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必殺仕置屋稼業、必殺仕業人 [必殺]

放映データ
必殺仕置屋稼業
テレビ埼玉で2015/09/03(木)から10/12(月)まで全部で28回(全28話なので全部放映された)
必殺仕業人
テレビ埼玉で2015/10/13(火)から11/19(木)まで全部で28回(全28話なので全部放映された)

この二作品は割り合い最近視聴したので、今回は見ないで保存ディスクへ


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必殺必中仕事屋稼業 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/07/08(水)から09/02(水)まで全部で26回(全26話なので全部放映された)
映像にほんの少し乱れ 1話、3話

半兵衛は「知らぬ顔の半兵衛」と呼ばれるが、第1話から半兵衛を知らないはずの相手から「知らぬ顔の半兵衛」と呼ばれていて変だと思い調べたら「知らぬ顔の半兵衛」という言葉自体は慣用句としてあることを知った。だから半兵衛と名乗ると、相手は「ああ、知らぬ顔の半兵衛か」となるのだな。
必殺の最高傑作との評もあるようだ。
第一のテーマは「博打」。これは各話で過剰なほどそういう場面が盛り込まれ、またそれ自体が主題となっている回もいくつかある。
おせいと政吉が母子であり、母の子に対する感情ということがひとつのテーマとなっているようだ。
第1話、2話でそのことが直接的に描かれ、その後も最初の方の作品ではおせいの政吉に対する言動でそれを示唆していたが、中盤ではあまりそれについて思わせるような言動も少なくなった。
最終回ではもう一度それについて描かれる。

良い作品かどうかのポイントはいくつかあるだろう。記憶に残るような特別な回があるかどうか。平均的にどうか。話の展開(脚本)に無理はないか。話の展開はさておき、演出、カメラの構図、また音楽はどうか。キャラクターの魅力や役者の演技力。
これを考えると以下にも書いているが、キャラクターがいまいちだったり、話の展開にちょっと首をかしげたり、そして後半で良い出来のものがいくつかあるが、ずば抜けた作品がない。
おせいの元締としての緊迫感が少ない。殺しでない大した仕事でもない仕事を受けたり、その割りに掟がどうのこうの言ったりというのがバランスが悪い。お春がおせいに殺しでない仕事を頼むなどアクセスが簡単な割りに最終回では火盗改が仕事屋を暴くのが大変だという描写もある。
大した仕事でもないうちのひとつではお春が、幼馴染の動向を探ってくれという依頼がある。半兵衛の女房のお春であるが裏の仕事については知らない。そんな人物があっさり仕事屋へ軽い仕事を依頼できるということが引っかかる
初期必殺が素晴らしいのは認めたうえで、その中では平均的だなあと思う。

音楽について
主題歌 - 小沢深雪「さすらいの唄」
挿入歌 - 小沢深雪「夜空の慕情」
とある。
殺しのときにかかるBGMは小沢深雪「夜空の慕情」のインストバージョン。どうも最後にかかる主題歌のインストバージョンでないなあと思い検索して調べてやっとわかった。
さらに調べてみると、小沢深雪は平尾昌晃の次男・平尾勇気の母親とのこと。
といっても挿入歌として流れる回はあったのだろうか。

藤田まことがオープニングナレーション。あまり特徴のない声で、名前見るまで気付かなかった

おまき、演じるは芹明香。「芹の不祥事を理由に、再放送からクレジットを消されている」とある。キャストクレジットでは多分源五郎の後なのだろう、画面がちょっとズレ弄った形跡が見える。

必殺ではパターンではあるが、殺しの場面のあと、その登場人物のその後や、緊迫感のある本編から離れた登場人物の日常が短く映される。主水シリーズではほとんどが主水とせん、りつのコントだったあの場面だ。今作品ではそれがちょっと長すぎる回がいくつかある。また半兵衛とお春の店、そしておまきの店での政吉と二人分が出る回もあるが、あれは一人やれば充分、どちらかに固定しろとかではなく、両方出したいなら交互にするとか。

ラストのキャスト&スタッフクレジット。重要レギュラーは映像(多分第1話からの流用)つきで紹介される。その際の政吉の映像は賽と壺を手の夫々に持り、賽を壺に入れる場面、そしてその次のお春はそばを湯切りから丼に盛る場面。これが政吉が横の動き、お春が縦の動きで、そういうのを意識してるのかなと思う。こじつけだがつけ加えれば、端に出てくる半兵衛は「キャスト」と出てくるところで静止画像になり顔が中央にあるが、その静止画像が横に移動し、緒形拳の名前が出る。お春の次の利助は走ってくる場面で横の動き、ラストのおせいは花を活ける動作で縦の動きである。

第1話 「出たとこ勝負」
三村敬十郎 - 石橋蓮司
石橋蓮司は仕事人たちのターゲットとなる役
この話の最後でレギュラー陣の半兵衛、政吉、おせいと利助がひとつのチームとなっていくのであるが、この話では、半兵衛と政吉が別々に三村を狙うという展開で、仕留める場面では協力し合うわけでないが同時に相手を殺すという凝ったもので秀逸なアイデア。
ただ筋の展開の出来はイマイチ。例えば上に書いた別々に三村を狙うというのは同じ女が二手に頼むという展開。これよりは別の頼み人が夫々に頼むというほうが良いように思う(まあそうとばかりは言えないが)。
また、今後の話に出てくるのかもしれないが殺しの仕事をすることになる半兵衛と政吉、これまでにそういう稼業であったのかどうかが描かれていない(ウィキに拠れば、おせいに誘われて初めて殺しの仕事に手を染めたとのこと)。ただ、じゃあ明日から仕事人をやろうといって出来るような仕事でないので、基本的にはこれまでもやっていたという人以外の仕事人というのはなかなか作りにくいのではなかろうか。これまで裏の稼業の経験なしで裏の稼業に入ってこれるようなキャラクターは武士で剣術の腕があるというような人物くらいではないだろうか
第1話の割りにあまりワクワク感が漂ってこない。映像は決まっている。
政吉、おせいが母子であるということが暗示される

第2話 「一発勝負」
おしの - ジュディ・オング
朝倉主膳 - 菅貫太郎
上記以外に半兵衛の店で博打を一緒にやる客としてチャンバラトリオが出演。
これもイマイチ。おしのと大工の植松(演・住吉正博)の夫婦がかつておしのが仕えていた朝倉主膳に自分たちの息子を跡取りにすると取り上げられてそれを取り返そうというのが仕事の内容。植松が仕事屋に頼んでいるのにも関わらず我慢が出来ずに朝倉家に突撃しようとするのが、バカバカしい。それは一回は利助に止められ、それで一件落着かと思いきや、その後やっぱり突撃してしまい、あっけなく斬られるという展開。
またラストでは朝倉家に忍び込み、赤ん坊と取り返す仕事人。屋敷に詰めている侍たちに追われるのだが、なぜか屋敷の外へ逃げ出した仕事人を追うのは朝倉主膳ただひとり。ここも拍子抜け。朝倉主膳が仕事人にやられるという画のためだけの展開。
政吉、おせいが母子であることを半兵衛が見抜くという場面がある。

第3話 「いかさま大勝負」
和泉屋与兵衛 - 穂積隆信
お初 - 桃井かおり
桃井かおりのキャラクターを生かした役柄。桃井かおりと中尾ミエのやりとりが楽しい。
一つ疑問がある。政吉が足抜けさせたい女郎がいるといって和泉屋与兵衛を呼び出す口実にするのだが、「足抜け」ってのは女郎を脱走させることではなかろうか。そこへ和泉屋与兵衛を呼び出すというのはちょっと意味がわからない。足抜けといって女郎を脱走させ、新たな女衒に売るということをやろうとしているのだろうか。
女郎が書いた恨み言を依頼としているが、明確におせいにきた依頼でなく、地元の神様に向けて書かれたもの。明確な仕事でもないのにと多少おせっかいに感じる

第4話 「逆転勝負」
おすみ - 菊容子
閻魔の弥三 - 今井健二
島帰りの吉五郎 - 高木均
今井健二が得意の悪徳岡引きなのだが、話の展開はオーソドックスなものとはちょっと違う。
弥三には気立ての良い娘がいるというのがまず珍しい。そして話の展開は、小間物屋の吉五郎、これは元盗賊でまた稼業をやろうとしており、弥三に付きまとわれて鬱陶しい。仕事屋に弥三の十手を取り上げてくれと依頼する。政吉は弥三に近づくため娘と恋仲になり、十手を取り上げようとしていたところ、吉五郎が弥三を殺す。そして政吉が追われる身となり・・・というもの。
弥三の娘おすみを菊容子という人が演じているが、この人はウィキで見るとなにやら悲劇的、1975年に恋人に刺殺されている。

第5話 「忍んで勝負」
もぐらの留三 - 多々良純
小坂 - 小林勝彦
牢内の牢名主がターゲット。そのため、博打で捕まり牢内に潜入するという方法を取る
序盤で半兵衛が店でお春や源五郎とやり取りしている場面と政吉が女郎とやり取りしてる場面が交互に映し出されるところはなにやら実験的だが、あまり効果的ではない。
話の中身が薄いせいか間延びしている印象。
ラスト近くでの政吉と留三の博打対決でもカメラが実験的。さいころや花札をやる場面を下から撮る。畳でやっているので下から映しても見える訳はないのだが、下から撮る構図に限ってはガラスにでもしているのだろう、下からさいころの下の面や伏せてある花札の絵柄が見えるという形。

第6話 「ぶっつけ勝負」
沓掛の甚造 - 梅津栄
他に日高久が茶店の親爺、ほんのちょい役
旅もの。そして旅先で篭城するという話。旅先で篭城というのは話が作りやすいのだろうか、記憶にあるだけでも必殺の中で複数思い出せる。
ちょっと都合よく話が進みすぎに見える。
草津へ越後屋の息子・惣太郎を迎えに行くという仕事。二人で行く必要もなかろうと銭の裏表で勝負し勝った半兵衛は沓掛宿で留まり遊んでいくことに。
草津で政吉は惣太郎を見つけられず。一方半兵衛は沓掛で甚造と吉五郎のやくざ者の抗争を見かける。ここで甚造が吉五郎に和解を持ちかける場面がある。惣太郎を差し出すから、こいつの指を切って越後屋へ送ればいくらでも金をぶん取れると。そのときに吉五郎の子分は賭場にいた半兵衛に「江戸に室町ってあるか」「室町に越後屋というのはあるのか」「越後屋の息子の名前は」と尋ね、答えたあとに「何でそんなこと尋ねるんだ」と聞かれ、口をにごすのだが、これは半兵衛がいくら江戸者だからといって、あまりにもわざとらしすぎ。
仕事のことがあるので半兵衛は惣太郎を助け出し、ここへ政吉が戻って来て(これもタイミング良すぎ)、篭城となり、二組のやくざを相手にするという展開

第7話 「人質勝負」
油屋栄三郎 - 織本順吉
織本順吉の役は博打狂い。女房・おしんをかたに博打をして負けてしまう。おしんは首を吊り、その葬式の香典で最後の博打。これも負けて首を吊る、ここまででまだ序盤。
その賭博場を探るためおせいは半兵衛・政吉に再度その博打へ行きわざと負け、お春と政吉の姉としておせいをかたにしてさらに負けろという。女たちがどこへ連れて行かれるのかを探るためだ(ここらへんはラストでそういう依頼があったことが明かされる)
この話でおせいがなぜこういう仕事をしてるかが明かされる。おせいというのは元締としてちょっと魅力がないと感じていた(草笛光子が悪いという話ではない)。それがここに理由があるような気がする。飛脚屋・清衛門の裏の顔は破蔵師で死ぬときにその金でやりたい放題のことをしてみろとおせいに言い残す。そのありあまる金で世直しというような面があるのだ。
話の出来はこれもちょっと間延びしている印象

第8話 「寝取られ勝負」
藤左衛門 - 山田吾一
鎌倉の縁切り寺へおきぬが駆け込む。三州屋の若旦那・忠太郎が離縁を認めないでごねるが、忠太郎の母も後見人であるおじの藤左衛門も忠太郎が悪いので離縁を認めさせようとしており、おせいに頼み込む。
ここでおせいは引き受けられないと答えるが、どうしてもと言われ一応調べてからと引き取る。
半兵衛と政吉はなんとか忠太郎に離縁状を書かせようとするが失敗続き。しかし母親が首を吊るという事態になり、忠太郎はようやっと離縁状を書くに到る。
しかし、実は藤左衛門とおきぬは出来ており、母親の首吊りは藤左衛門が殺したもの、そして三州屋も藤左衛門のものとなっているということがわかる。
忠太郎はおきぬの裏切りを信じられないでいるが、おせいに連れられその現場を見ることになる。
忠太郎は二人を殺そうとするがおせいは三州屋を守らなければならないあなたはそんなことをしてはいけない、誰かがあなたの恨みを晴らすでしょうと止める。そしておせいは二人に殺しを命じる。
おせいは藤左衛門の悪巧みを知り、「とんでもないことをした」と悔やむ。おせいは半兵衛たちには忠太郎が諦めるように仕向けろと命じているのだから、それはわかる。が、この作品を見てるだけだと忠太郎とおきぬについて調べることまでしか依頼を受けていないのだから、それほどの失敗でないようにも見える。

第9話 「からくり勝負」
古田玄蕃 - 山城新伍
太助(クレジットでは太郎となっている)- 田辺靖雄
あるサイトでは不仲の山城新伍と緒形拳の競演が見所とある。
山城新伍は憎らしげな悪役。こんな役職があるのかどうか知らないが、「指差役」というもので、魚河岸で将軍に供する魚を指差し、金も払わず持って行ってしまうというもの。
太助というのはその古田に魚を巻き上げられている魚河岸職人。許婚のみよの祖父はその魚河岸の相談役で、尻が重かったが皆の要請で、納戸役に具申しに行き、成敗されてしまう。
その葬式で太助が「この死は無駄にできない」と叫ぶ場面があるが、それ以降太助は出てこないで放ったらかしになってしまうのはなんとも

第10話 「売られて勝負」
ラスト近くまではどういう殺しが行われるのか、ひょっとしてこの回は殺しはなしかなと思わせる異色作。
半兵衛の店に強盗に入ったおゆみ。お春は番屋まで引っ張って行くも同情心から突き出すのを止め逃がしてやる。そして尚もおゆみのその後を心配して、おせいのところへおゆみの動静を探るという依頼をする。
おゆみはたちの悪い壺振りの仙次に騙されていたのだった。というより騙されてるのがわかっていながらも離れられないのだった。
仙次は実家からお金を取って来られなくなったおゆみは用済みとばかりに女郎へ売り飛ばし、おゆみは舌を噛んで死ぬ。
半兵衛はお春がおゆみに入れ込んでるのを叱るものの、その心情が自分に取り付いており、おゆみが気になって仕方なく、女郎屋から買い戻そうと画策。10両を100両にしてくれと政吉に頼み、イカサマ博打に望みなんとか金を作る。がおゆみが死んでいるのを知り、その金は葬儀屋へ。半兵衛は仙次を殺しに向かう。
この作品イカサマ博打のあたりでラストなので、そこで金を作り女郎屋からおゆみを助け出すという作品なのかなと思いながら見ていた。
おせいの頼まれた仕事はおゆみの動静を探ることだけなので、ラストの殺しは半兵衛の独断だろう。もしかして葬儀屋へは半分の50両を渡し、残りは仕事料として懐に入れてるかもしれない

第11話 「表を裏で勝負」
伏見屋藤兵衛 - 浜田寅彦
おせいの表稼業・飛脚問屋「嶋屋」、同業の「山城屋」で不祥事が続く。飛脚問屋の世話役・伏見屋藤兵衛が、与力と裏では悪の棟梁である坊主を協力し合って、自分の店を大きくしようと画策しているのである。
話的にはイマイチな部分がある。これはおせいの表稼業ということで、自分の店の不祥事を調べるうちに真相を知るという流れで、仕事を実際には受けていない。引き金となるのは「山城屋」主人が殺されたとその娘が訴えてきたことではあるが、「恨みを晴らして欲しい」とも言われてないし、金も受け取っていない。
坊主や与力が仕事人に殺され、「あれ、伏見屋は殺されないのか」と思っていると、ラストにおせいが仕留める(おせいが殺しを行うのは第3話以来)。ここはしびれた。茶を点て伏見屋に供すのが舞台。湯を汲む柄杓に針が仕掛けてある。
おせいの店の飛脚屋・仙太が女(坊主の手下)にたぶらかせられ、おせいを裏切り荷を届けないというエピソードがあり、その女は政吉の手にかかって殺されるのだが、殺される場面は描かれず、女の前に政吉が現われる場面の後、おまきの店でいつもは飲まない酒を飲み「またひとり殺っちまった」という台詞で、女が殺されたことが示唆されるという演出

第12話 「いろはで勝負」
徳三 - 東野孝彦
米問屋「伊呂波屋」が舞台。キャストクレジットでは「遠州屋」となっていたようだけど。
「伊呂波屋」は裏で「いろは通り」という歓楽街を経営しているが、娘の篠の旦那が二代目となり、「いろは通り」を止めて「きれいな」仕事に専念すると言い出し、「いろは通り」を任されている仙一、金二、徳三は困り、そのあげく二代目は刺殺。おせいはその下手人を殺す依頼を受ける。この依頼を受ける場面はおせいの顔だけが映り、目の前にいる依頼人に話しかけているという誰が依頼しているのかわからせないという演出。ラストで依頼人は篠ということが明らかになるのではあるが、そういう演出にしたことによる物語の盛り上がりというのはゼロではないが少ない。
下手人は一番下手人でなさそうな徳三だが、これも意外感はない。
おせいが偵察に行き多少女として感情的に「いろは通り」を潰すことを仕事内容にしてしまうというのも難点。

第13話 「度胸で勝負」
板倉屋藤兵衛 - 岡田英次
脇坂 - 藤岡重慶
第14話 「招かれて勝負」
板倉屋藤兵衛 - 岡田英次
おこま - 新藤恵美
第13話と第14話の間でネットチェンジが行われた。ウィキ「製作サイドはネットチェンジを挟む第13話と第14話を前後編とした」
前後編というが話としては第13話で一応話は終わっており、独立して見る事ができる。
第13話は朽木藩が幕府の東照宮改修工事の担当になり5000両が必要になるが手元は空。家老、大原頼母が板倉屋に頼むものの断られる。筆頭家老が手元にある562両をおせいに5000両に増やしてくれと依頼するというのが今回の仕事。おせいは半兵衛、政吉に562両を半分ずつに分け、博打で2500両ずつ稼いでこいと言う。その後のふたりの奮闘振りがメイン。政吉は3000両にまで増やすが半兵衛は2両残してすっからかん。しかしその2両で一分の富くじ8枚を買い、見事2000両を当てる。政吉の3000両と合わせれば、と戻るも、政吉は3000両を5000両にしようとして逆にすっからからん。
しかし、お春が店の前の行き倒れの六部の老人を助け介抱する。老人は死んでしまうのだが亡くなる前に3000両の手形を半兵衛へ。
さて5000両にはなったものの家老は家来の脇坂(板倉屋とつるんでいる)の反逆に遭いあえなく殺される。
ここへきて、おせいは二人を殺すことを決意。脇坂は半兵衛、政吉が仕留める。おせいと利助で板倉屋を狙うも、板倉屋の「私を殺せばその5000両は博打で稼いだ汚い金だと触れ回ることになっている。幕府はこれを好機とばかりに藩をお取り潰しにするだろう」脅しにひるみ退散。
今話で半兵衛は髭を剃っている。

