っている。悲しく、そして衝撃的な回想を娘に語る場面で三味線で弾き語るかねえ。第10話、仕事の段取りが決まり、皆が散るというタイミングで三味線を弾き始める。これもなんでこのタイミングで、と思う

第9話
緒形拳は出演なしだが、あまり不在を感じない。このシリーズではトップのキャストクレジットだが、なんというかまあその程度の存在感。山田五十鈴が主役でその近くにいつもいるのが芦屋雁之助。その他ふたり、緒形拳と森田健作という感じ

第10話
山本麟一という人は、組織の上のほうの人間ながら多少間抜けで、結局やり込められるという役柄が多く、それがとても合っている
3幕終盤の仏具商の主人が日高久っぽいけどクレジットにはない。

第11話
仇吉ととんぼがメインで他のレギュラー陣の出番は少ない。中でも緒形拳はラストにいつものように舟を漕ぎながら商売文句を節をつけて歌う場面だけ。

第12話
時次郎が主役。緒形拳がほかのレギュラーと絡みが少なく、他の仕事との絡みかなにかで別の撮影スケジュールだったように見えなくもない。
第13話につながる話となっている。この第11話から最終回はかなり迫力があり出来が良い

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必殺仕置屋稼業、必殺仕業人 [必殺]

放映データ
必殺仕置屋稼業
テレビ埼玉で2015/09/03(木)から10/12(月)まで全部で28回(全28話なので全部放映された)
必殺仕業人
テレビ埼玉で2015/10/13(火)から11/19(木)まで全部で28回(全28話なので全部放映された)

この二作品は割り合い最近視聴したので、今回は見ないで保存ディスクへ


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