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第52回NHK講談大会

06/25(日) 14:45 - NHKEテレ1東京|100分|DR
第52回NHK講談大会[字]
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神田松鯉・伯山師弟競演!▽大岡越前・徳川家康など時代を彩る人物たちが、語りの中に甦る▽神田陽子、一龍齋貞橘、神田春陽が熱演▽東京・霞が関イイノホールで中継録画
番組詳細
神田松鯉・伯山師弟競演!▽大岡越前・徳川家康など時代を彩る人物たちが、語りの中に甦る▽神田伯山は大岡越前の名裁き「三方一両損」、神田松鯉は水戸黄門の兄出生秘話「出世の高松」、神田陽子は芝居にかける男たち「名人小団次」、 一龍齋貞橘は家康家臣たちの活躍「酒井の太鼓」、神田春陽は忠臣蔵の敵役・吉良家家臣が見せる武士道「花見の付け人」。新真打一龍齋貞弥も登場▽東京・霞が関イイノホールで中継録画
【出演】神田松鯉,神田陽子,一龍斎貞橘,神田春陽,六代目 神田伯山,一龍斎貞弥,神田梅之丞,田辺一記,【司会】水谷彰宏
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とりあえず伯山だけ視聴。一龍斎貞弥が新真打紹介のコーナーに出るようで楽しみ。「マイファミリー」で機械音声の声をやってた人で、それも披露するようだ

伯山の三方一両損
講談ってなに? 落語との違いは? と言いたくなるような落語ネタ。講談ではこうやるのかという発見というよりも、落語家が落語をやってるのとあまり変わりないように見えた。
おれがこれまで見た内容と違っていたのは、財布を届けられた側の吉五郎の嫁が登場すること、そして吉五郎側の大家は登場してきて、仲裁をせず、吉五郎の見方をし、一緒になって金太郎を追い返す、といったあたりか。
季節の設定がされていて、暮れである。奉行が吉五郎の言い分を聞いて「春だなあ」と呆れた様子で言うのだが季節が合ってないように思う(これは金太郎の言い分を聞いた後に再度かぶせてくる)のだけど、暮れの事件で白洲が開かれたのは新春という風に考えることもできる。現に終盤で「初春」という言葉も出てくる(三方一両損の裁きに、「初春が舞い込んできたみたいなもんだ」と受け入れる二人)。が、とぼけた奴を見て「春」というのは新春ではなく暖かくなってきた陽気に引っ掛けていると思うのでやっぱちょっと違うか。
一つだけ大いに感心した部分がある。
筒井康隆の作品の中で、登場人物が三方一両損を改変して三方一両得にしたほうがいいと言う箇所がある。手元にある三両を双方に一両ずつ、そして奉行も一両取る、これで三方一両得。これなら奉行が一両取るのは報酬という風に説明もつくという説明。
おれは筒井を読んでいたのだのは落語を聞くよりずうっと前だ。落語の前にロックに夢中になっており、筒井を読んでいたのはそれ以前、というかそれと同時期くらいか中学生から大学のころまでだ。
で、伯山。「江戸っ子というのは得をするというのは嫌であろうが、損をするのは構わぬであろう、と三方一両損を受け入れさせている。伯山がこの三方一両得を意識したとは思えないが、この部分はおれにとっては面白かった。
なにせこの話、落語のほうでは(講談のほうもそうかもしれない)「江戸っ子」の大いに奇妙な粋がりがテーマで、そのテーマにあった裁きといえそうだ
財布を拾うところで入っていた3両を今の30万円くらいと説明している。これにすごい感心したというわけではないが、みんなこの説明にすればいいのにとは思う。一両を現在の価値に直すとしても時代によってかなり上下変動があり、なかなか固定化できないものの、おおよそ10万円前後、というか10万円強くらいとする人が多い。
でも変動が多いなら10万円でも間違いはなく、そして10万円なら非常にけいさんしやすくイメージしやすい。そしてこれで計算すると落語なんかで出てくる金額が結構納得いくのだ
1両=4分=10万円
1分=4朱=1000文=2万5000円
1文=25円
有名どころで蕎麦16文=400円



※追記
6/28までに残り全部視聴
春陽「花見の付け人」
貞橘「酒井の太鼓」
新真打紹介
陽子「名人小団次」
松鯉「出世の高松」
講談となるとわりと身構えてしまうが聞いてみれば全演目とも聞き易かった。始まる前にナレーションで1分弱の演題紹介があり、それがずいぶんと助けになった
春陽「花見の付け人」(吉良誠忠録より)
春陽は確か伯山と絡みがあったはずと検索してみると、「天保水滸伝2020リレー」という企画を神田伯山ティービィーでやってるね
聞きやすいのだけどわりと内容のない話。始まる前の演題紹介、その中身どおりでそれ以上のものはないというか。
忠臣蔵の吉良家側の話で、千坂兵部が侍同士の喧嘩の仲裁、二人が吉良の付け人となり討ち入りの際、最後まで吉良を守ったという話
結構若い。令和26年に真打昇進笑(↓の画像参照)
貞橘「酒井の太鼓」
三方ヶ原軍記から。
三方ヶ原軍記というのは談志が弟子にやれるように命令してたとか聞いたことがあり、落語の中で講談調をパロディでやったりするときも大抵これであり、そんなことで講談の中ではで超有名だが、その中からのものとのことで、おれはこれを聞くのは初めてに近い。談志のCDに若かりし頃のものが入っていたけど、あまりちゃんとは聞いてない。
あの講談調で語られる場面も聞け満足。
途中で音声がカットされた箇所があった。何かしら障碍者差別とされる言葉だったのだろう、「おし」「つんぼ」「びっこ」のような(↓の画像参照)
一龍斎貞弥は「お風呂が沸きました」を披露していた。講談は「山内一豊の妻」をとても短くやっていた
陽子「名人小団次」
名優の出世物語で、忠臣蔵五段目が取り上げられている。もう五段目の内容くらい頭に入っていてもよさそうなのだが、今回やられた中でもその舞台のやり取りがでてきても、いまだにどんな話だっけとなってしまう
主人公中村米十郎(のちの名人市川小団次)の師匠が嵐璃珏という上方の名優。
小団次がしくじり、勘当されるという場面で仲裁というか、小団次に声を掛けてやるのが嵐りかん。音声で聞いていればわかるのだけど、字幕オンの字幕を追って聞いており、その字幕が間違って嵐璃珏と出しているものだから混乱してしまった(↓の画像参照)
さらに最終場面、璃珏が江戸へ呼ばれ掛ける出し物が「小幡小平次」、そして再会するのが小団次、ここも混乱してしまった。
勘当されて、18年後(張り扇を叩くと講談ではすぐに10年や20年とやっており、次の松鯉も似たようなこと言ってる)、米十郎が小団次で名優となっているというストーリーでその間での小団次の苦労が一切語られないので、なんだかキツネにつままれた感じ
松鯉のものは、聞いたことのある出し物
最後の挨拶で松鯉がこのNHK講談大会に最初に出たのが第5回だったと話している。いやあ、長い経歴である
出演者の中にある神田梅之丞、実際の公演に出ていたということかな。番組の中には出ていない

画面キャプチャ
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音声がカット。「いちにんの・・・」

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嵐りかん

翔べイカロスの翼

2022/06/19(日) 19:00 - TOKYO MX2|115分|15倍録
映画『翔べイカロスの翼』
さだまさしが主演の映画。
映画素人が映画に手を出した作品という印象がまずあり、その先入観から、演技が下手だなとか、演出もダメだななんてことを思ってみていたが、終盤はなかなかである。
まあ演技が下手といっても、これは青年が主人公でそういう青年がいたっていいだろうという風に考えれば演技に正解なんてないわけで、偏った見方ではある。
見る前に出演者一覧をざっと見ていて、倍賞美津子の名前があったので、サーカス団長の妻がそれかと思い込んでいたのだが、途中で別の役で倍賞が登場し、はて? となってしまった。よく見たら全然違った。ウィキによるとサーカス団長の妻は水野利枝という人で、 キグレNewサーカスの最後の社長とのことで、今作品の舞台となるキグレサーカスの関係者なのであろう
そういやサーカス団団長を演じるのがハナ肇で、これは演技のせいではなく脚本のせいだろうが、主人公との場面でやけに物わかりがよく、相談されたことをすぐ許可してしまっており、物わかりよすぎで棒演技に見えてしまう。
三木のり平とヨネヤマ・ママコが本人役。前者は主人公がサーカスの演出をお願いしに行くという場面でのほんの少しのカメオ出演であるが、後者は制作側として見せ場の一つであろう、主人公がパントマイムを教えてもらうという役柄で、さだとの修行の場面や、サーカス団員に「かわいそうなぞう」のパントマイムを見せる場面が長めにある。この話は実話でヨネヤマは実際に主人公のモデルに教えていたのだそうだ
原田美枝子が若い。まだ20歳を少しすぎたばかり。

内容はさておき、色々判然としないながらも思い出すことがある
原作が78年で映画が80年。この作品についてはうっすらと知ってる。これと関連して元の「イカロスの翼」のおはなしについても同時に知ったのかもしれない。
うっすらと書いたが、まず絵本のようなものを見た覚えがある。これは表紙が記憶にあるような気がする。
作品を見ていて、もしかしたらこの作品を当時見たのかもしれないと思う。少しだけだがいくつかの場面が記憶にあるような気がし、また途中で、この後さだがピエロになる、その顔を作る場面を覚えているような気がしたのだ。まあでも上にあるようにストーリーは知ってはいるのだから、ピエロになるのはわかってはいるのだけど。見たとしたら、学校で生徒を集めての、とか、児童館で子供を集めての上映会みたいなものだろう。ウィキのよると、インディーズ作品であり、大掛かりなロードショーはなかったようである
ウィキを見ていて、もう一つの可能性に気付く。テレビドラマ版が79年にあり主役が西城秀樹。当時おれはファンだったからこれを見たのかもしれないと思う。
そして別件。サーカスを見に行ったことがあることを思い出した。それこそこのキグレサーカスだったかもしれない。記憶としては「後楽園」という言葉がくっついており、後楽園球場なのか、後楽園ホールなのか。後楽園ホールなんかでサーカスやれるのかどうか知らんが。
バイクが球体の中で曲乗りしているのを覚えているのだ。すごい音だったと記憶している。
主題歌「道化師のソネット」もリアタイで聞いていた。ニューミュージックというジャンルということになるだろう、さほど好きでなかったので、この歌も知ってるという程度だが、今聞くとなかなかのものである。さだはとても長いキャリアで膨大な曲を書いておりヒット曲も多いが、おれはさほど知らない。という立場から彼の最高傑作のように思える。

作品時間が112分。ほぼカットなしか。放映時間が115分で、仲に挿入されていたCMがちょうど3分。番組前後、とくに終わった後に、1分ほどCMがあった。
キャストスタッフクレジットがカットかな。多分実際に作られた際のクレジットでなく簡略されたクレジット表示だった

七つの会議

2021/03/30(火) 20:57 - 地デジ 061|135分|12倍録
野村萬斎主演!地上波初!映画『七つの会議』池井戸潤×福澤克雄が贈る爽快エンタメ

ずいぶん前に放映されたやつ。こんなものがたくさん溜まってしまってる。

この作品は見れば絶対に面白い、楽しめるはずの、「池井戸潤×福澤克雄」作品で、主要キャストも香川照之はじめそれらの作品で主要な役をやってた人が続々。であるから、この人は出てたっけなあと思うような人も全部以前関連作品に出ていたように思えてしまう。
これまでそれらの作品に出ていなかったのは、藤森慎吾、鹿賀丈史くらいかと思われる。そうそう、ヒロインが朝倉あきという人で、おれはこれをノーサイド・ゲームに出てた人かと最後まで思っていたが、ウィキで見直して違っていたことに気付く。そちらは笹本玲奈という人だ。
朝倉あきも下町ロケットに出ていたね。
そして主役の野村萬斎、これは「池井戸潤×福澤克雄」で初お目見え、なはず。
序盤はもっとこういう役が似合うのが他にもいくらでもいそうで、萬斎はちょっと違うなあ、似合ってないなあと思ったが、中盤以降はそういうのは解消された。
作品内容はその手の作品の王道パターンで驚くようなところはない。
ラストでちょっとひねりがあったように思えた。
御前会議と称する大きくて豪華な会場での会議、御前と呼ばれる大権力者が北大路欣也、そしてその場面に至るところで、香川が巨悪だったと思わせる展開があり、ははあ、半沢直樹第1シリーズのオマージュというか、まったく同じ構図で結末にするのかとニヤリとさせられ、が二時間の作品なので、そこまで香川の邪悪性は描かれておらず、ここで大逆転とかされても、あまり溜飲が下がるというカタルシスは得られないのではないかなどとたのだが、香川が主犯のように思わせられたのはミスリード演出で、実は別に巨悪がおり、その場面以降はむしろ香川は善玉へ変心、主人公に協力するという展開。
「池井戸潤×福澤克雄」作品で印象深い人のチョイ役が何人かいた
ラストのチョイ役に役所広司、ほかに土屋太鳳だとか小泉孝太郎も少しだけの出番だったな

水戸黄門 第2部 [時代劇]

06/12(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
[新]水戸黄門 第2部<デジタルリマスター版>▼第1回「旅立ち」(水戸)

