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遠山の金さん (高橋英樹)☆ [時代劇]

オリジナル1982年
今回放映
04/04(木) 13:30 - BS松竹東急|60分|15倍録
[新]遠山の金さん #1「新奉行登場!!顔のない人気作家!」[字]
04/15(月) 08:30 - BS松竹東急|60分|10倍録
遠山の金さん #2「大追跡!消えた大砲」[字][再]

松方版を見終えるタイミングでBS松竹でこれが始まったので、早速視聴
毎週放送かと勘違いし、第2話を録画できず。しかし再放送枠もあるはずと待ってみた。やっぱりあった、というわけで上のような放送時間となっている
第3話以降は通常放送である13.30のものを着々と録画している

ウィキによると全156話、第2シリーズもあり、そちらは全42話と大ボリューム
なのでこれは逐次視聴していき、見たら削除していくという風にしないとHDの容量が足りなくなってしまう
第1話を視聴した
第1話で新たに奉行就任して、各登場人物と新たに協力関係を築いていくという風にはなっておらず(サブタイトルは「新奉行登場」となっているが)、すでに登場人物と関係性はあるという作りであり、猫目伝蔵:(秋野太作)と捨六(小島三児)、この二人が金さんと反目するレギュラーで南町同心、が今回の事件の現場で金さんを見ると「またおめえか」と言っている
松方版よりも杉版に近い感じがする。これは杉版の次に作られた作品で制作年代が近いからでもあろう。画像の質なんかもそうだし、レギュラー陣の相関図なんかもそうだ
レギュラー陣では樹木希林が目につく。女やくざ親分。彼女以外はこれまで見てきた金さんの登場人物と被るキャラ(金さん=遠山を知ってる協力者、そのことを知らないで金さんを邪険にする同心など)だが、彼女はこれからどういう役目をするのかわからないが、これまでにあまりなかったような役。杉版の芸者が近い感じかもしれない
居酒屋「川常」の主人の常平(金田龍之介)は杉版で小金治がやっていた役どころ。金田は悪役が多い人だが百戦錬磨、ここでは金さんたちが貯まり場にしている店で人情味あふれる親父の役。遊び人金さんを叱ったりもするのだろう。娘のお光(萩原佐代子)も店で働いている
その店の常連で駕籠かきの虎さん(古代一平)、熊さん(北野清治)もレギュラー
宮尾すすむの早田 (さった) 彦十郎が北町与力で遠山=金さんを知っているうちの一人
それを知るもう一人が密偵で女。お竜(美雪花代)
そしてすでに紹介した猫目伝蔵:(秋野太作)と捨六(小島三児)というのがレギュラー陣となる
OPではレギュラー陣のクレジット。まず青い空に桜の花にタイトル、これは松方版でもそうだったし、金さん映像作品ではこうしたくなるのだろう、そして遠山が白洲へ入ってくる映像。この後から各人表記になり、その際はその人の映像になるが、それ以外は金さんの殺陣、そしてここに福本清三がやられ役として登場するのだが、なんと2回もやられている
EDでは非常に珍しく、おれはこれまでにそういうのを見た記憶はないが、まずスタッフクレジットでその後にキャストクレジット(OPで出たレギュラー陣はここではクレジットされない)という順

第1話 1982年4月8日 新奉行登場!!顔のない人気作家! 掛札昌裕 田中徳三
なべおさみ(金竜散人)、松橋登(木々亭鈴国)、賀田裕子(志津)、高田敏江(さと)、黒田福美(メ蝶)、沖田駿一、浜田雄史、芝本正、森源太郎、諏訪裕子、尾崎俊子、波多野博
人気戯作者木々亭鈴国の作品は兄弟子金竜散人の代筆によるもの、師匠一家との関係も絡んだ構図のストーリー
松方版を大分見飽きていたので、雰囲気が変わりグンと見やすくなった
白洲に罪人として縛られ引き出されるのが善玉の金竜散人というこれまでの金さんであまり見たという記憶のない演出となっている。もちろん遠山が事実を縷々述べて、悪人が罰せられるのだが
またこの回だけだと思うが、あまり遠山桜披露が証拠となっていないような感じであり、遠山桜披露した後に、他の証拠を出して吟味が続く
遠山の一件落着の後にエピローグあり
樹木希林のお千が木々亭鈴国という名前を聞いて「ききてい・・・、名前がいいなあ」と言っている

*
(「*」は追記の印、この後に日付を書くが省略されてる場合は「同日」)
第2話 1982年4月15日 大追跡! 消えた大砲 小川英、四十物光男 山下耕作
伊吹吾郎(須藤一郎太)、服部妙子(お雪)、御木本伸介(中条定信)、久富惟晴、出水憲司、五十嵐義弘、藤沢徹夫、小峰隆司、和田昌也、泉好太郎、春藤真澄、桂登志子
幕府転覆をはかる天誅党。そこで大砲作りをしている一郎太はかつて幕府の金座で金を盗み断絶となった須藤の甥であった。民衆から向けられる根拠のない噂に苦しめられていた
天誅党は御蔵奉行中条が党首、塾を開いている大村が実働部隊の頭、この二人は幕府転覆など考えておらず、ただ賂のための金を得るためにやっていたのだった
白洲ではこの回も善玉(といっても悪事に加担しているが)一郎太が首謀者として座らされている
さっそく常平が金さんをごく潰しと叱り、さらにそんなやつを野放しにしている奉行にまで文句を言っており、金さん=遠山にまったく気づいていないということがわかる演出
さらには捨てられた赤ん坊(一郎太お雪夫妻の子)を抱いてあやしての刃傷芝居をやっている
猫目が金さんを金次郎と呼んでいる。そう名乗ってるらしい

*
3ー4話
第3話 1982年4月22日 御意見無用! 五人の女スリ 掛札昌裕
三浦真弓(おなつ)、叶和貴子(おふく)、小林昭二(梅雪)、佐瀬陽一(巳之吉)、高橋ゆかり(おさよ)、田中綾(おふじ)、梅田まゆみ(おえん)、野口貴史、福本清三、中島茂樹、有島淳平、泉好太郎、東孝、武井三二、遠山金次郎
5人組の若い女の掏摸集団という派手な見栄えの視聴者が喜びそうな演出
白洲の場面の早い展開が良い
盗賊による押し込みの現場が抑えられていて、今更白洲での吟味に何の意味があるのかと疑問
そして、盗賊の頭が縛られておらず証人として呼ばれているという疑問
この二つの疑問と共に白洲開廷
俳句の宗匠梅雪の裏の顔が盗賊の首領
で、押し込み先の商家に出入りをして内情を探るという段取りだったのだが、盗賊に脅されて案内役を仕方なくやった という 言い訳、これで縛られていないという疑問が多少わかる
そしてその言い訳に遠山桜披露となり、あっという間に白洲が終わる。白洲が行われることへの疑問も手早く終わらせることでさほど退屈でなくなる
福本は役名なしクジレットであるが作中ではちゃんと役名あり。盗賊の一人。盗賊は首領含めて四人と少な目のため、その全員に役割もありセリフもある。

第4話 1982年4月29日 奇々怪々! 二度死んだ女 本田英郎 松尾昭典
永島暎子(おのぶ)、菅貫太郎(陣場多左衛門)、江幡高志(虎吉)、伊達三郎(遠州屋)、近藤宏(玄庵)、五味龍太郎(筧十郎太)、峰蘭太郎(北村進介)、木下通博、江原政一、前川恵美子
石川島寄場から特殊な薬で死んだようにして女を運び出し、その後それを治す薬で復活させ、女郎として売るという悪事。寄場役人陣場、筧、その配下の虎吉、女の売り買いは遠州屋、そしてその薬を飲ます役割は医師の玄庵、とこの五人が悪役で、玄庵だけは途中で殺される
密偵お竜活躍。途中で虎吉を殺してしまったかのような場面まである。白洲に出てきており、なんだ生きてたのか、と思った。その殺したかのような場面、必殺の秀の簪での殺しのように手際がよく、慣れていることが伺える。お竜は表の顔は鍼医者で、金さんが町で立ち寄る場所は「川常」とこのお竜のところ。早田との捜査会議はもっぱらお竜のところとなる。ウィキに「鍼を打って人を眠らせられるほどツボに精通」とあり、虎吉もそうされたのだろう
そうそう、音楽が平尾昌晃、そうわかったからだと思うが、BGMに必殺ぽさを感じる
また、金さんがその売られた女おのぶに話を聞くためにおのぶが売られた女郎屋に上がっていると、お竜が部屋に入ってきて存在をアピール。「浮気したら承知しないから」と言っている
3話のところにもそれらしいことを書いたが、今作を松方版と比べるとお約束が緩いということがいえそうだ。例えばこの回でいえば、松方版は遠山桜披露を効果的にするために、善玉悪役全員勢揃いさせておいて殺陣になるが、この回では善玉側おのぶは桜吹雪披露の場にいない。そういう約束に縛られていないから、多少自由に作れることになり、不自然さが少ないといえそう
またこの回以外にもあったと思うが、常平が金さんに遠山は名奉行と言われているがまだまだあ、あれは高いところから見下ろしてるだけだと言い、その後の場面でそれを裏付けるかのようにおのぶが庶民の暮らしのひどさを金さんに語り、金さんがそれに感じ入るという、ちょっと他の作品にはないような演出がある
福本清三、ノンクレジットで殺陣にいるようだ。しかも一回倒されたのに、再度登場しているように見える。まあ金さんは相手を殺陣で殺さないから復活しても問題ないのだけど

*0417
第5話 1982年5月6日 江戸の華! 一番纏で一件落着 山田隆之 田中徳三
伊吹剛、山本ゆか里、根上淳、高峰圭二
江戸でつけ火が横行
疑われたのは材木問屋上総屋(根上淳)の手代梅吉(伊吹剛)。手代はそこの娘お妙(山本ゆか里)と恋仲であった。捨て子だった梅吉を拾って育て上げた上総屋に大恩がある。そしてその実親の形見である金ピカの小判型の守り札をいつも首から下げていた。
つけ火の犯人もそれをしており、梅吉が疑われるも、それは梅吉に罪をなすりつけるためであった
犯人は上総屋であった

*0418
第6話 1982年5月13日 三年かかって帰った男! 小川英 石川孝人 山下耕作
川地民夫、湖条千秋、宮井えりな
南町奉行鳥居の名前が出てくる。鳥居によって出された裁きが誤審であったという内容
川地民夫演じる弥助がその誤った裁きを受け、島送りになり三年ぶりに戻ってきたというところから始まる
金さんらが弥助やその女房子と知り合い、弥助が家族の元に戻らない理由などを聞き真相を探りに動き始まる
その捜査自体は始まってはいる段階であるが、常平が弥助を店に雇ったということから、常平が(金さんがそう動いていることとは無関係に)弥助に事情を聞く。秘密は守る人間と信用して話してくれと言っている。で話を聞き、金さんにその事情については秘密のまま、真相を知るはずの証人探しの仕事を依頼するという展開でこれは珍しいパターン。またこうやることによって、金さんがそれを探って常平にそのことをあえて知らせ、それが常平から弥助に伝わり、弥助がその証人に会いにやってくる、ということを金さんのほうでも予想して先回り、という風に自然な展開に繋げておりうまく出来ている
お千親分には配下がふたりしかいないという設定であり、そのことは自身で嘆いたり、周りからはからかわれたりとこの回以前からしているが、その配下が出てくる初めての回
冒頭ではお千だってやくざなのに、往来での屋台商売をやっていて他のヤクザに因縁つけられている。そこに配下らしきが二人。その後セリフもある形で一人がお千と話しているという場面もある
弥助を気に入り常平とお千で取り合いになるというような展開である
福本清三ノンクレジット殺陣。倒されても立ち上がりということなのだろうけど四回倒されてるように見える
お竜: 美雪花代。この美雪花代については初めて名前を聞いたのだが、おれは幼いころこういう顔の女優をよく見た印象だなと思って見ている。、で、気になって色々考えていたのだが、そういや、中原何某という女優がこんな顔だったとなんとなく思い出し、思い出し・・・。
で、ようやく思い出したのが中原ひとみ。歯磨きだかの宣伝で家族一緒みたいなものをよく見た印象
なぜか押阪忍なんて名前も思い出す。なんでこの名前が浮かんだんだろうと思ったが、多分その家族一緒のCMで夫がこの押阪という風に勘違い。押坂と中原ひとみの夫の江原真二郎の顔が多少似てるといえなくもないかな。ここらは子供のころの記憶である
この顔は宝塚顔とでも言えるのかな、調べてみるとやっぱり美雪花代は宝塚出身である。多分他にも宝塚出身で似たような顔(おれが見た印象だが)の人は他にもいたと思う
その中原何某を思い出す過程で頭に浮かんだ名前が中原早苗。 偶然にびっくり、この人はこの回のメインゲスト川地とかつて夫婦だった

*0419
第7話 1982年5月20日 治した患者を殺す医者! 鴨井達比古 松尾昭典
南原宏治、荒木由美子、林健樹、川合伸旺
備中屋が亡くなる。薬の処方を受けていた。その医者の役が南原宏治、備中屋の番頭が川合伸旺、とここまで悪役。
備中屋の娘が荒木由美子でその死は薬によるものと考えている
福本清三ノンクレジット殺陣
金さんが自ら金次郎と名乗っている
殺陣に入る前の段階で金さんがお竜に段取りを頼むと言っている。段取りか。自分か桜吹雪披露する舞台を作っておいてくれってことだろう(皮肉)

*0421
今日8話を見終えた後に、次回予告がついていることに気付き、最初の回から次回予告だけを賭して見る。次回予告だけ見てもなにも思うことはないのだが、第2話ですでに「鍼を打って人を眠らせられるほどツボに精通」を早田に対して見せていたのに気付く。おれは第4話でこの技はなんだろうと思ってウィキを見てこの技について知ったのだった
第8話 1982年5月27日 黒髪秘話! 蛇の目傘の女 本田英郎 田中徳三
新藤恵美、武藤英司、内田喜郎
娘の髷を剃刀で切り落とす事件が相次ぐ。しかもその各事件のあと、早々に瓦版が出て、大いに売れる
その瓦版には版元の記載がなく、無許可のもの。そしてお千の指摘では、大坂でも同じようなことがちょっと前に起きており、その際にも版元記載がない瓦版
今回の悪事はその瓦版で大儲けをしていたというもので、そのためだけに娘の髷を切るなんてリスクのあることやるかねえ、という感じ
芸者(新藤恵美)の弟が髷切りの犯人、博打で借金、それをネタに脅されて、という具合
早田の宮尾すすむ。金さんにクイズ番組のように問いかける場面があった。確かこの人はクイズ番組で人気だったはずと思い、ウィキへ。『象印クイズ ヒントでピント』かあ。なんか司会者なかったかな
ウィキではタレントとされていて、そうか、俳優メインの人ではなかったか。道理で、とは言わないが、あまり俳優としては魅力的ではない。
対して猫目伝蔵:秋野太作と捨六:小島三児のコンビは、金さんという各作品の中では平凡というか平均的な活躍だが、両者とも好きな俳優であり、個人的に良いなあと思う

*0422
第9話 1982年6月3日 大江戸最大の誘拐事件! 鴨井達比古
鈴鹿景子(お清)、小林稔侍(仁吉)、織本順吉(遠州屋伍平)、宮口二郎(淀屋久兵衛)、新橋伸介、高並功、川井大輔、前田尚輝、丸平峯子、富永佳代子、壬生新太郎、藤沢徹夫、森源太郎、木下通博、藤山良、西山清孝
悪事自体は単純な子供の誘拐、身代金稼ぎ
米問屋遠州屋が犯人。
誘拐のやり方が珍しいかも。わざわざ寝ているところへ押し入って誘拐している。それも静かに見つからないようにやるわけでなく、そばで寝ている大人が起きるのも構わず、である。押し入ったなら蔵破りとか、強盗とかしそうなものなのに。
遠州屋は自分のうちでも誘拐が起き身代金を払ったように見せかけていた
その後は同じ商売の米問屋の家ばかりの子供を狙う。こんな事件があったため金に困ってという理由で米の値上げを企んでいるようだ
田舎から江戸で一旗上げようと八年前に出て行った亭主仁平を探しにやってきたのがお清。八歳の息子幸太は、その父親が出て行った後に、お腹の中にいることに気付いたので、父息子は対面していない
その亭主が遠州屋の番頭仁吉。遠州屋の手先となって心ならずも悪事に手を染めている様子であったが、白洲での説明によれば悪事を知っていて黙っていた罪とされていて、誘拐事件には関わってはいないようでだ。元は人足だったが、火事の際主人を火の中から助けそれ以来の出世。仕事の才覚もあったようだ
お清は幸太を連れて米問屋淀屋で住み込みで働くことになった。淀屋にも八歳の男の子がおり、なぜかその部屋をお清にあてがわれたが、そこで幸太は案の定誘拐されてしまう
小林稔侍が若い
淀屋、悪人顔だが悪事はしない。まあ危険を察知し幸太が身代わりで誘拐されるよう部屋を替えているが
なおキャストクレジットについては基本的にウィキコピペ。役名があったりなかったり、キャストが少ししか掲載されていなかったりというのはウィキどおり
ここ数回はそうなっていてが、この回からは役名ありになってる

第10話 1982年6月10日 高砂や! 泣いて笑った花嫁御寮 本田英郎 山下耕作
千野弘美(おしん)、村嶋修(井本俊介)、水原麻記(おくま)、里見和香(おすぎ)、曽根晴美、永田光男、吉野真一、河野富子、冨士原睦、高野洋子、かまくら文太、小船秋夫、美柳陽子、中嶋俊一、細川純一、平尾昌晃(新昌順)
医者と夜鷹の恋
悪事はその夜鷹を仕切るやくざによる夜鷹の殺し
平尾昌晃はトメの位置。今シリーズでトメの位置に来るのは初
顔を見てたぶんそうだとは思ったが、さらにセリフがちょっと下手。またメインゲストの先輩医師という役どころでこういうのはたいてい悪役になりそうなものだが、ここでは非常に物分かりがよく、悪い部分など一切ないという感じの人物で、いかにも特別出演という感じに仕上がっている
第6話で南町奉行が鳥居とされていたが、この回で南町奉行が矢部駿河(守)と違う名前になっている

*0424
第11話 1982年6月17日 鉄火肌! 美しき尼僧 石川孝人 松尾昭典
鮎川いずみ(春抄尼)、石橋雅史(辰造)、市川好朗(弥吉)、波多野博、加瀬悦孝、岩崎礼子、矢部義章、平河正雄、池田謙治、島田秀雄、小峰隆司、白井磁郎、小船秋夫、高谷舜二、田中勝比呂、田中政美
鮎川いずみのワンマンショー的な演出をされており、ずいぶん大物になったなという感じ
商売人での尼役に近い感じか。インチキ尼の役で、ゆすりたかりをそこらじゅうでやっている。「川常」でそれをやったことが金さんとの出会い
しかし過去に自分に起きた身の上からみなしごを放っておかれないと集めて育ててやっており、その金集めだった
その春抄が次に狙ったのが、いま金さんらが追っている押し込み盗賊の兄弟の家と知り、金さんは春抄の用心棒となるのだった
平尾昌晃が音楽担当と知ったということもあるが、これまでの回にも時折音楽に必殺風味が感じられていた。この回でもそれが感じられるところがある

*0425
第12話 1982年6月24日 この男、鬼と呼ばれて七百十日 小川英、四十物光男 山下耕作
寺田農(定吉)、宮内洋(長次)、山岡徹也(重蔵)、倉石旺(伊兵衛)、林彰太郎(文三)、川上恭尚、久仁亮子、鈴木康弘、広瀬義宣、岡嶋艶子、尾池美紀、小坂和之、大月正太郎
なかなか見ごたえあり
まあ見終えてみれば、悪役に思われた男が実は善玉という、これも時代劇のよくあるパターンではあるが。
その悪役に思われた善玉を演じるのが寺田。ワルの岡っ引き、これも時代劇の常道だが、のようの登場するも、どこか善玉ターンしそうな目の輝きにおれは気づいた、嘘である、次回予告に「鬼と恐れられる定吉に過去を背負った男の影を見た」とあり、こういう内容であることが示唆されていたのだ
定吉が以前に捕えたものの白洲で無罪となったのが長次。その長次の一家を追い回す定吉という構図で始まる
で、定吉が善玉だとしたら、濡れ衣を着せられたとされる長次が悪? でもどう見ても善玉風一家、とその後の展開に興味が湧くようにできている
その以前の事件というのは薬種問屋宗泉堂の主人殺し。
宗泉堂の息子伊兵衛が博打の借金を背負い、その賭場を仕切るやくざ重蔵にそそのかされ、父親殺しに加担させられたというのが事件の真相
定吉は長次一家を真犯人から守るためつきまとっていたのだったという内容
中盤まではゆすりたかり、町民いじめをやる典型的ワルの岡っ引きとして登場した定吉が、だんだん、実はゆすりたかりもやっておらず、町民を苦しめてもおらず、あれっもしかして悪役ではないのではないかというところをじっくり描く構成
まあ全部がいいというわけでもなく、冒頭の獲物を狙うような目の定吉は、視聴者をだますためのものであろうが、一家を守るためならそんな顔をすることもない(ちなみにEDでは一家をやさしい目で見守る定吉)
また終盤では悪役がじたばたをして、真犯人の文三、重蔵の子分、を殺して、これをまたもや長次になすりつけようとした際、定吉が自分がやったと自首。これはなにもこんなことしなくても解決の方法はありそうである
早田と猫目が初対面のような挨拶。これまで会ってなかったっけ
今回で扱われる以前の事件というのは遠山が奉行になる前の件とのこと、ただ何年前の事件かはわからない
福本清三、ノンクレジット殺陣
この回だけではないが、白洲の場面が短い。短すぎるきらいもあるくらいで、その淡白な感じが見やすい。この回もえっもうそこで遠山桜披露になるの、というくらいの短さだ

*0426
第13話 1982年7月1日 危うし! 遠山金四郎お命頂戴! 小川英 古内一成 松尾昭典
星正人(矢吹進之助)、北上弥太郎(矢崎兵馬)、中山昭二(菊造)、北原義郎(望月弾正)、青山良彦(江上左内)、佐藤万理(おみの)、多賀勝、中村錦司、川浪公次郎、峰蘭太郎、稲田龍雄、武井三二、大矢敬典
矢崎兵馬が遠山との道場仲間、腕は遠山のほうが上、師範代を争っていたが、遠山に打ち据えられて、姿を消していた
その兵馬は息子進之助(偽名で矢吹を名乗る)を遠山への恨み事を教え込みながら育て、進之助は遠山を父の敵と信じていた、というのが前提で、その遠山への恨みを利用して遠山暗殺を企てるのが、望月弾正、江上左内、菊造の三人。望月弾正は前来た町奉行で遠山の前任者、返り咲きを狙っている。江上は北町同心。菊蔵はやくざ、高清水一家の親分、町の衆に評判のいい親分だが裏では闇の元締、江戸で行われる盗賊の仕事の半分を上がりとして納めさせている。その見返りは江上らとのつながりで奉行所の動きを制御
進之助が遠山の暗殺に成功(遠山が芝居をし、成功したと思わせた)し、父兵馬に報告した際に、兵馬はなんてことをしたんだ、遠山は立派な男だ、おれは嘘を吐いていたなどと言い出すが、父子でその遠山への思いを修正する時間はいくらでもあったかと思う。誤解で暗殺までいくってのはどうもなあ、と思う。まあ、近頃は同じ長屋のおみのに父親の世話は任せて、という状態であまり会ってはいなかったということのようだが
白洲の場面では開廷ではまず早田がいつもは遠山が座ってる席に着座、これは遠山が暗殺されたからという一芝居。弾正に問い詰められるとすぐに「遠山左衛門尉様、ご出座」と声がかかり、実は生きていた遠山が登場するという流れ
佐藤万理はよく時代劇においてメインゲストでよく見たがここでは端役ではなく、役柄も重要なものではあるが、出番は非常に少ない。彼女としては意外なほどだ。クレジット準も下位

岡っ引どぶ 主演田中邦衛 1991年 テレビシリーズ版 [時代劇]

オリジナルは1991
03/25(月) 09:00 - BSフジ・181|60分|15倍録
[新][字]<時代劇>岡っ引どぶ 第2話 ※第2話からの開始(182ch韓国ドラマ)
04/01(月) 08:55 - BSフジ・181|65分|DR
[字]<時代劇>岡っ引どぶ 第7話「仕込み十手殺人事件」(182ch韓国ドラマ)
全7話だが今回は第2話からの放映。ウィキを見てもそれについて書いてないが、第1話がスペシャル版だったのかと思う

柴田錬三郎の原作で以前に柴田錬三郎についての番組『「眠狂四郎」を生んだ男 柴田錬三郎』を見た際に山崎努版の映像が紹介されていたと覚えている

その第2話を視聴

ううむ。田中邦衛のすさまじく特徴的な演技とそれに引っ張られるかのような作風が印象に残るが、その分ストーリーは大雑把というかちょっとわかりづらいというか
まあ見ていくうちに色々思うこともあるだろう、今回の感想はこれまでとしておく

*0402
この日に全部視聴できるかなと思っていた、時間もあったし、が、あまり見る気になれず、ユーチューブ見たり、夕方寝ちゃったり。
第3話視聴
小島三児が商家の旦那、悪役の親玉。商家の旦那というのは似合わない感じがするのだが、いやいやどうして、とても雰囲気が出ていた

*0403
4ー5
4話では中村錦司が少しだけ。伴勇太郎はいつもの禿姿で悪役
5話では悪役として笹野高史、小野武彦。前者は京都の同心、どぶと協力して事件解決していこうとする人物として登場するも実は悪役。後者は出番は少しだけど、悪役のボス格
芝本正が少しだけ。連続で殺しの起こる話で、殺されてしまう人物の一人
この回ではまるたけえびすにおしおいけ(丸・竹・夷・二・押・御池)、あねさんろっかくたこにしき(姉・三・六角・蛸・錦)」というわらべ歌が出てくる。後期必殺仕事人でも使われたことがあるはず
京都が舞台、なぜどぶが京都に派遣されるのかということは考えないほうがよいだろう。主要レギュラーは意地でも出したいということなのか、最後の最後に地井武男も登場してるし、ほかのレギュラー陣も京都になぜかやってくるとかで登場している
ストーリー、今シリーズ全般にいえるが、わかりやすくはない。難しいわけではないが、もうちょっとわかりやすく丁寧に描いたほうがよさそうなところが省略されてるように見える。もうっちょっと長尺にしたほうがいいというか。ただその一方で、そうやったところで、全体の出来がよくなるかどうかはわからない。ストーリー自体が荒唐無稽というかそれほど面白くないというか

*同日
6-7話視聴
6話キャストクレジットに伊波一夫の名前があるが見つけられず
最終回は最終回っぽくない、すなわち主人公、または主要登場人物が死ぬとか旅立つとかそういうのはない

今回第1話が放映されていなかったから仕方ないが、ウィキを見ると第1話では初回らしいそれなりの演出がなされているようだ。すなわち、地井武男の鼠小僧次郎吉とどぶとの出会いなど。
鼠小僧次郎吉という有名なキャラにしてしまったから、使いにくくなったという面もあろうかと思うが、第5話でラストに一瞬だけ出て、レギュラーだから毎回出そうとしてるのかなと思ったが、第6話ではついに出演なしであった。最終回は冒頭から出てきてそれなりの次郎吉ならではの活躍
ちなみに田中邦衛版「岡っ引どぶ」は今シリーズ以前に80年代に時代劇スペシャル版として6回放送されており、レギュラー陣も樹木希林、地井武男、三浦浩一は同じ役で出ているようだ。この設定が引き継がれているのか、今シリーズが始まるに当たってリセットされたのかはよくわからないが、多分リセットされてるものと推測される

レギュラーは
どぶ:田中邦衛
町小路左門:中村橋之助
鼠小僧次郎吉:地井武男
お仙:樹木希林
嘉助:三浦浩一(第2話 - 第6話)
小夜:渡辺梓
おらん:森マリア
小松:山本清
蓑吉:青木卓司
おらん(森マリア)はおれが見た中では第6話しか出ていなかったはず。他に第1話で出ているようで、おれが見た第6話ではなぜこんなにどぶに対して馴れ馴れしいのかよくわからなかったが、すでに設定があったのだろう
中村橋之助はメクラの与力役。メクラだから外へ出ての捜査などはできないため、推理力がすごいというキャラらしいがただのでくの坊という感じ。で、それを払拭するためか、第6話では捕物の陣頭指揮、第7話では殺陣を見せる
樹木希林はどぶに付きまとうコント要員で、ラストは常にどぶとのやり取りでほのぼの終わり、そこにED音楽とキャストスタッフクレジットが重なる(その音楽については後記)

90年代でフジテレビ制作の時代劇、ということで鬼平だとか御家人斬九郎だとかを思い出していたが、ただ自分の記憶にあるそれらの作品より映像が汚く古めに見える。だが、多分その系列なのだろう。スタッフの名前に能村庸一など見覚えがあるものが多い。まあおれの記憶にあるものが鬼平の場合後期だったり、御家人斬九郎は95年が開始だったりということもあるのかもしれない
音楽が木下忠司でちょっと意外な感じ。というのも木下忠司はもっと以前に大活躍してた人というイメージで、一方鬼平だとか御家人斬九郎だとかというのは古い時代劇から脱却したような演出が有名で、それは使われる音楽もそうだ。
ただここで使われている音楽は、鬼平だとか御家人斬九郎だとか、特に後者の感じは多少感じられる。確か御家人斬九郎ものんびりしたちょっと滑稽な音楽(インスト)だったと思うが、こちらもそういう曲調。ノベリティソングというのは歌ものだけに使われるのだろうか、インストにも使われるのなら、こういうのを言うのだろう。またアコーディオンのような音も入っており、そこら辺は曲調は異なるものの夜桜お染なんかを思い出す。夜桜お染は鬼平のジプシーキングスのように、時代劇には本来そぐわないフランス語の楽曲だったはず
ちなみにEDでのキャストスタッフクレジットあたりは御家人斬九郎だとか夜桜お染とかと同じく横書きで殺陣に流れるタイプである

山崎努版は以下のようになっている
どぶ:山﨑努
町小路左門:田村正和
お仙:水野久美
鼠小僧次郎吉:和田浩治
ということは鼠小僧次郎吉も含め、今シリーズのレギュラーはオリジナルキャラでなく原作に登場しているということかな。次郎吉については違和感があったが

またどぶの人物設定だが、どぶと名乗ってるだけあって、江戸の最底辺を蠢く岡っ引というイメージで、まあそれに違いないのだと思うが、殺陣が強い。いわゆる時代劇のヒーロー的殺陣、一人が多数を相手にするも決して負けない、それゆれそれは見ていて白けてしまう、をどぶも披露する(ただそれで敵全部を簡単にぶちかますという単純なものはあまりなく、人質を取られ刀を捨てさせられるとかの展開もある)
その最底辺を蠢く岡っ引というイメージとちょっとかけ離れるかなと思った。もっと泥臭く捜査し、また汚い手を使って相手を出し抜くみたいのを期待したのだ。だが、元は侍という設定があるようで、それが原作どおりなら、まあそれが原作者の作った像なのでそれはそれで仕方ない

名奉行 遠山の金さん7(松方弘樹主演)☆ [時代劇]

オリジナル放送期間 1995年9月7日 - 1996年3月21日
01/19(金) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第七シリーズ 第1話「徳川埋蔵金 赤い毒グモの秘密」
02/16(金) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第七シリーズ 第21話「消された刺青 仮面の裏の悪魔」[終]

いつもどおり、第6シリーズを見終えそのまま第7シリーズ初回を視聴
ストーリー展開はいつもどおり。要所要所のBGMは全部変更されているがOPの主題歌は変わらず。だがその後ろに流れる映像は変化あり。前シリーズと同じく「桜」なのだが、その捕り方が異なり、また桜以外におもちゃや天狗の面、風車、さらには後述する建物が映りこんでいる点も異なる。また前シリーズではスタッフクレジットになったところで白洲の映像になっていたが、今シリーズでは桜の映像のまま、建物も映りこむという風になっている
殺陣の始まるところのBGM、変更。桜吹雪披露後のBGMは主題歌のインストゥルメンタルという点では同じだが大幅にアレンジが変えられており、ダサくなった印象
白洲が始まるところも、遠山桜披露のところも変更。遠山桜披露のところでは鼓の音が印象的、白洲の始まるところでも柝(拍子木)のような音が印象的に使われている。
そして本編のラスト「一件落着」で終わるのは不変だが、そこで静止画像になり、さらにここにも鼓の音のBGM。一件落着で終わるということにはこだわりがあるのだろう、頑として続けている
スタッフクレジットで音楽担当が前シリーズから変更されている。ウィキも参考に前のシリーズも確認してみたが、伊部晴美(第5シリーズまで)→西崎進(第6シリーズ)→横山菁児(第7シリーズ)→大野克夫(次のシリーズ以降(※))ということのようだ((※)『遠山の金さんVS女ねずみ』、『金さんVS女ねずみ』というシリーズがあるとのこと)
レギュラー陣では川島なお美、工藤夕貴とダブルマドンナ体制なのだろうか。クレジットでは工藤が二番目、川島はトメ(ケーシー高峰)の前である
そして工藤演じるお仙のほうは密偵だが、川島演じるお歌のほうはこの初回では出番は少なく、事件探索に関わらない。お歌が桜湯の女将でお仙は若女将ということのようだ。お仙はお歌を「おばさん」と呼んでいる
金さんの捜査態勢は工藤と吉川だけである
他に新レギュラーは松井俊太郎:清水貴博(本間)、お玉:嶋裕子(お咲の代わり)というようなことのようだが、この回ではあまり目立っていない
お馴染みの女の裸が出てくる。第1シリーズあたりでは毎回のように出ていたが、シリーズが下るにつれ出てくる回数はかなり減ってはいるが、出てこないということでもないようだ
1 1995年
9月7日 徳川埋蔵金 赤い毒グモの秘密
運命堂/石橋蓮司
おふさ/赤座美代子
お新/佐藤忍
服部十蔵/倉田健
弥藤次/野口貴史
宇田川蘭堂/芝本正
堀田摂津守/若林豪
毒蜘蛛を使った殺し。徳川埋蔵金というのは家康の御代に家を断絶させられた金山奉行大久保家の纏わるもので、その大久保の子孫たちが分散して持っているその金のありかが分割して書かれたお守り集めをするというストーリー
大久保の子孫二人が次々に蜘蛛で殺され、残るは運命堂とおふさ(娘がお新)。蜘蛛を使った殺しをしていたのは運命堂、そしておふさにお守りを渡すよう持ち掛けるが断られこれを殺害。さてお守りの行方は・・・。
金さんが現場へやってくるとレギュラー同心にあっち行けと邪険にされるのが通常であるが、この回では珍しく「現場の番をしていてくれ」と頼まれるとう場面がある。

*同日
2 9月14日 美女連続殺人! 裏切られた友情
お園/泉本のり子
佐久間勝元/平泉成
佐久間秀作/鷲生功
平岡誠之介/佐藤和久
荒木源太夫/西沢利明
岩五郎/小島三児
サブタイトルにある友情というのは、松井と佐久間秀作、平岡誠之介が学問所で一緒に勉学に励んだ親友でその佐久間秀作、平岡誠之介が今回の事件において加害者被害者となるあたりを言ったもの。ゆえに松井がフィーチャーされている
佐久間勝元は秀作の父親、南町吟味方与力。肩で風切って歩いてるという風に悪く言われているものの、作品内序盤では別に悪に手を染めてるわけではない。秀才の息子に自らの出世までをかけており、御側衆荒木源太夫と組んで、秀作を御儒者衆にしようとしている
花を首筋に刺され若い女が殺され、その現場では清元「明烏」という事件が二件立て続けに起きる。
この捜査に当たっているのが佐久間勝元だったが、犯人は女に迫られた秀作だった。それを知って激怒し叱責るのだが、秀作が女に対して誠之介を名乗っていた(こんなときのために罪をなすりつけようとしていたのだろう)ことを知った佐久間勝元は、誠之介を捕え、番所で配下の岡っ引き岩五郎や下っ引き二人が見守る中で、なんと誠之介を殺してしまうのだった。この一連の平泉の演技は見事。そして岩五郎らは従うしかなく、ここから佐久間勝元一味は悪の顔になっていく
お園は誠之介の女房だが、例の三人の憧れでもあり、四人が仲良しだったのだ。植木屋であったお園の父親が亡くなり、それを継ぐといって誠之介は侍を捨て植木屋になったのだった。誠之介は花が好きだった。そしてお園は清元を教えて生活をしている。とここら辺を秀作が殺しの際に使っていたのだった
殺陣に至る場面であるお園が岩五郎らに連れ去られる場面、お仙がそれを阻止しようとして、それを悪役側助っ人がさらに阻止しようとし、お仙はその後から来た方を追っ払ってご満悦、お園は連れ去られてしまってるのに
藤吉:目黒正樹初登場

*0327
3 9月21日 白い花の恐怖 悪徳医師の陰謀
奈緒/安永亜衣
六文字屋甚兵衛/青木義朗
向井道庵/大出俊
三田村延石/石田登星
湖遊/田中雅子
唐島吉次郎/唐沢民賢
お松/丸平峯子
弥平/広瀬義宣
上島与一郎/入江毅
若い大工/花浦隆
重造/辻本良紀
客/木谷邦臣
ご禁制の薬剤、チョウセンアサガオ、それを麻酔薬として使うための研究をする延石。かつて世話になった道庵にもその薬を提供していたが、道庵はそれを悪用、アヘンと混ぜて女に服用させ、女の自由を奪い奴隷化していた
殺陣の際の金さん乱入場面、通常はくるみを投げて悪役が善玉に突きつけている武器を弾くというのが登場の最初だが、今回はくるみなしで乱入してくる
桜湯の正式な女将、つまり所有者、はお仙のほうのようである。お仙のセリフで「そんなこと言ってわたしをここから追い出して桜湯を乗っ取ろうという魂胆でしょ」とある
金さんが藤吉に向かって「お前みてえなガキ作った親のツラ見てえもんだ」
藤吉が何でも屋と名乗っている。太閤秀吉が由来

4 10月19日 妖怪現わる! 標的は遠山桜
青山監物/鹿内孝
おしの/中村綾
後藤八右衛門/中田浩二
玄蔵/椎谷建治
祐天の辰造/江藤漢
国崎主水/岩尾正隆
梶野土佐守/仙元義夫
源太/土井健守
岩吉/河本忠夫
虎松/河上剛徳
鳥居甲斐守/中村嘉葎雄
堀田摂津守/若林豪
堀田暗殺未遂から始まる
前にも書いたと思うが、南町レギュラー同心岡っ引きと北町レギュラー同心岡っ引きとが同時に事件現場に駆け付けるということが多く、南町北町と分かれているが同町内担当なのかなと考えるのが妥当っぽい。そしてこの回ではその四人が一緒に祭りみこしの脇にいて、堀田暗殺未遂のところへ駆けつけている
お町:加茂あかり登場、端役レギュラーのようだ。古道具屋の娘でお歌に代金を求めているが、なぜか次回以降は桜湯で働いている。この回も桜湯の従業員でありながらも、古道具屋の娘としての話をしているのかもしれない
鳥居登場。勘定奉行に内定するも見送りになる
殺陣の後に金さんと鳥居の対面あり。通常パターン
鳥居の冷徹なキャラクター造成が凡百な悪役と一線を画している。前に鳥居が出たときにもあったが、用済み、失敗したものとは面会を拒否する場面、さらにはとかげのしっぽ切り。そして今回組んだ悪役に浮かれるのをたしなめている
福本清三ノンクレジット、殺陣

5 10月26日 白い肌の誘惑 嫁姑の真剣勝負
お辰/朝丘雪路
おみよ/藤吉久美子
鶴吉/沢向要士
鍵屋郷右衛門/川合伸旺
伊皿子屋丹次郎/柴田侊彦
三蔵/高品剛
お糸/武田京子
六之助/谷口高史
鞍馬/キラーカン
材木問屋伊皿子屋の三番番頭鶴吉をめぐって繰り返される嫁姑の喧嘩
その鶴吉は裏帳簿を作るよう強要されるが、一切を奉行所へ打ち明けようと出かけるも捕らえられ拉致される
嫁姑は二人で悪の巣窟へ乗り込む
福本清三ノンクレジット、殺陣
川合伸旺、材木問屋の総元締という役で、こういう役はもっと若いころもやってたと思うが年を取って隠居爺さん風が様になっている

6 11月2日 集団スリ 美しい未亡人裏の顔
おふじ/蜷川有紀
遠州屋嘉兵衛/鶴田忍
砲二郎/成瀬正孝
宗助/下塚誠
鞍三/江幡高志
お柳/村上理子
糸平/竜川剛
伊之助/有川正治
安五郎/井上茂
茂十/笹木俊志
市松/石井洋充
米問屋遠州屋番頭の宗助が油を被って自害という始まり
米切手を掏られ責任を感じてのことだった
宗助の女房おふじは元掏摸。足を洗わせてくれた亭主への恩義からその掏摸を探し始める
金の入った財布でなく、手形などを専門に扱う掏摸集団黒手組が浮かび上がる
そして宗助の懐から米切手を盗ませたのは意外にも遠州屋の主人嘉兵衛だった。嘉兵衛の裏の顔は土地ころがし、さらに黒手組首領の砲二郎はその弟であり、手を組んでいた
その土地ころがしの証文が宗助の元に紛れ込んでしまい、それをしかるべきところに届けるなどと宗助が言い出したので、宗助を困らせようと米切手を盗ませたのだった
蜷川有紀、この人はなかなか凄いな。この松方版遠山の金さんで前のシリーズにも出てたがどれも印象深い。他の作品でもいくつか見てるはずで、多分どれも同じような役、同じような存在感だったように思う
お歌、お仙のやり取り。仙「おばさん」歌「またおばさんって言ったわね、そりゃあんたとは叔母と姪かもしれないけど、年はそんなに違わないのよ」仙「十は違うでしょ十は」。第2話でも同じようなやり取りがあり、お約束になるかも

7 11月9日 投げ縄殺人! 忍びをあやつる男
友吉/金山一彦
桜田小兵衛(般若の辰五郎)/新克利
お景/本田理沙
〆蔵/中田博久
駿河屋徳兵衛/入江慎也
軍次/石倉英彦
大村市之進/峰蘭太郎
サブタイトルに投げ縄殺人とあるが、縄を使って三味線屋勇次的な殺しが冒頭にある
そこで殺されたのは北町の大村
現場へやってきた南町のボンクラ同心桜田小兵衛は大村を友達だったとし自分も捜査に加わらせてほしいと願い出る
桜田は物腰の柔らかい同心という風に中盤まで進むが、当然それだけだったら作品に出てくるわけもなく、裏の顔は盗賊の首領般若の辰五郎であり、最初の投げ縄殺人も彼の仕業
お景はお仙の友達で近々婚礼。相手は友吉という油問屋駿河屋の手代、そして般若の辰五郎配下で手引き役であった
ちょっと珍しいと思えるのは友吉は悪の一味ながら善玉という役割で、これは珍しくはないが、この友吉、殺陣に入る前の場面で、今回の押し込みを諦めるように辰五郎に進言するのだがそれは良心を取り戻したからでなく、あくまで自分のことが金さんにバレたっぽい、辰五郎のことまでバレてるっぽいから、という捕まりたくない仕事を失敗しそうだから、という盗賊側の論理である
お歌は金さんに色目を使っている場面がよくあるが、お仙もこの回で金さんへの恋情を出す場面がある
松井俊太郎:清水貴博と藤吉:目黒正樹が並記だったが、この回から二人とも単独表記

+0328
8 11月16日 献残屋の秘密 一度死んだ女
お里(小笠原加代)/未來貴子
小笠原主膳/西田健
蓑吉/頭師佳孝
扇屋徳右衛門/内田稔
片山彦十郎/伊吹聰太朗
伝蔵/坂田金太郎
松前屋善助/徳田興人
安藤/波多野博
近江屋の番頭/簑和田良太
呉服屋の番頭/加藤寛治
献残屋とは、公儀幕臣屋敷や大名屋敷を回り、他所からの進物の余り物を安値で買い取る稼業
奥右筆組頭小笠原が献残屋扇屋と組んでの悪事。大名家御用達への推挙というのを餌に商家に取り入り、嘘がバレそうになると殺人。
それを見ていたお里という女、彼女も殺されそうになるが、彼女を見た途端驚いて、そこへ助けが入り難を逃れる。お里は実は小笠原の女房かよだったのだが、小笠原の悪事、前の組頭を毒殺、それを見て、女房であるからそれを告発はできず、しかし離縁を申し出て、それも許されず、鎌倉の縁切り寺東慶寺へ駆け込もうとし、追手に追いつかれ深手を負い崖から落ちた
それをその地の蓑吉に助けられ、その際にかよは記憶喪失を装って、蓑吉の女房お里として暮らしていたのだった
現場にて。松井が金さんの推理にいい所に目をつけたと褒めている。こういう場面もこれまで珍しい。いやそうでもないか。多くはないが金さんの推理に納得させられてる場面というのはこれまでにもあったな
福本清三ノンクレジット、殺陣、白洲。月代を剃った侍姿のため、ちょっと見極めにくく、間違ってるかも
金さんお仙が事件について話しているところへお歌が割り込んでくる場面があった。お歌は金さんの正体を知らないのだが、こういう場面は今シリーズ初。お歌は去年料亭で働いていたとのこと

9 11月23日 謎の銃声! 女は待っていた
銀平/田中隆三
お美津/日下由美
相模屋市兵衛/田口計
木村連三郎/佐藤京一
片桐重勝/外山高士
田村弾正/小沢象
江戸留守居役/大木晤郎
筧十蔵/福本清三
喜平太/岡田典丈
夜鳴蕎麦屋/新橋伸介
堀田摂津守/若林豪
鉄砲方田村、人足寄場奉行片桐、相模屋による鉄砲密造密売
島送りになった囚人の中から腕のある者に目をつけ、御赦免を働きかけ、戻ってきたものに声を掛け鉄砲を作らせるという悪事。
これに島帰りの銀平も誘われる。銀平の帰りを待っていたお美津には銀平が島送りになったころに宿した銀平との息子が産まれていたのだが、それを銀平は金さんとお美津との子だと勘違いしてしまう
福本清三、役名ありだけあって出番多し。白洲でも前列
藤吉がこれまで以上に多くの出番。ただ、彼の生い立ちが描かれるとかそういう形でのフィーチャーではなく、単に何でも屋として駆けずり回るとう程度