第14話は
第13話は引き摺らず、ただまた板倉屋が出てくる話。板倉屋と上総屋で他の廻船問屋を飲み込もうと画策。計略にはまり潰された店の主は首をつり、その母親がおせいに依頼。
一方、お春の幼馴染・おこまが登場。おこまは板倉屋の囲われもの。しかし、おこまは貸し本屋・三次郎と逃げることを決意。それを知り板倉屋は二人を追い、三次郎に負傷を負わしなおも追う。二人はお春の店へ逃げ込む。店へ入り込んできた追っ手をなんとか外へ出し、半兵衛が追っ手を始末する。
殺しの場面では板倉屋が花見の宴会におせいを誘い、裏の仕事を俺にもやらせろと迫る。それを断り、板倉屋はおせいを殺すことを決意。しかし半兵衛が板倉屋を始末、おせいを殺しにきた用心棒は政吉が始末する。
出来は説明不足とも思われる箇所がいくつかあるもののなかなかよく、特に最後のパートに入るあたりからは盛り上がる。
説明不足の部分もそこら辺は頭で補えば、わからなくもないんだけどもね。
花見の宴会におせいを誘うのが唐突な気がする。
また、おこまが三次郎と逃げることになり、そうすれば板倉屋から追われることになるはずなのに切迫感がない。
おこまと三次郎の描かれ方がどこか表層的。時間の割りに話を盛り込みすぎなのかもしれない。
殺しの場面でかかる音楽は最後にかかる主題歌と同じ歌入りのもの。今作品はオリジナルの殺しのテーマはないのだろうか(通常は主題歌の歌の入ってないアレンジバージョン)、歌入りのものが流れる回がなん回かある。
今話ではその歌入りのものが流れっ放しのままキャスト&スタッフクレジットになだれ込むという形で、これは最終回でたまに見られるタイプ。
おこまが三次郎をお春に紹介する場面は光と建物(寺か神社の一分)の影を使い印象的な絵柄

第15話 「大当りで勝負」
岩岡鉄五郎 - 山本亘
弥生 - 榊原るみ
淀屋伊三郎 - 戸浦六宏
山本亘は山本學、圭の弟。よく似ている。
富岡八幡で行われる流鏑馬。これを対象の賭けを仕切るのが淀屋。江戸中がその話題で持ち切り、おせいや賭けが嫌いなはずのお春までが熱狂する。
岩岡はその本命、嶋屋で働いている弥生はその妻。淀屋は本命を負けさせようと画策するが岩岡は毅然と断る。そこで・・・という展開。珍しいといえば、その妻が賄賂をもらって逃げようなどと弱気なところ。結果弥生は淀屋に殺され、その死に立ち会った半兵衛は弥生に夫にあんな人たちに負けないで勝ってほしいと伝えてほしいと頼まれる。
そしておせいに淀屋を殺そうと進言という形で、実際には依頼はなく、半兵衛もこれは仕事じゃないので金はいらないと言っている。
現代の競馬を模したような描かれ方が随所に。馬券を持って見守る庶民とか流鏑馬参加者が馬柱のように描かれてるところとか。

第16話 「仕上げて勝負」
おらん - 瑳峨三智子
国五郎 - 内田朝雄
捨三 - 菅貫太郎
瑳峨三智子という女優の大年増の不気味さが迫力あり。どことなく山田五十鈴が必殺で演じるときのような感じだ、と思ってウィキを見たらびっくり。山田五十鈴さんの娘とのこと。この作品当時40歳、そんなに老けていないのだなあ。
菅貫太郎はお得意の殿様や悪代官ではなく、おらんに惚れ良いように扱われるも別れらない情夫の役。
おらんは若く見込みのある男をイカサマ壺振り師に仕立て上げ、国五郎と組み博打の大勝負をする博徒であり、そのイカサマのため捨三は腕を無くしている。
冒頭で、捨三ではない別の若い男をそのように仕立て上げた後、男が行方不明になり、その恋人がおせいに探してくれと頼むのが依頼の筋。
その恋人が男に諭す場面で「あのおらんって人は悪い人よ、近所で評判聞いても良いように言う人は誰もいなかった」という台詞があるのだが、まだおらんがそれほど描かれていない場面で「悪い人よ」というのは安易な台詞に思えた。
凝った映像が多い。監督は蔵原惟繕
特にラストのおらんと捨三の対決から国五郎が捨三を殺す場面は長時間のスローモーション。そして半兵衛がおらんを殺す場面で「(おらんのやってきたことは)全部わかってますよ」と半兵衛が言うと、おらんの瞳の中に捨三の最期の姿が映るところにつながっていくのはかなり凝っている。
他にもおらんと半兵衛・政吉が対面する場面。半兵衛・政吉の正面が映し出され、その間に、真向かいに座っているおらんの後姿。その後ろ髪に丸く切り抜かれ、ワイプでおらんの正面映像。珍しくはないがあまりドラマでは使われないと思う(まあ野暮ったいからね)。
また暗闇仕留人の第1話で河原のような所で3人が対面する印象的な場面があったが、それと同じ場所で同じカメラ位置のような場面がある。

第17話 「悟りて勝負」
弥兵衛 - 池部良
虎吉 - 志賀勝
志賀勝という人はよく必殺で見ると思う。今話では出番はさほど多くはないがアップがいくつかある。
利助は登場しない(唯一の回)。おせいも出番少なし。しかも誰から依頼を受けたわけでない鳴海屋の殺しを「生かしておいてはためになりません」と半兵衛たちに命じる。
確かに弥兵衛を殺したのは鳴海屋ではあるのだが。この話では弥兵衛と半兵衛の交流(半兵衛が弥兵衛に男が男として惚れる)がメインに描かれ、弥兵衛の半兵衛による敵討という側面が強い。半兵衛は鳴海屋殺しを命令されているのだが、弥兵衛を実際に殺した虎吉を殺すことに固執する。
鳴海屋殺しでは虎吉を殺した半兵衛が吐くなど気持ちが高ぶってしまい(ここまでおまきは政吉と二人だけの場面での登場であったが、ここで初めて半兵衛と競演)政吉がひとりで行く。そして。政吉が窮地に陥る場面があるが、ちょっと自然な感じではない。そしてそんな時間があるのかと思うが、半兵衛が助けに走るのも、不自然か。

第18話 「はめ手で勝負」
梓 - 左時枝
鉄平 - 睦五郎
黒田策二郎 - 城所英夫
日高久が序盤でちょい役。磐城国(いわきのくに)・三春から黒田に馬を売りにくる男。
黒田の馬は将軍家献上となる。その馬を世話しているのが鉄平。鉄平の息子と黒田の息子は同じ年齢で仲良く遊んでいるのだが、それを見た将軍家から派遣された男が将軍の息子・竹千代君が同年代のお相手を探していると漏らしたことから黒田がその気になってしまう。これは示唆されたのか、それとも黒田の勘違いなのか、判別はつかないが後者としたほうが面白いと思う。
竹千代のお相手を目指し教育方針を厳格にし鉄平の息子とも遊ばせないようにする。黒田の嫁が梓。左時枝の幸薄そうなキャラクターぴったりの役。台詞から判別すると策二郎は梓と息子がいるところへ入り婿したものと思われる。
梓は息子を思い、屋敷から逃げ出そうとおせいに仕事を頼む。入り婿なら追い出せばよいような気もするが。
折檻がひどく、息子は死んでしまい、黒田は鉄平の息子を奪い竹千代の相手役を尚も目指す。鉄平は息子を諦められず、屋敷へ行くが殺されてしまう。
そこまで聞いておせいは黒田家を潰さないよう黒田を殺すことを命じる。
馬を逃がし、黒田家は大騒動となり、馬は元いた鉄平のところではと追いかけてきた黒田と家来を半兵衛、政吉で始末。馬は元の黒田の納屋へ勝手に戻っていく。
利助のおせいに対する報告は「将軍家からのお咎めをおそれ黒田は死んだ。黒田家は安泰」というもの。馬は戻ったのになんか変だなと思ったが、馬が逃げ出したことを理由に自害。その後馬は戻ったので黒田家は安泰ということだろう。
鉄平は賭場で政吉と一緒になり、ウマが合い友だちとなっている。前回の弥兵衛もそうだが、今作品の大テーマが博打ということで、博打場に出入りする普通の人が物語の主役となっているのはこの作品の特徴かもしれない。大抵博打打ちは悪人か博打狂いとして描かれる。
ここまであまり活きていないと思っていた源五郎がこの回ではなかなか優秀なコメディ。半兵衛がお春にバレないように二人の旧知の駕籠かきと博打へ出かけようと画策。ふたりに食い逃げをさせ、それを追いかけるという体で店を出る。とそこへ源五郎が。事情を聞き食い逃げを追いかける場面は面白い。

第19話 「生かして勝負」
おとよ - 池玲子
桧屋伝蔵 - 浜村純
大山栄之進 - 井上昭文
今までのところ今シリーズで一番の出来。
桧屋の女将・おとよは主人を亡くし、その法事でおせいと会う。おとよはおせいの芸者時代の朋輩。おせいを姐さんと慕っている。
亡くなった主人を名乗るひどい火傷の痕のある男が桧屋周辺に現われるが町方に頼み、百叩きになる。それでもしつこく現われるので、おとよはおせいに裏稼業の仕事を頼む。
この時点でおとよが悪女であり、多分その火傷の男は言ってる通り当人なのだろうということが視聴者にはわかっているストーリー展開になっている。
ここでおせいは半兵衛たちにその男を桧屋から遠ざけるという仕事を頼むのだが半兵衛は異を唱える。そのときおせいは「おとよが騙すわけがない」と啖呵を切る(ちなみにこのとき自分を「元締」と名乗るが、今シリーズで元締という言葉はここが初めてだと思う)。これだからおせいはダメなんだよなあなどと思う。「必殺」において元締が配下に仕事を命じるときは調べがついていて、その依頼が確かな場合、もしくは調査から配下のものにやらせる場合。今回の場合は「調査」からやるべきで信用しているなどと啖呵を切るのはおかしい
しかし彼が話す内容がその主人・伝蔵しか知りえないことなどで、桧屋のものも不審に思い始める。また調べている半兵衛たちもそう考えおせいに伝え、おせいは方針を変え、もっと桧屋を調べることにする。
おとよが悪女なのか、仕方なくやっているのかがわかりづらく、進行していくに連れ、伝蔵とおとよの間になにがあったのかが語られるところに奥深さを感じる。
おせいは半兵衛たちに黒幕の大山を殺すよう自分からの仕事だと言って頼む。あれっ、おとよはどうするんだと一瞬思ったが、すぐ、ああ、これはおせいが殺すんだなと気付く。
ラストで再度おとよが長々と主人との関係をおせいに話をするがここはもうちょっと短めでよい。ラストは恒例の半兵衛とお春のやり取りなどはなく、おせいがおとよを殺すところで終わる。ここは上手い。

第20話 「負けて勝負」
伊三郎 - 津川雅彦
但馬屋 - 小坂一也
お照 - 二宮さよ子
異色作。大和屋の娘、お照の招きで大和屋の亡き主人におせいを含む近しい人が集まり、西洋博打(ポーカー)。そこに居合わせた人形師、伊三郎は大和屋の妾の子だが、父親は大和屋ではない。
伊三郎も交えポーカーをするが、伊三郎は大勝する。おせいは負けて悔しいということで代役に半兵衛が勝負に挑むも敗れ去る。しかし伊三郎がお照と組んでイカサマをしていることがわかり、博打の負けは博打で、ということでおせい、半兵衛、政吉で最後勝負に挑む。
そこに伊三郎とお春の関わりも交えて描かれる。
ポーカーの場面ばかりが映されるという特殊な作品
おせいがキャラが変わったかのようにポーカーにのめりこんでいる。

第21話 「飛び入りで勝負」
銀次 - 寺田農
香具師 - ゼンジー北京
ちょっとわかりにくいどんでん返しのある話。
廻船問屋・渡海屋が舞台。番頭の与兵ヱは過去に盗賊の親分・粂蔵の配下で働いていた。粂蔵は町方に捕らえられ、伊勢屋から奪った1000両の行方がわからなくなっていた。粂蔵の配下には
与兵ヱと巳の助がおり、その巳の助の使い・銀次が与兵ヱを脅しに来て、与兵ヱの娘・お民の願いで、おせいは半兵衛たちに巳の助と銀次を探らせるのだが・・・。
ラストのパートで種が明かされるのだが、お民は実は粂蔵の娘で粂蔵を町方に売ったのは与兵ヱであり、1000両のありかを知っているのも与兵ヱであるということを父から聞いており、与兵ヱへの仕返しをおせいに頼んだのであった。銀次は流れの仕事人でおせいからこの仕事を受けていたのだ。
ラストで与兵ヱの荷札を半兵衛が付け替える件は何の意味があるのかよくわからない。
ゼンジー北京はの出番は序盤、町中で手品のようなイカサマ博打をやっている香具師。3つの茶碗のひとつに赤い玉を入れ伏せる。そしてその3つの位置を入れ替える。さて、どこに赤い玉はあるでしょう、というやつ。これに半兵衛が何度も引っかかるのだが、その後も作品の中で半兵衛はそれについて考えたり練習したりしており、ラストではお春、源五郎相手にそれを披露する。
途中おまきが政吉に絵を見せる。政吉は「蝶か」と言うが、おまきはその絵を半分に折り見せ直すと、政吉は自分たちの見立てが大きく異なってる可能性を悟る、という場面がある。このとき絵を半分に折り見せ直した時なんの絵が浮かび上がったのかがよくわからなかった。なにかぼやけていて、ひょっとしたら今の基準で表現上よろしくないためぼかしの修正が入っているのかもしれない

第22話 「脅して勝負」
登場人物、ストーリーともありがちなものなのだが、細かいところで凝った設定がしてあり、それがラストの意外な決着にもつながっていく。
まず、植木屋・佐八が登場。女房を女郎に売ってしまっているようで、年季を伸ばし金を借りている。悪役である。その佐八、次の場面では町方・神尾に過去の犯罪歴で強請られ借り入れた金を全部取り上げられている。この神尾も悪役であろう。
佐八が半兵衛の店で博打をやる相談、そこへ美濃屋の若旦那が博打に連れて行ってくれと頼み、若旦那は博打にはまる。その際隣で一生懸命若旦那を止めているのが佐八で、あれ、善人なのかと戸惑う。
また神尾は、与力・岡村に金を用意するよう無理強いされ、仕方なく引き受ける。神尾も悪だが更なる巨悪登場である。
佐八、神尾の悪役として登場してきながら、あれっと思わせる展開は凝っている。
この神尾と岡村の関係がラストに生きて、岡村は不要になった神尾に刺客を放ち、半兵衛、政吉が狙っている目の前で神尾は殺されてしまうのだ。
ラストの岡村殺しの場面では半兵衛と政吉の二人でひとりを殺す。今シリーズで何回かあるパターン。第1話もそれに似た演出。第1話は仕組んで二人でやってるわけではないが。
このやり方は二人ともに見せ場を作りたいだけのようであり、ちょっと萎える。一人が抑えたところを刺すとかならわかるが、両方とも殺し技を出しているので、一人一殺できないのかよと言いたくなるってもんだ。

第23話 「取込まれて勝負」
村上又七郎 - 小松方正
おみの - 赤座美代子
相模屋伊三郎 - 河原崎次郎
日高久が序盤、医者の役で出演。
母子の関係というのが大きなテーマの作品。お春が妊娠という事件が起きる。医者のところで知り合うのがやはり妊娠している相模屋女房のおみの。相模屋は複雑な事情を抱えていた。与力・村上に過去を脅されながらも後ろ盾になってもらい、油屋組合主催の無尽講を行っており、いずれは組合の頭になろうかという立場。
村上はおみのも情婦にしているが、おみののお腹の中の子は伊三郎のものだという。
講が行き詰まり、相模屋は町民に襲われるが、村上は玉木屋を主謀として捕らえ死罪にする。
伊三郎が村上に反旗を翻すが返り討ちに。おみのの妊娠は伊三郎を惹き付けるための嘘であった。
どういう依頼があったのだろうか、多分玉木屋の身内からの依頼であろう、村上とおみのを殺すことになる。半兵衛が父親になることを最初受け入れられないでいたが、徐々にその気になってきており、そこで妊娠中のおみのを殺すなんてことはやるべきでないと政吉が止める。おせいにお春の妊娠のことは話していなかったが、そこで政吉が伝える場面は最高の見所。
政吉は半兵衛に何とか思いとどまらせ、村上を殺しに向かう。が殺しの瞬間、もう一方から半兵衛のかみそりが。第1話のように仕組まずして、二人でひとりを殺すという演出。
さておみのの殺し。半兵衛と政吉がおみのの元へ向かうとすでに殺された後。そこへおせいが顔を現す。ここは想像だが、多分その話を聞き、おせいは自身でおみのを殺すことにしたのだろう。
講はねずみ講のようなものでせりふで「子を6人作り、その子が孫を6人作り・・」などと言っており、ここにも子の存在が出ている。
またこれは直接は触れられていないが、おせいと政吉の母子関係というのもほのかに感じられる。政吉の「女将さん(おせい)には親になる半兵衛さんの気持ちはわからねえんだ」に半兵衛「女将さんの悪口はよせよ」というのがある
丁半博打の場面が出てこないのは今シリーズ初めて。

第24話 「知られて勝負」
小田切平之介 - 川合伸旺
お久 - 市毛良枝
小間物屋、伊八の女房のお久は伊八になにか秘密があるように感じ、おせいを訪ね調べて欲しいと依頼する。
伊八は実は幕府の隠密で越前国・鯖江藩の勘定役・小田切を狙っている。話としては伊八は数年成果を上げておらず、成果を上げるために情婦・お駒を使い小田切を騙して陥れる(でっちあげと言っても良い)という形で鯖江藩の異国との貿易の証拠を手に入れ、家老は切腹の憂き目に。ここらへんのでっちあげの件は仕事屋にはわかっていないはず。ただそもそも鯖江藩にも元からそういう後ろ暗い話はあったので、そこらへんはどっちもどっち的な話。川合伸旺は悪代官役で有名であるが、ここでは根っからの悪役ではない。
仕事屋としては幕府の隠密ということが分かったが、それをお久に告げてもなんの解決にならないのでどうするかに困る。
結果おせいはお久に調べても何も後ろ暗いことはなかったと伝える。が、そこへ帰ってきた伊八が、今のは誰だとしつこく尋ね、お久は白状する。伊八はお久を殺そうとするが、そこへ仕事屋一味が乗り込んできて、結局はここでも半兵衛、政吉二人で一人を殺すという形になる。
ちょっとわからないのはこれって殺す必要あるのか、ということ。その前の場面でおせいは幕府隠密という結果を知り「これで仕事は終わり」と宣言している。
上にも書いたが伊八が汚い手を使ったことは仕事屋にはわかっていないはずで、ただ小田切やお駒を殺したことくらいを知ってるだけ。これで伊八を殺す理由にはならない
となると、依頼人の命が危ないということからなのだろうか。お久を見張り、危なくなったので、伊八殺しを決意したという展開か。
市毛良枝が若く、純な女役。
途中の半兵衛のせりふ「亭主のことを根掘り葉堀り知りたがっちゃロクなことはない」というのは真理。
今話も丁半博打の場面が出てこない。

