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必殺必中仕事屋稼業 [必殺]

放映データ
テレビ埼玉で2015/07/08(水)から09/02(水)まで全部で26回(全26話なので全部放映された)
映像にほんの少し乱れ 1話、3話

半兵衛は「知らぬ顔の半兵衛」と呼ばれるが、第1話から半兵衛を知らないはずの相手から「知らぬ顔の半兵衛」と呼ばれていて変だと思い調べたら「知らぬ顔の半兵衛」という言葉自体は慣用句としてあることを知った。だから半兵衛と名乗ると、相手は「ああ、知らぬ顔の半兵衛か」となるのだな。
必殺の最高傑作との評もあるようだ。
第一のテーマは「博打」。これは各話で過剰なほどそういう場面が盛り込まれ、またそれ自体が主題となっている回もいくつかある。
おせいと政吉が母子であり、母の子に対する感情ということがひとつのテーマとなっているようだ。
第1話、2話でそのことが直接的に描かれ、その後も最初の方の作品ではおせいの政吉に対する言動でそれを示唆していたが、中盤ではあまりそれについて思わせるような言動も少なくなった。
最終回ではもう一度それについて描かれる。

良い作品かどうかのポイントはいくつかあるだろう。記憶に残るような特別な回があるかどうか。平均的にどうか。話の展開(脚本)に無理はないか。話の展開はさておき、演出、カメラの構図、また音楽はどうか。キャラクターの魅力や役者の演技力。
これを考えると以下にも書いているが、キャラクターがいまいちだったり、話の展開にちょっと首をかしげたり、そして後半で良い出来のものがいくつかあるが、ずば抜けた作品がない。
おせいの元締としての緊迫感が少ない。殺しでない大した仕事でもない仕事を受けたり、その割りに掟がどうのこうの言ったりというのがバランスが悪い。お春がおせいに殺しでない仕事を頼むなどアクセスが簡単な割りに最終回では火盗改が仕事屋を暴くのが大変だという描写もある。
大した仕事でもないうちのひとつではお春が、幼馴染の動向を探ってくれという依頼がある。半兵衛の女房のお春であるが裏の仕事については知らない。そんな人物があっさり仕事屋へ軽い仕事を依頼できるということが引っかかる
初期必殺が素晴らしいのは認めたうえで、その中では平均的だなあと思う。

音楽について
主題歌 - 小沢深雪「さすらいの唄」
挿入歌 - 小沢深雪「夜空の慕情」
とある。
殺しのときにかかるBGMは小沢深雪「夜空の慕情」のインストバージョン。どうも最後にかかる主題歌のインストバージョンでないなあと思い検索して調べてやっとわかった。
さらに調べてみると、小沢深雪は平尾昌晃の次男・平尾勇気の母親とのこと。
といっても挿入歌として流れる回はあったのだろうか。

藤田まことがオープニングナレーション。あまり特徴のない声で、名前見るまで気付かなかった

おまき、演じるは芹明香。「芹の不祥事を理由に、再放送からクレジットを消されている」とある。キャストクレジットでは多分源五郎の後なのだろう、画面がちょっとズレ弄った形跡が見える。

必殺ではパターンではあるが、殺しの場面のあと、その登場人物のその後や、緊迫感のある本編から離れた登場人物の日常が短く映される。主水シリーズではほとんどが主水とせん、りつのコントだったあの場面だ。今作品ではそれがちょっと長すぎる回がいくつかある。また半兵衛とお春の店、そしておまきの店での政吉と二人分が出る回もあるが、あれは一人やれば充分、どちらかに固定しろとかではなく、両方出したいなら交互にするとか。

ラストのキャスト&スタッフクレジット。重要レギュラーは映像(多分第1話からの流用)つきで紹介される。その際の政吉の映像は賽と壺を手の夫々に持り、賽を壺に入れる場面、そしてその次のお春はそばを湯切りから丼に盛る場面。これが政吉が横の動き、お春が縦の動きで、そういうのを意識してるのかなと思う。こじつけだがつけ加えれば、端に出てくる半兵衛は「キャスト」と出てくるところで静止画像になり顔が中央にあるが、その静止画像が横に移動し、緒形拳の名前が出る。お春の次の利助は走ってくる場面で横の動き、ラストのおせいは花を活ける動作で縦の動きである。