*0331
10 11月30日 赤猫まねき!? 狙撃された桜吹雪
新次郎/松田圭司
おみね/藤田佳子
三国屋宗兵衛/和崎俊哉
勝沼玄蕃/渡辺哲
般若の千造/草薙良一
太助/伊藤敏孝
源次/浦野眞彦
死神の宇之吉/福本清三
お徳/山口朱美
サブタイトルは、主題歌がかかる前のプロローグに全部ある。「赤猫まねき」というのは火種を牢屋へ引き入れ火事を起こすことをいうようだ。そして牢が火事になったため解き放ちとなり、その囚人のひとりが出張ってきた遠山を狙撃するという始まり方。
その囚人は新次郎。奥多摩村の出、妹おいちとともに特産品であるけしを売りに来たが、けしは遠山の進言で禁制品となっていた
そしておいちは牢で遠山に責め殺されていたと牢名主千造に新次郎は聞かされ、さらに千造から仇討の手助けをしてやると声を掛けられる。
そこで起きたのが牢敷地で起きた火事、「赤猫まねき」は差し入れられた樽を叩き割り棒にして、その棒に布を巻き付け、火の粉を掬い取り、それを牢内に引き入れ火種にするという手法
解き放ちになった新次郎は銃を渡され遠山を撃つ
おみねは新次郎の許嫁、兄妹が捕らえられたと聞き江戸へ出てきており、牢同心勝沼に新次郎と会わせてくれと頼むも断られ逆に言い寄られている
悪役はけしを使って怪しげな薬を使って大儲けしていた三国屋、そして牢同心勝沼に牢番太助、薬草仲買の源次、そして牢名主の般若の千造がグルになっていたのだった
福本清三、いつもと変わらない役回りだが役名ありクレジットだけあって、出番多い
渡辺哲、1950年生まれ、存在感もありうまい人だが、それは近年の印象。昔の時代劇でそんなに見た覚えがない。勝沼はおいちを責め殺しており、他にもサディスティックな迫力のある演技
草薙良一、白洲の場面で新次郎に凄む場面がなぜか歌舞伎調の奇妙な感じで目を惹く

*0401
11 12月7日 二昼夜の自由 切腹賭けた初恋
服部妙/真屋順子
大野監物/御木本伸介
服部和馬/山本陽一
重吉/樋浦勉
湊屋平蔵/久富惟晴
お松/石倭裕子
八兵衛/根岸一正
サブタイトルの切腹賭けた初恋とは吉川のことで、その相手が妙
妙の息子が和馬、罠にかけられ殺人の罪で捕縛されるが、そこに疑念が持ち上がり、吉川が二日間だけ和馬を牢から出しての捜査の時間を与えられるが、そこで真犯人が見つからなければ切腹
事件は若い女ばかりが神隠し、悪役は船手頭大野と湊屋による人身売買。仲間だった八兵衛とトラブルになり、仕官を餌に和馬をに八兵衛を殺させようとするも和馬は相手の情けなさにとどめはささないで帰ってしまっていた
藤吉:目黒正樹、またも松井と並記へ。その回のキャストの多い少ないで変わるのかも

*0403
12 12月14日 消えた五千両! 棺桶を作る女
おりき/友里千賀子
政吉/伊藤敏八
巳之助/米山善吉
香取又十郎/佐藤仁哉
お艶/鈴鹿景子
法念坊/佐藤京一
玄庵/上野山功一
嘉兵衛/柴田林太郎
川添源吾/朝日完記
杵屋の主人/遠山二郎
鈴鹿景子はキャストクレジット順がどんどん下になっていく感じだ
この回では善玉が3人、悪役は盗賊の一団で多数おり、その内の一人という役で、悪役はそれぞれに見せ場らしきものがあるもののたくさんいるので興味が分散されてしまっており、鈴鹿も印象が薄い
善玉側は棺桶も作る桶屋のおりき、そして弟の巳之助、隣家の政吉。姉弟は幼少時火事の際に生き別れになっており、それが三か月前に再会したというのだが、実は弟は火事の際一旦助けられたがその後亡くなったということがわかっており、それを知って尚、おりきは弟を死なせてしまったという自責から、巳之助を身代わりの弟として信じ、二人の間で姉弟であるという約束を取り決めたという関係である。その巳之助が盗賊の悪事を見てしまい、狙われるという話

*0404
13 1996年1月18日 江戸の復顔術 姉と妹の手毬唄
平岡綾/北原佐和子
喜多村桃源/清水章吾
おふく/堀川早苗
弁天屋勘兵衛/山本昌平
吾平/奥村公延
山城屋伝蔵/高野真二
政五郎/岩尾正隆
忠助/水上保広
与吉/関根大学
頭の中に「?」が渦巻く作品、致命的なミスを犯してるようにも見えるけど、これでいいんだろうか
女医の綾は頭蓋骨から顔を復元するという術で奉行所にも協力している。顔を復元して、等身大人形を作り、自供しない容疑者の前に姿を現させて自供に追い込むという場面が冒頭
で、その綾が新たな頭蓋骨からの顔の復元をやってみたら自分そっくりになった。綾には子供のころ神隠しに会った妹おきくがいた、という展開。その骨が妹であろうという推察が行われ視聴者ももちろんそう思う
だけど結末からいえば、その骨はおてるという女郎(回想場面では北原佐和子がこの役もやっている)で悪役どもの秘密を聞いたため殺されてしまっていた、そのおてるのことを知っている同僚女郎おふくが綾の妹おきくであったとなって終わる
じゃあ、綾と殺されたおてるを似させたんだ? こういう場合の話の持って行き方としては、妹おきくはおてるとして働かさせられていて、そして殺された。その際におてるから守り札(これが姉妹の証拠となる)を託されたおふく、その守り札を見て綾が気付いて・・・、という展開が普通かと思う
悪役は他の医師仲間から白い目で見られている綾の復顔術を擁護する喜多村桃源とおふくらを雇ってる弁天屋。依頼を受けての殺しという家業をやり始めており、その秘密を聞かれおふくを殺していた
その殺し稼業という悪事についてはあまり描かれておらず、録って付けたかのよう
また殺しを依頼したという山城屋の出番は少な目である。中盤に殺した相手の店を乗っ取ったという場面が少しあり、あとは最終盤、殺陣に入る直前に悪役どもが集まってる場にやってきて、新しい依頼をしようとし、ちょっとひと悶着あるという程度。最後は白洲

14 1月25日 振袖の罠! 女形が賭けた夢舞台
竹之丞(直吉)/沖田浩之
山川左太夫/亀石征一郎
波之介/木下浩之
熊蔵/廣田行正
三野田一角/玉川伊佐男
相模屋利平/小笠原弘
上総屋長兵衛/松原健司
相模屋番頭/浅田祐二
竹之丞は人気の女形役者。お歌始め桜湯の女たちも夢中
その竹之丞はなんと子供のころ別れたっきりのお仙の幼馴染直吉であった
その竹之丞がやったとしか思えない殺しが起きる。さてこの殺しは竹之丞がやったのか、違うのかで興味が持続する作品。やってないのか、まあやったとしてもそれなりの理由があった(直吉は大黒屋という米問屋の息子で子供のころ店を乗っ取られて両親を亡くしていた)とかそんな感じかと思っていたが、その座頭が亀石征一郎、さらには玉川伊佐男と悪役やりそうな人も揃っており。結果、この二人が悪役、玉川は金座の組頭という役

*0405
15 2月1日 肝っ玉母さんと邪教の女
おたね/南田洋子
白蓮院(おきぬ)/小高恵美
青江軍太夫/中野誠也
運慶/浜田晃
桂月尼/三島ゆり子
権八/多賀勝一
お勢/北川めぐみ
南田洋子というと俺にとってはクイズダービーなどおばさんタレントというイメージで、あまり女優業を見ていない。若いころのものは石原裕次郎なんかの映画で見たかもしれない。検索してみたら、先日見た「おかしな奴」にもそういえば出ていた
必殺にも出ていた記憶があり、そこでは結構印象に残る出演だったと覚えている。出演リストを検索してみると、ちょうど必殺の名を冠していない二作品、助け人走ると暗闇仕留人に出ているようだ
ここでは、時代劇に大物女優、例えば赤木晴恵だと中村メイコだとか、が出る時よくあるような役、大金持ちとホラ吹いて、周りを騒動に巻き込むおばあさん、実は生き別れた子どもを探している、というような役どころで、でも型どおりでない独特な存在感。白洲の場面でも、それがどういうことを表現しているのかよくわからんが、独特な演技。遠山を見る際に金さんと気付いたかのような表情、遠山桜披露の際にはやっぱり他の人と同じように驚いているが、そこもちょっと独特
三島ゆり子は悪役側のメインどころの一員、尼寺が悪役の舞台なので、彼女の尼僧役、だが、そもそも悪役メインがそれなりに多いので、あまり目立ってもいず、白州では一列目でそこでは目立っているが、そこまでの劇中ではさほどである、キャストクレジット順でも下のほうだ
おたねの探している娘というのがおきぬで悪役側のメインというような位置におり、しかし無理やりやらされていたという善玉側で、最終的には母娘の再会というストーリー
将軍ゆかりの寺そこの安寿様白蓮院は公家のやんごとなきお方、その白蓮院が町の衆のための占いをやり出し、それが当たると評判の一方で、財産を全部出させた上自害という事件も起きている
その白蓮院に似ていたおきぬは白蓮院に仕立てられ、白蓮院は殺されていた

*0406
16 2月8日 消えた女! 裏切りの集団見合い
駒吉/石橋保
狐火の伝兵衛/垂水悟郎
仁左衛門/山田吾一
お峰/寺田千穂
長次/山本紀彦
美濃屋政兵衛/永井秀明
佐助/青木卓司
伊奈蔵/中田光彦
話は込み入ってるがそのそれぞれに自然な連関性がなく、なんでこうなるのかという疑問が引っ掛かってしまう
「見合いの集い」はねるとんなどカップルを作るためのイベントを思わせるもの
主催は煙草問屋の仁左衛門
そこに消極的に参加したのが美濃屋の若旦那駒吉、そして仁左衛門が連れてきた飛び入りで参加したのがお小夜(お峰)
駒吉とお小夜はカップル成立となるが、お小夜は駒吉からもらった五両(見合い参加料のようなもの)の金を持ち逃げ
駒吉が小夜にに惚れる理由がわからない、まあ一目ぼれってことか。
小夜はかつての義賊狐火の伝兵衛の娘。五両は病の伝兵衛の薬代
小夜の飛び入りは仁左衛門の策略か、にしては、二人は仲間ではなく、小夜がどういう行動を取るかは仁左衛門にはわからないはず(伝兵衛配下の長次が伝兵衛を裏切って仁左衛門と繋がってはいるものの)
仁左衛門は狐火の伝兵衛を騙り美濃屋に押し入り美濃屋の主(駒吉の父親)を殺す
駒吉は娘の小夜に逃げられ、父親の伝兵衛に自分の父親を殺された、しかも小夜は店の様子を探るために自分に近づいたと思い込み恨みを募らせる

*0407
17 2月22日 また男が死ぬ! 私は疫病神の女
お涼/沖直美
幸吉/冨家規政
大黒屋官兵衛/橋本功
永代の政五郎/黒部進
鮫三/きくち英一
栄次/石倉英彦
三河屋清之助/大木聡
時代劇にしては珍しい意外な展開、善玉かと思われた人物が悪役
お涼は父親、そして亭主二人が不幸な死に方をし、疫病神と呼ばれている
そのお涼の今の亭主である酒問屋三河屋清之助が月見舟から河童に引きずり込まれて溺死
三河屋の跡目を巡って親戚筋は大黒屋が頭となり、お涼を追い出しにかかり、大黒屋が三河屋を乗っ取ろうとする。それを阻止しようとするのが、妾腹のため家から冷たくされぐれて勘当になっていた清之助の弟、幸吉
と、この構図では悪役が大黒屋、善玉が幸吉なのだが、その大黒屋も殺されてしまい、幸吉が悪役という展開。幸吉と大黒屋は組んでおらず、大黒屋も三河屋を乗っ取ろうとしていたという点では悪役
お涼の清之助以前の関わった男とが不幸に死んでいくという部分については説明なし

*0408
18 2月29日 復讐の女! 雨の仕掛け長屋
お紋/渡辺梓
黒塚の佐平次/成瀬正孝
熊蔵/遠藤征慈
元円/北村晃一
佐吉/中嶋俊一
権八/浦野眞彦
源太/小川敏明
サブタイトルにある仕掛け長屋というのが見慣れない趣向で面白い。
もう建て替えが行われる長屋をほんの短期間狩り切って、そこへ盗賊一味が住民のふりをして住まい、そこへ今回の善玉となるお紋が吉川を誘い込み、殺そうとする、というのが仕掛け長屋
盗賊を追ってきた松井、半九郎らがこの仕掛け長屋で騙されるという件はなかなか面白い
お紋は短期間だけだが一緒に暮らした亭主佐吉が盗人の疑いをかけられ、そして吉川の拷問によって殺されたと信じ込んでいた。
それは佐吉の兄である佐平次によって吹き込まれたもので、佐平次はお紋には大店の主人だと言っていたが、実は盗賊の首領、そして弟の佐吉もその一味であり、しかし佐吉は気が弱く見張り程度にしか使えない、そして牢で喋られる危険もあるため殺したのだった
中盤までお紋は騙されているわけであるが、その渦中に吉川宛で桜湯におはぎを届けている。これは毒でも入っていそうな場面なのだが、そこでは三五平らががっついており、なにも起こらない
新しい趣向になりそうな場面があった。もう殺陣になりそうな時間帯、吉川がこの回の善玉であるお紋と二人で悪役どもに囲まれるという場面、いかにも金さん登場で、吉川を助けるために金さん登場というのは珍しい、というより初めてなはずと期待が高まったが、ここは松井、半九郎らが駆け付け事なきを得て、金さんの殺陣は次の場面へ持ち越し
情報量として金をせびる藤吉を見て吉川が「父親(てておや)の顔が見たい」という場面あり

*0409
19 3月7日 貞女の鑑? 謎の殺しの裏の裏
おふさ/二宮さよ子
彦次郎/堀内正美
花川戸大五郎/石山律雄
小三郎/井上高志
坊太郎/坂田金太郎
七之助/土井健守
小そめ/塚本加成子
お政/坂本万里子
過去の時代劇で常連だった二宮さよ子、堀内正美、石山律雄と揃い踏みの嬉しい作品
石山はやくざの親分役でメイン悪役の一角ではあるがさほど目立ってはいない。やくざの配下が名前は知らんが典型的なヤクザ悪役の面相の人たちでそちらが目立っていることもある
名門料亭の女将おふさ、先代に引き上げられた恩もあり、亭主彦次郎のやりたい放題に目を瞑る
その彦次郎が関係のあった若後家のお市殺しの嫌疑がかけられ、そこでおふさの取った行動は自分が罪を被るということだった

*0415
20 3月14日 名探偵? 金さん岡っ引きになる
神崎伝八郎/長門裕之
花房平左衛門/下川辰平
深雪/万里洋子
越後屋総兵衛/中田浩二
霊岸の松五郎/原口剛
超大物長門裕之、そして大物の下川辰平が出演と豪華な回
長門は南町筆頭与力、下川は南町同心抜け荷探索方であり、両方とも悪事に加担しているという珍しい構成。花房は妻の病気のための薬がほしくて抜け荷の越後屋と組み、奉行所情報を流していた
妻が薬の効果もなく亡くなると、越後屋に抜け荷を止めるよう進言していた
神崎も越後屋と組んでおり、一方花房の件も知っていたが、逆にこのことを花房は知らないという構図
花房は自分の罪を注ぐため、奉行所の名誉を保つため、越後屋の背後を探り、神崎と一騎打ちし討たれるというような展開
半九郎が三五平のミスを叱責、三五平は十手を返上という展開の中金さんがその後任になるという展開があり、それがサブタイトル、結局は元の鞘に収まる
なぜか普段は静止画像になって終わるがそれがなく

21 3月21日 消された刺青 仮面の裏の悪魔
伊勢屋久兵衛(血頭の久蔵)/森次晃嗣
おふさ/越智静香
梵天の喜代蔵/苅谷俊介
清太郎/遠藤憲一
お島/本阿弥周子
最終回だが、大きな事件でもなく、堀田も鳥居も出てこないし、ゲスト俳優にもらしさなし。エピソードも通常回風
ストーリーとしては伊勢屋が襲われ、手代清太郎が怪我をする。この時点で伊勢屋も清太郎も善玉に見える。伊勢屋の一人娘おふさは清太郎と仲が良いようで夫婦になろうという話にもなっているという設定
だが清太郎役はあの遠藤憲一、目付き鋭く、しかし物腰柔らかという感じで見分けがつかない。このころの遠藤憲一はまださほどなはずで、悪役専門ということで顔が売れてるわけでないのなら、単なる端役の可能性もあるから、予想がつかないのだ
で、その後の展開としては伊勢屋が実はかつて盗賊の首領で、その隠し金を配下のお島が清太郎と組んで狙うというもので、伊勢屋は悪事を過去にやったストーリー上の善玉、悪役は清太郎とやくざ梵天の喜代蔵、お島は途中で殺されてしまうという役
本阿弥周子、キャスト順でちょっと下のほうになった
福本清三がノンクレジット、殺陣にいるように見える。顔がはっきり映らないが、その姿形、動きでそれらしい人

全体的な感想だが、この全7シリーズの中盤あたりで、初期は白洲のラストで、善玉が「お奉行様、いや金さん」と呼び掛けているが、中盤以降、「金さん、いやお奉行様」というようになったというようなことを書いたと思うが、それが最後まで継続、そしてそれは、初期のシリーズでは金さんと善玉の町人同士の交流みたいなものが濃厚で、それが善玉があえて金さんと呼び掛けたいというところをその場面で表現していて、それが段々希薄になっており、そのことでこういう言い回しになったように見える。裁きを言い渡した後の遠山が善玉に遠山、そして金さんになって語り掛ける場面が、ほんの少しだが淡泊になっていったように思える、といってもここに書いたことは、かなり初期の段階で変更されてしまっていたと思うが

お玉:嶋裕子(第7シリーズ)
お町:加茂あかり(第7シリーズ(第4話より登場))
二人いる意味がよくわからない。どちらも目立たない端役だし

白洲での松方の口調が以前よりわかりやすくなっている感じがする。以前はゆっくり目、低い声の気取った口調で聞き取りにくかった

第5シリーズのところで三連符と16分音符の組み合わせについて書いたが、よくよく聞くと、主題歌にもあおれがあった。先に気付いたところよりは効果的とはいえないが。
主題歌は第5シリーズまではED、それ以降はOP。OPに移ってからはイントロが長くなった、というようなことは前に書いた。その長くなった部分の次、つまりEDで使われていたときのもののお一番最初の部分がそれだ。
1拍目が16分音符の符割り、2泊目以降が三連符の符割り。①タタッタ②タタタ③タタタ④タタタ
そして桜吹雪披露後のBGM、こちらは主題歌のインストゥルメンタルバージョンでリズムがかなりゆっくりになっており、かなり雰囲気は違うのだが、ここも一番最初の部分が、上記と同じ。①タタッタ②ターー③タタタ④タタタ

さてこのタイミングで主役が高橋英樹の遠山の金さんがBS松竹にて開始
雰囲気の違いを味わうために続けて見てみるつもりだ

名奉行 遠山の金さん(松方弘樹主演6 [時代劇]

放送期間 1994年6月9日 - 1995年1月19日
12/14(木) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第六シリーズ 第1話「(秘)大奥女中謎の死」
01/18(木) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第六シリーズ 第23話「大陰謀!紫頭巾の女」[終]

第5シリーズを見終えすぐ第1話冒頭を視聴。他に見るものが溜まってきたので、一旦これは休みにしようかと思ったが、慣れたものを見るのは気が楽で、結局第1話は全部視聴した
前シリーズとの変化。これまでほとんど変化のなかったオープニングがついに変更。まずは遠山桜披露の所作をする松方の短い映像とロゴがありすぐ本編。ここは短く、プロローグという役割で、OPタイトルキャストスタッフクレジットとなる。ここに使われるのが今までEDであった主題歌。時間が長くなったためもあろう、イントロが長め(というよりはこれまでEDで使われていたのはイントロの最初の部分が削られていたのだろう)。バックの映像はこれまでのOPと同じ印象の桜の映像、今シリーズではスタッフクレジットも加わり長くなっているので、新たな映像もあるのだろうが、ただ桜の映像なのでほとんど気にならない(※後述)
プロローグ部分では女湯に入る新レギュラーの柳半九郎:見栄晴と三五平:六平直政のコンビ、そして名物女の裸。
この二人が次のシリーズ(最終シリーズ(その後タイトルが少し変更されたものがあるが))までとのこと
葉隠、二八コンビの後釜である
見た感じでは見栄晴、どうかなあという感じ。小西博之に続いての欽ちゃん枠か。
本間孝太郎:田中実が登場。楠菊太郎:内海光司の後釜。ジャニーズが姿を消した
その他レギュラー、主要なところが変わってないので、前シリーズからの安心感がある。演出などもあまり変わってはいないかな。
使われるBGMが少し変更あり。殺陣の前段階、金さん乱入のところは変わった。桜吹雪披露の後のBGMは変更なし。そして白洲が始まる場面でのBGM、遠山桜披露のところのBGMは変更
レギュラーの中でも雑魚キャラには変更があるようだが、あまり顔も覚えていないので、変更があってもよくわからないともいえる。
と変更があったのかと思ったら、「お咲:山本恭子(第5~6シリーズ) ※第6シリーズは「沢南海子」名義」とのことで、キャスト変えるなら役名も変えればいいのにと思ったのだが、同じ人だったのか。
第6シリーズでは疋六が途中で降板し、似たようなキャラが新しく登場するようだが、それはまたそのときに

1 1994年6月9日 [マル秘]?大奥女中謎の死
お菊/本田理沙
松橋/本阿弥周子
浜田屋嘉兵衛/遠藤太津朗
久世勘解由/原田清人
お島/大原ますみ
萩乃/松井紀美江
八重/小牧彩里
闇の久蔵/野口貴史
運慶/北村晃一
高利貸/疋田泰盛
使番/新島愛一朗
和島喜十郎/福本清三(役名なしクレジット)
鳥居甲斐守/中村嘉葎雄
堀田摂津守/若林豪
遠山が町の無頼であったころの知り合いの女八重、遠山の紹介で大奥入り、今では大奥御年寄松橋付きであり、また堀田の依頼を受け松橋の乱行を調べる密偵
その八重が宿下がりの折、待合茶屋で遠山の部下である北町与力島田と相対死
八重の妹お菊は大奥なんかに行かなければこんなことにはならなかった、金さんの嫁になりたかったのにと金さんをなじる。姉の死の真相を探ろうと本間に頼み込むが断られ、一人で奔走
福本清三、役名なしながらクレジットありでそれなりに目立つような立ち位置
中盤で殺し屋として登場し、また殺陣白洲どちらでも目立っている。白洲では前列
鳥居と堀田が揃い踏み
鳥居は北町与力の不祥事ということで遠山を指弾し、真相を報告するという遠山に期限を切るよう迫り、その期日が遠山罷免の日と設定。配下の作事奉行久世を使い色々策を弄するがその期限の数日前にだんだん遠山が真相に近づいていると知り、久世にもう誰も動くなと命じているのに悪役どもは全員勢揃いして密会、お菊、そして金さんに踏み込まれる、完全にバカである
本間孝太郎のこの回の登場は、その相対死した北町与力島田を頼りにしてその日同心になるため北町奉行にに赴くことになっていたが、その与力が死んでしまい、そこへ駆け込んでくるというもの。そして次の場面で吉川に同心になったことを報告し、早速探索に当たらされている

*同日
2 6月23日 堅ぶつ侍と不良母
艶/野川由美子
大庭弥太郎/鷲生功
美鈴/北原佐和子
宗兵衛/睦五朗
喜代蔵/佐藤京一
清三/武井三二
犬飼甚十郎/高並功
お政/和田かつら
巳之吉/湯口和明
権六/司裕介
浪人/奔田陵
本間の母登場、野川由美子の艶。賭場にも出入りし奔放、それを知った本間は説教するも、もう自分はやるだけのことはやった(子を育てあげ同心になった)ので、人様に迷惑をかけない範囲で自由に生きると宣言し逆に説教するという風に出ている場面は全部コミカル。メインゲスト扱いだがストーリーには少しからまる程度である
ストーリー的にはメインは大庭弥太郎、勘定奉行所手代、本間の親友
妹美鈴への土産にと艶に頼んでいた簪が押し込みの現場に落ちていたことから一味かと嫌疑がかかる。友を信じたい本間、博打にはまっている大庭、など周囲の状況から、悪の一味なのか見当違いなのか、ここらへんでストーリーを引っ張る構成となっている。この後の場面で出てくるのがその博打場、主が舟宿の惣兵衛、これを演じているのが睦五朗、ここらでやっぱり悪の一味っぽいなと思う(これは視聴者全部がそう思うかどうかはわからないが、自分的感想だ)。が、その後の場面で大庭は金さんと楽しく酒を酌み交わす場面もあり、どっちかなあとなる
という具合に結構本間が活躍、そういや楠菊太郎:内海光司はほとんど活躍しなかったな。前シリーズでは第1佐だったか序盤当たりで見習いから正規に昇格したとかあったが。
殺陣では腕に自信のあるお菊を人質にとられた大庭が小柄を投げ、お菊に突きつけられた刀をはじくという風に悪役に一撃を加える場面が先にあり、しかし銃撃され負傷、そこで金さん登場という形で、金さん登場前に悪役に一撃を与えているというのはちょっと珍しいか
福本清三ノンクレジット、殺陣白洲、どちらも顔があまりはっきり映ってないから間違いかも
北原佐和子、かわいい

*0314
3 6月30日 遠山桜と御落胤
伝八/石橋正次
源太/目黒正樹
お光/目黒仁美
文右衛門/桂ざこば
黒田刑部/久富惟晴
伊賀上典膳/宮口二郎
原口英之進/井上高志
白木采女/山本清
藤江/吉永真弓
信濃屋/幸田宗丸
長屋の住人/北見唯一(役名なしクレジット)
堀田摂津守/若林豪
ある藩(ここでは高遠藩)のご落胤が、故あって町人のところで暮らしていて、その藩で必要が生じ、探し回り連れ戻そうとするという時代劇でありがちなストーリーの中でも典型的な展開
源太/目黒正樹、お光/目黒仁美はこのシリーズにこれからも出てくるようである。松方の息子娘
ううむ。源太は城へ戻ったのだが。
目黒仁美のほうはとくに松方の娘と言われればなるほどそうだなという顔。ふっくらとしたところとか目のあたり。
こういう藩内部のいざこざで町方の白洲というのは馴染まないが、町中で殺しが起きておりその裁きと言われればまあそういうことか、と。そうそうざこばはその若殿が持たされていた印籠を育ての親伝八から預かっている質屋の役で、その印籠を悪役に奪われ殺されている
悪役は源太(本来の名は源太郎)が城へ戻ることを阻止しようとする江戸家老黒田刑部なのだが、白洲の場面で源太郎はすでに城へ戻っており、その点決着ついてるのに、源太は偽者だと主張していて変

4 7月7日 米騒動、殺しの尼僧
お園/立花理佐
讃岐屋藤兵衛/大出俊
長次/西山浩司
卯之吉/菅原加織
喜助/日高久
須藤/有川正治
妙心尼/北川めぐみ
立花理佐、西山浩司ともにこの作品の前のシリーズに出ていてその際印象に残ったが、ここではどちらも一変したキャラ。
とくに西山、中盤になっていきなり出てきたようにおもう(出ていたかもしれない、また今回の話の犯人役であり面を被って尼僧の格好で殺しを行っており、その面を被った尼僧が彼の役である長次なのだが、そこでは顔は晒されてない)のだが、そこでは慇懃無礼な人に対して下手に出る米問屋の手代というキャラという風に前に出たときとは全く頃なる、しかし白洲で素性(女形の軽業師)や悪事が明かされ、啖呵を切るなど二面性もよい。
江戸には米問屋が五つある(そんなに少ないのかな、ただ「米屋」ということではない)。そのうち一つ美濃屋は先年抜け荷の疑いで潰され美濃屋夫婦は自害。その娘お園は出家していまは比丘尼
残った米問屋の主が次々と殺され、しかも犯人は尼僧、使った得物はお園と恋仲にあった飾り職卯之吉が作った簪であった
しかしこれはお園に罪を被せ江戸の米流通を一手に握ろうとしていた讃岐屋の仕業、美濃屋の抜け荷の件、美濃屋夫婦の自害も米の買い占めに協力しない美濃屋を潰そうとした讃岐屋の仕業であった
日高久は飾り職の親方、卯之吉の師匠。だいぶ老けた感じになっている

5 7月21日 疑惑! 仕舞い湯の男
弥七/冨家規政
蔵前の善五郎(化師の久兵衛)/御木本伸介
お鈴/中里博美
銀平/大木正司
源太郎/目黒正樹
お光/目黒仁美
磯吉/岩尾正隆
お梅/伊吹友木子
お妙/塚本加成子
市次郎/土井健守
扇屋/阿木五郎
茶店の老爺/岩田直二
寄場帰りの男の苦悩、まともには働こうとしても世間の目は冷たく、悪からの誘い、それを断ると嫌がらせという比較的ありがちなストーリーだがちゃんと描かれてるのと演技も良く、佳作
寄場帰りが弥七、妹がお鈴。サブタイトルは弥七が桜湯が閉める時間に仕舞い湯に入りに来る、つまり入れ墨を隠したいのだろう、というところから。
善五郎は舟宿経営者だが慈善事業のような飯屋「極楽亭」、お代は客が払いたいだけ払ってもらい、出すものは飯、汁、漬物だけ、をやっている。こういうのは大抵悪人であり、これも裏の顔は「化師の久兵衛」、思いもよあらぬ者に化けて身を隠し手下に荒仕事をやらせている。寄場帰りの身元引受をして、そいつらに過去に縁のあった商家の見取り図を書かせ、押し込み皆殺し。魔の手が弥七に伸び、お鈴が働いている商家、ここの若旦那と夫婦になる約束もできていたが、そこへも弥七の本当のことを知らせる(兄のことは死んだと伝えていた)という嫌がらせ
源太郎は屋敷から抜け出て妹と一緒に桜湯へ遊びに来たという設定で登場
岩田直二、前シリーズにも出ていてそのときも思ったが、だいぶ老けてきている。1914年生まれ、2006年に亡くなっている
福本清三ノンクレジット、殺陣

6 8月4日 必殺 世直し人の娘
月村木兵衛/下川辰平
お美乃/越智静香
加納屋万兵衛/福田豊土
天竜の武助/深江章喜
小倉屋吉三郎/福山象三
巴屋/小笠原弘
野々宮/溝田繁
磯貝/多賀勝一
野木秋堂/西園寺章雄
高利貸両替商小倉屋が殺される。両替商仲間の筆頭を狙った加納屋の悪事
下川辰平、大物の登場、フィーチャーされた作品
見栄晴の柳半九郎がいくらかフィーチャーされる。月村木兵衛が同心(高積見廻とされている)を辞め、半九郎が同心になったという関係で、懇意にしており、その娘お美乃に半九郎は惚れているという関係性、しかし結婚を申し込むも、平手打ちされている。
月村木兵衛は剣の達人、逆袈裟という技を使う。
その逆袈裟による小倉屋の殺しが起き、金さんは木兵衛に会ってみるtも穏やかな隠居。しかし殺された小倉屋の名を聞くと激しい調子で非難を始める。という序盤の展開で、木兵衛は殺しをやったのかやっていないのかと興味を惹く。
半年前の出来事として木兵衛がまだ同心で、ある居酒屋店主が身投げ、娘も自害、その事件の裏に小倉屋が絡んでおり、そこへ怒鳴りこみに行ったという一件が語られる。その小倉屋への木兵衛の怒りを加納屋は利用したのであった。つまりただ殺しを頼むのではなく、あいつは悪人だ、木兵衛もそう思うでしょ、というようなことだ
ところで半年前あたりに木兵衛が同心を辞したのだったら半九郎も同心になりたて?
という風にまあ結局は殺しをやっており、しかし善玉扱いというような内容であり、そういう場合は終盤で殺されてしまうというパターン通りの展開
殺陣の際、剣の達人がいるときのパターンともいえるが、悪役に一矢報いるが銃で撃たれ負傷、そして娘の腕の中で死んでいく
金さんが現場にやってきて、本間や半九郎に邪険にされるというところを見て。
メインどころ、お紺、沢庵、吉川が変化がなく安定しているのに比べ、こちらは疋六以外みな新たなレギュラーである。ちなみに第1話で半九郎はすでに金さん登場を、よく知ったものとして扱っている
サブタイトルは必殺シリーズを意識したもの
桜吹雪披露の場面での金さんの口上に「銭が浮かんで木の葉が沈む」とあった。おれは宇崎竜童の必殺仕業人でのナレーションを思い出し、それを意識してるのかなと思ったが。まあこれは違うだろう
「石が浮かんで木の葉が沈む」ということわざがあり、必殺仕業人のナレーションはそれを引用したもの(石が流れて木の葉が沈む)であって、オリジナルではないようなので

*0315
7 8月11日 夫に怯える美人妻
お藤/蜷川有紀
山城屋与市/辰次郎/誠直也
唐津屋総右衛門/南原宏治
下村三太夫/中田博久
利平/江幡高志
お米/荒木雅子
お光/目黒仁美
時折時代劇で見るトリックもの
見分けのつかないほど顔を潰された死骸。しかし腕の般若の刺青で山城屋と知れる
しかし葬儀が行われているところで山城屋が元気に戻り、そこにいる者らは驚く
が、普段の生活に戻ろうとしても女房お藤には違和感、そしてそれが亭主でないことを確信していく
しかし、周りからはお藤が気が変になったといわれる始末
山城屋は双子で生まれ、その弟辰次郎は別のところで生きていたというトリック
山城屋親戚筋の唐津屋が山城屋を手に入れるために辰次郎と仕組んだのだった

*0316
8 8月18日 上方女の真剣勝負
おぎん/園佳也子
馬場連三郎/西田健
仙蔵/伊藤敏八
鬼平次/椎谷建治
佐吉/円谷浩
お島/松木路子
市兵衛/牧冬吉
丑松/福本清三
園佳也子ならではの役。上方の大きな商家の楽隠居といいながら無一文で桜湯に助けられる女。25年前に生き別れの担った息子を探している
ストーリーは盛沢山なためか描き切れてなくてちょっと唐突感のある展開が見受けられた。
佐吉、結局これはおぎんの実の息子だが、は大工。で、火盗与力馬場の要請という名目で図面を渡している、その図面を利用しての盗賊鬼平次一味による押し込み。
福本清三、役名ありのクレジット。中盤あたりから、悪役配下としてセリフありの役

*0319
9 8月25日 女、霧の中の殺意
おはま/川島なお美
肥前屋佐兵衛/佐藤仁哉
大和田監物/小林勝彦
お艶/早川絵美
聖天の常五郎/堀田真三
伊之吉/下元年世
おつた/中川真由美
医師/大木晤郎
清吉/和泉史郎
亀造/小峰隆司
おみね/星野美恵子
肥前屋女房が身投げ、しばらくして手代の清吉が書置きを残し後追い自殺。
岡場所の女郎だったおはまが依頼を受け、同心が見ている前で日本橋から身投げのフリをするトリックもの。悪役は入り婿の肥前屋で、女房お千勢がおはまそっくりだったことから、女房を殺し、おはまの身投げのフリ、お千勢の死骸を大川へ投げ入れ、翌朝死骸があがる
この回は珍しくお紺が出ない。おれの記憶ではヒロインが出ないというのは初めて

*0321
10 9月1日 老盗賊が捨てた娘
与助(木更津の与平次)/梅野泰靖
お葉/吉野真弓
清左衛門(般若の清三)/亀石征一郎
野村主膳/中田浩二
瀬川菊弥/沖田さとし
呉服屋花菱に押し込み。主以下が斬殺。病の女将とそれを看病していた娘と息子、そして下男の与助が助かった
与助はかつてはひとり働きの盗賊木更津の与平次だった。彼が女房を亡くし、花菱の前に捨てた娘がお葉だった。お葉が花菱の娘として立派に育てられてるのを見て、行き倒れと見せかけ下男として働くようになっていた
その与助が花菱に押し入った盗賊の目星をつけ、仇を討とうとする話
殺陣が短め、BGMが少しだけ短縮バージョン
殺陣が終わった後、その場で父娘(与助とお葉)の対面という一幕が挿入される。通常は殺陣が終わると金さんはサッと姿を消すのだが。今回は沢庵が木更津の与平次を信頼させて、組んでおつとめを果たそうとするという展開から殺陣に沢庵も参加しており、その父娘対面の場面では金さんとともに声をかけてやっている
悪事をやった善玉という存在である与助は白洲前に死んでしまうという、これはパターンともいえる

11 9月8日 復讐の女絵草子
桐江(篠原桐乃)/南條玲子
大野魁翁/青木義朗
越後屋総兵衛/河原崎建三
宝井京風/レツゴー長作
兵藤玄馬/石倉英彦
鶴屋喜三郎/芝本正
「刀がなくても筆で戦える」というセリフが印象的
戯作者宝井京風が殺された。調べてみると彼が書いた「怨霊佐渡荒磯」そっくりな佐渡金山での奉行による金の横流し事件があったことがわかる
彼は酒浸りでもう物語を書けない体、それを書いたのは寺子屋の先生をやっている桐江。すべての罪をなすりつけられ事件の犠牲になった自分の父のことを書いたのだった
こういう話なら、白洲なんてなしで、その物語が完成し、悪人どもが追い詰められるみたいな話のほうがよかったが、もちろん白洲の場面がなしなんてことにはなるわけもなく。
殺陣に繋がる展開としては珍しく、金さんが悪人どもに捕らえられ人質になり、それを桐江が助けに行き、そこへ縛りを抜け出した金さん登場という流れ
なのだが、これは白ける。まず金さんが捕まるというあたりに切迫感はまったくなく、沢庵も密かにそれを見守っている。ということは、桐江に脅迫状が届いても、本来、沢庵が金さんは大丈夫だよと伝えてやることだってできるわけで。もうこうなると、「遠山の金さん」お約束の「殺陣」に持ってくための仕掛けを金さん一派が仕組んでいるだけに見える。まあ他の回も多少そういう面はあるけど

*0322
12 9月22日 追跡! 裏切った女
お弓/芦川よしみ
伊之吉/三ツ木清隆
彦兵衛/長谷川明男
奥田新八郎/柴田侊彦
弁天の升造/勝村淳
武蔵屋芳造/白川浩二郎
悪役は両国町名主彦兵衛、南町筆頭与力奥田、さらに弁天の升造、武蔵屋芳造
伊之吉は病弱の母、そして妹のお玉の面倒を見るという約束を引き換えに彦兵衛の殺人の罪を被って島送り。しかし後を頼んだ恋人のお弓が彦兵衛の囲い者になっていると聞き、島抜け
彦兵衛は仏の彦兵衛と呼ばれる人格者で通っているが、裏の顔があった。その悪の仕事をやらせるのは高利貸の勘助。勘助を通じて米相場を張ったが、大負け、その清算をしないでいたら勘助に金を返さないと裏の顔を暴露すると脅され勘助のところの番頭芳造に勘助を連れ出させ殺した。その殺しの罪の身代わりを伊之吉に頼んでいたのだった
彦兵衛の囲い者になったお弓の真意は・・・。
10話であったように殺陣の後に、金さんが善玉二人に声を掛けるという一幕がある。10話では意味があったが、この回でこの演出はあまり意味ない。二人とも生き残ってるし、あとは白洲でハッピーエンドだし
白洲開始のBGMがない

13 10月13日 覗かれた男装の女
勝乃/寺田千穂
滝尾/中島ゆたか
辰巳屋角右衛門/高城淳一
倉田兵馬/伊藤高
江戸屋長兵衛/佐々木勝彦
弥助/小林功
立花武太夫/川浪公次郎
堀田摂津守/若林豪
勝乃/寺田千穂が偉く格好よく描かれている
勝乃は大奥御用達呉服問屋の江戸屋の一人娘だが男装して不良どもを従えて町を闊歩している不良娘
その江戸屋が女装して首をくくって亡くなった。娘の素行不良を気に病んだ末の自害と結論付けられる
勝乃は実はご落胤、証拠に葵の御門入りの小刀を母から渡されていた。その小刀を手に、大奥御年寄滝尾に面談(江戸屋が大奥御用達なので旧知ではある)したり、大目付に直訴したり。これらの場面で葵の御門入りの威力を知らしめるような描かれ方、つまり、小刀を見せた途端相手が怯んで頭を下げる、がされてて、その凛々しい顔と相まって格好良い
今回の悪事は江戸屋から大奥御用達を奪おうとする辰巳屋が大奥御年寄滝尾と組んでの悪事で、江戸屋も毒を盛って殺され女装させ自害に見えるよう細工されていたのだった
殺陣に至る場面でもそうだ。この回の悪役の親玉滝尾と面談、このままではご落胤を騙る痴れ者として処分されるのでいうことを聞けと迫られるも、またも小刀を見せつけ、奉行所へ行って全部喋ろと連行しようとまでする。大抵殺陣に至る場面というのは善玉が一方的にやられている(縛られるなど)ことが多いが、ここでは一矢報いている感じになっている。まあこの後逆襲され、金さん登場となるのだけど。
福本清三ノンクレジット、白洲にて。多分殺陣にもいたのであろう。殺陣で福本っぽいなと思いながらもあまり目を凝らして見たり、気になったところを静止、もしくはスローにしたりしてまでの確認をしなかったが、白洲に出ていると、やっぱりそうだったのだなとなる
前回に続いて白洲開始のBGMがない

*0323
14 10月20日 殴られた金さん
佳代/渡辺梓
桐山多門/篠塚勝
又八/松田勝
加納屋/井上昭文
黒田出雲/内田勝正
戸川弁十郎/山本昌平
萩原朱山/粟津號
瓜生/山西道広
平助/小林尚臣
サブタイトルは冒頭に又八が金さんをすりと勘違いして殴られる場面から
この又八、身体が大きく力自慢の川漁師、まあこういうキャラだからちょっと頭の足りない純朴無垢という面もあるように描かれている
恩のある蘭学者桐山多門とその妻佳代の優しさに人間性を回復させられ恩義を強く感じており、その多門が殺され、一人残された佳代への恋慕もあり、その死の真相を暴こうと動き回る又八
事件はアヘンの抜け荷で、悪役は加納屋一派とそれを見逃す船手頭の黒田出雲。朱山も蘭学者でこちらは悪の一味、通事をやっているが、秘密が漏れるのを恐れ殺されてしまう
又八は殺陣で悪役に立ち向かい撃たれて死ぬという展開で、殺陣の終盤では撃たれた身体ながら、さらに悪役に立ち向かい殺陣でも一役買っている。そして10話であったように殺陣が終わったあとに、佳代の腕の中で死んでいく又八とそれを見守る金さんという一幕がある
又八は悪事などまったくやっておらず、10話のような悪事をやった善玉という枠ではない
白洲開始のBGM復活(これ以降あったりなかったり)
ゲストの上から三人はあまり聞かない名前だが、その後には時代劇で活躍した俳優がずらり

*0324
15 11月3日 女説教強盗の復讐
お紋(おきぬ)/増田恵子
天誠堂治兵衛(梟の久太郎)/川合伸旺
利吉/頭師佳孝
おなか/遠藤真理子
智明尼/佐野アツ子
万造/岩尾正隆
お光/目黒仁美
あくどい商家へ忍び入り、説教をしてご意見代を徴収するという説教強盗「ご意見お紋」。彼女はおきぬという呉服屋の娘、親といさかいになり家出と称して夜まで出かけ、戻ってみると押し込み強盗に良心始め店の者は皆殺しにされており、その仇の情報を得ようと自分も盗賊になったのであった。
悪役は貸本屋天誠堂、裏の顔は梟の久太郎。そして久太郎に手引きをする小女を手配していた比丘尼の智明尼
増田恵子、セリフ回しが平板、演技力に疑問符

16 11月10日 女金貸しの仇討ち
お滝/朝丘雪路
栗田兵庫/品川隆二
真鍋重房/有川博
益田屋利兵衛/頭師孝雄
仁蔵/遠藤征慈
佐吉/岩渕健
染谷隼人/高品剛
藩の特産品ろうそく横流しを巡る悪事。
悪役は横流しをしている家老真鍋とそのことで暴利をむさぼり真鍋に賂を送る益田屋。
この件を殿に直訴しようとし殺されたろうそく奉行栗田
しかし栗田が死ぬ前にかつて難儀していたところを助けたことがあるお滝にその書面が隠されたろうそくを預けていたのだった
強欲な金貸しで町人から忌み嫌われているお滝だったが、恩のある栗田のために奔走する
頭師は前回は弟が出演していた。前にもこんな風に兄弟で連続で登場していたことを覚えている

17 11月17日 催眠殺人の姉弟
お冬/浜田朱里
木暮屋宗兵衛/和崎俊哉
升蔵/曽根晴美
平太/雨笠利幸
秋葉屋/坂田金太郎
お光/目黒仁美
うなぎ屋/千代田進一
おふさ/宮田圭子
夢幻/井上茂
駒吉/結城市朗
金で殺しを請け負う裏家業、そしてその殺しを実行させるのは催眠術で人の心を操って殺し屋に仕立てるとう特異な形
その殺し屋に仕立て上げられてるのが平太。悪役は殺し屋の元締木暮屋、そして催眠術の使える升蔵(表の顔はうなぎ屋で平太はその店の見習い)
木暮屋の女房がお冬、過去に店に盗賊に押し入られて両親が殺され、その際助かったのがお冬と番頭宗兵衛、二人が夫婦になり、宗兵衛が主となったという経緯
そしてその際お冬の弟一平は盗賊に連れ去られていて、それが平太なのだった
殺陣に至る場面、直前で催眠術をかけられた平太がお冬を殺そうとしており、しかし最終的にはお冬の呼びかけに心が動きそれを実行できず術から覚めた。金さんも出てきて「それでいいんだ」などと言っているところに、小柄が飛び平太は死んでしまう(死んでおらず白洲で途中から呼び出されて登場するが)。という風に金さんとお冬が直前まで一緒にいるのに、なぜかお冬のみが悪役のところへ行く。これも第11話のように金さんの台本ということなのだろう
井上茂、結城市朗と以前の時代劇でよく見た顔が出ている。前者は催眠術師ということで異様な顔つき、扮装での登場、一方後者は居酒屋店主、かつては悪役専門だったが、人情のわかる好々爺という風貌で味わい深い

