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名奉行 遠山の金さん4(松方弘樹主演) [時代劇]

オリジナル放送期間 1991年11月7日 - 1992年7月2日
09/26(火) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第四シリーズ 第1話「覗かれた尼寺」
10/31(火) 15:00 - tvk1|60分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第四シリーズ 第26話「ニセ鼠小僧が覗いた完全犯罪」[終]

シリーズもの続編を見る際の俺の好み、第3シリーズを見終えすぐ第4シリーズ第1話を視聴
ちょっと飽きているので、第3を見終えたらちょっと中断しようかと思っていたのだが、それと上記の好みの折衷案として、第1話の新登場キャストを見るのと雰囲気の変化を感じたいということで、序盤だけ見て、もし中断してしまったら、もう一回最初から見るというのでもいいやと思ったが結局全部視聴

キャストは大きく変更されているが、雰囲気は全く変わっていない。作中のBGMだとか、殺陣から白洲という流れ、松方弘樹の見てくれも演技も変化しておらず、マンネリでもあり安心感。とくにそれを感じさせてくれるのがOPとED、まったく変化なし
ちょっと変化したように感じたところもあったがそれは後述。
変更キャスト
吉川瓢兵衛:ケーシー高峰が再登場、なんとなく下手で降ろされたのかなと思っていたので、同じ名前で再登場にびっくり、ウィキを見たら、このシリーズ後もずっと出るようだ
葉隠弦之介:小西博之。小西が違う役で再登場。北町同心かと思ったが、ウィキによると南町同心。降板した柳沢慎吾の半平の後釜キャラということだろう。
二八:志賀勝が継続で、葉隠にくっついている。葉隠が南町で半平の後釜キャラと考えれば当然ということになろう
柊小十郎:西川弘志が新たに登場
疋六:宮路佳具は継続、小十郎につく
お竜:斉藤慶子、新登場。金さんに協力する女のメインキャラ。今シリーズは湯屋でなく、居酒屋「瓢箪」
轟沢庵:石立鉄男が新登場。このキャラはまったく新しいタイプで金さんの協力者。キャストクレジットではトメ。これまでのシリーズでは女メインキャラがトメを取っていた。斉藤慶子のクレジット位置は二番目
ウィキのお滝と沢庵のところが少し目に入ったが、作品を見ながらそのキャラを知っていきたいので、見るのを我慢したが、後述するスペシャル版に二人とも出ているので、そこである程度のキャラ設定説明があっただろうと推測、先に読んでしまうことにした。この二人は兄妹で、風魔一族の末裔という設定とのこと
さて、変化を感じたところであるが、金さんがお竜、沢庵、吉川を集め捜索会議をしている場面、以前のシリーズは金さんひとり活躍している感じだったが、この回はこの四人が活発に活動していて、そこに変を感じる。でも、東山の水木新吾(降板)の後釜が沢庵と考えると、人数的には金さん他3人で前シリーズと同じだし、会議も与力、女性キャラと一緒にやってる場面はこれまでのシリーズでたくさんあった。
まあ、金さん以外がかなり活発に活躍している点におれは変化を感じたのだろう
実質今シリーズの第1話となるスペシャル版「江戸城転覆! 女忍者の復讐」が今回放映されていない。そこには鳥居甲斐守/中条きよし、堀田摂津守/若林豪が出ているようで、また新キャラ(今シリーズの新加入レギュラー)お披露目となっているようだ

1 1991年11月7日 覗かれた尼寺
お吉/野川由美子
千石屋万造/和崎俊哉
鹿蔵/石山律雄
旭月院/佐野アツ子
月之丞/岩尾正隆
野川由美子、いいねえ。こういう役は得意なのだろう、なにか裏を持った女、突如威勢のいい啖呵を切ったりする。寄場から逃げ出し殺された恩人の鹿蔵の敵を取ろうとしている
和崎俊哉、こちらもいい。島帰りをやさしく迎える口入れ屋で、盗賊夜烏一味をみなで捕まえようと町のものたちのリーダー格、が、実は夜烏の首領。この裏表がうまい
石山律雄は夜烏に序盤に殺されてしまう岡っ引きの役、回想場面でお吉(鹿蔵がお吉の罪を軽くするよう頼んで、それでお吉は寄場送りで済んだという風に、お吉の大恩人が鹿蔵という設定)に、生きていればお前と同じくらいの娘がいた、と言っているが、二人同じくらいの年齢に見えるけど。調べてみたら42年生まれ(石山)と44年生まれ(野川)

2 11月14日 金さんの隠し子!?
黒澤左馬助/中野誠也
亀屋清蔵/田口計
お夏/湯原弘美
仙八/でんでん
弥吉/伊吹聡太朗
五平/岩城力也
松葉屋文左衛門/中田光彦
弔問客/中村錦司
人物相関図がかなり複雑
松葉屋が殺され、その殺しを江戸に出てきたお夏という少女が目撃、という風に始まる
お夏は母親を亡くし、その母親から江戸の遊び人金さんを頼れと言われており、江戸に出てきたのだった。そして金さんを父親かと想像していた。
殺しをしたのは黒澤左馬助という遠山の旧友。そしてお夏の父親であった
左馬助は父親が殺され、お夏の母親と別れ、お夏を身籠っていたことを知らずにいた
父親を殺した三人、松葉屋と弥吉、そして吹き矢の万助を敵と狙って十五年。
殺しを金で請け負う裏家業の元締亀屋清蔵。書状を持って会いに来た左馬助に敵を探す手伝いをしましょうと答える。しかし亀屋が実は吹き矢の万助。自分の過去を知る松葉屋と弥吉を左馬助に殺させる
福本清三ノンクレジット殺陣
中野誠也が格好良く作られてる。殺しをしているが、遠山の旧友ということで善玉扱い
田口は老けたように見える。かつらの白髪頭だからであろう
でんでんは今の姿が見慣れているので、若いのに驚く