第25話 「乱れて勝負」
春海 - 梅津栄
力の入った作品だがどこかストーリーの序盤が上滑りに感じた
冒頭、なにかの仕事で半兵衛と政吉が侍を殺す場面。ここで自分にはよくわからないのだが、半兵衛がミスをして政吉が斬られる(侍を殺す仕事はやり遂げる)。ここで政吉が半兵衛と不穏な関係になる。
政吉が姿を消し、おせいは心配をし、半兵衛は必死に探す。政吉はおしのという女に助けられ、恋仲になり、上方へ行こうと決め、おせいの前に姿を現し、女と上方へ行くことを話す。
しかし、おしのの死骸が発見、政吉はおせいの命令だと思い、刺し殺しに来るが半兵衛が自分の身体を投げ出しおせいを救う。ここらへんまでのストーリーに説得力が弱い。ストーリー自体は書くだけならいい感じなのだが、画面で見るとイマイチ。なんで政吉がこんなに半兵衛に嫌悪感を見せるのかが、最初の殺しの場面を自分が解釈していないせいか。
おしのは春海配下の殺し屋の一味で、掟に背いたため殺されたのだった。政吉はそれを探り当て春海と対峙するが捕まってしまう。春海は政吉が一匹狼か組織に属しているかを確認のため、しばらく生かすことにする。
おせいが政吉のことを知り、助け出すことを半兵衛に依頼。政吉に斬られ負傷している半兵衛はそれでも出かけようとするが、利助と会話してるところをお春に見られ、殺しの仕事のことを告白。
春海との対決の場面では珍しく利助が活躍(殺しは行わないが)。見事春海を仕留める。
家に帰った半兵衛だが、お春は半兵衛の裏の仕事を知ってしまい、もう以前のお春ではない

第26話 「どたんば勝負」
第25話での暗い雰囲気、半兵衛とお春のこじれた関係、政吉は仕事屋をやめるのか、など不穏なまま最終回に突入。亥之吉がおせいに頼みに来るのは半兵衛と政吉の殺し。弟が殺された恨みである。その亥之吉を追う火盗改の熊谷は仕事屋の存在を知り、標的をおせい一味に変え、仕事屋対熊谷となる。
さすがに最終回で力の入った作品。
ラストで半兵衛が殺すのは亥之吉なのだが、その前のおせいの台詞で熊谷と会うことをいい、「そこに亥之吉も来るでしょう」というのは蛇足に思える。亥之吉が来ることをわかるわけないし、来る必然性もない。しかも同じ場所での殺し(おせいは熊谷を殺す)にする必要もない。
亥之吉がなぜか緒形拳に似ている。作品の冒頭に出てくるのだが、緒形拳が半兵衛以外の扮装で出てきたのかと思った。そんな意図はないんだろうけど。


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必殺仕事人2015 [必殺]

11/29(日) 21:00 テレビ朝日|130分
同日の下町ロケットはその時間に見て、こちらを録画した。

まあ平均的なつまらなくもない出来だろうか。やっぱジャニーズ3人というはなあ。別に3人とも悪くはないが。
その3人(と和久井映見演じるお菊)と組むことになるゲストの仕事人が遠藤憲一と山本美月。こちらも手厚く見所たっぷりに描かれている。
悪役で目立つのは竹中直人。
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暗闇仕留人 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/06/01(月)から07/07(火)まで全部で27回(全27話なので全部放映された)
映像にほんの少し乱れ 9話、11話、14話、16話、17話、18話、19話、20話、21話、23話、26話

黒船が来て江戸が大騒ぎというのが時代背景。
糸井役の石坂浩二が主役だが作品を見てみると、主水がグループのリーダーで、後年の主水シリーズと同じような作り。この作品ではそれは発生していないようだが、この作品の後に主水の主人公問題というのが起きる。
大吉はレギュラーの中で第3の男という役割だが、その割りに話の中心人物になることが多く、一方、形式上の主役・糸井は、あくまでも主役の割りにはだが、印象に残らない作品がある。

おきん半次、連続出演ということで、手馴れたもので熟練ではあるが、多少飽きもあるか。津坂匡章はどんどん上手くなっているように見える。どちらも今作で降板。

妙心尼の「なりませぬ」が大層流行したそうである。そしてせんとりつは後年のパターンが完成している。せんの迫力ある顔がアップになったりで「なりませぬ」に並ぶくらいの番組の目玉となっていたのであろう。
せんとりつの中村家の場面で終わるというのは後年のパターンであるが、今作品でもほんの数回だがそういう終わり方をする回がある。
妙心尼が大吉を呼ぶ「東風の人」というのはどういう意味だろう。菅原道真の歌から取られたものだと思うが。

特徴ある映像がところどころにある。
第1話での3人が初めて集ったときのロングショットでの3人の影の場面なんかがそうだ。
第21話(監督・三隅研次)では3人が相談する場面で背景が映らず3人の顔のアップ、喋る人間にピントが合っており、他の二人がぼやける、喋る人間が代わるとそれに合わせて、ピントがその人間に移るという凝った映像。
第22話での3人の大吉の家での鍋をつつきながらの相談もなんてことないが少し特徴的に見える。カメラが動かず、糸井がカメラからは外れているが、鍋に近づく度にカメラに入り込むというもの
後期の仕事人ではレギュラーの同心に特徴的なキャラクターをつけることが多かったのだが、今回のレギュラー「同心 田口」として古川ロックがほぼ毎回出ているがほとんど印象に残らず。

「必殺」の音楽は殺しの場面で主題歌を勇ましい感じにアレンジしたものが流れるのがパターンだが、今シリーズでの殺しの場面ではスローテンポの主題歌がそのままのテンポでアレンジされたものが使われる。
第1回では主題歌がアレンジなしで歌入りのものがそのまま流れた。
その後も主題歌そのまま流れる場面が結構たくさんある。仕事の場面の直前に流れることもあり、それは後年のパターンを思い出させる。後年では主題歌でなく挿入歌が流れたものだった。
この主題歌「旅愁」は大きなヒットとなった。
他の場面では「仕置人」のオープニングテーマがよく使われる。

第1話 「集まりて候」
弥助 - 佐山俊二
近江屋 - 浜田寅彦
与力 高畑 - 今井健二
おその - 今出川西紀
家老 湯川 - 西山嘉孝
浜田寅彦、今井健二はお得意の役どころ。今出川西紀、西山嘉孝もだな
あのおじいさんは佐山俊二だったか。よく「必殺」に出てくる岩田直二って人かと思ったが。
「必殺仕置人」「助け人走る」の第1話でレギュラー陣が顔見世のように登場してくる場面はとても良かった。ここでもそれは踏襲されるが、ちょっとイマイチか。
主水が仕事をやる気まんまんで、おきん半次が少々引き気味なのは珍しい感じ。
今作でのレギュラーの仕事人(ここでは仕留人と呼ぶべきか)3人は中村せつのりつを始めとする娘3人の各旦那であり、それが第1話の最後で明かされる。この場面は面白い。
話の展開としては、糸井貢、村雨の大吉がともに今回の依頼人のところへ行ってまとわりついてるところへ主水も顔を出すところ、また、依頼人の金を一緒に仕事をやることを拒否している糸井が届けるところなどはちょっと御都合主義か。
まあ、それを言ったらラストのせんの娘の各旦那だったというほうがよほどそうなんだが、こちらはむしろそれのが面白い。

第2話 「試して候」
兵四郎 - 松山照夫
知ってる俳優としてはこれくらいか。あと、柳家小志ん(役名・コマ廻し)というのがあった。冒頭の見世物小屋でのちょっとだけの出演。この人は名前を知らなかったから調べてみたら、太神楽協会というところのHPで見つけた。柳家とし松(故人)という人の父親だそう。父子とも曲独楽の芸人。名前は知らないながらも小さんの弟子の落語家かと思った。
話の出来はイマイチかな。島送りの囚人を大筒の的にする役人たちが仕事人たちの標的。
話の出来の基準として、おさまりが良いかどうかということがある。すべての伏線が回収されているか、レギュラーの出番が比較的均等になっているか、登場人物に説明セリフがないか、また似合わない言動をしていないか、御都合主義になっていないか、など。それが出来ていて普通の出来となり、その上で「必殺」なら殺しの対象の悪辣さ(視聴者から見て憎らしいかどうか)と殺しの際のカタルシスというのがあると「良い出来」となる。
その点、いくつかイマイチに思える。そういえば大吉が最後の方(CM3本終えた後の第4パート)にしか出ていない。
松山照夫は最後仕事人の手にかかり殺される役だが、あまり出番がない。他の殺される人にしてもそれほど視聴者が憎たらしいと思わせる描写が少なく、カタルシスに欠ける。
殺しの場面の音楽、緩やかで原曲と同じテンポの歌なしのものが使われた。勇ましい感じにアレンジされるものは作られなかったのだろうか

第3話 「売られて候」
角屋隆右衛門 - 山形勲
女郎屋の話。山形勲は女郎屋の主人。黒舟騒動を背景に異人相手の女郎屋を開こうと画策する話。
第1、2話ではチョイ役だった妙心が活躍。またおきんも女郎屋へ忍び込むため、長崎で異人相手に女郎をやっていたと偽るのだが、その場面は見せ場。
レギュラーであるおみつの役どころがイマイチ掴めない。今のところチョイ役ばかりで、おきんと半次のちょっとした顔見知りという触れ込みだがこの回では突如大吉の元を親しげに訪れたりする。大吉とはドラマを見ている限り知り合いじゃないはずなんだがな。このおみつという役、演じているのは佐野厚子で「助け人走る」の中山しの役。全然イメージが違うな。

第4話 「仕留て候」
庄内三郎兵衛 - 加東大介
稲部山城守 - 本郷功次郎
諸岡勘蔵 - 小林勝彦
加東大介ってこの人だったか。他にも見たことあるはずなのに、全然気付かなかった。気付かなかったというより、この庄内三郎兵衛という役は印象が残った。主水の同僚で、息子にバカにされ続ける父親の悲哀が出ていた。この人たまに見かけるなあなどと思ってた。
また小林勝彦も名前は知ってるが顔の印象がない人で、たくさん顔が出ているのは初めて見るかもしれない。
本郷功次郎も名前見るまで気付かなかった。なんかよく見る人だとは思ったが。
奉行の稲部と与力の 諸岡が結託して悪事を働いている。師岡から袖の下をもらい見て見ぬふりをしていた庄内が息子の尊敬を勝ち取るために意を決して告発するが、告発する相手が稲部。当然稲部が諸岡に命じ庄内は殺され、息子は敵討に行くが返り討ち。そこで・・・。

第5話 「追われて候」
白川検校 - 山本麟一
山本麟一という人は高倉健との厚い交友関係が有名でヤクザ映画などで競演作品が多い。
大福講(聞き取りにくいのでこれで合ってるかわからん)という講をめぐる話。大福講が潰れ、主宰の伊兵衛は殺される。おこま、おしげの母子は逃げる。
徳之市(漢字が合ってるかわからん)が京都へ行き検校の地位を買い取り白川検校となる。その配下のものがおこま、おしげを執拗に追う。大福講は徳之市が伊兵衛にやらせ、集めた金で検校の地位を買ったものだった。伊兵衛一家を殺してしまえば、このことが闇に葬れる。
イマイチ面白くなってこない。主水以外のレギュラーの魅力がちょっと低いのが原因か。糸井貢は演じている石坂浩二のイメージもかぶり理が勝ちすぎている。大吉は似たようなキャラが必殺には多いが、その中でちょっと落ちる感じ

第6話 「狙われて候」
油問屋の主人が殺された。流行り病の「コロリ」によるものとされたが、検分に当たった主水は首が怪力で捻じ曲げられていることに不審感を持つ。
その油問屋の女将は実は後妻。そして先妻が死んだのも奉行とともにその女が諮っていたのだった。命じられ殺しを行ったのは番付が小結だった元力士・不動丸。不動丸も不要となり奉行に殺される。
不動丸の母親の依頼で仕事人が立つ

第7話 「喰うて候」
信助 - 石山律雄
夏に富士山から雪を運ぶという将軍家の御用。「お雪さま」と名付けられ、その道中は将軍家の威光でわがまま放題。
話は2方向で展開。糸井貢は妻を連れ保養に出て、その旅先でお雪さま一行の横暴を目にする(ここで石山律雄は横暴を振るわれる役で登場)
一方江戸ではおきんが短筒を買いに来た男と知り合い、訳を聞くとそのお雪さまに酷い目に合わされ、復讐すると言う。それをなんとか仕事人の仕事にしようと画策する。決行することになり主水と大吉が迎え撃つため旅に出ると、そこでお雪さま一行を狙う糸井と出くわし、三人で仕事をすることになる。
おきんはその男からなんとか仕事にしてもらって金をもらう役割だったが、その男になんと逃げられてしまい、金のもらえない仕事になってしまう。最後はそのお雪さまが運んできた雪をみんなで食べる場面。「これに蜜をかけると旨いんじゃないか」「小豆のあんこも行けそうだぞ」とかき氷の由来を語るお遊び。

第8話 「儲けて候」
堺屋利兵衛 - 津川雅彦
仁助 - 牧冬吉
津川雅彦、大活躍。銃を商う商人の役。仁助は定八の兄貴分で二人でその堺屋を脅し、返り討ちに遭う。良い出来

第9話 「懸想して候」
辰五郎 - 遠藤太津朗
地回りに因縁をつけられ、帯を切られたおきんが通り掛かりの文七という呉服屋に帯をもらい、その文七に惚れてしまう。
おきんは主水たちのグループから抜け文七と所帯を持つ。半次は前2回出演がなかったが、旅に出ているという設定。この話で旅から戻り、文七と所帯を持つと聞き、同居していた部屋から出て行く。
しかし文七の裏の顔は親方・辰五郎が仕切る殺し稼業。文七が年端も行かない子供に手をかける。主水たちがおきんにその事実を告げ文七を殺す。そして文七の持っていた仕事料でその子供、そして文七の仇として、辰五郎と子供の殺しを依頼した継母を殺しの標的とする。
最終的に殺す相手となる人に惚れるというのは必殺の中で何回かあるパターンではなかろうか。自分が覚えてるのは「新・必殺仕事人」でお加代が浪人に惚れるという話。
その話も、今話もそうだが、それほど深くは描き込めていない。一時間ドラマの限界というか、むしろそれを深く描かない軽さが良いというか。
おきんの恋愛話に長時間裂かれ、最後に殺されることになる辰五郎と継母は殺される場面以外にはほとんど出てこない。
良い出来だと思う
大吉が左手で殺しを行っている。なにか珍しく感じ、次の回も確認してみたら、右手だった。この回だけ特別だろうか
ラストでは気を取り直したおきんが露天売りを再開しているところに半次が来て啖呵売りの口調をちょっとだけ。寅さんを思い出す

第10話 「地獄にて候」
久兵衛 - 梅津栄
刺青の話。妙心尼がかわいがっている旅の尼・春香尼が浚われ数日後死骸として上がる。背中一面に不気味な刺青。
糸井貢のファンである美濃屋の娘も浚われる。両方とも玄沢の仕業であり、刺青を彫ったのは夢幻。玄沢は美濃屋に春香尼をあてがい、その恥で彼女は自害した。玄沢は美濃屋を恐喝。従わないので娘を浚い、背中に刺青をほどこそうとする。
結局美濃屋は玄沢に殺され、死ぬ間際に駆けつけた糸井に事情を話す。
ちょっとおかしな箇所あり。刺青って入れるのに相当時間がかかると聞いているが、春香尼はいなくなって数日後に背中に刺青を彫られ死んでいる(浚われる前には刺青が無かったことを大吉が確認している旨の台詞がある)。
また糸井は美濃屋の娘にご祝儀をもらうのだが、そのすぐ後に浚われる。それを知り、糸井は美濃屋へ赴き主人に叱責を受けている。それなのに、そこから家へ帰り、あやにご祝儀を嬉しそうに渡す。ところが中に大金5両もが入っており、返しにいくことになるのだが、こんな大金があると安心して眠れないとあやに言われ、「じゃあ遅いけど返しに行くか」などと糸井は言う。娘が浚われたという大変な事態になってることを考慮してない暢気な空気が変。

第11話 「惚れて候」
乾寛兵衛 - 金田龍之介
弥太 - 新克利
伝造 - 浜田寅彦
おまき - 池波志乃
弥太は無宿者。おまきはおきん、半次を姉さん、兄貴と慕うスリ。おきん、半次が江戸からいなくなって以来の出会いという設定。
弥太はおまきを夜鷹と間違い、強引に誘う。
乾寛兵衛は火盗改の頭。弥太は冤罪で火盗改に捕らえられるが、乾の助けで釈放される。おまきが証人となり、その夜おまきと逢瀬を楽しんでいたことが証拠となった。そして伝造が釈放されて以降の生活の世話をする。しかし乾の狙いは弥太を殺しの道具とすることで、伝造を通して弥太を操る。
良い出来。池波志乃が大活躍。志ん生一家の顔だなあと改めて思う。
おまきが 弥太に対して強引に犯されたことで憎みながらも、自分の証言で無実が証明できるということの狭間で悩む。そしてそこには恋心も。
ひとつおかしなことは、冤罪を証明する過程でおまきが、火盗にひっ捕らえられて、証言させられたこと。そして、そのことは作品内でもおまき、弥太の会話で触れられている。弥太がおまきのことを喋ったのなら、それでおまきが連れて来られたという風に筋が通るのだが、弥太は喋っていないという。おまきが自発的に証言したいと、赴いたわけでもない。乾様はなんでもお見通しなのだ、ということで納めていたけど

第12話 「大物にて候」
長一郎 - 太田博之
おなつ - 伊佐山ひろ子

小兵衛はさばき屋の大物。さばき屋というのがなんだかわからないが、江戸でその名前を聞くと誰もが震え上がり、町方も一切手を出せないどころか、裏でつながってる始末。まあ、ヤクザの大物といったところか。
長一郎が小兵衛の甥。おなつは小兵衛の姪で長一郎の姉。
小兵衛を追っていた町方の関根は小兵衛に義理の父母を殺され、さらに妻を奪われて長一郎の妾にされてしまう。逃げ出した妻は長一郎に殺されるが、それを見た主水は長一郎を捕らえてしまう。
主水が小兵衛に脅され、長一郎の牢抜けを約束させられてしまい、奉行所に缶詰になる。外と連絡をとり、小兵衛一味を糸井、大吉が始末する

第13話 「自滅して候」
中根ちづ - 南田洋子
佐島昌軒 - 山本学
弥八 - 江幡高志
利平 - 日高久

ここまでは寄席の見世物小屋での下座の三味線の仕事をしていた糸井がこの話ではちづの息子の家庭教師。ウィキの説明を読むと、糸井は元は蘭学者という設定があったのね。第1話で紹介されてたかもしれない。
佐島昌軒も糸井とともにちづの息子の家庭教師。ちづは夫を亡くしているが家は取り潰しにならず、千二百石の武家。12歳の息子の成長を願っている。そして一名しか受からない試験が近く、ライバルになる子の死をうっすらと願ったりもしている。佐島昌軒はちづに取り入り婿に入ろうと画策しており、ちづにつけいり、石屋大吉を紹介する。ちづは大吉を尋ね殺しを依頼し金を渡すものの、思い直し依頼は取り消す。しかしその子は殺され、ちづの息子は試験の受かる。
昌軒がすべては操っているのであるが、石屋の使いということで弥八がちづをゆすりにかける。昌軒は石屋にも訪れ殺しを依頼。石屋は半次と二人で決行。昌軒は奉行所に投げ文で石屋の殺しを暴露する。主水がそれを受け取り握り潰し事無きを得る。
昌軒は元は武士ということだが、殺しの稼業も行っていたようで怪力で背骨折のような殺し技も披露する。弥八は主水に呼び出され事情を自白させられる。隙をみて主水に切りかかるが返り討ち。
目指す敵は昌軒ただひとり。糸井と大吉が二人掛りで仕事を終える
利平という役を演じる日高久はどこに出ていたのだろう。弥八が訪れる手形交換所の主人だろうか