第1話 「出たとこ勝負」
三村敬十郎 - 石橋蓮司
石橋蓮司は仕事人たちのターゲットとなる役
この話の最後でレギュラー陣の半兵衛、政吉、おせいと利助がひとつのチームとなっていくのであるが、この話では、半兵衛と政吉が別々に三村を狙うという展開で、仕留める場面では協力し合うわけでないが同時に相手を殺すという凝ったもので秀逸なアイデア。
ただ筋の展開の出来はイマイチ。例えば上に書いた別々に三村を狙うというのは同じ女が二手に頼むという展開。これよりは別の頼み人が夫々に頼むというほうが良いように思う(まあそうとばかりは言えないが)。
また、今後の話に出てくるのかもしれないが殺しの仕事をすることになる半兵衛と政吉、これまでにそういう稼業であったのかどうかが描かれていない(ウィキに拠れば、おせいに誘われて初めて殺しの仕事に手を染めたとのこと)。ただ、じゃあ明日から仕事人をやろうといって出来るような仕事でないので、基本的にはこれまでもやっていたという人以外の仕事人というのはなかなか作りにくいのではなかろうか。これまで裏の稼業の経験なしで裏の稼業に入ってこれるようなキャラクターは武士で剣術の腕があるというような人物くらいではないだろうか
第1話の割りにあまりワクワク感が漂ってこない。映像は決まっている。
政吉、おせいが母子であるということが暗示される

第2話 「一発勝負」
おしの - ジュディ・オング
朝倉主膳 - 菅貫太郎
上記以外に半兵衛の店で博打を一緒にやる客としてチャンバラトリオが出演。
これもイマイチ。おしのと大工の植松(演・住吉正博)の夫婦がかつておしのが仕えていた朝倉主膳に自分たちの息子を跡取りにすると取り上げられてそれを取り返そうというのが仕事の内容。植松が仕事屋に頼んでいるのにも関わらず我慢が出来ずに朝倉家に突撃しようとするのが、バカバカしい。それは一回は利助に止められ、それで一件落着かと思いきや、その後やっぱり突撃してしまい、あっけなく斬られるという展開。
またラストでは朝倉家に忍び込み、赤ん坊と取り返す仕事人。屋敷に詰めている侍たちに追われるのだが、なぜか屋敷の外へ逃げ出した仕事人を追うのは朝倉主膳ただひとり。ここも拍子抜け。朝倉主膳が仕事人にやられるという画のためだけの展開。
政吉、おせいが母子であることを半兵衛が見抜くという場面がある。

第3話 「いかさま大勝負」
和泉屋与兵衛 - 穂積隆信
お初 - 桃井かおり
桃井かおりのキャラクターを生かした役柄。桃井かおりと中尾ミエのやりとりが楽しい。
一つ疑問がある。政吉が足抜けさせたい女郎がいるといって和泉屋与兵衛を呼び出す口実にするのだが、「足抜け」ってのは女郎を脱走させることではなかろうか。そこへ和泉屋与兵衛を呼び出すというのはちょっと意味がわからない。足抜けといって女郎を脱走させ、新たな女衒に売るということをやろうとしているのだろうか。
女郎が書いた恨み言を依頼としているが、明確におせいにきた依頼でなく、地元の神様に向けて書かれたもの。明確な仕事でもないのにと多少おせっかいに感じる

第4話 「逆転勝負」
おすみ - 菊容子
閻魔の弥三 - 今井健二
島帰りの吉五郎 - 高木均
今井健二が得意の悪徳岡引きなのだが、話の展開はオーソドックスなものとはちょっと違う。
弥三には気立ての良い娘がいるというのがまず珍しい。そして話の展開は、小間物屋の吉五郎、これは元盗賊でまた稼業をやろうとしており、弥三に付きまとわれて鬱陶しい。仕事屋に弥三の十手を取り上げてくれと依頼する。政吉は弥三に近づくため娘と恋仲になり、十手を取り上げようとしていたところ、吉五郎が弥三を殺す。そして政吉が追われる身となり・・・というもの。
弥三の娘おすみを菊容子という人が演じているが、この人はウィキで見るとなにやら悲劇的、1975年に恋人に刺殺されている。

