SSブログ

第52回NHK講談大会

06/25(日) 14:45 - NHKEテレ1東京|100分|DR
第52回NHK講談大会[字]
--
神田松鯉・伯山師弟競演!▽大岡越前・徳川家康など時代を彩る人物たちが、語りの中に甦る▽神田陽子、一龍齋貞橘、神田春陽が熱演▽東京・霞が関イイノホールで中継録画
番組詳細
神田松鯉・伯山師弟競演!▽大岡越前・徳川家康など時代を彩る人物たちが、語りの中に甦る▽神田伯山は大岡越前の名裁き「三方一両損」、神田松鯉は水戸黄門の兄出生秘話「出世の高松」、神田陽子は芝居にかける男たち「名人小団次」、 一龍齋貞橘は家康家臣たちの活躍「酒井の太鼓」、神田春陽は忠臣蔵の敵役・吉良家家臣が見せる武士道「花見の付け人」。新真打一龍齋貞弥も登場▽東京・霞が関イイノホールで中継録画
【出演】神田松鯉,神田陽子,一龍斎貞橘,神田春陽,六代目 神田伯山,一龍斎貞弥,神田梅之丞,田辺一記,【司会】水谷彰宏
--
とりあえず伯山だけ視聴。一龍斎貞弥が新真打紹介のコーナーに出るようで楽しみ。「マイファミリー」で機械音声の声をやってた人で、それも披露するようだ

伯山の三方一両損
講談ってなに? 落語との違いは? と言いたくなるような落語ネタ。講談ではこうやるのかという発見というよりも、落語家が落語をやってるのとあまり変わりないように見えた。
おれがこれまで見た内容と違っていたのは、財布を届けられた側の吉五郎の嫁が登場すること、そして吉五郎側の大家は登場してきて、仲裁をせず、吉五郎の見方をし、一緒になって金太郎を追い返す、といったあたりか。
季節の設定がされていて、暮れである。奉行が吉五郎の言い分を聞いて「春だなあ」と呆れた様子で言うのだが季節が合ってないように思う(これは金太郎の言い分を聞いた後に再度かぶせてくる)のだけど、暮れの事件で白洲が開かれたのは新春という風に考えることもできる。現に終盤で「初春」という言葉も出てくる(三方一両損の裁きに、「初春が舞い込んできたみたいなもんだ」と受け入れる二人)。が、とぼけた奴を見て「春」というのは新春ではなく暖かくなってきた陽気に引っ掛けていると思うのでやっぱちょっと違うか。
一つだけ大いに感心した部分がある。
筒井康隆の作品の中で、登場人物が三方一両損を改変して三方一両得にしたほうがいいと言う箇所がある。手元にある三両を双方に一両ずつ、そして奉行も一両取る、これで三方一両得。これなら奉行が一両取るのは報酬という風に説明もつくという説明。
おれは筒井を読んでいたのだのは落語を聞くよりずうっと前だ。落語の前にロックに夢中になっており、筒井を読んでいたのはそれ以前、というかそれと同時期くらいか中学生から大学のころまでだ。
で、伯山。「江戸っ子というのは得をするというのは嫌であろうが、損をするのは構わぬであろう、と三方一両損を受け入れさせている。伯山がこの三方一両得を意識したとは思えないが、この部分はおれにとっては面白かった。
なにせこの話、落語のほうでは(講談のほうもそうかもしれない)「江戸っ子」の大いに奇妙な粋がりがテーマで、そのテーマにあった裁きといえそうだ
財布を拾うところで入っていた3両を今の30万円くらいと説明している。これにすごい感心したというわけではないが、みんなこの説明にすればいいのにとは思う。一両を現在の価値に直すとしても時代によってかなり上下変動があり、なかなか固定化できないものの、おおよそ10万円前後、というか10万円強くらいとする人が多い。
でも変動が多いなら10万円でも間違いはなく、そして10万円なら非常にけいさんしやすくイメージしやすい。そしてこれで計算すると落語なんかで出てくる金額が結構納得いくのだ
1両=4分=10万円
1分=4朱=1000文=2万5000円
1文=25円
有名どころで蕎麦16文=400円



※追記
6/28までに残り全部視聴
春陽「花見の付け人」
貞橘「酒井の太鼓」
新真打紹介
陽子「名人小団次」
松鯉「出世の高松」
講談となるとわりと身構えてしまうが聞いてみれば全演目とも聞き易かった。始まる前にナレーションで1分弱の演題紹介があり、それがずいぶんと助けになった
春陽「花見の付け人」(吉良誠忠録より)
春陽は確か伯山と絡みがあったはずと検索してみると、「天保水滸伝2020リレー」という企画を神田伯山ティービィーでやってるね
聞きやすいのだけどわりと内容のない話。始まる前の演題紹介、その中身どおりでそれ以上のものはないというか。
忠臣蔵の吉良家側の話で、千坂兵部が侍同士の喧嘩の仲裁、二人が吉良の付け人となり討ち入りの際、最後まで吉良を守ったという話
結構若い。令和26年に真打昇進笑(↓の画像参照)
貞橘「酒井の太鼓」
三方ヶ原軍記から。
三方ヶ原軍記というのは談志が弟子にやれるように命令してたとか聞いたことがあり、落語の中で講談調をパロディでやったりするときも大抵これであり、そんなことで講談の中ではで超有名だが、その中からのものとのことで、おれはこれを聞くのは初めてに近い。談志のCDに若かりし頃のものが入っていたけど、あまりちゃんとは聞いてない。
あの講談調で語られる場面も聞け満足。
途中で音声がカットされた箇所があった。何かしら障碍者差別とされる言葉だったのだろう、「おし」「つんぼ」「びっこ」のような(↓の画像参照)
一龍斎貞弥は「お風呂が沸きました」を披露していた。講談は「山内一豊の妻」をとても短くやっていた
陽子「名人小団次」
名優の出世物語で、忠臣蔵五段目が取り上げられている。もう五段目の内容くらい頭に入っていてもよさそうなのだが、今回やられた中でもその舞台のやり取りがでてきても、いまだにどんな話だっけとなってしまう
主人公中村米十郎(のちの名人市川小団次)の師匠が嵐璃珏という上方の名優。
小団次がしくじり、勘当されるという場面で仲裁というか、小団次に声を掛けてやるのが嵐りかん。音声で聞いていればわかるのだけど、字幕オンの字幕を追って聞いており、その字幕が間違って嵐璃珏と出しているものだから混乱してしまった(↓の画像参照)
さらに最終場面、璃珏が江戸へ呼ばれ掛ける出し物が「小幡小平次」、そして再会するのが小団次、ここも混乱してしまった。
勘当されて、18年後(張り扇を叩くと講談ではすぐに10年や20年とやっており、次の松鯉も似たようなこと言ってる)、米十郎が小団次で名優となっているというストーリーでその間での小団次の苦労が一切語られないので、なんだかキツネにつままれた感じ
松鯉のものは、聞いたことのある出し物
最後の挨拶で松鯉がこのNHK講談大会に最初に出たのが第5回だったと話している。いやあ、長い経歴である
出演者の中にある神田梅之丞、実際の公演に出ていたということかな。番組の中には出ていない

画面キャプチャ
kosyu.jpg


kote.jpg
音声がカット。「いちにんの・・・」

koyo.jpg
嵐りかん