第14話 「切なくて候」
たよ - 吉田日出子
侍 - 芝本正

これまでと趣向の異なる話。舞台は江戸から離れた府中。たよというのは半次の義母(父親の後妻)で、息子が居る(半次の弟となる)。
糸井、おきんは出てこない。
冒頭、大吉が芸者を上げて大騒ぎしている場面。その芸者連中がどぎつい化粧をしており、これが吉田日出子だと勘違いしてしまった。吉田日出子はこういう役もよく似合う。
江戸から離れた場所で半次と大吉が仲間に内緒で仕事を行う(前回もそういう場面があった)。主水は旅に出ていたせんとりつを迎えにここへ来て、彼らと合流。
尾張家に雇われた鷹匠が我侭放題。この村の女を無礼討ちと称し殺したことの仇討ちが仕事内容。しかし、たよがその鷹匠に呼び寄せられ、惚れてしまったということを知り、半次は仕事を断る。だが、たよは鷹匠に裏切られ、上司に献上されてしまい、絶望したたよは息子と一緒に命を絶つ。断った仕事だったが再度行うことになる。珍しく半次が殺しを行う。
次の第15話で半次は退場。ウィキによれば、14話と15話の放映が入れ替わったとのこと。この話で半次が退場になる予定だったのだろう。
芝本正がチョイ役。ラストで鷹狩りの場を警備している侍。主水と会話する

第15話 「過去ありて候」
亥之吉 - 石橋蓮司

大吉が主役の話。大吉が過去を半次に話す場面では、半次が問われて調布の先の府中の出身だと明かす場面がある。第14話で書いた「放映順入れ替わり」の件からすると、いくらか前ふり的な意味合いもある。
おみつが死ぬ。ここはかなり時間が割かれて、仲間の死という形で描かれているが、違和感あり。これまでのおみつの描き方から、仲間には見えず、唐突な感じがする。おきん半次の仲間ではあるが彼らもよく知らないというような第1回での登場。その後はなぜか唐突に大吉の元を訪れたり、主水に諭され、糸井の小屋で働くことになり、その後はそこで働いてる場面での登場。
今回は大吉が好きだったとの告白があるのも唐突。まあ大吉の元を泊めてくれと訪れたりという場面もあったにはあったが。
殺し屋・亥之吉に狙われている大吉の元を妙心尼が差し入れを持って訪れる。殺し屋は妙心を餌に大吉を狙おうとしていたので好都合。そこへおみつもやって来て、妙心尼と一悶着。妙心尼が怒って帰ってしまうと、亥之吉はおみつを餌(人質)に大吉を誘き出し、そこで亥之吉の投げた矢におみつは倒れるという展開。
大吉は主水たちと組む前も殺しの仕事をしており、そのときの元締に狙われているというストーリー。

第16話 「間違えて候」
半次退場後の作品だが、おきんが「半公に頼めればいいけど、大吉と一緒に○○へ行ってる」というようなものがある。これだとは江戸に残っており仲間のままであるという風に捉えられる。
さてその台詞にもあるように大吉がいない中で仕事を決めてしまい、糸井が殺した相手を通りかかった大吉が蘇生させてしまうという展開。これがタイトル「間違えて候」の由来だろう。
駕籠屋が策略で乗っ取られる。乗っ取りを行い安積屋と改称。他にも悪事(強請り)を働いている。乗っ取られた店の女将が主水たちに恨みを晴らしてくれるよう頼むという展開。

第17話 「仕上げて候」
糸井あやが殺される回。
ここでタイトルの「仕留人」という言葉が(多分)初めて出てくる。出てきたと思ったら、ここではくどいほどその用語「仕留人」「仕留める」が使われる。
「必殺」はタイトルごとにダブらないよう「○○人」と付けられており(「仕事人」以前)、自分たちの稼業をそのタイトルどおり呼ぶのではあるが、そこらへん統一されているかどうかは怪しい。とりあえずこれ以前の作品は全部作品中その言葉が不自然でなく多用されていた(「仕掛け」「仕置き」「助け人」)。
他の作品ではどうだかよくわからないし、感想やあらすじを書く際に彼らの稼業をどう呼べばいいかイマイチわからないので、この作品ではこれまで「仕事」「仕事人」と呼んできたが、ここ以降は「仕留人」を使おうか、それとも、各話の展開次第にしておこうか。
「必殺」でちょっと不自然に思える展開のひとつに、この作品「仕留人」のこれまでに多くあった以下のような展開。すなわち、劇中被害者が「仕留人」と知り合いになり、殺される場面に「仕留人」が立ち合う、もしくは依頼人が「仕留人」を尋ねてきて、お金を渡し「これで恨みを・・・」と頼む。「仕留人」という稼業を知ってもいないのに、これは変。これ以前の作品で元締がいる作品はそこら辺はちゃんとなってて、そういう稼業を裏で看板を上げてやっており、そこに頼みに来るというおかしくない展開。
「仕置人」はどうだったっけな。
今話では、後年の仕事人以降でよく使われた「江戸にはお金で恨みを果たす「○○人」という家業があると聞いております。どうぞこのお金で「○○人」を探してください」というような台詞が登場している(「仕留人」では初めてだと思う)。これなら不自然さはない。
さて、「仕留人」が出てきたと思ったら、ここでは「仕上人」という稼業も現われ、結果、仕留人対仕上人となっていく。
途中でりつが孕んだという件も挟み込まれる(これの結果は次回以降語られるのだろうか)

第18話 「世のためにて候」
前回糸井は二人を殺す。2回目の殺しの際、あやの簪を使う。これまでは三味線のバチを使っていた。そして今回は小間物屋に赴き、武器として簪を購入する。
「よろずひょうばん」という瓦版屋は「世のため人のため」という看板を掲げている。しかし、裏に回れば書かれたくなかったら庶民への謝罪として金を出せ」と脅し、拒否すればでっちあげの記事をこれでもかというほど書きまくる。このようなパターンの話はこの後もよく出てくる。逆に瓦版屋が真実を描こうとして権力者から邪魔されるような話も散見できるが。

第19話 「乗せられて候」
今回の糸井の殺しは新兵器なのか、ワンタッチで刺し道具が出てくるような道具を使っていた。
糸井が蘭学を学んだ時代の旧友と再会。彼は日本を出てオランダへ行こうとしている。一方主水は糸井が仕事を抜け、外国へ行きたいという意向を知り、50両を作ってやろうと三州屋が抜け荷をやっていると睨み探る過程で捕らえられ井戸(枯れている)の中へ放り込まれる。
糸井の友達の妻が身体を売り50両を作り、彼はその金で旅に出ることになる。身体を売った相手は三州屋。その金が戻ってきたことを確認。出航となるが、役人がやってきて、友達は斬られてしまう。三州屋は役人と裏でつながっていたのだ。
それを見ていた糸井の話を聞き、三州屋をやることにする。大吉は殺した相手を井戸の中へ投げ込むと主水「先客がいるんだぞ」。助けられた主水はへとへとの身体で三州屋と役人が飲んでいるところへ斬り込み役人を斬る。三州屋は3人に囲まれ嬲られ最後に糸井に止めを刺される。
この最後のリンチのようなやり方、やられる三州屋が憎たらしいだけに、スカッとする。
途中「仕留人の掟」がどうのこうの言い出す場面がある。初回でなんとなく仕留人グループができあがったという過程があり、昔からあった稼業の掟のように言うのはちょっとおかしい。
あやが死んでからの糸井は明らかに変わってきていて、作品に深みを加えている。

第20話 「一途にて候」
笠井新兵衛 - 小林昭二

奉行所内での話。父親が殉職し息子の加納一平が後を継いで奉行所に入った。この一平が正義感の塊で不正の横行している奉行所では扱いづらい存在。与力の平田(叔父が奉行)はなんとか懐柔しようとするもはねつけられる。
笠井は一平の父とも同僚だった同心で一平を子供のころからよく知っており、娘も一平を好いており、将来の夫婦約束もする。
実は一平の父も同じような性格で平田が惨殺したのであった。見かねた笠井は奉行に直接書状を持って意見を具申しようとするが、そこに現れたのは平田。叔父は病気でと嘯き、平田の行状が書かれている書状を見て、笠井は切腹ということで始末される。そして一平は平田に呼び出され、一平の不正を糾弾する投げ文があったと言われる。しかもその文は平田が捏造で書いたものだといいうのだ。ここへきて、真実をすべて知り刀を抜くが、奉行所内のことで、斬り捨てられる。
主水は平田から一平を懐柔するようにと渡された五両で仲間に仕事を頼む。
一平が正義感の溢れる若者として描いているのだが、ちょっと直球過ぎて鬱陶しく見えてしまい一平に感情移入できにくいのが難点
笠井が奉行に申し立てるところは見所。だがちょっとよくわからない場面でもある。
奉行を待つ笠井の前に平田が現れ、笠井が絶望の表情(ここがすばらしい)。平田「かめ腹を切っての具申。よほどのことのようだな」(「かめばら」と聞こえた、意味はわからない)。そして訴状の最初を読み上げる。無念そうににじり寄る笠井だが、力尽きる。平田は目で合図し、入ってきた同心たちが、笠井に刀を持たせ切腹の所作を取らせる。ここでわからないのは、かめ腹を切るの意味と、平田が訴状を読み上げてるときにすでに笠井が腹を切っているようであること。平田の合図で入ってきた男たちに無理やり切腹させらたのではないようなのだが、これは奉行が来たとしてもすでに切腹をして具申書を見せるという作法なのだろうか。
また二つの「必殺」の根本的なことについて考えてしまった。
一つは、この話は奉行所内での内輪の話である。これを序盤で主水が仲間たちに話して同情してもらい仕事に持っていこうとしているのである。この回は、「そんな話持ってこられても」と皆に断られるのだ。これは正しい反応だろう。ただ「必殺」において結構多くの話が、なんでそんな話を持ってくるのだろう、そしてなんでそんな簡単に話に乗るのだろうということが多い。正義感だろうか、そもそもしょっちゅう世間話でもするような仲なのだろうか。ここら辺はシリーズごとに異なる部分でもあり、元締いるような話ではあまり発生しない。仲間内で仕事を探すようなシリーズに多い。懐が寂しいからと裏の仕事を探すようなふるまいはいかにも「必殺」の世界観で仕事人の性格に合っていると思う。また、自分がわざわざ拾うでもなく、行き当たってしまい、断りようもなく仕事を受けるというパターンもドラマとしてうまく成立している。しかし、今回のようにわざわざおせっかいにも顔を突っ込むような話はちょっと釈然としない。今回の話はあくまでも仲間が一旦断ってるのでそこら辺はうまく処理していると思うが。結局「必殺」の世界観、なぜ人殺しをするかという問題に帰着する。金稼ぎの為でもあるがそれだけでない、「世のため人のため」にならないやつを殺すという仕事人側が善悪判断をするのであるが、それが前面に出すぎると、お前らは神かよとか結局個人の好き嫌いの問題ねと言われかねないのでそこらの微妙な按配が必要である
もう一つ、主水が仕事に入る前にこんなひどいやつはどう料理してやろうかというようなことを言う。「必殺」の仕事の場面は一番の見せ場で色々な演出がなされているが、これって打ち合わせなしではとてもやれないよなって思うようなものもしばしば。ただ対峙して切りあうとかは問題ないが、例えば二人以上の連携で殺す場合なんかは見た目は素晴らしいが、本来仕事人同士が「おまえがこうやって、相手がこうなったところでオレが出て行って」とか打ち合わせしてるはず。それが今回こういう台詞を聞けたことで打ち合わせやってこういう風になってるということが自分なりに確認できた。まあ考えてみれば当たり前か。今回のではおきんが大吉を連れての大芝居。そしてその餌に釣られた不良同心を主水が斬るという演出
せんが主水に「種なしかぼちゃ」とののしる場面あり。数回前の妊娠の話題はここで決着

第21話 「仏に替りて候」
歌川秋水 - 藤岡重慶
雅楽堂 - 今井健二
井戸対馬守 - 外山高士
留吉 - 綿引洪
釘六 - 志賀勝
外山高士、綿引洪、志賀勝の3人は必殺でよく見る顔。
絵描き・歌川秋水とそのバックの雅楽堂、そして北町奉行の井戸対馬守の悪巧み。

第22話 「怖れて候」
熊蔵 - 山谷初男
儀助 - 柳生博
秩父の熊蔵が2年前に、材木問屋・檜屋の夫婦連れを襲い、旦那を殺し妻を自分の女として軟禁している。それを助けに来た檜屋の大旦那の父親と大吉は知り合い、なんとか助け出すのが、熊蔵は執拗であり、また現在檜屋の主人となっている儀助(大旦那の義理の弟)は自分が檜屋当主になるため、熊蔵に襲わせた張本人だった。
主水は仕事料を受け取るがなぜか仕事に参加をしない。
大吉が熊蔵を左手で仕留める。これを見て初めて気付いたが、大吉の技は心臓を鷲掴みにするというものなのだな。レントゲンの写真で心臓を掴むところが映っているのだ。今話では熊蔵を仕留めようと技を繰り出すが、骨ばかりしか掴めず、「やつは心臓が右側にあるのか」という台詞後、左手で右にある心臓を掴むという演出。これまで大吉の技は仕置人の鉄と同じように骨をどうにかするような技だと思っていた。
その場面で檜屋の未亡人に仕事の場面を見られているが、なにも対処せずそのままエンディング。

第23話 「晴らして候」
直次郎 - 石山律雄
湊屋郷右衛門 - 西山嘉孝
おその - 大谷直子
佐吉 - 小坂一也
海産物問屋・湊屋を抜け荷で調査していた与力の原が家族諸共殺され佐吉が捕らえられる。妹・おそのが無実を証明しようと奔走。佐吉が当夜出会った大吉に助けを求めるが、大吉が佐吉と会ったのは殺しの仕事をした後で証言するには都合が悪い。しかし、その佐吉の件を調べていくと、南町の与力・間宮伝九郎と湊屋はつながっており、湊屋が与力殺しに関わっており、佐吉に罪をかぶせようとしていることがわかる。
直次郎は佐吉の無実への希望を打ち砕くために投入される証人。貸し本屋で佐吉の無実を証言するとおそのに言うが、お白州で証言を翻し、おそのに脅されたと言い出す。それを見てついに佐助は嘘の自白をし処刑される。
ここでもなぜか主水は仕事の殺しに参加しない。しかし、仕事に入る前にひとり殺している。大吉の家で仕留人3人が集まり、事の真相を話している最中、間宮の手下の目明しが大吉を探りに来るのを殺すのだ。
そこへおそのがやってきて仕事を依頼する。
「必殺」における展開で依頼人側(被害者側、悪人にひどい目にあう人々)が全員殺される、もしくは死んでしまうというのがひとつのパターン。今回の話ではそうならないが、例えばおそのが佐吉の処刑を聞いて自害してしまうとか、間宮が口ふさぎに殺してしまうとか、そんな展開はよくある。
今話では死なずに済む。そして、殺しを終えた大吉らが彼女に目配せをするという場面で終わる。どちらかといえば、こちらの方が好みの展開。被害者が殺されてしまうのはわかるが、その後生き残れそうなのに死んでしまうのは如何にも残念なのだ

第24話 「嘘つきにて候」
これは出来が悪い。しじみ売りの少年・佐助、16歳くらいだろうか。正義感に溢れる善人として登場し色々騒動を起こすがこの行動がなんとも理解しづらい。
米問屋の備前屋・大八が火事で焼け出された人に施しをやっているところに佐助がやってきて、大八に「あなたのように立派な人になれるか」と聞くと、大八は「勇気を持ちなさい。本当の勇気とはひと様のためになにかができるということだ」と言われる。
しかし佐助がチンピラに追われている女を助けようと刃向かいボコボコにされているところに、大八が通りかかり助けを求めるが知らんふりをされる。
佐助が備前屋に押し入りしじみをばら撒き暴れる。そして幽閉されている備前屋の女将を連れ出し自身番へ立てこもる。この備前屋へ暴れこむ動機がわからない。そしてそれを止めようともせず我慢している備前屋も。
自身番で女将から「逃げられるものなら逃げて、幸せになって」とお金を渡される。これもダメダメ。まわりを取り囲まれてるのに「逃げられるのなら」って無理無理。それで何の役にも立たないお金を渡されても。
しかし、佐助は逃げ出し、大吉の家へ押し入る。そこへ仕事人仲間4人(おきんも含めて)が集まり、佐助の話を聞く。佐助の話では、自分に綺麗事を言いながら、自分が困ってるとき助けもしなかった備前屋に腹が立った、そして女将を連れて立てこもったのは、周りが騒ぎ出して何がなんだかわからなくなったとのこと。また、佐助はそこで主水から女将が殺されており佐助がやったことになっていることを聞く。
佐助は女将へ謝りたいとそこを飛び出し自身番へ行く。主水は佐助がそこを出ると捕まることがわかってるのに本気では追わない。主水が自身番へ着くと佐助は殺されている。備前屋大八にも切りかかったというのだ。
主水が大吉の家へ戻り話を整理して真相がわかってきた。岡っ引き・虎松、夜鴉の三次、備前屋の抗争に巻き込まれたということなのだ。
殺しの場面がやけに長いが、これも内容が薄いために見えてしまう。
なぜ女将が幽閉されてるかも特別な説明がなく、薄っすらと想像するしかない。

第25話 「晒されて候」
お陽 - 中村玉緒

お陽は主水と旧知の間柄(根津の岡場所で主水が夢中になった女郎)で今は米問屋・越後屋の女将。亭主はすでに亡く、なさぬ仲の娘がいる。娘がした借金を盾に大島屋・義平次の乗っ取り工作が行われる。信頼していた番頭・荘助もその一味だった。

第26話 「拐かされて候」
松五郎 - 堺左千夫

筧弾正は元武士で今は大道芸人として「蝦蟇の油」を演じている(冒頭がそれを演じている場面)。
その娘を奪おうとしているのが小日向の親分・松五郎。北町の与力・名島、岡っ引の屑伝と組んでの悪巧み。時折「必殺」である仕事人グループが追い詰められる話。

最終話 「別れにて候」
松平玄蕃の娘 - 西崎みどり
松平玄蕃頭 - 戸浦六宏
鶴吉 - 浜村純

第26話と構図が多少似ている。飾り職人の鶴吉が松平玄蕃頭とその手先の根岸屋によって家を立ち退きさせられ、殺されてしまう。娘が根岸屋の手により松平玄蕃頭に差し出されるという展開。
松平玄蕃頭は開国派として糸井が政治的に支持している存在でそれが故仕事をしくじり死んでしまう。
西崎みどりはあまり出番がない。糸井に絵を教わっているという役柄。後年必殺にレギュラーで何度も出演しているがそのときよりやはり若い。当たり前か
ラストでは父の死で、西崎みどりは巡礼の旅に出る場面。この場面と同時に主題歌(西崎みどりが歌っている)が流れる。後年の必殺では最終回がまだ本編の最中から流れ出しそのままキャストクレジットに流れ込むというパターンがよく見られたが、ここでは、そのまま流れ込まず、一旦違う音楽(仕置人のオープニングテーマ)とともに仕留人3人の顔が映る場面が入り、その後通常通りに主題歌&キャストクレジット。
最後の仕事を終えた後の場面が多少長すぎる感じもする。

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助け人走る [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/04/10(金)から05/29(金)まで全部で36回(全36話なので全部放映された)