第5話 「忍んで勝負」
もぐらの留三 - 多々良純
小坂 - 小林勝彦
牢内の牢名主がターゲット。そのため、博打で捕まり牢内に潜入するという方法を取る
序盤で半兵衛が店でお春や源五郎とやり取りしている場面と政吉が女郎とやり取りしてる場面が交互に映し出されるところはなにやら実験的だが、あまり効果的ではない。
話の中身が薄いせいか間延びしている印象。
ラスト近くでの政吉と留三の博打対決でもカメラが実験的。さいころや花札をやる場面を下から撮る。畳でやっているので下から映しても見える訳はないのだが、下から撮る構図に限ってはガラスにでもしているのだろう、下からさいころの下の面や伏せてある花札の絵柄が見えるという形。

第6話 「ぶっつけ勝負」
沓掛の甚造 - 梅津栄
他に日高久が茶店の親爺、ほんのちょい役
旅もの。そして旅先で篭城するという話。旅先で篭城というのは話が作りやすいのだろうか、記憶にあるだけでも必殺の中で複数思い出せる。
ちょっと都合よく話が進みすぎに見える。
草津へ越後屋の息子・惣太郎を迎えに行くという仕事。二人で行く必要もなかろうと銭の裏表で勝負し勝った半兵衛は沓掛宿で留まり遊んでいくことに。
草津で政吉は惣太郎を見つけられず。一方半兵衛は沓掛で甚造と吉五郎のやくざ者の抗争を見かける。ここで甚造が吉五郎に和解を持ちかける場面がある。惣太郎を差し出すから、こいつの指を切って越後屋へ送ればいくらでも金をぶん取れると。そのときに吉五郎の子分は賭場にいた半兵衛に「江戸に室町ってあるか」「室町に越後屋というのはあるのか」「越後屋の息子の名前は」と尋ね、答えたあとに「何でそんなこと尋ねるんだ」と聞かれ、口をにごすのだが、これは半兵衛がいくら江戸者だからといって、あまりにもわざとらしすぎ。
仕事のことがあるので半兵衛は惣太郎を助け出し、ここへ政吉が戻って来て(これもタイミング良すぎ)、篭城となり、二組のやくざを相手にするという展開

第7話 「人質勝負」
油屋栄三郎 - 織本順吉
織本順吉の役は博打狂い。女房・おしんをかたに博打をして負けてしまう。おしんは首を吊り、その葬式の香典で最後の博打。これも負けて首を吊る、ここまででまだ序盤。
その賭博場を探るためおせいは半兵衛・政吉に再度その博打へ行きわざと負け、お春と政吉の姉としておせいをかたにしてさらに負けろという。女たちがどこへ連れて行かれるのかを探るためだ(ここらへんはラストでそういう依頼があったことが明かされる)
この話でおせいがなぜこういう仕事をしてるかが明かされる。おせいというのは元締としてちょっと魅力がないと感じていた(草笛光子が悪いという話ではない)。それがここに理由があるような気がする。飛脚屋・清衛門の裏の顔は破蔵師で死ぬときにその金でやりたい放題のことをしてみろとおせいに言い残す。そのありあまる金で世直しというような面があるのだ。
話の出来はこれもちょっと間延びしている印象

第8話 「寝取られ勝負」
藤左衛門 - 山田吾一
鎌倉の縁切り寺へおきぬが駆け込む。三州屋の若旦那・忠太郎が離縁を認めないでごねるが、忠太郎の母も後見人であるおじの藤左衛門も忠太郎が悪いので離縁を認めさせようとしており、おせいに頼み込む。
ここでおせいは引き受けられないと答えるが、どうしてもと言われ一応調べてからと引き取る。
半兵衛と政吉はなんとか忠太郎に離縁状を書かせようとするが失敗続き。しかし母親が首を吊るという事態になり、忠太郎はようやっと離縁状を書くに到る。
しかし、実は藤左衛門とおきぬは出来ており、母親の首吊りは藤左衛門が殺したもの、そして三州屋も藤左衛門のものとなっているということがわかる。
忠太郎はおきぬの裏切りを信じられないでいるが、おせいに連れられその現場を見ることになる。
忠太郎は二人を殺そうとするがおせいは三州屋を守らなければならないあなたはそんなことをしてはいけない、誰かがあなたの恨みを晴らすでしょうと止める。そしておせいは二人に殺しを命じる。
おせいは藤左衛門の悪巧みを知り、「とんでもないことをした」と悔やむ。おせいは半兵衛たちには忠太郎が諦めるように仕向けろと命じているのだから、それはわかる。が、この作品を見てるだけだと忠太郎とおきぬについて調べることまでしか依頼を受けていないのだから、それほどの失敗でないようにも見える。