今シリーズは、逐次視聴していく予定。週末までにその週の分を見終えていくつもり。
今日は今日までに放映された第3話までを一気に視聴

第1話は水戸での様子と旅立ちを決意するまでというもの。注目すべきは川谷拓三
光圀らの水戸での様子が冒頭にあったあと、今回の旅立ちのきっかけとなる津軽、南部両藩の争いの様子が語られるのであるが、そこでよく目立った形、双方の諍いで一方のほうの先陣となる形でセリフもあるし、中央でよく目立って映っている。
また、この回で大きくフィーチャーされてるわけではないものの、後年のことを考えると超重要なうっかり八兵衛の登場である。ここでの役は弥七の子分を自任しているが弥七からは相手にされていないという盗人で、助さんから財布をすろうとするという登場の仕方。その後は第3話まで全部登場し、弥七が何かやろうとすると現れて手伝おうとするものの、あまり役に立っていないという風な役割。第3話では殺陣にも参加。
メインレギュラー以外のレギュラーとして、以下の三人
堀越菊江(お菊):伊藤栄子
堀越新之丞:村井国夫
比留間伝八郎:菅貫太郎

津軽、南部両藩の争いは柳沢としてはそれを機に両藩を取り潰そうという策略で、光圀が出張ると知り、抹殺しようと画策、その手先が比留間伝八郎。
お菊と堀越新之丞というのは多分津軽藩のもので、両藩の争いをなんとか治め取り潰しを避けるために動いているということだろう。今のところ助さんがお菊にご執心
第2話では光圀一行が通る棚倉藩へ柳沢が旅の隠居に化けている光圀を暗殺せよと言ってくる。領主が病弱で後継ぎもおらず、柳沢がそういう内情を突いて、応じなければ取り潰しというわけだ。で、そこの家老が逡巡するというような話
第3話でもお菊以下三人は登場はするが、柳沢の策略というような色はなくなり、ただの道中でのエピソードという感じになる。比留間は光圀一行を狙うというのは、もう命令としてあるのだろう、そういう風な出番。
後年のあのお約束に近い感じで、殺陣のひと段落したところで助さんが印籠を出し、正体を明かすという演出ではあるものの、悪役側は騙りだと、突っかかってきてまたもや殺陣になるという展開

第4話 10月19日 漆三代
おみよ:二木てるみ
勘右衛門:志村喬
時次郎:東野孝彦
この回、急速に後年のマンネリ水戸黄門の雰囲気に近い。序盤でその雰囲気が二点で濃厚。まず、シリーズを貫くと思われた旅の目的や、お菊、比留間伝八郎の存在感がほぼ無視され、いかにもお気楽な旅の一行程で起こったエピソードみたくなってること。二つ目は八が光圀一行と距離を縮めていること。
前者については、例えばお菊の名前は道中の会話で出てきているし、目的地を逸れて今回の地、会津に立ち寄ってることもセリフにあり、完全無視ではないし、また後年のものでも基本的に旅の目的はあり、その道中それぞれでのエピソードという位置づけなので、必ずしもお気楽な旅というのが後年のものの本質ではない。
後者、第3話までを一昨日に見ており、忘れてしまったということはないと思うが、八はここまで光圀たちと近くなかったはずで、というか、助さんや格さんとはどの程度会ったことがあったっけ、というくらいだったはずだ。ここでは親し気に「ハチ」と呼ばれ、完全に一行の仲間。奇異な感じがする。
探索では一緒に行動をしており、後年ではほとんど役立たずだったというイメージなので、こういう行動をして活躍をしてるのは、後年のものとは違っている(今回も殺陣に参加、そこでは大活躍ということではなく、やはりコメディリリーフ敵ではある)。そして最後の光圀一行の旅立ちでは、三人の後ろを八が歩いており、これはもう水戸黄門の完成形ともいえそうだ。
光圀登場でほかが平伏という場面も、完全にお約束パターンとはいえないものの、後年にもよくあったパターンともいえる(印籠を出していないのでそこは完全ではない)。この地の家老が悪役で、筆頭家老がそれに難渋してるという構図で、殺陣の最中にその筆頭家老が光圀を連れて登場、その筆頭家老が光圀の正体を明かし、殺陣はおさまり、ほぼ善人が平伏、悪役家老は光圀に騙りだと立ち向かうが、取り押さえられるというもの。
志村喬、出てくるだけで存在感、一方東野孝彦のほうは中盤に出てきてびっくり。この二人が親子役で漆塗りの職人、息子のほうが勘当され、悪人に捕まり悪に無理やり加担させられてるが、志は失っていないという展開

第5話 10月26日 身替り花婿
お絹:北林早苗
小松屋彦兵衛:多々良純
お民:夏川静江
これも前回に続いて後年のマンネリパターンに近いものを感じる作品
行儀見習い修行のため江戸の親類のところにいるときに男とくっつき父親、彦兵衛に勘当された織元の小松屋の娘、お絹が子供を連れての里帰り。家のばあやに探らせたが父親彦兵衛の怒りが解けておらず。亭主を連れて謝れと言われていたのだが、亭主には先立たれている。格さんに夫役をお願いしてくる。
で、即席夫婦で挨拶をすましなんとか怒りも解けたのだが、泊まるよう言われ、商売の旅とうそをついており、格さんは商家の若旦那。と、その一行も一緒に泊るよう言われてしまう。光圀のことを下働きのじいやと言ってしまい・・・、と喜劇的展開の王道パターン。
一応その家に嫌がらせをしてくるやくざみたいのがおり、そこが悪役ではあるが、その描写は少ない。婚礼を挙げようと言い出され困惑しているところで、そのやくざたちが殴り込みに来て、光圀一行が応戦しており、これはなんともう都合よく暴れこんできてくれるものだというご都合主義的展開。このやくざの件についてはメインストーリーでないのだろう、光圀はノータッチ。
終わり方は後年ではあまりないんじゃなかろうか。光圀の腰の印籠を彦兵衛が見つけてしまい、はて? と考え込む。そして婚礼は商談が終わっての帰り道にまたここへ寄ってもらってやることにすると言い出し、光圀一行は旅立つことになる。最後の別れの場面、一通りの挨拶をすますと、最後の最後、一行が歩き出すタイミングで、彦兵衛は平伏、家族にあれは水戸の御老公さまだと言い、みながひれ伏しているのを後に一行は旅立つ。終盤の多々良純名演
お菊再登場。旅の目的の女が同道するというのはパターンの一つであろう。
中盤で、比留間も堀越新之丞も登場、堀越新之丞とお菊が兄妹であることがセリフでわかる。

第6話 11月2日 仇討ち無情
下坂園江:谷口香
長瀬和七郎(久住恭之介):吉田輝雄
下坂数馬:小川真司
津雲新之助:石山律
笹屋の女中:井上あき
仙台藩の侍:西山辰夫
下坂の姉弟と恭之介がメイン、恭之介のほうは見たような顔で、大出俊かなと思ったが、知らない人だった。
石山律が若侍。この人が侍の役というのは珍しいはずで、さらにまだ若々しくそこも初めて見る。
西山辰夫は石山律の父親、津雲茂兵衛役で、仙台藩の重役であろう。ちょっとだけの出番
そういや、弥七と八兵衛、一応出てくるがほんのちょっとの出番、ご隠居を探しているが見つからないとこぼしている。わざわざこれだけの出番なのに出演しているというのは、シリーズを通じて全部に出てもらおうということなのだろう。
下坂の姉弟が仇討の旅、狙うは兄を殺した恭之介。だがそこにはやむを得ぬ事情があった。という仇討の話を光圀がうまく収めるというストーリーで、こんなどうでもいい些細なことにも顔を突っ込むのも水戸黄門でのありがちなエピソード。水戸黄門というと、各地の悪政を正すみたいな話が基本であるが、それだけじゃマンネリもマンネリとなってしまうので、こういったものも散りばめられるのだなと今回見ていて気付く。
この三人だけだと悪人も出ておらず、どういう風に決着するのかなと思っていたら、比留間が長瀬和七郎(仇の恭之介)を慕う若侍の新之助(長瀬を藩に迎えたい父の意向で世話しているようだ)に悪魔のささやき、仇討ちなぞ返り討ちにしろ、とけしかけ、それを真に受け、ラストの殺陣へとなだれ込むという展開

第7話 11月9日 人情鬼剣舞
おみつ:土田早苗
丑松:田中邦衛
権太:小林重四郎
花笠屋女将:伊吹友木子
花笠屋の女中:浅利香津代
田中邦衛、出てくるだけで場を支配してしまう名優。ここでは土田早苗と兄妹で、兄のほうは大工だが博打好きでだらしがなく、博打の借金のかたに光圀を狙う片棒を担いでしまう。それを命令したのが権太で、権太は比留間から頼まれたという構図。この回の比留間は深編笠を取らないので一度も顔が映ってなかったように思う。一度くらい映りたいだろうに。というか別の人がやっていてもわからない(※)。
(※)後でウィキを見て気付く、まさかそんなことはなかろうと思ったがこの回は別の人が演じている。スケジュールの関係で出演できなかったからこういう演出だったのかな
終盤が色々考えさせられた。
まず、光圀が自分の正体を変なところで明かす。変というか明かす必要もない場面。兄妹を前に丑松を諭すためとでもいうか。で、その場面が結構長く、またその後も結構長いのだが、まず光圀や丑松が楽しみにしていた村の祭り(山伏の奉納舞)が始まる、それを丑松が先導し、光圀一行が眺めている。もうエピローグの雰囲気であり、なんだか物足りない(時間は気にしていなかったがまだこの後がだいぶあることから、まだ終わる時間でなかったのだろう、そして普段は終盤に必ずある殺陣がまだなかった)考えてみると、この回の悪役といえば、丑松が小悪党の善玉であり、悪役のほうは権太一派、がこれは光圀暗殺が失敗した(権太も確実に光圀を殺すならどじな丑松なんかに頼むなよという感じだ、丑松は周りの連中からどじ松と呼ばれている)ということですでに比留間に殺されており、だから光圀もほかに明かす場面もないから変なところで身分を明かしたのかなと思うのだが、まあそれはとにかく、この祭りを眺めて和やかに終わるのかなと思っていると、その場面が長めでちょっと冗長。
が、その祭りの踊り手の集団が光圀を襲い、さらには山伏の一団がなだれ込んできて光圀一行を襲う。この二つの集団がよくわからない。どちらも比留間配下なのかな、混乱するから一つの集団だけでいいのに。山伏の一団は、本当の山伏の一団が縛られているのを弥七が見つけている描写もあり、その一団から衣装をかっさらって、化けたということ? いや、別に服ははぎとられていても脇に置いてあるな。このあたりはなんだかよくわからない
伊吹友木子って偶然だが杉良太郎版遠山の金さん(第57話 ギヤマン飾りの女)で昨日視聴した。放送日はこの回と同じだ

第8話 11月16日 竹とんぼ
おぬい:青柳美枝子
坂根藤十郎:水島道太郎
上村恭之助:天野新士
彦一:宮岡裕之
居酒屋の親爺:岩田直二
陣内:金井大
清四郎:原田清人
金井大という人はウィキに「『水戸黄門』など時代劇では悪徳商人やヤクザの親分などの悪役でお馴染みの存在」とあるようにそういう役のイメージの人なのだが、ここでは侍。ちょっと見慣れない感じだ。そしてまだ見覚えのある顔よりもちょっと若い。
上村恭之助が集団(ここに金井大も含まれており参謀役のような役割)で坂根藤十郎を仇として狙っているが、この集団の柄が悪く、一方藤十郎のほうは偏屈ではあるがそう悪い人ではなさそうという構図で、だんだん事情が明らかになっていく。上村恭之助の兄の仇討なのだが、その兄が女を手籠めにして死に追いやるという不祥事のため藤十郎は斬ったのだった。その女というのが、藤十郎が一緒に連れて旅をしている子供、彦一の母親、が、彦一は真相を知らない。
そしてこの地は藤十郎の故郷でもあり、おぬい(宿の女中として登場)の父親であった。おぬいは父親が剣の旅をしている最中に母親を亡くしており、その事情もしっかりとは語られないが、親子心中してぬいだけが生き残ったということのようだ
今回は一度も身分を名乗らず。最後、別れの場面で藤十郎に名乗るようお願いされるが、越後のちりめん問屋といつも通り