レギュラーの助け人グループが田村高廣、中谷一郎、津坂匡章、野川由美子、宮内洋(中盤から加わる)、山村聰。
津坂匡章、野川由美子は3シリーズ連続、山村聰は「仕掛人」以来、田村高廣も「仕掛人」で重要なゲストとして扱われていた。そして水戸黄門の弥七・中谷一郎となれば、相当に安定感のある陣容。
山村聰が演じるのは、「仕掛人」とときとかなり似通った口入屋。大工もやっており、文十郎、平内、利吉たちからも棟梁と呼ばれる。
助け人とは金をもらって仕事を請け負うことを「人を助ける」という意味合いで使っており、口入屋が派遣する日雇い人夫がこう呼ばれている。つまりは表の仕事としての呼び名。その言葉を彼らが行っている裏の仕事にも援用し「(裏の)助け人」と呼んでいる。
この作品では裏の仕事のことを「仕事」と呼んでいるようだ(仕掛人、仕置人だとそれぞれ「仕掛け」「仕置き」と呼んでいた)
宮内洋って「太陽にほえろ」のボンかと勘違いしていた。面影がまったくないので調べたら、あれは宮内淳か。これまでの作品の登場人物になぞらえると「仕置人」の錠タイプ。あれもあまりうまくキャラクター設定できていないように思ったが、こちらは途中からの登場ということでほとんどうまく使えていない。殺し技がプロレスのブレーンバスターもどき。必殺ならではおふざけでこれも個人的にはあまり好きでない。
文十郎の妹・しのが途中から仲間に加わるとあり、あまりこういう天真爛漫妹キャラは仕事の仲間に馴染まないのではと思っていたが、あまり重要な役割でなく、ちょっとした連絡のつなぎ程度であった。
また清兵衛退場後、利助が元締的役割になるがこれは「役不足」か。役不足という言葉は議論によくなるね。これも使い方が間違っていて、「力不足」の方。これは利助演じる津坂匡章がどうこうという話ではなく、利助が元締をやることが「力不足」。でその力不足な感じをからかわれながら勤めてるという面もなくはないがなんとも中途半端で、ちょっと馴染まないように見える
ナレーションは山崎努。ナレーションは冒頭とラストに流れるというのは「仕置人」と同じ。
主題歌、森本太郎とスーパースター「望郷の旅」。ふと疑問に思った。演奏は当然このバンドなのだろうが、今作品も音楽担当は平尾昌晃。殺しの際のテーマ音楽やその他の音楽でもこの主題歌のアレンジバージョンが使われてるが、こちらは平尾氏アレンジということのなのだろうか。

第1話 「女郎大脱走」
女郎の足抜けの話。前作「仕置人」の第1話と同じように、第1パートで、今回の話の発端となる女郎の吉原からの脱走が描かれ、第2パートの冒頭でレギュラー陣の紹介がてら、次々と画面に登場する。
女郎の話だからであろう、投げ込み寺として有名な浄閑寺が出てくる。
正司照江がチョイ役。序盤、文十郎の口入屋からの派遣先の頼み人。

第2話 「仇討大殺陣」
仇討をめぐる話。
ウィキにある以下の場面が冒頭
--第二話では高田馬場の決闘に加勢した中山安兵衛(演者は田村の父・阪東妻三郎、映画からのフィルム流用)の似顔絵を見て、「どこかで見た顔だな」と発言している--
志村喬がメインゲストで大田原帯刀役。仇と狙われているが、これは誤解によるものと説明されている。大田原帯刀は清兵衛と長いつきあいがあり、ゆえに清兵衛が金を出しての仕事。
大田原帯刀への仇討の際の助太刀が15人来るので、それを始末するのが仕事内容。

第3話 「裏表大泥棒」
今戸の嘉平 - 石山健二郎
岩切半次郎 - 東野英心(東野孝彦名義)
大倉屋藤右衛門 - 高木均
伊太八 - 志賀勝
清兵衛が今戸の嘉平から裏の仕事を頼まれる。大倉屋が茶碗を大名に貸したが返してくれないので取り返したいので盗み出しほしいというもの。
一方文十郎の妹しのの茶店でいつもだんごを食べているお侍・岩切半次郎はどうやらしのに惚れている様子。文十郎は諦めさせようとしたが、話をしてみて一転、半次郎を気に入り、しのと結婚させようとする。
その半次郎が実は先の仕事で出た大名の家来。仕事は利吉主導で難なく上手くいくが、その責任を取るということで半次郎は腹を切ってしまう。
さて色々調査をしてみると、先の仕事の「大倉屋が茶碗を大名に貸したが返してくれない」というのが嘘のよう。
清兵衛が今戸の嘉平と対峙し事の真相を質す。嘉平は大倉屋に騙されたと知り、用心棒・伊太八を連れ大倉屋に乗り込む。金で命乞いをする大倉屋。そしてその金に目がくらみ、伊太八は嘉平を切る。
清兵衛は文十郎と平内を伴い、大倉屋と伊太八を始末する。
清兵衛の娘夫婦とその子供らしき人が出てくる。

第4話 「島抜大海原」
捕らえられ島送りになった女を島抜けさせ助ける話。御蔵島が舞台
当時の流刑地としての島というのはどういう管理になってたのだろうと思った。自由がないようなこと言うわりに自由に動き回る描写はあるし。島民と流刑者の関係はどうなのか。看守にあたる人はいないのか。
話としては盛り込みすぎのところが多少ある。例えば、赦免にならず首吊りする流刑人がいるが、それ以前に話に出てきた人だろうか。多分出ていない人だと思うが、先になにかこの人が赦免を恋焦がれてる様子があると良い。文十郎を慕う島の女が出てくる。これもそうなっていった経緯の描写が弱い。しのが兄を心配する描写が前半にあるが、できればラストで江戸へ戻った文十郎との再会がほしい。
必殺では割と女の裸を出していたように思うが、この作品ではそれが出てくる。今まで見たうちでは、この作品が最初となる。
島の名主として花沢徳衛

第5話 「御生命大切」
津川雅彦がゲスト。辻斬りのリーダー。話の筋としては、その辻斬りに襲われたことから藩での立場がなくなり、策を弄して助け人に力を借りるおこうと圭介(おこうが圭介の家の女中)のほうがメインに見える。
津川は演技としては見せ場はあるが、物語の中でのキャラクターとしては大物俳優を迎えた割りに印象が薄い
為吉が初登場。利吉は出てこない。
お吉が裏の仕事のことを知ってしまい、仲間になる。その他見せ場が多い

第6話 「上意大悲恋」
利吉と為吉が初競演。しのがストーリーに大きく絡む初めての作品。
あずさ - 田島令子
津島小一郎 - 山本紀彦
田島令子という人は必殺に結構たくさん出ていたと思う。
殿様の側室であるあずさと津島小一郎が藩屋敷から逃げ出し追われている所に文十郎は出くわし、助け家へ連れ帰る。事情をどうしても話さない彼らを清兵衛も加わりなんとか話をさせてみると、なんとあずさと津島小一郎は幼いころから両家公認の許婚。それを殿様に取られたという。同情し、なんとか逃がせはしないかと計画を練るが、あずさの妊娠(殿様の子)を知り小一郎が激昂。お助け計画は水の泡。
結果二人は殿様に殺される。助けられなかった助け人たちは、恨みを晴らそうと殿様宅に忍び込む。
「三度の飯より煙管が好きで、標的を目の前にしながら傍にあった高級品の煙草に手を出したり」(wikiより)。この場面はこの作品での最後。殿様の寝所に忍び込んだ平内がやらかす。それを文十郎が助けるのだが、この場面は文十郎をここに絡ませるためだけの演出。平内がそれに目もくれずに殿様を殺してしまえばいいだけのこと

第7話 「営業大妨害」
女郎・お浜から自分を邪険に扱う男を懲らしめてほしいという依頼。行って話を聞いてみると殺すんじゃなくてあくまでも懲らしめ、頬を二、三回ひっぱたくだけでよいという。
その男・勘次のところへ行ってみると大勢の子供に囲まれて悪いやつではなさそう。外に出て依頼の仕事をしようとすると腕っ節は強く平内は組み伏せられてしまう。話を聞いてみると女衒がそれなりの仕事をしてるだけとのこと。
そんなこんなで別れ家へ戻ると、文十郎はおきんにそんな場所(岡場所)で何をしてたんだと問い詰められ、報酬を取り上げられてしまう。
そんな折、お浜が自害したという話が舞い込む。
金がない平内と文十郎、一計を案じ、岡場所に住み込んで助け人の仕事を内職でやろうということになる。ここで平内は長屋のものを集い、岡場所へ繰り込む(この辺りは落語「居残り佐平次」。ところどころの台詞にもそれの引用らしきものがいくつか)。居残りの罰で樽のなかに押し込められ晒し者にされる。この晒し者にされた平内び月々の集金に訪れた平内の嫁・綾は樽に押し込まれてるのもお構いなしに日常の話を平然と続ける場面は見もの。
女郎の自害が相次いでおり、それを勘次の女・お駒は女郎を自害に見せかけ(書置きを残す)て殺しているのではと怪しみ、勘次に話す。。勘次はそれを文十郎と平内に話す。どうやら、その店の金主・唐津屋が怪しそうだ。そこへお駒も自害を遂げたという報せがあり、すぐに駆けつける。周囲を探し回り、唐津屋が黒幕であったことを知るが、返り討ちにあい殺されてしまう。死の間際、駆けつけた文十郎、平内は仇を討ってくれと頼まれ、仕事を決行する。
ラストは勘次の子供(火事で焼け出された子供を引き取っているうちにどんどん増えた)たちの世話を清兵衛から頼まれ、自分を通さない仕事は止めておけと軽く忠告される
お浜 - 京唄子
地回り富造 - 江幡高志。平内が「居残り」をやってるときの岡場所側で対応する役
唐津屋 - 西山嘉孝。なぜかキャストクレジットでは近江屋となっていた

第8話 「女心大着服」
おてい - 吉行和子
長次 - 寺田農
大沢 - 松山照夫
島屋佐平 - 岩田直二
富小路検校 - 秋山勝俊
おていは飛脚の島屋で働く女。先代の番頭の娘で店の信頼を得ている。彼女が水の凍ってしまった氷を店の前の道へ投げ捨て、それに駕籠かきが足を滑らせ、乗っていた検校が激怒するというのが発端。この検校はもう見るからに悪人という描かれ方。
検校が島屋におていを差し出せの金を出せだの無理難題。頼みの筋はそれを止めさせてほしいというもの。こんなもん殺しちゃえばいいのにと思うが、文十郎のせりふでは「斬るわけにもいかないし」と。
ところが文十郎たちが待ち構えているその場所で一足早く検校は殺されていた。居合わせた文十郎が疑われる。ここで清兵衛が出てきて、死骸の斬り方を見ると、斬ったのは左利き、文十郎は今見たように(この前に突如文十郎になにかを投げて払わせる)右手で払ったから右利き、下手人でないことはおわかりでしょうと悠々と番所を退散してしまう。そんな簡単に嫌疑が晴れるのかよと思う。
おていが善人で検校が大悪人という話かと思いきや、序盤であっさりと検校は殺されて、次の展開へ。
物語は典型的な色男とそれに貢ぐ女の話
大筋はおていが店の金をちょろまかし色悪の長次に貢ぎ、騙されても騙されてもそれを続け、店にもばれて行き場所がなくなり、長次はおていに使い道がなくなったと女衒に売ろうと策略し、という展開。
店にばれたところで、再度清兵衛に島屋からの依頼。金を持っていなくなったおていを探してくれというもの。
おていが売られていく女衒の家に張り込んだ助け人が長次とその相棒・大沢を殺す。為吉が来て、おていを連れ戻そうとするが、文十郎はそれを止める。家の中から悲鳴。おていは自害していた。
これじゃおていを探すという依頼は成し遂げられていないような気もするが。
長次の職業がよくわからない。父親と呼ぶ人と大勢で宴会をやってる場面があるが、あれは実の父親なのだろうか。昔、島屋に勤めていたのと、おていは一度街で助けたことでつきあうようになったとは言っていたが。
寺田農の色悪を気取る芝居が気持ちよいくらいに典型的。吉行和子の中年に差し掛かった女の寂しさも同様。
松山照夫、岩田直二、ともに後年の作で印象深い役をやっていたはず。
岩田直二はウィキにない。検索すると、2006年に亡くなったという記事が出てくる。関西芸術座演出家とあるが、この人だろうか。

第9話 「悲願大勝負」
将棋が題材。名人といわれる宗雲だが、玉井にはそれが認められない。それを口にしたことで陰謀により島送りになった経験もある。江戸へ戻り市井の人間になってもなお将棋への執念がある。
この宗雲だがはっきり悪とは描かれず、むしろいい人っぽいような描写もある。クライマックスの対局で勝ちが決まったときの表情など。であるからか最後復讐の対象になっていない。復讐の対象になるのは宗雲の取り巻き(父と後ろ盾になっている男かな)
玉井市左衛門 - 北沢彪
宗雲 - 神田隆
お初 - 今出川西紀
烏丸卿 - 柳生博
なかなか良い出来。今出川西紀が上手い。終盤の文十郎が変わって指し手になり、伝令を出して対局を進める場面はリアリティなさすぎ、というか、それが許されるんなら、もっと近場にいてもらうなり、むしろ対局場に来てもらい、口頭で指し続けるのも許してもらえるのではないかと。
※追記20180726
文十郎が差し手を紙でもらって対局を進めるのだが、「成り」という書かれた紙を見て「なる」という字が違っているという場面があるが、合っているはずだが、なんかのギャグか
また、この話全般で対局することを「試合」というのが言葉のチョイスが間違っているようで嫌だ
※※さらに追記
「成り」の件。「三七桂成り」と紙に書かれており、文十郎が「なりという字間違ってるぞ」と言うのだが、その後駒を動かすものの「成り」を知らず、紙を渡しに来た利吉に「成り」を促される一幕がある。ということから考えると、「成り」を「なり=である」ととって、「三七桂なり(=)ある)」と読んで、上記指摘をしてるのかもしれない

ラストの殺陣での文十郎が良い。また大ラスト、しのの憎まれ口に対する文十郎、平内のおどけた顔も。
脚本がなんとジェームス三木。これまで監督、脚本とも、有名どころが出てきても、それを書き出すと止まらなくなりそうで、書いてこなかったが、これはちょっと意外で一応記録しておく。

第10話 「水中大作戦」
嫁を殿様・高久に取られた村越重蔵(演・山本学)。15年後、病気との噂を聞き1嫁を助け出そうと清兵衛に依頼。助け出したものの、身体が持たず亡くなる。重蔵も高久に斬りかかり磔に。子も高久に敵討に出かけ返り討ち。
重蔵の手紙の依頼により、高久を平内が討つ。
ちなみにその後(メインの仕事終了後)、お吉の文十郎のじゃれあいで本来なら明るめの音楽でラストなのだが、文十郎の活躍が少なかったためか、文十郎がお吉にちょっかいをかける同心を殺す場面があり、そこでも殺しのテーマ音楽が流れる。これは蛇足だな

第11話 「落選大多数」
富くじをめぐる話。
最初、平内がくじに当たった弥助(演・高品格)から用心棒を頼まれ清兵衛を通さずに仕事を受けてしまう。綾に月々の集金を頼まれちょっと目を離した隙に弥助は殺されてしまう(この回の綾とのやりとり(2回ある)は笑わせる)。
弥助殺しを疑われた喜八。嫁のおくには救い出すよう助け人を依頼。今から助けに行こうという刹那、喜八は取調べで拷問が元で殺害されてしまう。
調べてみると、寺社奉行岩間山城守(演・藤岡重慶)を黒幕とする富くじの大規模な不正が行われていることがわかる。再度のおくにからの依頼で、岩間たちを殺害する。

第14話 「被害大妄想」
なぜか話順がここで第14話に飛ぶ。
軍兵衛 - 河原崎次郎
中尾主膳 - 浜村純
中尾軍兵衛が妻を切ってしまい、それを隠すため、父親・主膳は用心・内藤を切り「不義密通」と届け出る。
内藤の妻は病弱で、平内を助け人として呼んでおり、中尾家から帰らない内藤を心配し、様子を見てきてほしいと頼む。その平内の留守中に内藤が主人家に不都合を起こし成敗されたことが手紙にて知らされ、内藤の妻は自害する。
一方、軍兵衛の妻の弟・吉武兵馬も不義密通ということに疑問を持ち、当夜の晩に偶然軍平衛と出くわしていた文十郎を訪ねて来る。お吉が料亭で軍平衛のいる宴席に出て、その後文十郎とお吉が二人でいる部屋に、軍平衛が酔って乗り込んできて、それを兵馬が止めに来ていたのだ。
さて、その兵馬からの依頼は清平衛を通さないお助け稼業なのだが、それがバレたとき、清兵衛は軽くたしなめる程度でほぼ黙認。前回では、二度とやるなと言っていたのに。この場面で清兵衛が大工仕事をやっているが、清兵衛が大工であるこういう描写は初めてでないだろうか。殺しの場面などでノミを持ってるという場面はあったが。
兵馬も中尾側に殺されてしまう。また内藤の残された幼い娘(この子役は当回で大活躍)が、お守りにしまってあった母親からの手紙を持って清兵衛を訪ねて来る。そこには夫の敵討を頼むとあり、助け人たちは、中尾を討ちに出る。
※追記 2018/07/28
清兵衛が助け人の仕事を「世のため人のためになる仕事だけを確かめて受けるように心がけてる」と言っている。これは「必殺仕掛人」の音羽屋の決まり文句だが、清兵衛も言っていた。
また、文十郎、平内が清兵衛を通さずに内職をしていることをあまりとがめていないが、確かこのシリーズの前のほうで同じことがあって「今度やったらただじゃおかない」みたいなことを言ってたはず

第13話 「生活大破滅」
小堀三郎太 - 小林昭二
和泉屋平造 - 浜田寅彦
依頼は小堀の嫁からで、小堀を妾と別れさせてほしいということ。その小堀は職を利用して藩の不正にも関わっていたが、それは和泉屋たちの陰謀でもあった
話の多くの部分が小堀夫婦とそれを取り巻くことで助け人の出番は少ない

第12話 「同心大疑惑」
主水がゲスト。本放送の放映日が1974年1月5日。お正月スペシャルといったところか。いくつかの場面で正月らしい風景もある(ラスト、往来での演芸(三河万歳かな)など)
主水は今シリーズのメインである文十郎、平内、清兵衛の各々とたっぷり芝居する。今回、文十郎の出番は少ないが主水と一騎討ちの場面あり
そして、もう一方で平内と同じ長屋のおようをめぐるストーリーが絡む。
主水は清兵衛に一枚噛ませろと迫るが、奉行所の表の仕事として、おようを脅していた音吉が属している盗賊の夜走りの参蔵が行う仕事の一件を話すことで取引する。

第15話 「悪党大修業」
加藤嘉がメインゲスト(さそりの銀平)。
夜になると押し入り強盗をやってしまい、朝になるとそれを覚えていないという夢の病を持つ弥助が姉お軽とともに清兵衛を訪ね、夜にいつの間にか出歩くのを止めてほしいという依頼。
一方、銀平はかつて「さそりの銀平」として盗人として名を馳せた。当時は清兵衛も「まぼろしの清兵衛」で両者並び立っていた。
弥助とお軽はみなし子でかつて角兵衛獅子の親方に育てられていたが、盗み業も強要されていた。その角兵衛獅子の親方こそさそりの銀平であった。

第16話 「掏摸大一家」
およう - 鮎川いづみ
お島 - 白木万理
板前の定吉 - 松山省二
岡っ引きの仙八 - 加藤武
なげ込みの辰次 - 谷村昌彦
お浜 - 正司歌江
かなり豪華なゲスト陣。必殺ではおなじみ、鮎川いづみ、白木万理が出演。
岡っ引きの仙八は掏摸グループの親方。およう、お島、お浜はその一味。
おようは定吉と好きあっており、そのため掏摸グループから抜けようとしている。お吉の店の料理人が定吉でお吉の紹介で定吉が助け人を依頼する