3 11月21日 神隠しから戻った美女
大和屋彦右衛門/織本順吉
西国屋藤兵衛/青木義朗
おきぬ/風祭ゆき
お糸/浅野愛子
渋川半兵衛/原口剛
最後の殺陣に入るところがちょっとご都合主義
太和屋に公儀認可両替商の権利譲渡の署名をさせようとしていた西国屋なのに、自らそれが失敗になりそうなことをやって、そして結局署名をもらえないまま殺しにかかる(この後金さん登場)
太和屋の娘お糸は五年前神隠しになったが、突然西国屋が旅先で見つけたと戻る。このお糸は替え玉で旅芸人おくめ、太和屋を助けるためと説得されてきたものの、西国屋の悪事に気付き、その秘密を金さんに喋る。それを見ていた用心棒渋川はおくめを引っ張ってきて西国屋と相談、もう用済みだと殺そうとするも、まだ使えるという西国屋。それが上記の署名を強要する際の武器ということなのだが、お糸を殺すぞと脅すだけでいいのに、もうお糸をやるのを止めようとしているおくめを太和屋の前に出して、この娘を殺すぞとやるのだ。しかもそこへ太和屋の後妻であるおきぬ、これは西国屋と深い仲で太和屋乗っ取りのため送り込まれている、も登場し、なぜここへといぶかる太和屋に、無理やり連れてこられたの、お糸を助けてあげてと一芝居。不自然である、悪役勢揃いさせるための演出。で、おくめは真相を叫び、混乱に陥り金さん登場
白洲で、お糸を騙りおくめこそが太和屋乗っ取りを企んだ張本人呼ばわりされるが、太和屋がこれは本当のお糸ですと証言、裁きへと展開する。最後に遠山に親娘になり親孝行しろと諭される
福本清三ノンクレジット殺陣~白洲。殺陣の前にも、番頭巳之吉(西国屋の手先の太和屋番頭、偽お糸と夫婦になり店を乗っ取る計画)が殺される場面で用心棒渋川半兵衛の隣に登場している場面もあった
今回は今シリーズからレギュラーになったお初:松本友里が活躍。女メインキャラの店の女中というキャラで、このポジションはこれまでのシリーズであまり活躍はなかったのだが。
ちなみに瓢箪には板前もいて、清次:須賀章

4 11月28日 占いを信じた女
鶴屋徳兵衛/近藤洋介
お園/日下由美
矢吉/西山浩司
才造/成瀬正孝
万平/森章二
近藤平八郎/黒部進
医師/山村弘三
沢庵が活躍する回。二年前沢庵に占ってもらい夫婦になったお園がまた占ってもらいたいとやってきた。亭主の矢吉がいなくなったので行方を占ってもらいたいと。
その矢吉は二年前に盗賊を抜けたのだが、再度やるよう強要され拉致されていたのだった。
沢庵が決死の覚悟で盗賊仲間のふりをして潜入。が正体がバレて瀕死となるのだが、沢庵のこの回の出番はそこまで。こういう回はエピローグ場面があって、治療中だとか、の場面を入れるといいのだけど、このシリーズでは一貫して「一件落着」で終わってる。初期にちょっとだけエピローグがあった回があったと思うが。
最終的に盗賊が押し込む先を掴んで、盗賊が押し込む、矢吉は鍵に細工をしていて、開かないようになっていた、そこへ金さんがやってきて、となるのだが。まあ正直言って盗賊の押し込みがわかってるなら、そこへ捕り方派遣じゃね、という疑問。まあ他の回もそうなのかもしれないが、そういう疑問はこれまであまり湧かなかった。今回の場合は強くそれを感じる
お園は裁きの後に白洲に呼び込まれるので遠山桜を見てないが遠山奉行を金さんと呼んでいる。まあ外で聞いていた、もしくはついている役人に事情を聞いているという風に考えればいいか
まだここまで見てというだけだが、キャストクレジットではすべてに役名がついている
山村弘三と言う人は時代劇でよく見る顔で、おじさんからおじいさんくらいの年齢というイメージだが、この大分時代が下っての作品にも出てくることに驚いた。ほんのちょっとだけの出演で、前までのシリーズだったら役名なしになりそうである

5 12月12日 二度誘拐された女
伏見屋/品川隆二
お浜/本阿弥周子
お七/中野みゆき
若松屋/長谷川明男
この回から月曜日も放送となり、この回は予約できていなくて録画できなかった
キャストを見ると魅力的な回だ

6 12月19日 大奥騒乱! 千両箱の罠
お甲/赤座美代子
重ノ井/沢たまき
八州屋伝蔵/青山良彦
陣場弥十郎/田中浩
多十/高品剛
政吉/幸田宗丸
赤座美代子ってのは魅力的な顔の女優。男好きのするような甘ったれたような目つきが特徴。生活の荒れた女郎の役なんかがはまり役。まあここではそういう色っぽい役ではなく、武家の出だが土木請負業の後妻、殺された亭主の敵討ちを誓う意志の強い女という役で、でもミスキャストという感じではない。
堀田摂津守/若林豪が登場、第5話は見てないからわからないが、今シリーズ初登場(おれが見た中で)。今シリーズの実質第1話であるスペシャル版には出ているようである
大奥の筆頭年寄重ノ井と土木の肝煎り元締八州屋による工事代金中抜き案件