第9話 11月23日 流血の谷
山岡大次郎:御木本伸介
堀越栄次郎:中村敦夫(前篇のみ)
おまき:川口敦子
津軽宗高:小笠原良知
南部利政:佐伯徹
稲葉将監:高島敏郎
古沢庄左衛門:原健策
この旅の目的である津軽、南部両藩の争いの地へ。中盤まで見て、あっこれは前後編に分けてるっぽいことに気付く。今シリーズは数話溜めて見るようにしてるのだが、この回は放映日に見てしまった。できればこれは一日で続けて見たかったところで途中で止めてもよかったが、途中まで見てしまったし・・・。
堀越菊江(お菊):伊藤栄子(第1話〜第3話、第5話〜第10話、第14話(回想シーンのみ))
堀越新之丞:村井国夫(第1話〜第3話、第5話〜第7話、第9話〜第10話)
比留間伝八郎:菅貫太郎(第1話〜第3話、第5話〜第6話、第8話〜第10話)、波多野博(第7話)
上記三人のレギュラーはこの両藩の件に関わる人物であり、第10話までの出番。
この第9話で、正体が明かされている。
そして今回のゲスト陣では、堀越栄次郎は津軽藩で殿様の津軽宗高の側近。そして新之丞と菊江の兄。おまきというのは栄次郎の姉であり、嫁いだ先は、南部藩の重役である山岡大次郎という関係であり、彼らは両藩の諍いをなんとかしたいと考えており、それゆえ、栄次郎が光圀においでいただくべく、新之丞を派遣したという次第
この回の序盤は光圀一行の出番は少なく、両藩の新たな騒動が描かれる。
両方の藩の城代家老が柳沢からの餌で、両藩取り潰しの策略に力を貸しているのがだんだんわかってくる
またもや川谷拓三らしき顔があった。南部藩の御前会議で、家老の後ろに映っている。第1話でもこの両藩のエピソードで出ていたので、こちらも川谷である可能性。でも第1話では外で争ってるという軽輩ものっぽい侍だったが、ここでは御前会議に出ているくらいだから重役待遇? そもそも重役の器ではなさそうだ。
シリーズ全体の半分も来てないのにもう目的が達してしまうのか。で、後はのんびり目的もなく帰り道、さらに遠回りもするかもしれない。これこそ漫遊記という趣になりそう。
この目的地に達する前の第8話までで、お菊など準レギュラー3名が微妙に邪魔、という感じがした。無理して入れているというか。例えばお菊なんかは、一緒に旅するでいいじゃないかと思うのだが、つかず離れず、消えもせず、待ってる様子や探してる様子さえあり、それこそ一緒に旅すればいいじゃないか、である。第9話で改めて正体を明かしており、だからこれはこれでいいのだが、発端のところでも微妙に正体を明かさずにおり、なんだかもやもやした感じだった。
一方比留間のほうは、特に第8話までのうちの終盤は毎回だし、他の回もほとんどの回がそうだったと思うが、そのところどころで、なんだかんだの理屈でその地の人に光圀を狙わせており、それなりの存在感ではあった。
他のシリーズがどんなのだか、これからも放映があるのであれば見ていこうと思うが、旅の目的とそこへ行きつくまでの行程で準レギュラーたちはどんな役割を果たすのが普通なのだろうか。

第9話は6/22放映で、6/23(金)は野球中継で放送休止。連続する話なのに間が空いてしまう、残念

第10話 11月30日 対決
週末を挟み6/26(月)にようやく放映され視聴
大筋は覚えているものの、細かいところで、これどうなってったっけとなってしまったので、改めて前編も早送りで少し見直す。
興醒め場面がいくつか。
両殿様を隠密に連れ出し光圀の元で会談をすることになるが、そのうちの津軽さまの連れ出し方法。殿さまの寝所へ。御簾の中で寝ている殿、外には見張りの女が三人、夜中ということでこっくりこっくりしている。その脇を通って御簾の中へ。女は起きないが殿様は気配ですぐ起きる。そこでいくらかの会話。しかし説得に時間がかかると見るや、みぞおちを打ち据え気を失わさせ、運び出す。って女は起きないのか、いくら静かにやってもそれなりに音が出てるだろうに。
さらには長持を使って運び出すという作戦。この長持は呉服問屋のもの。前日捕まっていた助さんが逃げ出す際に出入りの呉服問屋が明日取りに来ると話していたのを聞いていた(この呉服問屋が出ていくのに乗じて、助さんもそこから逃げ出せた)。この長持に殿様を入れて、さらには殿の説得に当たっていた新之丞と菊江も入る。そして八兵衛ともう一人(多分呉服問屋の若衆、そこには話をつけたのであろう)が長持を担いで運び出す。持てるのかねえ、三人も入るのかねえ。まあ三人入るものだったのだろう、六尺棒を差し担いなら担げるのであろう。
比留間が弥七を人質を盾に脅す場面がある。人質は茶店の親父、そんなやつどうでもいいとはいわないが、それにそれを見捨てて弥七が立ち向かうというのではこの老若男女に愛されたこの作品らしくはないが、それでも、そんなやつ見捨てて向かうのが忍という感じがする。
この場面はその後、弥七が観念しご老公のいる場所を白状、比留間が高笑いして出て行こうとして、あっさり弥七に逆転されるという、これも比留間が間抜けでなかなか興醒め場面である(小柄と風車が相討ちになるところは見事だが)。
両殿様、両家老が光圀の前という最終場面に入ってきた比留間、もう詰んでいるのに、そこにいる殿様二人や外にいる両藩の家来たちにこのままだと両藩とも取り潰しだ、光圀を斬れ、と叫ぶ場面、もしかして殺陣らしい殺陣がなかったので、ここから殺陣になるのかな、でもなったらあまりにもその家来どもがものが見えてなさ過ぎて興醒めだなと思ったが、案の定決起せず。
逃げる比留間、光圀は追おうとする助さん格さんに「捨て置け」。比留間は野っ原で「おれは死なんぞ」と言いながら絶命。菅貫太郎、いい。
弥七が自分の来歴をこの回に出てくる忍(比留間の命で津軽さまの猟にちょっかいを出し、騒動を起こす)少し明かす場面がある。10年前まで忍でつまりは抜忍、が光圀の後ろ盾で抹殺されずに今も生きている。
助さんとお菊。これまでもイチャイチャしてたが、この回ではかなりはっきりと愛を口にしており、エピローグとなる旅立ちの場面でも愛の言葉を交わしている。

第11話 12月7日 四人の無法者
石岡の伝次:加藤嘉
海坊主:藤岡重慶
お静:田村奈巳
磯平:吉田豊明
塩平:佐藤京一
魚平:田中幸四郎
奥州屋:増田順司
奥州屋の女房:中村美代子
礼三郎:服部哲治
おはや:吉岡ゆり
お千代:宮田成見(子役)
大館の役人:西田良
ごろつき:川谷拓三
前回で一区切りということで付随するサイドストーリーがなくなりスッキリした感じ
そして後年の形を思わせる演出、今回は秋田の能代が舞台だが、そこへ入る光圀一行に八五郎が同行、すっかり旅の一員となっている。光圀は「はっつぁん」と呼んでいて、後年だと「はち」とか「八兵衛」はなかったかなと思う。
この回のストーリーのことをいえば、後年ではあまり見ない形だと思うが、ここまでで数回あったはずで、光圀がほとんど活躍しない回。格さんが動き回ってるのと、それ以上に弥七が過去につき合いのあった人物との再会という内容なので、弥七の活躍が観れる。八兵衛はスリの実績が買われて、格さんに悪党からスリを任されている(失敗しているが)。八兵衛のスリというのは後年では全然出てこないはず。
川谷拓三と西田良は序盤に少しだけ。川谷拓三はお静に因縁をつけるやくざの一員。その騒動を止めに来た役人たちのリーダーが西田良で、ふところの手配書を見て、光圀一行だということに気付き、役人一同一斉にひれ伏している。これが序盤であり、この二人はその後のストーリーに関わらないのでここだけの出番
サブタイトルの「四人の無法者」がまず弥七の握り飯を勝手にかっくらうというのが幕開けで、そのうちの一人、磯平が弥七の知った顔。そして弥七はもしやと思い、過去に因縁のある石岡の伝次のところを訪ね、足を洗ったはずだが、またなにかやろうとしてるのではと問い質す(磯平と伝次の繋がりが過去にあったから)。因縁のある人たちがいくらかの偶然もあり顔を合わせていくというストーリー
伝次の娘のお静は材木問屋「奥州屋」の手代であった礼三郎と恋仲だったが、礼三郎が番頭になると店の娘と結婚という話が持ち上がる、が、まだお静とも逢引をしており、その逢引している様子がいかにも情のない男で、だがここでは悪役ということではなく、優柔不断。そして、最後に「今度のことでお前さんが一番よくないぞ」と光圀に盛大に叱られており、その後の光圀の説教があり、奥州屋は礼三郎が番頭のままお静の元に戻るよう言う

第12話 12月14日 黒い誓約書
篠田左馬之助:長谷川明男
永山掃部:松本克平
水野八重:永原和子
梅田屋甚兵衛:沢村宗之助
水野内記:村上冬樹
村上玄蕃:天本英世
近藤九郎兵衛:小柴幹治
与平:入江慎也
永原和子は上村香子の急芸名とのこと。なんか見たことあるなあと思ったらそういうことか。棒演技っぽいところがとても初々しい
与平は岡部征純かと思ったが違ったか。
藩札を巡る不正の話。
ラストはまだまだお約束が固まっていない。悪役を成敗して光圀一行が城へ乗り込む。門番は静止するも光圀の名乗りがありひれ伏す、とそこへ駆けつける悪役、商人の梅田屋、そして城代家老の近藤が騙るなと反逆、そこへ善玉となる家老の水野内記(これは昼行灯的な人物で最終盤までそれを貫いていた、まあこういう人が最後に善玉となる典型で、弥七が光圀の伝令となり事情を知らせている)が駆け付け、二人は成敗されるという流れ、ここでは二人とも完全に殺されており、この辺も後年ではあまりないのではなかろうか

第13話 12月21日 仇討角兵衛獅子
たえ:小林千恵(子役)
新太郎:岡本隆成(子役)
森山源九郎:江見俊太郎
久造:梅津栄
三太:雷門ケン坊(子役)
和尚:永田光男
お冬:長谷川峯子
早川典膳:横森久
田上伊織:永野達雄
久造の女房:野中マリ子
子分 吉蔵:古川ロック
やっぱり梅津栄だったか。後年のアクの強さがまだ弱めで、似てるけどどうかなあと思っていたのだ。
古川ロックもよく見る顔。石塚英彦に似た感じの人だ
時代劇ではよく扱われる角兵衛獅子の子供の話。その子供をこき使う親方という構図もありがち。ここではその親方役が梅津だ。
その親方は駕籠屋の主でもあり、それと奉行とが繋がっており、さらには奉行と後述する仇とは腐れ縁。
で、その角兵衛獅子の中の兄妹が実は仇を探している(というより、それはもう見つけており、帰ってくるのを待っている)という設定。
悪役側の成敗の場面では、藩の城代家老(永野達雄)に光圀が手紙を書き、悪役との殺陣のところに城代家老が駆け付けて、そこにおわすは・・・となるパターン。
で、その後に光圀立ち合いの元、兄妹と仇の仇討となる。勝てっこないだろうと思う(仇は森山源九郎で、剣術の道場主で格さんも認めるほどの剣豪)が、光圀立ち合いともなると、勝つことは許されないのかね。勝って意気揚々と帰る姿が想像できない。
助さん格さんが助太刀するのかなと思ったが、後方で多少声をかける程度、最後は兄が角兵衛獅子で培った技で倒立前転後転で身をかわしている(この兄妹、芸をやるのは兄であり、その兄は下手という設定なのだがここでは見事に決めている)ところで光圀の投げた小柄にひるんだところを兄が斬りつけ、仇の動きが止まったところを光圀の「おたえ」の声で妹が背後から刺し、兄が前から刺すということで見事仇討を果たす。
この回にも川谷拓三、道場に乗り込んでいった格さんが数人の門弟とやり合うがそのうちの一人

第14話 12月28日 女将棋師
むささびのおきく:大原麗子
飯田屋庄太郎:里見浩太郎
大橋宗桂:佐々木孝丸
立石寺和尚:今福将雄
お神楽の姉御:しめぎしがこ
隼のおしゅん:女屋実和子
二番役:小柳圭子
松平直矩:坂口徹
奥平清兵衛:不破潤
早川茂左衛門:小瀬格
天童が将棋の駒の名産地となる由来(フィクションだが)ともいうべきストーリー
この回は大原麗子に尽きる、と思ったが、ウィキでゲスト配役を見て驚く、里見浩太朗が出てるのか、まったく気付かなかった。それも当たり前だが脇役でなくメイン格である。やけに目のキラキラした、でも見たことのない人だと思っていたが、言われて見直して見ると、確かにそうだ。あごひげを不精に貯えているおり見抜けなかった。この頃のものではメインゲストの美男美女がその後活躍しておらず、おれは名前を知らないというようなことがよくあり、おれは今回の里見ももそれかなと思ったくらいだ
大原麗子はまだ二十歳前後の無理して突っ張った生き方をしている女の子、盗人であり将棋指しであり、という役。汚い言葉遣いを背伸びして言ってる感じがよい。高倉健の網走番外地に若い大原が出てるのを見たことがあるが、そんな感じだ。
全体的に喜劇調、終盤には光圀(おきくは盗人の親分だと勘違いしている)が盗人の真似事をやる場面もあり、表から入ろうとしているのを一緒に行動してるおきくや八兵衛に慌てて止められるも、せっかく門があるんだからと意に介さない。
いただけないのは冒頭、おきくの出自が回想場面で流れる。まずおきくが旅の女将棋指し大橋宗菊(この回では大橋宗桂という将棋の名人が登場する)と名乗って宿屋かなんかで将棋を指している場面、そこへ八兵衛が通りかかり、勝負を挑み、となるのだが、そこで、回想場面。元は小伝馬町の女牢に数か月前までいた。そこで出てくる囚人で主要な者は四人。
おきくとお神楽の姉御、隼のおしゅん、二番役
牢名主とおきくが将棋を指して遊んでいる。そこへ、天童無宿おしゅんが新たな囚人として入牢。そこで二番役がおしゅんから金を巻き上げようとするも、おしゅんは反発、が、牢名主のお神楽の姉御とおしゅんは顔馴染みで再会を喜びおしゅんは隠し持ってた小判を出す。
牢内が浮かれた雰囲気になりおしゅんがはしゃいで踊ってるのを見て、二番役はおきくにまだ金を持ってるはずだ、盗めと指令するという流れ。
おしゅんからおきくが小判を盗む際に迷子札代わりの書付を手に入れ、実家へ帰り兄妹の再会となっていくという展開。この四人の場面であまり大原麗子が目立っていない、というか四人が等分に描かれ、この場面のメインが誰なのかよくわからない。牢名主とおしゅんの再開を喜び合うシーンとかいらないだろうに。
さらに。最終的には兄妹として二人はこれからこの地で暮らすということになる。おきくはその迷子札の書付について告白しようとするのを、兄の庄太郎さえももうわかってるという風に押しとどめる。なにもかも承知で、ということだ。こういう風にするなら、本物のおしゅんを冒頭に出すべきでない、と思うがなあ。情がおしゅんに移ってしまう可能性がある。その迷子札の書付は拾っただとか、死に間際のおしゅんに託されたとかにしたほうがよさそう。
というストーリーかと思ったが変だなあ、途中で出てくる迷子札の書付にちゃんと「おきく」って書いてあるや。書き換えの偽造したってことかなあ
終盤のお約束場面、まだ確立してないが、格さんが「ここにおわしますのは先の中納言水戸光圀公にあらせられるぞ、頭が高ぁい」という有名なセリフがある。実は今日、横内正のウィキを見ていて、「助さん役の杉良太郎よりも声が大きかったためと、声が低い方が貫禄が出るだろうと言う東野の鶴の一声」でそういう配役になったとあり、が、「しかし、格さんのイメージが定着し過ぎることを恐れ、6年目頃に自ら降板を申し出た。だが製作サイドからの慰留を受け、最終的に第8部終了と同時に降板した」とのことで、それが印象に残っていたので、このセリフが強く響いた。ここまでの回で格さんがこのセリフを言ってるのはまだたくさんはないはずだ。
で、これが光圀一行が縛られ殿さまに処刑される寸前の場面、偽者だ、と尚も処刑を続行しようとすると事情を知らされた家老の早川が駆け付ける。ここから後が変、殺陣をやりたいのだろうけど。家老が駆け付け説明すれば、そこにいるのが光圀と了解せざるを得ないだろうに、家老は光圀一行の縄を切ってやり殺陣になだれ込む。
冒頭は旅の場面ではないものの、八兵衛が一行の一員であることがわかる(将棋に負けて、次の掛け金として一行の荷物を勝手に持ち出し、探しに来た助さん格さんにこっぴどくとっちめられてる)。またラストでは三人に八兵衛と弥七で歩くというこれも見慣れた光景。だんだんこういうのが増えていくのだろう。