第17話 「探索大成功」
お松 - 入江若葉
そば屋の兼吉 - 島田順司
次助 - 内田勝正
発端は金倉破りの押し込み。これは失敗に終わり、町方に追われる。一方、文十郎と平内、お吉は兼吉のそば屋でケチな食い逃げをやらかす。お吉は逃げ切れず、後で払うということで解放される。文十郎と平内は金倉破りを追っている町方から間違われ捕まってしまう。
押し込みの一行は次助を頭とする5人組。彼らは逃げ場を失い兼吉のそば屋へ押し入り、2階でほとぼりが冷めるのを待つことにする。次助と兼吉は、10年前に緒に佐渡金山から島抜けをして、民家に押し入り大工の旦那を殺したという過去を持つ。大工の嫁・お松は次助たちが連れて逃げ、兼吉は一行と別れ、そこの家の息子・弥吉を罪滅ぼしの気持ちからか、拾って江戸へ連れてきて育て、今は呉服問屋へ奉公にやっている。
お松もようやっと次助たちから逃げ出し、江戸に息子がいると聞き、江戸に出てきて息子を探しながら身体を売って生活している。ひょんなことから平内と知り合い、平内はお松を助けようとする。
兼吉、弥吉の因縁を知り次助はお松から金をふんだくろうとたくらみ、弥吉をそば屋の2階に監禁する。兼吉は清兵衛になんとかしてくれと助けを乞う。
仕事の場面はちょっとおかしい感じ。文十郎、平内、お吉が仕事に取り掛かり、お吉がおとりになるという段取りなのだが、お吉が兼吉の策略を聞くのはその段取りを決めた後。なのに、なぜか段取り通りかのように助け人たちが所定の場所で仕事をする。
またラストでお松と弥吉が再会するのはいいが、兼吉と弥吉のその後に触れられないのはちょっと残念

第18話 「放蕩大始末」
大工の平八 - 遠藤太津朗
お咲と丈太郎は好き合ってるが、侍二人にお咲が暴行されたことを機にギクシャクしている。お咲の父親・平八は清兵衛と昔なじみ。その話を聞きその暴行した侍を探すよう清兵衛自ら助け人に頼む。侍二人は旗本の放蕩息子たち(浦部伸吾、近藤数馬)であることがわかり、清兵衛はその父親たちに平八に金を渡し示談にするよう促す。
その父親たちは金を渡しはしたものの、平八が島帰りだということを掴み、それを息子たちに話してしまい、その息子経由で丈太郎に話が伝わってしまう。そのことで丈太郎の叔父(丈太郎の世話をしている)は結婚の約束を反故にしてしまい、それを苦にお咲は自害してしまう。
浦部伸吾、近藤数馬、さらにその悪友の内堀彦太郎が、今度はおしのを襲い、それに割って入った平八は殺されてしまう。助け人たちは彼らを始末する

第19話 「世情大不安」
高坂(こうさか)多聞(演・犬塚弘)は仇を追っている侍だが、腕が弱く、仇討ちにも消極的。口八丁で生きている喜劇的人物。狙う仇・片桐源次郎は三州屋の用心棒。
一方江戸の街は極端な物質不足と値上がり。その背景には三州屋を始めとする商人たちの売り惜しみ
殺しの場面では平内が煙管から手を離してしまったせいもあり、文十郎から受け取った短剣で、文十郎が平内の煙管で行う

第20話 「邪恋大迷惑」
音羽の萬蔵 - 伊藤雄之助
磯矢新七 - 今井健二
おさよ - 吉田日出子
今井健二と田村高廣が睨み合う場面、ラストの殺陣と見せ場
おさよと仙八夫婦と萬蔵の因縁にかなりの時間を費やす。島帰りの仙八の嫌がらせを執拗に行う萬蔵。その後ろには同心、磯矢もいる。結局仙八は萬蔵に襲い掛かり再度島送り、おさよは萬蔵とのもみ合いの最中お湯をかぶり失明。その後おさよは復讐を誓い針を覚え、萬蔵を襲うものの返り討ちに。
そこで助け人が。
島帰りの龍が初登場
テロップでふさわしくない用語があるがオリジナルどおり放送する旨表示。どれがその言葉かはわからなかった。にもかかわらずこの話でも音声カットはあったが。ちなみに他の回でも頻繁に音声カットはある。

第21話 「心中大悲憤」
しのの店に捨て子が。仕方なく世話しようとお吉が抱いて文十郎とともに歩いていると、市中引き回しに出くわす。子殺しの罪で磔にされるおわか。お吉の抱いている子供の泣いているのを見て、お乳を上げたいと役人に。お乳を上げるおわかを見てお吉はこれは何か事情があったのだと探り始め、矢崎雄之助に食い物にされていたことを突き止める
一方、その捨て子の母親・おすえが引き取りに現れる。このおすえも矢崎雄之助にいいようにされていた。
長らく出ていなかった(15-20話)利吉が久々に登場。また19、20話で登場しなかった清兵衛も登場。

第22話 「父子大相剋」
女が侍に切られ、そこへ走ってきて嘆く侍。ここが第一パートである。冒頭の30秒のナレーション部分を飛ばそうと30秒送りボタンを押したのだが、間違えて、再度押してしまったら、そこでタイトルになった。ということはこの第一パートは約30秒。とても短い。
その第一パートの事情は以下のとおり。田原弥一郎はたえとの仲を父・与左衛門に裂かれ、たえは与左衛門に切られた。
弥一郎には父が決めた結婚相手がいる。それは八洲屋の娘との結婚であるが、政略結婚の典型である、与左衛門は権力者であり昇進を狙い色々金が入用である。八洲屋は権力者に取り入り商売を広げようとしている。武家の娘として田原家に入れるため八洲屋の娘を一時養子にするのは金子新兵衛。金子は田原についていきおこぼれをもらおうとしている。
さて、たえには隠居と呼ばれる、今の当主の父親から許しを得た許婚・平三郎(演・石山律雄)がいる。
弥一郎にも好きな女と添えなかった悲しみがあるが、たえにもあるというのはなかなか重層的な内容。
弥一郎はたえを金子家から誘拐し色々策略するのだが・・・。
助け人への依頼は平三郎からのたえを奪い返してくれというもの。
津坂匡章にしばしば渥美清の喜劇テイストの影響を薄くではあるが感じていたが、ここでは「そこが助け人のつらいところよ」というせりふがある

第23話 「裏切大慕情」
呉服商美濃屋藤兵衛は石田という浪人を使い暴力沙汰、力任せに好みの女を調達している。
清兵衛への依頼はゆきという侍の女房からの自分を殺してほしいというもの。とてもじゃないがそんなもの受けられないと断るものの色々調べてみると、藤兵衛と石田の被害に逢っていたというもの。
綾がストーリーに少し絡む。これは初めてでなかろうか。平内から月々の金をもらい藤兵衛の店に行くと、目をつけられ石田から暴行を受けるのだ。しかし通りかかった龍に助けられ何事もなくすむ。龍は平内の嫁だということを聞き、助け料を平内からせびる。とまあ、これだけで大きく絡んではこない。ただ今作品はテーマが夫婦愛で、平内がしきりに橘一之進・ゆき夫婦を羨んでいることが強調されておりそういう意味では重要な場面ではある。
清兵衛はその仕事を受けるもののゆきを殺さずになんとか助けられないかと考える。平内が橘家を警戒し見張りに行くが、一之進は事情を聞きゆきになぜ自害しなかったと責め、斬ってしまう。夫婦が死なずに済むハッピーエンドにならなかったことに多少意外感。
平内に連れられ、石田と対峙する一之進。平内の助太刀を断り見届けるよう頼む。一之進は石田に斬られ、平内の介錯で切腹する。その際「ゆきが待っている」との台詞で、こういう風にエンドを持っていきたかったのかと納得
ラストの藤兵衛と石田の殺しの場面で石田と文十郎が対峙し、見事文十郎が斬るのだが、斬られた石田を龍がとどめを刺すがこれはどうみても蛇足。そういう場面を挿入したかっただけ。音楽も石田と文十郎の退治する場面が流れ、文十郎が斬る場面で一旦音楽が止まり、龍が出てくる場面でまた同じ音楽が再度始まるのはあまり良い演出ではない。

第24話 「悲痛大解散」
シリーズの転換点となる作品。為吉を利吉が殺しに行く場面が秀逸(結局は殺さずに短剣を独房に置いていく。それで自害を促しているのだろうと思ったが、自害をする場面はなく、どうやって亡くなったかは不明。牢で拷問を受け死亡というとこだろう)
この後、清兵衛は裏稼業から手を引き出番は極端に少なくなる。利吉が元締格になる。しのが仲間になる。という出演者の状況の変化に伴って作風が明るいものから暗いものになる。という変化があるようだ。
自分の見た感想ではあるが、ここまでずいぶん充実した内容でテコ入れのような転換をする必要を感じない。
勝手に推測してみると、今シリーズは26回の予定であったとのことで、このシリーズ転換の回がちょうど終了予定の回に近いことから、出演者のスケジュールの問題なんかもあったのかもしれない。清兵衛を演じる山村聰がこの後出演が少なくなっているし。で、元からの予定してたとおりの話で最終回のような展開となったのかもしれない。
まだしのが仲間になって以降のものを見ていないが、彼女を仲間に入れるのはあまり合わないのではないかと思う。
為吉は利吉とキャラクターとしてはかぶっており、それは「仕掛人」のときの千蔵、万吉のときと同じだ。
利吉を演じた津坂のスケジュールの関係だろうか、利吉は(第1 - 4、6、9、10、14、21 - 36話)、為吉は(第5 - 20話、24話)という出演になっており、利吉の不在を埋めるような格好で、競演の回は少ない。
利吉と同様、笑わせにかかる喜劇的演技もいくらかあり、そこは万吉とはちょっと異なるか。またこの回では殉職という大役で万吉よりは記憶に残るキャラクターとなった。
そう考えると、このシリーズはかなり「仕掛人」に近い。元締が山村聰で、似たようなことを言うキャラクターであること。剣豪キャラと坊主の2枚看板、野川由美子に津坂匡章。そして津坂匡章が演じる情報屋と同じ役割の弟分のような存在。
為吉の仕返しという意味合いで殺しを行うのであるが、よくよく考えてみると、仕事の定義からは外れている。そもそも違法の裏の仕事稼業。それを町方が探索するのは問題ではないこと。もちろんそれが悪いやつでないとドラマとして成り立ちにくいから、凄い拷問をしたり、人格的にも巨悪のように描かれてはいるが。

第25話 「逃亡大商売」
こうも変わるものなのかというほどに、ドラマは暗いトーン。
ゲスト・伊丹十三は逃がし屋・弥平次を演じている。町方に追われるなど身の暗い人間を江戸から遠くへ逃がす商売。しかし裏では町方とつながっており、獲物を見つけると、町方に売る。
ラストで弥平次を文十郎が殺す場面は見もの。腹に短刀を突き刺し押し捲る。襖を突き破って次の部屋へ、そしてまた襖を突き破って・・・。

第26話 「凶運大見料」
慶雲堂 - 芦屋雁之助
多吉 - 前田吟
おきぬ - 日色ともゑ
己之介 - 早川保
安 - 梅野泰靖
イマイチの出来。慶雲堂と己之介と安が組んで女を食い物にしている。慶雲堂は占い屋。占いは見てもらう人が悩みを打ち明ける。また占いを信じ込む人間に対しては占いで行動をコントロールできる。
こんな感じでかかった獲物を己之介と安とで金を巻き上げる
おそでとおきぬというのが騙される女。2つのエピソードのどっちが主なのかがわかりづらい。そもそもの依頼はおそでのもの(己之介を殺す)なのだが、討ち損じがあり、後半(第3パート以降)でおきぬのエピソードが語られる(こちらのが長く主要エピソードなのだろう)。その部分で慶雲堂と安も組んでいることがわかってくる。そしてその3人を殺す。見終わるとおきぬの依頼だったような気がするがあくまでも依頼はおそで。ここらへんがイマイチ。また出てくる女が占いを深く信じ込んでおり、その経緯はとくに描かれていないので、単にバカに思えてしまう

第27話 「江戸大暗黒」
大門の大五郎は江戸の悪を一手に束ねている。配下のものが行う色々な悪事というのが矢継ぎ早に描かれる。その中で今回のメインストーリーは船宿のおかみが出会い茶屋から出てきたことをネタに強請られる話。おかみは助け人に依頼する。
若く正義感に溢れる町方が出てきて、大門の大五郎の悪事を証拠つきでまとめあげ、お縄の一歩手前まで行く。助け人はここは町方に任せようとなるが、大門の大五郎は与力とつながっており、その町方は殺される。そこで助け人たちが出陣

第28話 「国替大精算」
お香はしのとは一緒のお稽古事の友だち。そのお香は俊八郎と恋仲。俊八郎はもうすぐ国へ帰る江戸勤めの侍。俊八郎はお香を邪魔に思い、中間部屋の弥七になんとかしてくれと頼む。中間部屋の小頭・銀蔵はお香を殺そうとたくらみ、平内に持ちかけるが、助け人たちは若い女を殺すということと依頼人が怪しげな中間部屋の小頭ということで断る。銀蔵はお香を誘拐し売りさばき、さらに俊八郎にも脅しをかけようと画策。お香が監禁されている場所から救い出すことに成功するが、俊八郎は殺されてしまう。お香の依頼で銀蔵たちを殺しにかかる。
しのの出番が多い回。しのが喋ることを聞いていると多少鬱陶しい。出番が多いとボロが出るキャラクターなのか(役者が下手という意味ではない)
また展開に疑問符がつく場面が多少みられる。お香を救い出す場面も、そんなに簡単にいくかねえと疑問。利助と龍が樽を担ぎ蔵に届け物と言って入っていく。その際信用させるためにしのを樽の中に入れておき、中に入るとしのが出てきて、屋敷の女を演じるというもの

第29話 「地獄大搾取」
利助が大活躍の回。池から死体が上がる。通りかかった女がこれは田舎から出てきて工事事業で働かされている夫の連れだという。女は夫を探しに江戸へ出てきたのだ。
その女の依頼を利助は受けたいというが他の助け人たちは金がないだろうと断ろうとする。利助は一人でやると宣言。しのに語ったところによると、同じ田舎なのだという。ここで利助の子供時代が明かされ、自分は小さいとき売られた。兄がいたはずだが顔も覚えていない。兄は長男だから残されたのだろう、ということなど。
今回もイマイチ展開に難あり。利助以外は断ったはずなのに、捜査にいつのまにか協力している。また飯場に潜り込んだ利助が男を見つけて、救い出そうと、管理人に金を出すというのもリアリティが薄い。またその男が命を落とすときに女房がくれたお金と言って利助に託すのも同じくリアリティが薄いか。まあそのお金で依頼が成り立つというのもあるのだが。
利助が男を捜す方法は自分もそういう仕事を探している人に扮装して声をかけられるのを待つというやり方。声をかけられついていってみると、旦那に迫られるというコメディ的展開あり
飯場の管理人のひとりが江幡高志。ボスのほうはあっさり殺されるが、江幡高志はちょっと粘る。そして助け人たちに担いで運ばれ、巨悪の役人と仕切っている商人が会談してるところに投げ出され、3人がまとめて殺されるという展開。江幡高志ならではの目立つ役回り

第30話 「貸金大仕掛」
辰五郎 - 島田正吾
おみよ - 池波志乃
辰五郎は清兵衛と泥棒時代の昔なじみで錠前をあける名人。もう足を洗っているが騙されて両替商・唐津屋の泥棒の片棒を担がされてしまう。おみよは辰五郎の孫。
冒頭、侍がおみよを妾にするので差し出せと迫ってるのを辰五郎が威勢よく断っている場面から始まる。
その冒頭の場面は平内が久しぶりに家へ帰ってきたという状況で、もう帰って来ないのかと家に新しい住人として辰五郎と孫が1ヶ月前から入ってしまっているという展開。文句を言いに行った先の大家が日高久(チョイ役)。

池波志乃がアップになる場面では志ん朝というか志ん生婦人というかそっくり。

清兵衛がいなくなってから、助け人の集合場所が芝居小屋の大道具部屋のようなところなのだが、別にそんなところにしなくても清兵衛のところで集まればいいじゃんと思う。町方に疑われている身だからということなのだろうか。ただ今回は清兵衛の部屋も活用される。

うまいと思った演出は辰五郎の形見の簪と金を渡されたおみよが助け人たちを疑う場面。これで疑いを晴らすためにも助けの依頼を受けざるを得なくなり、ストーリーとしてはすっきりする

殺しの場面でなぜか、歌入りのBGMが流れる。2番なのだろうか、エンディングでかかるのとは違う歌詞
龍は殺しに参加していない

第3パートの最後のほうで編集ミスと思われるものを発見。利助が藩屋敷から出てきた唐津屋と番頭を追う場面、その後池のほとりを二人が歩く。そして、また利助が追う場面、池のほとりを歩く場面と同じものが流れた。オリジナルがそうなってるのかどうかよくわからないが。

※追記 20180731
布目真爾がキャストでクレジットされている

第31話 「狂乱大決着」
別れ屋桃助 - 常田富士男
飯富盛介 - 戸浦六宏
冒頭から別れ屋桃助と利助の喜劇的展開。第24話以降暗いトーンになると読んでいたが、極端にそれを感じたのは第25話のみ。雰囲気は明らかに変わったけど。

龍の出番が極端に少ない。

第32話 「偽善大往生」
備州屋善右衛門 - 加東大介
火事の火付けを見たという少女を平内が付き添って一緒に探す。
一方その火付けを備州屋の手下がやったという手紙が、備州屋に舞い込み脅される。それをなんとかしてほしいという依頼が利助の元に。
その手紙の主は備州屋の手下の紋次が浪人と組んでの仕業。紋次が主人を裏切り、また回帰してという展開

第33話 「忠誠大心外」
清兵衛が久々に登場。第25話以降ではこの回と最終話にしか登場しない
しのが助け人の依頼の場面に立ち会う。またラストで清兵衛と助け人たちが集合する場面にもいる。どちらもこういう場面は初めて。後者は全員が並んだ図を取りたいということだろう。
阿波藍をめぐる話
須坂藩の日田平之助が千両公金横領の罪状で追われる。それを察知し離縁状を渡し、妻に害が及ばぬようにする。ラストでわかるがこれは家老と平之助が示し合わせ仕組んだもの。家老は藍屋から借りた千両が横領されたと言い訳をし返却を待ってもらう。一方逐電した平之助は藩の将来のため阿波へ赴き藍染の秘密を探り持ち帰る。これで計画通りということなのだが、家老はさらにその上を行き、平之助を裏切る。
日田つや - 松本留美
日田平之助 - 石山律雄
家老・坂田源左衛門 - 外山高士
藍屋徳兵衛 - 稲葉義男
つやが家老の策略で徳兵衛に差し出されたということを苦にし、平之助が江戸へ戻ったという知らせに喜びながらも自害するという場面がある。そんなことくらいで死ぬなよと、今の価値観からすると、不要にも思える場面。江戸への夫の帰参をあれほど喜んでいたのにここで死なせてしまうとは、と思った。

第34話 「必死大逃走」
菅貫太郎が狂気の権力者という典型的な役柄
塩問屋の管轄を父親から受け継いだ諸口剛造。養子であることや、父親のことを言われると異常に怒る。
日本橋の塩問屋讃岐屋が坂出屋と諸口の策略で取り潰しになり、番頭がその敵討を助け人に依頼。なのだが、その番頭も早々に殺され、物語のメインは坂出屋と諸口、そして坂出屋で働く三平を軸に展開。
であるので依頼通り仕事は実行されるが、その依頼の場面から物語の焦点が移行してるのでふとなんで助け人が働いてるんだろうと思ってしまうところが難点
ラストで三平を助けた助け人たちがそれを追ってきた用心棒たちと闘い、文十郎は負傷。それゆえ、珍しいことにメインの殺しの場面は平内と龍。菅貫太郎は龍に投げ飛ばされあえなく頭から落ちて絶命