第9話 「からくり勝負」
古田玄蕃 - 山城新伍
太助(クレジットでは太郎となっている)- 田辺靖雄
あるサイトでは不仲の山城新伍と緒形拳の競演が見所とある。
山城新伍は憎らしげな悪役。こんな役職があるのかどうか知らないが、「指差役」というもので、魚河岸で将軍に供する魚を指差し、金も払わず持って行ってしまうというもの。
太助というのはその古田に魚を巻き上げられている魚河岸職人。許婚のみよの祖父はその魚河岸の相談役で、尻が重かったが皆の要請で、納戸役に具申しに行き、成敗されてしまう。
その葬式で太助が「この死は無駄にできない」と叫ぶ場面があるが、それ以降太助は出てこないで放ったらかしになってしまうのはなんとも

第10話 「売られて勝負」
ラスト近くまではどういう殺しが行われるのか、ひょっとしてこの回は殺しはなしかなと思わせる異色作。
半兵衛の店に強盗に入ったおゆみ。お春は番屋まで引っ張って行くも同情心から突き出すのを止め逃がしてやる。そして尚もおゆみのその後を心配して、おせいのところへおゆみの動静を探るという依頼をする。
おゆみはたちの悪い壺振りの仙次に騙されていたのだった。というより騙されてるのがわかっていながらも離れられないのだった。
仙次は実家からお金を取って来られなくなったおゆみは用済みとばかりに女郎へ売り飛ばし、おゆみは舌を噛んで死ぬ。
半兵衛はお春がおゆみに入れ込んでるのを叱るものの、その心情が自分に取り付いており、おゆみが気になって仕方なく、女郎屋から買い戻そうと画策。10両を100両にしてくれと政吉に頼み、イカサマ博打に望みなんとか金を作る。がおゆみが死んでいるのを知り、その金は葬儀屋へ。半兵衛は仙次を殺しに向かう。
この作品イカサマ博打のあたりでラストなので、そこで金を作り女郎屋からおゆみを助け出すという作品なのかなと思いながら見ていた。
おせいの頼まれた仕事はおゆみの動静を探ることだけなので、ラストの殺しは半兵衛の独断だろう。もしかして葬儀屋へは半分の50両を渡し、残りは仕事料として懐に入れてるかもしれない

第11話 「表を裏で勝負」
伏見屋藤兵衛 - 浜田寅彦
おせいの表稼業・飛脚問屋「嶋屋」、同業の「山城屋」で不祥事が続く。飛脚問屋の世話役・伏見屋藤兵衛が、与力と裏では悪の棟梁である坊主を協力し合って、自分の店を大きくしようと画策しているのである。
話的にはイマイチな部分がある。これはおせいの表稼業ということで、自分の店の不祥事を調べるうちに真相を知るという流れで、仕事を実際には受けていない。引き金となるのは「山城屋」主人が殺されたとその娘が訴えてきたことではあるが、「恨みを晴らして欲しい」とも言われてないし、金も受け取っていない。
坊主や与力が仕事人に殺され、「あれ、伏見屋は殺されないのか」と思っていると、ラストにおせいが仕留める(おせいが殺しを行うのは第3話以来)。ここはしびれた。茶を点て伏見屋に供すのが舞台。湯を汲む柄杓に針が仕掛けてある。
おせいの店の飛脚屋・仙太が女(坊主の手下)にたぶらかせられ、おせいを裏切り荷を届けないというエピソードがあり、その女は政吉の手にかかって殺されるのだが、殺される場面は描かれず、女の前に政吉が現われる場面の後、おまきの店でいつもは飲まない酒を飲み「またひとり殺っちまった」という台詞で、女が殺されたことが示唆されるという演出