*0325
すでに公表されていたことのようだが見栄晴が癌で闘病中であることを知った
18 12月1日 幽霊に惚れた同心
お秋/松永麗子
小田切一角/近藤洋介
内藤主膳/外山高士
佐平次/佐藤京一
弥七/遠藤憲一
お光/目黒仁美
サブタイトルは半九郎のことを指している。というわけでそれなりに半九郎フィーチャー回
幽霊が出るとの噂で名がついた幽霊坂、そこを通りかかった半九郎、本当に出た幽霊、地蔵に向かって祈っている若い女、それを半九郎は怖がりもせず惚れてしまう
その幽霊坂地蔵前で般若面の鬼吉が殺されていた。顔は滅多切りにされ判別できなかったが背中の立派な般若の刺青が決め手となった。鬼吉は阿漕な金貸しで恨んでいる町人が大勢いた
が、これは違うと呟く若い男、弥七。その言葉に疑問を抱き、そのことを尋ねる若い女。これはお秋で、幽霊の正体。お秋は家に押し込みが入り父親を般若面の鬼吉に殺され、しかしなぜかその件は母親の仕業とされ死罪となってしまい、両親を失っていた
弥七は彫り物師であり、その師匠が鬼吉の般若刺青を彫っており、それを覚えていた。そしてその死骸が鬼吉でないことを悟ったのだった。常に苛立っている男で、お秋をも邪険に扱っていたが、そのお秋の人柄に心を動かされ、半九郎にそのことを証言するも、殺されてしまう
近藤洋介、この松方版金さんでは各シリーズにメイン格で出ており重用されている
南町の吟味方筆頭与力。実は本当の般若面の鬼吉。お秋の母親の裁きをしたのも彼である
遠藤憲一、前シリーズでいい演技をしていた。ここでも存在感あり。
外山高士が出ている場面は場内で遠山を含め三人で打ち合わせているというもので、多分南町北町両奉行とその上役の老中といったところであろう(この三人のほかに小田切も呼ばれて意見を言っているが)。で外山が老中役っぽく、南町奉行は中村嘉葎雄の鳥居ではない
弥七殺しの疑い(半九郎が弥七からその証言を聞いても取り合わず喧嘩別れをしていたがその直後に弥七は殺され、間の悪いことに半九郎は証言を聞き直そうと弥七のところへ戻って行った)をかけられた半九郎を必死で弁護するなど、いつもいがみ合っている本間が優しさを見せるとう形で目立っている
小田切の背中の般若の刺青が大きな証拠となるわけで、白洲では遠山桜がいらなくなるんじゃないかと心配した。まあその通り小田切は白洲で服を剥がれ背中の般若の刺青を開陳させられるが、こんなものが証拠になるかいとそれに怯まず悪人たちは騒ぎ出し、遠山桜となる

19 12月8日 水晶占いの母と娘
お袖/佐野量子
知念志野/山口果林
土井駿河守/岩井半四郎
大島豊後守/浜田晃
仙波屋惣右衛門/立川三貴
辰巳屋市兵衛/高野真二
鏑木采女/有島淳平
海野玄蔵/崎津隆介
堀田摂津守/若林豪
占い師志野、冒頭に幕府の工事計画(印旛沼開削工事)が失敗する云々と占う。と、ここで志野は悪役かなと思ったのだがさにあらず。本当にそういう力のある占い師(金さんとの対面で「遊び人」と称したのを嘘と見破り、ただの町人ではないこと、そして桜の刺青まで当てている(※))で、老中首座土井が志野の水晶占いに心酔しているというキャラ。そのことに目をつけた悪役が、工事を行うという決定を土井にさせるため、占い結果を曲げろと強要するというようなストーリー。(※)白洲、遠山桜で正体がわかったときには一応驚いている
志野には乳飲み子を捨てたという過去があり、江戸に来て七年間に渡り娘を探している
その娘がお袖、お咲の友達ということで、お咲に誘われ志野の占いに並ぶ(並んだだけで結局は占ってもらっていない)というところで、志野と対面、といっても母娘だということには気付かないが
志野は琉球出身というこで三線で琉球民謡を歌う場面がある
悪役は普請奉行大島、そして土木請け負い業の仙波屋
手下が忍の海野玄蔵の一団、これについてはさして多くは描かれないが、この作戦に成功したら取り立ててもらえるという約束があるようで、時代劇において忍が登場するときにはよくある設定
また忍のことなら沢庵が詳しいだろうと、沢庵がその武器から使い手を吉川から尋ねられている場面があり、当たり前だがまだ沢庵が忍の血を引いているという設定は継続
この回はお紺が出ていない。。第9話以降で数回あったが、今回はお紺が不在であることを金さんが話題にしている場面がある
土井駿河守/岩井半四郎がゲスト三番目に出ているが、登場シーンは1回だけ。岩井半四郎は松方の義父である
高野真二、出番少な目、仙波屋に工事を入れ札でなく談合にして自分のところに譲れと言われ断り殺されるという役。だいぶ老けた

20 12月15日 夫の情死を探る妻
お梶/岡まゆみ
淀屋忠兵衛/小瀬格
原田伝八郎/大林丈史
むささびの三次/宮内洋
石川堂/園田裕久
お仲/久仁亮子
筧半兵衛/五味龍太郎
湊屋宗助/水上保広
おせん/四天王寺紅
おくめ/キムラ緑子
油問屋湊屋がおくめという夜鷹と相対死。それが起きる前に半九郎、三五平、そして金さんはこの二人が大勢の行きかうところで喧嘩しているところを見ていた、という始まり方
悪役は南町与力原田、湊屋の商売敵淀屋。淀屋は湊屋と油の値上げを巡って意見が対立、問屋組合総肝煎の湊屋を殺して自分がその地位につこうとしていた
ストーリー的には殺陣に持って行く場面がご都合主義的。殺陣の前に善玉が悪役に捕まり、善玉が危機に陥ったところで金さん登場となる。今回の善玉お梶だが、その場面の前にキーとなる夫が残した訴状をやっと見つけたと金さんに話し、金さんと二人で家へ戻ってそれを見ようとしたら、家が荒らされていて、その訴状もなくなっていたという展開。これでお梶側は万事休すだし、悪役たちは、これ以上お梶を連れてきてなにかさせる必要はない。となると、お梶が悪役に捕らえられる理由もなく、どう持って行くのかなと思っていると、そこにさしたる理由もなく悪役にお梶は連れられてしまい・・・、という展開でちょっと呆れた
福本清三ノンクレジット、殺陣、白洲
岡まゆみ、前のシリーズにも出ていたと思うが、理不尽な状況に耐える女房みたいな役が多い印象。もっと昔のものだとコメディなんかも得意そうな印象なのだが
キムラ緑子、クレジットは下の方で、端役だろうと想像。夜鷹が何人か出てくる回で、途中の乱暴な言葉を使ってる夜鷹がそうかなと思ったが、見終えてから、役名見直して、わかった。最初に殺されてしまう役ではあるが、ストーリーの発端となる部分であり、また派手な演技(町中で湊屋に因縁をつける、自分を滅茶苦茶にされたと叫び通りかかる人の注目を集めている)をしている。
水上保広、いつも冴えない役というイメージの人。父は阪東妻三郎だが、田村兄弟とは異母兄弟という間柄である。そこと関係がよければもっといい役が与えられそうだが、どうなんだろ
ここでは序盤に殺されてしまうという役柄ながら回想シーンも多く、また立派な人物だったというキャラ
園田裕久、いい爺さんになっている。象牙細工師。現場に落ちていた細工ものが誰のものか沢庵が調べる中で辿り着く。最初不愛想だが、沢庵が遠山の名前を出すと、遠山の不良時代の仲間であったと明かしニコニコと沢庵にその細工の注文主を答える

*0326
21 12月22日 情けが仇の美人局
お絹/未來貴子
木村隼人正/睦五朗
小暮信三郎/内田直哉
岩吉/冷泉公裕
小宮山鉄舟/内田稔
森平八郎/宮内洋
源太/目黒正樹
お光/目黒仁美
小夜/百地千寿
大黒屋松蔵/伊吹聡太朗
黒川仙十郎/大村健次
大久保利秋/若山騎一郎
兄妹というのがテーマなのだろう、二組登場し、さらに源太とお光も登場。お光はよく出ているが源太のほうはこれで三度目の登場、城へ上がってしまいそう頻繁にも出られないか(といっても城を抜け出したと言って登場してるので、それを毎回やればいいだけではある)
藩を出奔した小暮信三郎と妹小夜、小夜のほうは少女というくらいの年齢
一方男勝り威勢のいい魚行商のお絹と小悪党の兄岩吉。二人は組んで美人局なんかをやったりもしている
事件は小暮が元いた藩の蔵米横流しで悪役は留守居役木村と配下の森平八郎、そして横流しを受ける大黒屋。小暮がその証拠となる書類を持って出奔したため狙われるというストーリー
伊吹聡太朗、ずいぶん下の方のクレジットだが、メイン悪役のひとり。
若山騎一郎はチョイ役。この事件の裏に藩の後継争いがあり、木村が推している妾腹の弟という役。このエピソードは蛇足にも思えるし、まあそういう背景があったという説明程度で、その一場面だけの扱い
殺陣の最中に御用提灯を持った捕り方が駆け付ける場面が挿入されるのだが、ちょっとこれは珍しい演出であり、また、駆けつけた捕り方が、二階に追い詰められた悪役を煽る場面はこれまでにない豪勢さ
普段の殺陣では金さんが悪役全員を打ち据える(殺しはしないが)のだが、今回はメインどころの悪役を二回へ追いやってはしごを倒して閉じ込めるという形で彼らが打ち据えられないという意味ではこれも珍しい
森平八郎は木村の配下だが白洲では下に座らされている。身分が低いからということだろう、裁きでは木村とともに「評定所より・・・」とされている

22 1995年1月12日 還暦祝い毒殺事件
遁兵衛/坂上二郎
柳川梅雪/松橋登
水神の寅蔵/石山律雄
お時/一柳みる
おきよ/柴山智加
伊之助/西田良
お光/目黒仁美
門倉/石倉英彦
近江屋/芝本正
瓦版屋/多賀勝一
おくめ/新海なつ
遁兵衛は引退間近の岡っ引き。その遁兵衛が恩のある近江屋の還暦祝いに酒を送るも、その酒に毒が入っており飲んだ店の者皆が死んでしまう、という事件
全員を殺して押し入る盗賊という展開でそこは平凡。使われた毒は最初石見銀山だと思われたが、もっと即効性のあるもので、トリカブトではないかと探索が続く
そのトリカブトの絵を見た遁兵衛が自分が治療を受けている梅雪という医者の庭でそれを見たことを思い出し問い詰めるという風に展開していく。こn問い詰めに金さんも同行していて、反論されすごすごと戻る。こういう演出にしちゃうと、殺陣に持って行くため遁兵衛が再度悪役のところへ行く理由がつけにくくなる。ここでは遁兵衛をおびき寄せるため、娘をさらい脅迫状という流れで、それは遁兵衛を抹殺しなければならない悪役たちの思惑もあり、自然ではあるのだけど
ストーリーとしてはこれまでのこのシリーズでの各作品に比べて驚くほど平凡。もちろんそれだけではもたないから、途中悪役側の関係者が二人順次殺されていくが、ここも平凡
見どころは坂上二郎くらいかな
西田良という人は長年時代劇で活躍しており、このころそろそろ大物感があってもよさどうだが、そう考えると比較的軽い役、白洲で二番目の列、盗賊の頭寅蔵の二番手当たりだし
芝本正は序盤で亡くなってしまうという役ではあるが、この作品のオープニングを飾るとでもいおうか、還暦祝いで赤の帽子とちゃんちゃんこでにこやかな顔がアップになっている

23 1月19日 大陰謀! 紫頭巾の女
お景/入江まゆ子
霧右衛門/織本順吉
闇の鳶蔵/西田健
長崎屋宗兵衛/田口計
黒田主膳/唐沢民賢
瓦版屋/多賀勝一
遠山景晋/大木晤郎
君香/塚本加成子
鳥居甲斐守/中村嘉葎雄
堀田摂津守/若林豪
前回の平凡なストーリーから一変してかなり力の入った作品
ゲストでの登場人物が三つに分かれる感じになっていて、そこが使う使われる、騙す騙されるというような複雑な関係
遠山の異母兄妹お景(終盤で実は遠山の異母兄妹ではないことが明かされるが)が登場。これは盗賊であり、遠山憎しと教えられ育ったことから、遠山失脚のための事件を起こすことになる。祖父が霧右衛門、つまりお景の母親君香の父親で、これも盗賊。捕らえられ島から帰ってきてお景を仕込んだ
その兄妹、名乗りは上げていない段階で思わせぶりに会話をする部分はなんだか不自然
長崎屋は遠山父から金とともに君香とお景の世話を頼まれるも、君香を殺しお景に遠山を憎めと育てた
そして遠山失脚を画策するのはお馴染み鳥居。この鳥居、中盤で公儀御用達を願い目通りを求める長崎屋を役目は終わったと冷たく言い放っており、これでこそという感じ
鳥居が出ている回は殺陣の場面の後、鳥居と金さんがちょっと言葉を交わす場面があるものであるが、今回は剣を交える。ここは迫力があってよい。鳥居は怪我をさせられている
そしてその鳥居、ラストでは南町奉行を辞任したと遠山が白洲で言っている
この回にもお光:目黒仁美は出ている。ウィキに掲載されていないが。これは多分、普段はゲストのところにクレジットされているのだが、今回はレギュラー枠(※)に並記されているため
(※)
清次:須賀章 お咲:沢南海子 豆八:佐藤好広という風に普段は並んでいるが、今回は沢と佐藤の間に目黒仁美が入っている
そしていつの間にか豆八:佐藤好広が登場している。疋六:宮路佳具との入れ替わり。疋六が出番は多いがあまり目立つような演出がなされなかったため、あまり顔を覚えておらず、まったく気付かなかったのだが、このシリーズは途中から疋六か豆八のどちらかが出るようになっていたようだ。
そして疋六の最終回は20話で、この回は珍しく疋六に見せ場があり、それはウィキにも記述されている「第6シリーズ第20話では、桜湯で上司の吉川瓢兵衛の悪口を言ってしまうという失態を犯した」という場面。これが彼の最後の出演場面である

お光:目黒仁美は準レギュラー、クレジットはゲスト枠(最終回のみレギュラー枠でクレジット)

これまでのシリーズも含めてのことだが、話の展開が他の時代劇より早いように思う、そしてそれは多分終盤の殺陣が始まる前のところで「冥途の土産に聞かせてやろう」と種明かしがあり、その後殺陣白洲とここに結構時間を取るが、ストーリー的には種明かしのところで終わっておりそれゆえ、話を早く早く進めなくてはならないのだろう

(※後述)
OPについて
桜の映像と書いたが、後半は白洲の映像、つまりこれまでのOP(桜の映像)とED(白州の映像)を組み合わせたもので、その切り替えもちょうどキャストクレジットが終わり、スタッフクレジットになると白洲の映像になる
長さは約1分30秒。これまではOP約1分、ED約1分15秒(第5シリーズで調べ)

名奉行 遠山の金さん5(松方弘樹主演) [時代劇]

オリジナル放送期間 1993年3月4日 - 12月16日
11/01(水) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第五シリーズ 第1話「桜吹雪が泣いた!」
12/13(水) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第五シリーズ 第31話「帰って来た暴れん坊」[終]

1 1993年
3月4日 桜吹雪が泣いた!
笹木辰之進/布施明
綾乃/中野良子
森谷美濃守/青木義朗
岩見内膳/内田勝正
南海屋徳兵衛/小林勝彦
伊勢屋久左衛門/唐沢民賢
仁吉/江幡高志
小野但馬守/水上保広(役名なしクレジット)
堀田摂津守/若林豪
シリーズもの続編を見る際の俺の好み、前シリーズを見終えすぐ今シリーズ第1話を視聴
第3→4シリーズを見た際の印象止まった区同じで、レギュラー陣の一部に変更があり、それに伴い、舞台設定、つまり金さんのたまり場も前シリーズから変更になってはいるものの、演出、作風、出来はほとんど変わらず、同シリーズにようにさえ感じる(大きな意味では同シリーズではある)。
そしてその理由の大きな一つが、OPとEDがまったく変わっていないことにあるのも、前のときと同じ。OPはまったく変わっていないと思うが、EDでは映像が白洲の映像だが、ひょっとして一部マイナーな変更があるのかもしれないが、それを見比べるほどの熱意はない。
さて、第1話、出来がとてもよい。今まででベストかも、と思ってしまった。メインゲストが布施明で、俳優メインの人ではないし、その演技に魅せられたということでもないのだけど、彼中心のストーリーでそのストーリーがとてもよかった
問屋組合を解体して、南海屋と伊勢屋に大きな権利を与えるという老中森谷の計画という悪事。
笹木辰之進は遠山の旧友、そして彼の妻綾乃を巡って木刀で試合もしていたという因縁。その辰之進は、目の病気になった綾乃の治療代のために、この悪事の片棒を担いでいた。
冒頭芝居小屋の火事で、その悪事を暴露しようとしていた小野但馬守が殺されるが、その火つけをしたのが辰之進。
こういう悪事をしてしまった善玉というのが前シリーズの終盤にもいくつか出ていたが、時代劇のありきたりパターンの中では善悪割り切れない部分がありいくらかストーリーにコクが出るように思う
辰之進は最後の殺陣の前までには金さんとは対面しない。遠山が対面する場面はある。その前の場面でお紺に対し、辰之進が遠山のことを語る。何をやっても遠山には敵わず、自分はいつも二番だった。そして綾乃に対する恋の決闘でも遠山はわざと負けることで勝っていった。その後の夫婦生活、妻が惚れた男の面影を追っているのがわかるのに幸せになれるものかと愚痴る。しかし辰之進の前に現れた遠山は、その恋の決闘についての真相を語る。綾乃は自分の夫は辰之進以外に考えられない、それが叶わぬのなら自分は死ぬつもりだと遠山に対し負けてくれるよう頼んでいたのだった。
殺陣のところでは、最後に改心した辰之進が悪役のところに突っ込んでいき、そこへ金さん登場、だが辰之進が金さんの正体をわかってることは金さんのほうでもわかっているという展開。
殺陣が終わり北町の捕り方がやってくるところで辰之進から金さんに「さあ行ってくれ、捕まるわけにはいかんだろ」と声を掛けており、これも異例な演出
そして、辰之進は金さん=遠山奉行ということを知っていることになっているので白洲での遠山桜披露でも辰之進は当然驚かず、かすかに笑みを浮かべている。そして裁きの後に、辰之進に向かい遠山が火つけという悪事を行ったものの、最後には、悪党一味の謀を暴いた手柄に免じ罪一等をを減じ・・・とやると、なんと陰腹。
綾乃、中野良子でもちろんうまいが、出番少な目。目が見えないということで、金さんとの対面場面でどうするのかなと思ったが、そこでは気付かず(気付きそうになるという演出はある)、ラストの白洲で辰之進の陰腹を見て、外で待っていたのであろう綾乃が急いで呼び出され、そこで遠山に声を掛けられ、遠山に気付くと同時にあの時の金さんのこともわかるという演出
内田勝正は南町の与力、悪役
水上保広って人は冷遇されてるなあと感じる。あまり大きな役をつけられない。今回は冒頭で殺されてしまう役で、頭巾を被っているので顔の確認がほぼできない
お紺:池上季実子が復帰、クレジットはトメ。桜湯復活。女風呂で女の裸も復活。覗くのは葉隠と二八
沢庵がクレジットで二番目に。斉藤慶子は降板。
これまで出た女密偵キャラでは池上季実子がキャリアも豊富だし一番安心して見てられる
二八が単独表記に。これまでは女のサブキャラ(お初:松本友里など)と並列表記だった。
そして新たに入った女のサブキャラ、お咲:山本恭子は、疋六:宮路佳具、清次:須賀章と三人で並列表記、これまで疋六と清次はゲスト枠の中に紛れ込んでの表記だった
そういや清次って瓢箪の板前だが、ここでは何をやっているのだろう、どこに出てたのかな。ウィキによると、「沢庵が運営する桜湯の2階の貸衣装屋の手伝い」とのこと
福本清三ノンクレジット、白洲で前列にいる。殺陣にもいたのだろう

2 3月11日 お婆ちゃんは見た
お杉/園佳也子
大村重兵衛/和崎俊哉
とびっちょの銀次/長岡尚彦
おきみ/武田京子
猿渡甚内/曽根晴美
大崎弥十郎/宮口二郎
園佳也子という人については時代劇でのメインゲストでよく見るが、詳細についてはよく知らない。個性的な人情喜劇の似合う人。
ここでもそうで、彼女中心に作られた喜劇要素の多い作品で彼女が息子と勘違いする銀次とのやり取りなどが軽快なテンポで佳作。
鬼婆と称される高利の金貸し。息子を亡くしているのだが、銀次を息子の「いのきち」と思い込む。その銀次は押し込み盗賊の見張り役、落としたタバコ入れから捜査の手が伸びるも、お杉が息子はその時間に自分と一緒にいたと証言してくれたことから、捕縛されずに済み、これは都合がよいと、一緒にいることにして、「いのきち」の許嫁おきみもあわせての三人暮らし。
寺子屋の先生大村重兵衛は浮世とは隔絶した世捨て人と嘯くが、実は盗賊黒手組の頭。兄大崎弥十郎が先年黒手組首魁として市中引き回しの上死罪となっており、その後、弟大崎源之丞(大村重兵衛)自らが黒手組を名乗る盗賊を組織したのだった

*0307
3 3月18日 狙われた女盗賊
お辰/渡辺典子
霧の由兵衛/土屋嘉男
加助/三谷昇
三州の万造/浜田晃
仙三/山内としお
相州の源次/中田博久
大原/吉田豊明
役人/福本清三(役名なしクレジット)
今シリーズに入り凝った内容が続く
この回では二つの盗賊組織が登場、金さんは片方に肩入れ、一応殺しをしない盗賊、霧の由兵衛一味と、残虐非道な押し込み盗賊、三州の万造一味ということになる。前者は娘のお辰、加助、仙三の四人組、後者は配下に相州の源次とさらに多数という陣容。
霧の由兵衛は薬を仕込んで煙を発生させ住人を眠らせてしまい、その隙に盗みを働く。この技術がほしくて、万造が仲間に入るよう強要という展開
その二組が押し込みをやっているところに金さん登場という展開になり、どう決着をつけるのやらという感じ。由兵衛一味は万造の殺しを止めさせようとして由兵衛と加助が殺される。白洲へは善玉側席にお辰と仙三だが、遠山桜披露後の裁きで仙三も二年の寄場送りの罰を受け、「引っ立てえぃ」で引っ立てられていくというのも善玉側席から引っ立てられるというのは珍しいパターン。まあもちろん罪を犯したのだから、そうしないとしょうがない。お辰は江戸中利子法所払いという軽い罪となっている(最後の押し込みには人質に取られていたため参加せず、その縛りから逃げ出し、途中から参戦していた)
沢庵、清次による「桜湯の2階の貸衣装屋」だが、そういう場面の描写がこの回にあった。これまでの回にもあったんだろうと思うが、そこを気にして見ていなかったので気付かなかった。また清次は桜湯の手伝いもやっているようで、お紺とともに木材を運んでいる場面があった
福本清三クレジットがあったが見つけられず。そうか役人役か。再度見てみる

4 4月15日 無実の罪に泣く女
お雪/杉田かおる
島田順之助/誠直也
水野精十郎/佐藤仁哉
市川三之丞/原口剛
松浪彦次郎/遠藤征慈
お町/中尾麻祐子
岡田豊蔵/稲吉靖司
金貸し源兵衛が妾お町の家で殺され、その近くで泥酔していた島田が捕らえられる。島田の刀には血糊、また島田は源兵衛から金を借りて金利も嵩み取り立てにあっていたという
伝馬町牢屋敷で火事があり、切り放ちとなり、島田は事件を追い、恋仲であるお雪もそれをハラハラしながらも見守る。
島田は事件の晩知己を得た浪人と酒を呑んでいた。その浪人松浪にまで辿り着くも、松浪が島田に斬りかかる。事件は旗本の次男坊水野精十郎、源兵衛から大きな借金をしており、婿入りの話の前にそれが邪魔になっており、取り巻きの浪人松浪市川にやらせたものだった
福本清三ノンクレジット、殺陣
白洲で遠山桜披露前のお約束、金さんがいる、なら金さんを出せがない。いかにもそれをやるタイミングがあるのに。なので、遠山自ら口上に入るという形

5 4月22日 嫁と舅とお目付桜
お美津/岡まゆみ
大和屋嘉兵衛/伊吹剛
多治見市之丞/宮内洋
お仲/朝比奈順子
大和屋伊右衛門/鈴木智
夜鷹/山村紅葉
俵屋惣兵衛/有島淳平(役名なしクレジット)
権田/福本清三(役名なしクレジット)
頻繁にあるわけでもないが、時代劇でこういうパターンは何回か見たことのあるストーリー。二つの殺人事件、どちらも恨みで殺したようには見えず、辻斬りかとなるが、恨みを持つ別の二人が、殺したい相手を交換しての殺人。
お美津は大和屋の嫁。舅伊右衛門とは親娘のようなよい関係を築いているが、亭主の嘉兵衛は素行が悪い
札差俵屋が殺される。若い後妻お仲とは仲が悪かったが一か月前からお仲が詫びを入れ、関係は好転していた。
伊右衛門も殺される。嘉兵衛は始終小言を言われていたが、やはり一か月前に嘉兵衛が詫びを入れ関係が好転した。それを知った遠山がそれに気づいていく
岡まゆみが舅に愛され夫からは疎んじられるという女お美津を好演。最終盤までそのからくりに気付かず、亭主が舅を殺したとの告白にようやく気付くというあたりの演技がよい。
またシリーズ全体としてこの作品は推理ドラマとしてはさしてわくわくはしないので、白洲の場面で見事な推理が展開されるみたいなことはなく退屈なのであるが、この回は彼女の演技がよく、楽しく見れた

6 4月29日 涙の仇討! 二度裏切られた女
三枝千草/藤田佳子
三枝和馬/鷲生功
村田主膳/西田健
桂木清秀/玉川伊佐男
橘屋源蔵/岩尾正隆
榊原図書/中田浩二
岩井仙十郎/中村孝雄
原口竜之進/石倉英彦
六助/阿波地大輔
常吉/五十嵐義弘
なかなか凝った作品。よい作品が続く
仲睦まじい浪人三枝和馬と妻千草。桜湯近くの長屋に住み、桜湯にも通っている。
その和馬が殺され千草が姿を消す。
この背景に旗本同士の出世争い。
和馬は榊原図書の家来。榊原は小普請支配の職を約されていたが、中間六助が屋敷で賭場を開いたという不祥事でそれが取り消され、代わりに小普請支配に就いたのが村田主膳。
和馬は榊原とは関係ない立場を装うため浪人に姿を変え、この件が榊原を陥れるための罠であるという疑いを探っていたのだった
医師桂木清秀は腕も良く、多くの旗本の家に出入りし、別の汚れ仕事も請け負っていた。その清秀が村田の依頼を受け、口入れ屋橘屋を使って六助を中間として榊原の屋敷に派遣していたのだった
中田浩二は悪役ばっかりやってる人、この回のこの人がキーだと思う。中盤まで出番は少なく、そしてストーリー的には追い落とされたかわいそうな人みたいな扱いで、なんだか変だなあ、と。だが、この人を使ってるのだから、やっぱ悪役になるよね、という展開。善玉が悪役にとらえられピンチというところで金さんが入ってきて殺陣となり白洲へと繋がるのがお約束で、それは終盤にあるのだが、この回では中盤にそれが出てくる。早すぎるなと思ったが、それは千草が妾になって清秀の覚書を盗み出した場面で、清秀の館で取り囲まれ、そこへ金さんが入ってくるのだが、その後に以下の展開があり、結局いつもの終盤の殺陣は、悪役勢揃いの場に千草が決死の覚悟で乗り込んでいくも返り討ちになりそうになり、金さん登場となる
千草が決死の覚悟(清秀の妾になっている)で盗み出してきた証拠である清秀の悪事覚書を手に取り、その証拠を千草の思いと異なる使い方、それを出世の道具(小普請支配というのは旗本を役に就けるという職であり、その証拠の品を小普請支配の村田に提示し、自分を作事奉行に推挙することを強要)にしようとし、悪役へと変貌していくところが見もの。最後は千草を殺そうとし、その際に村田主膳も桂木清秀も唖然とした顔がちょっと映るのが面白い
また、面白みとしては、悪役が三組いて、それらのうち、榊原と村田は共謀していないということ。桂木清秀と橘屋も村田配下というわけでなく、金で依頼を受けてるだけで、仲間というわけでなく、最終的には双方の使い走り(榊原が村田へ覚書を証拠として談判する際)みたいなことになっているという今シリーズにしては複雑な構成
ただ、こういう旗本同士の争いに町方の白洲で裁くというはちょっと無理があり、まあ白洲に座らされてるのはメイン悪役ではない桂木清秀と橘屋である。
福本清三ノンクレジット、白洲。多分殺陣にもいたのだろう、顔はよく映らないが倒れ方でそれっぽい人がおり、次の白洲の場面で同じ衣装だから多分そうだろう
前回はクレジットありだったが、出番はほぼ一緒、前回は白洲でやんやとヤジを飛ばしておりセリフがあるからクレジットありか。前回の場合はそれ以外にも序盤の殺しの場面でも顔が見えるし、ならず者の一味のリーダー的存在っぽくもあるからか

*0308
7 5月13日 殺し屋を狙う謎の若君
石川総之助/井上純一
お糸/本田理沙
井筒屋仙右衛門/睦五朗
朝吉/市川好朗
勇次/倉田健
寅吉/森章二
堀田摂津守/若林豪
下館藩の若君が自分の立場への不満から屋敷を抜け出し浪人として江戸の市中へ。そこで下館出身若い女掏摸お糸と知り合い、お糸を救おうと躍起になる
一方、呉服問屋が殺され、また岡っ引き寅吉が殺され、金さんはその殺しが殺し請け負い稼業によるものと睨む。
終盤の殺陣、善玉が危機に陥り、金さん登場となるのが通常。今回は金さんがお糸に命じて悪役のところに入っていっており、お糸は金さんが助けに入って来てくれるということがわかっているという風に打ち合わせ済となっている
福本清三ノンクレジット殺陣

8 5月20日 白い肌に溺れた与力
お凉/北原佐和子
兵藤外記/川合伸旺
綾小路運慶/立川三貴
妙玄/久富惟晴
お滝/三島ゆり子
桂月/久仁亮子
薬種問屋駿河屋が化け物に殺された。
駿河屋女房のお滝は新興宗教「おたすけ宗」に嵌っており、夫の死後、駿河屋の財産全部をおたすけ宗巻き上げられた
吉川はおたすけ宗に潜入、そこで信者のお涼と知り合い、家に入れて溺れる(女房は田舎に帰っている)
という風に新興宗教を扱った回。まあ新興宗教というのは今だけの問題でもないのだろうけど、それに嵌った信者が悲惨な目に遭うとか、信者が脱会して告発する(お涼)とか、現代的トピックを扱った回ともいえる。必殺でよくそういう作品はあったが、あれほど露骨な演出はない
悪役は教祖が立川三貴。寺社奉行所吟味役兵藤外記を川合伸旺

9 6月3日 花嫁に化けた女目明し
投げ縄お俊/大沢逸美
眼力の国蔵/小林昭二
武州屋嘉兵衛/有川博
鮫州の政五郎/伊吹聡太朗
寅辰/佐藤京一
木曽屋清右衛門/高野真二
お雪/秋月美有紀
お小夜/桂木麻智
堀田摂津守/若林豪
材木問屋木曽屋の娘お雪が殺された。
お雪は老中阿部の嫡男のところに嫁入りする予定であった。老中阿部と木曽屋がそういう関係になると、木曽屋と同じく江戸の二大材木問屋の一つである武州屋は仕事を取られてしまうと危惧しての殺しであった。
お俊はお雪と仲の良い友達。そして岡っ引き眼力の国蔵の娘。お雪の仇を取ると、十手持ちになりたがるお俊、そのお俊はお雪がさらわれる現場を見ており、唯一の目撃者でもあることから吉川はお俊を十手持ちに採用してやる。というような内容
お俊と楠菊太郎のほのかな恋なんてのも描かれる。
サブタイトルの意味。武州屋は堀田のところに、阿部の嫁候補をお見合いさせたいと申し出るも、阿部の嫡男の嫁はお雪の妹お小夜に決まったといい、その見合いの時刻を教えてやる。これは罠で、お小夜の駕籠をさらう武州屋、だが駕籠から出てきたのはお俊だった。という風に展開
ラスト。お俊は見事に仕事を果たしたのだから十手持ちとしてこれからがんばれよみたいな遠山の言葉かなと思ったが、そうではなかった。今の時代なら問題になりそうな、そしてこの頃制作のドラマなら当たり前ともいえそうな、女性蔑視的セリフ。女性蔑視だと言い過ぎかな。女性の役割固定化とでもいうか。お俊には十手より花嫁、早くいい婿を見つけて子供を産んで、国蔵の後を継がせろ、である
福本清三ノンクレジット殺陣
大沢逸美、時代劇で何度か見ていると思うが、毎度同じような役のような気がする。これは彼女のボーイッシュなアイドルというタレントイメージが強烈すぎるせいだろう
小林昭二ってのは善玉悪役どちらもできる。そしてそのどちらをやっても自然で、それゆえ見てる側としても印象にさほど残らないがそれだけうまいのだろう

10 6月17日 牢獄に放火する女
おりん/二宮さよ子
酒井修理/長谷川明男
大原総八/石山律雄
迫吾平/赤塚真人
太田庄兵衛/頭師佳孝
虎八/坂田金太郎
およし/前野有香
六助/峰蘭太郎
なんかピンとこない話。
牢屋へ入るとき牢名主に渡す必要のある「ツル」と呼ばれる金銭がテーマで、それの意味がよくおれにはわからなかったからだろう。
酒井修理は旗本で遠山を失脚させ次の奉行を狙っている。大原は牢屋の同心で、酒井からの依頼で、遠山の管轄である伝馬町牢屋敷に不祥事を発生させようとしている。火付けを行うよう言われており、でも自分がやるのは嫌だから、と人に振っては失敗、サブタイトルの意味も、おりんがそれを依頼され、放火しようとしている件である
牢内の人間が外の人間に依頼するツルを仲介する仕事(「ツル取り」と言われている)をしていた牢屋敷の下男六助の女房、六助が殺され、真相を探るため自分もその仕事を旧知の牢屋の同心に頼み込んで始める
比較的沢庵が活躍する回。普段なら金さんがやってしまうような仕事を沢庵がやっており、おりんとも仲良くなり、最後の殺陣、ここも普段は金さんの独擅場だが、沢庵も登場する、さして活躍はしないが、金さん以外が善玉側として出てくること自体が珍しい。
長谷川明男、少し瘦せていて病気でもやったかなという感じ

*0309
11 6月24日 公金を横領した武士の妻
八重/一色彩子
尾形栄之助/冷泉公裕
田宮十三郎/横光克彦
赤不動の伝蔵/深江章喜
権藤兵庫/本郷直樹
お粂/林優枝
サブタイトルを読み違えた。おれは「公金を横領した」のが「武士の妻」と読んで、そういう悪女の話かと思っていたのだが、「公金を横領した」のは「武士」であり、その「妻」がどう行動するかという話。
そしてその「公金を横領した武士」が尾形で、その妻が八重となる。
藩が取り潰しになり、そのどさくさにまぎれ、勘定方の数名が五千両を横領、そのうちのひとり尾形がひとり金を隠し姿を消す。
その尾形と金さんが屋台で酒を酌み交わすという場面が冒頭で、その尾形というキャラの茫洋とした人の良い言動、が公金横領をしていたという展開になり少し混乱。この尾形は善玉か悪役か。
結果尾形は善玉、殿様の乱行(吉原で花魁を斬殺)で取り潰し、一方庶民は貧乏で娘が吉原に売られということに憤慨し、その横領した金で娘たちを助けていたのだった。
とこういう風に展開するのだが、でも尾形、一緒に横領した仲間に追われることになり、その仲間を殺している。本来山分けして自分の取り分で善行をやりたいならやればよく、独り占めするのはどうなのか、さらにいえば、こういうことをやっていこうと仲間に相談するとかそういうこともしておらず、結局は独り占めし、仲間割れをし、そのお宝を巡っての争奪戦となっているというだけの話でもある
金さんは尾形と酒を呑んで知己を得ており、その後尾形が殺される。そのことを吉川と話しているところに楠菊太郎が報告にやってくるという場面がある。そこで報告を受けた後、尾形の印象を語っており、これは変。楠菊太郎に金さんが出会った尾形の話を聞かれてしまっている。
でもこんな場面これまでにあったのではなかろうかと思うくらい自然にそういうことをやっている

12 7月1日 女の闘い! 風呂屋乗っ取りの罠
お三輪/川島なお美
近江屋宗右衛門/福田豊土
相模屋与七/内田直哉
お勝/松井紀美江
但馬伝五郎/五味龍太郎
お陸/小柳圭子
元相模屋の後家/北川めぐみ
仁造/福本清三
川島なお美、悪事に加担しており終盤まで悪役側だが、最後に心変わりで善玉側へ。彼女の俳優としての、というより人気タレントとしての格から、悪役はやらせられないということか。
お三輪はお紺に許嫁を取られたと逆恨みしている女で、それを桜湯乗っ取りを狙っている悪役に利用されるという役。お三輪は桜湯に通いお紺に近づく一方で、嫌がらせをして湯屋株を欲しがってる人がいると仲介する。
福本清三は役名ありのクレジットだが、役は通常と同じ悪役一味の大勢いる殺陣要員のうちの一人(殺陣の前にも少し出ていたが)、でも比較的殺陣の際よく映っており、セリフも殺陣、白洲の場面でともにある。もちろんストーリーを引っ張っていくようなセリフではなく、単にその場の賑やか師程度だが。
小柳圭子は桜湯に通う金貸し。お三輪が桜湯に持ち込んだトカゲを湯の中から発見し騒動になるというような役。この場面ではちらりと乳首も。
その後お三輪をトカゲ持ち込みの件で脅し悪役に殺されてしまう

13 7月8日 覗かれた天女の肌
お銀/蜷川有紀
菅谷文之進/森川正太
笠間帯刀/近藤洋介
三河屋佐兵衛/工藤堅大良
大垣伝蔵/石山雄大
黒田又十郎/きくち英一
浅吉/笹木俊志
お玉/吉川加良子
山城屋万造/壬生新太郎
忠兵衛/山田良樹
お清/富永佳代子
ツボ振り/藤長照夫
菅谷文之進は父の仇を討つよう主君に言われ、仇持ちの身だが、食うのに困ってる始末でとうに仇討は諦めている。その菅谷はひょんなことからお銀と知り合うことになる
そのお銀。上方の盗賊朝霧の万吉の娘。万造はとうに処罰されており、その隠し金を探すという名目で自分の背中に天女の刺青を入れ、その刺青に隠し金の秘密が彫られているという言葉で、浪人を集めていた。そのお銀も目的は、父の仇である火盗の役人笠間。これは逆恨みなのか。
そのお銀を狙う笠間は朝霧の万吉を処刑した功績で火盗へと出世
しかし事実は、お銀の父親山城屋万造は商売熱心な油問屋、その貯めた金を狙った笠間が、本当の朝霧の万吉である佐兵衛と組んで、山城屋万造を朝霧の万吉に仕立て上げていたのだった
お銀と菅谷は目的の異なる二人だが、菅谷はお銀の熱意に命をかけて囮となって江戸脱出に協力し、一方お銀は菅谷の優しさに心動かされ、命をかけて捕らえらえてしまった菅谷を助けようとする。など二人のやり取りが見もの。
蜷川有紀は人を寄せ付けないような冷たい表情美人、一方森川正太のほうは飄々とした言動。この凸凹感がよい
それにしても蜷川有紀はすごい美人だ。なんというか他と隔絶した感じもすごい
福本清三ノンクレジット、お銀らが江戸を出ようとする際に、門を見張る浪人の一団のひとり

*0310
14 7月15日 浮世絵連続殺人!
お静/大場久美子
美濃吉/大橋吾郎
歌川国春/菅貫太郎
京華堂栄三郎/河原崎建三
羅門大膳/高品剛
おみね/近江輝子
千代菊/塚本加成子
佃の猪之吉/河野実
歌川貞月/入江武敏
花蝶/田辺ひとみ
人気浮世絵師歌川国春の絵にまつわる疑惑
その弟子、春芳(美濃吉)は芸者花蝶を殺し失踪していた。自害したという噂もあったが、美濃吉の恋人であるお静はその生存を信じて帰りを待っていた
美濃吉が殺した花蝶は国春の女で、その痴話げんかで国春は手に負傷を負い、絵筆が持てなくなっていた
そこで美濃吉は罠にかけられ、花蝶と二人にされ、酔っ払い前後不覚人事不省、その場で花蝶は殺され、罪をなすりつけられ、閉じ込められ国春の代わりに絵を描かされていたのだった。

15 7月22日 桜吹雪の刺青をいれた女
お紋/光本幸子
お千代/市丸和代
升屋長五郎/小島三児
関口刑部/原口剛
桑原源之進/黒部進
伸吉/土井健守
奥村勘左衛門/浜田雄史
次郎八/北見唯一
神田備中守/芝本正
酒と思い出に生きる女お紋。居酒屋で客に酒をたかる毎日。酒をせびる際に、背中の桜吹雪の刺青を見せ、若いころ旗本の若様と恋物語を語る。その若様と恋仲になったが、身分の違いでいずれ別れるならと、嫌われるために刺青を入れたら、若様も同じ刺青を入れてしまい、怖くなって逃げてしまったと。
一方吉川が入魂にしている奥村という神田備中守配下の侍が殺され、残された書置きに、主家を脅す脅迫のことが書かれていた
旗本の不祥事をネタに金をゆるすその組織がお紋の若かりし頃の恋物語に目をつける
お紋の娘お千代は金さんに母のその話は嘘で、お紋は金貸しの旦那に囲われていた。その金貸しを恨んだやくざにお紋が売られそうになったとき、旗本の若様で芝居の囃子方三味線弾き吉村金之丞に助けられたことがあった。その金之丞に惚れたお紋。金之丞の背中には桜吹雪の刺青があった
お紋は焼津の女郎屋に売られ江戸へ戻ったときには金之丞の居場所はわからなくなっていて、その顔も思い出せなくなった。お紋は金之丞を忘れないために桜吹雪の刺青を入れたのだった
お紋はやくざに売られそうになっていた千代を助け育ててやっていたのだった。
その吉村金之丞は遠山であった。
お紋はその恐喝一味に責めたてられ終盤瀕死の状態。金さんは三味線と喉でお紋に金之丞が来たことを知らせ、彼女は微笑みながら息絶える
市丸和代、時代劇顔とでもいうか古風な顔。このころ20歳くらい。役は20歳前くらいの設定か。棒読みっぽいあまり感情の入ってない喋り方だが、それが作品にあってるように思える。市丸和代という名前もなんだか古臭さを感じさせ、どこか歌舞伎一家の家系かなと思ったが、ウィキを見る限りそういう情報はなく、また活躍時期もあくまでウィキを見る限りだが、とても短い
ちょっと興味深いのが7話の本田理沙との対比。7話を見た際に、アイドルがアイドル顔のまま出ていて、現代(あくまで制作当時の)の流行を感じさせるものであった。これよりもっと昔に制作された時代劇だと、あまりそういうのはなく、作品に合った装いに化粧などでさせられており、逆にその当時の現代を感じさせるような、「まま」の装いで出てくるのはそういう意図を感じる場合のみだったと思う(例えばジャネット八田など)
が、これが制作された90年代あたり以降だと、アイドルがアイドル顔のまま出ているというのはなんの意図もなく、それが時代劇の通常設定とでもいうような作りになっているように思う。
そしてそんな中古き良き時代劇顔を見るのは逆にある種の驚きだ。

16 7月29日 獄門台から逃れた男と女
お澄/黒田福美
尾張屋源左衛門/滝田裕介
焼津の千吉/佐藤仁哉
矢助/岩尾正隆
飲み屋の親父/村田正雄
虎三/浜伸詞
沢庵の過去が描かれる。かつて義賊のように、あくどい商家から盗みをやっていた音無の銀次(沢庵)。
銀次の女で盗みを手伝っていたお澄。今は呉服問屋白田屋の女房で一人娘をもうけ幸せな暮らし。それを盗賊焼津の千吉が見つけ、白田屋への押し入りの引き込みを強要、断られると娘をかどわかす。
おれが見た第4シリーズでの設定と矛盾するわけではないが、妹お竜の名前が出てこないのは変
そしてウィキに書かれているおれが見てない第4シリーズ実質第1話であるスペシャル版では「奉行所の役人たちに追われて逃走中に、川で蜆取りをしていた兄妹が溺れているのを見て、見過ごしに出来ずにその兄妹を救出し、結果的に役人たちによって御用となった。その一部始終を遊び人の金さんとして目撃していた金四郎は、銀次とお竜に密偵としてではなく、仲間にならないかと持ち掛けられる」と描かれてるようで、これも今回遠山奉行によって打ち首になったとされているのと多少矛盾。まあ御用になった後は遠山の裁量と解釈すれば矛盾してないけど。
ウィキに「金さんからは「義兄弟の盃を交わした仲」と紹介されることもあり、また自身の過去に絡む事件を単独で捜査しようと動いた時には、その行動を察知した金さんから「俺たちは同じ大きな荷物を背負っているんだ。今さら喧嘩別れする仲でもなけりゃ、歳でもないだろ」と諭され、真実の独白を求められるなど、絶大な信頼を経ていた」とあるのはこの回のこと
沢庵がもちろん活躍するが、お澄との対面の場面はない。お澄はチラッと沢庵を見かける場面があり、一方沢庵はお澄を見つけるからこそのストーリーだが自分か彼女の目の前に現れると迷惑だからと遠くから見ているだけ。
お約束の殺陣の前に、さらわれたお澄の娘を助けるという場面を沢庵が担当している
滝田裕介、ずいぶん老けた感じになっている
福本清三ノンクレジット、殺陣

17 8月19日 花の吉原 二つの顔をもつ女
おすみ/越智静香
玉屋宗兵衛/亀石征一郎
愛染太夫/大塚良重
宇三郎/山西道広
お鹿/荒木雅子
新助/荻野純一
小山田平助/長谷川弘
小紅/想野まり
喜平/大木晤郎
七之助/新島愛一朗
駿府町奉行/遠山金次郎(役名なしクレジット)
吉原が舞台
細見売りの喜平、そして玉屋の花魁の小紅が殺される
小紅の弟新助は小紅からの手紙を金さんに読んでもらっている関係性。小紅が殺されたのではと新助に話す玉屋の小女おすみ。玉屋の秘密が暴かれていく
玉屋の花魁愛染はなんと玉屋の娘、そしてこの父娘は駿府で庄屋を襲った盗賊。その金を持って玉屋を買っていたのだった。喜平は駿府代官所の隠密同心で事件を探っており、同郷の小紅もそれに協力していたのだった。
ちょっと面白いのは、愛染は商家の若旦那に身請けされることに注力しており、玉屋主人のほうは、もうこのままでいいやとこれ以上なにか策を弄することに及び腰というセリフ、ほんの一言だが。
普通悪人というのは人を働かせるものだが、愛染は花魁になって働いているのはなんだか変
殺陣では、通常は善玉が捕まり、そこで問わず語りに悪役が事件の全貌をペラペラ語るのだが、今回はあっさり金さんが出てきて、あの世へ送ってやると言われ、その前に悪事の全貌を聞かせてくれと、珍しいパターン