第35話 「危機大依頼」
南田洋子がメインゲスト。この時代の作品を見てると、みんな若いことに驚くが、なぜかこの人に関しては逆に老けてるなと感じた。まあ何年生まれとかを考慮せず、感覚だけで言ってる話だがいい加減なものだが。
南田洋子が演じるおきぬは最初相模屋の女房で侍に脅されていると利吉の元へ駆け込んできた。そして店の番頭で信頼できる市造も迎えに来る。そのおきぬを脅している侍一行もそこへ乗り込んできて、助け人たちを縛りあげる。この後助け人が一瞬のスキをついて形勢逆転するのだが、市造が裏切るというどんでん返し。それを助け人がまたひっくり返すがよもやのおきぬが裏切る。裏切るというよりもおきぬがこの芝居の元締めで、助け人に命を取られた柘榴組(今作品の冒頭でそれが描かれている)の女房であり、復讐に来たのであった。

最終話 「解散大始末」
清兵衛が何の説明も無く、今シリーズ前半のように、元締で棟梁の立場に戻っている。ちょっと違和感あり。
大奥の話。大奥からお手つき中﨟を救い出す。といっても手続き的に問題なく大奥に上がってるんだから、単にその女のわがままと見えなくもないが。
「仕掛人」でも大奥の話はあったと思うが、それと大奥に忍び込む手段が同じで、大奥の女相手の商売をする商人と肥溜め船、このふたつしかないというような状況が同じ。
芝居小屋になぜ集まるのだろう、清兵衛の家でいいのではないかといようなことを上で書いたが、今回何度も清兵衛の家に町方が踏み込んでくる。こういう状況なら(というようなことも予想していたが)、場所を変えるというのもわかる。実際、今回でも芝居小屋に集まってる場面もある。
最後の殺陣は最終回らしく長い。そして絶体絶命とでもいうべき町方に四方を囲まれるという状況になる。のだが、ずっと夜の設定だと思っていたのに、突如龍が川にかかる橋で追われてる場面で昼の状況になる。さっきまでのは夜でなく屋内だったのだろうか。
そのラストの場面、脱出するための船に乗るのを拒み、龍はその船を逃がすため追っ手と応戦をする。そして最後は敵を抱えて高いところから川へ一緒に落ちる。プロレスの相手を抱えたままエプロンから外へ落ちる攻撃を参考にしたのだろうか。龍は殉職だろうか
本編が続く中、主題歌が歌入り(普段ラストで流れるのとは別の歌詞)で流れ、このままキャスト&スタッフクレジットに入るパターンかと思いきや、そのBGMでいつものナレーションが入り、一旦音楽が止まる。そして「仕掛人」のオープニングテーマが流れ、助け人たちの静止画像。そして、通常のBGMとキャスト&スタッフクレジット。
おみの - 市毛良枝
おちさ - 小野恵子

※追記
2021/9
テレ玉で再放送をやっていたのが終わった。録画が不備で撮り直したものを見直したのだが、ちょっと付け加えメモ。

第18話 「放蕩大始末」
大工の平八 - 遠藤太津朗
第31話 「狂乱大決着」
別れ屋桃助 - 常田富士男
31話で桃助は清兵衛の組の中で唯一抜けるのを許されたとか言われているが、18話の平八もかつて清兵衛と組んでいたがドジなので抜けさせたと清兵衛が言っている

第33話 「忠誠大心外」には内田勝正も出ている
石坂 - 内田勝正
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必殺仕置人 [必殺]

放送はテレビ埼玉で2015/03/05(木)から04/09(木)まで全部で25回
ウィキによれば本放送では全26話。
放映されなかったのは、第3話 「はみだし者に情なし(=は)」

作品を通して見てみると、主水の役割がまだ定まりきっていない、というか、仕置人は鉄と錠であり、情報屋が半次とおきん、主水は殺しに参加もするが、それよりも奉行所勤務を利用しての仕置人サポートや作戦構築というような役割。第1回2回あたりでは無精髭を生やしており、「必殺仕業人」のときのようだ。シリーズと推してみると、剃ってあるときもあり、一定でない
まだ作風が固まりきってないから、毎回あるわけではないが、「出陣」の場面でも鉄と錠がかっこよく映りそれを見送る主水というような場面があったり、常に鉄と錠が殺しの場面で共同して動くという場面からしても制作側が主水を「殺しをする」という意味での仕置人とは扱っていないのだがわかる。

番組の最初はナレーションと何枚かの静止画像(仕置きの場面と思われる絵と仕置人の顔)。ちょうど30秒くらい(前回の「必殺仕掛人」もそうだった)。ビデオの機能として30秒先送りがあるのでわかる。
番組の最後に主題歌、キャストとスタッフクレジット。その主題歌の前にナレーションが入る(仕置きとはなんたらかんたらというような)。その際の映像は、いくつかのパターン。各レギュラーの静止画像で、その画像は初期作品からの流用で同じものが使われたり、その回のシーンから使われたりする。ナレーションにかぶさり、話のラストシーンの続きで彼らが歩いている場面が続くときもある。

山崎努演じる鉄は前作「必殺仕掛人」の緒形拳の梅安にしばしば見紛うこともあるほど風貌、佇まいが似ている。二人の俳優自体は特別似てるというわけではないのだが。またよく考えてみると、設定も似通っているといえばいえる。坊主頭の医者(針医者と骨接ぎという違いはあるが)で、庶民の治療にはあまりがめつくない。
緒形拳ももちろん悪くはないのだが、山崎努演じる鉄は圧倒的だ。この作品でも、他の役者もまったく悪いところはなく、むしろどれも上手く感心するが、それらからも一段上という感。
殺し技は「新・必殺仕置人」のころとはちょっと違っている。腕を外すというのをよくやる。後は首を捻る、咽喉元のつぼを弄り殺すなど。紐を使って三味線屋勇次のように相手を吊るすようなこともする。

沖雅也演じる錠は若く直情型のキャラクター。第17話でそのあたりが強く描かれる。演じる沖雅也は『必殺仕置屋稼業』での市松が鮮烈で、この直情型の若者というのはちょっと合わないような気がする。しかもこの錠というキャラクターはあまり個性的でない平凡さであまり強い印象は残さない

せんとりつが第1話、2話あたりで早くも往年の型を確立したかのようなやりとり。ただまだ名物となっていないためか、全話に出ているわけでなく、むしろ出演回数は半分に満たない。必殺シリーズを通してだとせんのイメージが強烈でりつはせんの従というイメージであるが、このシリーズではりつのみが出る回も多くあり、佐渡へ旅をする話(第21話)ではりつがくっついて旅をしている。

後年の作品より仲間の間に友情のようなものがあるように見える。同じ長屋の気の合う者同士とでもいうか。発端がそういう仲間が仕置稼業を思いつくというものだから当たり前ではあるが。
第20話でおきんが追われる人殺しに人質に捕られるが、それを助ける論理が友情なのだ。後年なら「仕事人稼業」がバレるから助けるという論理が先立ってくると思う。もちろん、その仕事人稼業を続けるうちに構築される友情というものもあるのだが

第1話 「いのちを売ってさらし首(=い)」
レギュラー陣(鉄、錠、主水、おきん、半次、三島ゆり子演じるお島(お島は準レギュラー))が顔見世のように、序盤で短時間の間に登場する(作品の舞台である観音長屋)ところはこの後の展開を期待させる作り。
序盤と書いたが、始まりの場面は今話のゲストである男が処刑され娘が泣く場面。
作品中CMは3回入るので4パートに分かれる。前作品の「必殺仕掛人」もそうだったが、第1パートが後年の作品と比較して短い。上記のレギュラー陣の登場は第2パートの最初である。
ゲストが豪勢。大滝秀治、菅貫太郎、高松英郎(高松は準レギュラー)。多分当時人気であったのだろう、クシャおじさんこと成田幸雄がチョイ役。娘役は今出川西紀でよく見る人。ウィキでは「テレビドラマでは時代劇の出演が多く、不幸な田舎娘役を得意としていた」とある。まさにそんな役柄でよく見るような気がする

仕置人チームを組む連中は最初から顔見知りのようだが、最後で仕置人チームを結成することを宣言するので、この第1話が最初の仕事なのだろう。
その場面で「世のため人のためなんていう綺麗事じゃすぐくたばる」という前作品を意識した台詞がある。

内容は闇の御前とあだ名される悪党の身代わりに殺された男の娘の恨みを晴らすというもの

第2話 「牢屋でのこす血のねがい(=ろ)」
豆問屋の元締が次々と殺され、現場には花札の20点札が。
ほんのちょい脇役に日高久。

第3話 放映されず

第4話 「人間のクズやお払い(=に)」
脇で江幡高志、内田勝正。内田勝正という人も時代劇でよく見る顔
有名どころでは黒沢年男、林隆三。林隆三はまだ若々しい
せんとりつは出ていない。ウィキによると、このシリーズでは出てる回のが少ないようだ。
聖天の政五郎の組から抜けた手裏剣名人の弥七だが結局聖天の政五郎に切られてしまうことになり、その仇を・・・。

第5話 「仏の首にナワかけろ(=ほ)」
内容
安蔵と鉄はお互いを「穴兄弟」と呼びあう間柄。流刑地・佐渡で鉄は安蔵に命を助けられた。
その安蔵が善人っぽく、黒達磨の大八率いるやくざが悪という風に見えるという序盤の展開だが、実際は安蔵が大悪という話(安蔵が悪人であるのは中盤でわかる)。
安蔵は焼き芋屋。その幟には「九里四里うまい 十三里半 いも安」とある。「九里四里うまい」は「栗より旨い」というシャレ。十三里半というのは九里四里を足した十三里より多くしているのだろう。
殺しの場面ではなぜか仕置人チームの面々が見守る中、安蔵と鉄が木に縄で仕掛けられた首吊りの仕組みでロシアンルーレット風(主水曰く首吊りのあみだくじ)の対決。殺す相手が決まったなら、さっさと殺せばいいのに、なんでこんな風な展開なのかわからん。まあ鉄にとっては安蔵は恩人なので最後の恩返しなのかも。安蔵を始末した後、黒達磨の大八たちと鉄の乱闘に。やくざは今作品においてはほとんど悪をしていないのに、なぜか鉄に痛めつけられるとばっちり。
安蔵 - 山田吾一
お春 - 藤田弓子
黒達磨の大八 - 遠藤辰雄
この3人がメインゲスト
チョイ役で正司照江

第6話 「塀に書かれた恨み文字(=へ)」
お島(演・三島ゆり子)の父と妹が田舎から出てきて辻斬りに会うというのが話の発端。お島が仕置きを頼むという筋書き。
辻斬りをやったのが守山藩主(演・中尾彬)。中尾彬は後年のようなダルダルの身体つきでなく、引き締まっていて色艶もよく若々しい。
ウィキによると、今作品の特徴でもあるのだが、簡単に殺しはせず、ターゲットに恥辱を負わせるということをよくやる。今作品では3回目のCM後の第4パートの始めから鉄による仕置きが始まる。普通のパターンでは最後に仕置きの場面となるので、これはずいぶん早い。と思って見ていると、殺しはせず気絶さえ、主水に渡し牢屋にぶち込み、囚人たちにいたぶらせるというお仕置き。
結果釈放され、藩の上屋敷に戻るも藩のものからは「死んだ」ということで処理されており、門前払い。
ラストは、その藩主の辻斬りに連れ立っていた者の切腹ということで幕を閉じようとしていたところ、鉄が「切腹なぞ簡単にさせてはやらない」と言い出し、鉄と錠で切腹の場に行く。切腹を拒み暴れだした二人を殺す。
いくつかの作品で主水は出ていなかったり、殺しに参加しなかったりということがあるとのことで、これは主水は出ているが殺しには参加しない(手助けはしている)という展開の作品

第7話 「閉じたまなこに深い渕(=と)」
検校の地位にある盲人が仇になる。盲人の話のせいか、音声のカットが多い(カットはこの作品に限ったことではないが)。
作品の出来は悪い。序盤からその検校を怪しんでいるが、それを仇と狙った女は人間違いだったと認めて納得しており、怪しむ根拠がない。後半でその女が仇を討ってくれと言って事切れるが、その時点でも仇がその検校だとその女はわかっていない。また序盤でその女がお金をおきんに渡し「母と兄のため念仏でもあげてくれ」と頼んでいるが、このお金を渡す場面と仇を討ってくれと頼む場面をうまく融合させるべきだっただろう。

第8話 「力をかわす露の草(=ち)」
最後のキャストクレジットでぬいの夫である内藤安房守直忠を柳生博が演じているのを知りびっくり。とても若くて後年の面影は見直してみてもよくわからない。(※追記2018/7/26 いや、どう見ても柳生博とわかる)
ぬいは幕府の中で力を持つ女。子を産めない寂しさから犬を大事にしており、それが行過ぎて、犬の世話をする側女を虐待する。犬を逃してしまった志乃が責任を感じて首吊りをしようとするところを鉄が通りかかって助けてしまって・・・。
内容的に後年のマンネリパターンの多くが見られる一方、これにも主水は殺しはしない(仕置きの手助けはする)

第9話 「利用する奴される奴(=り)」
津川雅彦がメインゲスト。女を食い物にする色男・清造役。そういう役だからかメイクでお目々がパッチリしすぎ。
清造に騙されるのがお順。殺しを頼むが、やはり好きだという思いも絶ちがたく、清造に殺し屋が来ることを知らせに行くというひねった展開が見所

第10話 「ぬの地ぬす人ぬれば色(=ぬ)」
鮎川いづみがメインゲスト。可憐な若い女の役。最初の登場シーンからして初心な女性の表情。後年の加代とは大違い。加代を思わせるのはおきんで、そのおきんと鮎川いづみ演じるおゆきが一緒に行動するのが面白い。
おゆきの父親と許婚が大奥の実力者であるお美代の方の横暴で殺されるのが発端の大奥をめぐる物語。大奥の話は必殺では繰り返し作られており、その典型的ストーリー。出来は良い
正司歌江がチョイ役。小林勝彦はどこに出ていたろうか

第11話 「流刑のかげに仕掛あり(=る)」
今井健二がメインゲスト。十手持ちの親分・鬼の岩蔵役。岩蔵は作品の始めから仕置きのターゲットとなっている。最後の場面で、冒頭に処刑された男から小六経由で依頼されたということがわかる。
そして逆に岩蔵側も仕置人を捕まえようと躍起になっており、仕置人対岩蔵というのがメインストーリー。
冒頭で処刑された男は冤罪で、実は有明屋主人が犯人。その有明屋の番頭の役割がイマイチ不明。岩蔵とつながっているのだが、そんな役割の人間をうまく話の中で使えていないように見える。
お島が拷問にかけられる場面があるが、後の「必殺仕事人」でも三島ゆり子演じるおしま(同じ役名だ)が拷問にかけられる場面があった。

第12話 「女ひとりの地獄旅(=を(お))」
前田吟が仕置きのターゲットとなる畠山藩主。半次が夜鷹と結婚すると言い出す。その夜鷹が畠山藩士から追われてることがわかり、事情を尋ねると、清国から船の沈没で漂流し畠山藩に流れ着き、最初はそこで陶器を焼いて重宝されていたが、用済みになり自分を除いて皆殺された、そして自分は身を隠すため夜鷹になり、唖を装って生活しているという身の上。
そこで仕置人たちは彼女の仇を討つために・・・

第13話 「悪いやつほどよく見える(=わ)」
磐城藩士・多田兵助が家老の娘を人質に油屋に立てこもる。主水は事件の解決を命ぜられ、鉄と錠に金を渡し、立てこもり犯を始末するよう頼む。が調べてみると、兵助の方に義があり、家老を仕置きにかけることに変更する。

第14話 「賭けた命のかわら版(=か)」
石山律雄(表記は「石山律」)が半次の瓦版屋としての兄貴分・すっぱ抜きの留造。
留造は狡猾な鳴海屋をずっと追っているが、嫁を殺され、そして自身も。マスコミと権力者、報道の自由といったテーマをなぞった内容
多少冗長な出来。主水の出番少なし。おきんは出ていない

第15話 「夜がキバむく一つ宿(=よ)」
これまでの作風とはちょっと異なった傾向のある作品。冒頭で旅先での鉄と錠による仕置きの場面。その藩のお偉方を殺す。そこから帰ろうとするが藩から追っ手がかかり、また、雨で橋を渡れず、ということで山中の小屋で何人かの旅人(殿山泰司、梅津栄、左時枝、堺左千夫、牧冬吉など)と足止め。
隔離された空間で多人数がお互いに疑いあうというのはサスペンスでの常道の展開。
あまり面白くなかったせいか、眠くなってしまいCMごとに休憩、というより居眠りをしてしまった。
主水、半次は江戸で待つ姿が少々映るが、なくてもストーリーには問題ないくらい存在感は薄い
おきんは出ていない

第16話 「大悪党のニセ涙(=た(だ))」
無罪を訴え病気の母親に会いたいと訴え、小六が牢獄から囚人全員の解き放ちを画策する話。
牢に火事が起きれば解き放ちになるとの考えから、策をめぐらすのだが、よく考えてみると、この作戦はいまいち説得力なし。長い棒の先に布団の綿を巻きつけ、近くの火事の火の粉を綿に燃え移らせ、牢の中に火事を引き込むというもの。
小六の実力を考えれば牢の中で火を起こすことは簡単であろう。牢の中でただ火事を起こすのでは、囚人が別の牢に移され、火事を起こしたものは責任を追及されるだけ、との小六の台詞もある。であるから、近くの火事が牢に燃え移ったという体裁が必要という理屈なのだが、その綿に燃え移った火の粉を牢の中で燃え盛らせようとしている場面を見ていると、棒の先の綿に火の粉が燃え移るくらいに近場なら、それを確認して、牢の中で新しく火を起こしても同じではなかろうか。
これも出来はイマイチか。小六の高松英郎が目立っている。
おきんは出ていない

第17話 「恋情すてて死の願い(=れ)」
濡れ衣を着せられて磔火炙りの刑に処せられた但馬屋の二人姉妹の復讐劇。妹役が若き中田喜子。
半次は出ていない

第18話 「備えはできたいざ仕置(=そ)」
勘定組頭・加納十兵衛は橘屋と組んで、町の女を浚っては犯すというようなことをやっている。おさとも浚われ、許婚が家出人捜索を奉行所に願い出るが、そのおさとは錠の家で介抱されていた。おさとはショックでキチガイになっていたが、なんとか話を聞きだし、加納十兵衛と橘屋に狙いを定める。
主水は加納十兵衛を手ごわい相手と言っているが、仕置きの場面で、鉄はなんなく寝所に入り込むし、おきんも屋敷に入り込み扇動する。あまり手ごわくないではないか。ちなみに鉄は寝所に入り込みながらも殺さずに、眠っている相手に暗示をかけ、気を狂わすという仕置きを行う
日高久、大家で家出人捜索を願い出るという最初の場面で付き添いとしてチョイ役