第12話 「いろはで勝負」
徳三 - 東野孝彦
米問屋「伊呂波屋」が舞台。キャストクレジットでは「遠州屋」となっていたようだけど。
「伊呂波屋」は裏で「いろは通り」という歓楽街を経営しているが、娘の篠の旦那が二代目となり、「いろは通り」を止めて「きれいな」仕事に専念すると言い出し、「いろは通り」を任されている仙一、金二、徳三は困り、そのあげく二代目は刺殺。おせいはその下手人を殺す依頼を受ける。この依頼を受ける場面はおせいの顔だけが映り、目の前にいる依頼人に話しかけているという誰が依頼しているのかわからせないという演出。ラストで依頼人は篠ということが明らかになるのではあるが、そういう演出にしたことによる物語の盛り上がりというのはゼロではないが少ない。
下手人は一番下手人でなさそうな徳三だが、これも意外感はない。
おせいが偵察に行き多少女として感情的に「いろは通り」を潰すことを仕事内容にしてしまうというのも難点。

第13話 「度胸で勝負」
板倉屋藤兵衛 - 岡田英次
脇坂 - 藤岡重慶
第14話 「招かれて勝負」
板倉屋藤兵衛 - 岡田英次
おこま - 新藤恵美
第13話と第14話の間でネットチェンジが行われた。ウィキ「製作サイドはネットチェンジを挟む第13話と第14話を前後編とした」
前後編というが話としては第13話で一応話は終わっており、独立して見る事ができる。
第13話は朽木藩が幕府の東照宮改修工事の担当になり5000両が必要になるが手元は空。家老、大原頼母が板倉屋に頼むものの断られる。筆頭家老が手元にある562両をおせいに5000両に増やしてくれと依頼するというのが今回の仕事。おせいは半兵衛、政吉に562両を半分ずつに分け、博打で2500両ずつ稼いでこいと言う。その後のふたりの奮闘振りがメイン。政吉は3000両にまで増やすが半兵衛は2両残してすっからかん。しかしその2両で一分の富くじ8枚を買い、見事2000両を当てる。政吉の3000両と合わせれば、と戻るも、政吉は3000両を5000両にしようとして逆にすっからからん。
しかし、お春が店の前の行き倒れの六部の老人を助け介抱する。老人は死んでしまうのだが亡くなる前に3000両の手形を半兵衛へ。
さて5000両にはなったものの家老は家来の脇坂(板倉屋とつるんでいる)の反逆に遭いあえなく殺される。
ここへきて、おせいは二人を殺すことを決意。脇坂は半兵衛、政吉が仕留める。おせいと利助で板倉屋を狙うも、板倉屋の「私を殺せばその5000両は博打で稼いだ汚い金だと触れ回ることになっている。幕府はこれを好機とばかりに藩をお取り潰しにするだろう」脅しにひるみ退散。
今話で半兵衛は髭を剃っている。

第14話は
第13話は引き摺らず、ただまた板倉屋が出てくる話。板倉屋と上総屋で他の廻船問屋を飲み込もうと画策。計略にはまり潰された店の主は首をつり、その母親がおせいに依頼。
一方、お春の幼馴染・おこまが登場。おこまは板倉屋の囲われもの。しかし、おこまは貸し本屋・三次郎と逃げることを決意。それを知り板倉屋は二人を追い、三次郎に負傷を負わしなおも追う。二人はお春の店へ逃げ込む。店へ入り込んできた追っ手をなんとか外へ出し、半兵衛が追っ手を始末する。
殺しの場面では板倉屋が花見の宴会におせいを誘い、裏の仕事を俺にもやらせろと迫る。それを断り、板倉屋はおせいを殺すことを決意。しかし半兵衛が板倉屋を始末、おせいを殺しにきた用心棒は政吉が始末する。
出来は説明不足とも思われる箇所がいくつかあるもののなかなかよく、特に最後のパートに入るあたりからは盛り上がる。
説明不足の部分もそこら辺は頭で補えば、わからなくもないんだけどもね。
花見の宴会におせいを誘うのが唐突な気がする。
また、おこまが三次郎と逃げることになり、そうすれば板倉屋から追われることになるはずなのに切迫感がない。
おこまと三次郎の描かれ方がどこか表層的。時間の割りに話を盛り込みすぎなのかもしれない。
殺しの場面でかかる音楽は最後にかかる主題歌と同じ歌入りのもの。今作品はオリジナルの殺しのテーマはないのだろうか(通常は主題歌の歌の入ってないアレンジバージョン)、歌入りのものが流れる回がなん回かある。
今話ではその歌入りのものが流れっ放しのままキャスト&スタッフクレジットになだれ込むという形で、これは最終回でたまに見られるタイプ。
おこまが三次郎をお春に紹介する場面は光と建物(寺か神社の一分)の影を使い印象的な絵柄