18 8月26日 外国船に潜入した女
あや/早乙女愛
桑山文次郎/田中隆三
西国屋甚兵衛/天田俊明
梶原伊勢守/中野誠也
柿崎玄之丞/井上高志
楓の方/藤悦子
オランダ船長/ギアンナ・キャラバイン
桑山真吾という藩の物産方が岡場所の女郎と相対死
その死に疑念を抱き、女房のあやが江戸へ出てくる
真吾の弟文次郎もその死の理由を探っていた
話は大奥を巻き込んだものになっていて、白洲の場面では中﨟楓の方も引っ張り出されているが、出番は少なくストーリーの上でも果たしている役割は小さく、そこまで話を広げなくても成立しそうであり、出さなくてもよかったのでは
福本清三ノンクレジット、殺陣

19 9月2日 大奥に消えた殺人者
佐吉/沖田浩之
萩尾の方/鈴鹿景子
お登勢/田中雅子
高田屋治兵衛/久富惟晴
柿田陣十郎/曽根晴美
沢村清十郎/草川祐馬
唐木玄馬/西田良
浪路/鈴木景子
沢村歌之丞/野土晴久
堀田摂津守/若林豪
近々大奥総取締に就任する年寄萩尾の方は町中へ出ては芝居見物をして男漁りをする男狂い。
そしてその役者沢村清十郎が自害、しかし殺しの疑いが。
沢村清十郎に世話になった座付狂言作家佐吉とその妹で大奥で萩尾の部屋子お登勢が真相を探ろうとする。
鈴鹿景子、前にこのシリーズに出たところでも書いたが、なんだか墜ちたなあという感じ。悪役が下とは必ずしも思わないが、ここではどっぷり悪役、ゲストトップでもないし。というあたりにそれを感じる
なお名前がそっくりな鈴木景子は萩尾の方に付いている中臈の役
西田良、制作当時それなりの知名度だったと思うが、ここでは悪役の配下の一人という程度で目立たない冴えない役。
金さんの作戦で佐吉から萩尾に誘いの手紙を出すという場面がある。萩尾が佐吉にご執心ということを聞き出してのことではるものの、ちょっとありえないな展開である

*0311
20 9月9日 狙われた遠山奉行
宮本平八郎/渡辺裕之
兵藤帯刀/平泉成
升屋重五郎/外山高士
お妙/塚田きよみ
片山敬之進/遠藤征慈
老人/岩田直二
神崎周蔵/加賀邦男
村田一角/木谷邦臣(役名なしクレジット)
升屋番頭/大矢敬典(役名なしクレジット)
大内清兵衛/山田良樹(役名なしクレジット)
宮本平八郎は剣の腕で名をあげて仕官を狙っていた浪人。ある道場主と試合をし勝ったのだが、どこからも仕官の口はかからず、そしてその道場主はその試合が元で寝たきりになりついには亡くなる。その娘お妙は父の医者代薬代で借金がかさみ、茶屋へ売られた。
お妙を助け出そうとする平八郎ともう構わないでくれという態度のお妙
一方目付大内が斬られ殺されるという事件が起きる。そこに居合わせた平八郎は大内を襲った三人を返り討ちにしていた。
作事奉行兵藤帯刀は次期勘定奉行職を狙っていたが、大内に自分の悪事を知られ升屋を使い殺したのだった。これは評定所が扱う件であるが、遠山は探索に乗り出し、それを疎ましく思う兵頭は遠山抹殺を考える。
升屋は平八郎の腕を大内殺しの際に見ており、遠山暗殺に平八郎を使うことを考え、お妙を身請けすると言い出す。平八郎はお妙の身請けはやめてくれと申し出て、逆に升屋の遠山殺しの仕事を請け負うことになる
この回のメインの悪役は平泉成と外山高士。平泉はいつごろから人気が出たのか。メイン悪役を堂々と演じている
遠山桜披露の場面で二つほどいつもと異なる演出。一つはこれまでにもあったことだが、金さんを出せという罪人の煽りがないまま、淡々と遠山が遠山桜披露を行う。
そしてもうひとつ、こちらは珍しい。遠山が刺青を見せ、白洲の各人の表情が写り、それは驚いた顔のときもあるし、さほどまだ驚いてない顔の時もあるが、その後金さんが桜吹雪を出した過去の場面が挿入され、そして再度白洲の各人の反応、ここで、善玉側が驚いて「金さん」とつぶやくというのがいつもの流れだが、今回は遠山桜披露、金さんの桜吹雪披露が連続しており、白洲の各人の最初の様子がない

21 9月16日 裏切った悪女!
染香/芦川よしみ
黒田主水正/大出俊
肥前屋宗右衛門/御木本伸介
南条竜之進/南条弘二
清蔵/宮口二郎
中島大三郎/伊庭剛
坂井甚十郎/福本清三(役名なしクレジット)(ウィキには「坂井甚十郎」だが、音を聞く限り「坂井甚九郎」)
芦川よしみ、あまりたくさんは見ていないが、時代劇で見る時はいつもこんな感じの悪女の役だったように思う。そしてそれがとてもうまい。顔は岩井友見、友近ととてもよく似ている。
この回は葉隠が大フィーチャー。この作品の欠点だと思うが、こういう風に他のレギュラーがフィーチャーされる回も終盤は金さん遠山の独擅場になってしまう点。今回もそう
染香という芸者と対面した葉隠、幼馴染おしのだと確信。しかし染香は頑なに否定し邪険にする(中盤以降葉隠を罠にかけるため、コロッと態度を変え、自分がしのだと認める)
染香が典型的な悪女。この回は廻船問屋肥前屋の抜け荷の話でその悪事に南町与力南条を誘い入れたのも染香なら、南条が弱気になり抜けると言い出すと、殺すしかないとなり、神社の裏手に誘いだすのも染香、さらにその殺しを葉隠の仕業とするための仕掛けである煙草入れを葉隠から盗んだのも染香。
その染香が終盤いきなり善玉へ転向。ここらはそのストーリーだけ見ると明らかにご都合主義と言いたくなるはずだが、彼女の演技のせいかまったくそんな風に思えない。悪役に啖呵を切る場面は惚れ惚れする
福本清三、出番多し。今回の悪役は長崎奉行の黒田主水正と肥前屋だが、最後の白洲では黒田は縁側、前列は肥前屋と坂井甚九郎、裁きもこの二人が打ち首獄門で「余の者終生遠島」という風に福本が厚遇? である。下着に赤いものをつけており、それが胸から見えている
ただストーリーとしては肥前屋の用心棒、もしくは浪人として計画に参加ということなのだろうけど、肥前屋の横にいつも控えているといった程度で、そこまでの役割を果たしているのか疑問ではある

22 9月23日 旗本残酷物語 いれずみ侍の涙
須貝平九郎/羽賀研二
須貝英左衛門/垂水悟郎
荒尾能登守/川合伸旺
須貝英之進/鷲生功
おきく/古柴香織
大黒屋長五郎/江見俊太郎
島田左門/梅沢昇
越後屋清兵衛/寺下貞信
吉蔵/広瀬義宣
瀬川陣内/笹木俊志
佳作
須貝平九郎は旗本部屋住み。米問屋越後屋へ居候
兄の英之進は勘定奉行所役人、夜中に越後屋へ詮議にやってきて越後屋の不正の証拠を見つける
父英左衛門は隠居の身
という三者三様の愛憎葛藤が描かれる。
悪役は勘定奉行の荒尾能登守と、越後屋を陥れる大黒屋
荒尾は英之進に組頭の地位をちらつかせいいように動かす
越後屋は自害するが殺されたと疑う平九郎と金さん。越後屋には娘のおきく、居候の平九郎、そして番頭の吉蔵だけが残る
そして大黒屋と繋がっていた越後屋番頭の吉蔵が殺され、そばには平九郎の印籠が
英之進は荒尾の指示で平九郎を処罰する必要が生じ、英左衛門は平九郎に切腹を迫るのだが
結末としては悲劇的で、平九郎が吉蔵を殺していないという可能性が生じ、英左衛門は自分のせいで兄弟が仲たがいさせてしまったことを悔やみ自害
人質になったおきくを助けに悪の屋敷へ乗り込む平九郎、銃で狙われると、英之進が身を挺して平九郎を守り死んでいく
白洲、最後の場面では、平九郎は侍に戻ることはせず、越後屋をおきくと二人で再興していくことを誓う
冒頭の場面は風呂の中で葉隠と二八。二八の肩にちょろっと糸くずのような刺青、だって痛くって、と
そこには平九郎もいて、立派な龍の刺青
平九郎らが桜湯二階で刺青自慢の話をしてると、そこへ金さんやってきてマジギレで平九郎をぶん殴る、ここでサブタイトルが入り、その次の場面では平九郎と金さんが肩組んで千鳥足、越後屋へ戻るという場面で、金さんの激怒のあと、すぐわかりあえたという描写であろう。極端なので変に思えたが優れた描写
中盤の屋台での二人の場面は出色、平九郎が自分の家での立場を話すと、金さんがそれと同じ話を知っていると。知り合いの旗本の話として旗本次男坊で兄は秀才の嫡男、次男坊は二度と侍には戻るまいと刺青入れた、しかし父が亡くなり、家督を継いだ兄と亡くなり家を継ぐことになった、家に戻り見つけた父の日記には自分のことを切々と案じていた
おきく/古柴香織。なんだか素っ頓狂な演技、あまりはまっていない

23 10月21日 笹舟の謎! 歩いてきた幽霊
お菊/山本みどり
文七/丹波義隆
島田監物/北町嘉朗
木曽屋善右衛門/中田浩二
茂造/江幡高志
村上平蔵/石倉英彦
水沢松之進/有川正治
源次/滝譲二
老爺/岩城力也
正太/山崎大聖
平吉/森山陽介
人足の親方/遠山金次郎
居酒屋の客/藤沢徹夫
作事奉行島田と材木問屋木曽屋による賄賂、その見返りに公儀請負の材木の入札価格を知らせるという談合不正
木曽屋手代が殺される。そして3年前にはやはり手代の文七 という男が身投げしていた
文七はゲスト2番目のクレジットだがすでに死んでいるという設定、回想での出演かなと思ったが、実は生きていたという展開
命を狙われたため身投げということで姿をくらましていたのだった
山本みどり、さほど覚えてはいないものの、子供のころおれは見ていた記憶がある。それなりに売れていたと思う。名前を聞いて顔を思い出す程度ではあるのだ
ここでは亭主が身投げしてしまい小さい息子とけなげに暮らす不幸な女というのを好演


24 10月28日 馬と下郎と大福餅
甚平/本田博太郎
根本貞左衛門/品川隆二
兵藤勘解由/成瀬正孝
黒川伝十郎/宮内洋
闇の鬼三郎/高城淳一
おえん/津島令子
助三/若山騎一郎
宮田源之助/桐山浩一
畑中忠左衛門/五十嵐義弘
白狐の三次/矢部義章
剛田/小坂和之
木崎/高木英一
甚平は三春版江戸家老根本家の郎党。馬の世話役。将軍への献上馬春若の世話のため江戸へやってきた。江戸では厩支配で調教役の畑中に世話になっていたが、その畑中が桜湯で殺された
藩の留守居役兵藤による江戸家老根本の追い落とし工作
超個性的な本田の演技が見どころ。馬の世話しかできないといいながら、調教役がいなくなったことで、自ら立候補、馬に乗るのも苦労するが、金さんの心をこめて春若に話してみなという言葉でついに乗りこなし調教を完了させる
そうかあ、家老は品川隆二か。おれは高野眞二かと思って見ていたが。
殺陣では通常金さん一人、善玉に剣の達人がいる場合や、吉川などが手助けすることはあるが、それ以外では手出しすることはほとんどないのだが、ここでは剣など使えないであろう甚平(竹やりで悪役のところへ突っ込んできてはいるが)、吹き矢で金さんを狙っていたおえんを止めるという活躍をしている、まあそれだけだけど

*0312
25 11月4日 罠にはまった盗賊夫婦
文吉/阿藤海
宗像道庵/遠藤太津朗
伝蔵/立川三貴
お順/永光基乃
長崎屋藤兵衛/芝本正
平吉/新島愛一朗
飯田和之助/有川正治
桜湯に出入りする大工の文吉、女房のお順はまだ小さい息子を連れて亭主の仕事を手伝うおしどり夫婦
しかし文吉には盗賊をやっていた過去があり、その名を「寝待ちの文三」、眠り薬で相手を眠らせ仕事をするという盗人だった
その文吉の過去をネタに商家に忍び入りアヘンを置いておくということをやらせ、その後その商家へ探索に入り置いてあったアヘンをネタに恐喝する悪徳岡っ引き伝蔵
アヘンの出どころは奥医師宗像道庵であった

26 11月11日 若年寄を救った女
おとき/辻沢杏子
大島右京亮/山田吾一
紀州屋武兵衛/田口計
仙吉/山口祥行
天城の政五郎/宮口二郎
如月弥十郎/高品剛
堂本源内/福本清三(役名なしクレジット)
堀田摂津守/若林豪
元普請奉行大島、今は無役だが幕閣への復帰を狙う。しかし邪魔なのは綱紀粛正を進める堀田。材木問屋紀州屋、やくざの天城の政五郎を使って消そうとする
かつて堀田のところで働き、後に女郎に売られたところを助けられたという恩のあるおときは、やくざどもに弟仙吉を人質に取られ堀田を呼び出すように言われるが・・・
福本清三は悪役の用心棒で冒頭から出てくるが、中盤で役人に捕まったところで、喋られたら困ると大島から射殺されてしまうという役

27 11月18日 富くじ千両大からくり
宇之吉/柴田侊彦
的場新左衛門/菅貫太郎
お光/志喜屋文
お仙/浅見美那
難波屋藤兵衛/福山象三
米吉/唐沢民賢
指物師の千造が殺され、同じ指物師の宇之吉に金さんは接触するが、宇之吉は金さんに赤ん坊を預け去ってしまう。その宇之吉の周りにもおかしなことが
富くじの箱に細工を仕掛け、自分たちが用意した札を一等の突き止めで出そうという仕切り側の悪だくみ

28 11月25日 過去を背負った二人の女
お葉/南條玲子
おりん/日下由美
相模屋利市/和崎俊哉
喜助/河原崎次郎
長次/遠藤憲一
油問屋上総屋が殺される。上総屋は油問屋組合の総元締
お葉は上総屋の女房、後妻だが娘ともうまくやっている。
お葉が墓参りの帰りにおりんと出会ってしまう
お葉とおりんには人に絶対に知られてはならない秘密があり、もし出会っても互いに知らぬふりをするという約束であった
おりんの亭主はチンピラの長次、二人の出会いを見て、その際のやり取りで二人に何かあると気付き、お葉を脅しに上総屋へに日参、金をせしめるようになる
相模屋が上総屋に大変だろうとやってくるが、実際には総元締の地位を狙っていた
相模屋は長次を使って上総屋を殺していた。そして長次がお葉を強請っていることを知り、その秘密を教えろと迫る。が、長次はそれを断り、そして事件の真相はおれが死んだら書付が奉行所に行くことになっていると脅す。しかし長次は相模屋番頭の喜助に殺される
まあこうなってくると、このふたりの秘密とはなにかということだが、これはしょぼい。内藤新宿で身体を売る商売をしていたというだけのこと。最初に絶対に知られてはならない秘密としたら、もうちょっと悲惨なエピソードでもあるかと思ってしまった。
また、この秘密の告白の場面はちょっといただけない。おりんを人質にお葉に悪役どもが迫るのであるが、その時点で相模屋は上総屋を明け渡せという要求をしているわけで(もしくは総元締をよこせ)、秘密を聞きたいわけではない。秘密を知りたがったのは、それをネタにお葉を脅したかったのであり、それはおりんを人質にしている時点で脅しのネタは手に入れている。
遠藤憲一、後年有名になったからということ前提であるのはわかっているが、なんともすごい存在感

29 12月2日 満月の夜に人妻が襲われる!
お力/立花理佐
お浜/藤奈津子
七之助/片岡弘貴
彦次郎/下塚誠
玄海/大木正司
お政/三浦徳子
了徳/杉山幸晴
小文太/上野秀年
お福/藤田むつみ
月が綺麗に見える名所月の岬に金さんとお紺。その近くで騒動が起ころというのが幕開け
両替商室町屋夫婦が辻強盗に襲われ、女房お浜がこん睡状態に。
しかし、これは旦那の彦次郎が強盗を雇ってやったとの瓦版が出回る
悪役が一杯登場、被害者が彦次郎で、お浜が愛人絹問屋千成屋の若旦那七之助にたらしこまれて、一緒になってやったという悪事、他にお浜を守る婆やお福だとか祈祷をする行者だとか、瓦版屋だとか。
そしてこれらが全員一体なのではなく、七之助、実はこれは長崎無宿音二郎で、その一味は女房をたらしこみ商家乗っ取りの常習一味。お浜、お福は騙された側という風な構図。白洲でそれに気づき、ひと悶着あり、さらに引っ立ていのあとに、お浜が奉行に願い出て、亭主彦次郎と見つめ合う一幕もあった。これがなんのための演出かよくわからなかった、だって彦次郎とひと時でも一緒にいたくないと言っていた悪女お浜である。でもその後のラストシーンで、彦次郎はお浜は根っからの性悪ではない、ただ魔が差しただけだ、室町屋を守りお浜を待つ(遠島)と言っており、そこへの布石だったのだろう
で、この回メインゲストは立花理佐。主人彦次郎と同郷で、彦次郎が出世して女中にと呼んでくれたということを恩に感じて忠義一筋の元気娘という役柄。現代的とでもいうか弾けるような若さが魅力的。最初の登場が室町屋でのお調べに、庭に入ってきた金さんを取っちめる。ほかにも出鱈目な瓦版に腹を立て真っ向から文句を言うなど

*0313
30 12月9日 恐怖! 地震があばいた悪の顔
榊原帯刀/木村元
木曽屋宗兵衛/青木義朗
桂木新八郎/荒木しげる
豊竹綾之丞/森崎めぐみ
千蔵/杉義一
鮫島弥十郎/佐藤京一
川藤/阿波地大輔
藤之丞/桑名優香
ボーっとして見ていたか、悪役だと思っていた木村元が悪役ではなかったという作品で、最初から悪役でないように描かれていたのかも、と見直したが、やはり最初は悪役っぽく描かれるがそれはフェイクというストーリー。善玉への転じる部分があまり劇的でないので、自分もなんとなくボンヤリ見過ごしてしまった。
序盤は桜湯での謝恩寄席で娘義太夫で、豊竹綾之丞、藤之丞が登場、この二人はストーリーでも重要な役となる。そこで地震が起きて、養生所の新築部分が潰れる。手抜き工事のようだとなり、担当した大工、政五郎が自害。という展開の中、政五郎は実は殺されており、この工事での手抜きは誰が行ったのかという筋書き
榊原帯刀は作事奉行、遠山にこの件を詰められ、作事業の管轄、口出すするななどと言っており、ここでおれは悪役だなと思ったのだった。この榊原帯刀の配下で組頭の桂木というのがおり、これは材木問屋木曽屋とのつなぎ役、この三者が悪役だと思いながら視聴
が、じつは 桂木と木曽屋が悪役、榊原は知らなかったという展開。
綾之丞の母親がその事故で亡くなる。そして父親が実は榊原、旗本の次男坊で、芸者の○○との間にあやの(綾之丞)が産まれたときに兄が死んで家に戻ったという経歴。
また娘義太夫の座頭千蔵、序盤は出てこなかったと思うが、もしかして少しは出ていたのかもしれない、でもストーリーに絡んでくるような感じではなかったはず。これは中盤以降急に出てきてそれも悪役の一味、ちょっとご都合主義的登場

31 12月16日 帰ってきた暴れん坊(最終回)
源太/清水健太郎
成島頼母/西田健
およう/松本友里
角屋徳造/浜田晃
小助/岩尾正隆
真岡十郎/秋間登
浅吉/土井健守
浪人/池田謙治
/小船秋夫
富田屋吉兵衛/宮城幸生
/志茂山高也
堀田摂津守/若林豪
最終回メインゲストが清水健太郎。これが予想外に良い。セリフ回しは独特で、例えば松方のような「典型的にうまい」というところとは違うがそのハチャメチャさがよい。清水健太郎、不祥事でキャリアは絶たれてしまったがもったいない
堀田が藩主を務める佐野藩、特産物佐野紬の横流し疑惑。紬問屋富田屋が殺され、犯人に江戸からの流れ者源太があげられてしまう。源太は二年前に騒動を起こし所払いとなっており、それが江戸へ戻ってきた途端のことである
源太に罪を被せるための策を講じていたのは佐野の岡っ引き小助、悪事は勘定奉行成島と紬問屋角屋によって仕組まれたものだった
福本清三ノンクレジット、中盤に悪役配下の一人として登場、白洲にもいた、白洲にいたなら多分殺陣にも

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この作品の難点
終盤がちっとも面白くない
お約束場面の連続。水戸黄門だってマンネリだと言われるが、そのお約束場面というのは殺陣と印籠披露
こちらは金さんの殺陣から白洲全部がストーリーとしては面白くなく。殺陣の前に悪役が真相を吐露し、ここで全部わかってしまうので、白洲の場面で遠山の冴えた推理が炸裂みたいなことがないのだ。
しかもこの二つの場面が金さん遠山の独擅場、松方の演技を見るしかないという感じ、それこそ金さんの桜吹雪披露での啖呵、白洲での遠山の口調、そして遠山桜披露での口上、ラスト善玉へ語り掛ける際の遠山と金さんの使い分け。まあここらも大量の作品で毎回同じというあたりはなかなか見るのがきつい

葉隠、二八、各回登場シーンのマンネリ。これは半平のときもそうだったのかもしれないが、柳沢慎吾の好演でそういうことにあまり気が行かなかったということもあろう。
楠菊太郎、疋六コンビと毎回事件現場で顔を合わすというあたりは、単に先輩後輩のよう。月番制の詳細は知らないが南町北町の同心が毎回仕事のように顔を合わせているのは変。
また死体が上がったということで出向いてくる場面以外に、殺しの現場の近くを見回りしていたという風に登場することも頻繁にあり、このときも葉隠、楠が顔を合わすのである。同じ町を担当しているという風にとらえればいいのか
最後の裁きの内容がほとんど毎回同じである。「(メイン悪役の名を挙げ)打首獄門、余の者終生遠島、なお○○(町方としては管轄外の悪役侍)、追って後日評定所より切腹の沙汰があろう」。この最後の部分だが「沙汰があろう」というほうがしっくりくるが、音で聞いているかぎり「沙汰がある」と聞こえる。がこのあたりは独特のセリフ回しで声が低くなっており聞き取りにくい
殺陣でのBGM
金さんが入ってくるところでのギターとピアノかな、低温でリズミカルなもの、格好良い
そして桜吹雪披露後のBGM
これは主題歌のインスト版
やはり長いこと何回も聞いていると頭でリフレインしだす。その中で感心した部分
サビのところ
4分の4拍子、1小節4拍ある。1拍目、1拍を16分音符4つ。2泊目メロデイ楽器の音はなし、3拍目、1拍を3連符、そして4拍目の最初にも3拍目の3連符の続きの音が入る。こうすると、前半4つの音、後半4つの音で、だが前半と後半の一つの音の長さが異なり、これが曲のスピードが変わったように聞こえる。テクニカルだ
歌では「さくら~、はなびら~」の部分で、こちらはリズムが三連符のものとなっており、この部分もどちらも三連符で歌われている
このテクニックはイントロにも似たように活用されていて1拍目、1拍を3連符、2拍目、1拍を16分音符4つと続る箇所がある

水戸黄門 第7部☆ [時代劇]

オリジナル
1976年5月24日から1977年1月10日までTBSで放送されたナショナル劇場のドラマ。全34話
02/26(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
[新]水戸黄門 第7部<デジタルリマスター版>「水戸から消えた黄門さま」水戸・白河

第6部最終回より引き続きの視聴
第1話 1976年5月24日 水戸から消えた黄門さま
白坂屋藤五郎:沢村宗之助
六兵衛:田口計
お春:村地弘美(レギュラー、第1話~第10話、第34話)
お島:新井麗子
金八:西沢利明
医者:市川男女之助
お秋:松原智恵子(準レギュラー第1話、第34話)(トメ)
矢吹伝八郎:南原宏治(トメ)
山野辺兵庫:大友柳太朗(第1話、第34話)(トメ)
お秋とお春は姉妹。二人の話を聞き、光圀一行は病気のお秋は水戸で面倒見るよう手配し、お春を連れての旅路という展開
まず冒頭で、西国筋の漫遊を終えて水戸に帰った老公云々とあり、前シリーズを意識したものになっている
西山荘からこっそり出ていくところはかなりあっさりしたもので、八兵衛のミスで松の木から落ちた光圀は温泉への治療を勧められ、そこへやってきた弥七夫婦とともに出かけてしまう。それを追う助さん格さん八兵衛。で、その湯治場で事件という展開。
連れて行くお春は廻船問屋の娘であり、いつもは大名の娘を連れて、藩の一大事を解決するための旅というのとは違って、なんだかしょうもない理由のように見える
また松原智恵子のほうが格上なので、ラストでお春を連れて行くとなったときは、お秋が病気というのはわかっていながら、意外感があった
田口計、出番が少ないというわけでもないのだけど、存在感が薄い。今回の舞台でもあり悪役となる白坂屋(沢村宗之助)の番頭という役。悪役はもうひとり郡奉行の矢吹
今回は初回だから、悪人成敗というストーリーだけでなく、水戸を出るだとか、新たな旅立ちだとかの説明も必要で、それゆえ悪事のストーリーは薄いのかもしれない
西沢利明もあまり存在感なかったな。これを書く段になって気付いた。悪役側にいたみたいだ。こちらは顔がまだ若くそれで気付かなかったのかもしれない
中山の代わりということであろう、山野辺兵庫が登場。だんだん亡くなった中山備前に似てきおったぞと光圀に言われている

*同日
第2話 5月31日 姫君はにせ者
河村外記:堀雄二
鬼塚大八:深江章喜
溝呂木兵部:外山高士
田代三郎太:内田勝正
津上源八郎:原田清人
飯屋の亭主:海老江寛
綾姫:仁科明子(トメ)
大久保大三郎:志垣太郎(トメ)
尾上:上月晃(トメ)
藩の後継争い。綾姫に婿を取らせるか、まだ幼い息子にするか。悪役は幼い息子を立てて藩政を牛耳ろうとする溝呂木
お春が誘拐。溝呂木派が襲ってくるのを恐れ外出先から城へ戻す手段として町娘を影武者に仕立てるという作戦にお春が巻き込まれたのである。
福本清三ノンクレジット、綾姫の護衛である津上源八郎(原田清人)が殺される場面にいた
原田清人という人は、このメモブログを検索するとそれなりに出てくるが、水戸黄門によく出るというイメージ
志垣太郎の出番は短い、終盤に少しだけ。綾姫の婿になるという役

第3話 6月7日 人情喧嘩まんじゅう
おもん:岡江久美子
元祖「永楽堂」七兵衛:辰巳柳太郎
三沢初子:香川桂子
今村善太夫:青木義朗
伊達兵部:郡司良
おまき:初瀬乙羽
伊達安芸:宮本曠二朗
原田甲斐:吉田柳児
脇田段四郎:伊吹聡太朗
本家「永楽堂」甘斎:島田正吾(トメ)
またもや藩の後継争い。「伊達騒動」という史実を取り入れた作品
そしてしばしばこういう作品はあるのであるがサブタイトルにあるのは、本家と元祖の「永楽堂」という饅頭屋のいがみあい。その両家の息子と娘が恋仲で、とここらもありがち。本家の娘が岡江久美子のおもん、元祖の息子が七之助
この場内と城下での二組の喧嘩が絡み合っていく
伊吹聡太朗が珍しく普通の、身なりの整った侍姿。いつもどおり悪役側だけど
これを書いてるとき、辰巳柳太郎って大友柳太郎の師匠とかいう人だったよなあ、と調べてみると、島田正吾とともに二大看板で新国劇を盛り立てた人だそう。普段キャストクレジットの最後に「協力:俳優座」とあるが、この回はそれに付け加えて、「協力:俳優座、新国劇」とある

*0301
第4話 6月14日 御用船大爆破!!
小沼将監:日下武史
時雨の音蔵:田中明夫
雷お仙:弓恵子
川辺金八:山本清
安吉:黒部進
鎌田権太夫:志摩靖彦
熊三:小田部通麿
お新が男から何かを渡される。その男はお新を仲間の雷お仙と勘違いしたのだった。という形で事件に巻き込まれていく光圀一行。
見終えてみるとこの回には善玉がおらず、光圀を狙う悪役という構図、しかも光圀一行をそれと知って狙っているわけでなく、最初の間違いから、悪事を知られてしまいやむなくという展開である。
ストーリー的な面白さは、この悪役連中はみな一体かと思いきや、裏切り者が最後現れるという箇所か。
悪役は盗賊時雨の音蔵一味で、雷お仙や安吉らがおり、また船手番所の役人小沼将監と手を握っている。その小沼将監とお仙が密かに握り、他の奴らを船の爆破で皆殺しにしようとする計画が終盤に実行されるが、弥七らの働きで、船の爆発は起きるも、人の命はなんとか助かり、悪人どもはみなお縄

*0425
ずいぶん日が経過してしまった
この旅の経緯を全然覚えておらず、第1話をざっと見て振り返りをしたがなかなか思い出せず時間をかなりかけてしまった
第5話 6月21日 何の因果で若旦那 花巻 松尾正武
新助:川地民夫
おはつ:三木聖子
おはつの母親:露原千草
お峰:石井富子
唐木十太夫:中山昭二
千太:江幡高志
丹波五郎治:北村英三
万吉:三角八郎
与兵衛:西山嘉孝
花乃屋善左衛門:永野達雄
ここから役名なしクレジット
おまつ:武田てい子
盗人:西田良
女中B:宮前ゆかり
牢番:井上茂
佐平次の子分:鳥巣哲生
この回からウィキから「地名 原案 脚本 監督 ゲスト 備考 」全コピペしたうえで、端役は削除していくことにする
悪役の出てこない珍しい回、かと思ったら終盤で新助が盗賊の配下だと知れるという展開
江幡高志、三角八郎、西山嘉孝、永野達雄あたりは悪役をやりそうであるが、前者二人は小悪党、後者二人は後述する花乃屋の番頭と主で、最後光圀の前に引き出されているが大した悪をやっていない。おはつをいじめていたという程度だ。西山嘉孝、永野達雄の二人で同じ店の上下関係があるという役柄はちょっと珍しいような気がする
ちょっと小休止の回ともいえそうで緩い話
祭りを見る一行だが八兵衛は腹がすいたと抜け出す。ここで男たちに襲われてる女を助ける八兵衛という珍しい構図がある
で、その後二人の小悪党コンビの登場、千太万吉、演じるのは江幡高志と三角八郎。これが早口江戸っ子の名演、見ていて楽しい。八兵衛を昔世話になった江戸の若旦那だといい、おごらせてくださいと、宿へ連れ込み大宴会、翌朝二日酔いの八兵衛を尻目に早々と逃げ出す
この花乃屋の女中おはつが最初に八兵衛が助けた女。この女は花乃屋でひどい扱いを受けている
その花乃屋に賊が入り、店やそこに泊まっていた客の新助が金を奪わせ、おはつが引き込みをしたと疑われる。新助は後でわかるのだがこの店を狙う盗賊、ということでここに宿泊、金を持ってることを見せつけると、宿の者は八兵衛のこともあり、こっちこそ本当の若旦那と勘違い、女中らは新助と比較して八兵衛をバカにする
この賊、新助が番頭格、を光圀一行、というか弥七がとらえられたのはなぜかが経緯が描かれていないというのは難点
三木聖子、かわいい
宮前ゆかり、水戸黄門でよく見る顔のような気がする。特徴あるのだが端役ばっかり

*
第6話 6月28日 武士道無明 盛岡 稲垣俊 内出好吉
厨川たまき:榊原るみ
北沢兵馬:森次晃嗣
厨川忠兵衛:佐々木孝丸
多田孫六:藤岡重慶
沼森一之介:岡崎二朗
御堂典膳:川合伸旺
沼森市太夫:永井秀明
片瀬玄磧:中村錦司
沼森の家臣:唐沢民賢(役名なしクレジット)
繋十郎:西郷輝彦(トメ)
前回もそうだったが知った名前がたくさん出ていて豪華だ
西郷輝彦はこの枠江戸を斬るで主役を張ったという特別なキャストであり、善玉も善玉という役しかこういう人はやらない。厨川道場の師範、目を病んでいていずれ失明すると医師玄磧に言われているという役。厨川道場は藩の指南役
その厨川道場の娘がたまきで、恋仲で道場を継ぐことになっているのが兵馬だが、この兵馬はちょっと頼りなげ
以上善玉、一方悪役は厨川道場と敵対、指南役を狙っている御堂典膳でこちらも道場を開いている。その弟子に家老の息子一之介がおり、家老沼森市太夫は指南役の選ぶ立場にいる。孫六はかつて典膳と悪さをしており、いまは典膳の片腕であり寄生虫であり、という存在
冒頭で繋十郎とたまきが逢引していると遠目に八兵衛が見つけ、そこでカメラがズームアップ、二人は口喧嘩をして別れる。それを見て八兵衛、喧嘩別れだ、と。よくその二人が喧嘩していることがわかるなあ、というような距離である

*
第7話 7月5日 帰って来た南部駒 八戸 田上雄
お妙:浅野真弓
赤岩十蔵:待田京介
大沼主膳:滝田裕介
吉兵衛:織本順吉
三吉:大沢綜一郎(子役)
赤岩陣内:中田博久
おりう:杉本真智子
六助:日高久(役名なしクレジット)
昔から伝統的に馬を育てる馬喰(ネットで調べてみると馬を売買する人という意味のようだが、ここでは馬を育てる人たちのようだ)と土地を奪いにくる郷士。後者には悪代官がついているという構図
格さんがお妙という馬喰吉兵衛の娘に惚れられる一コマがある
今回は藩からの送金を受け取りに一行と別行動するのが助さん格さん、だが行き当たった吉兵衛の家で郷士赤岩が襲ってくるのを困っているのを見て、格さんだけが残る(助さんは金を届けに急ぐ)という形になっている
土地を守るもの土地を取ろうとするものの対決、そして荒涼とした風景(作物を作るのには適していないが伝統的に名馬の産地とされている)が多少西部劇風
印籠披露の形がほぼ完成形助さん、格さん、もうよかろうというセリフもある(初めてではないかもしれないが、今のところ頻繁に出ているわけでもない)。助さん格さんの役割分担も完成形、ただ印籠を光圀から受け取ってるが、おれが記憶によくあるのは、自分のふところから出すという形だ
乞食という言葉、土地を捨てようとする皆者らに吉兵衛が声をかける。早口で聞き取りにくく、カットされずに済んだのかもしれない

*
第8話 7月12日 ちゃんの土俵入り 青森 加藤泰 山内鉄也
三吉:伊藤洋一
鶴亀屋音右衛門:富田仲次郎
中井景太夫:穂高稔
利平(帆立山):武藤章生
馬吉:北町嘉朗
ウツボの源太:市村昌治
町役人:西山辰夫
ここから役名なしクレジット
相撲取り:元・逆鉾
相撲取り:元・土師
相撲取り:元・修羅王
ここまで
呼び屋長十郎:藤村有弘(トメ)
おすみ:林美智子(トメ)
ちょっと出来が悪いかなと思う
一行の男みんなで入浴中、弥七が相撲取りと間違われて声をかけられるとそれに悪乗りした光圀は元相撲取りだと答え帆立山というしこ名を思いつきで発してしまうところから興行に参加させられてしまうという騒動
帆立山は嘘だと一行のみなが知ってるのに、帆立山は七年前にこの地に来ていた、ここで女を作って、帆立山との間に子までできていると騒動が広がった際、なぜか一行は弥七を疑ってる、とくにお新が。なんでだよ、と思う
とにかくその女、おすみに会うことになり、そこで夜になっても帰ってこなくて、それを心配するお新というのはまあ変ではないだろう
そして本当の帆立山も登場しての騒動となっていく。本当の帆立山は相撲で大成せずに今はいかさま師でやくざから追われる身、出てきた言葉が昔の女がこの地にいる、そいつに金を作らせる、ということで会いにやってきて弥七と鉢合わせになる
子役伊藤洋一、よく見る顔
相撲の話だけに元相撲取りが出ていてキャストクレジットでは「元」という字が目を惹く(クレジットは縦書き、「元「は名前の右上につく」
相撲取りに化けた弥七が「ごんす」という語尾の言葉を使っている。これ、ちょうど前回放送の笑点にて相撲取りになって一言みたいな問題が出ており、皆が使っていた。そしてそういう中、確かたい平だったと思うが、相撲取りだけどごんすなんて言葉使ってないでごんす、というような答えをしていたのを思い出した

*0426
第9話 7月19日 群狼の罠 松前 葉村彰子
第10話 7月26日 吼えろ!! 北海の火縄銃 函館
おせい:伊藤るり子(前編・後編)
北海屋弥兵衛:内田朝雄(前編・後編)
岩城将監:須賀不二男(前編・後編)
文吉:三上真一郎(前編・後編)
佐橋甚太夫:山本清(前編・後編)
トド平:大前均(前編・後編)
崎山政五郎:穂積隆信(前編)
儀十:宮口二郎(後編)
松前高広:水上保広(後編)
善作:中村竹弥(前編・後編)(トメ)
前後編もの
この旅の目的であるお春の父親松前屋のいるはずの松前へ辿り着いて真相を探り、松前屋を助け出し、悪を成敗するという回
とても良い出来。ここまで見てベストかもしれん
二回を使ってるだけにさすがストーリーがいつもよりは見ごたえあるものになっており、しかし凝った作りでわかりにくくはなっておらず、ここらはさすがお茶の間向けテレビドラマ
水戸黄門というのは基本的には緩めの内容であるが、ここではなかなかハードで、またあまり遊びの部分はなく、緊張感のある展開が続く
そして、二人の俳優の演技も見せ場
一人は出番は少ないのだが、穂積隆信。牢役人。松前屋太兵衛(増田順司、純レギュラー扱いなので、個別のキャストとしてウィキに表記されてない)が牢抜けした際の担当であり、お役御免となっている。これが松前屋を逃がしてやったという善玉側(もちろんお春が旅の一行でもあり、善玉側は松前屋)わけでなく、酒に酔って鍵を盗まれたという失態。鍵を盗んだのが居酒屋をやっている松前屋の協力者である善作の娘おせい。お役御免になり酔いどれになり、おせいにただで飲ませろ、お前の秘密を知ってるんだぞと脅すというどうしようもない飲んだくれ。悪役側にどんな手を使って、そして誰が牢抜けさせたかを拷問にかけられ、酒を餌に目の前に出され、というあたりの芝居が、乗りに乗っている感じ。もちろんしゃべってしまい、酒を飲ませてもらえるがそこで斬り殺される
もう一人は善玉なのか悪役なのか、という最後まで微妙な存在の文吉。彼は善玉善作の息子だが、父親に追い出され、それを拾ってもらった亜客の北海屋に大きな恩義を抱いており、その両方を行き来するというタイプのキャラ。善作の息子であることを北海屋に言ってはおらず、そして北海屋に取り立ててもらい番頭にまでなっていた。このことが北海屋に知れ、やはり拷問にかけられる場面が見事。そしてその後は、どっちにつくのかだましあいみたくなっていくのだが、これも長時間の作品だからこそできるという感じ。北海屋は身の証をたてるため、善作を追いかけお春をさらえと言われ、追手となる。しかし弥七に捕えられ、善作の前で、北海屋から逃げてきたとのたまう。が、やはりお春を連れ出し一行から逃げていく。が、北海屋はそこにさらに追手を出しており、連れてきたお春を奪い文吉を殺す(死なないですんだが)。最後まで北海屋側だったのだろうが、最後に裏切られるというような役であり、最後の場面では生き証人として弥七に連れられ登場
悪役は北海屋、家老の岩城将監、船手頭の佐橋甚太夫
松前(蝦夷で一番にぎわっており、政治の中心)から江差(商業の中心、おるいが居酒屋をやっている)、そして函館の山中(松前屋がかくまわれている場所)へと舞台が変わる
お春とはここでお別れ

*0427
第11話 8月2日 津軽こぎん 弘前 廣澤榮 内出好吉
こぎん:本阿弥周子
直吉:石山律雄
烏帽子屋嘉兵衛:山岡徹也
彦十:伊沢一郎
嶋田達之介:久富惟晴
津軽利直:神山寛(役名なしクレジット)
沢渡光成:岡田英次(トメ)
万造:加藤嘉(トメ)
前回が迫力があっただけにちょっと気の抜けた感じの作品。冒頭ナレーションで「困難な事件を解決した一行、その帰り道はごく気楽な旅を続けて・・・」とある
変則的といえる構成で、民衆いじめともとれそうな厳格な倹約令、光圀は供を連れて城へ乗り込み、中盤に差し掛かろうという第二幕の最初であっさり光圀が悪役、家老沢渡と烏帽子屋嘉兵衛、に正体を披露、しかし沢渡に藩にさしたる産物もなく、また飢饉冷害が続いての財政の厳しさと、そのための厳格な倹約令は光圀に見習ってのこととの言葉にあっさり退散。しかし調べてみると、沢渡は豪遊しており、というなんともお手軽な内容
こぎんが作っていた刺し子に光圀が「津軽こぎん刺し」という名を与え、これを産物としてはどうか、と「津軽こぎん刺し」由来の一席という感じの終わり方。「津軽こぎん刺し」というものは本当にあるもののようだ

名奉行 遠山の金さん4(松方弘樹主演) [時代劇]

オリジナル放送期間 1991年11月7日 - 1992年7月2日
09/26(火) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第四シリーズ 第1話「覗かれた尼寺」
10/31(火) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第四シリーズ 第26話「ニセ鼠小僧が覗いた完全犯罪」[終]

シリーズもの続編を見る際の俺の好み、第3シリーズを見終えすぐ第4シリーズ第1話を視聴
ちょっと飽きているので、第3を見終えたらちょっと中断しようかと思っていたのだが、それと上記の好みの折衷案として、第1話の新登場キャストを見るのと雰囲気の変化を感じたいということで、序盤だけ見て、もし中断してしまったら、もう一回最初から見るというのでもいいやと思ったが結局全部視聴

キャストは大きく変更されているが、雰囲気は全く変わっていない。作中のBGMだとか、殺陣から白洲という流れ、松方弘樹の見てくれも演技も変化しておらず、マンネリでもあり安心感。とくにそれを感じさせてくれるのがOPとED、まったく変化なし
ちょっと変化したように感じたところもあったがそれは後述。
変更キャスト
吉川瓢兵衛:ケーシー高峰が再登場、なんとなく下手で降ろされたのかなと思っていたので、同じ名前で再登場にびっくり、ウィキを見たら、このシリーズ後もずっと出るようだ
葉隠弦之介:小西博之。小西が違う役で再登場。北町同心かと思ったが、ウィキによると南町同心。降板した柳沢慎吾の半平の後釜キャラということだろう。
二八:志賀勝が継続で、葉隠にくっついている。葉隠が南町で半平の後釜キャラと考えれば当然ということになろう
柊小十郎:西川弘志が新たに登場
疋六:宮路佳具は継続、小十郎につく
お竜:斉藤慶子、新登場。金さんに協力する女のメインキャラ。今シリーズは湯屋でなく、居酒屋「瓢箪」
轟沢庵:石立鉄男が新登場。このキャラはまったく新しいタイプで金さんの協力者。キャストクレジットではトメ。これまでのシリーズでは女メインキャラがトメを取っていた。斉藤慶子のクレジット位置は二番目
ウィキのお滝と沢庵のところが少し目に入ったが、作品を見ながらそのキャラを知っていきたいので、見るのを我慢したが、後述するスペシャル版に二人とも出ているので、そこである程度のキャラ設定説明があっただろうと推測、先に読んでしまうことにした。この二人は兄妹で、風魔一族の末裔という設定とのこと
さて、変化を感じたところであるが、金さんがお竜、沢庵、吉川を集め捜索会議をしている場面、以前のシリーズは金さんひとり活躍している感じだったが、この回はこの四人が活発に活動していて、そこに変を感じる。でも、東山の水木新吾(降板)の後釜が沢庵と考えると、人数的には金さん他3人で前シリーズと同じだし、会議も与力、女性キャラと一緒にやってる場面はこれまでのシリーズでたくさんあった。
まあ、金さん以外がかなり活発に活躍している点におれは変化を感じたのだろう
実質今シリーズの第1話となるスペシャル版「江戸城転覆! 女忍者の復讐」が今回放映されていない。そこには鳥居甲斐守/中条きよし、堀田摂津守/若林豪が出ているようで、また新キャラ(今シリーズの新加入レギュラー)お披露目となっているようだ

1 1991年11月7日 覗かれた尼寺
お吉/野川由美子
千石屋万造/和崎俊哉
鹿蔵/石山律雄
旭月院/佐野アツ子
月之丞/岩尾正隆
野川由美子、いいねえ。こういう役は得意なのだろう、なにか裏を持った女、突如威勢のいい啖呵を切ったりする。寄場から逃げ出し殺された恩人の鹿蔵の敵を取ろうとしている
和崎俊哉、こちらもいい。島帰りをやさしく迎える口入れ屋で、盗賊夜烏一味をみなで捕まえようと町のものたちのリーダー格、が、実は夜烏の首領。この裏表がうまい
石山律雄は夜烏に序盤に殺されてしまう岡っ引きの役、回想場面でお吉(鹿蔵がお吉の罪を軽くするよう頼んで、それでお吉は寄場送りで済んだという風に、お吉の大恩人が鹿蔵という設定)に、生きていればお前と同じくらいの娘がいた、と言っているが、二人同じくらいの年齢に見えるけど。調べてみたら42年生まれ(石山)と44年生まれ(野川)

2 11月14日 金さんの隠し子!?
黒澤左馬助/中野誠也
亀屋清蔵/田口計
お夏/湯原弘美
仙八/でんでん
弥吉/伊吹聡太朗
五平/岩城力也
松葉屋文左衛門/中田光彦
弔問客/中村錦司
人物相関図がかなり複雑
松葉屋が殺され、その殺しを江戸に出てきたお夏という少女が目撃、という風に始まる
お夏は母親を亡くし、その母親から江戸の遊び人金さんを頼れと言われており、江戸に出てきたのだった。そして金さんを父親かと想像していた。
殺しをしたのは黒澤左馬助という遠山の旧友。そしてお夏の父親であった
左馬助は父親が殺され、お夏の母親と別れ、お夏を身籠っていたことを知らずにいた
父親を殺した三人、松葉屋と弥吉、そして吹き矢の万助を敵と狙って十五年。
殺しを金で請け負う裏家業の元締亀屋清蔵。書状を持って会いに来た左馬助に敵を探す手伝いをしましょうと答える。しかし亀屋が実は吹き矢の万助。自分の過去を知る松葉屋と弥吉を左馬助に殺させる
福本清三ノンクレジット殺陣
中野誠也が格好良く作られてる。殺しをしているが、遠山の旧友ということで善玉扱い
田口は老けたように見える。かつらの白髪頭だからであろう
でんでんは今の姿が見慣れているので、若いのに驚く