第15話 1971年1月4日 叱られた黄門様
お静:松原智恵子
早川綜一郎:長谷川哲夫
林平左衛門:加藤武
おばば:笠置シヅ子
玉井与兵衛:野口元夫
川井新八:杉浦真三雄
牢番:福本清三
福本清三は視聴時には気付かず。ウィキで気付いた。普通の月代を剃った侍姿
この回はメインゲストと言える人がたくさんいる。
サブタイトルは笠置シヅ子のおばばを示している。米俵に座って休息していた光圀を叱り、また成り行きからその家に居候をさせてやる。そして最後までメインストーリーと絡まないままというのは珍しいというか、初期の脚本の粗さというか。
メインストーリーは藩を牛耳る郡代の林平左衛門の悪政。加藤武が若い。その妻が松原智恵子で、兄が長谷川哲夫。ここらがメインゲスト格。
前回の里見浩太朗のときも思ったが、皆若い。まず加藤武は最初の登場ではわからなかった。陣笠を被っていたからであろう。
松原智恵子は、もしかして松原智恵子かなあとは思ったが、やはり大分違う
野口元夫という人はよく見る顔だと思ったが、名前は聞いた覚えがない。嵯峨善兵とか金田龍之介に似たいかにも悪徳商人。経歴を見ると俳優のほかに代々続く寿司屋の店主でもあるそうだ。
加藤武と野口元夫が悪役で、長谷川哲夫と松原智恵子は善玉、悪の証拠を掴むため家に入り込んでるというような感じながら、そちらに染まっていきそうな弱さもあり、かつての同志である新八からなじられている。
悪役側の光圀への対応。これは後年にもありそうな中身ではあるのだけど。中盤で与兵衛が老人と二人の供というのは噂を聞いたことがあり、もしかして水戸様かもしれないと気付く。そして対処として、謝罪して取り込む、抹殺するという二つの選択肢を林に示す。林は捕えていた隠さんに水戸様とは知らずに無礼を、とあっさり謝罪。そして面会させてもらい、そこで襲撃しようと企むという作戦。
ちょっと変なのは、そこまで水戸様がこの地に来ていることを知らないはずのお静や綜一郎が光圀を心配するというくだり。
おばばの息子が新八とかそういう絡みがあればなあ
悪政を光圀が藩主に報告することを約し、この件を落着、旅立ちの際にもおばばは正体を知らないまま、水戸黄門という偉い人が悪いヤツに罰を当てたなどと言って光圀一行を見送る

第16話 1月11日 佐渡恋情
義右衛門:加藤嘉
おきわ:望月真理子
鷹四郎:田村亮
釣原重房:北原義郎
慶助:中村孝雄
加藤嘉は回を置かずにまた登場
水戸黄門では多くの作品が善悪はっきりしたキャラになっているが、ここではその区分けがさほどでもない。が、作り手はそうは思ってないかも。と思えるような作品
内容としては佐護金山が舞台で、測量士の義右衛門に弟子が二人、娘おきわの婿にして後を継がせるつもり。で、そのうち、鷹四郎のほうが能力があり、おきわとも好き合っている。慶助が悪役気味。ここを強く悪役にするような作品はありがちだが、ここではそうでもない。酔っておきわに抱き着き、キリシタンの証拠である十字架のネックレスを見つけてしまう。でそのネックレスを材料に義右衛門と交渉、黙ってるからおれを後継にしておきわの婿にしてくれ、と。立ち振る舞いは汚いものの、そして
キリシタンは罪というのは今の考えからすると言語道断ではあるが、当時は重い罪。が義右衛門が逆ギレ気味である。このネックレスはキリシタンである鷹四郎がおきわに渡したもので、おきわはまだキリシタンになりたて、もしくは信仰者ではないともいえる状態。
さて、今作のメイン悪役と設定されてるのが奉行の釣原、こちらも権力に物をいわせ、毎年村野綺麗な娘を集め踊りを観賞し、気に入ったものを江戸へ連れて行っているというような背景はあったり、今作の中でも多少汚い小細工はするものの、いかにもな悪役ではない。
光圀は開始早々の釣原との対面でご老公だとバレるという構成で、釣原は光圀が滞在しているということを認識してのストーリー展開。
光圀の世話係をおきわは命じられている中で上記のようなキリシタン騒動が起きる。慶助は義右衛門に受け入れられず、釣原へ密告、しかし釣原は部下に命じ慶助を斬ろうとする。
釣原はおきわがキリシタンであることを材料に、一度断られているおきわの江戸行きを画策。
最後の場面では光圀が旅立ちとなり、光圀、釣原、おきわの場面で、おきわが釣原の悪行、好き合った鷹四郎と一緒に罰を受ける覚悟を光圀へ直訴、が光圀は「聞かなかったことにしよう」と驚きの展開。
が、弥七を呼び寄せ、探らせていたことを話すと、釣原は平伏、光圀は釣原に二度と不心得をしないとの誓約書を書かせ、また光圀立会でおきわと鷹四郎の祝言、仲人は釣原ということをやらせおり、釣原にも大きな罰は与えていない、行われた悪の分量に合わせたのだろう。
おきわの直訴場面や、結末あたりでの助さん格さんのセリフを聞いていると、制作側は悪役として設定しているのだろうなと思う。
ちなみに助さん格さんはおきわの直訴の場面には立ち会っておらずどう解決したか、そもそもどういう事件が起きていたかも詳細には知らないままという珍しいストーリー。
そうかあ、北原義郎かあ。偶然であるが、昨日「遠山の金さん(杉良太郎主演版) 第68話 いかさま稼業」を見ており、そしてそこにも書いてあるが、今日も同じように小林勝彦を思い出していたのである

第17話 1月18日 縄張荒らし
おさよ:武原英子
新助:森次浩司(森次晃嗣)
藤田屋治兵衛:菅井一郎
佐渡屋万蔵:伊達三郎
太吉:室田一人
吉助:袋正
網元(漁場の仕切り役)同士の争いの話で、役人や代官などが出てこない。こういう話は光圀の威光といっても通じないので、これまでの回にもそういう話はあったが、最後のお約束(まだ固まってはいないが)の構図はないのかなと思っていたが、その二組の争いの決着がついたあたりで、役人たちが駆け付け双方ともひっ捕らえろとなったところで、光圀の威光の場面を割り込ませている。ここでは「ここにおわすは」の口上を助さんがやり、そのまま助さんが隣にいる光圀の腰にぶら下がる印籠を手に取って見せつけている

第18話 1月25日 母子追分
おつま:河村有紀
遣らずの伝兵衛:林真一郎
板目の源七:高品格
雲水:陶隆
仕立屋おかん:三戸部スエ
若菜屋おきた:阿井美千子
巳之吉:比嘉辰也
これまでの回にも確かあったと思うが、助さんが八兵衛を連れて、光圀、恪さんとは離れての旅路となっており、そして事件は助さん側で起きるという構図で、光圀の活躍はほとんどなく出番も少ない。たまに光圀側の旅の様子も描かれ、例えば恪さんが駕籠の先棒を担ぐも、駕籠に乗る光圀から歩いてるのか走ってるのかと嫌味を言われ、力を振り絞って走り出すと、光圀が駕籠から落ちてしまい、走って追い掛けるなどコミカルに。
メインストーリーは助さんが立ち寄った女郎屋のおつまが息子の病気を見舞いたいと逃げ出すのを助ける羽目になるというもので、おつまの夫が悪役気味ながら善玉。でも善玉っぽく描かれてるが、よく見ると相当な悪をしでかしてる。時代劇では善悪がかなり明確にされていることが多く、悪役っぽい登場でそれなりの紛争でも、見た瞬間、こいつは善玉だろうなとわかるようになっている。顔の作りとかからなのだろう。ここでもそうで、善玉の役割なのだろうなと思って見てられた。が、当上の場面では百両を運ぶ飛脚を襲っているという場面、ここに弥七が割って入り・・・、とストーリーに絡んでいく形。結局強盗で金を奪ってでも女房を受け出したいというやくざ者、そして、終盤では男気を出して、悪と対決、助さんを庇って銃弾に倒れるという流れ。やくざ者だが純真であったという風に描きたいということなのかな
光圀はさきほど言ったようにほとんど出番なしで、最後の殺陣にも登場せず、一応最後の殺陣で弥七や格さんが登場し、光圀の命だというようなことを言っている。
旅立ちの場面で今回のゲストのおつま、巳之吉から見送りを受ける。
巳之吉の世話をしているおばさんが三崎千恵子かなと思ったが違った
また高品格が若く、登場のところですぐわかったものの、ずっと見ていると、もしかして似てるけど違うかなとも思えた
遣らずの伝兵衛とウィキにはなっているが、作中では「仁兵衛」

第19話 2月1日 浪人街の決斗
沖山船十郎(加来輿四郎):天知茂
おひさ:二本柳敏恵
仙太:倉丘伸太郎(倉岡伸太朗)
鬼頭七十郎:天津敏
平野屋清兵衛:小堀明男
斉藤主馬:高野真二
信濃屋:浜田寅彦
若者:鶴田忍
この回は盛沢山に書くことがある
まずは天知茂を楽しむ回ということなんだろうな、ワンマンショー的演出。通常水戸黄門は弱い人た光圀に助けられるという感じの構成だが、ここでは天知の役が比較的台頭に描かれ強さも助さん格さんと同格に描かれる、弱いことを装うような場面もあるが、最終的には一騎打ちで仇に勝っている
天知茂は自分はリアルタイムではかすかに記憶にある程度で、どれくらいの人かは良く知らなかったのだがウィキで見ると、なかなかの人気であったようで、そしてそれもさもありなん、自分の知らなかった時代の役者で特別に好きになるというのはあまりないのだが、この人はその中のひとりにもなりそう、といってもまだあまり見れていないのだが。主演作を見たいものだ
出演者が豪華、というのも浜田寅彦などなかなかの名優であろうが、ここでは脇に回っている。鶴田忍なまだ若手だが顔はすぐわかる。
この回の発端は祭りの練習、太鼓担当が博打好きで練習をさぼっていて・・・、みたいなことが描かれ、第1部第30話「上州からっ風」みたいのを思い出す、が、その後の展開は全く異なる。
その太鼓の代わりをやりたいと立候補するのがその町をぶらぶらしている浪人で沖山。その後はこの沖山が延々と描かれるのだが、色々設定がある。ぶらぶらしたお気楽な浪人というキャラで、その町の宿の女、おひさをくどいている。この回のヒロインといえる存在。が、その藩には城下外れの歓楽街、っこは無法地帯になっており、そこは賄賂で不正に目を瞑っている状態。それを探りに加来輿四郎という隠し目付が入り込んだという報が勘定方組頭の斉藤主馬に入り、その加来が沖山。しかし途中の展開では格さんがその名前から加来と勘違いされるという一幕もあり、そして最終盤、沖山は加来なのだが、その裏でこの仕事を引き受けたのには理由があって女房を犯された(のちに自害)ということへの仇討、相手は江戸の道場で一度も勝ってないという鬼頭七十郎。この鬼頭についてはほとんど描かれておらず、作品的には詰め込み過ぎという感じがある。
そしておひさ。自分は男運の悪い女ということを物語る場面があるが、そこで沖山に自分は本気だと口説かれ本気にしている。ラストでは亡くなった女房の敵を討ったばかりの男についていくことはできない、それだけ大事な人だったということなんです、待つことには慣れているので、きっとそのうち・・・・と語り、加来との約束の場所へ行かないという決断をしていて、この場面もなかなかで詰め込み過ぎの中で、もう一つのテーマかと思える。ナレーションで光圀たちはその後加来とおひさがどうなったか知らないとしており、加来はその地を旅立ったのか、まだその地にいるのか、そしておひさとどうなったのかはわからない。
川谷拓三が賭場の壺振り師、序盤に何度か遠目から少し映る場面でもしかしたらそうかなあと気付けたおれ、偉い。その後の場面で大映りしている
弥七と八兵衛が出ていない。ウィキによると今シリーズで弥七が出ないのはこの回のみ。八兵衛は終盤で出なくなるようだ

