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水戸黄門 第7部☆ [時代劇]

オリジナル
1976年5月24日から1977年1月10日までTBSで放送されたナショナル劇場のドラマ。全34話
02/26(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
[新]水戸黄門 第7部<デジタルリマスター版>「水戸から消えた黄門さま」水戸・白河

第6部最終回より引き続きの視聴
第1話 1976年5月24日 水戸から消えた黄門さま
白坂屋藤五郎:沢村宗之助
六兵衛:田口計
お春:村地弘美(レギュラー、第1話~第10話、第34話)
お島:新井麗子
金八:西沢利明
医者:市川男女之助
お秋:松原智恵子(準レギュラー第1話、第34話)(トメ)
矢吹伝八郎:南原宏治(トメ)
山野辺兵庫:大友柳太朗(第1話、第34話)(トメ)
お秋とお春は姉妹。二人の話を聞き、光圀一行は病気のお秋は水戸で面倒見るよう手配し、お春を連れての旅路という展開
まず冒頭で、西国筋の漫遊を終えて水戸に帰った老公云々とあり、前シリーズを意識したものになっている
西山荘からこっそり出ていくところはかなりあっさりしたもので、八兵衛のミスで松の木から落ちた光圀は温泉への治療を勧められ、そこへやってきた弥七夫婦とともに出かけてしまう。それを追う助さん格さん八兵衛。で、その湯治場で事件という展開。
連れて行くお春は廻船問屋の娘であり、いつもは大名の娘を連れて、藩の一大事を解決するための旅というのとは違って、なんだかしょうもない理由のように見える
また松原智恵子のほうが格上なので、ラストでお春を連れて行くとなったときは、お秋が病気というのはわかっていながら、意外感があった
田口計、出番が少ないというわけでもないのだけど、存在感が薄い。今回の舞台でもあり悪役となる白坂屋(沢村宗之助)の番頭という役。悪役はもうひとり郡奉行の矢吹
今回は初回だから、悪人成敗というストーリーだけでなく、水戸を出るだとか、新たな旅立ちだとかの説明も必要で、それゆえ悪事のストーリーは薄いのかもしれない
西沢利明もあまり存在感なかったな。これを書く段になって気付いた。悪役側にいたみたいだ。こちらは顔がまだ若くそれで気付かなかったのかもしれない
中山の代わりということであろう、山野辺兵庫が登場。だんだん亡くなった中山備前に似てきおったぞと光圀に言われている

*同日
第2話 5月31日 姫君はにせ者
河村外記:堀雄二
鬼塚大八:深江章喜
溝呂木兵部:外山高士
田代三郎太:内田勝正
津上源八郎:原田清人
飯屋の亭主:海老江寛
綾姫:仁科明子(トメ)
大久保大三郎:志垣太郎(トメ)
尾上:上月晃(トメ)
藩の後継争い。綾姫に婿を取らせるか、まだ幼い息子にするか。悪役は幼い息子を立てて藩政を牛耳ろうとする溝呂木
お春が誘拐。溝呂木派が襲ってくるのを恐れ外出先から城へ戻す手段として町娘を影武者に仕立てるという作戦にお春が巻き込まれたのである。
福本清三ノンクレジット、綾姫の護衛である津上源八郎(原田清人)が殺される場面にいた
原田清人という人は、このメモブログを検索するとそれなりに出てくるが、水戸黄門によく出るというイメージ
志垣太郎の出番は短い、終盤に少しだけ。綾姫の婿になるという役

第3話 6月7日 人情喧嘩まんじゅう
おもん:岡江久美子
元祖「永楽堂」七兵衛:辰巳柳太郎
三沢初子:香川桂子
今村善太夫:青木義朗
伊達兵部:郡司良
おまき:初瀬乙羽
伊達安芸:宮本曠二朗
原田甲斐:吉田柳児
脇田段四郎:伊吹聡太朗
本家「永楽堂」甘斎:島田正吾(トメ)
またもや藩の後継争い。「伊達騒動」という史実を取り入れた作品
そしてしばしばこういう作品はあるのであるがサブタイトルにあるのは、本家と元祖の「永楽堂」という饅頭屋のいがみあい。その両家の息子と娘が恋仲で、とここらもありがち。本家の娘が岡江久美子のおもん、元祖の息子が七之助
この場内と城下での二組の喧嘩が絡み合っていく
伊吹聡太朗が珍しく普通の、身なりの整った侍姿。いつもどおり悪役側だけど
これを書いてるとき、辰巳柳太郎って大友柳太郎の師匠とかいう人だったよなあ、と調べてみると、島田正吾とともに二大看板で新国劇を盛り立てた人だそう。普段キャストクレジットの最後に「協力:俳優座」とあるが、この回はそれに付け加えて、「協力:俳優座、新国劇」とある