3 11月21日 神隠しから戻った美女
大和屋彦右衛門/織本順吉
西国屋藤兵衛/青木義朗
おきぬ/風祭ゆき
お糸/浅野愛子
渋川半兵衛/原口剛
最後の殺陣に入るところがちょっとご都合主義
太和屋に公儀認可両替商の権利譲渡の署名をさせようとしていた西国屋なのに、自らそれが失敗になりそうなことをやって、そして結局署名をもらえないまま殺しにかかる(この後金さん登場)
太和屋の娘お糸は五年前神隠しになったが、突然西国屋が旅先で見つけたと戻る。このお糸は替え玉で旅芸人おくめ、太和屋を助けるためと説得されてきたものの、西国屋の悪事に気付き、その秘密を金さんに喋る。それを見ていた用心棒渋川はおくめを引っ張ってきて西国屋と相談、もう用済みだと殺そうとするも、まだ使えるという西国屋。それが上記の署名を強要する際の武器ということなのだが、お糸を殺すぞと脅すだけでいいのに、もうお糸をやるのを止めようとしているおくめを太和屋の前に出して、この娘を殺すぞとやるのだ。しかもそこへ太和屋の後妻であるおきぬ、これは西国屋と深い仲で太和屋乗っ取りのため送り込まれている、も登場し、なぜここへといぶかる太和屋に、無理やり連れてこられたの、お糸を助けてあげてと一芝居。不自然である、悪役勢揃いさせるための演出。で、おくめは真相を叫び、混乱に陥り金さん登場
白洲で、お糸を騙りおくめこそが太和屋乗っ取りを企んだ張本人呼ばわりされるが、太和屋がこれは本当のお糸ですと証言、裁きへと展開する。最後に遠山に親娘になり親孝行しろと諭される
福本清三ノンクレジット殺陣~白洲。殺陣の前にも、番頭巳之吉(西国屋の手先の太和屋番頭、偽お糸と夫婦になり店を乗っ取る計画)が殺される場面で用心棒渋川半兵衛の隣に登場している場面もあった
今回は今シリーズからレギュラーになったお初:松本友里が活躍。女メインキャラの店の女中というキャラで、このポジションはこれまでのシリーズであまり活躍はなかったのだが。
ちなみに瓢箪には板前もいて、清次:須賀章

4 11月28日 占いを信じた女
鶴屋徳兵衛/近藤洋介
お園/日下由美
矢吉/西山浩司
才造/成瀬正孝
万平/森章二
近藤平八郎/黒部進
医師/山村弘三
沢庵が活躍する回。二年前沢庵に占ってもらい夫婦になったお園がまた占ってもらいたいとやってきた。亭主の矢吉がいなくなったので行方を占ってもらいたいと。
その矢吉は二年前に盗賊を抜けたのだが、再度やるよう強要され拉致されていたのだった。
沢庵が決死の覚悟で盗賊仲間のふりをして潜入。が正体がバレて瀕死となるのだが、沢庵のこの回の出番はそこまで。こういう回はエピローグ場面があって、治療中だとか、の場面を入れるといいのだけど、このシリーズでは一貫して「一件落着」で終わってる。初期にちょっとだけエピローグがあった回があったと思うが。
最終的に盗賊が押し込む先を掴んで、盗賊が押し込む、矢吉は鍵に細工をしていて、開かないようになっていた、そこへ金さんがやってきて、となるのだが。まあ正直言って盗賊の押し込みがわかってるなら、そこへ捕り方派遣じゃね、という疑問。まあ他の回もそうなのかもしれないが、そういう疑問はこれまであまり湧かなかった。今回の場合は強くそれを感じる
お園は裁きの後に白洲に呼び込まれるので遠山桜を見てないが遠山奉行を金さんと呼んでいる。まあ外で聞いていた、もしくはついている役人に事情を聞いているという風に考えればいいか
まだここまで見てというだけだが、キャストクレジットではすべてに役名がついている
山村弘三と言う人は時代劇でよく見る顔で、おじさんからおじいさんくらいの年齢というイメージだが、この大分時代が下っての作品にも出てくることに驚いた。ほんのちょっとだけの出演で、前までのシリーズだったら役名なしになりそうである

5 12月12日 二度誘拐された女
伏見屋/品川隆二
お浜/本阿弥周子
お七/中野みゆき
若松屋/長谷川明男
この回から月曜日も放送となり、この回は予約できていなくて録画できなかった
キャストを見ると魅力的な回だ

6 12月19日 大奥騒乱! 千両箱の罠
お甲/赤座美代子
重ノ井/沢たまき
八州屋伝蔵/青山良彦
陣場弥十郎/田中浩
多十/高品剛
政吉/幸田宗丸
赤座美代子ってのは魅力的な顔の女優。男好きのするような甘ったれたような目つきが特徴。生活の荒れた女郎の役なんかがはまり役。まあここではそういう色っぽい役ではなく、武家の出だが土木請負業の後妻、殺された亭主の敵討ちを誓う意志の強い女という役で、でもミスキャストという感じではない。
堀田摂津守/若林豪が登場、第5話は見てないからわからないが、今シリーズ初登場(おれが見た中で)。今シリーズの実質第1話であるスペシャル版には出ているようである
大奥の筆頭年寄重ノ井と土木の肝煎り元締八州屋による工事代金中抜き案件

*0227
7 1992年
1月9日 狙われた生き証人
忠助/坂上二郎
安藤帯刀/亀石征一郎
お縫/山本ゆか里
木村平蔵/江幡高志
橘屋彦兵衛/伊吹聡太朗
大高竜之進/石倉英彦
京極備前守/西山辰夫
伊助/岡田洪志
お美代/小野恵未
口入れ屋梅屋であ氏以下従業員が皆殺し。しかし犯人はすぐ捕まる。梅谷と同じ口入れ屋の橘屋の若旦那伊助である。
とここまではあっという間、ここで終わるわけはなく、と、ここで俺は予想した。この殺しを見ていた二八そばの忠助の証言で伊助が犯人とされたのだが、忠助がなんらかの理由、伊助や橘屋に恨みを持っているとか、で嘘をついているのではないかと予想したのだ。この予想は大外れ
実際に犯人は伊助、そしてもう一人浪人の大高竜之進。背後には橘屋と作治奉行安藤による人足賃金の中抜き山分け。
では、話はどう展開するのか、といえば、忠助は裏にいる安藤の名前を聞くと急に証言を止めると言い出す。忠助と女房お縫はかつて安藤家に足軽、女中として仕えており、そして安藤の粗暴な振る舞いに忠助は怒り、お縫を襲うに当たって身を挺してお縫を助け、屋敷を逃げ出していたのだった。
石倉英彦、顔はわからないがよくクレジットで見る人、ここではよく顔が確認できる
伊吹聡太朗、二回目の登場、ずいぶん老けた役で、面影はあるものの、かつてあった不気味さは薄れている
江幡高志、安藤の配下、侍役。これはとても珍しいというわけでもないが、多くは町人、やくざあたりの役が多い
坂上二郎、終盤、安藤の屋敷へ行き、対決するところで、安藤が人を軽視してきたことに対して「お殿様(安藤)も足軽も女中も同じ人同じ「人」でございます、人ならば人としての道があるはずです、悪いのは身分を笠に着たお殿様でございます」、「おのれ下郎の分際で一人前の口を利きおって」、「殿様と同じ人にございます」と叫んで主張する場面はやけに堂々としている

8 1月16日 素浪人 最後の勝負
花山大四郎/梅宮辰夫
お菊/北原佐和子
内藤頼母/西田健
肥前屋嘉兵衛/遠藤太津朗
鮫洲の政吉/長谷川弘
亀五郎/有川正治
福江藩家老/丘路千
源次/笹木俊志
新二郎/長尾豪二郎
長吉/新島愛一郎
篠原数馬/峰蘭太郎
旦那/田井克幸
巫女/藤間勘千代次
巫女/二宮幸子
巫女/西山梨絵
おみよ/神原千恵
松方の盟友梅宮がメインゲスト
花山大四郎は浪人、かつて親友の勘定方篠原がアヘン抜け荷の嫌疑で切腹。花山は再吟味を願うも断られ浪人に。そしてもう一人内藤頼母も含め三人が親友だった。
篠原の妹がお菊、弟が数馬
数馬はいまやくざの鮫洲の政吉の元におり、花山は止めさせようと説得している。
江戸ではまたもアヘン絡みと思われる殺しの事件。そこには肥前屋と鮫洲の政吉が関わっており、さらに内藤も。
そして過去の篠原の事件もこの三者によるものだった。
数馬が人質に取られ花山が金さんを斬りに行くも、「やっぱりできんと呟き立ち去り、悪の元へ駆けつけ、なんとか数馬を逃がすも自分は腹を撃たれ亡くなる。ここで絶命する場面はなく、よろよろと腹を抑えながら立ち去っているので生きていて、最後登場するのかなと思いきや、もう出てこないで、遠山のセリフで亡くなっていたことがわかる
福本清三ノンクレジット殺陣

9 1月23日 悪事を働く形見の十手
お冬/東啓子
柏原伊勢守/川合伸旺
木枯らしの権三/斉藤洋介
鏑木右京/坂田金太郎
新蔵/山田良樹
越中屋/蓑和田良太
権三の手下/木谷邦臣
権三の手下/福本清三
権三の手下/奔田綾
権三の手下/滝野貴之
金さんが軒を借りて雨宿りをしていると傘を貸してくれた女お冬。この女が今回の事件に関わってるかもしれないとなったとき、金さんはそんなことあるはないという。が、それは見込み違いで間違いなく事件の悪役側と関係があることがわかり、それでもそんなことはないと言い張る。まあこの時点で、そうであっても何か止むにやまれぬ事情があってのことだろうと多少ニュアンスは変わっているが。
で、その後彼女がその関わりについて明かしていくことになる。最終的に遠山は彼女に、もうすでに罰を受けているのだから、これ以上罰を与えないとしている。
ただ考えてみると、描かれてる中では悪事はしていない。十手を騙されて権三に取られそれが事件に使われた、とか、お竜が権三をつけているとき、その邪魔をする、とか、権三に命じられ金さんを殺そうとする、とかだ。金さん殺害未遂については眠り薬を入れた酒を呑ませ、眠り込んだ金さんを刺そうとするもできない、と。そこで金さんはそれでいいんだよ、と返す。その眠り薬入りの酒は飲んでおらず、だが眠ったふりをしてされるがままにしていた金さん。
福本清三、金さんを狙う殺し屋、やけに格好良く演出されていて、刃物を準備する場面とかいちいちカットが格好良い。
さて、それに絡んでだが。金さんたち、客のいる瓢箪で捜査会議をベラベラ喋り過ぎ。ここで福本清三に狙われている(まあ失敗するのだけど)。まあそれはこの回だけでないだろうけど。そういや大岡越前もそうだったな。
話は逸れるが、時代劇一般において密談の盗み聞きという場面が非常に多い。もうそうやってでしか話が進行できない感じで、それが多用されてるとちょっと萎える
川合伸旺、元浦賀奉行という役で、白洲の場面では縁側、遠山桜に立ち向かうといういつものパターン、遠山に投げられ宙返りで白洲に落ちる。なかなか凄いアクションでこのことはすでにこれまでのシリーズのところに記述しているが、よく考えたら吹替なのだろうな、と思いつく。で、今回そういう場面があったので興味深く見ていたが、投げられた後顔が映ってる、しかしちょっと遠目で違う顔かどうかはわからない。まあこれくらいのことはやれるのか、いやかなり派手で危険なアクションなので、吹替なのか。
十手が悪用される事件、こういうことのないように厳重に管理されてる旨のセリフがあるが、割と簡単に作れそうではある。
斉藤洋介、盗賊の首領。若くギラギラしていて魅力的

*0228
10 1月30日 美しい女医と記憶喪失の男
杉田悠/剣幸
東山国治/垂水悟郎
お連/鈴鹿景子
正吉/永井秀和
橘祥之助/中田博久
宗助/奈辺悟
殺しの現場を見かけた金さん、傷を負った被害者を医者の元へと葉隠らと運ぶ。運んだ先の医師は杉田悠という女医師であった。
被害者の男は記憶を失っていた。そしてその男を狙ったと思われる殺人がその医院で起きた
また同時期に、贋作を掴まされた商人が殺され、またその商人に贋作であると鑑定した奥絵師までが殺された。遠山はその被害者の男の指に絵の具がついていたことから、この一連の事件が繋がっていると考えた。
鈴鹿景子は悪役側、被害者の男正吉の借金を払ってやり、贋作作りに引きずり込んだ女盗賊の役。必殺で見たときは見事でメインゲストだったのだろうと思うが、ここでは三番手、役は悪役だし、その美しさを強調するようなカメラ絵図でもなく、ちょっと落ちぶれた感じがある
そういやお連は医院に忍んで殺しをやっており、また他の殺しでは二人がかりで三味線屋勇次のような人を吊るす殺しをやっている(お連は首に縄をかける役目)
細かいことだが。
白洲前の殺陣の最後、北町奉行所捕り方が駆け付けるタイミングで金さんは立ち去るが、そこに善玉がいたら、一緒に逃げる。もしいても、その立ち去る金さんを映すカメラに入ってなければ無視、というのが通常パターンだが、今回は、正吉に寄りそう悠に頼んだぜと声をかけ一人で立ち去る
白洲の裁きを終え、悪人が引っ立てられた後、善玉に声をかける場面。善玉が感極まって礼を言うがその際、「金さん、いや、お奉行様」と最近の作ではやってるが、第1シリーズあたりでは「お奉行様、いや、金さん」というパターンが多かった。

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女
小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
亀吉/細川純一
源太/浜田隆広
男衆/川鶴晃裕
お竹/上田こずえ
瓦版屋/北村明男

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女 鈴木則文 上杉尚祺 小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
亀吉/細川純一
源太/浜田隆広
男衆/川鶴晃裕
お竹/上田こずえ
瓦版屋/北村明男

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女
小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
芝居小屋を巡る話。中村座の芝居のシーンから始まる。
座主は兼松なのだが病気療養中であり、また入り婿でもある。実質仕切っているのはお仙
売れっ子役者は松島屋片岡菊弥、紀伊国屋坂東紋次郎のほうは菊弥に抜かれたという立場
観劇していた両替商甲州屋仁兵衛が殺され、続いて菊弥は奈落で首を吊る。
仁兵衛と一緒に感激していた友達の永代の喜代蔵は、甲州屋が中村座に貸していた借金の証文を受け継ぎ、中村座を譲れと迫る
実は喜代蔵、仁兵衛、兼松は上方からの流れ者。後者二人は盗賊で、そして喜代蔵は上方の同心、仁兵衛、兼松の盗んだ金の上前をはねていた。
今シリーズレギュラーの西川弘志の父西川きよしはクレジットではゲストトップだがメインゲスト的な役でなく特別出演的な役。大坂町奉行所同心の役で、喜代蔵の首実検をしてもらうため遠山が呼び寄せた。柊小十郎を褒めセリフで「さぞかしご立派な御父上がお育てになったんでしょう」とやっており、また別の場面では葉隠が「小さなことからコツコツと」というセリフを言っている(この場面には西川弘志も西川きよしもいない)
西田良、やくざの威勢のいい下っ端とかが似合う人だが、もうここではいい年齢で商家の旦那
山内としおは病床に臥せってる役(最終的には亡くなっている)で、声も出すのが苦しそうな声色でやっている
福本清三ノンクレジット白洲。殺陣にも顔はよく映らないが動きでそれっぽい人がおり、白洲で登場していたので、殺陣のほうも彼であろう

12 2月13日 仕組まれた逆玉の輿
お菊/水野真紀
湊屋八兵衛/井上昭文
鈴木主膳/北町嘉朗
山田信八郎/佐古雅誉
小柳十郎/浜伸詞
三枝数馬/浦野真彦
行商/中村錦司
廻船問屋湊屋と船手頭鈴木主膳による抜け荷、アヘン密売の悪行
この回で注目は葉隠に旗本二千石からの婿入りの申し込み。それが鈴木家からのもので娘はお菊。しかしお菊は最近になって養女になっておりまだ幕府に届け出されていない。しかも鈴木にはまだ若年ながらも嫡男がいる(この息子が成人するまで葉隠が当主となるという条件を葉隠に話している)。
そのお菊の身の上は、借金のため女郎に売られそうになったところを湊屋が金で身請け、女中として湊屋の悪事の下働きというもの。
この葉隠の婿入りは、ダミーで単に奉行所の動向を探るためのものだった
キャストクレジットは最初にあるから名前は見ていたのだけど、見終えてこれを書く段になって気付いた。そうか、水野真紀だったか。登場の際、なんだか珍妙な顔つき(悪事加担、葉隠を騙すということに対する不安)で登場していたので、この回のヒロインとは思わなかった。その後存在感を増して、最終的には白洲で善玉側に座っていたので、まあそういう役なのだなとは思ったけど。
珍妙な顔つきというのは、確かにそういう風に見えたのもあるし、おれは葉隠の婿入りということで、葉隠が妙にウキウキしているので、顔合わせで器量の悪い女が出てくるというオチかと思っていたということもある
中村錦司、冒頭町中で暴れている男(三枝数馬という浪人でアヘン中毒者、事件の発端となる)と格闘している葉隠ら。それに加勢して笠が飛んでくるのだが、それを投げたのが金さん、その笠は中村錦司からとっさに借りたものであり、そこで金さんと会話を交わすというだけの登場、それでも役名がついており、ここまでのところ全キャストに役名がついているという状態がまだ続いている。多分そういう方針なのだろう

*0229
13 2月20日 貞女が毒婦になるとき
お藤/二宮さよ子
沼崎庄三郎/河原崎次郎
梵天辰五郎/市川好郎
片桐求馬/本郷直樹
渡海屋重兵衛/江見俊太郎
おえん/久仁亮子
お役者松之丞/井上高志
アヘン、抜け荷とマンネリ気味か
北の隠密同心片桐が殺される。周囲から反対ばかりであったが、片桐の熱意に、吉川が仲人になり娼婦上がりのお藤と夫婦になり半年だった。
涙にくれるお藤だったが、彼女は梵天から送り込まれた密偵だとの嫌疑が持ち上がる。はたして・・・。と思っていると、お藤は元いた店である梵天で娼婦に戻っていた。
という風にお藤の真意は、というところで話が進行していく。二宮さよ子が話を引っ張るのだから面白く見れる。
沼崎は南町隠密同心で片桐とは同じ職ということで協力し合っていた関係性という触れ込みで登場するが、実は梵天と繋がっていたという展開
二宮さよ子、ゲストトップ。必殺で活躍してた人だ。鈴鹿景子がゲストトップでなかったのと比べると、こちらは頑張っている

14 2月27日 お目付け桜に惚れたひと
お加代/お篠/木村理恵
大城屋与兵衛/伊吹剛
伍助/工藤堅太郎
結城源右衛門/外山高士
若狭屋伊左衛門/小島三児
陣場一之進/五味龍太郎(役名なしクレジット)
ブッチー武者(役名なしクレジット)
この回は役名なしクレジットあり
この回から楠菊太郎:内海光司復活で、それに伴い柊小十郎:西川弘志が降板。特別な演出はなくどちらに関しても何かしらの説明はない
札差大城屋が舞台。悪事は旗本結城が旗本や御家人で金繰りが苦しく、また高価な骨董品を持つ家を教えてやり、そこへ大城屋が金を貸して、返せなくなったら、その品を奪い、骨董商若狭屋がそれを売ってのぼろもうけ。
お加代は矢場の女で金さんに惚れている。
大城屋のお篠が自害に見せかけ殺された。与兵衛は入り婿。そしてお加代はお篠の双子の妹、生まれたときに不吉だと捨てられていたのだった。出生の秘密を知る産婆も殺され、お加代にも危険が迫る
ブッチー武者はキャストクレジットには役名なしであったが、ウィキにこの回のキャストとして掲載されていない。役名なしの上、顔もよく知らないから見つけるのは大変かなと思ったが、ブッチー武者を検索して出てきた画像を見たらすぐわかった。権次という殺しを陣場一之進とともに請け負った男だ。
福本清三ノンクレジット。殺陣にいたような気がする
工藤堅太郎、典型的江戸っ子みたいな役が似合う人であるがここでは年を重ねてお店に忠誠を捧げる番頭の役、渋い

*0301
15 3月5日 覗かれた砂絵の女 本田英郎 斎藤光正
おもん/加賀まりこ
水野頼正/玉川伊佐男
大滝軍兵衛/内田勝正
鱶七/曽根晴美
庄太/草野康太
加賀まりこ48歳。16歳の弟がいる役。回想場面では弟が10歳で家を出たという場面もある
何歳の役なんだろう、なんで年の離れ弟がいるのだろう、説明はなかったような。仮に36歳の役だとしてそれはわかるが、回想場面で若作りもせず、いや若作りしてるからこその違和感。30歳には見えない・たまにありますな、老齢の俳優がそれよりはちょっと若い役をやり、回想場面ではさらに若い年齢設定を演じるということが。加賀まりこ、若いころはそれなりの、というか相当極上の女優だったと思うが、ここではなんだかバラエティ慣れした人気おばさんタレントの演技という感じ
沢庵はおもんに惚れられるという展開で中盤まではフィーチャーされるも、やっぱり最後は金さんの独擅場。
冒頭吉川が女湯に入っていたお竜を追って暖簾をめくる。超久々の裸の映像。なんらかの理由でもうそれは止めたのかと思っていたが。

16 3月12日 天誅暗殺団を狙う美人芸者
染太郎/神崎愛
加賀屋長兵衛/川合伸旺
堺弥一郎/鷲生功
丸橋半蔵/宮口二郎
伊豆屋嘉右ヱ門/穂高稔
馬島蘭堂/立川三貴
鳥居甲斐守/中条きよし
中条きよしの鳥居は今シリーズの実質第1話であるスペシャル版には出ているようであるが、おれが見るのは初。
天誅と告げて商人が若侍に殺され、同心に追われ追い詰められると自害するという事件が立て続けに起きる。ハシシュを使って若者を操っていたのだ。
加賀屋は日本橋商人連合の結成を画策。反対派を「闇の仕置人」馬島蘭堂を使って抹殺。蘭堂は鳥居と繋がっているがそれを加賀屋は知らない
ハシシュを使った若侍を使った殺しは蘭堂の手によるものである

*0304
17 4月9日 大金を猫ばばした母と娘
お富/朝丘雪路
不知火十左/原田清人
お夏/田中雅子
蓑助/頭師孝雄
吉次/伊藤高
花岡風月/早川雄三
牛吉/根岸一正
櫓下の権八/遠藤憲一
居酒屋をやっているお富には不仲の娘お夏がいた。お夏の幼馴染権八は大工の格好をしているが道具箱に金貨が詰まってるのを見て、それを襲い金を奪う。その大工は盗賊不知火十左配下の者だった。
金を追う盗賊たち、権八は殺されるが、金はお夏の手にあり、お夏は堀に隠した。
原田清人、先日水戸黄門で見た。この人はその頃の水戸黄門作品で決してメインではなく、メイン悪役の一の配下みたいな立ち位置ながら独特な顔つきが特徴。ここでは年齢を経て、面影は残ってるのだがその独特さは消えている

18 4月23日 奉行暗殺! 長崎の女
篠原梢/杉田かおる
和泉屋徳兵衛/睦五朗
十蔵/高品剛
早坂兵部/小沢象
善助/幸田宗丸
鳥居甲斐守/中条きよし
堀田摂津守/若林豪
梢の父は医療用に南蛮渡りの心の臓の薬を持ち込んだ、この薬は、強力な爆薬にも使えるものであった。そして、それはご禁制の品でもあり、結局抜け荷の嫌疑で鳥居による熾烈な拷問で父、及び家族を梢は失うことになり、鳥居へ復讐を狙う梢だったが、その梢の思いを利用し、鳥居と繋がりのある商家の成敗を名目に押し込み強奪を繰り返すのは、和泉屋と早坂、そして父の弟子であった善助もその仲間だった。

19 4月30日 穴蔵の謎 炎に消えた千両箱
太助/宮内洋
おあき/東千晃
赤猫の佐平/菅貫太郎
権造/黒部進
美濃屋/入江慎也
与五郎/勝村淳
伊吉/青井敏之
大きな商家が火事になるも、穴蔵に財産を投げ入れて無事。かと思いきや、火事が納まり穴蔵へ降りてみると、投げ入れたものはスッカラカラン。横穴の細工がしてあった。
この穴蔵を作った職人が殺され、盗賊から次に頼まれた穴蔵職人は太助であった。
太助は女房おあき、息子伊吉の三人暮らし
太助には息子に言えない過去があった。太助は本当は太吉といい、大坂で盗賊の一味、その頭の女がおあきだったが、おあきを助けるため頭を殺して逃げいてたのだった。そして伊吉の実の父親がその頭だったのだ。
その太助による頭殺しの一部始終を見ていたのはその組織のナンバー2であった佐平だった
盗賊の頭は菅貫太郎でこの回の悪役のトップ。
太助と伊吉は仲の良い親子だが、太助に穴蔵作りをやらせるための人質として伊吉がさらわれ、その伊吉に佐平は太助の秘密を喋り、伊吉をおれの後釜にすると言われ、構成員からは「若」などと呼ばれ、いい気になるという場面があり、ここは斬新、この後どうなるのかなと思った。まあその後の展開はそこに時間もさほどかけられず、また善玉へ回帰していく、人質に取られた母親おあきを助け、でも太助は許せず、みたいな態度から、白洲の場面で遠山に促され、和解している

20 5月7日 妻を売った武士
桐生一郎太/沖田浩之
江戸屋作蔵/遠藤太津朗
河合主膳/和崎俊哉
百合/永光基乃
おつや/武田京子
虎次/伊吹聡太朗
ちょっと不思議なテイストの作品
そのキャラからして善玉であろう一郎太が、だが一方で悪役と繋がっており、しかも相当な悪事をしでかしているようで、その結末をどうつけるかという意味で興味を引っ張る展開
一郎太の妻百合が数名の男に連れられ川で溺死させられそうになっているのを金さんが助ける。
一朗太は浪人で仕官を求めており、江戸屋と結び、江戸屋の娘おつやと夫婦になることを条件に仕官の口を得ようとしており、そのため百合をいずれなんとかしなくてはならないという状況。川での溺死の件は一郎太自身は知らなかったものの、江戸屋の策略ということに薄々気付いていたのだった。
また江戸屋の商売敵の殺しも行っていた
百合の腹に子供ができ、江戸屋の話を断ることにして、夫婦で江戸屋へ赴き、悪役との対峙、金さん登場の殺陣となる。この場面で一郎太は殺されてしまい、さらに百合が狙われたとき、そこで金さん登場となる。駆け付けたという感じでもなく、だったらもっと早く出てやれよと思う。
まあこの作品は一郎太がそういう人物なので死んでくれたほうが好都合ということで、こういう展開になっているのであるが、深読みというか屁理屈をいえば金さんは一郎太が殺されることを期待して、その場面を見ながら待っていたとも考えられる

*0305
21 5月21日 地獄から帰ってきた女
お時/芦川よしみ
虎三/近藤洋介
巳之吉/中田博久
一蔵/うえだ峻
辰之助/芹沢名人
大橋/原田功
盗賊風神の虎三一味は二年前まで江戸で凶悪な押し込みを繰り返していた。岡っ引きが殺され、その際に地面に書かれた文字から、虎三が戻ってきたと考えた金さんは捜査を始めるというような始まり方
その風神の虎三一味を捕えるというストーリーで、中田博久、うえだ峻、芹沢名人はその配下、白洲で前列に並んでいる。
沢庵がフィーチャー。六年前風魔の一族の残党として追われている身で、飾り職として江戸で暮らしていたとき、同じ長屋に住んでいたお時と恋仲になっていた。お時との別れの後、兄妹で義賊鼠小僧のような盗賊稼業を始めたと語られている
そのお時が風神の虎三一味であり、虎三の女になっていた
お時を助けようとする沢庵という展開。お時はまったく過去の優しかったお時とは変わっており、一貫して悪役風。沢庵が助けようとしているのだから善玉リターンするのだろうが、どうそこを演出するかが興味
終盤がいただけない。なんだか手抜きのように感じられる演出がしばしば。
沢庵がお時に逃げようと促していると、虎三らがそこへ入ってきて・・・、とこれはありがちな展開、そしてそこそこ強いはずの沢庵がなすすべもなく一方的にやられてしまう。
金さん、殺陣に入るときのパターンは、くるみらしきものを投げて悪役の手を止めさせ登場というのが初期シリーズからのパターンであるが、今回はその沢庵がやられるのを見ながら、それを投げようかどうしようかという逡巡している手が映し出される。こんな演出は初めて。
で、そこでは投げず。外に出てきたお時(逃げようと言われてもまったく改心せず)を、これじゃあ沢庵がいずれ殺される、と説得。ここでも説得に応じず立ち去っているが、これが効いたのであろう、縛られてる沢庵をほどいてやり逃がそうとするお時というのが次の場面。そこでやっぱり、再度虎三らが入ってくる。うまく見つからないように逃げるという学習はしないのか、と思う。ここで金さん登場、桜吹雪の刺青披露、殺陣となる。
金さんによる説得というのもあっけないもので、淡泊。
もっと時間を取って描けばいいものになったのかもしれないが、ここら辺連続して雑な展開という感じに見える
白洲では、通常は善玉が金さんという人が全部見てました、などというのをきっかけに、悪役どもが、じゃあ金さんを呼べとなるが、この回ではなぜか悪役がそれを証言できるのは金さんなる遊び人だ、金さんをここへ呼べばすべては明らかになると言い出す。通常パターンと違うのを持ってくるのはいいが、ここは矛盾してないかな。悪役どもに対峙する形で金さんは登場して殺陣で叩きのめされてるのに、なぜ金さんの証言が必要などと悪役が言い出すんだ。
近藤洋介、4必殺でレギュラーをやっていた人だが、それ以外はあまり知らない。が、この松方版金さんでは、前のシリーズにも数回出ていて厚遇

22 5月28日 蒸発した六人の娘
おちよ/斉藤慶子(二役)
蓑吉/誠直也
瓦版屋/桂ざこば
水野越前守/御木本伸介
雲海/大場順
大野修蔵/田中浩
お甲/風間舞子
了善/坂田金太郎
賭場の隠居/福山升三
番頭/日高久
堀田摂津守/若林豪
堀田に恨みを持つ雲海、正体は若年寄堀田に切腹させられた安藤頼母の息子であった。家も断絶となり、その恨みを晴らすついでの金儲け。大店から娘をさらい、生き弁天と称し金を取って見世物に。
その娘をさらう役目を負っているのが大工蓑吉。家に細工をし、夜に忍んで娘をさらう。その娘を運ぶ際に、駕籠を仕立て、堀田所縁の者だ、と匂わせ、この娘誘拐に堀田が関係していると思わせるという手口
前回の沢庵の過去と対になるかのように、今回はお竜の過去。蓑吉と過去に相思相愛。そしてその蓑吉、岡場所の目の不自由な女郎おちよを身請けし、おちよをお竜と呼んで、目の治療に奔走、金のために悪事に手を染めていた
悪事に手を染めているが善玉という役が蓑吉。いや善玉といっていいのかどうか、悪役だけど彼を深く描くという形になっている。で、こういう人は20話もそうだったが、終盤で殺されてしまうという風に処理されている
そしておちよ。目が不自由というキャラで白洲に善玉として出る。これはどうやるのかと興味深く見ていたが、桜吹雪だけは見えるなどと言い出して、遠山桜披露で「金さん」と口にするという展開。まあ、これでもいいけどさ。ここはいつもとは異なるやり方で、遠山の声を聞いて、そこでもうピンときて、ハッとした表情なんていう方がよさそうである
斉藤慶子、前のシリーズまでの女密偵に比べ地味、パッとしない感じで、演技もさしてうまくもなく、と思っていたが、ここで目の不自由な薄幸の女をうまく演じている
が、おちよ、見直してみたら、中盤以降全然出てこないでいて、殺陣の場面のところで、なぜか悪人の巣窟の場所に連れ込まれており、なんでここにいるのか、という感じ。説明不足か。どこか見逃したかな。
福本清三ノンクレジット殺陣
瓦版屋/桂ざこば、水野越前守/御木本伸介の二人はクレジットでは上のほうだが、ざこばは時代劇にありがちな瓦版屋で一回だけの登場、こんな役どころにビッグネームとは珍しい、御木本のほうは二回登場、ストーリーに大きく関わるわけでなく、堀田を叱責するという役で、もうちょっと前の時代劇なら永野達雄なんかが幕閣の偉い人というワンシーンだけの登場という風にがやりそうである

*0306
23 6月4日 恐怖の稲妻! 消えた殺人者
おぎん/清川虹子
勇吉/石原良純
長崎屋儀兵衛/大出俊
お光/渡辺ちあき
聖天の松五郎/長谷川弘
弁天政/森章二
鎌イタチの辰/谷口孝史
堀田摂津守/若林豪
大雨、落雷の最中に起きた殺人。疑われたお光が本当にまむしの権次を殺したのか。
おぎんは茶釜作りの名匠利左エ門の当主。利左エ門家は堀田と関わりがあるが、息子である十一代目が堀田と些細な諍いを起こし自害してしまっていた。
孫のお光は勇吉と恋仲だがおぎんは下職人の勇吉を認めない
というこんな構図の中、おぎんのうちの家宝である茶釜を狙う悪役が長崎屋と松五郎。長崎屋は日本の書画骨董を海外に流し、アヘンを手に入れていた
白洲でのお約束のやり取り、善玉「そうだ金さんがいる、金さんがみんな知ってます」悪役「じゃあその金さんをここへ連れてこい」というのが今回はない。唐突に遠山が遠山桜披露前の啖呵を切る

24 6月11日 百両の夢! 殺しの美人くらべ
お美代/海野圭子
伊之助/西山浩司
尾張屋七兵衛/小林勝彦
嘉助/遠藤征慈
辰吉/岩尾正隆
早川小六/森幹太
大江戸美人比べなる美人コンテストが尾張屋の主催で行われる。
火盗の元同心、早川が殺される。その早川の懐には大江戸美人比べの瓦版があった。
伊之助はお美代をそれに出して優勝賞金を狙う。
お美代はみなしご。子供のころ商家である実家に盗賊が入り親や従業員が皆殺し。その盗賊の腕にあったやけど痕をお美代は覚えていた
そして早川もその盗賊を追跡していた
伊之助は小悪党、でも作品内で大した悪事はやっていない。早川の死骸から金を盗んだとか、お美代を利用しての金儲け(女郎に売るとかではない)とかその程度。ただ、葉隠に追われた際に、なぜ逃げたか問われ、これまでまともなことをしてこなかったんで、同心見たら逃げたくなるなどと答えていて、そういう意味での小悪党というキャラ。こういうキャラは最後に死ぬことはなく終わる
西山浩司、いい。人気タレントであるのを買われての出演だと思う、この頃の時代劇でゲストでよく見るが、それらはさして目を惹くものでもなかったし、これもそれと比較して大差あるわけでもないが、それでも軽やかに小悪党を演じていて小気味よい
小林勝彦もいい。初老、温厚な商家の旦那という感じがよく出ている(大盗賊の頭という過去を隠して生きているというのが正体だが)
森幹太、それなりの役をやっていた人だが、ここではあまり出番のない役、まあまあ重要な役ではあるが

25 6月18日 裏切りの矢! 八丈島から来た女
お島/東てる美
杉原武太夫/中田浩二
お十夜源兵衛/原口剛
新三/大木正司
くめ/三浦徳子
虎吉/福本清三
赦免になり八丈島から戻ったお島を吉川は出迎える。押し込み盗賊の一味で、捕まった仲間を特殊な矢で撃り殺す。お島は軽業小屋の芸人で、その矢はお島のものだったのだ。担当した北町与力杉原は執拗に責めたて島送りになったが、吉川はその吟味に疑念を持っていたのだった
その事件の真相とはなんだったのか、そしてお島は娘を人質に取られ、押し込みに加わるよう強要されてしまう。その一団はあの時お島を罠にかけた一団であり、軽業小屋の中まである新三、さらには奉行所をすでに辞している杉原も仲間であった

26 7月2日 ニセ鼠小僧が覗いた完全犯罪
寅吉/新田純一
お小夜/吉野真弓
赤江図書頭/久富惟晴
木曽屋重左衛門/浜田晃
紀州屋総兵衛/外山高士
呑龍斎天山/旭堂小南陵
暗闇の弥藤次/佐藤京一
宇津木内膳/中村孝雄
堀田摂津守/若林豪
冒頭はなにやら古い映画のような映像とナレーション、「必殺剣劇人」のオープニングのような、といったらわかりいいだろうか。
で、しばらくして映像が終わると、そのナレーションだと思われたのは講釈。それをお竜らが見ているという場面である。語られてるのは鼠小僧。この講釈を聞いていた寅吉は鼠小僧に憧れ、そして実際にやってみて、事件に巻き込まれるという展開
寅吉とお小夜は一緒に講釈を聞いていて、お竜の連れていたお初と遭遇、彼ら三人は幼馴染だったのだ。
普請奉行赤江図書頭への賄賂でのしあがる材木問屋木曽屋、それを止めようとするのは以前は公儀御用達であった紀州屋という構図。
福本清三ノンクレジット、途中で悪役の一味の中に顔が見える

眠狂四郎円月殺法、眠狂四郎無頼控、片岡孝夫主演 [時代劇]

眠狂四郎円月殺法
オリジナル
1982年(昭和57年)11月24日 - 1983年(昭和58年)3月30日にテレビ東京系列で毎週水曜日の21:00 - 21:54に放映された連続時代劇
今回の放映 BS松竹10/3-10/30
眠狂四郎無頼控
オリジナル
1983年(昭和58年)4月6日から8月31日まで、テレビ東京系列で毎週水曜日の21:00 - 21:54に放映された連続時代劇
今回の放映 BS松竹10/31-12/1

眠狂四郎円月殺法 (1982年のテレビドラマ)
各回のサブタイトル、キャストについてはウィキの丸写し
1 1982/11/24 女地獄やわ肌炎上剣-江戸の巻-(初回2時間SP)
お芳:行友勝江、宗錫烈:高木二朗、
竜元:信実一徳、徳兵衛:堀内一市、 唐津屋:永野辰弥、お光:加川綾女、
佐平次:山本一郎、岡部美濃守:水上保広、 中丘左衛門:沖ときお、季花:岡部啓子、
季敏:田村恵子、侍:高木吉治、 侍:扇田喜久一、佐知:竹下景子
第2話まで視聴したがウィキによれば、第1話はスペシャルだったとのことで、それを2回に分けたもの。
まだ全体的なことはわかっていないが、いまウィキを少し眺めて、ちょっとわかってきた。
眠狂四郎というと、ニヒルで誰かの部下になって働くとかはしないというイメージだったが、ここでは薩摩藩を中心とする西国13藩が老中水野を追い落とそうとする計画とそれに対抗する水野側という時代劇にありがちなストーリーであり、眠狂四郎的なストーリーとは異なるように思ったが、でもまあ、我関せずの立場から、どうしようもなく巻き込まれていくという風な展開で、それならアりかなと思った
このストーリーが続くのか、それとも旅に出た狂四郎がその土地土地で様々な事件に出会うのか、第1話でストーリーに絡んだレギュラーが他にもいるということから、その設定だけは生きると思われ、一方ウィキにあるあらすじには「宿場、宿場の特徴、風物、人情をストーリーの中に織り交ぜながら、宿場ごとに巻き起こる事件を、無想正宗をもって狂四郎は毎回解決していく」とある
またそういうイメージからレギュラーは眠狂四郎だけかと思ったが、そうではないようである。
中でも「金八…火野正平」が新必殺仕置人のときと同じようなキャラで嬉しい
「お蘭…松尾嘉代」もレギュラーである。冒頭薩摩藩屋敷前で切腹しようとするという場面があり、胸をはだけている。

眠狂四郎は雷蔵のを数本見た。まあ田村正和のファイナルというのも見たけどあれは置いといて・・・。そのころ雷蔵の格好良さに驚いていたので、眠狂四郎も面白がって見た覚えはあるが、今の時代から見ると作風がなかなか受け入れがたいものではないかと。いや今の時代というより、今の自分としたほうがいいかもしれないが。話のテンポがゆっくりすぎて眠くなってしまうのだ。現にたしか去年だったが、BS12かなにかで雷蔵の眠狂四郎を一挙放送していて、それは録画はした、数本見てみたが、途中で寝落ち。
さて、こちら。冒頭あたりを見て、雷蔵のものを完全に踏襲しているようで、なかなかやるじゃんと思った。顔なんかもそっくりに思えた。その回の最後まで見て、顔のアップなんかも何度もあり、よくよく見ると、そんなに似てないなとは思ったが、まあとにかく雰囲気はかなり近いと思った。ストーリー的には上にも書いたようにどうなんだろとは思うが

2 1982/12/1 女体いけにえ無情剣-神奈川・横浜村-
お浜:范文雀、丈吉:高峰圭二、
久蔵:若宮隆士、柴山外記:波田久夫、 甚六:千葉敏郎、
ミケーレ:ディック・エムハイハース、 漁師:笹吾朗、お里:桐生奈知、
武井三二、丸尾好広、木村茂、長坂保
らしゃめんの話
伊波一夫の顔があった。「海老原蔵人…伊吹吾郎」の配下
必殺によく出ていた端役の人だ。最近見ているのでは福本清三がノンクレジット、で出ているのをよく見つけていたが、あちらは東映。こちらは松竹の人だったかな、と思い、今番組は松竹なのかと思ったがそうではないようだ

3 1982/12/8 みだれ肌からくり女妖剣-戸塚の巻-
渡辺一閑:内田稔、三吉:丹呉克年、
弥三郎:唐沢民賢、お京:一の瀬玲奈、 おはる:月路照子、利吉:田中弘史、
古屋:丘路千、片山:細川純一、 てる:高橋美紀、
小林加奈枝、平井靖、伊波一夫、 伊藤雅子、山岸えつ子、小川一郎、
長坂保、劇団ホリホックアカデミー
冒頭の利吉と狂四郎の場面がいい。海苔の不作のまじないで、まじない用の海苔を食べてもらいたいと狂四郎に頼む利吉、ほのぼのシーンである。が、食べた途端に狂四郎は倒れる、これは眠狂四郎でよくあるパターンのような気がする。少なくとも、毒入りのものを食べて倒れるみたいなシーンは多い。
そして狂四郎は連れて行かれるが、倒れたのは偽装の狸寝入り、実は健在というのも、やっぱりね、という流れ、このドタバタとしながらも安直な展開が安っぽくていい
この回では伊波一夫が役名なしクレジット、この回のメインともいえる少年利吉の父親役。

各回ストーリーは、老中水野と薩摩の件に関する登場人物が狂四郎を追うというような展開に、土地土地の人々との関わり合いを混ぜ合わせたものといえそう。

この番組の第1回の最後に次回予告があった。そこでは「次週後編ご期待ください」とあった。
また第2回の最初にストーリーとは関係のないOP映像が入る。これはその後の回にも入るこの番組固有のOP映像である。
今回放映の第1回、2回は、あわせてオリジナルではスペシャルであった第1話であるが、次回予告で後編のことを予告している映像があるということは、再放送用に編集されたものがすでに用意されていたということだろう、もちろん今回作ったともいえるが。
第2回の最後にも第4回の最後にも次回予告があったものの、第3回の最後には次回予告なし、なんでだろう。

*0206
4 1982/12/15 武士道残酷多情剣-藤沢の巻-
とき:片桐夕子、長久保忠宗:遠藤征慈、
小泉又八:草川祐馬、小泉弥一郎:大木悟郎、 おたね:人見ゆかり、和兵衛:北見唯一、
古川:滝譲二、岡島:美鷹健児、 侍者:松尾勝人、:諸木淳郎、
伊藤克美、布目真爾、長坂保
粗暴な殿様、時代劇でありがちなバカ殿、に意見し切腹を申し付けられた又八、女の体を知らぬ彼に兄嫁が切腹の前日に体をまかす。しかし切腹の沙汰は取り消され・・・。
片桐夕子はちょっと今出川西紀に似た感じの人
松尾勝人は必殺で伊波一夫と同じころよく出ていた人で、おれはこの二人を取り違えていた。松尾のほうは顔を認識しきっていないので、今作でどこに出ていたかはわからない

5 1982/12/22 仕込み傘女郎花殺生剣-大磯の巻-
おしん:永島暎子、十兵衛:高野真二、
おりき:三島ゆり子、お花:久保田理絵、 勘兵衛:伝法三千雄、岸田:中村光辰、
伊藤克美、丸尾好広、平井靖、扇田喜久一、 東田達夫、富盛美江子、木村茂、小島寿
三島ゆり子と火野正平の場面がたっぷりあって必殺ファンとしては楽しい。この二人のレギュラーでの共演はなかったと思うが。
そういや伊吹吾郎も必殺レギュラーだったなと思い出す。伊吹もこの回に登場。三島とのやり取りはないが。
高野真二は殿様だとかそういう侍で身分が高い役、もしくは商家の旦那などが似合う人だが、この回ではまず茶店の人のいい親父という紛争で登場、が実は蔵人が雇った琉球忍という役で、そのどちらもがこの人にしては珍しい役。走る場面なんかもあり、最後はこの回のクライマックスとなる狂四郎との一騎打ち、出演場面も多く、ここら辺もこの人にしては珍しい