第19話 「罪も憎んで人憎む(=つ)」
伊丹十三、加藤武が出演。伊丹が老中・秋山但馬守、加藤が金座の当代・後藤庄三郎 。このふたりが組んで金貨の鋳造で金の純度を低め儲けている。金山・佐渡の労働者を確保するためもあり、飢饉の江戸に溢れている無宿者を一掃しようとし、鉄と錠も捕まる。さらに、後藤の息子・精一郎も捕らえられる。精一郎は金座のやり方に反発し、星野を頭にした水明運動(士農工商をなくす世の中を作る)に入っているのだ。
精一郎がなんとか脱走し、運動の同士の元に戻ったとき、明日老中を糾弾し、星野が老中に取って代わる、そして精一郎は金座の後を継ぐのだと言われるが、それじゃあ士農工商をなくすという理想に全然近づかず、単に権力者が変わるだけじゃないかと言い出す。この辺は青いなあという感想。ラストでは星野が新老中になったことが語られ、おきん、鉄と主水が会話を交わしている。おきん「星野さまは世直し大明神だ」鉄「まだ金座はあるぜ」と。精一郎の先のせりふに対応するかのように、主水は「まあ世の中ってのはそんなもんじゃないか、二人が死んだおかけで無宿者狩りが納まったんだからありがたいと思わなくちゃなんねえ」というようなことを言う。
日高久、無宿人が大挙捕らえられた牢屋の中のひとり
半次は出ていない

第20話 「狙う女を暗が裂く(=ね)」
主水が出ていない回。半次も出ていない。
虎吉- 夏八木勲、蝶丸 - 真屋順子。蝶丸はどっかで見た顔だ、宮本信子かなと思ったが、真屋さんか。
虎吉は「鬼虎」と呼ばれ人殺しを重ねている。その虎吉がおきんの家に押し入る。そこで話をするうちに二人の間に情愛が生まれる。鉄と錠がおきんを助けに入るが、事情を聞き心動かされる。しかし、追っ手に囲まれ、ついに殺される。
虎吉がその事情(虎吉が芸者の蝶丸とひょんなことから結ばれるが、実は蝶丸の客であるお大臣衆3人との遊びで虎吉を落としてみせたというもの)を話す場面がとても長く、ストーリーの時間軸としては上記のように、虎吉が押し入るが囲まれついに殺される。殺人鬼と化した理由を知った鉄と錠は復讐に仕置きを決行する。というだけ。
おきゃんなおきんが女らしさを見せる回。なかなかいい出来。
虎吉の殺される場面後、すぐに鉄と錠が仕置きに行く場面になり、すぐ決行されるので、仕置人たちの活躍という面では見せ場はない。

第21話 「生木をさかれ生地獄(=な)」
半次、おきんが出ていない
佐渡へ鉄、錠、主水が乗り込み仕置きする。仕置きされるのは備中屋(演・浜田寅彦)と勘定吟味方・平田(演・西沢利明)。備中屋に対する仕置きは、殺さずに、気絶させ、腕に入れ墨で佐渡金山の人夫の部屋へ寝かせるというもの。朝起きると、人夫として扱われる。
主水がひげがさっぱりきれい剃られてるのに気付く。第1話、2話あたりで、かなり無精ひげの剃り残しが目立つ顔立ちで、それはちょうど「必殺仕業人」の頃のような風貌だった。他の回をしっかり確認しながら見てはいないので、どう変遷してるかはわからない。
また、鉄が足を引きずっているのが気になる。これは第19話からだ。実生活で怪我でもしたのだろうか。劇中怪我をしたというような話はなかったようだが。

第22話 「楽あれば苦あり親はなし(=ら)」
錠、半次が出ていない
やくざの藤造(演・伊藤雄之助)とお波(演・朝丘雪路)とが主水、鉄をドタバタとかき回す話。大きく笑わせにかかってるわけでもないが、どこか喜劇的。
お波が赤ん坊を連れて主水の前に現れ、あなたの子供だと言う。主水もそういう覚えがあるのでうろたえる。しかし、拒絶されると、別の男の元へ行き、同じようにあなたの子供だと言う。主水が鉄と話し合うとどうやら鉄にもお波との関係に覚えがあるようだ。鉄と主水のやりとりが喜劇的。またお波があなたの子供よと次々と男に言い寄る場面もそうだ。このお波のあなたの子供よ攻撃は、物語の最後の方でついにお波が刺され、鉄に見取られる場面でも、鉄にそれを言うことで発揮される
藤造はやくざの親分。きちっとした身なりでなく、かなり乱れた容姿の無頼派といったところ。お波とは主水や鉄、その他のこの話に出てくるお波と関係を持った男たちの頃より前にお波を囲っていたことがある。自分は子種が薄いと信じており、お波との関係の前に自分の子供を自分の子供だと信じられず殺してしまっている。それを後悔し、お波に子供を連れて戻るよう暴力的に、あるいは必死に懇願する。お波はようやく子供を連れて戻ってくる。子供をあやす藤造だが、泣き止まないのを見て、「こいつは俺の子供じゃないんじゃないか」と疑いだす。これは1時間ドラマだからということもあろうが、この手のひら返しがあっという間に行われて喜劇的である。
※追記2018/7/26
ゲスト朝丘雪路でボインと言われる場面がある。この時代設定でボインとは

第23話 「無理を通して殺された(=む)」
おきんとは以前近所づきあいをしていた曲芸師の揚羽のお蝶(演・野口ふみえ)と結婚約束をしている奉行所勤め、主水の同僚の村野(演・村井国夫)。村野の浪人時代からお蝶は面倒を見てきていたが、村野は出世を果たしお蝶を捨てるために策略を謀る。
それに娑婆で小六の土地を守ってる代貸・乙松が村野と組み、小六の追い落としを謀るという話が加わってくる。
お蝶の曲芸は「でばうち」と言っており、なんのことか検索しても出てこなかったが、漢字を当てたら、出てきた。「出刃打」である。出刃包丁を的に当てるという曲芸
半次が出ていない

第24話 「疑う愛に迫る魔手(=う)」
主水が出ていない
観音長屋が角屋と普請方組頭・高島主馬の策略で取り壊しになりそうになるという騒動。観音長屋の大家とその娘がその話に絡む。娘の母親の葬式の場面から始まり、娘がおじさん(観音長屋の大家)に引き取られ観音長屋に連れてこられ、親子だということが大家から明かされる。
観音長屋の大家はかつて「暗闇の菩薩」という大泥棒だったという話が角屋との絡みで出てくる。

第25話 「能なしカラス爪をトグ(=の)」
主水の出番が少ない。話の展開的にはいくらでも活躍できそうなものなので、仕事の都合なのだろうか。仕置きを決行する際、鉄に「主水がいないのはさみしいが」と言わせている。
話は幕府学問所への入学をめぐる話。後年も何度かテーマにされているタイプ。
貧乏旗本の息子・内藤和馬が受かり、有力者の息子・松坂隆之助が落ちる。入学者に辞退者が出るか、死にでもすれば、なんとかなると言われ、その有力者側から、辞退するよう働きかけるが断られ、惨殺するというような話。
半次が目立つ。半次は内藤和馬とその姉・秋絵と仲良くしている。特に秋絵には秘めた恋心も抱いている。後半で語ったところによれば、雨の日に傘を貸してくれたことがきっかけだったとのこと。
有力者側には息子とその母・吉乃、母の兄(息子から見たら叔父。権力者である書院番頭)・小沼土佐守、さらに用心棒が作品では悪と描かれている。
弟を殺され秋絵が抗議(というか仕返し)に行く場面。秋絵と有力者の隆之助の対面。隆之助はそこまで悪と描かれているが、ここでちょっとだけ、同情できそうなせりふ「死んだのなら線香でも上げてやるから葬式の日を教えろ」というようなことを言う。たぶん隆之助は和馬惨殺のことが自分の母たちの仕業とは知らないのかもしれず、ただ口の利き方を知らない子供のようにも見える。ここら辺の描き方は、こういう風に若年者がそれほどの悪でないという風にも描けるし、若年者だからこそ、痛みを知らないかのように残虐なことをやれる人間とも描けそうだ。後年の作品では後者のような描かれ方も多かったように思う。悪をどぎつく描くと、最後に仕事人に殺されるとき盛り上がりが高まるとは言える。
ラストの仕置きはいささかマイルドで、息子と母は殺さずに、半次の絶叫交じりの説教で終わり。叔父と用心棒と護衛団を殺すという仕置き。
おきんが出ていない

最終話 「お江戸華町未練なし(=お)」
後年のシリーズでも最終回ではよくあるタイプの仕置人たちが奉行所に追われる話がメイン。それに、飢饉で水不足の折に疫病を理由に井戸の水を禁じる権力者とそのために不幸に巻き込まれる娘の話を絡めている。
ラストも後年に通じるパターン。本編が終わらぬうちにエンディングテーマ(主題歌)が流れ始め、本編が終わってもそのまま音楽は途切れずキャスト&スタッフクレジットになる(ので通常より長く歌がかかる)。
ラストは江戸から仕置人たちが江戸から離れていく。その際、別れたくないと駄々をこねる半次とおきんというのはありがちなパターンであるが、主水がその場に顔を出し、しかも一緒に旅立とうとしているという構図は珍しい。おきんのせりふで「おまえさんは顔が割れていないんだから、江戸から逃げる必要ないのに」とあるが、その通りで、主水が旅立とうとしているのは、このまま5人のチームを旅に出て続けようと考えているのだ。これは後年では絶対に見られない展開。
で、結局主水はもちろん江戸に残り、その他4人も別々になることになる(鉄の発案で銭貨の表裏で決した。表が出たら一緒に行動しよう、裏が出たら別れるとし、出たのは裏。その銭貨は鉄が裏面を貼り合わせた細工のもの)。
で、4人が歩いて旅立つ場面も後年でもよく見られた感じだった。錠が小さな船で行く場面とか、半次とおきんはふたりで橋の上。おきん「これからどうする」に半次「さよなら」と立ち去っていく別れの場面。

※追記 2018/7/26
エンディングの映像は夕日が大きく映っているものであるが、キャストの名が出ているときはずっと細かく揺れているのであるが、これがスタッフクレジットになると静止画像になることに気が付いた。さらによく見てみると、というより早送りで見てみたら、段々日が昇っているところなんだな、これ。夕日じゃなくて朝日ってことか。で昇りきったところで静止画像になる。「新・必殺仕置人」も同じ
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必殺仕掛人(テレビシリーズ) [必殺]

必殺シリーズの第1作目。ここ数日で録画していたものを一気に視聴。
主演・林与一、緒形拳、山村聰のテレビシリーズ
キャストクレジットというのは大抵順番が固定されているが、この作品の第10話くらいまでは林与一、緒形拳が入れ替わりでトップになる。その後は林与一で固定だが、中盤から林与一が出ない回がかなりたくさんあり、そこでは当然緒形拳がトップに。レギュラー陣でも全部出ているのが緒形拳だけ。
津坂匡章[(岬の千蔵役)、中村玉緒(おくら役)が光る。岬の千蔵にはコメディリリーフ的役割(そればかりではないが)もある。気のせいだろうが喜劇的演技に寅さん・渥美清の呼吸を感じる。最終回はほとんどのレギュラーが出ているが、この重要な脇役が出ていないのは残念。他の回の場合のレギュラーの欠席はギャラと制作費の都合だとか、仕事のスケジュールの関係とか、作品上不要だからとか理由はあろうが、最終回で重要人物が出ないとなると、これはスケジュールの都合なんだろうなあ。
山村聰は安定の演技。
林与一という人はこれで初めて知ったが、剣劇俳優というのがぴったりの佇まい。雷蔵の影響が感じられる(自分は時代劇に詳しいわけでないので、雷蔵の影響というより、当時の剣劇となるとみんなあんな感じになるのかもしれないし、みんなが雷蔵の影響を受けているのかもしれない)。

放送は2015/01/21(水)から03/04(水)まで全部で31回
ウィキによれば本放送では全33回。
第5話 「女の恨みはらします」がなぜか放映されなかった。
ウィキによれば放送自粛エピソードがいくつかあるが、第5話は入っていない。
また第28話「地獄へ送れ狂った血」も放映されていない。これはウィキの掲載されている放送自粛エピソードのうちの一つ。

第9話「地獄極楽紙ひとえ」。画面の左下に天気情報が常時表示されており、保存に適していない

第4話「殺しの掟」。このシリーズの少し前に同じ局で放映されていた『鬼平犯科帳』で同じエピソードが使われているため、再放送では自粛されることもあるとのこと。今回は放映されている。

第24話 「士農工商大仕掛け」は準レギュラー・おぎん(演 - 野川由美子)が活躍する回で、それまでの作品の基調とは相当異なるコメディ的作品。おぎんという女の浅はか・短慮さが前面に出ている。この作品はそこそこ面白いのだが、この作品あたりを境に、それまでの作品の基調から外れる作品が多くなり、またレベルも下がっているように思える。自分がマンネリを好んでいるということなのかもしれない。

第21話 「地獄花」はストーリーが巧みだった。作品自体のレベルが突出して高いとは言えないが。この作品は西村左内は出ていなくて、その代わりとも思える剣の達人役として田村高廣が神谷兵十郎役で出ている。

ちなみに上記第21話、第24話も放送自粛エピソードの作品。

ゲストで目についた作品
第6話・三國連太郎。第7話・中尾彬。第15話・津川雅彦。第17話・加藤嘉。第23話・加賀まりこ。など
三國連太郎、加藤嘉、加賀まりこあたりは必殺に出るのは珍しいのではないだろうか

※2018年5月追記
第6話で日高久がほんのちょっと
第9話に江幡高志が出ているが、クレジットは旧芸名の江波多寛児
第16話に日高久のクレジット。彼が出ているときは画面で確認でき、あ、出てるなとキャストクレジットを見ると案の定・・・ということが多いのだが、この回ではわからなかった。彼くらいに年恰好のわき役は2名。梅安と左内がもめて女郎が喧嘩の仲裁の時に呼ばれた男がそれかと最初は思った。役名が「大庄屋」となっておりこれが店の名前かと。
ところがどうやら違うらしく、回想場面で出てくる村の庄屋のほうらしい。役名は「おおじょうや」。
そのことがわかったのが、次の回第17話、この回も「大庄屋」が出てくる。演じてるのが加藤嘉。この会の大庄屋は大活躍(悪役としてだが)。そんなわけでで、大庄屋をおおじょうやと読み庄屋のことだということがわかった
この第17話での千蔵・津坂匡章が吉原の作法を滾々と語る場面が印象深い
第12話 「秋風二人旅」は渡辺謙の「仕掛人・藤枝梅安」のうちの「壱 梅安二人旅」と同じものを原作としている
第23話 「おんな殺し」は梅安が実の妹を殺すという話で、どっかで見たはずと調べたら、映画版の「必殺仕掛人」(田宮二郎主演)でもそのエピソードが盛り込まれてるようだ。
CM明け本編が始まる前のタイトルが右下に入る画面の色が異なる回が数回あるようだ。第30話、32話が違っている。
一通り全部の回を見ての感想を少しだけ書きたくなったのだが、この項の最初のほうに書いてあるのとほぼ同じだ。中盤から左内が出ない回が多くなること。千蔵が最終回に出ていないことなど。
千蔵については、第30話でリンチされ死んでしまい、梅安が蘇生させるという場面があるがそこが最後の出演。ということはそこで死んだとするか、仕事を辞めたとするか、まあそんな風な解釈がよさそう
左内が出なくなるのと多分軌を一にしていると思うが、それまでのパターンや世界観からはみ出したような作品が多くなる。それはマンネリを避けるという効果もあろうが、どちらかというと苦肉の策のように思え、作品の出来もあまりよくないものが多いように思う。
左内については、革命を理想と見ているようなところがあり、それは第19話で特に顕著だが他の回でも時折言動にそういうのが伺えるのだが、そのキャラクターはちょっと白ける。
左内がちょっとだけしか出ない回というのもある。これは左内が出ない回が初めて出た回以降のことで、これは出ない回も含めて、スケジュールの関係なのだろうか、
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必殺仕掛人 梅安蟻地獄 [必殺]

73年 日本 2点
これは必殺仕掛人の映画版第2弾。これで3作全部見たことになる。
原作の「仕掛人・藤枝梅安」とテレビの必殺シリーズ「必殺仕掛人」の関係はちょっと複雑で、テレビシリーズでは林与一演じる西村左内というのが出ているが、これは原作では出てこない(少しだけ出てくるようだが)テレビのオリジナルキャラクター。そしてテレビシリーズには出ていないが原作に出てくるのが小杉十五郎。その小杉がこの映画第2作で初登場。西村左内は出てこないので、小杉を林与一が演じている。
この小杉と梅安、そして音羽屋半右衛門(今作品含めテレビ必殺シリーズにも出てくる)、彦次郎(今作品含めテレビ必殺シリーズには出てこない)などが出てくるのが原作のパターンで、後のテレビ版で渡辺謙や岸谷五朗が主演した作品の世界観である。

最初のキャストクレジットで好みの佐藤慶と小池朝雄が並んで出てきて楽しみにしていたら、最初の方で、二人一緒に出てきた。二人は今作品の仕事のターゲットで見事に殺される。
主演は緒形拳。他に山村聡、津坂匡章がテレビレギュラー版と一緒の配役。

さて、テレ玉で「必殺仕掛人」が始まって以来、録画しっ放しで見ていないので録画が溜まる一方である。それまでずっと毎日のように見ていたので少し飽きたというのもあるかもしれない。日付を見てみると「必殺仕掛人」のスタートは1/21である。もう4ヶ月も必殺を見ていないでいたか。

テレビ埼玉「必殺仕掛人」→「必殺仕置人」 [必殺]

昨日が最終回で本日より「必殺仕置人」
「必殺仕掛人」は録画しっ放しでほとんど視聴していない。後でまとめて見てから感想を書く。
「必殺仕掛人」第1話は試しに見てみた。
「必殺」は「必殺○○」がたくさんあり、どれがどれだかという気持ちになるが、今作品はすでに見たことのある「新・必殺仕掛人」の前の話。オープニングの音楽も「新」と同じでワクワクした。
出演者は鉄と主水だけが「新」と同じ。主水は今作品が最初の出演である。せんとりつがすでにキャラクターを確立しているがコメディ的演出はなかった。
この作品も後でまとめて見るつもりである

テレビ神奈川 「必殺仕置屋稼業」終了 [必殺]

2/27の放送が最終回
次回から「江戸プロフェッショナル・必殺商売人」
放送は週1回なので、どの回がどうだったということは覚えていないが、シリーズ通じてとても高レベルの作品だと思う
ゲストでは山田五十鈴が出る回(15回)がを覚えているがそれに限らずゲストも豪華だったように思う
中村玉緒がランクが上の女優という貫禄。第1回のときの目つきが変わる場面に凄み。
沖雅也も他人と、そして世間と隔絶した世界を持つ役にぴったり。
新克利はコメディ担当か。金を受け取ると女郎買いに行く場面が数秒映し出されるのが楽しい
殺し方も前半は特に個性的。屋根から落としただけじゃ確実に殺せるとは思えないが、そこは必殺の世界ということで充分許せる。
ウィキ--
『必殺仕置屋稼業』の印玄役は好評で、新演じる印玄が悪人を屋根から突き飛ばす際、悪人が言うセリフ「止めて!助けて!」は当時流行した。
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石原初音という女の子がレギュラー。事件に一切関らず主水の憧れの飯屋の女の子という役なのだが、あまり可愛くもなく芝居は棒台詞。どっかの事務所のゴリ押しっぽいなと思っていた。今調べたら、今作品がデビュー。今作品のオーディションに受かって上京とある。

最終回だけ最近見て覚えているからちょっと書くと、最終回らしい迫力のある作品なのだが、登場人物がこれまででは描かれてない性格を表していてちょっと違和感。おこうって主水に惚れてたのかとか、印玄が熱いキャラになっているとか。そもそもおこうって主水以外のメンバー知っていたのかというのも疑問。もっぱら主水としか連絡とってなかったから

そういえば主水とおこうの連絡の際、小さな祠で周りをぐるぐる回りながら話すのだがアレはなにか百度回りのような作法だろうか。作法をやってるように見せかけて人から怪しまれないようにしているのだろうか