第20話 2月8日 喧嘩買います
お吉:北林早苗
檜屋与左衛門:香川良介
村井軍太夫:山岡徹也
唐犬権九郎:五味竜太郎(五味龍太郎)
野沢屋:西山辰夫
おしん:吉川雅恵
幸吉:唐沢民賢
田阪喜十郎:大竹修造
田阪平馬:石倉英彦
おその:富永佳代子
刀剣屋主人:岩田直二
田阪平四郎:大坂志郎
メインゲストは大坂志郎
北林早苗は出番が多いけどストーリー上ではあまり深くメインストーリーに関わってはこない。助さんといい感じになる芸者の役
以前からの材木問屋である檜屋に、妹を代官に妾として差し出し、やくざの唐犬一家と組んでのしてきた野沢屋の争い、これがメインストーリーというかサブストーリーというか。
一方で今回のメインゲストである大坂志郎演じる田阪は多少呑気にも見える浪人、こちらはこの地の刀剣屋に浪人には不似合いな名刀を買う約束をし、その金を作る算段をしている。その刀はさる殿さまのもので、それが盗まれたため自分の倅は自害しなければならなくなり、田阪はその刀を買い上げお殿様に返上しようとしていたのだ
腕に覚えありなのか、助さんがやくざに絡まれているお吉を助け、喧嘩となったときに、お吉が田阪に助力を頼むと、一両ならと答え、助さんは喧嘩の相手をしながら一両なんか払うな、と叫び、二分でどうだ、一分でどうだ、と言っているうちにその喧嘩は治まってしまうというような場面もある。
やくざに憧れる若者で、田阪と同じ長屋に母親と一緒に暮らす若者のげんた。これについてはあまり詳しくは描かれていない。ウィキにげんたというのが載っておらず、多分幸吉なのだと思うが、よくわからない。
唐沢民賢は必殺仕事人で与力役をやっており、ほかの与力はみな個性的で強い印象があるのだが、この人だけはあまり印象にない。そしてこの人、非常に多くの作品に古くから(それこそ今作品など)登場しているが、小さい役が多く、正直言ってクレジットで名前を確認してもそれがどれなのかわからなくて、だから顔の認識もいまいちしていないという不思議な人だ
檜屋が材木の切り出しを始めるという届を出し、それが代官から野沢屋に話がいき、そして自分はその日他を見回りをするから、何をしてもお咎めなしとなるだろう、と邪魔をするようそそのかす。
檜屋対野沢屋の出入りとなる雰囲気、双方が人を集め出す。
げんたは意気揚々と出かけようとし、田阪に止められ、しかし田阪は金がもらえそうだということで、そこに参加することにする。
檜屋対野沢屋には光圀一行も駆けつけ、止めてやれと命令するも助さんに止めるだけですかと問われ、野沢屋と唐犬一家を懲らしめてもかまわんとなる。
この喧嘩には弥七八兵衛も光圀一行と一緒に駆けつけているが、もうすぐ終わるというところで、おれたちはそろそろ消えようぜと、その場を去っていく
その喧嘩は光圀一行の助力もあり治まるのだが、やれやれとなったその刹那、幸吉が田阪を槍で刺す。苦しんでいるところに光圀が駆け付け正体を明かし、田阪のやろうとしていた刀を買い戻し、殿さまに届けるということをやってやることを約す。
代官は見回りを終え屋敷へ戻ると、光圀が来ていると家来が言う。馳せ参じると、切腹を申し渡される。
げんたがその刀を届けるため旅立つことになる
げんたが田阪を槍で刺す、という場面には驚かされた。太陽にほえろのマカロニが死ぬ場面なんかと同種か、いやちょっと違うかな。

第21話 2月15日 泣くものか
三吉(伊達与之助):中村光輝(子役)
滋野井:高森和子
丹州(伊達与作):土屋嘉男
小まん:清水まゆみ
日糠の八蔵:原健策
古着屋 伍兵衛:河上一夫
入間家女中 若菜:三浦徳子
入間家女中:赤石光子
本間弥左衛門:志摩靖彦
朽木家の調姫:古城門昌美(子役)
上3人ゲメインでそれぞれ見せ場あり。
かなり入り組んだストーリーながらあまり不自然さを感じさせず良作品
まず風呂に入っていて着物、金子など身ぐるみ剥がされた光圀一行の道中から始まり、馬子の三吉が開いていた道端での博打に役人の手入れが入り、助さん格さんが助けてやったことを恩義に感じ、馬に乗せてもらうことになる
光圀一行から着物などを盗んだのが丹州。女郎の小まんの間夫
そして滋野井、これは殿さまの姫君、朽木家の調姫(7歳)のお付きの女。
この三人が実は親子、与作が殿さまの勘気に触れ失職、三人はバラバラになっていたというのがだんだん明らかになってくるという内容
三吉は滋野井に会いに行くも、拒絶され、また調姫は江戸の高家へ輿入れを嫌がり逃げ出す。そしてそれを三吉が助け・・・、というような内容はありがちである
弥七八兵衛が出ていない
悪役らしい悪役はなし。丹州は悪役っぽく登場するも、目に光あり、という感じで実は善玉みたいな役だろうなと感じさせる。この丹州に関わる人物、盗品を丹州から買った古着屋とか丹州に金を貸してるらしいやくざとかは出るけど、作中で極悪なことをやってるわけでもなく、大きな罰は受けない。やくざは姫探索で居場所を聞きつけ姫を連れ去ろうとし三吉に殺されていて、その三吉は光圀から人を殺めたのだから責任を取らなければならないと言われ、調姫がその者に罪はない、と、そして滋野井が引き取って責任もって育てるといい・・・。光圀が家老本間に与之助を調姫のお相手役として推挙しておくと言いおいて決着

第22話 2月22日 怒れ!格さん
お春:榊ひろみ
美濃屋太兵衛:美川陽一郎
赤銅屋仁兵衛:小林重四郎
垂井宿場役人・森:沼田曜一
左利きの浪人:伊吹聰太朗
越美屋:西山嘉孝
喜助:遠山金次郎
定七:楠年明
卯之助:佐々山洋一
柳屋:柳川清
文吉:二宮博見(子役)
今回は格さんが一行から離れての旅路となり、格さんだけで進行、光圀と助さん最終盤でちょっとだけ。
たまには旨いものをと相談している一行に豆腐料理を勧めに来た男。食事に満足した帰り道、盗賊に襲われる。男は盗賊の手引きだったのだ。格さんは後ろから刃物を持って突進してくるその男を後ろも見ずに斬りこみ、男は亡くなっていく。その男は卯之助といい、お春という女に言付けを頼むという序盤で、ここから格さんは責任を感じ、一人でお春を探しに行くという流れ。
展開されるストーリーは、儲けのよい飛脚問屋になりたい駕籠屋の赤銅屋が役人と結びつき飛脚問屋の美濃屋に色々悪さ。そもそもこの卯之助の一件もその策略の一つだったというもの。
格さんは自分が殺してしまったということもあり、お春や美濃屋になかなか本当のことは言えずにいたが、真相がわかってきて、とうとう本当のことを打ち明ける
伊吹聰太朗、登場の場面では布で顔をぐるぐる巻きで目だけ出ているスタイル、ここでひょっとして彼ではないかと気付いたおれすごい。
といっても名前は思い出していない。最近年のせいだろう、名前が全然出てこない。美川陽一郎なんて、ああよく見る顔だ、いつも見るより大分若いな、などとは思ったものの名前が出てこない。美川くらい名前や、何々に出てた人(最近見たものでは杉良太郎版金さん)というくらい思い出してもよさそうなのにな。
弥七八兵衛が出ていない

第23話 3月1日 謀略の渦
広尾織江:土田早苗
広尾新次郎:竜崎勝
香取京之助:松川勉
吉村内蔵助:神田隆
堀池武右衛門:北沢彪
松平昌親:夏目俊二
片貝:高木二朗
お市の方:山口朱美
藩の世継ぎを巡る城代家老吉村(神田隆)と重役の堀池の対立。
織江は堀池派の新次郎の妹であり、吉村派の京之助と恋仲、新次郎と京之助は親友。というのが登場人物相関図。
吉村はまだ幼少の殿さまの息子を立てているが、堀池は吉村が藩政を恣にするための策略だと主張、殿さまの甥っ子を推している。
時代劇では幼少でも殿さまの息子を立てるほうが善玉となることが多いような気がするがここではそちらが悪役。まあ結局は弥七が、その殿さまの息子が実は吉村と殿の側室であるお市の方との子を暴いているのだが。
竜崎勝は良い俳優で、場面が引き締まる。
土田早苗はこの枠の常連、美しいのだけど、どこか怖い不気味さがあり、だけどそういう役は一切なく、美しい女という役柄ばかり
弥七は出ているが八兵衛は出ていない

第24話 3月8日 悪い奴ら
お袖:三浦真弓
暗闇の半助:三角八郎
丹後屋伝蔵:河津清三郎
天狗の辰:小田部通麿
お梅:志乃原良子
葛城作之進:中村錦司
桔梗屋りつ:毛利菊枝
三角八郎の役は八兵衛と顔馴染みの小悪党、冒頭でスリをしていて罪を八になすりつけるという登場。後に八から説教され終盤では兄弟分のようにコンビで活躍
中村錦司は悪役の奉行、悪役のあまりに合わない顔である
ここ数回、助さんが「ここにおわすは・・・」の口上、その際に「水戸光圀公」ではなく「徳川光圀公」と言っている

第25話 3月15日 黄門様の子守唄
再放送欠番

第26話 3月22日 帰って来た旅烏
磯浜の源太:里見浩太郎
駒吉:和崎俊哉
三崎屋おけい:北城真記子
おきぬ:光川環世
浜田の勘蔵:谷口完
浪人:千葉敏郎
里見浩太郎が強くて格好良い旅烏の役で見せ場たっぷり。こういう風に見せ場をたっぷり作ってもらえるというのは特別なゲストなのだろう。
この回は武士階級の悪役というのは出てこず、ゆえに光圀が名前を出して治めるというような場面はなく、旅立ちの際に世話になったと書を渡し、立ち去っていくが、それを広げて見て気付いて平伏となる。
助さん役の杉良太郎は今シリーズまでで、次シリーズから里見が演じることになる。
さて杉良太郎の助さんなのだが。どうもしっくりこない。軽薄で光圀から叱られたりからかわれたり。降板させられたのか、自ら仕事の都合などで断ったのかは知らん。ただしっくりこないというのは、後のシリーズでの助さんのイメージがあるからであり、このまま彼が続けてたらこれこそ助さんなのかもしれない。
おれが最初に見た水戸黄門の助さんが多分里見だったはずでそのせいもあり、その頃の水戸黄門は勧善懲悪の代表作でもあり、レギュラー陣はそこまで軽薄さを出さない、いや、そういうのは八兵衛に負わせるという感じか。さらには、格さん役には大和田伸也というのがおれのリアタイ時の記憶で、そうなるとリーダーというか先輩という風格も備わるわけでそうなると今シリーズのような、格さん>助さんみたいな序列にも違和感がある。さらには里見は後に光圀役までやる超大物でもあり、そのイメージもある
「横内正は78年まで、見ていたけど、あまり理解はしていなかったという感じで、だから懐かしくもあり、でも名前は記憶にないといったところか。」と第1部のところで書いている。自分の記憶で名前を覚えているのは格さん、大和田伸也なのだけど、実際には横内正のも見ており、が、名前は記憶できず、ゆえに助さんの杉良太郎から里見浩太朗に感じるような違和感は感じない、つまり格さんは大和田伸也であるという確固としたイメージ派なく、むしろ横内正の格さんを見ると原体験のような感じがあるのだ

第27話 3月29日 密命おびて
弥生:大原麗子
桂木桐江:長谷川稀世
望月隼人:新田昌玄
城戸刑部:見明凡太朗
黒沼豪之助:深江章喜
秋月郡兵衛:高森玄
風見治助:西田良
この回からは今後数回にわたるレギュラーとなり光圀一行と旅をすることになる大原麗子の登場。そして助さんはこの回で怪我、八兵衛が介抱する役となりこの地にとどまるという形で、今シリーズを一時的に降板、この後、助さんは最終回に出てくるようだが、八兵衛はこれ以降出ないようだ。
冒頭は光圀と助さんが喧嘩をしたとかで、光圀と格さん、助さんと八兵衛という組み合わせで別れての旅路。喧嘩の原因は甘酒の作り方とのことで、光圀は途中で登場した弥七にまで甘酒の作り方を聞いている。
大原麗子は男装で若侍の格好で旅路という形で登場、助さん八兵衛と相部屋となる。ここで時代劇によくある、見てる方は大原麗子だ、女だ、とわかってるのに、ドラマ内人物である助さんや八兵衛は彼女が男だと疑わないという演出。
弥生は他藩から、この地を光圀が訪れてると知り、潜入してきた。藩の後継者争い問題への助力を光圀へ頼みに来たのだった。
西田良は弥生の付き人というような役のようで冒頭で追手に襲われ殺されてしまう役、そこへ光圀が駆け付けると、こと切れる間際に光圀に申し立てるという役で、善玉といえるだろう。西田は比較的悪役の多い人である。
光圀の素性を明かす口上を述べるのは弥七。やはりこの頃は形が固まっていないことの証左である