6 1982/12/29 こぼれ花情け無用の無頼剣-小田原の巻-
小夜:佐藤万理、塚本伝九郎:八名信夫、
伊助:柳川清、おりん:大川かつ子、 源太:徳田興人、弥兵衛:野崎喜孝、
彦十:東悦次、人足:久野一夫、侍:佐波安
佐藤万理はこのころの時代劇にゲストでよく出ており、清純そうな顔つきで人情噺の善玉側が似合う。となるとこういう作品にはちょっと不似合いな感じがする。第1話の竹下景子なんかにもそれを感じた。まあもちろん、ミスキャストという風になってるわけではないが。
八名信夫の伝九郎は凄腕の狂四郎への刺客であるが、こういう作品で凄腕の敵というのは描くのが難しい。「水戸黄門 第5部」の鉄羅漢玄竜についてのところでも書いたが、強い敵と言っても光圀道中をつけ狙う最強の刺客といっても一話完結で必ず悪が負けるのだから強さを見せられない。それなら、今回のように一回きりのゲストじゃなおさらである
狂四郎が尋常でない強さなので、それを狙う敵も超人的なものを用意しなくてはならず、ゆえに忍が主になり、そして人の技を超えたような術を使い、となり、なにやらカムイ外伝のような様相。おれは読んでないので、ほんとは言及すべきではないのだが、多分山田風太郎の忍法帖なんかの世界観もそんな感じだろう。
武部仙十郎…小松方正が第1話以来の登場、これでこの回までに、重要レギュラーは全員第1話以外に1回は登場したことになる。こういった何かしらの指令を受けての旅ものというのは、旅をする若者たち、主人公とその仲間、そして敵、がおり、老年のもの、たその指令を出したものや敵方の大将、多くは家老だったり、老中だったりだが、それらは江戸に残って、あまり作品には顔を出さないものだ。ここでいえば、「武部仙十郎…小松方正」と「調所笑左衛門…安部徹」あたりのことだ
また、狂四郎の立ち位置だが、一応老中水野側、武部仙十郎の指示を受け、西へ旅をしているが、この回で武部から指示を受け、あっさり跳ね返しており、自由に旅をすることが条件となっているようだ。そして薩摩側は狂四郎を邪魔に思い、抹殺をするということに血眼になっているという構図。まあ狂四郎を狙う敵というのがいなくてはドラマにならないからな。本当に薩摩側から見て消さなくてはならないような人なのかどうかは疑問だが

7 1983/1/5 無惨!乙女肌魔性剣-三島の巻-
臥竜軒:小林稔侍、須磨:藍とも子、
小枝:小林伊津子、良左衛門:松田明、 九兵衛:須永克彦、作三:有光豊、
俊芳:浜世津子、鈴:門谷美佐、 お幸:桐生奈知、
棟方洋子、北原将光、徳永まゆみ、 玉野玲子、加藤正記、深見辰二、 佐々木常雄、伊藤克美、服部明美
前回もそうだったが今回も超人的な相手となる。小林稔侍に似てるなあと思ったが、まさか本当に彼だったとは。山に住む猟師のような恰好をしためっぽう強い剣士という役。
須磨というのは父親が彼に神社での奉納試合で負け、剣術指南の職を追われ、失意のうちに亡くなっており、その遺言で敵討ちを狙い修行をする武家のお嬢様。かわいらしい顔での修行の場面が序盤にあり、なんでこんなに剣術修行が似合わない人をキャストしたのやらと思っていたが、それはラストでなるほどと思わせる。
ラストが驚愕。女の裸が視聴者サービスなのかどうかよくわからんが、かなり大胆な展開
狂四郎は須磨の狂四郎に教えを乞うていたのを断っていたが、因縁の神社での奉納試合間近になり、「尋常な手立てではないが良いか」と断り、一手教えることになる。それは臥竜軒が女を苦手としていることを知っての技で、服に細工をし、あるタイミングで突如胸をはだけさせ、相手がたじろいだところへ一撃というもので、その作戦で須磨はその試合に勝利する。
この展開だけでも驚愕だったが、この後がもっと凄い。
臥竜軒は夜に須磨のところへ押し込んで、犯す。
翌昼、立ち去ろうとする狂四郎の前に現れたのは、惚れ薬を飲ませ駅弁ファック状態の合体した臥竜軒と須磨である。こうすれば狂四郎も攻撃できまいとのことである。
なんじゃこりゃ。まあこれも忍法帖っぽいなとも思える
藍とも子は当時ヌードをやっていた女優のようである
伊波一夫、ノンクレジット、試合で審判を務めている

*0207
前日に半分まで視聴の第8話。今日はまた最初から視聴したが、覚えてるところまでは1.3倍速視聴
8 1983/1/12 闇に光る女吹き針無想剣-沼津の巻-
岡まゆみ、田口計、原口剛
この回からウィキのゲストキャストの書き込みが少なくなっているので、適宜追加で書き足していくことのする
倉本千佐・・・岡まゆみ
駿河屋仁兵衛・・・田口計
倉本源之助・・・原口剛
玄庵(医者)・・・山村弘三
冒頭はまたも忍法帖っぽい。押し込みに行き当たり、そこの女将さんを助けた狂四郎。だがその女将を抱き抱えると女将が吹き針、目をやられてしまう。この後、目をやられながらも敵を撃退、失明の危機となる。そこでは目を瞑った演技。これもカムイ外伝に目をやられメクラとなっての放浪という場面が長くあったと思うがそれを思い出す。
岡まゆみがその女将。忍者ではなく、単なる浪人源之助(原口剛)の女房千佐、ただ吹き針が得意でそれを見込まれ、駿河屋(田口計)に頼まれたのだった。この夫婦、嫌い合ってるわけではまったくないのだが、考え方が異なっており、女房のほうは旦那の剣術の腕を見込んでおり、再度仕官すれば出世できると思っており、しかし旦那のほうは、武家社会の馬鹿馬鹿しさに呆れもう戻るつもりもなく夫婦二人で静かに暮らしたいと願っている。
駿河屋は倉本に足袋の仕事を頼んでおり、さらに千佐が亭主の仕官の口利きを頼んでいた
結末は千佐を駿河屋に人質に取られ、源之助は狂四郎と対決させられることになり・・・。
伊波一夫、ノンクレジット、ほんの一瞬、千佐が過去にやった宴会での吹き針芸という回想場面で、それを見ている客の一人

9 1983/1/19 はぐれ三味線運命剣-蒲原の巻-
沢竜二、山田五十鈴、丹古母鬼馬二、
片岡孝太郎、山本一郎
山田五十鈴がトメ。ゲストでトメは竹下景子以来か。
盗賊が二組。山賊みたいなやつら(沢竜二や丹古母鬼馬二など)と、お上に縁を返上し御家人から浪人になった三人組(そのうち一人が山本一郎 )
どちらも狂四郎に痛い目にあっており、二組を都田水心が仲立ちし、狂四郎を倒そうとけしかける、もちろん都田はその決闘に参加せず、遠くから狂四郎が勝つところを見守っているだけ
本筋は、その地の女郎屋の女将おとは(山田五十鈴)、高齢で産み、いま15歳の息子鶴吉(片岡孝太郎)と生き別れになっていたが、その山賊盗賊の配下に鶴吉はいた。鶴吉は親分に恩義があるらしく、親分から殺せ女を犯せとけしかけられてるが、なかなかそれはやれずにいた。
二人が二度目にあったとき、彼の名が鶴吉と知り、どこの在所かなどと聞き質し、自分の子と確信するおとはという場面があるが、割と緊迫した場面で、会話が少し長すぎるかなと感じた。
鶴吉は親分を助けるため役人を殺し市中引き回しで死罪となる。
ほかに日高久(百助、居酒屋の親父)、芝本正(役人、役名なしクレジット)

*0208
10 1983/1/26 無頼子連れ旅必殺剣-府中の巻-
御木本伸介、北川恵、
川崎あかね
これまでとはちょっと違った雰囲気の作品。レギュラーは狂四郎のみ(※)。ただそれが変わった部分というわけではない。むしろおれの考えでは、眠狂四郎を連ドラにするなら、こういう風にレギュラーは一人で、旅を続けるみたいなほうがいいように思うくらいだ。
(※)
島本半三郎…関根大学
森田周之助…鶴田耕裕
松浦与一郎…片岡松之助
という三人のレギュラーがおり、この三人はこの回に出ているが、おれはいまだどの人かわかっておらず、端役であろう。
街道の茶店で狂四郎は刺客に襲われ、茶店にいた小さい娘を連れた爺が巻き添えで斬られる。爺は死に際に、その娘ちよ(長谷川直子)を女郎屋にいる母親おすみ(川崎あかね)のところに届けてくれと、身請け金を渡され頼まれる。
こうして幼い娘ちよとの二人旅。途中ちよに熱が出て宿で足止め。隣の部屋の女おしま(北川恵)がちよの看病の手伝い。このおしまがこの回のメインゲストといえよう。おしまは道中師、つまりは泥棒で、狂四郎にも酒を呑ませ、こっそりやろうとするが、ちよの「おかあちゃん」という寝言に、その手を引っ込める。おしまは生きていればちよと同じくらい(5歳)の娘を、3歳の時に自分の不注意で乳をやりながら寝てしまい窒息死させていたのだった
乳っていつくらいまで上げるんだろうと調べてみると、2歳前くらいには終えるようだ。まあ3歳というのは数え年齢と考えれば辻褄はあうし、満年齢で3歳まで乳を上げてても別に問題はない。
おしまに知らせず出立してしまう狂四郎とちよ。しかし狂四郎が刺客に銃で撃たれてしまう。追ってきたおしま、狂四郎はここからしばらく動けないということで、ちよを母親のところへ送り届けることを頼まれ快諾。
しかし、狂四郎を狙う連中は、すでに狂四郎の動きを探っており、ちよの母親を麦とろ屋和助に身請けさせ、その和助は殺して、その麦とろ屋で待ち伏せ(狂四郎もその麦とろ屋和助に身請けされたと聞き、そこへ向かっていたのだ)。
ここまでは幼い娘との二人旅、さらには優しいおしまとの触れあいと、優し気な調子で話が進んでおり、ここら辺がこれまでとは違った雰囲気と称したのだが、この狂四郎を置いておしまとちよの二人旅、行く先は麦とろ屋、悪い予感しかない。そこまでが優し気な調子だったのが、一層悪い予感の雰囲気を盛り上げる。
が、麦とろ屋に辿り着いて、それなりの展開になるが、おれの悪い予感で予想した最悪の展開とはならなかったのはホッとしたというかがっかりと言うか。つまり、ちよと母親おすみ、さらにおしま、皆殺し。狂四郎に関わるとみな不幸になる、みたいな展開を予想したのだが、結果的にちよとおすみは生き延びて終わる
おしまは母子を殺すと脅され狂四郎の居場所へ案内、狂四郎に大声で合図をし、斬られてしまい、狂四郎怒りの逆襲。
ラストは母子が見送る狂四郎。ちよの「おじちゃーん」というのはこういう作品では予想どおり
御木本伸介は終盤まで気付かなかったが、敵役のメインで法師の姿。彼にしては珍しい扮装
ちよは長谷川直子という子役、何度も見たことあるように思う
和助(おすみを身請けする麦とろ屋)・・・原一平
松尾勝人が役名なしクレジットである

*0209
11 1983/2/2 姫君みだれ舞い妖艶剣-藤枝の巻-
山内絵美子、早川雄三、
山本昌平、水上保広
川止めとなり、人足を雇って川を渡る狂四郎
渡った先では阿波藩の行列が足止めになっていた
阿波藩の貴世姫(山内絵美子)は色情狂。江戸へ将軍の息子との縁組。道中旅の男を誘い、逃げ出した者を殺していた。
阿波藩は西国13藩のうちの一つのようで、狂四郎を狙う立場でもある。
山本昌平は宿の主人だが裏では殺し稼業という蔵三。狂四郎を追う薩摩組に依頼され狂四郎を狙う。という風に阿波藩、蔵三と二者が別々に狂四郎に絡んでくるという構図。
貴世姫は金八に狙いをつけ、金八も監禁状態となる。金八のほうは喜んでいるが。
狂四郎はそれを聞き、貴世姫のいる本陣に乗り込み、貴世姫が狂気のふりをしていることを見抜く。
前回府中(甲州街道)、今回藤枝、東海道、変だなあと思い調べてみると、府中宿は東海道にもあった

*0214
12 1983/2/9 月光けもの谷暗殺剣-掛川の巻-
原泉、青木義朗、
片岡静香、吉田豊明
青木義朗がトメ
山の中の荒れた小屋に互いを見知らぬ旅人たちが何組も集い、誰も彼も怪しげで・・・、というような設定。これは時代劇で時郎威みられるし、現代劇でもミステリーなんかに使われる設定かとも思う。
裏薩摩という狂四郎を狙う一団が登場、その小屋に集ってる半数以上がその集団
また原泉は序盤に出てくる宿の婆(小屋にはいない)、なにやらこれも怪しげだなあと思っていたが、終盤に怪盗であることで役人が捕まえに来るが、狂四郎は彼女に助けられており、その恩義として役人を追っ払う。

13 1983/2/16 いのち花わかれ盃情炎剣-袋井の巻-
森次晃嗣、千波丈太郎、
北村晃一、諏訪裕子、 堀内エマ、出水憲司、坂口徹郎
この回はお蘭がかつて夫婦約束をしていた新九郎(森次晃嗣)が登場。そのお蘭と新九郎の場面が多く、狂四郎の出番は少な目というこれまでになかったような回。
かつては千代田の勘定方であった新九郎は落ちぶれた姿、そしてお蘭のほうもかつてとは違う旅姿、二人は再会してかつてと異なる姿形に驚く
新九郎は雇われ狂四郎を討つことになる。人質にされたお蘭を新九郎は助け、お蘭は新九郎に狂四郎のところに案内すると言うが、森の中へ連れ込み、新九郎を刺す
お蘭が狂四郎に盃に花びらを入れてこれで男女の縁が深くなるおまじないというのが序盤にあり、ラストでは狂四郎がそれをお蘭にやってやるという場面がある。狂四郎のほうからお蘭に心を寄せる場面だろう
良質な回であり、松尾嘉代がうまい。もちろん森次晃嗣も。
前回はレギュラー陣では狂四郎のみの登場であり、もちろん狂四郎が活躍しており、その対比がよくわかるこの二回
お蘭は一旦江戸へ戻ると言っており、ひょっとしたらこの後出番が少なくなるかもしれない

*0215
14 1983/2/23 津軽恨み節孤愁剣-天竜川の巻-
柿崎澄子、黒部進、
市原清彦、山科ゆり、片岡京子
他に山本一郎(和助)、尾崎弥枝(おひさ)は役名あり。松尾勝人、伊波一夫は役名なしクレジット
山本は序盤雨宿りの小屋でお冬の三味線を聞いてる一人、幕府の隠密らしく後にこの地の秘密を探っていて殺されてしまう
伊波はも同じくその三味線を聞いている中の一人で坊さん姿
ほかのふたりはわからず
お冬(柿崎澄子)は目の不自由な津軽三味線弾き。子役というか子役卒業くらいの年頃。大フィーチャーされてるがあまりうまいとは思えない
父親が侍で母親は自分と同じく目の不自由な三味線弾き、妾のようなものであったのだろう、父親は母親を殺して出奔。その父親を捜すお冬。
難しい役どころで母親の敵討ちと父親恋しさが同居。父親の居場所がわかり殺しに行くも、優しい言葉をかけられ、心がほどけ、父親への愛情を発露、抱き抱えられそして刺される

15 1983/3/2 ふたり狂四郎木枯し魔風剣-浜松の巻-
長塚京三、藤山律子、小笠原弘(藤江道場主)
話の入り方が面白く、そのままその設定が巧みに生かされている
女が無頼に襲われ、無人小屋へ連れ込まれると、そこにいた侍が女を助けてやり、一緒の旅路となる。侍は水上源之進(長塚)、女は美代。その連れ立っている二人を見かけた狂四郎、二人を見知っているようで、ここで変だな、と。その二人はお互いを知らない関係のはずなのに、狂四郎は二人ともを知ってるとは。
島本など三人組(※後述)は狂四郎を狙うため、藤江というこの地の道場主のところへ話を持って行く。藤江は配下を連れて狂四郎を探しに宿屋へやってきて、源之進お冬の部屋へ。そこで眠狂四郎という名を聞き、二人はハッとして、そして互いに相手が狂四郎の名を知ってることに驚くという展開となる。
源之進は四年前に狂四郎と試合をして負けて、めしいになり、藩を追われ、この四年の間打倒円月殺法を目指し修行
美代は二年前には一緒に暮らしていたという仲で、だが、狂四郎は姿を消してしまい、彼女は狂四郎を探し回っているという身の上。
この二人が関係を深めながらも、源之進は打倒狂四郎を諦めず、試合を申し込んだと聞き、お美代は藤江に連絡をし、狂四郎を討ち取ってもらおうとするも、その試合の場で、狂四郎を救うため、大声を上げ駆け込んできて矢に打ち取られる。美代は死ぬ。美代が生き延びてくれれば、自分の生き方を変えれたかもしれないという源之進は美代が死んだ今となっては、再度狂四郎と試合するしかないと、対決を申し込み円月殺法にやられる。
源之進と美代の関係性がよく見ごたえあり。長塚はまだ若いかな。
試合のことを話した源之進、今でも狂四郎が好きなのではと問われ、美代はあなた(源之進)に死んでほしくない、私は生まれ変わった(狂四郎ではなくあなたが好きという意)、あなたも生き方を変えてください(剣の道ではなく、人の道に生きると生まれ変わってほしいというような意味)と答える。
今シリーズは5幕もの。CMが4回入る形。その4幕が二人の試合に藤江たちがやってきて、美代が駆け込んできて矢で討たれるという場面で、ここがクライマックス。
5幕の狂四郎と源之進の試合は蛇足とはいわんが、大きく盛り上がった後なので、なんとなく余計に思える。なんとなく静かな終わり方で、でもまあ幕引きとしては無難か
(※)
島本半三郎…関根大学
森田周之助…鶴田耕裕
松浦与一郎…片岡松之助
この三人は、14、15話と三人連れの場面が多く、ようやく役割がわかった。狂四郎を追う薩摩の家臣という役どころのようだ
円月殺法。剣をぐるっと回して惑わすというものなのだろうけど、源之進はめしい。
他の回でも円月殺法は見られるがあまり効いているように見えないし、すごいものにも見えない。
そうそう。
OPには毎度固定の映像があり(そこにはクレジット関連は出ない)、そこで狂四郎が殺陣を見せ、最後に「眠狂四郎と覚えておいていただこう」というセリフ
次回予告では最後に狂四郎のセリフ「冥途の土産に円月殺法をご覧に入れよう」が被さるという風になっている。こちらのセリフが次回映像のワンシーンにあるというわけでなく、次回映像に被さる形で音声だけが入ってるという形式

16 1983/3/9 悪女志願!美男剣-荒井の巻-
大信田礼子、本郷直樹、草薙良一、
大木悟郎
中山主税:林成年(トメ)
手鎖を嵌められている女を狂四郎が助ける。その女おもんは盗賊の頭才蔵(草薙良一)の女で、逃げられるのを恐れそのような形で監禁されていたのだ。
おもんはよく言えば純粋無垢だが、どこか頭のねじが一本足りない女。
自ら女郎屋に言って女郎になったかと思えばその晩に探しにやってきた才蔵の手下である直次郎(本郷直樹)と結ばれ二人で逃げる決意をし、その翌朝には「辞める」といって出て行ってしまい、女郎屋の女将おちか(近江輝子)は翻弄されてポカーンとする場面なんかは見もの
狂四郎を捕えに来る代官中山主税の配下の役人にノンクレジットで伊波一夫

17 1983/3/16 美女姫身代り残忍剣-白須賀の巻-
綿引勝彦、小田切かおる、富田恵子、
中村錦司、溝田繁、芝本正
公家が出てきて、「おじゃる」だとか「麻呂」だとか言ってる。演じるのは綿引勝彦。それに付きそう従者が芝本正
金八が追われてる女を助けるもちょっと目を離した隙にその女は殺された。女は綾姫(小田切かおる)という公家の京極家の跡取り娘。しかしそれは実は八重(小田切かおる二役)という旅回り芸人一座の女であり、そこには京極家当主の弟である京極文麿(綿引勝彦)の策略があり、それに乗った綾だったが彼女も文麿に騙されていた

18 1983/3/23 夕陽の群盗多殺剣-土山の巻-
お仙:志麻いづみ、美沙:風祭ゆき、
桂木弥七郎:石山律雄、庄五郎:岩城力也、 伊十郎:五味龍太郎、妙:安部理恵、
日高久、堀北幸夫、筑波健、三笠敬子、 松山秀明、杉並良馬、中條達也、邦保、
劇団ホリホックアカデミー、
丹波の鹿蔵:亀石征一郎(トメ)
野盗の頭丹波の鹿蔵が捕らえられ、それを護送するのが弥七郎。野盗は頭を取り戻そうと襲ってきたのを助けたのが狂四郎。
構図は鹿蔵を城下へ運ぶための見回り役人がやってくるまで、配下の襲撃に耐えること。
弥七郎の女房お仙はかつて狂四郎に夜鷹の格好で近づき財布を盗もうとして狂四郎に見破られていたということがあった。が、狂四郎は昔のことは忘れた、と夫婦の幸せを壊さないようにしてやった
弥七郎の妹が妙で、兄が出世を諦めた原因としてお仙を見ていて、嫌いが高じて、彼女の過去を調べ、それを知らせに弥七郎の元にやってきたのだが、彼女が戻ったとき、弥七郎は襲ってきた野盗と戦っており、そして殺されてしまった。
妙はお仙にそのことを言い募ろうとするも狂四郎はそれを止める。
美沙は野盗の一員。野盗が町を制覇した際に、縛られてる狂四郎を呼び出し、強い男が好きと言って、自分を抱かせようとし、縄を解いてしまい、狂四郎の逆襲が始まる。
ラストがちょっと面白い。野盗全員を殺してしまう狂四郎だが、美沙だけは殺さず。
そして、裏で野盗を結んで策略を授けていた都田、野盗全滅を見て、だらしないとこぼすと、美沙が都田を刺し殺し、美沙も例の三人組に殺される、という終わり方。都田は死んだのだろうか、死んだような描写だったが。
次回が最終回、薩摩の絡みが強い回と弱い回とがある。まあ水戸黄門と一緒か。目的地があり、追手がいて、だが、そういうのに触れない回もあるというような。
薩摩まで行きつけないが、次回は京都のようで、そこで最終回。
ちなみに次シリーズが今回続けて放送されているが、オリジナル放映も続けての放送で、なら新シリーズにしなくてもよかろうと思うが、設定が一新しているのかもしれない
片岡孝夫、初回のときは雷蔵そっくりで、あの雰囲気をよく出していると思ったが、回が進むにつれ、その孤高な感じは薄れてきた。まあ歌舞伎で最高峰の役者でもあり、演技は問題ないけど。

*0216
19 1983/3/30 京洛の闇に舞う死闘剣-京都の巻-
お淋:美雪花代、望月頼母:西沢利明、
千宗雪:岩田直二、岸和田藩家老:永野達弥、 玉生司郎、沖ときお、淡路康、
矢野裕子、東悦次、扇田喜久一、 竹村仁美、長坂保、木村茂
京に入った狂四郎。京で例の西国13藩が会議を行うという情報があり、その会議を狂四郎に邪魔されずに行うことができるかどうかの攻防
茶人の宗雪は武部の依頼で狂四郎を匿い、内弟子のお淋を側に置く。このお淋の兄が海老原蔵人、兄妹は長い間会っておらず、蔵人が薩摩藩に仕官したことをお淋は知らない、という構図の中、久しぶりの兄妹の再会、そして狂四郎と蔵人の対決(ここがこの回のクライマックスとなる)。
伊吹吾郎は久しぶりの登場、狂四郎に討たれる
例の三人組も討たれる、多分三人とも
小松方正と安部徹は全然出てない。確かシリーズ途中で、こういう上の方の役というのは旅には出ないで江戸から指令を出すようなタイプなのに、旅の途中でも出てくるのは珍しいというようなことを書いたが、多分それ以来出ていない。
ナレータ―は佐藤慶だが、この回のスタッフクレジットでその佐藤と並記で「語り 小松方正」とあった。他の回にはなかったはず。この回のラストの部分かな。
松尾嘉代も例の回以降出ていない
火野正平は、レギュラー陣で狂四郎以外では一番出演回数多いと思う。彼の演じるキャラは使い勝手がいいと思える。ただレギュラーは狂四郎だけという回も多くあった印象である
伊波一夫、ノンクレジット。13藩の家老会議に出ている。
そうそう西国13藩に加賀藩があった。加賀藩って西国なの?
円月殺法を封じたかのような蔵人の技、剣を回している最中に小柄を投げる、が見られる。再度の円月殺法に敗れるのだが

眠狂四郎無頼控 (1983年のテレビドラマ)
1 1983/4/6 殺さないで私の子を異人妻の絶叫!将軍お世継暗殺大奥やわ肌秘話(初回2時間スペシャル)
加賀まりこ、永井智雄、田畑猛雄、水原麻記
朝比奈順子、住吉正博、尾崎弥枝
前シリーズから継続のレギュラー陣
眠狂四郎…片岡孝夫(片岡仁左衛門・15代目)
お蘭…松尾嘉代
金八…火野正平
武部仙十郎…小松方正
作品の世界観は前シリーズで西国13藩の謀略は狂四郎が砕いたということでそのストーリーは終わっており、、その旅から江戸へ戻ったということなのだろう、そういうセリフ(「東海道の長旅ご苦労さまでございました」)もあった。
老中水野側の武部が登場、お蘭は駕籠屋の女将みたいで、そういう設定があったのだろう、確か前シリーズではそういう箇所はなかったが、金八も久しぶりに江戸へ戻ったという状況。
今シリーズはずっと江戸だろうか。
この回は、松子(加賀まりこ)がオランダ人との子を産み、江戸へ出てくる(実家に戻る)というところから始まる。その道中で狂四郎に松子が助けられる場面があり、そして江戸で再会。
父親は奥医師法印の室矢醇堂であり、が、しかし、邪教に嵌っており、徳川の世継ぎを殺すことに熱中しており、それを防ごうと動く大奥御中﨟三浦(水原麻記)は武部に相談
武部からお蘭、狂四郎に指令というような展開
金八が江戸城に潜り込む場面。やっぱり肥溜め舟に乗って入っていくのだが、三浦が便所に入ってきてまたごうとしたときに、下から声を掛けるというちょっとエロ
エロといえば前シリーズもそうだったが、オッパイがよく出てくる。
初回2時間スペシャルとあり、今回の放映では2回に分けている。カットがあるのでは、と思える箇所があった
住吉正博がキャストクレジットにあり、、松子のお見合い相手のようなのだが、出てきていない。見逃したかなあ。
見逃したかと思える箇所はもう一つあり、お蘭が狂四郎に醇堂について報告をしている場面があるのだが、そいつを探れというような指令が飛んだ場面はなく、そもそも醇堂が怪しいとなぜわかったのか。でも、大きな展開としては三浦から世継ぎのことで相談があり、それについて探っているという流れではあったのだけど
尾崎弥枝は宿の女中という役名、最初の回の序盤かなあ、
狂四郎の世界観。前シリーズ最終回。水野がいなくなったあと誰が政治をやろうがどうでもいいが、いまことを起こすと泣くのは庶民だ、というような論理で西国13藩家老を斬っている。
今回も徳川が倒れるのはよくないというようなことを考えている節がある
吉蔵…北村英三は狂四郎が下宿している舟宿「舟仙」の主

2 1983/4/13 生肝頂戴つかまつる
加納竜、睦五郎、五味龍太郎、長谷川待子
江戸が舞台。悪人成敗もの。とこうなると、例えば必殺の多くのシリーズ、特に主水ものは主水が八兆堀同心ということで全部そう、大岡越前や江戸を斬るもそう。おれはこういう江戸庶民がメインの話というのは割と好きなのだけど、でも眠狂四郎でそういうのは似合うのかという疑問が湧く
この回はストーリーはかなりグロテスクというか異様
町中で夫婦喧嘩や子を叱る父親を見るや刀を振り回し、腕を斬り落とすという荒れた性格の侍、大導寺兵吾(加納竜)。この兵吾に狂四郎は心を寄せ、酒を酌み交わし生い立ちを聞く。
主君の尻拭きという役目の端女が母親で、自分はその尻拭きの際に作られた子。その女を拝領妻として下げ渡された下級武士が育ての父となる。父は母を罵ることで憂さを晴らしていた。兵吾は父の腕を斬り落とし、そのときに「おののき」が刻み込まれた。その後は叔父のところへ幽閉。という生い立ち。理不尽に犯された女の腹から生まれたという狂四郎との共通点、これは第1話でも松子の息子と狂四郎の共通点というのがテーマでもあった
そして兵吾は家老梶原民部(睦五郎)から命を差し出せと言われた。事の次第を聞くとそれは教えられないとの答え。
兵吾はその命令を断り、追われる身となり殺された
狂四郎は兵吾から、梶原からの命令、向島の寺へ行って命を差し出せというもの、の話を聞いており、その向島の寺へ行き、兵吾がどんなことをさせられるか自分が兵吾となって体験し、その依頼内容を知る。将軍の娘が悪性の腫瘍を発しており、それが治癒しても顔や体に痕。それを治すため少壮な男の生肝(特に同じ誕生月の男のもの)を食すことが必要なのだった。
狂四郎は生肝を差し出すことを約し、梶原の屋敷に乗り込む。兵吾は犬死、君命を受け入れるのが武士道などといわれ、犬死させることが武士道か、それを武士の誇りと思い込ませるその卑劣さが許せないと殺陣になる。そして梶原を斬りその死骸をその寺へ運ぶ。
金八が五七調で調子よく喋って登場、講釈に凝って、立川談亭に弟子入りしたとか言っており、さらには作品の中盤では金八がその調子のよい喋りをして、お蘭とともに「やだね~」とやっていてこれは談志の作った流行り言葉なのだそうだが、それを意識してるのかも

3 1983/4/20 魔性の血を宿す妻
河原崎建三、島村佳江、三島ゆり子、
堀内一市、千葉敏郎、山本一郎
北見唯一
伊波一夫はノンクレジット、最後の殺陣の中にいる
底辺の生活をしている浪人夫婦。亭主は女房に体を売らせる店で働かせる、とまあ時代劇によくあるストーリー。だが、終盤の展開はなかなかよく、また女房のとき役の島村佳江が美しく、また演技もよく、見応えあり。だけど前の回でも書いたが、これ眠狂四郎でやるような内容かとは思う
浪人宮部多九郎はやくざ仁兵衛の用心棒。ときは貧乏生活にも武家の誇りを忘れず気品のある妻女
見所は中盤、ときを仲居の仕事にどうかと、多九郎が仁兵衛の下っ端彦六(山本一郎 )と言われていたが、実は体を売る仕事
ときが店に行くと、まず最初にその店の主人、やくざの親分仁兵衛に抱かれる。家へ戻ったときが、多九郎にそのことをなじると、多九郎はそういう仕事だったとは知らなかったようで、だが仕方ないじゃないかと吐き捨てる。
そこで多九郎が自分がいまこうなった身の上を語る。元は藩の指南役。ときに言い寄った江崎頼母から女房を守るために、江崎を斬り、頼母のちょうちん持ちが意趣返しにやってきて腕を斬り落とされ、浪人に。さらに江崎の弟からは仇として狙われる身の上
頼母を迷わしたお前の色香が悪い、つつましく見せながらお前の中には魔性が住んでいるに違いない、お前のために一生を誤ったこの俺だ、そのためにお前が体を売ることなどどうってこともあるまい、と多九郎
そこへ彦六がときに客がついたと迎えに来ると、多九郎は彦六に刀を向ける(体を売る仕事だとは知らなかったということ)が、一方ときは急に声を張り上げ「下郎、すぐにまいるゆえそれにて待つがよい」。
多九郎の言葉を聞くとき、そしてこのときの態度の急転が見事
ときは狂四郎に夫を斬ることを頼む(ときは狂四郎と知り合っており信頼し心を許している)が、その試合で多九郎が負けを覚悟し座り込むと、ときはそれを庇い、夫婦は絆を取り戻す。しかし、江崎は藩の家臣を引き連れやってきて、多九郎は斬られる。そこへ狂四郎が現れ斬り合い。藩の家老がやってきて、これは藩に関わりないこととして、家臣を引かせる
ときは自害しようとするも狂四郎に諭され、巡礼の旅へ出ることになる
三島ゆり子はストーリーに絡まない岡場所の女で狂四郎の馴染みのようだ。レギュラーではないのだろうけど、レギュラーっぽい役。あまり大きく映らないのだけど、すぐわかる個性

*0217
4 1983/4/27 光る白刃に燃える女
佳那晃子、内田善郎、片岡五郎
日高久、永野達弥
小里(佳那晃子)は普段はそんな色気を見せないが、人が斬られて血まみれになっているのを見ると、淫靡になる女
小里は狂四郎が刺客を撃退するのを見て、うずきだし、狂四郎に近づく。という風に今回は江戸を離れての始まり、両者とも江ノ島に参る旅のようだ。
幻想的なエロというのは眠狂四郎の特徴の一つだと思っていて、なので、小里は作品にピッタリのキャラ。それを抱いてこそ狂四郎だと思うが、この回の狂四郎の方はそれを抱くこともなく、尼寺へ行くよう勧める。製作年度は83年でまだ規制も緩そうだが、そもそも今シリーズ(前シリーズも含めて)の狂四郎はそういう面はあまりない印象
寺へ向かう道中の飯屋で無銭飲食の浪人庫之助(内田善郎)、これが仇持ちだと聞き、食事の金を払ってやり、お礼に寺まで送ってもらうことになる。その道中、雲助に絡まれ庫之助が雲助を斬り、またも小里の淫靡が発症。庫之助は仇討を止めて小里と一緒に暮らしたいと言い出す
小里は江戸で凄腕の浪人本多(片岡五郎)と暮らしている。
この本多は既に本編中では江戸へ戻った狂四郎は居酒屋ですでに出会っていた
別れ話を持ち出すも、一蹴され世話になっている和泉屋(永野達弥)へそれを持ち込むと、和泉屋は本多に眠狂四郎という男を殺すという依頼を受けさせてくれと、小里は逆に頼まれる。この回の冒頭、狂四郎が刺客を撃退しているが、これは和泉屋が放った刺客であった
本多は庫之助が探していた仇であった。本多が庫之助を返り討ちにすると、またも小里の淫靡が発症
などなど、登場人物がそれぞれに絡み合っていて、その具合が割と自然というか違和感なかったが、終盤までいくと、主要登場人物同士全部に関連があるようで、さすがにやり過ぎの感
レギュラーは狂四郎のみの回
伊波一夫が雲助の一団の中にいた。ノンクレジット
狂四郎が居酒屋で飲む場面、常連なのであろう、そこの小女と親し気に話しており、土産くらい買ってきてくれたいいのになどと言われており、狂四郎っぽくない感じだ

5 1983/5/4 妖刃殺法!美女肌からくり将棋
奈良富士子、平泉征、三崎奈美、中村錦司
大磯が舞台。狂四郎は金八を連れている。なぜ来ているのかは不明
細川の殿様がやってきての大磯と二宮から選ばれた娘による将棋の御前試合が恒例になっていて、勝ったほうはその後三年間、行事などの仕切り役になれ、一方負けたほうはその後三年間工事に駆りだされるだのなんなので大変な苦労を被るということになっている大変な対局。
大宮からはお汐(奈良富士子)、二宮からはおかや(三崎奈美)が選抜されている
狂四郎は自分が宿を取っている浜田屋の娘であるお汐のほうに肩入れ。
狂四郎のキャラからして、自分から話しかけ、エピソードに首を突っ込むというのは変なんだけどなあ
金八は、話を進行させるのに重宝なキャラなのだろうなと思う。笑いも担当しながらテキパキと話を進行させていて、ただそういう説明的なセリフがちょっと多すぎる感じではある
入川三十郎(平泉征)と諸住(中村錦司)、両方とも細川配下
入川はおかやからの依頼で不正に手を貸す。江戸の名人宗達も対局の寺に茶の師匠として招き入れ、別室から指し手を伝えるという仕組みである
諸住は狂四郎と旧知という設定。狂四郎が対局の寺に現れると、にこやかに話しており、こういう気の置けない感じの旧友が狂四郎にいるとは珍しい。そしてお汐とおかやどちらが勝つかで賭けをするのだが、狂四郎はおかやに賭け、負けたら首を差し上げようというと、中村は旧友が死ぬというのに大喜びしている。まあ気の置けない間柄の冗談ということなのかもしれない
「冥途の土産に円月殺法をご覧に入れよう」というセリフが出てくる。前シリーズの次回予告の最後に流れていたセリフだ。本編で流れるのは多分シリーズ初
伊波一夫が二回出ていた。細川配下、大宮の旦那衆の一人。ノンクレジット

6 1983/5/11 悪女の色香は殺しの匂い
本阿弥周子、高橋長英、藤木孝
ゲスト3人の関係性がどうしてこうなのかはよくわからないが、その3人の関係性が焦点の作品
高橋長英は剣は凄腕だが、命令によってしか動けない生気のない人相、野々呂甚内
本阿弥周子は杉江、甚内の妻ながら、一貫して夫をバカにしえの上から目線
藤木孝は瀬左衛門。甚内の上司で命令をする立場
瀬左衛門に不利な密書を持って逃げた男を追う二人。その男は甚内が斬ったものの密書は見つからず。その際その場に居合わせた狂四郎が持ってるに違いないと、密書を取り戻すため狂四郎に刺客が向けられる
話が進むにつれ甚内と杉江の間にどういうことが過去にあったのかが明かされていく
杉江の過去の夫長八郎を斬ったのが甚内、それは杉江と城代家老戸田采女正が密会をしていて、そこへ長八郎が戻ってきて、采女正の命令によって甚内は長八郎を斬っていた
が、なぜ杉江が陣内の嫁なのかがよくわからなかった
本阿弥周子、美しい。悪女の役、善玉の役が多い印象で、ここではいいやな性悪女

7 1983/5/18 毒婦異聞 殺しを囁く女
新藤恵美、沖田駿一、河野実
盗賊、土蜘蛛の弥十(沖田駿一)一味のおもん(新藤恵美)が弥十の隠し金を盗み、一味を抜け出そうとするというストーリーで狂四郎の出番は少なく、「眠狂四郎」」でやらなくてもよいような他の時代劇もありそうな作品。
金八が喧嘩で捕らえられ、その際牢に居合わせたおもんと一緒に逃げ出し、コンビで行動するという展開になっている。追い詰められた二人は狂四郎のところへ助けを求めるが断られる
最後おもんは弥十に妹を人質に取られ、自分の命と引き換えに助けに行くと言い出し、再度金八は狂四郎の元へ。そこで金八が狂四郎の人物評を言っていて、「周りからは見れば変人、へそ曲がり、薄情でどうにも難しい人だけど、そんな人じゃないことはおれ知ってる」。で、「おもんは自分の命をかけて妹を救おうとしている、もう悪人じゃないでしょ、そんな人を放っておくの」と説得。
ここでは狂四郎は悪人を成敗してくれる正義のヒーロー扱いだ。
おもんの妹はおもんの前で犯されるというショッキングな場面があり、そこで自害してしまっている
お玉…加川綾女。この回初登場だったと思う。狂四郎の居候している舟仙の女中らしい。そういや北村英三は最初の回以来出ていない
そうそう、狂四郎の本編中盤での出番は、おもんが舟仙へやってきて舟を出してくれと頼むも、船頭がおらず。そこへ狂四郎が二階から降りてきて、俺がやろうと船頭を引き受ける。これも狂四郎っぽくない
伊波和夫、役名なしクレジット。多分牢からの脱獄場面での看守、ほんの一瞬だがクレジットあり
広瀬義宣、宇三郎という弥十一味で役名ありのクレジット。

8 1983/5/25 悪魔儀式いけにえの女体
中島ゆたか、佐藤仁哉、阿藤海、
堺左千夫、西山辰夫、須永克彦
阿藤海は若いころこういう役が多い。必殺でターザン(他左衛門)の役をやっていたが、それに近い山賊のような扮装。あっ、そうか、海賊を自称しているんだった
藩と商家鳴海屋(西山辰夫)、大奥医師がグルになっての抜け荷と大奥への売り込み。藩の家老藤波大和(堺左千夫)が臆病になってきたことから、藤波の娘奈美(中島ゆたか)を海賊呂宋十兵衛(阿藤海)がよこさないと抜け荷の秘密をばらすと脅してきていると鳴海屋が仲介するが、その海賊もグル。
奈美は狂四郎によって駕籠平(お蘭の店)に匿われていたが、置手紙を残して消えてしまう。
奈美は恋仲の新之助(佐藤仁哉)のためにと呂宋に囚われの身となっていた
話の入っていく序盤が面白い。奈美が狂四郎の助けを得たいがための芝居。駕籠でさらわれている途中と見せかけ、狂四郎に助けられ、自分の屋敷へ。そこでお礼に体を与えるといい衣服を脱いで狂四郎と抱き合うと、そこへ家臣が襲撃、絶体絶命だが、狂四郎は難なくそれを抜け出すと、ここまでがテストで、ここで家老藤波が登場する。藩側は上記のように海賊呂宋から脅されており、その解決に狂四郎の力を借りたかったのだ。
こういう狂四郎が裸の女と抱き合うと襲撃が始まるというのは眠狂四郎ではありがちかと思う

9 1983/6/1 首斬り無用にて候う
若林豪、早川雄三、青山恭子、水村泰三
山口幸生
若林豪はトメ、今は斬首刑執行待ちの咎人、元はある藩の目付役、神谷右近。さすがに若林中心に作られた作品。レギュラーは狂四郎だけ(お玉が少しだけ出ているが)で、二人の場面が印象に残る。
神谷右近に刑が執行されようとしている。しかし首斬り役がどうしても斬れず、牢屋奉行が狂四郎に頼んでくる。という始まり方。
狂四郎はその依頼を受け入れるが、神谷を斬れず、そして二人だけで話をさせてほしいと狂四郎は頼み、二人で話すことになる。そこで狂四郎は、神谷の般若心経を聞いていると仏に刃を向けるような気分になる。執行人は仏を斬るわけにはいかなかったのだろう、でも仏に刃を向けてきた自分なら斬れたと明かしている。
狂四郎は神谷の牢抜けを手伝ってやり、さらにこれから何をやろうとしているかはわからないが、必要であろう刀を貸してやる
神谷は目付役の役目としてある不正を調査していたところ、辻斬りの犯人に仕立て上げられ、藩から放逐、町方の裁きを受けることになったという。
家老鳥居(山口幸生)の罪を殿有馬信綱(水村泰三)の前で白状させた神谷だったが、実は信綱こそが藩の不正の張本人、さらに妻せつ(青山恭子)までが嬉々として信綱と乳繰り合っていた。そして神谷は再度町方に捕らえられてしまう(身分復帰が藩からなされずこの不正の件は握りつぶされた)。
狂四郎は彼の首斬り役を再度引き受け、神谷が恨みに思ってる信綱以下すべてを斬殺。そのことを神谷に教え彼の首を斬る。
神谷が狂四郎と酒を酌み交わしながら妻せつへの恋情を語る場面がとても良い。参勤明けに田舎へ帰ったら妻と二人だけで桜の下で宴会をやる、酔った妻は浮かれて、おれに歌を歌わせ自分は舞ってみせたりする。おれはそれを眺めているだけで気分が安らぐ、生きていると感じる。それを聞き狂四郎が妙だな、こんな気分になったことはない、おれもその桜の下の宴に同席したくなってきたなどと返す。こんな場面があるから、せつの裏切りの場面も効いてくる
伊波一夫、ノンクレジットで冒頭の首斬りの場面、役人の役。さらに中盤では牢屋でこれも役人の役

10 1983/6/8 仇討無惨!秘めた出生の謎
入江若葉、岡崎二朗、大下哲矢、片岡進之介
鉄之助(片岡進之介)による矢柄という普請奉行を狙った仇討という場面から始まる。逆襲され、金八が助けに入り、さらには狂四郎も。
この鉄之助の仇討というのがなんなのか、でストーリーが進行
鉄之助は大人になりかけの少年(15歳)、父親の仇討であり、父親が亡くなったのは病死だと聞いていたが、以前家にいた喜作という中間が、鉄之助を読んで、鉄之助の父親は実は上役の矢柄に斬られたのだと話してくれたという。それは15年前のことで、父親が亡くなったときに鉄之助はまだ母の腹の中
鉄之助の母千世(入江若葉)、千世の兄の経之助はその件について何かを知ってるようだが何も言わず。
千世は兄の経之助に裏切られ、矢柄に差し出され、自害、狂四郎宛てに遺書を書く。それによれば、15年前にも矢柄に誘われ千世は体をまかせてしまっておりそれを夫に告白したことで、夫が矢柄に斬りかかり返り討ちにあったのだった。そして鉄之助は矢柄の子であった。
狂四郎は鉄之助に仇討をさせず、自分で悪人たちを斬り捨てる
舟仙でお玉と同じくらいの女が出てくるがお玉ではないようだ。キャストクレジットにもない。お玉の顔はこれまで出演回数も少なくまったく覚えていないのだけど、なぜ気付いたかといえば、字幕オンで話者の名前が出るときがあるが、その際に「お玉」でなく「女」と出ていたから。

11 1983/6/15 妖鬼一閃!おんな牢秘話
大月ウルフ、宮口二郎、賀田裕子
キリシタン屋敷というのが舞台。これがなんなのかわからなかったが検索したら出てきた。そういう施設が実際にあったのだ。キリシタンを収容する施設とのこと
この回の話では、隠れキリシタンを探す役所という感じで、奉行もいる。隠れキリシタンの居場所を吐かせるため、キリシタンを拷問したりしている
冒頭は西洋人のバテレンが捕らえられて十字架を担いで階段を登っていくのを人々が見ており、狂四郎もその中にいる。するとそのヨハネスという名のバテレンが狂四郎を見て、何か声を掛ける。という風に始まる
狂四郎はキリシタン屋敷に潜入しヨハネスと会話。狂四郎に自分と同じ血が流れていることを感じ、また彼の何も信じていない顔を見て、そういう人を救いたいと思ったと語る
隠れキリシタン摘発に躍起となっている役人たちだが、奉行らには別の目的、男はすぐに処刑するが、女を外国に売り飛ばすためだった
ヨハネスを転ばせるためにえぐい仕掛けがある
この回のもう一人の主役が仏像師光源の娘お艶。光源がマリア像を彫ったことから捕らえられたのだが、光源はただマリア像を見て美しいと思い作っただけで親子ともどもキリシタンではなかった。
女と交わることが御法度のバテレン、お艶がヨハネスと同じ牢に入り迫る。しかしうまくいかず、今度は媚薬を飲ませた上で迫りついに陥落。隠れキリシタンの居場所も白状、そしてさらに転んでないふりをして各所へ行かそうと計画される。
最後は狂四郎が乗り込んで悪人成敗と、ここらは破れ傘刀舟(※)
その際ヨハネスも斬っている。これはもうヨハネスがもう死にたい、自殺は許されない教え、ということもあってのことだろう。
久しぶり、多分第1話以来の登場となる吉蔵が出てくる。狂四郎のために情報集めの密偵的役割。この回は金八が出ておらずその替わりという面もあるだろう
お玉が珍しくそれなりに長いセリフと顔もはっきり映る。
(※)間にも書いたがどうも眠狂四郎っぽさが薄め。この回はキリシタンを扱い、さらに女のエロ仕掛けと眠狂四郎っぽい作風だが、そこに狂四郎が絡まないのがなんとも。さらに狂四郎といえば「虚無」「ニヒル」という古馬が浮かぶがそこらも薄め。こうなると、上にも書いたが破れ傘刀舟だとか、まあそれに限らずだが、一般時代劇のパターンにストーリーが陥ってしまうのも仕方ないかと