*0227
7 1992年
1月9日 狙われた生き証人
忠助/坂上二郎
安藤帯刀/亀石征一郎
お縫/山本ゆか里
木村平蔵/江幡高志
橘屋彦兵衛/伊吹聡太朗
大高竜之進/石倉英彦
京極備前守/西山辰夫
伊助/岡田洪志
お美代/小野恵未
口入れ屋梅屋であ氏以下従業員が皆殺し。しかし犯人はすぐ捕まる。梅谷と同じ口入れ屋の橘屋の若旦那伊助である。
とここまではあっという間、ここで終わるわけはなく、と、ここで俺は予想した。この殺しを見ていた二八そばの忠助の証言で伊助が犯人とされたのだが、忠助がなんらかの理由、伊助や橘屋に恨みを持っているとか、で嘘をついているのではないかと予想したのだ。この予想は大外れ
実際に犯人は伊助、そしてもう一人浪人の大高竜之進。背後には橘屋と作治奉行安藤による人足賃金の中抜き山分け。
では、話はどう展開するのか、といえば、忠助は裏にいる安藤の名前を聞くと急に証言を止めると言い出す。忠助と女房お縫はかつて安藤家に足軽、女中として仕えており、そして安藤の粗暴な振る舞いに忠助は怒り、お縫を襲うに当たって身を挺してお縫を助け、屋敷を逃げ出していたのだった。
石倉英彦、顔はわからないがよくクレジットで見る人、ここではよく顔が確認できる
伊吹聡太朗、二回目の登場、ずいぶん老けた役で、面影はあるものの、かつてあった不気味さは薄れている
江幡高志、安藤の配下、侍役。これはとても珍しいというわけでもないが、多くは町人、やくざあたりの役が多い
坂上二郎、終盤、安藤の屋敷へ行き、対決するところで、安藤が人を軽視してきたことに対して「お殿様(安藤)も足軽も女中も同じ人同じ「人」でございます、人ならば人としての道があるはずです、悪いのは身分を笠に着たお殿様でございます」、「おのれ下郎の分際で一人前の口を利きおって」、「殿様と同じ人にございます」と叫んで主張する場面はやけに堂々としている

8 1月16日 素浪人 最後の勝負
花山大四郎/梅宮辰夫
お菊/北原佐和子
内藤頼母/西田健
肥前屋嘉兵衛/遠藤太津朗
鮫洲の政吉/長谷川弘
亀五郎/有川正治
福江藩家老/丘路千
源次/笹木俊志
新二郎/長尾豪二郎
長吉/新島愛一郎
篠原数馬/峰蘭太郎
旦那/田井克幸
巫女/藤間勘千代次
巫女/二宮幸子
巫女/西山梨絵
おみよ/神原千恵
松方の盟友梅宮がメインゲスト
花山大四郎は浪人、かつて親友の勘定方篠原がアヘン抜け荷の嫌疑で切腹。花山は再吟味を願うも断られ浪人に。そしてもう一人内藤頼母も含め三人が親友だった。
篠原の妹がお菊、弟が数馬
数馬はいまやくざの鮫洲の政吉の元におり、花山は止めさせようと説得している。
江戸ではまたもアヘン絡みと思われる殺しの事件。そこには肥前屋と鮫洲の政吉が関わっており、さらに内藤も。
そして過去の篠原の事件もこの三者によるものだった。
数馬が人質に取られ花山が金さんを斬りに行くも、「やっぱりできんと呟き立ち去り、悪の元へ駆けつけ、なんとか数馬を逃がすも自分は腹を撃たれ亡くなる。ここで絶命する場面はなく、よろよろと腹を抑えながら立ち去っているので生きていて、最後登場するのかなと思いきや、もう出てこないで、遠山のセリフで亡くなっていたことがわかる
福本清三ノンクレジット殺陣

9 1月23日 悪事を働く形見の十手
お冬/東啓子
柏原伊勢守/川合伸旺
木枯らしの権三/斉藤洋介
鏑木右京/坂田金太郎
新蔵/山田良樹
越中屋/蓑和田良太
権三の手下/木谷邦臣
権三の手下/福本清三
権三の手下/奔田綾
権三の手下/滝野貴之
金さんが軒を借りて雨宿りをしていると傘を貸してくれた女お冬。この女が今回の事件に関わってるかもしれないとなったとき、金さんはそんなことあるはないという。が、それは見込み違いで間違いなく事件の悪役側と関係があることがわかり、それでもそんなことはないと言い張る。まあこの時点で、そうであっても何か止むにやまれぬ事情があってのことだろうと多少ニュアンスは変わっているが。
で、その後彼女がその関わりについて明かしていくことになる。最終的に遠山は彼女に、もうすでに罰を受けているのだから、これ以上罰を与えないとしている。
ただ考えてみると、描かれてる中では悪事はしていない。十手を騙されて権三に取られそれが事件に使われた、とか、お竜が権三をつけているとき、その邪魔をする、とか、権三に命じられ金さんを殺そうとする、とかだ。金さん殺害未遂については眠り薬を入れた酒を呑ませ、眠り込んだ金さんを刺そうとするもできない、と。そこで金さんはそれでいいんだよ、と返す。その眠り薬入りの酒は飲んでおらず、だが眠ったふりをしてされるがままにしていた金さん。
福本清三、金さんを狙う殺し屋、やけに格好良く演出されていて、刃物を準備する場面とかいちいちカットが格好良い。
さて、それに絡んでだが。金さんたち、客のいる瓢箪で捜査会議をベラベラ喋り過ぎ。ここで福本清三に狙われている(まあ失敗するのだけど)。まあそれはこの回だけでないだろうけど。そういや大岡越前もそうだったな。
話は逸れるが、時代劇一般において密談の盗み聞きという場面が非常に多い。もうそうやってでしか話が進行できない感じで、それが多用されてるとちょっと萎える
川合伸旺、元浦賀奉行という役で、白洲の場面では縁側、遠山桜に立ち向かうといういつものパターン、遠山に投げられ宙返りで白洲に落ちる。なかなか凄いアクションでこのことはすでにこれまでのシリーズのところに記述しているが、よく考えたら吹替なのだろうな、と思いつく。で、今回そういう場面があったので興味深く見ていたが、投げられた後顔が映ってる、しかしちょっと遠目で違う顔かどうかはわからない。まあこれくらいのことはやれるのか、いやかなり派手で危険なアクションなので、吹替なのか。
十手が悪用される事件、こういうことのないように厳重に管理されてる旨のセリフがあるが、割と簡単に作れそうではある。
斉藤洋介、盗賊の首領。若くギラギラしていて魅力的