第28話 4月5日 裏切り
おさよ:珠めぐみ
新吉:川地民夫
小倉屋十兵衛:増田順司
六藏:川辺久造
平井権太夫:外山高士
岩切:寺島達夫
小笠原大膳太夫:中村錦司
悪役は家老の平井。そして小倉屋はその家老の藩の財政のためとの言葉でその命令通りに抜け荷をやらされるという役割。小倉屋の娘がおさよ、その店で働いているのが新吉
この回では公儀隠密が登場、柳沢の配下で、小笠原に身の安全と出世を約束し、藩の取り潰しに協力を持ち掛けるという展開で、こういう展開になると面白い。
中村錦司は比較的早いペースでのゲストとしての登場、今度は殿様の役で、最終盤に光圀からの伝書を弥七が届けられ駆け付けるという役
助さんがいないからか、光圀が殺陣に参加、結構長い立ち回りがある
おれはこの回で弥生の藩にもう着いたのかと思って見ていた。小倉屋と弥生が顔馴染みで、それゆえ小倉屋に光圀一行が立ち寄るというのば冒頭の展開。
最終話の前の回に弥生の藩に辿り着くという段取りのようだ。まあ当たり前か。
しかし、今シリーズは東北の果てまで行き、今度は九州である。どういう旅路なんだ。

第29話 4月12日 にせ黄門現わる
にせ黄門:梅津栄
にせ助さん:東けんじ
にせ格さん:宮城けんじ
秋月七重:服部妙子
与平次:本郷淳
等々力五郎太:名和宏
松井右衛門(松永丈右衛門):夏目俊二
はかた屋清蔵:宮田洋容
はかた屋の番頭:佐藤蛾次郎
柿崎伊三郎:波田久夫
栗山外記:山口幸生
まあサブタイトルから想像できる内容であろう。にせ助さん格さんは見覚えはないけど誰か著名な人かなと思ったら、Wけんじ。
水戸の御老公、お忍びの旅が噂になっており、宿の主人が騙り(自分では名乗らないのだが噂として流れている越後のちりめん問屋の隠居光右衛門、そして供の助と格を名乗りほのめかしている)を案の定勘違い、そこへ本物の一行が現れるという冒頭。
助さんがいなくなってから、旅路を強調するためか、弥七弥生が同道し四人旅という図柄がよく出てくる(この回の最初と最後など)
仇討を願い出ているがなかなか許しが出ず、水戸の御老公が滞在していると聞き、助けを求めに来るのが秋月七重と与平次。
仇は松永丈右衛門で、その松永は名を松井と変えて柿崎道場で師範代、藩の剣術指南役になる予定で、仇として狙われてるとなると、問題になるので、それを庇う悪役側に奉行の等々力と与力の柿崎。柿崎道場と与力の柿崎の関係がよくわからない。柿崎が松井に「柿崎道場さえ手に入れてしまえば云々」といっており、関係ないっぽく、ならなぜ名前を一緒にしたんだろ
途中で弥生を狙う刺客が間違えて七重やにせ黄門を襲う場面があり、それに弥生が心を痛め、なんとかしなくてはと願う表情が美しい
悪役側は屈服せず本物の光圀を牢に入れてしまう(光圀がにせの助さん格さんを連れて奉行所へ乗り込み、その際一行が偽者であることを聞きつけ助さん格さんに問い詰め、白状。同行していた本物までが偽者とされてしまう)という事態になり、そこへ駆けつけるのが城代家老の栗山外記という構図。
最後の旅立ちの場面ではにせ黄門は、九州にいる間は光右衛門という名前を使ってくれ、姿をくらましたいのだ、また虚無僧に斬りつけられるかもしれんがな、などと言われている。この場面で気付いたがにせ黄門、前歯が一本だけである
宮田洋容も漫才師とのこと。ふと宮田陽・昇を思い出す。調べてみると、宮田陽・昇の師匠が宮田章司で、その師匠が宮田洋容という関係のようだ。
佐藤蛾次郎、いまこれをウィキからコピペして気付いた。ええっ、佐藤蛾次郎が出てたの? 見直してみると出番たくさん。
内容に合わせて陽気なキャラが揃えられてるのだろう、喜劇的要素いっぱいの作品だ

※追記 8/1視聴
ここまでは放映されたその週末までに視聴してきたが、今シリーズも終盤になり、特に弥生の件については前後編になるかもしれず、また弥生絡みのエピソードも増えるかもしれず、そういうのはまとめて見たいと思い、数話分溜めて、週をまたいでの視聴
07/27(木) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第2部<デジタルリマスター版>▼第30回「隠密兄妹」(佐賀)
第30話 4月19日 隠密兄妹
江戸屋菊次郎:細川俊之
おなつ:北川美佳
おりく:清水良英
七兵衛:浜田寅彦
唐津屋藤兵衛:成瀬昌彦
沼田主膳:伊達三郎
立原市之助:木村元
松平肥前守:高崎継義
職人:玉生司郎
坊主:宍戸大全
弥生の件の関連エピソードではなく一話完結もの。
細川俊之が時代劇のゲストに出るのは珍しいのではなかろうか、おれは見た記憶がない。がウィキによると、大河ドラマに複数本出演しているようだ。おれが子供のころ、最初に見た大河ドラマである獅子の時代にも。
鉄砲密造の話で、鉄砲作りの職人が浜田寅彦(これは作らされてるだけで悪役ではない)。悪役となる藩の家老が伊達三郎、その配下のしつこい役人が木村元。
細川俊之と清水良英が表の顔は薬種問屋を営む兄妹、が実は公儀隠密で鉄砲密造について探っている。宍戸大全も公儀隠密の連絡役で、殺されてしまう。

第31話 4月26日 家宝奪還作戦
由布芳江:藤田弓子
十時数馬:高橋長英
宗仙:村上冬樹
由布和泉守:宇佐美淳也
山崎無膳:天本英世
すいびらの平次:鮎川浩
横地玄蕃:三島耕
立花鑑虎:峰祐介
飲み屋の客:志賀勝
門番が川谷拓三のような感じ。弥七に倒されて、弥七は中へ。そして弥七が出ていくときに再度やられてしまっている
高橋長英が自分が見知っているよりも若々しい。そして今シリーズで見知った顔がみんな若い。
藤田弓子についてはこれを書くためにウィキで見るまで気付かなかった。見知った顔と相当に異なっていたのだろう
天本英世、志賀勝も気付かなかったなあ。天本英世は後年は常に相当に変な格好で変な役という超個性派であり、ここではそれなりに個性的な剣豪の役、まだ普通の範疇であろう。こういう時は気付かないこともよくある人だ
2幕の最後のところで弥七が絶体絶命のピンチになる。そこを弥七は自力で脱したのではなく、相手、山崎無膳が斬らずに立ち去った。なんで斬らないんだろうとは思う。結局その後弥七に盗みに入られている。でも、そうか。そこでも弥七と対峙し、弥七は相当にびびっており、「腕に覚えあり」ということなのだろう。そこへ格さんが入ってきて一騎打ち(今回の最大の見せ場なのだろう、時間たっぷりで描かれる)。格さんが捨て身、相手に斬らせながら自分も斬るという技で倒す
話は主席家老、由布を追い落とすための次席家老、横地の陰謀。近々戻る殿様のための茶会で、殿様が大事にしている茶碗を盗んで由布の失態を目論む。
藤田弓子の芳江は由布の養女で、実父は茶人の宗仙。茶については実父と同じくらいの腕前
数馬は芳江の許嫁で、お納戸役の役人。茶器を盗まれ追い込まれるという役
「ここにおわすは・・・」の口上、前回も今回も格さん、その際に「水戸の御老公」(第30話)、「水戸光圀公」(第31話)と言っている。27話では弥七が言っていて、そこでも「「徳川」でなく「水戸光圀公」だった
これも一話完結。弥生の戻る先である久留米のことは気にしているようで、弥七が偵察に行ってきた報告をし、さらにその後弥生と格さんで国境の様子を見に行ったという報告をしている

第32話 5月3日 小太刀の女
高崎数之進:中尾彬
津坂大膳:安部徹
榊原帯刀:野々村潔
筑後屋茂右衛門:武藤英司
横山三之助:横森久
有馬光房:市川男女之助
お方様:松村康世
いい出来だ。今シリーズベストだと思う
これが最終回でなく、もう1回あるのだが、大原麗子はここまでの出演、最終回の場所は「江戸」となっているのをウィキで見ており、それゆえその最終回の放送前にこれを見始めたのだが、ストーリーが充実しており、そして終盤になっても終わりが見えない、予想がつかないという感じでひょっとしてこの話は最終回と連続ものなのかいなと疑念を抱いてしまうほど。
見終えてみても、これならいくらでも話が膨らませそうで、連続ものにしてもよかったのではなかろうか。
内容は後継争い、城代家老津坂と次席家老榊原がそれぞれに後継を立てて争っている。弥生は榊原の娘。
久留米に入り、弥生は父の命令で光圀を迎えにきたと話していたがそれは嘘で、実は自分の一存で来た。父のやり方では間に合わないと思ったなどといい、榊原親子の間でも意思統一できていない様子。それに対し、光圀は自分は自分で調べる(これについては弥生と会ったときから言っていたと思う)といい、弥生と別れ別行動となる。
もちろん光圀は弥生側につくのだろうとは予想がつくものの、終盤、結局その場面の流れで決着がつくのだが、弥生たちの集団が筑後屋に乗り込んできて刀を突きつける場面では、先に筑後屋に来客を装って来ていた光圀は「このやり方には賛成できんな」と言ってる。
注目は中尾彬
この人はまず顔。悪役顔というか、腹に一物ある感じ。弥生と連帯している青年侍の役で、だから善玉として登場、しかしおれの偏見か顔のせいで、寝返るんじゃなかろうかと思う。そして見間違えでなければ、演出上でそういう表情を見せる場面がある(※)。
が、終盤までは善玉、おれの杞憂かと思いきや、最終盤で寝返ることになり、さらにその次の場面で、寝返ったふりをして悪側の証拠を取り、仲間へ届けるという流れ。
この寝返ったふりの場面は素晴らしい。「ふり」というか、そうせざるを得なかったようにも見える。家族のこととか条件を話され、段々心を傾けていくように見える表情の変化がとても良い。
(※)これはやはり見間違えでないのだろう。善玉として出てきた人が変に暗い表情などを見せ、後の展開での悪役へ寝返ることへの布石となるという手法。今回は最後にさらにもう一つ逆転があるという風になっているのだが
横森久というのはどのくらいの格の俳優なのだろうか。この人で印象に残ってるのは、今回(今回は悪役側家老津坂の側近)と同じ役どころ、大物の側近、用人、取り巻き、といったあたり。例えば家老ばかりやってる人とか、用心棒が似合う人とかいるが、家老の側近ばかりが印象深いというのは興味深い。江戸を斬るで確かそんな役をやっていた
安部徹と武藤英司、似てるなあ。

08/01(火) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第2部<デジタルリマスター版>[終]▼第33回「お犬さま罷り通る」(江戸)
第33話 5月10日 お犬さま罷り通る
魚金:高津住男
おしげ:東竜子
おその:高野ひろみ
石野主水:守田学哉
準レギュラー
徳川綱條:柳生博(第33話)
徳川綱吉:清川新吾(第33話)
桂昌院:桜むつ子(第33話)
隆光:波田久夫(第33話)
柳沢吉保:山形勲(第1話、第33話)
この回しか出ていないのもウィキに準レギュラーとして書かれている
サブタイトルからわかるように生類憐みの令を扱った作品。悪法として取り上げやすいから時代劇ではよく出てくる。
序盤はそういう作品で見られる犬を籠に乗せ道端にいる人が土下座しているシーンなどがあり、ありがちな作品に思える。これまでの旅路からいきなり江戸に戻りでちょっと雰囲気も変わった感じでもあり、シリーズとしては余計な感じに思えた。
ストーリーも序盤は光圀一行が友達になった魚金の家へ招待されるが、魚金が魚を食べに来た犬を叩き、その犬が死んでしまったとのことで捕らわれそうになり、という風にとてもありがちな内容。
ここは助さんが身代わりになって牢へ入れられ、と展開していく。
が、終盤に見どころあり。光圀が切腹を覚悟(供の助さん格さんも)で綱吉に箴言の場面。ほぼセリフは光圀のみ、あとはか細い声で綱吉が返事。でその間、映像は光圀、綱吉、さらには柳沢吉保の顔がアップになる。さすが東野英治郎という感じである。
が、ここでは誰も成敗されず上様には今取られてる生類憐みの令がどう運用されてるか聞かせ、これでも正しいのかと問い質し、小さな声での答えをもらい、柳沢にも叱責に加え、これだけ上様から信頼されてるのだから、ちゃんとやれ、と。御三家には、上様が間違ったときは箴言を、と。
杉良太郎助さんについてまたまた一言
この回の冒頭、江戸に戻った光圀助さん格さん。助さんは間抜けな表情を見せ、置いてけぼりになり、二枚目半。序列も明らかに格さん>助さん
こういった豪快な人間味のある愛されキャラという感じが多分里見浩太朗の助さんにはない。もしかしたらこういうキャラを引き継ぐが段々消していくのかもしれない。とにかく、里見浩太朗の助さんにも例えば女好きだとかの性格は引き継がれ、ひょうきんなことをやる場面もあろうが、それを行きすぎなほどにはやらなそうであるし、格さん>助さんではなく、格さん、助さんが同格くらいの扱いになっていくのではなかろうか。そして格さんのほうのキャストが交代していくと、助さんのほうが風格があるように見えてきそうである。