*0218
12 1983/6/22 闇の狩人!少女を食う鬼
武原英子、船戸順、ガッツ石松、楠年明
言葉巧みに少女を誘い、犯してから殺すという少女偏愛がテーマの作品。そういった犯罪は現代時折起こり、そういう意味では現代的ともいえるが、後期の必殺によくあるような現代の事件を時代劇にぶっこむというような取り上げ方ではない。
また設定としてはマイナーチェンジというか大きな変化というか。
吉蔵が博打で借金、舟仙を売ってしまったという展開。それを買い取ったのがこの回のゲスト、金貸しのおはん(武原英子)。ただゲストなので次回以降は出ないのだろう、今後はどうなるのやら。
そしてお玉が大フィーチャー、吉蔵や金八のかわりということか、密偵的な役割。
想像するに北村英三が自分からか制作側からかわからないが降板ということになり、火野正平も出ない回ということでこういうことになったのかと。
おはんの用心棒馬吉がガッツ石松
少女偏愛の男はなら屋(船戸順)、ろうそく問屋の大店、問屋組合長、町名主という立派な人物、少女を物色する際には茶人に変装
茶人なら屋に少女を紹介するのが女衒彦六(北見唯一)
武原英子がよい。そしてガッツ石松のイメージだとこうなるかなという思った通りの展開。おはんの妹が二年前にこの少女偏愛事件の被害にあっていて、いつの日か敵討を、とおはんが心に秘めていた。なら屋が犯人とわかり、乗り込んでいき、逆襲(なら屋は元侍)され、そこへ馬吉が登場、彼女を庇って死んでいく。この際馬吉はおはんに早く逃げろと叫ぶもおはんは棒立ち、となるとなら屋は秘密を知られたおはんをも殺すべきなのに、あっさり立ち去っていくというのは変。
また馬吉がおはんを庇って死んでいくというところが、ガッツの俳優イメージから想像できた展開ではあるのだけど、なんだか演出がショボイ。ストーリーは同じでいいから、もうちょっとなんとかできないのか、と思う

13 1983/6/29 怪談!髑髏と祝言する花嫁
堀内正美、外山高士、山本昌平、
佐藤万理、二葉弘子、伊庭剛
無縁墓地で怪しげな行動をする二人の女、狂四郎は金八に探らせる
すると女は髑髏と祝言をあげており、その脇には髑髏の母親と思わせる女
花嫁が小夜(佐藤万理)で、母親が由良(二葉弘子)。吉岡与四郎(伊庭剛 )という貧乏御家人が辻斬りの罪を着せられ殺されたという事件があり、その復讐をこの母娘がなそうとするというストーリー
本当の下手人は旗本三田主膳(外山高士)の息子市之輔(堀内正美)。面を被っての所業、町方に追い詰められ自分の屋敷に戻り、その一年前から勉強相手として雇っていた与四郎に罪を被せ、屋敷へ辻斬りが逃げ込んできたので斬り捨てたと町方服部(山本昌平)に報告
ラストは二人が服部に事件が再吟味になった、一緒に行けば市之助が白状すると騙されて三田の屋敷に乗り込む。由良は殺され、そこへ狂四郎登場。もうワンテンポ早く登場してやれ、と思う。
そして狂四郎、この悪人成敗の動機がぼんやりしちゃってるし、これまで何度も書いたが、普通の悪人成敗時代劇で眠狂四郎という稀代のキャラ構築が希薄
この回では中盤、町中で市之助が言うことを聞かない女を殺してしまっているところに現れているが、何もしない。悪人成敗ならここでやってもいいじゃんか
舟仙の場面はある。お玉は出ていない。舟仙の主は誰かはわからん。まあこのまま主の登場がないままでもおはんが主ということで別に不自然ではない
伊波一夫、役名なしクレジット。今回はシリーズで初めて大き目の役、吉岡家の元用人で探りに来た金八に事件のことを教えている
佐藤万理、いつも同じだが可愛らしい、真っすぐな正義感が似合う
山本昌平、普段よりちょっと悪相を控えた感じ。悪の町方の役

14 1983/7/6 お庭番悲話!裏切りの人肌
倉石功、早川絵美、黒部進
三年間江戸を離れて西国の藩について探索していたお庭番江郷藤之進(倉石功)、品川でその報告書である密書を掏られてしまう。藩の内情を阻止するためその藩の手の者かと思われたが調べていくと藤之進の上司である秋月肥後守(黒部進)はその報告書を手に入れていた。そして藤之進の妻(早川絵美)までも。
最後の殺陣の場面。藤之進と秋月の一騎打ちとなり、秋月配下が押し寄せてくると狂四郎はそれを全部退治。そして藤之進と秋月の一騎打ちはにらみ合いのまま。そこへ狂四郎が現れ、秋月の相手は狂四郎となるという珍しい形。
「冥途の土産に円月殺法をご覧に入れよう」というセリフが今シリーズ二度目の登場
ここ数回毎度のように書いてることの蒸し返しだが、通常時代劇的なストーリーの作品が続く。それと狂四郎のキャラのテンポ感があわない
狂四郎が否応もなく事件に巻き込まれるみたいな形がいいと思うのだが、そうはなっていない
ここ数回では事件に巻き込まれすらしない感じ。まあ積極的に絡んでいくというのは狂四郎のキャラではないだろう

15 1983/7/13 美女崩れ!にせ狂四郎参上
飛鳥裕子、千葉裕、牧冬吉、
唐沢民賢、山口朱美
狂四郎がある藩の男会田数馬(千葉裕)に誘われ男狂いの照姫(飛鳥裕子)の相手をさせられそうになるというのが発端
藩の後継争いの話。主君は病がち、家老は照姫に適当な婿をつけて藩政を牛耳ろうとしたが失敗、照姫に薬を飲ませたが量を間違えたか男狂いになってしまい、その妹を後継候補都市、照姫は抹殺しようと考える
会田は照姫と同じくらいの年齢で昔からそばで付き従うような役割
音狂いの照姫のいうままに男を誘う役。狂四郎は一回目は途中で帰ってしまったが、照姫は何としても連れてこいというので、再度狂四郎を呼び寄せるために、自分が狂四郎に化けて辻斬りを行い騒動を起こすという作戦に出る。ここで「眠狂四郎と覚えておいてもらおう」と前シリーズOPの「眠狂四郎と覚えておいていただこう」に近いセリフを偽狂四郎が吐く
善玉悪役でわかると会田と照姫が善玉になるのかなあ、まあとにかく、主要ゲスト皆斬られて死ぬという終わり方になっている
牧冬吉はワンシーン、町奉行与力の役で、いつもは悪役やヘナヘナしたような人物を演じることが多いが、ここでは立派な与力像を演じていてやけに格好よい。武部の口添えもあり狂四郎を放任していたが、その狂四郎辻斬り騒ぎ、これではどうしようもないと狂四郎を捕まえにきたが、狂四郎の明日まで待てという言葉を信用して引き上げていく
千葉裕が森次晃嗣そっくり

16 1983/7/20 怪奇!妖刀に呪われた女
大塚良重、石田信之、内田勝正、丹古母鬼馬二
妖刀村正を巡る話。狂四郎の持つ正宗を作った刀匠の弟子がその師匠を恨んで作ったのが村正とされ、その対決がハイライトシーンとなる。
勘定吟味役に着任した能見小四郎(石田信之)、そしてその妻ぬい(大塚良重)。その能見が役に就いたことが面白くない無役の今川(内田勝正)は能見を妬む
一方村正、その妖気でおかしくなった○○は用人を殺し屋敷は火事。ここで殺されてる用人は伊波一夫、ノンクレジット
火事場泥棒富五郎(丹古母鬼馬二)、村正を盗んで、翌朝おかしくなり長屋で住民斬殺というグロテスクなシーン。南町奉行所が村正を没収。同心木村(芝本正)から奉行牧野(永野達弥)に村正が渡る。おれは永野達弥が今度は乱心するのかと期待。彼のような役者が狂った演技という派手なことをやるのを見たかったが、そこに現れた今川が言葉巧みに村正を持ち去ってしまう。
そして今川は留守の能見家に押しかけ、着任の祝いだと無理やり村正をぬいに渡すという流れ
大塚良重、可愛らしい。が、終盤は妖刀村正に操られメイクも変えているのであろう、不気味な顔つきも見せる

17 1983/7/27 仕置きうけます 闇のからくり肌
山本みどり、原口剛、大竹修造、崎津隆介
秋田屋の隣家に押し込みが入り皆殺し。そんなことがありその店は当分空き家だろうと噂されていたがそこへお蝶(山本みどり)という子連れの女がもみじ屋という店をやると入ってきた
秋田屋の蔵には紙問屋組合の5000両の冥加金。用心棒に狂四郎が雇われる
お蝶と秋田屋主の庄助は仲良くなる。
お蝶の息子がかどわかし。5000両の要求
ひとつ見誤っていた。
今作は出てくる人物がみな怪しげに見えた。
庄助、お蝶、火盗改。そして盗賊二人組。このうち最後の盗賊二人組はいかにも悪役という悪相。火盗改も時代劇で扱われる火盗改らしく偉ぶった悪役っぽさ。
が、庄助やお蝶はあまり悪役には見えない感じで、でもなにか怪しげにおれは見えた。
この庄助、お蝶に怪しげを感じたのは制作側がそう作っているのか、おれが間違ってそう感じたのか。
で、結果はほとんど全部グルで、大体あっていたが、おれは被害者の庄助でさえ、なんか怪しげに思えたのだ。それは冒頭、隣家に押し込みが入っていて、その物音を聞きながら、しかし無視していたのを見てそう思ったのだ。まあ変なキャラでもある。紙問屋で問屋仲間の束ねをやっているというくらいの人物なのに、女気なしの初心というキャラ設定。ちなみに女気なしのところはキーポイントでもあり、中盤で狂四郎に女遊びはしないのかと問われる場面があり、ラストでは狂四郎が女遊びはしておくもんだなという対になるようなセリフがある
伊波一夫、庄助に5000両の身代金を出してやれと居酒屋で絡む連中のひとり。ノンクレジット
吉蔵復活。降板じゃなかったのか。説明によると、おはんから買い戻したとのこと。博打は止めておらず、むしろ博打で勝った金で店を買い戻している
お玉と言い合いになる場面なんかがあり、吉蔵、お玉とも人間味が出るようなキャラになっている。吉蔵のほうは復帰回ということで活躍している

*0219
18 1983/8/3 なみだ旅 母を求める子守歌
田島令子、高野真二、江幡高志、
高峰圭二、長谷川直子、大木悟郎
江戸へ稼ぎに行き音信不通になったおりきを探しに江戸への旅をするのは孫娘おひなを連れたおりきの父親。だがその父親は旅路の途中で病に倒れ、少女おひなの一人旅
おりきは材木問屋丸屋で働いていたが、半年前に丸屋(高野真二)から役人への献上物となり、囲われていたのだった。
定斎屋を江幡高志、彼なら悪役間違いなしだし、怪しい素振りもしてるのだけど、なかなか悪役としての正体を明かさず、おひなに母親を探してあげるいい人状態が続く。実は材木の流通についての黒い噂について探っていた役人という役。おりきから情報を得るためおひなを縛って言うこと聞かせようとしているが、そんなことまでやる必要もなく、丁寧に聞けばおりきを仲間にして丸屋の悪事を探れるはず、という感じがした。
おひなを縛るという大袈裟さで話を盛り上げ、進行させるための演出という感じ
また、おひなを助けおりきと再会させてやった吉蔵、二人を逃がそうと走る走る、そして舟を用意するからここで待ってろ、と親子二人にする。明らかにここで丸屋ら悪役に二人が捕まるだろうなと予想で来てしまう演出、もちろん予想通りそうなる。
おひなを演じる子役長谷川直子。どこに出てたか思い出せるわけもないけど時代劇でよく見る顔だ

19 1983/8/10 毒牙を隠した花嫁
岩井友見、安井昌二、常泉忠通、三上剛仙
北見唯一
小松方正の武部が第1話以来の登場。そして老中水野(安井昌二)が今シリーズ初登場、水野は前シリーズで第1話に出ていたかもしれないが、多分セリフ上で武部が水野の配下ということが語られる程度で、出てはいなかったはず
話は面白くない。まあ岩井友見を見る回なのであろう。
武部がおくにという女をめとることになった。がそのおくには寺社奉行で水野の政敵である土井(三上剛仙)からの依頼で武部に近づき、水野の屋敷から重要書類などを盗み出すことを目的としていた。
おくには首尾よく盗み出しに成功するがそれを渡す段になり、急にそれを取り止めることにした。武部に惚れてしまったのだった。
もちろん水野の屋敷では大騒動、武部は切腹をしようとするも狂四郎がそれを取り返してきて、取り止め。狂四郎からおくには命をかけてそれを守ったと聞かされ、おくにを弔ってやる、がそれは狂四郎の嘘でおくにはピンピンしている。ただ武部にはもう会えない、と。

20 1983/8/17 悲怨!赤いしごきは地獄花
松本留美、川崎公明、亀石征一郎
過去に商家を罠で潰されて親は亡くなってしまい、その子による復讐という時代劇ではよくある話
駒吉(川崎公明)がその復讐を行う元は若旦那。その姉のような存在がお蓉(松本留美)で、みなしごだったのをその商家で育ててもらったという恩義から若旦那の世話をしている
この二人が江戸へ戻り居酒屋を始める。駒吉は板前の修業中という身。そしてその復讐のことをお蓉は知らずにいたが、その時の関係者が次々と殺され感づいてくる。
そしてまだ生き残ってる悪同心金子(亀石征一郎)を湯屋の女湯でお蓉が襲撃するも返り討ち。そして狂四郎の出番

21 1983/8/24 座頭殺法!闇を斬る仕込杖
服部妙子、南原宏治、中庸介、北村晃一
構図が凝っている
二つのエピソードが並列で語られる
幻の源兵衛(南原宏治)という盗賊一味のこと
そして売れっ子染吉染吉(服部妙子)の借金の件
後者は、古着屋だが裏ではけいず買い、そして金貸しもやっている治三郎(北村晃一 )と医者の道庵(中庸介)が組んでの悪事、高い薬を買わせ、借金をさせるという悪事。染吉は姉の病でその構図に嵌ったのだった。
そして治三郎に資本を出してやってるのが初の市というメクラ按摩。
初の市は実は目開きであり、そして幻の源兵衛であった。治三郎、道庵はそのことを知らない
源兵衛配下が捕まり源兵衛のことを知ってる限り喋った、といっても常に覆面をして、ほとんどそいつも源兵衛の素性を知らなかったのだが。その覚書を手下が同心を殺して取り返したが、源兵衛をそれを持って来た手下を斬り、その際その覚書が川へ投げ込まれ下を舟で通っていた狂四郎の手に入り、それを取り替えそうと作戦を練る源兵衛であった
服部の男勝りの芸者言葉が気持ち良い
吉蔵は復帰してから毎回登場、そして金八は全然出ていない
円月封じとして、初の市源兵衛がもう目開きだということを明らかにしているのに、再度メクラのように目を閉じるということをやる。これを見ると、円月殺法というのは、相手を幻惑させボーっとさせるという技ということなのだろう

22 1983/8/31 明日に別れの円月斬り
山本ゆか里、頭師孝雄、浜田晃
最終回というスペシャル感がない通常回のような作り。レギュラーで出ているのは狂四郎、金八、お玉のみ。お蘭の登場は今シリーズは非常に少なかった
でも最終盤の展開と、一番最後にテロップで原作者の言葉が出るのは特別。
序盤、「必殺」を思わせるこの江戸には頼まれて金で殺しを引き受ける連中がいるということを金八が喋っているのが面白い。そしてそういう殺し屋暮坂十内(浜田晃)が登場をする
博打で借金まみれのろくでなしの父親儀兵エ(西山嘉孝)がいたり、その借金を肩代わりするからと執拗に言い寄ってくる油問屋近江屋の若旦那与吉(頭師孝雄)につきまとわれたり、なのに前向きで暗いところが一切なく、正義感にあふれたお袖(山本ゆか里)。紅、おしろいなど化粧道具なんかを担ぎ商い。
ツンデレの狂四郎が見れる。
お袖が休息でおにぎりを落としてしまう。狂四郎の足元へ。それを拾おうとするお袖にを狂四郎は止め、金を渡そうとするのだが、まだ食べられます、物乞いじゃないんですと反発するお袖、というのが最初の出会い。そしてお袖はその態度を反省し狂四郎に会おうと探しだし、お袖は狂四郎に先日のことを謝り、狂四郎のことを知りたいという。狂四郎、いきなり抱き寄せ、おれはこういう男だ、期待されても迷惑とはねつけるも、去りがたしのお袖に、ついてくるな勝手についてこい。そして簪を欲しそうに見ているお袖に、簪を買ってやるのだ。
終盤ではドラマ的に少し変に思えた。父親に吉原に売られ、狂四郎に別れを言いにくるも狂四郎不在でお玉に伝言。
狂四郎は若旦那一派を成敗しに行く。吉原に売ったのは父親であって、そっちじゃないんだけど。
中盤では与吉が無理やりお袖を犯し、それに怒った狂四郎が刀は使わず、殴るという手段で制裁を与えている場面があり、珍しい。そしてこの場面があるから、尚更最後にまた対決しに行く意味がよくわからないことになっている。
そうか、いま見直してわかった。その制裁のことで与吉が十内に狂四郎を殺す依頼をし、そのことで狂四郎は十内と対決しに行ったのだな
最後の場面は以下のようになっていて、そうするために上に書いたような展開にしたのかもしれない
それからしばらくして、立派な行列で駕籠に乗ったお袖、狂四郎を見かけ駕籠を止め会話。伊達少将の側室になると。その際のセリフでは「このような身上になり果てました」と言っており、身を落としたともいえるし、出世のようでもあるしというあいまいさがなんだか文学的、見守る狂四郎も柔和な顔だし。そしてその行列に橋の上で頭を下げている乞食になっている儀兵エ、中に娘が乗ってることは知らず、駕籠が通り過ぎると、往来人に金の無心を再開
近江輝子が吉原でお袖に心得を教えている女将








第2シリーズのED。楽曲は第1シリーズと同じ、後ろの映像は異なっている
OP。EDの曲をアレンジしたものが使われている。第1シリーズのOPはナレーションが入っており、映像は竹林を歩く狂四郎が敵に囲まれ殺陣を見せて「眠狂四郎と覚えておいていただこう」となっていたが、今シリーズでは映像、静止画像、さらにはフォントや映像効果などを駆使したもの。
第2シリーズには次回予告なし

お蘭に初期必殺レギュラーの野川由美子の演じていたキャラを感じる
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名奉行 遠山の金さん3(松方弘樹主演) [時代劇]

オリジナル
放送期間 1990年7月5日 - 1991年3月28日
08/15(火) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第三シリーズ 第1話「お婆ちゃんの隠し財産を狙え!」
09/22(金) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第三シリーズ 第24話「闇の上納金遠山桜最後の勝負」[終]


このシリーズの第1回は今回は放映されていないがスペシャルで、ここに堀田摂津守/若林豪、鳥居甲斐守/中村嘉葎雄が出ているようだ。
1 7月12日 お婆ちゃんの隠し財産を狙え! 本田英郎 宮越澄
お妙/畠田理恵
お島/風祭ゆき
藤井左馬助/川合伸旺
笹倉喜八/福田豊土
石川円心/山本昌平
丹波屋辰造/原口剛
佐八/吉田豊明
政吉/牧冬吉
おウメ/高橋芙美子
前シリーズと変わらない部分と変わった部分とがあり、そこが微妙とも言えるし、大きな変化であるともいえる。なんというか、大きな括りでは変わっていないのに、大きく変化したように見えるのだ。
例えばOP、EDの音楽は変わっていないし、OP。EDの映像もあまり変わっていないが、その少しの変化の部分が本編で感じる変化とも同種ともいえる。
多少画面が暗くなったか、そして制作年代がさらに進んできているはずなのに、古い時代劇のような質感であるかのように感じる。OPでの文字に前までは白フチがあった(EDも同じく)のに、今回はなくなっており(EDも同じく)、それと後ろの映像が暗めというのがあり、幾人かの人物では文字が読みにくくなっている。文字が読みにくいクレジットというのは、古い時代劇ではよくあり、そういうところさえ、古い時代劇になったかと思わせる。
本編、その古めの映像ということのほかに、作風が一気に暗くハードになったように見える。これまであったお笑い演出が少なく、いやほとんどなくなった。湯屋が舞台なのは変わらないが、女湯裸の場面がなかったというのもおおきな変化。
この変化は大きな驚きで、キャストはほとんど変わらない、また第1シリーズから第2シリーズのときのように、いくらかのキャストで同じ役割ながらキャストが替わった個所があり、それは「蒲生武太夫:名古屋章」が「金森四郎五郎:藤岡琢也」になったというような変化である
伝法大介(第2シリーズ):小西博之、大庭伊十郎:山内としおは今シリーズには登場しないようだ。一方同心としては楠菊太郎:内海光司が登場。東山も今シリーズに登場しており、ここらはジャニーズに汚染されてる感じがある。
内海のほうはまだよくわからないが、東山。自己プロデュースしてるというわけでもなかろうが、こういう役を彼にやらせたい、格好良く見えると思っての演出だと思うが、なんだか全然格好よくないんだよなあ。

*0202
2 7月26日 怪盗の顔を見た
お絹/浅野愛子
阿久津兵馬/深江章喜
むささびの源蔵/草薙良一
井筒屋仁兵衛/外山高士
政吉/小川晃廣
房吉/広瀬義宣
定次郎/山本弘
清太郎/新城邦彦
寅松/出水憲
銀次/河本忠夫
車坂の惣兵衛/若山富三郎((トメ)
若山富三郎はクレジットでお紺の後、これは今までこのシリーズでなかったこと。それだけ特別ということであろう。
そしてウィキには「柳沢慎吾の持ちネタ「ヤナギザワシンゴ!」のモデルになった話」とある
これは計ったのではないのだけど、今日2/2(金)ビバリー昼ズのゲストが柳沢慎吾。
おれはこれを見る前か見た後に例の柳沢慎吾による若山富三郎漫談を動画で見ようと思っていたところで、もしかしらたラジオでもやるかもしれないなとも思い、楽しみにしていた。
結局これを見る前に動画をいくつか見て、またラジオも聞いた、ラジオではやらなかったが。
つべに動画のほうはいくつも上がっており、また、その漫談の元になった回のその場面というのも上がっていた。また本人ではなくそれを聞いた話として関根勤が自分のチャンネルにも上げていて、それも聞いた、関根のものは柳沢が語っているものと細部は違っていたが、まあ聞いて自分なりに演出を変えて話すという流れの中での改変であろう。
内容の方は、こういう場合ワンマンショー的作品になることが多いが、ここではそれほどでもない。もちろんそれでも存在感抜群だが。
そしてちょっと俺としては混乱しているが、第1話で長々と書いた作風の変化だが、ここではそれが元に戻っている。OP、EDでの文字に白フチの件も前シリーズのようになってるし、映像の暗さもなくなっており、作品内容は、その映像の暗さにつられたという面もあったはずなので、そこまで判然としないが、前シリーズの作風に戻ったような気がする。お笑いは少な目ではあり、女風呂裸は出てこない
柳沢慎吾の絶対にすべらない若山富三郎の話(テレビ番組で披露)
遠山の金さん 若山富三郎出演の回 カットされずに残った「クソジジイ」
柳沢慎吾 若山富三郎(小堺一機と)
【絶叫】驚愕!芸能界のホントにあったコワイ話 撮影現場でまさかの事態!若山富三郎&柳沢慎吾@関根勤チャンネル

3 8月2日 夫を売った女の秘密
お園/三原じゅん子
今井織部正/内田勝正
坂上軍兵衛/堀田真三
篠原玄庵/中村孝雄
権三/森章二
千吉/草見潤平
源太/河野実
榊田竜之進/友金敏雄
半平フィーチャー回。茶屋女お園に嘘を吐かれて言い寄られいい気になるが、その半平の真剣さにお園も心動かされたのか、自分も捕まること覚悟で半平に手柄を取らせるような証言をする。
この回のセリフによるとどうやら南町奉行に鳥居が就任しているようだ。スペシャルであったこのシリーズの最初の回でのことだろうと推察
新吾も登場。幼馴染として半平にアドバイスする
東山の演技が固いというか、そういうキャラなんだろうけど、どうも作品から浮いているような感じがする。ニヒルなキャラというのがこの作品と会わない感じ。でも大岡越前で時折登場していた神山左門:天知茂なんかもそんな風だったといえないこともない。でもあれは作品に馴染んでいたけど
金さんの半平評「お調子ものだが根は気のいい人間、それで今までどれほど人に利用されて来たことか」

4 8月9日 罠に落ちた女の涙
お甲/松尾嘉代
小一郎/山本陽一
明石屋九郎兵衛/立川三貴
鳥山勘解由/亀石征一郎
幸兵衛/高城淳一
陣場仙十郎/石倉英彦
東作/相馬剛三
安/松川幸樹
役名なしクレジットで笑福亭鶴志の名がある。落語家がやりそうなキャラは出てきていないので、一般的端役であろう、見つけられず
松尾嘉代については前シリーズのところにも書いたが同じ印象。名前は知ってるが顔は知らない。当時人気があったのだろうなと思わせるフィーチャー具合で、またそれに応える存在感
悪役侍階級の裁かれ方は、通常縁側におり、遠山桜披露後に遠山に刃向かっていき白洲へ蹴倒され、他の罪人どもと一緒に裁きを受けるが、刑は他の罪人たちとは当然異なり、評定所で切腹の沙汰があるだろう、という具合。そして全員一緒に「引っ立ていー」となるのだけど、今回はちょっと異なる。これは見たことないパターンだと思う。鳥山が侍階級悪役。遠山桜披露の際も静かにしていて、裁きは白洲にいるものだけに与えられ、引っ立てられる悪人たちが縁側にいる鳥山を見る。はて、どうなるのかな、と思っていると、遠山が静かに罪状を述べ、やっぱり評定所で切腹の沙汰を待て、となり、ここで鳥山が遠山に立ち向かうも、案の定という結果。

5 8月23日 謎の美人幽霊
お袖/吉野真弓
源八/花沢徳衛
斉藤典膳/本郷直樹
竜吉/中田博久
お蝶/速水典子
岩本陣八郎/中田譲治
新次/竜川真
松蔵/田中弘史
市兵衛/中田光彦
医師/笹吾朗
正吉/小西山淳一
お島/鈴川法子
番頭/壬生新太郎
お袖、源八が祖父孫。お袖の父母の仇討話。源八による殺しは紙で作った蝶々に毒を乗せてを相手に飛ばし、毒殺するという特異なもの
楠菊太郎:内海光司が遠山奉行と面会する場面あり、とくに金さんと似ていることで不審がるというような演出はなく淡々と

6 9月6日 謎の千両! 二つの顔の真犯人
安吉/六浦誠
お波/藤本恭子
板倉屋清蔵/田口計
彦坂軍十郎/宮口二郎
吉兵衛/小島三児
お松/水原まき
お民/藤江リカ
宇之助/結城市朗
鉄次/有川正治
権八/阿波地大輔
池松/奈辺悟
お里/桑田範子
これは出来がいいのか悪いのか、判断に迷う。二つの事件が起きる。
一方は炭屋で働く安吉が三両の売上金をチンピラに奪われた事件、もう一方は板倉屋への押し込みで千両が奪われた事件。半平は安吉の訴えを聞き、つまらないななどと言っていると、板倉屋の事件の報を聞き、安吉の件を放り出し、嬉々として飛び出していく。
その二つがどうせいつかは絡むのだろうけど、と思いながらも全然絡まず進行、結果的には多少は絡んできて、お白洲にはその二つの事件に出てきた登場人物が並ぶのではあるが、まあ二つの事件は別個である。
で、この点は出来が悪いと感じるところ
一方で。悪役として名高い田口計が押し込みの家の主人としてまず登場、そこで斬られている。田口計が被害者役? という意外性。その後ほとんど出番がないまま、終盤になって出てきて、実は事件の黒幕だったとなっていき、それ自体には意外性はないが、その話の結末への持って行き方もなかなかよく、うまく収束させたという点では出来が良いようにも見えたのである。
裁きを言い渡した後の場面にて、遠山が二つの事件があり金額に軽重があるものの、どの事件にも人の悲しみがあり、そこに軽重をつけるべきでないということをわからせてくれたなどと言っていることから、二つの別個の事件というのがこの作品のテーマであることがわかる
福本清三がノンクレジット、賭場で金の出し入れをするところに座っている
小島三児は安吉が働く店の主人、夫婦でやけに厳しく安吉に当たるが、それ以上ストーリーには絡まず、悪役ということではない
水原まきは板倉屋の愛人で、終盤に一気に存在感を出してくる

*0203
7 9月20日 金さん富くじに当たる
おその/志喜屋文
阿波屋茂兵衛/長谷川明男
田島勝之助/田中浩
作次/大木正司
磯吉/渡辺慎也
熊造/玉生司朗
富くじ不正の話
金さんが少年から落ちていた富くじをもらうというところから始まる。千両富に当たった父親が死んで、娘のおそのはその裏に富くじの不正を疑い、それを調べようと奔走、金さんがもらった富くじもおそのが自分の木彫りの技術を生かし作ったもので、不正を行っている阿波屋と寺社奉行の役人田島が話していた当たりくじの番号も聞いており、その偽くじを弟とともにばら撒いて、くじの不正に目を向けようとしていたことだった。
少女一人の奔走が涙ぐましく、なかなかの佳作に思える
楠が遠山奉行と対面。金さんと似てることに首を傾げる場面あり

2023/07/02(日) 06:30 - CS 292|105分|15倍録
【無料】名奉行 遠山の金さん 江戸は燃えているか!加賀百万石の陰謀
SP3 9月27日 江戸は燃えているか! 加賀百万石の陰謀
九十九半助/小沢象、百蔵/岩尾正隆(疋六:宮路佳具とともに三名並記)
美和/大場久美子(単独表記、事実上ゲストトップクレジット)
氏家頼母/大木実
蘭/朝比奈順子
曲芸師/海老一染之助・染太郎
栄屋/遠藤太津朗
義円/市川好郎
土井吉継/川浪公次郎
柴田/五十嵐義弘
三井/中村錦司
西条監物/有川正治
袈裟丸/宮城健太郎
千次/志茂山高也
杉村/大木聡
船頭/阿波地大輔
日向内記/萬屋錦之介(トメ、お紺の後)
作り自体は1時間ものと変わらない形。まあ当たり前でもあろうが。OPもEDも通常回と同じ(OPは出演者が多いからちょっと長めになってるようだが)
だが見応えに格段の差。
おれは必殺について1時間の分かりやすい形というのが受けた原因だと思っていて、おれもそちらのほうが好きで、2時間もの、テレビスペシャル版でも映画版でも、になると途端に余計な入れ事ばかりで駄作としか言いようのないものになってしまうと思っているが、今シリーズについてはその連続ものである際の1時間ものに思い入れがないから、そういう風に思えたのでもあろう。
ストーリーを複雑にして結末までが長いというだけのようでもあるが、やはりスペシャル版ということで力の入った演出やストーリー構成であるように思う。
錦之介の役柄が興味深い。悪役だが、金さんと懇意になり、終盤でも金さんのセリフで旦那のことが好きだから、とあり、今ならやり直せると助けにくる場面もある。金さん、及び遠山との殺陣の場面はない。確かそれ以外でも彼が剣を使う場面はなかったと思う
錦之助は60歳に近いあたり、俺が俺がみたいな強烈さは抜けており、が、周囲からは大切にされてるのだろう、特別なほど気を使われた演出と見る。
鳥居の中村嘉葎雄との場面もあり。
日向は軍学者で純粋に国を思っての幕府転覆(乗っ取り)を謀る首謀者という役柄。その作戦に賛同(利用)するのが加賀藩の江戸家老氏家と栄屋、この二人が今回の純粋な悪役となる。
作戦はガトリング砲を入手。ある決められた日に、それを持って江戸城へ入るという手筈。
そしてその日というのは日食の日。これがいつ来るかわかっている日向は、行者を江戸の町に派遣、護符を要所要所にばら撒く。天変地異がいついっかに必ずやってくる、そうなったら、この護符を火中に投じろ、そうすれば災いより逃れられるとの言葉とともに。その護符には火薬が仕掛けられており、それを江戸300か所ばら撒いておく。日食が起こると同時に江戸の町中で爆発が起こるという仕掛け。
こういう展開のため、殺陣~白洲のお約束の流れがない、ないのだが、無理やりそれと同じことをやらせていて、そこは白ける。なんというか錦之助のいい場面を終盤に入れ、お約束も無理やり入れてしまっているかのよう。
先に書いた金さんが日向の説得にあたる場面で、日向が他の悪役にその場をまかせ退場してからが、いつもの殺陣で桜吹雪も見せている。が、この場面が終わっても、江戸にばら撒かれた護符の問題があるため、白洲の場面とはならず、護符回収の場面となる。
鳥居がここで登場、作中、この謀反に乗り気の場面があり、がしかし、配下から江戸中を燃やす計画を知らされ、そこで謀反組を見限ったと見える。鳥居が回収に協力を申し出るのだ。この場面はなかなかなのだが、冷静に考えると、300もばら撒かれてることを知り、これは時間内に回収するのは無理という結論のおことろで鳥居が南町も協力すると申し出て、それならばできるとなっているのだが、こんな事態になってるのだから最初から総力を挙げてやるのが当然なのだから南町にも協力するよう言ってるべきだし、逆に南町が協力するだけでなんとかなるようなもんでもなさそうな気がする
ここで久々に半平二八が登場、ぶつぶつ文句を言いながら回収にあたっている場面がある
柳沢慎吾はこういう特別な作品となると邪魔となったか序盤に少しだけ出てくるが出番は少なく、それを思っていたら、最終盤にも少しだけ出てきていた。
回収が終わって、謀反組が集まってる加賀藩の屋敷に遠山奉行登場、まあこれは白洲ではないが、白洲の場面の代用である。
日向は説得を受け腹を斬るため別室へ下がり、そこでなんのかんのとまだぶー垂れる悪役に遠山桜披露となり、ここで氏家は皆に決起を呼び掛けるも、日向配下は立たず、そして加賀藩藩士も立たず、となる場面はよい。なぜかここで遠山が「裁き」の申し渡しをするのは変、しかも氏家と栄屋をまとめて「評定所より沙汰があるだろう」としているのも変
で、別室の日向の元へ行くと、もう腹は斬ってる状態のよう(そうは見えないがセリフのやり取りの最中に腹を既に斬ってる状態であることがわかる、影腹みたいなもんだ)で、そこで日向と遠山のやり取りがあり、最後に決め台詞これにて一件落着で終わる。
見ていると、遠山の裁きの場面とか一件落着とかがいらない感じ(裁きの後の氏家の掛け声に配下が立たないという演出は良かったけど)
錦之助の日向が遠山桜披露を見てないというのもそれを見て驚く演技なぞさせられないという意欲を感じる。
福本清三がノンクレジット、殺陣の場面で出てくる。加賀藩士

8 10月18日 お目付桜の子守歌
おゆき/丸山秀美
相良源之進/松橋登
三河屋お秋/鈴鹿景子
尾張屋徳兵衛/久富惟晴
橘権十郎/高品剛
丹波屋伊太郎/大竹修造
これは出来がいいのか悪いのか
終盤に事件の構図、というか内容がわかるようになっていて、そこで悪役らも全員姿を現すのだが、その事件の内容というのが非常に陳腐、金に困った両替商尾張屋が金のある商家の子供を誘拐して金を要求するというだけのこと。それをこの回では二軒に同じことをやってるというだけの単純さ
また悪役が姿を現すと、旗本がおり、僧籍(勝手に寺に住み着いた破戒僧であった)がおり、金森がおじけづくのであるが、金森がおじけづくためだけの旗本僧籍の登場という安易さが感じられる
その終盤に至るまでが、どういう話なの矢らでなかなか惹きつけられた。
金さんが縁日で出会った勘太が死骸となって見つかった。なぜか丹波屋の息子の服を着ており、身元がわかるお守りも入っていた。勘太は髪結いおゆきの息子である
丹波屋が何かに脅されてテル様子も描写され、この辺りを見た際は、丹波屋が自分の子供を守るため、勘太と服を交換させ、勘太が殺されるように仕向けたかのようで、丹波屋が悪役という風に見えるなにやらミステリー仕立て。
まあ実際には子供同士のいたずらで、婆やをからかうために服を交換しただけで、それをしたために悪役に勘太が間違われて誘拐され、間違いだとわかり、貧乏人の子供じゃ金にならんと殺されたということなのだが。
三河屋はもう一軒の子供誘拐の被害者
半平二八に珍しい演出。終盤お約束の金さんの殺陣に至る場面であるが、この回のヒロインおゆきの様子を見て、事件性を嗅ぎつけ、後をつける。おゆきは悪役の巣窟へ勘太の敵討ちをするため突っ込んでいき、それを見た半平らもその場へ飛び込んでいく。すぐ逆襲されぶっ倒れ、そこへ金さんが現れ殺陣となる。半平らはぶっ倒れたまま
福本清三がノンクレジット、殺陣~白洲

*0204
9 11月1日 尼僧に忍びよる黒い影
月心/春風ひとみ
お辰/本阿弥周子
治助/工藤堅太郎
お光/蜷川香子
信州屋助蔵/石山律雄
陶東九郎/曽根晴美
梵天の虎/三角八郎
打根の三次/黒部進
橋本屋藤左衛門/小笠原弘
佐吉/上野秀年
紙問屋橋本屋の主が殺される。残されたのは後妻のお辰、娘のお光、主の弟の治助。治助は先々代に内勘当(届は出していないので復帰も簡単)されている放蕩もの。
継母と娘というと、娘がわがままで継母が耐え忍ぶみたいなのを想像しがち。という風な感じで見ていたら、悪役がお辰で、治助は姪を守ろうとするという展開、ここら辺は序盤でわかる。お辰が悪役というのは雰囲気でわかる程度で、その正体を現すのは終盤だけど。
で、お光が生前の父親から何かあったら助けてもらうようにといわれていたのが月心という尼さん。白洲の最後の場面で、それが実の母親だったということが明らかになる構成。この感動的ともいえる場面でお光が割と棒演技。オーバーな演技を控えてるともいえるが。
福本清三がノンクレジット、序盤の治助と別れた直後にお光が襲われ月心が助けに入るという場面でのチンピラ集団のひとり。
殺陣にもいるのかなあ。顔もそうだが倒れ方が独特で、でもその独特な倒れ方を多くの人がやってるようで、それっぽい人がいるというだけで、顔の確認できないとなんともいえない。

*0205
10 11月8日 説教強盗の女
おくま/朝丘雪路
田之助/品川隆二
備前屋/名和宏
丸屋/森幹太
井筒屋/江並隆
お染/久仁亮子
杢兵衛/牧冬吉
月之介/佐藤晟也
佐野屋/溝田繁
朝丘雪路が見せ場たっぷりの作り。まあ当たり前か
おくまがサブタイトルの説教強盗。人家に忍び入り、そこの住人に戸締りがどうのと説教をする盗人でその場面が冒頭にある。説教される牧冬吉の間抜け面が面白い
おくまの亭主が田之助で夫婦ともども盗人だったが寄場送りになり、足を洗っていた。が、田之助の病で、おくまが再開していた。
夫婦が世話になっていた佐野屋が殺され、それを盗みの帰りにおくまが見ていた。
佐野屋は油問屋組合の肝煎りであり、その後継を狙っての凶行で、後釜狙いの備前屋と、口入れ屋の丸屋が組んでの仕業であった。
おくまは自分の罪がばれるのを覚悟で訴える決心をする。
殺陣の場面で流れる音楽はこれまでOPテーマだったが、この回ではEDテーマである主題歌のインスト版。

*0206
11 11月15日 密入国のジャパユキさん
お夏/大空真弓
市蔵/多々良純
弥助/荒木しげる
備前屋吉兵衛/中田浩二
渡海屋伊右衛門/唐沢民賢
木崎市之進/伊吹聡太朗
田川勘右衛門/岩城力也
ジュリア/ジョイ・ターラー
モニカ/ジェニー・ラファーエル
マリア/ネネ・ソロモン
権蔵/井上茂(役名なしクレジット)
大空真弓は人がよく男に騙されやすい年増女。彼女の夫婦約束をしていた男弥助が見知らぬ女と心中、しかし金さんはその女が異国の女であり、心中ではないと見抜く
多々良純は植木職人でその男の師匠。事件の真相を知っていたが、その犯人である備前屋の先代に世話になっていること、そして真相を喋れば自分も殺されると思い、なかなか話さないという役で、好々爺の善人というキャラをうまく演じている
悪役はメインが材木問屋備前屋。廻船問屋の渡海屋と組んで異国の女を調達、それを賂にして各藩の受注を受けていた
伊吹聡太朗、井上茂、往年の時代劇の常連、やっぱちょっと年齢を取ってるが、どちらもいつものお似合いの役。伊吹が凄腕用心棒、井上はチンピラ
福本清三、ノンクレジット。白洲後列真ん中がそうかな、これがそうなら殺陣にも出てるかな。顔の確認は難しかった

*0207
12 11月22日 サギ師金さんの弟現わる!
吉兵衛/桜木健一
お初/渡辺千秋
六右衛門/土屋嘉男
中津川将監/船戸順
美濃屋重兵衛/小林勝彦
左紋次/広瀬義宣
大黒屋/山口幸生
桜木健一、若々しい。例えばこの回に出ている小林勝彦がそれなりに老けているが、桜木はあまり変わってないように見える
その役は小悪党のペテン師。サブタイトルにある金さんの弟というのは、冒頭で半平に遠山奉行の弟を騙り、黄金をせしめている件だ。こういうタイトルなら、それを大々的に使っての詐欺師っぷりがストーリーになりそうでもあるが、この回はそうでもなく。この冒頭以外にもやっぱり遠山奉行の弟は使ってはいるが。メインのストーリーの悪事に対しては、善玉として絡む形。
メインストーリーは橋が崩れ、その橋の工事にあった不正。悪役メインは美濃屋、そして作事奉行の中津川将監で、工賃を浮かせるため、そして数年で橋が壊れさせる(また橋の工事が発生する)ため細い丸太を使うことを下請けの六右衛門に強要、案の定橋が壊れ・・・。
六右衛門が自殺(本当は殺し)、その通夜に香典を狙って吉兵衛が現れその娘お初に惚れていき、真相がわかってくると悪役のところへ乗り込む。
福本清三がノンクレジット、殺陣
目新しい演出があった。殺陣の前、真相を悪役が語る場面。料亭で悪役が集まっており、金さんに対し、美濃屋が「六右衛門はあの庭木戸から入ってきたんだよ」と言うと、美濃屋は部屋から縁側へ出てくると、画面はセピア色にかわり、庭木戸から六右衛門が入ってきて・・・、とワンカメで回想場面に入っていく。
広瀬義宣は役名なしでよく見る名前。ここでは悪役の下っ端でよく目立っている。太った体形

*0208
13 11月29日 寛永寺炎上、危機一髪
伊勢屋伝兵衛/近藤洋介
仙太郎/大橋吾郎
おさえ/倉沢淳美
木曽屋惣佐衛門/有川博
土井下総守/高城淳一
秋田屋太郎左衛門/長谷川弘
諏訪典膳/金子研三
芳蔵/草見潤平
寛永寺修復工事が堀田摂津守に命じられ、佐野藩が担当することになった(この堀田と佐野藩の関係がよくわからなかったが、堀田が佐野藩主とのこと)
で、入れ札で材木問屋木曽屋が工事を担当することになるも、木材が傷物になっていたりなど不審なことが立て続けに起こり、ついには主の惣佐衛門が首吊りの自害という形で発見される。
さらには秋田屋が借金証文を持って押しかけてくる。
同業の伊勢屋が親切ごかしに助けに入ろうとするも、娘婿の二代目である仙太郎はそれを断る。惣佐衛門の死骸の近くにあったお守り袋からすべてが仕組まれていた事の真相に気付き始めるのだった。
伊勢屋、秋田屋は木曽屋ののっとりを企み、その裏には勘定奉行諏訪典膳、さらにその裏にはこの工事を堀田に命じた老中土井下総守の堀田失脚の画策があった
この回では白頭巾で見回りをする堀田が何度か登場
お約束の桜吹雪披露の殺陣の前に、悪役が工事を中止させるため寛永寺を焼き払うという暴挙に出る場面があり、ここでは金さんのほかに白頭巾堀田、さらには警備に当たっている北町の連中が防御として殺陣をする。

*0209
14 12月13日 逆玉の輿を狙った男
熊五郎/長門勇
お弓/森恵
弥之助/横光克彦
松前屋宗兵衛/菅貫太郎
檜垣陣十郎/天野新士
土屋主水正/江見俊太郎
お妙/森野恵
善六/曾我廼家五九郎
お兼/御陵多栄子
豊春/鈴川法子
普段より複雑な内容でその分見ごたえがある。ストーリーが込み入ってるせいかゲストトップの長門も出ずっぱりというほどではないし、それは菅もそうだ
酒好きの熊五郎、禁酒の誓いもどこへやら、酔っぱらって起きたら隣に豊春の死骸。
熊五郎の娘お弓は松前屋手代の弥之助と夫婦約束している恋仲。
しかし豊春殺しの疑いが弥之助へ。実際に弥之助が計画し、豊春に手をかけたのも弥之助だったのだが、そこで豊春は死んでおらず。
弥之助は松前屋の娘との縁談が持ち上がり、お弓と別れるために熊五郎を殺人犯に仕立て上げ、そんな娘とは夫婦になれないとお弓に諦めさせる手段
しかし弥之助も知らない更なる計画があり、弥之助も使われていたに過ぎなかった。
松前屋は弥之助を婿にしようとした後、船手頭土屋主水正の三男坊を婿に、という話が持ち上がり、弥之助も邪魔になり、松前屋の持ち物であった豊春にも松前屋と土屋との不正にまみれた繋がりを知られそれをネタに脅したことで邪魔になり、その両方を始末しようとしたのであった
鈴川法子という人は、この松方版遠山の金さん(この第3シリーズだけでなく、前のシリーズにも)に役名なしクレジットでよく見かける名前だったと思う。ここでは発端となる事件の被害者役で頼まれて酔っ払った熊五郎を誘い入れさらに酒を飲ます役

*0222
15 12月20日 消えた殺人者、美女の仇討!
鈴木みき/二宮さよ子
片岡半太夫/清水章吾
石原弥十郎/浜田晃
加助/河合絃司
鉄之助/青井敏之
闇の藤太/滝譲二
幸兵衛/松田明
水茶屋の女将/三浦徳子
みきは堀田摂津守の家臣だった夫が同僚石原弥十郎に殺され仇討を狙って江戸に出てきている。息子が鉄之助。長屋住まいながらも武家の矜持を持ち続けている
弥十郎は旗本片岡の元に身を寄せ、押し込みの片棒を担いでいる
堀田はみきが先走りし藩を出たことを理由に仇討を認めない。裏ではみきでは弥十郎は討てないと見ている様子。
咎人を仇討することはできないという定法もあり、金さんは弥十郎ら押し込み一味を捕えようと動く
片岡は旗本なのに白洲で裁きを受けている(通常は「評定所で沙汰があろう」とするが、ここでは打ち首)