*0228
10 1月30日 美しい女医と記憶喪失の男
杉田悠/剣幸
東山国治/垂水悟郎
お連/鈴鹿景子
正吉/永井秀和
橘祥之助/中田博久
宗助/奈辺悟
殺しの現場を見かけた金さん、傷を負った被害者を医者の元へと葉隠らと運ぶ。運んだ先の医師は杉田悠という女医師であった。
被害者の男は記憶を失っていた。そしてその男を狙ったと思われる殺人がその医院で起きた
また同時期に、贋作を掴まされた商人が殺され、またその商人に贋作であると鑑定した奥絵師までが殺された。遠山はその被害者の男の指に絵の具がついていたことから、この一連の事件が繋がっていると考えた。
鈴鹿景子は悪役側、被害者の男正吉の借金を払ってやり、贋作作りに引きずり込んだ女盗賊の役。必殺で見たときは見事でメインゲストだったのだろうと思うが、ここでは三番手、役は悪役だし、その美しさを強調するようなカメラ絵図でもなく、ちょっと落ちぶれた感じがある
そういやお連は医院に忍んで殺しをやっており、また他の殺しでは二人がかりで三味線屋勇次のような人を吊るす殺しをやっている(お連は首に縄をかける役目)
細かいことだが。
白洲前の殺陣の最後、北町奉行所捕り方が駆け付けるタイミングで金さんは立ち去るが、そこに善玉がいたら、一緒に逃げる。もしいても、その立ち去る金さんを映すカメラに入ってなければ無視、というのが通常パターンだが、今回は、正吉に寄りそう悠に頼んだぜと声をかけ一人で立ち去る
白洲の裁きを終え、悪人が引っ立てられた後、善玉に声をかける場面。善玉が感極まって礼を言うがその際、「金さん、いや、お奉行様」と最近の作ではやってるが、第1シリーズあたりでは「お奉行様、いや、金さん」というパターンが多かった。

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女
小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
亀吉/細川純一
源太/浜田隆広
男衆/川鶴晃裕
お竹/上田こずえ
瓦版屋/北村明男

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女 鈴木則文 上杉尚祺 小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
亀吉/細川純一
源太/浜田隆広
男衆/川鶴晃裕
お竹/上田こずえ
瓦版屋/北村明男

11 2月6日 殺人者は振り袖の美女
小山田平左衛門/西川きよし
お仙/黒田福美
永代の喜代蔵/深江章喜
坂東紋次郎/荒木しげる
片岡菊弥/片桐光洋
留次郎/村田正雄
兼松/山内としお
甲州屋仁兵衛/西田良
まむしの権八/稲吉靖司
芝居小屋を巡る話。中村座の芝居のシーンから始まる。
座主は兼松なのだが病気療養中であり、また入り婿でもある。実質仕切っているのはお仙
売れっ子役者は松島屋片岡菊弥、紀伊国屋坂東紋次郎のほうは菊弥に抜かれたという立場
観劇していた両替商甲州屋仁兵衛が殺され、続いて菊弥は奈落で首を吊る。
仁兵衛と一緒に感激していた友達の永代の喜代蔵は、甲州屋が中村座に貸していた借金の証文を受け継ぎ、中村座を譲れと迫る
実は喜代蔵、仁兵衛、兼松は上方からの流れ者。後者二人は盗賊で、そして喜代蔵は上方の同心、仁兵衛、兼松の盗んだ金の上前をはねていた。
今シリーズレギュラーの西川弘志の父西川きよしはクレジットではゲストトップだがメインゲスト的な役でなく特別出演的な役。大坂町奉行所同心の役で、喜代蔵の首実検をしてもらうため遠山が呼び寄せた。柊小十郎を褒めセリフで「さぞかしご立派な御父上がお育てになったんでしょう」とやっており、また別の場面では葉隠が「小さなことからコツコツと」というセリフを言っている(この場面には西川弘志も西川きよしもいない)
西田良、やくざの威勢のいい下っ端とかが似合う人だが、もうここではいい年齢で商家の旦那
山内としおは病床に臥せってる役(最終的には亡くなっている)で、声も出すのが苦しそうな声色でやっている
福本清三ノンクレジット白洲。殺陣にも顔はよく映らないが動きでそれっぽい人がおり、白洲で登場していたので、殺陣のほうも彼であろう