*0301
第4話 6月14日 御用船大爆破!!
小沼将監:日下武史
時雨の音蔵:田中明夫
雷お仙:弓恵子
川辺金八:山本清
安吉:黒部進
鎌田権太夫:志摩靖彦
熊三:小田部通麿
お新が男から何かを渡される。その男はお新を仲間の雷お仙と勘違いしたのだった。という形で事件に巻き込まれていく光圀一行。
見終えてみるとこの回には善玉がおらず、光圀を狙う悪役という構図、しかも光圀一行をそれと知って狙っているわけでなく、最初の間違いから、悪事を知られてしまいやむなくという展開である。
ストーリー的な面白さは、この悪役連中はみな一体かと思いきや、裏切り者が最後現れるという箇所か。
悪役は盗賊時雨の音蔵一味で、雷お仙や安吉らがおり、また船手番所の役人小沼将監と手を握っている。その小沼将監とお仙が密かに握り、他の奴らを船の爆破で皆殺しにしようとする計画が終盤に実行されるが、弥七らの働きで、船の爆発は起きるも、人の命はなんとか助かり、悪人どもはみなお縄

*0425
ずいぶん日が経過してしまった
この旅の経緯を全然覚えておらず、第1話をざっと見て振り返りをしたがなかなか思い出せず時間をかなりかけてしまった
第5話 6月21日 何の因果で若旦那 花巻 松尾正武
新助:川地民夫
おはつ:三木聖子
おはつの母親:露原千草
お峰:石井富子
唐木十太夫:中山昭二
千太:江幡高志
丹波五郎治:北村英三
万吉:三角八郎
与兵衛:西山嘉孝
花乃屋善左衛門:永野達雄
ここから役名なしクレジット
おまつ:武田てい子
盗人:西田良
女中B:宮前ゆかり
牢番:井上茂
佐平次の子分:鳥巣哲生
この回からウィキから「地名 原案 脚本 監督 ゲスト 備考 」全コピペしたうえで、端役は削除していくことにする
悪役の出てこない珍しい回、かと思ったら終盤で新助が盗賊の配下だと知れるという展開
江幡高志、三角八郎、西山嘉孝、永野達雄あたりは悪役をやりそうであるが、前者二人は小悪党、後者二人は後述する花乃屋の番頭と主で、最後光圀の前に引き出されているが大した悪をやっていない。おはつをいじめていたという程度だ。西山嘉孝、永野達雄の二人で同じ店の上下関係があるという役柄はちょっと珍しいような気がする
ちょっと小休止の回ともいえそうで緩い話
祭りを見る一行だが八兵衛は腹がすいたと抜け出す。ここで男たちに襲われてる女を助ける八兵衛という珍しい構図がある
で、その後二人の小悪党コンビの登場、千太万吉、演じるのは江幡高志と三角八郎。これが早口江戸っ子の名演、見ていて楽しい。八兵衛を昔世話になった江戸の若旦那だといい、おごらせてくださいと、宿へ連れ込み大宴会、翌朝二日酔いの八兵衛を尻目に早々と逃げ出す
この花乃屋の女中おはつが最初に八兵衛が助けた女。この女は花乃屋でひどい扱いを受けている
その花乃屋に賊が入り、店やそこに泊まっていた客の新助が金を奪わせ、おはつが引き込みをしたと疑われる。新助は後でわかるのだがこの店を狙う盗賊、ということでここに宿泊、金を持ってることを見せつけると、宿の者は八兵衛のこともあり、こっちこそ本当の若旦那と勘違い、女中らは新助と比較して八兵衛をバカにする
この賊、新助が番頭格、を光圀一行、というか弥七がとらえられたのはなぜかが経緯が描かれていないというのは難点
三木聖子、かわいい
宮前ゆかり、水戸黄門でよく見る顔のような気がする。特徴あるのだが端役ばっかり