明日から第3シリーズ
全シリーズやる気かね


木下恵介アワー「3人家族」  [連ドラ]

05/01(月) 17:00 - BS松竹東急|30分|12倍録
[新]木下恵介アワ―「3人家族」 #1[字]
06/05(月) 17:00 - BS松竹東急|30分|12倍録
木下恵介アワ―「3人家族」 #26[終][字]

オリジナルは1968
山田太一が脚本で、木下惠介が制作(制作というクレジットは最初と最後にあって、最初が木下惠介、最後のところでは松竹、木下恵介プロダクション、TBSとなっている。またプロデューサーというクレジットもあり、四方基。制作とプロデューサーは違う職種ということなのだろう)、監督を務めている
木下啓介 監督
6/10夜視聴開始
今のところ第2話まで

昔の現代ものドラマ。そういうものも多く放映されていて、そこには有名な作品、有名なキャストなどでちょっとはそそられるものがあるにはあるが、現代ものはどうも食指が動かない
こないだも「事件記者チャボ」を第1話から録画できていたが、同時間帯に他の番組が始まり、録画か重複して、どれかを削除となり、あっさりこれを削除した。これが始まると知り、録画をしようかどうかという段階から、あまり見る気は起きていなかったのだ。

これも第1話を見たところ、どうにも面白くないなあという感じでいつ脱落するかなどとも考えていた。でも30分もので全26回くらいなら、すぐ見終えるから頑張ろうかとも。
30分ものというのは、NHK朝ドラだとか、やすらぎの郷とか、その辺のペースであり、しかし全部の回数は短い。仕上がりが中編ものになる連載小説という感じか
感情移入できない一番の原因は現代との風俗の違いか。ここでは父親と息子二人という三人家族が主人公一家、この設定自体が当時でも変わったものでもあろうが、そこで交わされる言葉がどうにもね。弟である健(あおい輝彦)は浪人生で、他の家族の食事の用意などかいがいしく世話をしている。ご飯食べる前に「手を洗いなさい」とかね。
女性観なんかも、女性は家に入り家族の世話をするものという感じがそこかしこにありありで、今じゃとても受け入れられないもの。
現代の流行とは人は無縁ではいられないとおれは考えている。女性観なんかは、おれは現代のそれこそ進んだ考え方にはついていけてないと思うが、それでも古臭すぎるものには大きな違和感があるのだと改めて思う。
また製作者が常識 として描く部分、変な部分として描く部分とがフィクションの中にあると思うが、その前者に違和感があると、見てられない感じになってしまうのだなと思い知る。たぶんこのころの家庭、家族観、ある種の常識が、現代からするとかけ離れた感じなので、製作者が常識 として描いている部分が、全体的に変としか思えない。これは昔の作品だからと割り切って見ているが、これが現代の作品だったとすると、ギャグの場面となってしまうのだろう
おれが常に見ている時代劇だと、その日常の常識というあたりの描き方に、「まあそういうものだろう」と変であっても受けれいられるということになる
竹脇無我が石坂浩二や、勝村政信に見える。
ヒロインの栗原小巻は第1話ではセリフなし、謎めいた女としての出番
沢田雅美、鶴田忍が少しだけ出ていて、前者が栗原小巻の友人(レストランで一緒に食事)、鶴田忍は健の友人といった役どころ。
第2話に入り、女性側の家族というのが明らかになり、この作品の設定、タイトルの意味がうっすらとわかり、これは面白くなりそうとなった。沢田雅美は栗原小巻の妹役であった。そして、この姉妹も三人家族で、家族構成が男の柴田家と同じ、すなわち、母親と姉妹、妹のほうは浪人生
沢田雅美が圧巻。『渥美清の泣いてたまるか』のときと同じような役(同じころの製作だ)。当世風とでもいうか、ちゃっかりした娘。当世風と言ってもいつの時代をとっても、こういうちゃっかりした娘というのがフィクションもので登場するのだが。「おしゃま」だとか「こまっしゃくれた」とか「おてんば」とか色々形容できそう
それに呼応したあおい輝彦もまだまだ若く、世間というものをなにも知らない初心でそれゆえ恐れも知らない感じが面白そうである
第2話では柴田家の母親のいない理由が描かれており、母親は37で10年前に亡くなっている。父親の耕作は第1話で来年に定年(を前に課長に昇進)と言っているから59、年の差12であろう。

*6/11
3-4話
中谷一郎、菅井きん登場、中谷は弥七のイメージが強いが現代劇にもすんなり馴染む風貌。40歳くらいの中年としての登場で敬子を口説く役。菅井きんは家政婦役
そういえば前回に菅勘太郎の名前があったはず、と思い出して見返す。第1話にも3話にも出てないということはあの人だなと思い見返すとやはりその通り、雄一にケチをつける営業社員。
沢田雅美、この回も活躍、今作品でのコメディリリーフの一番手であろう
第1、2話は木下惠介が監督であったが、この回は違う人だ。
4話では東野孝彦が登場
稲葉家の父親のいない理由が明らかになる。
敬子は23歳、舞台は横浜ということがわかる(横浜というのはこれより前の回にもあったのかもしれない)
林家珍平の名があった。公園で敬子と明子に話しかける珍妙な労働者だろう
そしてこの回の最後で、ようやく雄一と敬子が会話をする

5-6話
5話
勤電車での雄一と敬子の出会いの場面。横浜から新橋へ通ってることがわかる。雄一が田村町、敬子が霞が関勤務。
永井智雄登場、敬子の上司
ナレーションに特徴が出てくる。雄一と敬子、二人の思いがナレーションで並列で語られる場面が多い。「敬子は思った」に続いて「~と雄一は思った」となる感じだ
6話
予想外というか予想通りというか、健と明子の出会いとなる。こういう対称的であり似通った家族構成なので、この二人が呼応しているのだから、予想通りとも言えるし、でもなかなかここまで出会うきっかけもなさそうで、そういうわざとらしいことはしないのかなとも思ったり。
雄一と敬子の出会いはなんだか昔風にわざとらしさや、なかなか進まない関係にまだるこっしさを感じたりしたが、こちらはいい。わざとらしいといえばそうだが、明子のキャラを生かした演出が比較的リアリティを保っている。
そしてその後の展開、健と明子の江の島へのデートに敬子がついてくるとなり、敬子が雄一が健の兄だということをどう知るかという、ここら辺もわざとらしいありがちな仕掛けではあるが、王道ともいえる展開に今後突入となっていくであろう

7-8話
7話では健と明子と敬子三人での江の島デート
敬子に夢中な健への明子の嫉妬がありきたりだが面白く仕上がってる
8話ではメインは健の撮ってきた江の島での明子の写真を見る雄一ということになるが、その前段階として昼に家政婦のハルがやってきて、健とのやり取りが延々、時間稼ぎのような冗長さ。
この回での敬子の写真を見てのハルも含めて柴田家では敬子の美貌にやいのやいのと、ルッキズム全開
7話の最初には、二つの家族が男と女で正反対ということに気付いた後にこんな会話
敬子「じゃあ 炊事 お洗濯 どなたがなさるの?」健「僕です」敬子「まあ 大変」健「いえ 割と好きですから」敬子「この子は愚痴ばっかりなのよ」明子「だって 嫌いだもん しょうがないわよ」敬子「すぐ こうなの」明子「大体ね 男がやると大変で 女がやると当たり前ってのが気に入らないわよ」敬子「それが理屈よ。なんていったって男の人がやる方が大変よね」健「いえ フフ…」
当時は、明子の言ってることが当たってるけど、それは言わないということがお約束、でそれを言ってしまう明子の存在が際立つという構図。現代だとこんなやり取りはドラマでは描かれないだろう。明子の言うことが当たってるし、だから敬子のようなことを言う人がドラマには出てこない

9-10話
9話では雄一からの電話で敬子の初デート
10話ではしばらく会っていない二人だったが、明子のおせっかいで、二度目のデートとなる(明子が健にと吹き込む、これを県が雄一に伝える際、明子を「跳ねっ返り」と言っている、上の方に「当世風」とかその他の言葉で言い表したが、こういう娘の表現として「跳ねっ返り」というのもあるな)
そして沢野の元嫁(かと思ったがウィキによると元恋人)が敬子の職場へ襲来。
敬子は雄一からは結婚の意思のないことを知らされ、沢野からもあっさり立ち去られ、物足りなさを感じる。そして沢野の自動車で送るという誘いに乗るというところで終わる
9話で雄一が26歳であることがわかる。
9話は始まり方が変わった。10話は元に戻っている。始まり方はOPの歌と各種クレジットだが、9話はこれまでの総括のようなナレーションから始まる
また、そのOPタイトルでのキャストクレジット順が変更になっている。これまでは割と平凡というか、重要な順に表示’(ゲストというものはない)、キャストが終わったら、ナレーター、監督、制作と表示されていたが、この回からは、各家族の母親と父親である賀原夏子と三島雅夫が、ナレーターが表示された後に表示されている’(賀原、三島の順)。実質この二人がトメということだろう。これまではナレーターは単独表記だったが、この回では、キャストクレジットの最後の二人(トメの二人、賀原、三島は除く)と並記になっている。賀原、三島はこれまでは、竹脇無我(単独表記)、栗原小巻(単独表記)、あおい輝彦、沢田雅美(並記)の後に二名並記されていた(二名とも出ているとき。それぞれが出ない回はまた別の表記だが、順番はさほど変わらない)
また、10話からはOPタイトルの前に「優秀映画鑑賞会推薦」という画面が表示されている。これはなんだろう、4:3の画面だから、当時のものをそのまま放映してるのだと思うが。

11-12話
11話ではクリスマスイブの一コマ。柴田家は各々が別行動、健は稲葉家へ、雄一は先輩の家へ、そして耕作は息子たちが出かけているので一人で天丼の出前で夕食、そこへハルがやってきて、一緒に酒(ビール)、ハルは酔いつぶれる。ここで、ハルは一人っきりの四畳半の家に帰るの嫌、と駄々をこねる。こんなところから、ハルにも色々あることがわかる。ハルにキャラを持たせる効果。
上に書いたように多くの場面で制作側が常識的なやり取りとして描いていることに違和感を感じるという古い作品だからこその欠点があるが、ここは制作側がある種の意図をもって入れ込んだ見る側に変な感じ(違和感)を感じさせようとしている場面かと思う。そういえば、第2話で耕作が今から嫁にもらうなら若い娘だということを雄一に言ってる場面なんかも妙に引っ掛かるが、同種の場面だと思う
12話では、敬子が沢野につきまとわれ、押しの強さに負けそうになる。ひとりでは負けてしまうと思い、雄一に電話をして会ってもらい、相談をし、楽しい時間を過ごす。
この回は9話以来、ナレーションから始まっている。そこで「既に二人は愛し合っていると言ってもいいのかもしれない」とされている。えっ、いつの間に、という気もするが、まあ一目ぼれ相思相愛的な描かれ方だったから、逢瀬を重ねて愛を育むとかいう過程はないのだろう

*6/12
13-14話
森幹太登場、キクの元夫で13年前蒸発、50歳
13話からあおい輝彦、沢田雅美がクレジットで単独表記(前にもあったかも。出演者の数の多い少ないで変えているのかもしれない)

15話
キクが柴田家へ来訪、明子と健が頻繁に会って遊んでいることを心配して。
ハルも来ており、キクへの嫉妬から、耕作とベタベタ。キクは早々に退散。
16話
雄一と敬子の喫茶店でのデートに沢野が割り込む
再度キクが柴田家へ来襲
17話
明子が雄一の会社を訪れ一緒に昼食。この二人の組み合わせは目新しく面白い
江幡高志登場、耕作の以前の同僚で、耕作が会社をずる休みしての競輪場で出会う。耕作にも色々事情があることが仄めかされる
敬子は沢野とダンスへ出かける。
18話
敬子は沢野とドライブデート。明子は勉強でキクが世話を焼くのをうるさがる。キクはここまで子供を育てたのに、せっかくの自分の休みにこんな仕打ちと愚痴る。キクにも色々心労があることがわかる。その晩、稲葉家は三人で焼肉(一方柴田家ではハルも含めて一家ですき焼きという風に対称的に描かれる)。
19話
吉田義夫登場、ハルが家政婦として勤める家の主人
健、明子の受験が始まる。
柴田家では雄一がハルのことをけじめをつけるべきだと言い出し、耕作がそれを言い渡すため、ハルを中華街へ誘う。一方稲葉家は三人んで中華街へ。鉢合わせになる
耕作は55歳とのこと。このころは定年というのは55なのかな
20話
雄一、留学試験合格。行き先はカイロとなる。それを敬子に報告、恋人になれないことを二人が認識。出発まで頻繁に会おうと約束
21話
健が大学合格。滑り止めに受かり、しかし入学手続きを本命発表の前日までにやらなくてはならなくなり、耕作はその13万円を渡すも、健はそれをもったいなく思い、入学手続きをせず。しかし本命も合格。
ハルにも報告。ハルは中華街の一件以来、柴田家には顔を出していない
雄一と敬子は恋人としてでなく友達としてならばという言い訳で気楽に出会える関係になり頻繁に会うようになり、雄一はこれまで見せていなかった明るい面を見せるようになる。
明子が柴田家でお留守番、洋子が健の大学合格を聞きお祝いを言いに来るも、説教。明子の場面に面白い場面が多い
また主人公は雄一と敬子なのだが、健と明子のカップルの描写に惹かれる。初々しい感じ、そしてこちらが主人公ではないからか、多少大雑把な演出で、それに演者が伸び伸びとやってる感じがよい。こちらもそれなりの尺が取られているが。