12 2月13日 仕組まれた逆玉の輿
お菊/水野真紀
湊屋八兵衛/井上昭文
鈴木主膳/北町嘉朗
山田信八郎/佐古雅誉
小柳十郎/浜伸詞
三枝数馬/浦野真彦
行商/中村錦司
廻船問屋湊屋と船手頭鈴木主膳による抜け荷、アヘン密売の悪行
この回で注目は葉隠に旗本二千石からの婿入りの申し込み。それが鈴木家からのもので娘はお菊。しかしお菊は最近になって養女になっておりまだ幕府に届け出されていない。しかも鈴木にはまだ若年ながらも嫡男がいる(この息子が成人するまで葉隠が当主となるという条件を葉隠に話している)。
そのお菊の身の上は、借金のため女郎に売られそうになったところを湊屋が金で身請け、女中として湊屋の悪事の下働きというもの。
この葉隠の婿入りは、ダミーで単に奉行所の動向を探るためのものだった
キャストクレジットは最初にあるから名前は見ていたのだけど、見終えてこれを書く段になって気付いた。そうか、水野真紀だったか。登場の際、なんだか珍妙な顔つき(悪事加担、葉隠を騙すということに対する不安)で登場していたので、この回のヒロインとは思わなかった。その後存在感を増して、最終的には白洲で善玉側に座っていたので、まあそういう役なのだなとは思ったけど。
珍妙な顔つきというのは、確かにそういう風に見えたのもあるし、おれは葉隠の婿入りということで、葉隠が妙にウキウキしているので、顔合わせで器量の悪い女が出てくるというオチかと思っていたということもある
中村錦司、冒頭町中で暴れている男(三枝数馬という浪人でアヘン中毒者、事件の発端となる)と格闘している葉隠ら。それに加勢して笠が飛んでくるのだが、それを投げたのが金さん、その笠は中村錦司からとっさに借りたものであり、そこで金さんと会話を交わすというだけの登場、それでも役名がついており、ここまでのところ全キャストに役名がついているという状態がまだ続いている。多分そういう方針なのだろう

*0229
13 2月20日 貞女が毒婦になるとき
お藤/二宮さよ子
沼崎庄三郎/河原崎次郎
梵天辰五郎/市川好郎
片桐求馬/本郷直樹
渡海屋重兵衛/江見俊太郎
おえん/久仁亮子
お役者松之丞/井上高志
アヘン、抜け荷とマンネリ気味か
北の隠密同心片桐が殺される。周囲から反対ばかりであったが、片桐の熱意に、吉川が仲人になり娼婦上がりのお藤と夫婦になり半年だった。
涙にくれるお藤だったが、彼女は梵天から送り込まれた密偵だとの嫌疑が持ち上がる。はたして・・・。と思っていると、お藤は元いた店である梵天で娼婦に戻っていた。
という風にお藤の真意は、というところで話が進行していく。二宮さよ子が話を引っ張るのだから面白く見れる。
沼崎は南町隠密同心で片桐とは同じ職ということで協力し合っていた関係性という触れ込みで登場するが、実は梵天と繋がっていたという展開
二宮さよ子、ゲストトップ。必殺で活躍してた人だ。鈴鹿景子がゲストトップでなかったのと比べると、こちらは頑張っている

14 2月27日 お目付け桜に惚れたひと
お加代/お篠/木村理恵
大城屋与兵衛/伊吹剛
伍助/工藤堅太郎
結城源右衛門/外山高士
若狭屋伊左衛門/小島三児
陣場一之進/五味龍太郎(役名なしクレジット)
ブッチー武者(役名なしクレジット)
この回は役名なしクレジットあり
この回から楠菊太郎:内海光司復活で、それに伴い柊小十郎:西川弘志が降板。特別な演出はなくどちらに関しても何かしらの説明はない
札差大城屋が舞台。悪事は旗本結城が旗本や御家人で金繰りが苦しく、また高価な骨董品を持つ家を教えてやり、そこへ大城屋が金を貸して、返せなくなったら、その品を奪い、骨董商若狭屋がそれを売ってのぼろもうけ。
お加代は矢場の女で金さんに惚れている。
大城屋のお篠が自害に見せかけ殺された。与兵衛は入り婿。そしてお加代はお篠の双子の妹、生まれたときに不吉だと捨てられていたのだった。出生の秘密を知る産婆も殺され、お加代にも危険が迫る
ブッチー武者はキャストクレジットには役名なしであったが、ウィキにこの回のキャストとして掲載されていない。役名なしの上、顔もよく知らないから見つけるのは大変かなと思ったが、ブッチー武者を検索して出てきた画像を見たらすぐわかった。権次という殺しを陣場一之進とともに請け負った男だ。
福本清三ノンクレジット。殺陣にいたような気がする
工藤堅太郎、典型的江戸っ子みたいな役が似合う人であるがここでは年を重ねてお店に忠誠を捧げる番頭の役、渋い

*0301
15 3月5日 覗かれた砂絵の女 本田英郎 斎藤光正
おもん/加賀まりこ
水野頼正/玉川伊佐男
大滝軍兵衛/内田勝正
鱶七/曽根晴美
庄太/草野康太
加賀まりこ48歳。16歳の弟がいる役。回想場面では弟が10歳で家を出たという場面もある
何歳の役なんだろう、なんで年の離れ弟がいるのだろう、説明はなかったような。仮に36歳の役だとしてそれはわかるが、回想場面で若作りもせず、いや若作りしてるからこその違和感。30歳には見えない・たまにありますな、老齢の俳優がそれよりはちょっと若い役をやり、回想場面ではさらに若い年齢設定を演じるということが。加賀まりこ、若いころはそれなりの、というか相当極上の女優だったと思うが、ここではなんだかバラエティ慣れした人気おばさんタレントの演技という感じ
沢庵はおもんに惚れられるという展開で中盤まではフィーチャーされるも、やっぱり最後は金さんの独擅場。
冒頭吉川が女湯に入っていたお竜を追って暖簾をめくる。超久々の裸の映像。なんらかの理由でもうそれは止めたのかと思っていたが。