*
第6話 6月28日 武士道無明 盛岡 稲垣俊 内出好吉
厨川たまき:榊原るみ
北沢兵馬:森次晃嗣
厨川忠兵衛:佐々木孝丸
多田孫六:藤岡重慶
沼森一之介:岡崎二朗
御堂典膳:川合伸旺
沼森市太夫:永井秀明
片瀬玄磧:中村錦司
沼森の家臣:唐沢民賢(役名なしクレジット)
繋十郎:西郷輝彦(トメ)
前回もそうだったが知った名前がたくさん出ていて豪華だ
西郷輝彦はこの枠江戸を斬るで主役を張ったという特別なキャストであり、善玉も善玉という役しかこういう人はやらない。厨川道場の師範、目を病んでいていずれ失明すると医師玄磧に言われているという役。厨川道場は藩の指南役
その厨川道場の娘がたまきで、恋仲で道場を継ぐことになっているのが兵馬だが、この兵馬はちょっと頼りなげ
以上善玉、一方悪役は厨川道場と敵対、指南役を狙っている御堂典膳でこちらも道場を開いている。その弟子に家老の息子一之介がおり、家老沼森市太夫は指南役の選ぶ立場にいる。孫六はかつて典膳と悪さをしており、いまは典膳の片腕であり寄生虫であり、という存在
冒頭で繋十郎とたまきが逢引していると遠目に八兵衛が見つけ、そこでカメラがズームアップ、二人は口喧嘩をして別れる。それを見て八兵衛、喧嘩別れだ、と。よくその二人が喧嘩していることがわかるなあ、というような距離である

*
第7話 7月5日 帰って来た南部駒 八戸 田上雄
お妙:浅野真弓
赤岩十蔵:待田京介
大沼主膳:滝田裕介
吉兵衛:織本順吉
三吉:大沢綜一郎(子役)
赤岩陣内:中田博久
おりう:杉本真智子
六助:日高久(役名なしクレジット)
昔から伝統的に馬を育てる馬喰(ネットで調べてみると馬を売買する人という意味のようだが、ここでは馬を育てる人たちのようだ)と土地を奪いにくる郷士。後者には悪代官がついているという構図
格さんがお妙という馬喰吉兵衛の娘に惚れられる一コマがある
今回は藩からの送金を受け取りに一行と別行動するのが助さん格さん、だが行き当たった吉兵衛の家で郷士赤岩が襲ってくるのを困っているのを見て、格さんだけが残る(助さんは金を届けに急ぐ)という形になっている
土地を守るもの土地を取ろうとするものの対決、そして荒涼とした風景(作物を作るのには適していないが伝統的に名馬の産地とされている)が多少西部劇風
印籠披露の形がほぼ完成形助さん、格さん、もうよかろうというセリフもある(初めてではないかもしれないが、今のところ頻繁に出ているわけでもない)。助さん格さんの役割分担も完成形、ただ印籠を光圀から受け取ってるが、おれが記憶によくあるのは、自分のふところから出すという形だ
乞食という言葉、土地を捨てようとする皆者らに吉兵衛が声をかける。早口で聞き取りにくく、カットされずに済んだのかもしれない

*
第8話 7月12日 ちゃんの土俵入り 青森 加藤泰 山内鉄也
三吉:伊藤洋一
鶴亀屋音右衛門:富田仲次郎
中井景太夫:穂高稔
利平(帆立山):武藤章生
馬吉:北町嘉朗
ウツボの源太:市村昌治
町役人:西山辰夫
ここから役名なしクレジット
相撲取り:元・逆鉾
相撲取り:元・土師
相撲取り:元・修羅王
ここまで
呼び屋長十郎:藤村有弘(トメ)
おすみ:林美智子(トメ)
ちょっと出来が悪いかなと思う
一行の男みんなで入浴中、弥七が相撲取りと間違われて声をかけられるとそれに悪乗りした光圀は元相撲取りだと答え帆立山というしこ名を思いつきで発してしまうところから興行に参加させられてしまうという騒動
帆立山は嘘だと一行のみなが知ってるのに、帆立山は七年前にこの地に来ていた、ここで女を作って、帆立山との間に子までできていると騒動が広がった際、なぜか一行は弥七を疑ってる、とくにお新が。なんでだよ、と思う
とにかくその女、おすみに会うことになり、そこで夜になっても帰ってこなくて、それを心配するお新というのはまあ変ではないだろう
そして本当の帆立山も登場しての騒動となっていく。本当の帆立山は相撲で大成せずに今はいかさま師でやくざから追われる身、出てきた言葉が昔の女がこの地にいる、そいつに金を作らせる、ということで会いにやってきて弥七と鉢合わせになる
子役伊藤洋一、よく見る顔
相撲の話だけに元相撲取りが出ていてキャストクレジットでは「元」という字が目を惹く(クレジットは縦書き、「元「は名前の右上につく」
相撲取りに化けた弥七が「ごんす」という語尾の言葉を使っている。これ、ちょうど前回放送の笑点にて相撲取りになって一言みたいな問題が出ており、皆が使っていた。そしてそういう中、確かたい平だったと思うが、相撲取りだけどごんすなんて言葉使ってないでごんす、というような答えをしていたのを思い出した