22話
雄一と敬子がドライブデート、レンタカーを借りて敬子のうちまで迎えに行くも、そこには沢野がいて、敬子を誘っていたというひと悶着。
ドライブは夜遅くまでになり、敬子のうちまで送ると、その車内で二人は抱き合う

*6/13
23話
健がお祝いでステレオを購入してもらってのアレコレ。
江幡高志が再び登場。江幡高志の吉本は18話で耕作に最終力の斡旋をしておりその後は登場がなく、あれで終わりだと中途半端だなと思っていた。いや、単に元同僚が親切心での再就職斡旋ならいいが、何しろいかにも詐欺師面した江幡高志が善良そのものといった耕作へ再就職の斡旋である、
その話し合いをしていた喫茶店で近くの席にいたハルがこれは詐欺かと気を揉み色々動く。
遊園地でデートする雄一と敬子。敬子は二年間待つと言い、雄一はそれを受け入れる。
24話
前話のアレが結婚の約束なのであった。ということで、それを知り、キクが耕作の会社へ話し合いをしに行くと、その日は耕作の定年退職の日。社員食堂で二人で食事をしていると周りの社員が耕作へ別れの挨拶、キクはすっかり気勢を削がれてしまう。
この結婚の約束もそうだし、ハルの耕作への結婚願望もそうだが、それとはっきり言わずに、しかし、それが終わった後のやり取りで、アレがそれだったのかとわかる展開が多い。この頃の人たちはわかったのだろうか。
23話の最後で触れられた兼一からの手紙に揺れる稲葉家
25話
入学式へ健と耕作が出かける。一方明子の学校が学生運動の影響らしく、入学式は延期。
明子が手紙を出したのに応じて兼一が日本へ。明子がこっそり会う。4この場面も良い
ハルが吉本を呼び出し、耕作へ謝罪手の手紙を書かせ、耕作の再就職問題は解決。この場面での耕作、名演技に思えたけど、その後のやり取りを見ると、どうなのか。
まず手紙が留守中の柴田家の玄関に。「留守だったからだろう」とか言ってるが、勝手に入れるのか。
で、その手紙を耕作がそっと読む。そして健とのやり取り。
健「どうしたの、お父さん、イヤなこと」耕作「人生なんてえてしてこういうもんさ」健「どうしたのさ、仕事のこと?」耕作「お前は勉強してればいいんだ」健「急にしょんぼりしちゃったじゃない」
手紙を読んでほとんど表情を変えずに、「人生なんてえてしてこういうもんさ」といういつも通りの鷹揚なお父さんという風に見えたのだが、健が「しょんぼりしちゃった」とそれを感じる応対をしており、ということはそういう演技をしなくてはならない場面なのかなと。
健が冒頭、入学式の準備で父の靴磨きの際、「愛しちゃったのさ 友達の恋人を~♪」と歌っている。検索してみると、西郷輝彦の歌。西郷輝彦とあおい輝彦、とても似ていると前から思っているが、この頃どんな評判だったのだろう。
26話(最終回)
娘たちの説得でキクが兼一を受け入れることを決める。14年(年が改まったからか14年と言っている)ぶりに帰ってきた夫をそう簡単に迎え入れるかねえと疑問ではある
最後は中華料理屋で二家族の顔合わせ、そこには兼一もハルも同席となる。なんとなく、稲葉家復縁、耕作とハルも結ばれるみたいになるのかなと思っていたが、まあそれはやり過ぎ(両家三人ともカップル化)でもあり、どうかなと考えていた。耕作とハルは結ばれず(一緒になることははっきりと耕作が断っておりそれをハルも了承している)ではあるが、この場面で周りからお似合いだと冷やかされている
その中華料理の場面後に、雄一と敬子の歩く場面(敬子がローマ(雄一の赴任地カイロに近い)へ赴任の希望を出したと話している)で終わっていく
雄一の出発の日は4/15とされているが、この回のオリジナル放送は1969年4月15日とのこと

終盤回でのクレジットについて
22話、最終回では、ナレーターの前に賀原夏子と三島雅夫という順にクレジット。キャストクレジットされる人数が少ないため(二家族6人以外に22話では中谷、最終回では森幹太と菅井きんが並記)かもしれない
また25話では、ナレーターの後に、森幹太、賀原夏子、三島雅夫と単独表記

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三島雅夫、賀原夏子どちらもここで初めて名前を聞いたがいい俳優だ。賀原夏子は声は聞いたことあるような気がする。
菅井きん、初登場シーンこそちょっと若く見えはまだギラギラした中年という感じではあったが、その後の場面では、必殺のせん役とそう変わりはない感じ、役柄はかなり異なるけど。
二家族以外でもっとも出番が多い

主人公とその周辺を設定して、あとは色々試練が起きるという朝の連ドラの有りがちパターンというだけの作品という感じだ。
とくに中盤以降ちょっとつまらなく感じ、以降(この枠での次の放送がまた「木下恵介アワ―」で「二人の世界」)見るのを止めるつもりでいたが、その「二人の世界」というのが「1968年に放送された第4弾作品で大人気となった竹脇無我・栗原小巻コンビの『3人家族』が、すれ違う恋人同士を描いたのに対し、その二人が結婚し、夫婦となったらというコンセプトでゴールデンコンビの再登場」とのことで、どうしようかな
また沢田雅美はこの「木下恵介アワ―」によく出ているようで、他の作品ももし放送されたら見たいものだ。この「木下恵介アワ―」の作品は確かTVKで以前「兄弟」というのをやっていたような気がする

二つの相似形、対称的な家族を舞台設定にしているからだろうが、二つの家庭の同じようなことをしている状況を続けるという演出がとても多い。例えば健と明子が外で会い、家に帰る。一方が「ただいま」と帰宅の場面に続けて、もう一方の「ただいま」だとか。明子が敬子と少しチグハグな会話の末、健のお兄さんが好きなのねと指摘する場面の後に、柴田家での同じような状況の場面とか。

音楽:木下忠司
「二人だけ」
作詩・作曲:木下忠司 / 唄:あおい輝彦、瀬間千恵

ミステリー「ビキニライン殺人事件」

06/04(日) 15:00 - BS松竹東急|120分|12倍録
ミステリ―「ビキニライン殺人事件」[字]
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体毛は語る!? 事件記者の新妻がけなげに挑戦!
8年前に失踪したホステスが異様な液状死体で発見された。遺体から発見された長さ15ミリの体毛から被害者は盲腸の手術直後に殺害されたと推理された。該当する毛が15ミリ成長するのに要する日数が分かれば、犯行の日を特定出来た。事件記者(水谷豊)は、愛妻(柏原芳恵)に体毛の成長を調べる実験をして欲しいと頼み込み協力を得て、実験をしてもらう?!

出演
水谷豊 柏原芳恵 矢崎滋 石井めぐみ 室田日出男 石橋蓮司 佐原健二 出光元 谷村昌彦 高樹陽子 及川ヒロオ 安藤一夫 福崎量啓 真木洋子 麻木久仁子 ほか
脚本
長野洋
監督
山口和彦
公開・放送年
1988年
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あまりにバカバカしいそうで録画。バブル期だからか、二時間ドラマというのはこういうものが多いのか。
水谷豊もこんなのやって恥ずかしくないのかね、と意地悪な気持ちで視聴。
一話完結の2時間ドラマ、今もやってるのかどうか、かつてはたくさんやってた。おれはほとんど見たことがない、いや、特別なドラマ作品も大抵2時間もので、そういうのは見たこともあり、このメモブログにも記述してあるだろう、ただ、どこがどう違うとかはうまく言えないが、通常の枠で一話完結の2時間ドラマの枠というのがあったんじゃないかな、でそういうものは量産されていたと聞く。
くだらないものだろうと見る前から思っていたがやっぱりそうだった。これもどういえばいいのか、なかなか難しいのだが、恥ずかしいくらい低レベル。
お笑い芸人がなにかにケチをつけるというのはネタでの王道、例えばサンドウィッチマンにもサスペンスドラマをネタにしたものがあり、そこで大抵終盤に崖のところへ行き…みたいなステレオタイプ的な場面をネタにしていたと思うが、そしてこの作品では崖の場面というのは出てこないのであるが、そこで語られてるようなステレオタイプ的な作品だと思う。
有名どころがたくさん出ている。主要登場人物は石橋蓮司のところまでか。上に書かれてないが、小野武彦も出ている。水谷の上司で編集長
真木洋子とか麻木久仁子はどこに出てたのだろう(見当つけて見直した、バーのママが真木でそこの従業員が麻木っぽい)、殺された女性かな、と思ったが、こちらは検索してすぐわかった。高樹陽子という人はAV女優だそうで、今作で殺される女性は胸もはだけているし、この人だろう。
字幕オンで色付きは水谷と矢崎滋、室田日出男。石井めぐみは矢崎の嫁さん役で、陰毛を「ビキニライン」と呼ぶことを提唱する役
「体毛は語る!? 事件記者の新妻がけなげに挑戦!」、この新妻というのは柏原芳恵、下手だなあ、経験がないからか、それともそういう風にやれと言われてるのか。アイドルなんて下手なほうがいいからね。
映画、その中でも芸術的指向のもったもの、とは対極にある、芸術的要素を一切排除した、お茶の間向けにわかりやすく、そして興味をそそり続けるように進行している。ヌードが出てきたり(胸にボカシが入っていた)、それこそテーマになっている陰毛が云々と出てきたり(水谷が柏原に陰毛を剃ってどれくらいでどの程度伸びるか実験してくれと頼み込む)。一番最後、なぜか水谷と柏原の夫婦が海に行きはしゃいでる姿、柏原の水着姿というだけのためのシーンか(これが後述の監督のクレジットの際に撮影していた場面であろう、水谷と柏原が映っている)。
取り調べをしている声を外で記者がみんなで聞いていて、容疑者の落とされ具合がわかるなんてのはリアリティなさすぎな感じ。
またその取調室でのいちいち大した発言ではなさそうなことに、反応が大げさで、大根役者という感じがありあり、大根演出とでもいうかね。大仰という言葉があいそう。
矢崎滋は鑑識の署員でなまりが強い。亀山という役で、ふと相棒を思い出す。
制作が88年で、同じ時代を舞台にしていて、8年前に起きたと思われる事件の捜査。ということで1980年、昭和55年。当時のフィルムが流れる、大平首相の急死というところで、塩川正十郎が映っている。
始まりのところはテーマとなる事件である殺人の様子、「ダンシング・オールナイト」を映しているテレビから始まり、その後BGMが「恋人よ」になる。どちらも80年の作品。
序盤にあるクレジットでは、「原作 大谷昭宏」と出るところで彼自身がセットの中で喋ってる様子、そのままカメラが横に行くと、脚本(長野洋)、音楽(大内義昭)が名前と共に大谷の話し相手になっている様子(うなずいている)で映っている。そして、撮影の様子になって、監督も名前とともに姿が映し出される。サービスショットなのかねえ、劇中に出てくるのかと思ったがそれはなかった。


ここで水谷は事件記者の役。あっと思った。これを見る直前に、「事件記者チャボ!」の録画を削除したのだった。「事件記者チャボ」はテレ玉で毎週火曜日にやっているのだが、同時間帯で水戸黄門を録画し始めたため、重複で外さなくてはならなくなったのだ(うちは二本まで録画できる、「江戸の用心棒」を録画継続として残した)
まあ正直なことを言えば、録画を始めたものの、あまり見る気にならないという気持ちだったということもある。83年の作品だそうで、おれは池中玄太だとか熱中時代の「日本テレビ系列で毎週土曜夜9時(土曜グランド劇場枠)」というのは好きで、ずっと見ていたのだが、自分の年齢も上がってきたからか、この作品あたりで明確につまらないということを感じたものだ
気になって、土曜グランド劇場の作品リストを見てみた、「天まであがれ!」、「あんちゃん」あたりをつまらないと感じた最初の作品群で、これが82年の作品、「事件記者チャボ!」は翌年の作品となっていて、「あんちゃん」のあとの作品、「明石貫平35才」、「天まであがれ!2」は見たのかどうか、となると、「事件記者チャボ!」も見てないのかもしれない
ふと石立鉄男が気になる。この人の作品もたくさん見たような気がするし、好きな作品もあったような気がする、テレビドラマの中で演技している姿も思い浮かべられる。だけど、出演リストを見てみるとまともに見たのは「天まであがれ!」だけだったかもしれない。となると、それはつまらない作品と自分では思っているわけで・・・。おれが思い浮かべてるテレビドラマの中で演技している姿というのも、この「天まであがれ!」だったのかなあ