16 3月12日 天誅暗殺団を狙う美人芸者
染太郎/神崎愛
加賀屋長兵衛/川合伸旺
堺弥一郎/鷲生功
丸橋半蔵/宮口二郎
伊豆屋嘉右ヱ門/穂高稔
馬島蘭堂/立川三貴
鳥居甲斐守/中条きよし
中条きよしの鳥居は今シリーズの実質第1話であるスペシャル版には出ているようであるが、おれが見るのは初。
天誅と告げて商人が若侍に殺され、同心に追われ追い詰められると自害するという事件が立て続けに起きる。ハシシュを使って若者を操っていたのだ。
加賀屋は日本橋商人連合の結成を画策。反対派を「闇の仕置人」馬島蘭堂を使って抹殺。蘭堂は鳥居と繋がっているがそれを加賀屋は知らない
ハシシュを使った若侍を使った殺しは蘭堂の手によるものである

*0304
17 4月9日 大金を猫ばばした母と娘
お富/朝丘雪路
不知火十左/原田清人
お夏/田中雅子
蓑助/頭師孝雄
吉次/伊藤高
花岡風月/早川雄三
牛吉/根岸一正
櫓下の権八/遠藤憲一
居酒屋をやっているお富には不仲の娘お夏がいた。お夏の幼馴染権八は大工の格好をしているが道具箱に金貨が詰まってるのを見て、それを襲い金を奪う。その大工は盗賊不知火十左配下の者だった。
金を追う盗賊たち、権八は殺されるが、金はお夏の手にあり、お夏は堀に隠した。
原田清人、先日水戸黄門で見た。この人はその頃の水戸黄門作品で決してメインではなく、メイン悪役の一の配下みたいな立ち位置ながら独特な顔つきが特徴。ここでは年齢を経て、面影は残ってるのだがその独特さは消えている

18 4月23日 奉行暗殺! 長崎の女
篠原梢/杉田かおる
和泉屋徳兵衛/睦五朗
十蔵/高品剛
早坂兵部/小沢象
善助/幸田宗丸
鳥居甲斐守/中条きよし
堀田摂津守/若林豪
梢の父は医療用に南蛮渡りの心の臓の薬を持ち込んだ、この薬は、強力な爆薬にも使えるものであった。そして、それはご禁制の品でもあり、結局抜け荷の嫌疑で鳥居による熾烈な拷問で父、及び家族を梢は失うことになり、鳥居へ復讐を狙う梢だったが、その梢の思いを利用し、鳥居と繋がりのある商家の成敗を名目に押し込み強奪を繰り返すのは、和泉屋と早坂、そして父の弟子であった善助もその仲間だった。

19 4月30日 穴蔵の謎 炎に消えた千両箱
太助/宮内洋
おあき/東千晃
赤猫の佐平/菅貫太郎
権造/黒部進
美濃屋/入江慎也
与五郎/勝村淳
伊吉/青井敏之
大きな商家が火事になるも、穴蔵に財産を投げ入れて無事。かと思いきや、火事が納まり穴蔵へ降りてみると、投げ入れたものはスッカラカラン。横穴の細工がしてあった。
この穴蔵を作った職人が殺され、盗賊から次に頼まれた穴蔵職人は太助であった。
太助は女房おあき、息子伊吉の三人暮らし
太助には息子に言えない過去があった。太助は本当は太吉といい、大坂で盗賊の一味、その頭の女がおあきだったが、おあきを助けるため頭を殺して逃げいてたのだった。そして伊吉の実の父親がその頭だったのだ。
その太助による頭殺しの一部始終を見ていたのはその組織のナンバー2であった佐平だった
盗賊の頭は菅貫太郎でこの回の悪役のトップ。
太助と伊吉は仲の良い親子だが、太助に穴蔵作りをやらせるための人質として伊吉がさらわれ、その伊吉に佐平は太助の秘密を喋り、伊吉をおれの後釜にすると言われ、構成員からは「若」などと呼ばれ、いい気になるという場面があり、ここは斬新、この後どうなるのかなと思った。まあその後の展開はそこに時間もさほどかけられず、また善玉へ回帰していく、人質に取られた母親おあきを助け、でも太助は許せず、みたいな態度から、白洲の場面で遠山に促され、和解している

20 5月7日 妻を売った武士
桐生一郎太/沖田浩之
江戸屋作蔵/遠藤太津朗
河合主膳/和崎俊哉
百合/永光基乃
おつや/武田京子
虎次/伊吹聡太朗
ちょっと不思議なテイストの作品
そのキャラからして善玉であろう一郎太が、だが一方で悪役と繋がっており、しかも相当な悪事をしでかしているようで、その結末をどうつけるかという意味で興味を引っ張る展開
一郎太の妻百合が数名の男に連れられ川で溺死させられそうになっているのを金さんが助ける。
一朗太は浪人で仕官を求めており、江戸屋と結び、江戸屋の娘おつやと夫婦になることを条件に仕官の口を得ようとしており、そのため百合をいずれなんとかしなくてはならないという状況。川での溺死の件は一郎太自身は知らなかったものの、江戸屋の策略ということに薄々気付いていたのだった。
また江戸屋の商売敵の殺しも行っていた
百合の腹に子供ができ、江戸屋の話を断ることにして、夫婦で江戸屋へ赴き、悪役との対峙、金さん登場の殺陣となる。この場面で一郎太は殺されてしまい、さらに百合が狙われたとき、そこで金さん登場となる。駆け付けたという感じでもなく、だったらもっと早く出てやれよと思う。
まあこの作品は一郎太がそういう人物なので死んでくれたほうが好都合ということで、こういう展開になっているのであるが、深読みというか屁理屈をいえば金さんは一郎太が殺されることを期待して、その場面を見ながら待っていたとも考えられる