第15話 「大当りで勝負」
岩岡鉄五郎 - 山本亘
弥生 - 榊原るみ
淀屋伊三郎 - 戸浦六宏
山本亘は山本學、圭の弟。よく似ている。
富岡八幡で行われる流鏑馬。これを対象の賭けを仕切るのが淀屋。江戸中がその話題で持ち切り、おせいや賭けが嫌いなはずのお春までが熱狂する。
岩岡はその本命、嶋屋で働いている弥生はその妻。淀屋は本命を負けさせようと画策するが岩岡は毅然と断る。そこで・・・という展開。珍しいといえば、その妻が賄賂をもらって逃げようなどと弱気なところ。結果弥生は淀屋に殺され、その死に立ち会った半兵衛は弥生に夫にあんな人たちに負けないで勝ってほしいと伝えてほしいと頼まれる。
そしておせいに淀屋を殺そうと進言という形で、実際には依頼はなく、半兵衛もこれは仕事じゃないので金はいらないと言っている。
現代の競馬を模したような描かれ方が随所に。馬券を持って見守る庶民とか流鏑馬参加者が馬柱のように描かれてるところとか。

第16話 「仕上げて勝負」
おらん - 瑳峨三智子
国五郎 - 内田朝雄
捨三 - 菅貫太郎
瑳峨三智子という女優の大年増の不気味さが迫力あり。どことなく山田五十鈴が必殺で演じるときのような感じだ、と思ってウィキを見たらびっくり。山田五十鈴さんの娘とのこと。この作品当時40歳、そんなに老けていないのだなあ。
菅貫太郎はお得意の殿様や悪代官ではなく、おらんに惚れ良いように扱われるも別れらない情夫の役。
おらんは若く見込みのある男をイカサマ壺振り師に仕立て上げ、国五郎と組み博打の大勝負をする博徒であり、そのイカサマのため捨三は腕を無くしている。
冒頭で、捨三ではない別の若い男をそのように仕立て上げた後、男が行方不明になり、その恋人がおせいに探してくれと頼むのが依頼の筋。
その恋人が男に諭す場面で「あのおらんって人は悪い人よ、近所で評判聞いても良いように言う人は誰もいなかった」という台詞があるのだが、まだおらんがそれほど描かれていない場面で「悪い人よ」というのは安易な台詞に思えた。
凝った映像が多い。監督は蔵原惟繕
特にラストのおらんと捨三の対決から国五郎が捨三を殺す場面は長時間のスローモーション。そして半兵衛がおらんを殺す場面で「(おらんのやってきたことは)全部わかってますよ」と半兵衛が言うと、おらんの瞳の中に捨三の最期の姿が映るところにつながっていくのはかなり凝っている。
他にもおらんと半兵衛・政吉が対面する場面。半兵衛・政吉の正面が映し出され、その間に、真向かいに座っているおらんの後姿。その後ろ髪に丸く切り抜かれ、ワイプでおらんの正面映像。珍しくはないがあまりドラマでは使われないと思う(まあ野暮ったいからね)。
また暗闇仕留人の第1話で河原のような所で3人が対面する印象的な場面があったが、それと同じ場所で同じカメラ位置のような場面がある。

第17話 「悟りて勝負」
弥兵衛 - 池部良
虎吉 - 志賀勝
志賀勝という人はよく必殺で見ると思う。今話では出番はさほど多くはないがアップがいくつかある。
利助は登場しない(唯一の回)。おせいも出番少なし。しかも誰から依頼を受けたわけでない鳴海屋の殺しを「生かしておいてはためになりません」と半兵衛たちに命じる。
確かに弥兵衛を殺したのは鳴海屋ではあるのだが。この話では弥兵衛と半兵衛の交流(半兵衛が弥兵衛に男が男として惚れる)がメインに描かれ、弥兵衛の半兵衛による敵討という側面が強い。半兵衛は鳴海屋殺しを命令されているのだが、弥兵衛を実際に殺した虎吉を殺すことに固執する。
鳴海屋殺しでは虎吉を殺した半兵衛が吐くなど気持ちが高ぶってしまい(ここまでおまきは政吉と二人だけの場面での登場であったが、ここで初めて半兵衛と競演)政吉がひとりで行く。そして。政吉が窮地に陥る場面があるが、ちょっと自然な感じではない。そしてそんな時間があるのかと思うが、半兵衛が助けに走るのも、不自然か。