16 1991年
1月24日 毒薬を買う女
おりは/竹井みどり
お奈津/松本友里
山城屋倉次郎/南条弘二
俵屋宇之吉/田口計
奈良平/江藤漢
今朝三/浜伸詞
常次/原亮介
丈吉/大石源吾
福松/小谷豪純
この回で特徴的なことが二点ある
まず、まだ少女っぽさが抜けない若く好奇心旺盛なお奈津、そして少年の福松という二人がその子供らしい天津爛漫さで事件に首を突っ込んでいくという子供探偵みたいなキャラ
もう一つは、最初の見込みが完全に外れるところ。
お奈津と福松は薬種問屋の俵屋の使用人。金さんがこの店に訪れ、お奈津と知り合う。お奈津と福松は店に数日おきに亭主の心の臓の薬をもらいにくる商家の女将おりはが怪しげで俵屋主の宇之吉と良からぬことをしているのではないかと金さんに相談。おりはと宇之吉が組んで、おりはの亭主山城屋の主である倉次郎を薬で殺し、山城屋を乗っ取ろうとしているのではないかという疑い
しかし調べてみると、おりはは山城屋の跡取り娘であり、倉次郎が入り婿だったのだ
おりはも心の臓が悪く、俵屋から同じ薬をもらっていたが、その薬の包み紙の色が異なることに気付いた金さんは事件の真相が、最初の推理の逆、つまり倉次郎が俵屋と組んでおりはを殺し山城屋の乗っ取りの企みであることを知る

17 1月31日 美人姉妹の七変化
若柳扇之丞/川中美幸
肥前屋十蔵/勝部演之
お涼/若山幸子
半五郎/山本昌平
源次/坂田金太郎
塚越武太夫/水上保広
小扇/武田京子
小染/保坂亜耶
甚兵衛/有島淳平
鉄造/久賀大雅
若柳扇之丞とお涼は姉妹で、旅芸人一座を率いており、また一方で父親の敵を探している。
この一座の荷物の箱を使った鉄砲の抜け荷というストーリーで悪役は肥前屋とやくざ半五郎
一座は知らずに抜け荷に使われてしまい、そして姉妹が探していた父親の敵も肥前屋とやくざ半五郎というあたりはご都合主義か(父武太夫は今回と同じような鉄砲抜け荷探索で荷物を調べようとしたところを殺されている)
また、お涼の怪しげな行動により捕まえられ拷問、身元もバレたのにも関わらず、次の場面では縛りを解かれ身体が自由になって、密談に聞き耳を立てているのは変。そしてまたそこで捕まってしまうのだけど。
川中美幸といえば演歌歌手であり、俳優は本業でない。まあ座長公演なんてのをやってそうだし、下手ということでもないけど、どこか空気感が回りと違っていて浮いているように見える。また、演出は川中をお迎えしての作品という雰囲気あり
福本清三、ノンクレジット、やくざのひとりとして、中盤の殺陣、そして終盤にあるお約束の殺陣~白洲に登場。

18 2月14日 奉行に悪女の罠!
おりん/三原じゅん子
吾平/福田豊土
お辰/鈴鹿景子
宗伝九郎/中田博久
杉原角左衛門/早川研吉
長崎屋儀助/松本朝夫
竜/西田真吾
ふか七/阿波地大輔
玄九/加藤重樹
政/畑中伶一
権十/奔田陵
定吉/大迫英喜
登場人物が多く、それらがいくつかの集団として存在し、それらのいくつかはお互いが協力関係にあるのか、だが蜜月関係でもないようで、そしてそれらのどれも悪役っぽくて。そして何人かは集団の中にいて、実は・・・・というような意外な正体だったり、という感じの詰め込み過ぎに思える内容
登場する集団とは、鳥居と南町奉行所グループ、抜け荷一味、居酒屋経営の親娘とそこに集う船頭たち、長崎屋夫婦。
この回は鳥居甲斐守登場回であり、いつも通り悪役めいた登場である。が、今回の事件では裏でそれを操っているとかそういうことはない。贅沢禁止令を出して、それの取り締まりに血道を上げている。
で、その部下の与力、忠実なしもべかと思いきや、最終盤で実は、と正体を明かし、抜け荷一味と繋がっていることがわかる
長崎屋夫婦、その女房がお辰。だが、抜け荷商売が怖くなり撤退しようと言い出した主人を手下を使って殺す。実は抜け荷一味のリーダー。そのことを主人は知らなかった
吾平とおりんが親娘で一膳飯屋経営。船頭のたまり場。そして抜け荷一味から荷運びを頼まれているが、そこに対立関係もあるようで・・・。
さらに南町と抜け荷一味も対立関係。
というように 複雑な構成のため時間が足りず 描き切れてないような部分もある ように思える。例えば長崎屋夫婦、夫のほうは少ししか出番がない。唐突に出てきて夫婦での会話、抜け荷探索が厳しくなってきたら店を閉めようとか話していて、で、次の出番で殺されるというだけの役で、お辰の説明というだけの使われ方
鈴鹿景子、10年前ならメインゲストクラスだったろうに、ここでは三原じゅん子にそれを譲っている。が、悪役のボスでありそれなりの存在感

*0223
19 2月21日 お婆ちゃんの復讐
おくら/中村美代子
遠州屋勘蔵/幸田宗丸
土屋将監/近藤宏
平田半兵衛/宮口二郎
権太/大前均
藤八/根岸一正
みき/菱田麻美
上総屋宗助/壬生新太郎
喜助/柴田善行
僧侶/武田文雄
廻船問屋遠州屋と船手頭土屋が組んでの悪事。商売敵を殺して株を取り上げる。
上総屋が殺されその現場に怪しげな婆さんがいるのを金さんは見かける。そのおくらは孫のみきと二人暮らし。4年前にアヘン密売容疑で息子の店が闕所になり、その後息子夫婦は亡くなっていた。おくらは復讐を狙っていたのだった
裁きが終わっておくらへ語り掛ける場面でみきが白洲へ呼び込まれる。みきは遠山奉行を「金さんだ」と呼び、遠山は「子供は騙せない」と苦笑い。いや、どうみも同一人物ですけど!
東山の水木新吾が久々の登場、確かこのシリーズの序盤に数回出ていたがそれ以来

20 2月28日 女房に誓った鬼十手
政五郎/佐藤允
小平次/橋本功
おしげ/山本郁子
橋之助/潮哲也
大歌女/藤江リカ
三国屋藤兵衛/近藤準
三之丞/吉中六
勘太郎/奈辺悟
与吉/福本清三
庄助/加藤照男
相模屋伝兵衛/蓑和田良太
無法者/小船秋夫
無法者/河本忠夫
政五郎の女房/香住美弥子
佐藤允は鬼政と恐れられるひどく乱暴な岡っ引き。大抵こういう岡っ引きは悪役だが、ここではそうではない
事件は殺しを請け負う集団の話。かつて身投げをしようとしたところを金さんに助けられたおしげが小間物の担ぎ売りをしている小平次と所帯を持った。が小平次の裏の顔はその殺し請け負いの一員だった
福本清三もその殺し請け負いの一員、役名ありクレジット、殺陣と白洲

21 3月7日 偽装殺人! 左ききの少女
お勢/小野さやか
永井信濃守/御木本伸介
柏木屋佐兵衛/中田浩二
与次郎/西沢利明
滝蔵/立川三貴
甚五郎/北見唯一
お勢の父親/松田明
お花/仲さやか
やくざ/福本清三
柏木屋の妾お勢が殺しをした。担当は遠山、家に押し入り金を塗んだ上に襲われて、近くにあった包丁で刺した、ということでお解き放ちとなる。殺されたのは与次郎。その娘お花をお勢は引き取ることにする。
その後お花が左利きというのを見た金さん、父親も左利きだったのでは、ならば着物の左のたもとに金が入っているのはおかしい、と、老中に再吟味に意向を伝える。
柏木屋佐兵衛は盗賊の首領で、与次郎に強請られていたが、相手にしない。で与次郎はお勢のところにやってきた、そこを手下の滝蔵が殺し、お勢にお前なら無罪になると偽装殺人を仕組んだのであった
この回では遠山が再吟味を申し出るという異例な展開。老中永井(御木本)は聞き役に徹する。白洲の場面の最後は、「一件落着」の前に隣室に控えていた老中永野のもとへ向き、永野は「再吟味とは許せないこと、よって奉行職の苦行をこのまま続けろ」となる。ここで終わってもよさそうだが、永野退場後、松方が見栄を切っての「一件落着」をやっている、蛇足であろう
また、与次郎は二八の下っ引きで強請を覚えたとのことで、そういったことを理由に間半平は十手取りあげの処分を受けている。白洲の場面の前に遠山が今回の再吟味の件で間半平の働きが大きかったととりなしている
福本は役名なしクレジット、前回と同じく悪役側の一味で殺陣と白洲

22 3月14日 京の姫君の妖しい誘惑
お志げ/藤奈津子
島村右近/和崎俊哉
幾造/小島三児
道明/曽根晴美
玉巻屋庄左衛門/高野真二
玉巻屋庄太/若尾哲平
紀十/石倉英彦
おこと/豊川博子
仁助/日高久
幸兵衛/入江慎也
若旦那/原亮介
徳助/丘路千
忠作/柴田善行
新三/山田永二
修験者/奔田陵
修験者/宮本浩光
修験者/諸鍛治裕太
男の子/西尾塁
公家の娘がお忍びの東下りで男を所望していると騙って美人局
お紺が悪の屋敷に忍んで密談を聞く場面、悪側が忍びに聞かれていると気付いて、公家の娘と付き人という騙りの設定を演じてお紺に気付かれないようにするという演出があった。これの数回前にも似たような演出あり

*0225
23 3月21日 白い肌に謎の刺青
お加代/伊藤智恵理
長次/睦五朗
天満屋徳兵衛/藤岡重慶
粂七/黒部進
鹿造/中田譲治
青木兵庫/出水憲
猪之吉/木谷邦臣
蜘蛛の清兵衛/波多野博
火の番/東孝
遊び人/小峰隆司
浪人/志茂山高也
すでに処刑されてしまっている盗賊の頭の隠し金のありかを巡っての話
睦五朗という人は名前だけ知っててなかなか顔がわからないでいた。
悪役が多い人であり、またメインゲストはあまりないようなポジション。
ここでは終盤に殺されて(自分から刀に向かっての自害)しまっているが、そこまではメイン格、そして哀愁漂う子思いのいい親父役。
過去その盗賊の一味ではあったが、今では娘と一緒に静かに暮らすことを願っている大工。
そしてそお娘はお加代。こちらは明るく天真爛漫な娘、なのだが、実はその盗賊の頭の娘であり、当人はそのことを知らなかったが、話を盗み聞きし、知ってしまった後態度が急変するのがなんだかちょっと変に思えた
だが、その隠し金のありかのヒントを彼女の背中に刺青で彫られており、つまり自分には何かしらそういう曰くつきであることを知っていて、無理に作って明るく振る舞っていたと考えれば、態度の急変もわかる
東山出演回

*0226
24 3月28日 闇の上納金! 遠山桜最後の勝負
徳川政之助/坂上忍
大和田肥後守/近藤洋介
玉屋市郎兵衛/中野誠也
井野/菅貫太郎
お袖/中野みゆき
吉太郎/沖田さとし
熊造/福山升三
佐吉/荻原郁三
幕閣/中村錦司
幕閣/有島淳平
幕閣/和田昌也
幕閣/高谷舜二
最終回らしい趣向で、坂上忍が将軍世継ぎの若様の役、善玉、大岡越前に出てくる吉宗的な正義感が強いが町方の暮らしには疎い。十分目立つような演出がされているが、単独表記でなく、近藤と並記になっている
コック帽にエプロンのパン屋佐吉がまず出てくる。現代を取り入れた演出。で倹約令のため、パンは贅沢といって、半平が止めさせにくるという始まりから、倹約令の裏で闇の上納金によってそれを見逃すという幕閣内部の悪、そしてそのターゲットに花火の玉屋が狙われる
その悪役のトップが勘定奉行で近藤洋介、その配下という位置に井野(菅貫太郎)がおり、町中では頭巾を被っているせいもあるが、あまり目立っていない。菅貫太郎ほどの俳優なのに、と思う
徳川政之助は将軍世継ぎ、寺にこもると称して町中を徘徊。頭巾を被って玉屋の娘お袖をつけるという登場で、その登場は何かを探っている隠密という塩梅、実はただお袖を気に入ったということだったようで、その後二人は恋に落ちている。この登場には騙されたが、ただ騙し方がちょっと悪質というか、だったら、顔を見せたときある程度わかるようにしたほうがいいかと。
玉屋の花火蔵に火付け。犯人の熊造を見たお袖がしょんぼりしている。熊造って玉屋の身内だっけと思ってしまった。別に親しい間柄でもないし、このしょんぼりがよくわからない。いま見直したが、ああそうか、店が焼けたことによるしょんぼりで、犯人が熊造だったことは関係なさそう
そして大和田の屋敷へお袖が連れ込まれ、金さんが乗り込む場面。お袖がなぜか拘束もされず、悪が座談しているところに普通に加わってるような席位置なのはちょっとおかしいか
東山出演回
福本清三ノンクレジット殺陣、あまりめだっていないが多分いた。

第2シリーズ18話で、二八がやけに強調して上方言葉を使ってることについて書いた。いつの間にかその設定はなくなっている。いつごろからなくなったかはわからない

名奉行 遠山の金さん2(松方弘樹主演) [時代劇]

オリジナル
放送期間 1989年5月25日 - 11月30日
2023/06/20(火) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第二シリーズ 第1話「帰って来た桜吹雪」
08/11(金) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第二シリーズ 第23話「さらば金さん 打首獄門!?」[終]

第1シリーズ最終回を見た後引き続き第2シリーズ第1話を視聴
1 1989年5月25日 帰ってきた桜吹雪
お千代/南風見恵子
日向隼人正/長門裕之
鉄/宮口二郎
西海屋/江幡高志
窪田陣十郎/山本昌平
お千代が先頭になっているが、これは山内としお、疋六:宮路佳具と並記。なお疋六については第1話ではおれは気付かなかった。ウィキによれば「北町配下の目明し」という役
新シリーズとなるとレギュラーの移り変わり、設定の変更にまず目が行く
吉川瓢兵衛:ケーシー高峰が降板、多分同じような役として蒲生武太夫:名古屋章
お仙:坂口良子が降板、同じ設定で湯屋のおかみで遠山の密偵としてお紺:池上季実子、お玉:仁科幸子は続投。
トメが池上でその前が名古屋、その前に堀田摂津守:若林豪。
伝法大介:小西博之が新加入。新吾が金さん=遠山奉行を知るとのことなので、この伝法はそれを知らない同心という役なのかなと思っていた。そういう役はこの作品には必要でもあるし。しかし、二人とも第1話の白洲の場面にて一緒にそのことを知ることになる
その際の反応、新吾、意外にも冷めたもので、一瞬驚くものの「どうりで似てるわけだ、呆れたもんだよな、こんなお奉行がいるなんて」、大介「いやっ、しかしすごいお人だ」、新吾「恰好良すぎるよな、ほんと」。こんなことがあったのだから白洲の場面の後にエピローグで遠山と新吾の場面もほしいところだが、そんなものはなくいつもどおり白洲の場面の結び文句「一件落着」で終わっている
遠山桜が証拠になるなら、新吾や大介の証言もなるのでは? と思う。
大庭伊十郎:山内としおが出ている。新吾や大介と共演(大庭は「新吾と大介の同僚。新吾や大介が登場しない、もしくは何らかの事情で捕物に行けない場合、捕り方と共に率先して現場に踏み込む事がある」というウィキでの説明)。新吾と大庭は前シリーズ最終回でも共演
悪役の西海屋という屋号は第1シリーズ最終回と同じ。
ネズミ講である「極楽講」という現代的案件がテーマ
堀田摂津守:若林豪は登場、鳥居甲斐守:中村嘉葎雄は登場していないがウィキによるとこのシリーズにも登場するようだ。
OPおよびED、ここは数回見て以降早送りしたり飛ばしたりしているから、よく見ているとは言えないのだが、前シリーズとまったく変わっていないようである。
金さん桜吹雪披露の際に「お目付け桜」という言葉が出てきて、白洲での遠山桜披露の際にも同じ言葉を言っている。「お目付け桜」なんていうと正体わかってしまいそう。この言葉、気になって前シリーズの最終回を見てみたらそこでも言っていた。前から言っていたようだ

2 6月1日 美少女を救え! 隠密同心の怒り
おこう/財前直見
結城仙之助/石橋蓮司
大黒屋仁左衛門/福田豊土
銀次/遠藤征慈
甚九郎/入江慎也
弥平/広瀬義宣
常念寺住職/山村弘三((役名なしクレジット)
前シリーズでは不完全燃焼気味だった東山の新吾が松方と二枚看板とでもいうような活躍。隠密廻り同心となったからだろうか、月代を剃っていない頭で登場。
時代劇でお馴染み、アヘンの話
ストーリーとしては凝っていて、見ごたえあり。
悪役のメインと思わせる大黒屋だが、その娘おこうは完全に善玉っぽい出で立ちで、新吾に惚れたような素振り、しかし抜け荷のことは知っていて、しかしそれを恥じていないなどという。さらに話が進み大黒屋はアヘンのことは知らなそうだ、とか、みなしごを寺に集め支援しているなどという善人めいたエピソードが出てくる。
結末としては大黒屋番頭弥平が他の悪、旗本結城やヤクザの甚九郎と示し合わせて、抜け荷をやってる大黒屋を隠れ蓑にアヘン密売をやっていたという展開
福本清三、ノンクレジット。3回出ていたような気がする。冒頭死体現場の野次馬。中盤牢屋内で大黒屋に襲い掛かる囚人の一人。終盤お約束の殺陣にも参加していたのだろうか、遠山桜披露の場面で金さんの殺陣が回想で挿入される際に斬られているのが彼。殺陣の場面も見直してみたがどうもその場面が見つからない。回想でありながらも殺陣シーンでは使われていない場面を回想場面として挿入しているのだろうか
こうやって福本清三を探しているとヒッチコックを探してるみたいな気分だ
山村弘三という人はよく時代劇で見ていたが、ここでは大分老けていて雰囲気が少し変わった
広瀬義宣という人は役名なしの端役でよく見る名前だったと思うが、ここでは役名あり

*0126
3 6月8日 風呂屋の亭主が謎の連続心中
お美代/本阿弥周子
赤坂林右ヱ門/御木本伸介
井筒屋長五郎/多々良純
曽乃/風見章子
三次/上野山功一
豊太/堀田真三
伊太郎/新城邦彦
予想外の展開が二つ。これで、ちょっと先が読めないストーリーになった
サブタイトル通り風呂屋の亭主が続けざまに心中。しかし相手の女との組み合わせから心中に見せかけた殺しと推察。値上がりしていた江戸府内で限られている湯屋株だったが、それがこの心中事件の主は心中直前に売り払っており、それは正式な手続きになっていた。
買ったのは井筒屋で、見るからに怪しそうで、悪役だろうと思っていたが、中盤で殺されてしまう。これだ予想外。
心中事件で亭主を失った柳橋湯の女房がお美代で、これは善玉だろうと思われたが、桜湯のお紺をシャボンを大量に売るとの餌で湯屋株を持ってくるよう言う。ここが二つ目の予想外。こちらはお美代が真相を知るため、湯屋総取締に近づき得た仕事ということで、悪役転向ということではない

4 6月15日 暴かれた二つの顔の美人妻 高橋稔 斎藤光正
お波/高部知子
作蔵/山田吾一
丹波屋/戸浦六宏
大内兵庫/南条弘二
和世/鈴鹿景子
おたつ/和田幾子
ストーリーがなかなか良いように思う。
悪役は誰だろう、そもそもどの事件が今作品のメインなのだろう、となかなか明らかにならない展開。お波の姉が死んでいたという事件、そもそも小金目当てに若い女が狙われ殺されるという事件が連続して起きている。という背景。
サブタイトルは鈴鹿景子の和世のことだろうと序盤でわかり、悪役は和世とその親の丹波屋なのであろうと想像はつくのだが、序盤はほんのちょっとの顔見せ。
でストーリーが進行していく中で、その二人がストーリーに全然絡んでこないし、そもそもなんの事件がストーリーを追ってるのかもよくわからないまま進む。メインは山田吾一の作蔵で、どこぞの武家屋敷に三十年勤続の老中間、完全に善人なのだが、なにか裏がある様子、という具合に進行。
それが終盤になり、作蔵と彼が仕えている殿様大内兵庫が起こした事件の真相が明らかになり(お波の姉を殺そうとしてではなく事故のような形で死なせてしまった)、兵庫の妻和世、そしてその親の丹波屋がその周囲で動いていた悪事が一気に明らかになっていくという展開。
丹波屋は茶坊主上がりの札差で、政界に力を持っており、娘3人を要所要所へ嫁にして、さらに力をつけているという存在で、大内兵庫もそういう状況下で自分の駒として考えており、金の力で出世させようとしており、そこで起きたこの事件の関係者をことごとく消そうとしていたのだ

5 6月29日 財テクの罠、狙われた美人画
山岡誠之助/並木史朗
琴絵/安永亜衣
山城屋治兵衛/草薙幸二郎
多岐川竜斎/小鹿番
秋野仁十郎/有川正治
サブタイトルで現代盛り込みに舵を切ったことがわかる。まあそのサブタイトル通り、高値になりそうな絵で金儲けを狙う企みを扱ったもの
福本清三が序盤に竜斎の絵草紙屋で店員、終盤の殺陣で登場、ノンクレジット

*0129
6 7月6日 甘い囁きは女の敵
お浜/黒田福美
巳之介/荒木しげる
幸吉/山田隆夫
蟹助/市川好郎
音羽の久蔵/浜田晃
綱五郎/草薙良一
伊勢屋幸右衛門/牧冬吉
左右吉/松田明
両替商伊勢屋、大旦那が幸右衛門で病がち、若旦那が幸吉で博打狂い、大番頭がお浜、父親も伊勢屋で働いており二代続けての奉公、大旦那に認められての大番頭、男っ気なし。
この伊勢屋を狙って、女をたらしこむのが得意な巳之介と表向きは口入れ屋、裏では賭場を開くやくざの音羽の久蔵が組む。
博打で幸吉が狙われ、お浜は巳之介に狙われという二面作戦。幸吉に借金を着せて、権利書を手に入れるまでになり、巳之介はお浜をいいところまで取り込んでいたが手を引くことになる。
そうなったのに、終盤クライマックスで、わざわざ顔を出し、そういう種だったと吐露しているのはなぜ、と思う
黒田のいい女さが目を惹く

7 7月13日 暗闇に一輪桜小僧
お袖/三原じゅん子
滝沢外記/南原宏治
蓑屋藤十郎/深江章喜
備前屋/原口剛
林之助/岩城力也
白洲の場面の前に一番の悪役滝沢が自害してしまい、故に白洲の場面は盛り上がりに欠ける。時間も短めに思えた
軽業一座で綱渡りをしているお袖、兄の敵討ちを狙う桜小僧。兄が侍でなぜ軽業一座なのかの説明はない。その兄は鉄砲の買い付けに伴うある策略で殺されていた
今度長崎から鉄砲や大砲が江戸へ持ち込まれてくることになり、それが狙われる可能性を考え、警備が遠山に命じられる。その江戸へ持ち込まれる鉄砲類を狙うのがお袖の敵と同じで、遠山は桜小僧の狙いが何なのかに興味を持って行くという展開。
桜小僧というのは一年前、その兄の件が起き、お袖が調べるためウロウロしているとき金さんに助けられ、その姿に憧れ真似をして桜の刺青をお袖も入れたのであった

8 7月20日 恋女房が危ない! べに花の秘密
青木吾平/高橋悦史
信子/二宮さよ子
おれん/朝比奈順子
最上屋助右衛門/藤岡重慶
牧原長重/小林勝彦
黒川勘兵衛/吉田豊明
玄雲/佐藤京一
権十/浜田隆広
腰元/たなかあけみ
高橋悦史が武士の役で放言丸出し、それゆえか朴訥さが前面に出ている人柄のキャラ。
べに花作りに長けており藩にも大きな利益をもたらしている
女房役が二宮。田舎のべに花作りのための畑仕事が似合うタイプでもないんだけどねえ。田舎で夫と離れて暮らしているが、夫に会いに江戸へ出てくる
このべに花についての不正が事件で悪役は最上屋と家老牧原、支配役の黒川勘兵衛。小林勝彦は家老役が似合っておりずいぶん貫録がついた感じ。が、あまり出番はなく、最上屋と黒川がメイン悪役っぽく進むが、最後の殺陣の前で吾平が殺されついでにという感じで用済みになった黒川も殺され、その黒幕にそこまで出番の少なかった牧原が登場するという展開
最後の殺陣の前の吾平殺害の場面から殺陣、白洲の場面にノンクレジットで福本清三

9 7月27日 女の挑戦! 怪文書のカラクリ
お蝶/三林京子
美濃屋万兵衛/和崎俊哉
八田平蔵/川辺久造
田之助/冷泉公裕
近江屋/外山高士
今朝三/江藤漢
壺八/中田譲治
山崎新兵衛/波多野博(役名なしクレジット)
サブタイトルが安っぽい二時間ドラマ風。こういうのが流行していた時代なのかもしれない
寺社奉行所の役人山崎が商家の女将と心中。しかしそれは偽装で本当は殺しのようでもあった。山崎は怪文書による恐喝事件の探索中であり、密偵のお蝶は山崎からこの探索からは手を引くよう言われた矢先の山崎の死であった。
事件は寺社奉行所と北町の合同捜査となるも寺社奉行所側の捜査の指揮をとる八田が事件の黒幕だった

10 8月3日 誤審? 殺人犯の妹
弥之助/井上純一
春日井忠兵衛/清水健太郎
お久/長谷川稀世
お糸/立原ちえみ
池松/稲吉靖司
讃岐屋/中村孝雄
お滝/五代百絵
鳥居甲斐守/中村錦司(役名なしクレジット)
この回は清水健太郎に目が行く。この人の悪人相はそれだけでもなかなかのもの。スキャンダルまみれの経歴があるからそういう色目もあるのか、いやそれなしでも十分悪人顔。そしてこの回にはなかなか壮絶ね拷問シーンがある。彼は北町与力の役。その拷問場面を脇にいる半平と二八はアワアワしている演技。さらにその後の桜湯二階での場面で、その拷問場面のことをすごかったなどと話している場面まで入れてあり、演出としてもそこを強調している
稲吉靖司は前シリーズにも出ていた小鹿番によく似た人。今回は悪の岡っ引き。このメモブログを稲吉靖司で検索してみたらかなりたくさんヒット。小鹿番に似てるってことはその際気付いていなかったのかなあ、前シリーズのとき初めて気付いたように思う。
井上純一の弥之助は島帰り、板前として再就職しようとしても悪の岡っ引き池松が邪魔をし、さらには殺人の罪を被せてくる。
弥之助の妹お糸は兄はやってないとなんとかしようと必死に動き回る。アリバイを証明できるはずの娼婦お久は頑なに弥之助なんて知らないと言い張る。この二人の女が印象的な回、この二人の対面の場面もなかなか迫力あり
中村錦司はどこに出ていたか気付かなかった。北町の白洲の場面か。あれれ、鳥居甲斐守って中村嘉葎雄じゃないのか。ウィキには「鳥居甲斐守:中村嘉葎雄(第1~3シリーズ)→中条きよし(1991年SP、第4シリーズ、1992年SP)→中村嘉葎雄(第6~7シリーズ)」とあり、今シリーズにも登場するのかと思ってたのに。
東山の出演が異様に少ない。第2話で活躍して以降、多分出演がない

*0130
11 8月17日 税金に泣かされたおんな
おふさ/藤奈津子
くら/風祭ゆき
榊原修理/鹿内孝
武蔵屋/田中浩
喜助/山下洵一郎
おこう/山口朱美
佐八/寺下貞信
高倉喜十郎/福本清三(役名なしクレジット)
福本清三大活躍回。白洲では前列に座っており、それゆえ悪役側のメインの一人と言っていいくらいだが、それでも役名なしクレジットになってしまっている。
冒頭押し込みの集団の中のひとり。頭巾だが目付きでわかる福本。その押し込みの場面から引き上げる際金さんと出会い血がついているのを咎められ刀を向け、そして立ち去っていき、サブタイトル表示と、いきなり出番が多い。
最後の殺陣でも、目立っていて、最初から最後までしばしば顔が映る。最後にやっつけられるのはメイン悪役だが、その前、用心棒集団の中では最後にやられている
白洲場面でも白洲席から遠山奉行に斬りかかるという珍しい演出。白洲場面で遠山奉行に立ち向かうのは、武士で役職ありの、座敷・縁側にいる人物であることが多く、この回でも福本の後に、縁側にいた榊原修理が立ち向かっている。
ストーリーは田舎でのきつい年貢取り立て、直訴状の握りつぶしなどが扱われ、江戸へ売られてきた少女おふさが口入れ屋武蔵屋で仕事の世話をさせられるが、武蔵屋の裏の顔は押し込みの一団で、女を商家に世話をして、その女に内から鍵を開けさせていた

12 8月31日 裏切りの仮面! 金さん指名手配
桂木孤風/大木実
銀八/誠直也
おさわ/五藤恭子
寅吉/有川正治
徳松/中田光彦
「闇の一族」なる悪党連合が江戸で勢力拡大。やくざや悪徳商人が組み込まれている。元締は常にお面を被って登場。その元締の片腕は銀八というヤクザ
銀八の妹がおさわで、みなしごの面倒を見る書家の孤風を手伝っている。
が、元締の正体は孤風であった。
銀八一家の子分でノンクレジット福本清三、終盤の殺陣ではなくて中盤に登場
大庭が登場。「金さん指名手配」のサブタイトルがあるが、そういう状況では金さん=遠山奉行を知らない同心が金さんを追いかけるという楽しい構図を出すためであろう。今回のレギュラーである伝法は金さん=遠山奉行を知ってしまっているからなあ

13 9月7日 遠山奉行の涙! 裁かれた聖母像
折原忠之/大出俊
早川慎之介/円谷浩
百蔵/樋浦勉
大村屋/西沢利明
渡海屋/芝本正
長谷川/楠年明
10話(※)でおれが疑問を呈している鳥居耀蔵/中村嘉葎雄が登場。遠山奉行に勘定奉行を追い落とされたと言っており、第1シリーズ最終回を踏まえている。
(※)10話で「鳥居甲斐守/中村錦司(役名なしクレジット)」とあり、つまり役名なしだが、ウィキに「鳥居甲斐守」とあるということであり、作中では鳥居とは名乗ってなかったと思う。単に北町奉行の役であり、それをウィキに書いた人が鳥居としてしまったのであろう
現在無役、遠山への仕返しと奉行職を狙っての策略がこの回のあらましとなる。
金さんと鳥居が出会う場面もあり、これは第1シリーズ最終回で見ているのだから金さん=遠山奉行は承知なのであろう
5年前の事件、遠山が奉行になる前のことである、渡海屋がキリシタンであるという投げ文で処刑された。その時の裁きをしたのが奉行の折原。折原を遠山は尊敬し、その職務記録を読み込んでいる。
折原は渡海屋のキリシタンの教えに沿った生き方を立派なものだとして、なんとかして助けようとしたがそれはならず、またその宗教に関係のない妻子をも助けることができなかったことで、この事件を契機に奉行を辞して今は寺子屋の師匠
渡海屋のキリシタンを投げ文したのは渡海屋の番頭で、同業の大村屋と組んで渡海屋乗っ取りを謀ったのだった。その裏にいたのが鳥居。

14 9月14日 お目付け桜と姥ざくら
お島/園佳也子
越中屋/菅貫太郎
長次/中田博久
竜源検校/岩尾正隆
酒田陣十郎/五味龍太郎
1/30に視聴したものの途中何度も寝落ち、最後まで確かに見たものの、無理やり見終えたという感じだったので翌日再度視聴、主に1.3倍速
この回は園佳也子ワンマンショー的な作り。いや、彼女が個性的でそう見えてしまうのかもしれない。が序盤から出ずっぱりだし、終盤の殺陣~白洲の場面、ここは遠山の見せどころであるが、そこでもある意味それを食ってしまうような活躍ぶり。殺陣で活躍というのは変かもしれないが、悪役のところに怒鳴り込んで窮地に陥り金さん登場、殺陣の間は脇で声援を送ってる「ヤレヤレ~」「いいぞー」
役柄は彼女の俳優として持っているイメージに重ねて描かれた(園佳也子のことをよく知ってるわけでもないが、多分そうであろう)ような口が達者で向こうっ気が強いが友達思いの庶民的おばあさん。
ストーリーは詐欺投資話という感じで、薬屋長次にいい儲け口があると投資させられるが利払いが滞り、老人何人かに犠牲がでる。長次の裏には薬種問屋の越中屋。そして元は無宿人、そしてもちろん目明きであり、越中屋によって仕立て上げられたインチキ検校の竜源がいた。検校ならば法外な利息を取ることもでき越中屋は老人から金を集め検校を通して違法な高利の金貸しをしていた
裁きでは上位の悪役だと思われる竜源検校が遠島、しかも終生でなく15年とされていて、なんか変。他のメインどころは当然のように打ち首獄門

*0131
15 9月21日 美女誘拐! 悪事が匂う蔵の中
お弓/比企理恵
平六/織本順吉
菊屋利兵衛/遠藤太津朗
小池重房/久富惟晴
新八/遠藤憲一
清吉/山田良隆
平六は饅頭屋。近くの紅屋という饅頭が評判のため店はさびれている。娘がお弓。悪友の新八と遊び歩いているが、その新八に連れ回されいるうちにかどわかされてしまう。
紅屋が殺され平禄は自訴するがそれはお弓を人質に取られ脅されてのことだった。
特徴的な点
金さんが伝法と謀り事をするが、平六の前で金さんが伝法に命令する形式で、伝法の上役だということがバレてもよいという風にやっているのが変に思える
その謀り事というのは自訴してきた平六を牢抜けさせ、追ってきた伝法が平六を斬って平六は死んだということにするというもの。それで紅屋殺害の件は済んだとみなされ、お弓は解放されるという展開
ここでお紺はお弓に平六が死んだことを告げ、改心させようとするが、平六がその場で出てきてしまい台無しに。という流れなのに、お弓は真相を探るため悪は誰なのか探り始めるのはなにか変に思えた。平六との和解がないのになぜ、ということだ。これはラストで、いくらかの説明がなされる。やはりその際改心して、平六の無実を明かそうとしていたとのことだ
新八は悪の手先だが、金さんが乗り込んでの殺陣が始まるところで、悪役からこちうがかどわかしの真犯人だと斬られてしまっている。殺陣の前に悪役の仲間割れという演出は珍しい、なお新八は死んでおらず、白洲に登場し、真相を自白し遠山奉行を助ける形になっている。裁きは遠島だが。
福本清三がノンクレジット、殺陣~白洲

16 10月12日 仮面の女盗賊 半平を狙う
間千代/宮園純子
神坂直知/有川博
青山忠良/鈴木智
夜嵐のお松/明日香尚
せん/岸雅
暗闇の鬼三/伊吹聡太朗
堀之政/唐沢民賢
定吉/河野実
留/濱田堅志
辰造/宮城幸生
宮園純子は半平の母親役。
半平は暗闇の鬼三の護送の任に就くも、襲撃され鬼三を逃がしてしまう。それを任命したのが南町の与力神坂でこれも悪に一味だった

17 10月19日 富くじに踊らされた悪女
草野数馬/山本陽一
橘たか/渡辺千秋
杉野忠勝/勝部演之
蟹江/潮哲也
又五郎/宮口二郎
つる/弓恵子
やくざ/福本清三(役名なしクレジット、女郎屋従業員)
この回は今シリーズ2度目の鳥居耀蔵/中村嘉葎雄登場回で、役職なしの鳥居が遠山の追い落としと自分の役職復帰を狙っての策略という風に前回と同じ構図。町中(前回の場合は桜湯)で出会った二人、鳥居の目配せで、二人だけとなり、鳥居が遠山に脅しをかけるという演出も同じ
陰富という富くじの裏興行が舞台。遠山が隠密捜査のため派遣した与力草野が殺され、持ち物に陰富の札がわんさか。。これを最初に発見した伝法がふところに隠してしまい・・・、という展開。その草野はただ酒、ただ遊びに溺れ、陰富の勧進元だという噂が立っており、それは本当なのか
草野の息子が数馬。
たかというのは数馬の許嫁。演出上のことだがこれがいやな女。数馬は父親のその嫌な噂を聞き陰富をやっているやくざの仲間になる(最初は父親のことを真摯に聞きまわっていたのに、急にやくざの仲間になっているから、父親の無実を証すためかなとも思ったが、ラストで遠山にその心情をやけになってのことと話している)のだが、その数馬を取り戻そうとたかは勝気にやくざの前で、この人は与力の息子で与力を継ぐ人なのです、返してくださいなどと余計なことをいって、数馬を窮地に立たせたりしている
弓恵子は数馬の母親という役どころ。弓恵子は以前はメインゲストをばんばんやっていたような人であるがここではクレジットは下のほう。まあそれなりの存在感
この回から「お玉:仁科幸子」から「お町:松岡知重」へ交代、ほぼ同じ役割のキャラ、されたようだ。おれはそれに気付かず、通常お玉がクレジットされるところ(二八と並記)にお町というのが入っており、お玉は出ないのかなと思っていると、作中出てきて(おれの勘違い)いるので、ノンクレジットかなと思ったくらいだ。作中出てきたお玉かとおれが勘違いしたのがお町らしい。まあお玉が毎回登場しているのにも関わらずあまり印象に残らない人だったこともあり、桜湯の女従業員ということでお玉に見間違った、またこれがお玉かなと他の回の顔と見比べたりもしたが、似てないこともないという程度に似ており、勘違いしたのだった。
また通常役名ありのクレジットである疋六:宮路佳具が今回はキャストクレジットが多いためか、役名なしクレジットになっている

18 10月26日 夜空を飛んだ女の執念
佐和/白都真理
深尾兆安/西田健
笹乃屋利八/長谷川明男
きぬ代/原田千枝子
伊藤重清/芹沢名人
越前屋/水上保広
津坂織部/近藤準
菜穂/三浦徳子
権太/藤沢徹夫
福本清三がノンクレジットで殺陣に参加
ストーリーに難あり
奥右筆の名門永井家の跡取り問題を巡る悪だくみ。
伊藤重清は永井家の長男だったが、家の格が低い佐和との結婚を反対され、家を出て浪人になり、町道場を開いているが今が病がち。
夫婦の子供を跡取りに、という話が用人津坂からもたらされるが、重清は絶対反対。なのだが、佐和が息子を永井家の跡取りにするため奔走、とここは首を傾げてしまった。
細かいところでは。
これはおれの見間違いだと思うが。金さんが悪どもの酒席に乗り込み、酒のとっくりをひっくり返し、まだ全然飲んでないから、今までずっとここにいたというのは嘘だと指摘する場面。2本のとっくりのうちの1本には酒が入ってないように見え、ならば一本は酒を飲んでるのでは?
お紺が佐和が捕らえられている大番所の牢へ助けに行く場面。難なく鍵を開け、しかし佐和は逃げないといい、お紺はその鍵を放置したまま去っている。まあこの鍵を開けているから、その後佐和が外へ出ていけるのだが、お紺は佐和と話をするために来たのなら、鍵を開ける必要はなかったはず。
でもまあ、鍵を開けてやってあとは佐和の判断に任すという場面だったとも考えられる。
お町にキャラ付けがなされている。お紺の正体を知らないかのようでもある。前回、前々回では、お玉が去る描写やお町が新たに雇い入れられたというような描写はなく、単に同じ役割の人物が入れ替わっただけのようだったが。
二八がやけに強調した感じで上方の言葉を使うようになったことに数回前から気付いた。前シリーズも含め、最初からかなあ、突如そうなったような気がする。前シリーズはほぼ削除してしまって確認できないのだが、数回分残っており、それを見てみると、江戸語のようである。第2シリーズの最初からか途中からか

19 11月2日 (秘)大奥の女殺人者
直次/石原良純
秋橋/南田洋子
滝川/池波志乃
すみ/丸山秀美
井筒屋/江幡高志
角九郎太/吉田豊明
後藤屋/瀬川新蔵
おりき/千うらら
石原良純は冒頭、男たちに絡まれてるのを金さんに助けられ心酔してしまい、金さんに付きまとう調子のよい男の役
この回では大奥女中の秋橋が悪役で、大奥筆頭年寄りの滝川が心を弱らせてるか弱い女という風にずっと進行してきて、最終幕(4幕)でいきなり秋箸が殺され、滝川が黒幕としての正体を現すという展開に驚く。
福本清三がノンクレジット、白洲の場面にいる。殺陣の場面にもいたのであろう。最初見つけられず、再度見て見つけた
遠山桜披露の場面で「そんなに見たい証拠なら二度咲かせて見しょう遠山桜」と「見しょう」という言い回しを使っている。太秦ライムライトで松方が時代劇撮影の本番のところで使っていた言い回しのはず。

*0201
20 11月9日 花火が見ていた悪の顔
お新/山本みどり
弥太/高岡健二
立花祐之進/山本紀彦
丹後屋/柴田侊彦
村瀬左近/内田勝正
藤兵衛/玉川伊佐男
筑前屋/北町嘉朗
仙吉/浜伸二
この回はかなり盛沢山。
お新は遠山奉行と過去に関係があり、父親が花火師、娘が売られるのを防ぐための殺しをして処刑、遠山奉行が自害しようとするお新を助け慰めたということがある。が、それはそれ、今回のエピソードに繋がる件ではない。
お新は桜湯の下働き、金さんに紹介された。桜湯の従業員というのはもちろん他にもいるのだろうけど、レギュラー以外での登場は初
お新の亭主弥太は小悪党。丹後屋を強請っては博打三昧。丹後屋との関係、両者九州の出で、筑前屋で働いていた。700両を持っての商談の旅で賊に襲われ、二人は賊を追い払うも、旦那が倒れているのを見て、金を持って逃げ出していた。弥太は身を持ち崩して、江戸へ出てきて丹後屋を探し出し、強請っているというわけ。
悪役は南町与力村瀬、そして鳴門屋藤兵衛。後ろ暗い商家の秘密を探り出して強請。藤兵衛は弥太が持っている丹後屋の秘密を欲しがっていた。
立花祐之進はその商家への強請の件を調べている南町の同心、最終的には村瀬に斬られる
弥太、白洲の場面で被告席のほうにいる。遠山の裁きで「余の者は遠島」というが出て引っ立ていーとなった後も残っているのは変ではある。
また、その後、弥太と丹後屋の過去の件が持ち出されるが、なんと筑前屋の主人は生きており、長年働いてくれたので古きことは忘れようということで放免、さらには筑前屋までも白洲へ登場という展開だが、筑前屋が登場するという演出は不要な気がする。
お町、冒頭花火に行くという場面で、大金持ちに見初められたいなどと言い、お紺が毎年同じこと言ってるわね、と言われていることから、長年勤めていると推察される
山本みどり、この頃30歳を超えたあたり、もうちょっと古い作品でもよく見ていたような気がするが、とても美しい、脂の乗り切った時期とい感じ

21 11月16日 消えた犯人を探せ! 助っ人は年上の女
室井玄庵/川合伸旺
近江屋/田口計
伊之吉/山口祥行
上州屋/森章二
大友源吾/黒部進
南海屋/河合絃司
八造/石倉英彦
お仲/小野朝美
時代劇の悪役トップ2が単独表記で二人続けてのクレジット。もちろんこの回の悪役のトップ2
室井玄庵は御典医、出世のための金稼ぎ。近江屋は殺しを請け負っている
伊之吉は最初の事件、相模屋が襲われ夫婦と女中が殺された事件だが、、その際巻き添えで殺されてしまった相模屋の女中お仲の息子。まだ少年のあどけなさが残る大工、金さんにはその少年ゆえの乱暴さでひどいことをポンポン言う。お紺に惚れてしまったようで、その嫉妬もあるようだ。そして自分で事件の真相を探り始めるという役。

22 11月23日 江戸ゆきさん殺人事件
お秋/甲斐智枝美
安吉/西山浩司
武蔵屋/青木義朗
お糸/山村紅葉
鮫州の栄五郎/小島三児
お袖/日向明子
泉州屋/大木正司
鬼辰/岩城力也
マムシの権八/佐藤晟也
虎松/脇坂奎平
出稼ぎに来ている安吉。田舎で安吉と恋仲であったお秋も家のために売られ江戸へ。
安吉の同僚が荷物の中にご禁制の象牙を見つけたことで殺されてしまう。
悪役は仏と称される口入れ屋の武蔵屋、やくざの栄五郎、そして海産物問屋泉州屋。泉州屋はかつて泉州堺の紀州屋の番頭だった、紀州屋は抜け荷で摘発される直前に火事、紀州屋は行方不明。
武蔵屋は名を変えて江戸へ出てきた紀州屋であった
福本清三がノンクレジット、殺陣~白洲。また中盤にも安吉がいる飯場の場面で登場
大庭が遠山奉行と顔を合わせている場面がある。多分今シリーズ初。とくに動揺した姿はないし、特徴的なやり取りもない

23 11月30日 さらば金さん、打首獄門!?
稲葉修理亮/近藤洋介
城所門之助/亀石征一郎
お美代/三浦リカ
三次/山西道広
仁助/下塚誠
千成屋/森幹太
文蔵/長谷川弘
清右衛門/西山嘉孝
源太/森下鉄朗
お時/西尾知香
長屋の住人/日高久(役名なしクレジット)
飛鳥山に第二の吉原を作ろうとする計画。やくざを使って長屋の立ち退きというありがちなストーリー
最終回らしい演出有り。金さん絶体絶命のピンチ、捕らえられ薬を盛られ、打ち首獄門の裁き。
ここで半平らが悲しむ場面なんかは最終回らしいといえる
そういうところに時間を使ってるからか、この回の善玉と金さんとの触れあいというこのシリーズのすべての回に入ってる要素が薄めである
稲葉修理亮は老中。最終回なのだからここを中村嘉葎雄の鳥居甲斐守にしてもよかった
東山登場せず。今シリーズは最初の二回だけだった。なんだかなあ
日高久は大家、白洲の場面にも出ており、それなりに大きめの役
半平は金さんを捕えており、さらにお紺に騙され南町奉行所の中を詳細に教えて、金さんが脱獄しているところを見かけてしまっている。金さん=遠山奉行ということを知ったわけではないが、この後普通に金さんとつき合うのは難しいはずだが、そこは無視して次シリーズも普通に半平は出てくるのであろう

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