*0305
21 5月21日 地獄から帰ってきた女
お時/芦川よしみ
虎三/近藤洋介
巳之吉/中田博久
一蔵/うえだ峻
辰之助/芹沢名人
大橋/原田功
盗賊風神の虎三一味は二年前まで江戸で凶悪な押し込みを繰り返していた。岡っ引きが殺され、その際に地面に書かれた文字から、虎三が戻ってきたと考えた金さんは捜査を始めるというような始まり方
その風神の虎三一味を捕えるというストーリーで、中田博久、うえだ峻、芹沢名人はその配下、白洲で前列に並んでいる。
沢庵がフィーチャー。六年前風魔の一族の残党として追われている身で、飾り職として江戸で暮らしていたとき、同じ長屋に住んでいたお時と恋仲になっていた。お時との別れの後、兄妹で義賊鼠小僧のような盗賊稼業を始めたと語られている
そのお時が風神の虎三一味であり、虎三の女になっていた
お時を助けようとする沢庵という展開。お時はまったく過去の優しかったお時とは変わっており、一貫して悪役風。沢庵が助けようとしているのだから善玉リターンするのだろうが、どうそこを演出するかが興味
終盤がいただけない。なんだか手抜きのように感じられる演出がしばしば。
沢庵がお時に逃げようと促していると、虎三らがそこへ入ってきて・・・、とこれはありがちな展開、そしてそこそこ強いはずの沢庵がなすすべもなく一方的にやられてしまう。
金さん、殺陣に入るときのパターンは、くるみらしきものを投げて悪役の手を止めさせ登場というのが初期シリーズからのパターンであるが、今回はその沢庵がやられるのを見ながら、それを投げようかどうしようかという逡巡している手が映し出される。こんな演出は初めて。
で、そこでは投げず。外に出てきたお時(逃げようと言われてもまったく改心せず)を、これじゃあ沢庵がいずれ殺される、と説得。ここでも説得に応じず立ち去っているが、これが効いたのであろう、縛られてる沢庵をほどいてやり逃がそうとするお時というのが次の場面。そこでやっぱり、再度虎三らが入ってくる。うまく見つからないように逃げるという学習はしないのか、と思う。ここで金さん登場、桜吹雪の刺青披露、殺陣となる。
金さんによる説得というのもあっけないもので、淡泊。
もっと時間を取って描けばいいものになったのかもしれないが、ここら辺連続して雑な展開という感じに見える
白洲では、通常は善玉が金さんという人が全部見てました、などというのをきっかけに、悪役どもが、じゃあ金さんを呼べとなるが、この回ではなぜか悪役がそれを証言できるのは金さんなる遊び人だ、金さんをここへ呼べばすべては明らかになると言い出す。通常パターンと違うのを持ってくるのはいいが、ここは矛盾してないかな。悪役どもに対峙する形で金さんは登場して殺陣で叩きのめされてるのに、なぜ金さんの証言が必要などと悪役が言い出すんだ。
近藤洋介、4必殺でレギュラーをやっていた人だが、それ以外はあまり知らない。が、この松方版金さんでは、前のシリーズにも数回出ていて厚遇

22 5月28日 蒸発した六人の娘
おちよ/斉藤慶子(二役)
蓑吉/誠直也
瓦版屋/桂ざこば
水野越前守/御木本伸介
雲海/大場順
大野修蔵/田中浩
お甲/風間舞子
了善/坂田金太郎
賭場の隠居/福山升三
番頭/日高久
堀田摂津守/若林豪
堀田に恨みを持つ雲海、正体は若年寄堀田に切腹させられた安藤頼母の息子であった。家も断絶となり、その恨みを晴らすついでの金儲け。大店から娘をさらい、生き弁天と称し金を取って見世物に。
その娘をさらう役目を負っているのが大工蓑吉。家に細工をし、夜に忍んで娘をさらう。その娘を運ぶ際に、駕籠を仕立て、堀田所縁の者だ、と匂わせ、この娘誘拐に堀田が関係していると思わせるという手口
前回の沢庵の過去と対になるかのように、今回はお竜の過去。蓑吉と過去に相思相愛。そしてその蓑吉、岡場所の目の不自由な女郎おちよを身請けし、おちよをお竜と呼んで、目の治療に奔走、金のために悪事に手を染めていた
悪事に手を染めているが善玉という役が蓑吉。いや善玉といっていいのかどうか、悪役だけど彼を深く描くという形になっている。で、こういう人は20話もそうだったが、終盤で殺されてしまうという風に処理されている
そしておちよ。目が不自由というキャラで白洲に善玉として出る。これはどうやるのかと興味深く見ていたが、桜吹雪だけは見えるなどと言い出して、遠山桜披露で「金さん」と口にするという展開。まあ、これでもいいけどさ。ここはいつもとは異なるやり方で、遠山の声を聞いて、そこでもうピンときて、ハッとした表情なんていう方がよさそうである
斉藤慶子、前のシリーズまでの女密偵に比べ地味、パッとしない感じで、演技もさしてうまくもなく、と思っていたが、ここで目の不自由な薄幸の女をうまく演じている
が、おちよ、見直してみたら、中盤以降全然出てこないでいて、殺陣の場面のところで、なぜか悪人の巣窟の場所に連れ込まれており、なんでここにいるのか、という感じ。説明不足か。どこか見逃したかな。
福本清三ノンクレジット殺陣
瓦版屋/桂ざこば、水野越前守/御木本伸介の二人はクレジットでは上のほうだが、ざこばは時代劇にありがちな瓦版屋で一回だけの登場、こんな役どころにビッグネームとは珍しい、御木本のほうは二回登場、ストーリーに大きく関わるわけでなく、堀田を叱責するという役で、もうちょっと前の時代劇なら永野達雄なんかが幕閣の偉い人というワンシーンだけの登場という風にがやりそうである

