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必殺仕事人2016 [必殺]

09/25(日) 21:00 -
テレビ朝日|130分

この作品に限ったことではないがきれいな映像で時代劇を見ると、なぜかセットでやってるように見える。そのためコントのように思えてしまう。
主演の東山は、ジャニーズと言うこともあり批判も多いが、なかなか良いと思う。もう必殺も長くやっているが、これだけやれれば充分及第点。それに比べると松岡はちょっと芝居がくさい。知念侑李は今回で3作目とのことだが、これまでの作品での印象が薄く、あまり覚えていない。今回のもキャラが弱く、あまり必要ないキャラ。ラストの殺しの場面で危機に陥り、涼次に助けてもらったのに、なぜか「なんで助けてくれないですか」と涼次に食って掛かるのには冷えた。
遠藤憲一は前回はゲストでの参加で大きくフィーチャーされていたが、今回は仲間に加わりレギュラーということだろうか。出番は少ない。あと、年齢が仲間の中で一人だけ高くちょっと浮いてしまうのが難点ではあるが、そこは人物設定でカバーしようとしてるように見える。

今作の筋のキモとなるのが、これまでレギュラーで出ていた渡辺小五郎の同僚、田口浩正が演じる結城新之助。この作品は一年に一回しかやらないので、レギュラーと言ってもそれほど思い入れもないのだが、いくらかは記憶にあり、この結城はレギュラーだから死ぬという展開はないだろうと思いながら見ていたが、どんどんストーリー的には死ぬ運命になりそうな展開で、そこら辺、興味深く見れた。
この結城は行動からするとちょっとバカすぎて、2度も喋っちゃいけない相手(今回の殺しの的となる人物)に喋ってしまうということをやらかす。そこら辺は共感できないが、その一方で「必殺」ではありがちなパターンであるが、可哀想すぎるくらいに惨めな状況に陥り殺されていき、妻がその恨みを仕事人に果たしてほしいと依頼するという展開。「必殺」はニヒルな面とその反面ベタベタな人情劇のような面があり、そのうちの人情劇的側面がこれだろう。

スタッフでは古い作品と同じ人は平尾昌晃が音楽、布目真爾の名前もあったがそれくらいか。布目真爾は昔の作品では殺陣となっていたと思うが、新しいシリーズでは特殊小道具とのことでHPにはインタビューも掲載されている。
ラストにかかるThe SHIGOTONIN「鏡花水月」はなかなかの出来。これは平尾昌晃は関わっていないと思うけど。
前作では確か、昔の各テーマ曲がふんだんに使われ、それがかかる度に耳を奪われ旧作を思い出してしまい、気が散ったというようなことを書いたと思うが、今作でも同じようにふんだんに使われているが、多少控えめだったり、同曲を新しめのアレンジの新緑だったりしたので、前作のようなことはなかった

悪役として、安田顕、寺島進、温水洋一。尾美としのりは渡辺の同僚であるが、仕事人の殺しの的になる役。
ミッツ・マングローブがちょっとの出番ながら目立っている。冒頭で、最初の仕事人の仕事の的になってしまい殺されてしまう商家の女房気取りの女という役。

筋の発端がちょっと弱い、また理解しづらい。
若い女を綺麗に描いてあげるからと連れ出し、絵を描いて、それを売った「見返り」にその少女たちをたぶらかす、というのが冒頭に出てくる説明(冒頭でそういうことをやっている商家が腰の的となり、同じようなことをやっているもう一つの集団がメインストーリー)。絵を描いてあげたのだから、その絵を売る相手は少女? だったら「見返り」という言葉の使い方もおかしい(絵を売って代金を「見返り」としてもらっているのだから)。必殺やその他時代劇でも定番なのは女を騙して連れ出して女郎として搾取するというようなものだが、今作では、少女に絵を描いてあげて、その少女をその内輪だけでいたぶるというもので、そもそも女もそれを承知で来ているのだから、悲壮感がまったくない感じがする。

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