*0426
第9話 7月19日 群狼の罠 松前 葉村彰子
第10話 7月26日 吼えろ!! 北海の火縄銃 函館
おせい:伊藤るり子(前編・後編)
北海屋弥兵衛:内田朝雄(前編・後編)
岩城将監:須賀不二男(前編・後編)
文吉:三上真一郎(前編・後編)
佐橋甚太夫:山本清(前編・後編)
トド平:大前均(前編・後編)
崎山政五郎:穂積隆信(前編)
儀十:宮口二郎(後編)
松前高広:水上保広(後編)
善作:中村竹弥(前編・後編)(トメ)
前後編もの
この旅の目的であるお春の父親松前屋のいるはずの松前へ辿り着いて真相を探り、松前屋を助け出し、悪を成敗するという回
とても良い出来。ここまで見てベストかもしれん
二回を使ってるだけにさすがストーリーがいつもよりは見ごたえあるものになっており、しかし凝った作りでわかりにくくはなっておらず、ここらはさすがお茶の間向けテレビドラマ
水戸黄門というのは基本的には緩めの内容であるが、ここではなかなかハードで、またあまり遊びの部分はなく、緊張感のある展開が続く
そして、二人の俳優の演技も見せ場
一人は出番は少ないのだが、穂積隆信。牢役人。松前屋太兵衛(増田順司、純レギュラー扱いなので、個別のキャストとしてウィキに表記されてない)が牢抜けした際の担当であり、お役御免となっている。これが松前屋を逃がしてやったという善玉側(もちろんお春が旅の一行でもあり、善玉側は松前屋)わけでなく、酒に酔って鍵を盗まれたという失態。鍵を盗んだのが居酒屋をやっている松前屋の協力者である善作の娘おせい。お役御免になり酔いどれになり、おせいにただで飲ませろ、お前の秘密を知ってるんだぞと脅すというどうしようもない飲んだくれ。悪役側にどんな手を使って、そして誰が牢抜けさせたかを拷問にかけられ、酒を餌に目の前に出され、というあたりの芝居が、乗りに乗っている感じ。もちろんしゃべってしまい、酒を飲ませてもらえるがそこで斬り殺される
もう一人は善玉なのか悪役なのか、という最後まで微妙な存在の文吉。彼は善玉善作の息子だが、父親に追い出され、それを拾ってもらった亜客の北海屋に大きな恩義を抱いており、その両方を行き来するというタイプのキャラ。善作の息子であることを北海屋に言ってはおらず、そして北海屋に取り立ててもらい番頭にまでなっていた。このことが北海屋に知れ、やはり拷問にかけられる場面が見事。そしてその後は、どっちにつくのかだましあいみたくなっていくのだが、これも長時間の作品だからこそできるという感じ。北海屋は身の証をたてるため、善作を追いかけお春をさらえと言われ、追手となる。しかし弥七に捕えられ、善作の前で、北海屋から逃げてきたとのたまう。が、やはりお春を連れ出し一行から逃げていく。が、北海屋はそこにさらに追手を出しており、連れてきたお春を奪い文吉を殺す(死なないですんだが)。最後まで北海屋側だったのだろうが、最後に裏切られるというような役であり、最後の場面では生き証人として弥七に連れられ登場
悪役は北海屋、家老の岩城将監、船手頭の佐橋甚太夫
松前(蝦夷で一番にぎわっており、政治の中心)から江差(商業の中心、おるいが居酒屋をやっている)、そして函館の山中(松前屋がかくまわれている場所)へと舞台が変わる
お春とはここでお別れ

*0427
第11話 8月2日 津軽こぎん 弘前 廣澤榮 内出好吉
こぎん:本阿弥周子
直吉:石山律雄
烏帽子屋嘉兵衛:山岡徹也
彦十:伊沢一郎
嶋田達之介:久富惟晴
津軽利直:神山寛(役名なしクレジット)
沢渡光成:岡田英次(トメ)
万造:加藤嘉(トメ)
前回が迫力があっただけにちょっと気の抜けた感じの作品。冒頭ナレーションで「困難な事件を解決した一行、その帰り道はごく気楽な旅を続けて・・・」とある
変則的といえる構成で、民衆いじめともとれそうな厳格な倹約令、光圀は供を連れて城へ乗り込み、中盤に差し掛かろうという第二幕の最初であっさり光圀が悪役、家老沢渡と烏帽子屋嘉兵衛、に正体を披露、しかし沢渡に藩にさしたる産物もなく、また飢饉冷害が続いての財政の厳しさと、そのための厳格な倹約令は光圀に見習ってのこととの言葉にあっさり退散。しかし調べてみると、沢渡は豪遊しており、というなんともお手軽な内容
こぎんが作っていた刺し子に光圀が「津軽こぎん刺し」という名を与え、これを産物としてはどうか、と「津軽こぎん刺し」由来の一席という感じの終わり方。「津軽こぎん刺し」というものは本当にあるもののようだ