*0306
23 6月4日 恐怖の稲妻! 消えた殺人者
おぎん/清川虹子
勇吉/石原良純
長崎屋儀兵衛/大出俊
お光/渡辺ちあき
聖天の松五郎/長谷川弘
弁天政/森章二
鎌イタチの辰/谷口孝史
堀田摂津守/若林豪
大雨、落雷の最中に起きた殺人。疑われたお光が本当にまむしの権次を殺したのか。
おぎんは茶釜作りの名匠利左エ門の当主。利左エ門家は堀田と関わりがあるが、息子である十一代目が堀田と些細な諍いを起こし自害してしまっていた。
孫のお光は勇吉と恋仲だがおぎんは下職人の勇吉を認めない
というこんな構図の中、おぎんのうちの家宝である茶釜を狙う悪役が長崎屋と松五郎。長崎屋は日本の書画骨董を海外に流し、アヘンを手に入れていた
白洲でのお約束のやり取り、善玉「そうだ金さんがいる、金さんがみんな知ってます」悪役「じゃあその金さんをここへ連れてこい」というのが今回はない。唐突に遠山が遠山桜披露前の啖呵を切る

24 6月11日 百両の夢! 殺しの美人くらべ
お美代/海野圭子
伊之助/西山浩司
尾張屋七兵衛/小林勝彦
嘉助/遠藤征慈
辰吉/岩尾正隆
早川小六/森幹太
大江戸美人比べなる美人コンテストが尾張屋の主催で行われる。
火盗の元同心、早川が殺される。その早川の懐には大江戸美人比べの瓦版があった。
伊之助はお美代をそれに出して優勝賞金を狙う。
お美代はみなしご。子供のころ商家である実家に盗賊が入り親や従業員が皆殺し。その盗賊の腕にあったやけど痕をお美代は覚えていた
そして早川もその盗賊を追跡していた
伊之助は小悪党、でも作品内で大した悪事はやっていない。早川の死骸から金を盗んだとか、お美代を利用しての金儲け(女郎に売るとかではない)とかその程度。ただ、葉隠に追われた際に、なぜ逃げたか問われ、これまでまともなことをしてこなかったんで、同心見たら逃げたくなるなどと答えていて、そういう意味での小悪党というキャラ。こういうキャラは最後に死ぬことはなく終わる
西山浩司、いい。人気タレントであるのを買われての出演だと思う、この頃の時代劇でゲストでよく見るが、それらはさして目を惹くものでもなかったし、これもそれと比較して大差あるわけでもないが、それでも軽やかに小悪党を演じていて小気味よい
小林勝彦もいい。初老、温厚な商家の旦那という感じがよく出ている(大盗賊の頭という過去を隠して生きているというのが正体だが)
森幹太、それなりの役をやっていた人だが、ここではあまり出番のない役、まあまあ重要な役ではあるが

25 6月18日 裏切りの矢! 八丈島から来た女
お島/東てる美
杉原武太夫/中田浩二
お十夜源兵衛/原口剛
新三/大木正司
くめ/三浦徳子
虎吉/福本清三
赦免になり八丈島から戻ったお島を吉川は出迎える。押し込み盗賊の一味で、捕まった仲間を特殊な矢で撃り殺す。お島は軽業小屋の芸人で、その矢はお島のものだったのだ。担当した北町与力杉原は執拗に責めたて島送りになったが、吉川はその吟味に疑念を持っていたのだった
その事件の真相とはなんだったのか、そしてお島は娘を人質に取られ、押し込みに加わるよう強要されてしまう。その一団はあの時お島を罠にかけた一団であり、軽業小屋の中まである新三、さらには奉行所をすでに辞している杉原も仲間であった

26 7月2日 ニセ鼠小僧が覗いた完全犯罪
寅吉/新田純一
お小夜/吉野真弓
赤江図書頭/久富惟晴
木曽屋重左衛門/浜田晃
紀州屋総兵衛/外山高士
呑龍斎天山/旭堂小南陵
暗闇の弥藤次/佐藤京一
宇津木内膳/中村孝雄
堀田摂津守/若林豪
冒頭はなにやら古い映画のような映像とナレーション、「必殺剣劇人」のオープニングのような、といったらわかりいいだろうか。
で、しばらくして映像が終わると、そのナレーションだと思われたのは講釈。それをお竜らが見ているという場面である。語られてるのは鼠小僧。この講釈を聞いていた寅吉は鼠小僧に憧れ、そして実際にやってみて、事件に巻き込まれるという展開
寅吉とお小夜は一緒に講釈を聞いていて、お竜の連れていたお初と遭遇、彼ら三人は幼馴染だったのだ。
普請奉行赤江図書頭への賄賂でのしあがる材木問屋木曽屋、それを止めようとするのは以前は公儀御用達であった紀州屋という構図。
福本清三ノンクレジット、途中で悪役の一味の中に顔が見える