第18話 「はめ手で勝負」
梓 - 左時枝
鉄平 - 睦五郎
黒田策二郎 - 城所英夫
日高久が序盤でちょい役。磐城国(いわきのくに)・三春から黒田に馬を売りにくる男。
黒田の馬は将軍家献上となる。その馬を世話しているのが鉄平。鉄平の息子と黒田の息子は同じ年齢で仲良く遊んでいるのだが、それを見た将軍家から派遣された男が将軍の息子・竹千代君が同年代のお相手を探していると漏らしたことから黒田がその気になってしまう。これは示唆されたのか、それとも黒田の勘違いなのか、判別はつかないが後者としたほうが面白いと思う。
竹千代のお相手を目指し教育方針を厳格にし鉄平の息子とも遊ばせないようにする。黒田の嫁が梓。左時枝の幸薄そうなキャラクターぴったりの役。台詞から判別すると策二郎は梓と息子がいるところへ入り婿したものと思われる。
梓は息子を思い、屋敷から逃げ出そうとおせいに仕事を頼む。入り婿なら追い出せばよいような気もするが。
折檻がひどく、息子は死んでしまい、黒田は鉄平の息子を奪い竹千代の相手役を尚も目指す。鉄平は息子を諦められず、屋敷へ行くが殺されてしまう。
そこまで聞いておせいは黒田家を潰さないよう黒田を殺すことを命じる。
馬を逃がし、黒田家は大騒動となり、馬は元いた鉄平のところではと追いかけてきた黒田と家来を半兵衛、政吉で始末。馬は元の黒田の納屋へ勝手に戻っていく。
利助のおせいに対する報告は「将軍家からのお咎めをおそれ黒田は死んだ。黒田家は安泰」というもの。馬は戻ったのになんか変だなと思ったが、馬が逃げ出したことを理由に自害。その後馬は戻ったので黒田家は安泰ということだろう。
鉄平は賭場で政吉と一緒になり、ウマが合い友だちとなっている。前回の弥兵衛もそうだが、今作品の大テーマが博打ということで、博打場に出入りする普通の人が物語の主役となっているのはこの作品の特徴かもしれない。大抵博打打ちは悪人か博打狂いとして描かれる。
ここまであまり活きていないと思っていた源五郎がこの回ではなかなか優秀なコメディ。半兵衛がお春にバレないように二人の旧知の駕籠かきと博打へ出かけようと画策。ふたりに食い逃げをさせ、それを追いかけるという体で店を出る。とそこへ源五郎が。事情を聞き食い逃げを追いかける場面は面白い。

第19話 「生かして勝負」
おとよ - 池玲子
桧屋伝蔵 - 浜村純
大山栄之進 - 井上昭文
今までのところ今シリーズで一番の出来。
桧屋の女将・おとよは主人を亡くし、その法事でおせいと会う。おとよはおせいの芸者時代の朋輩。おせいを姐さんと慕っている。
亡くなった主人を名乗るひどい火傷の痕のある男が桧屋周辺に現われるが町方に頼み、百叩きになる。それでもしつこく現われるので、おとよはおせいに裏稼業の仕事を頼む。
この時点でおとよが悪女であり、多分その火傷の男は言ってる通り当人なのだろうということが視聴者にはわかっているストーリー展開になっている。
ここでおせいは半兵衛たちにその男を桧屋から遠ざけるという仕事を頼むのだが半兵衛は異を唱える。そのときおせいは「おとよが騙すわけがない」と啖呵を切る(ちなみにこのとき自分を「元締」と名乗るが、今シリーズで元締という言葉はここが初めてだと思う)。これだからおせいはダメなんだよなあなどと思う。「必殺」において元締が配下に仕事を命じるときは調べがついていて、その依頼が確かな場合、もしくは調査から配下のものにやらせる場合。今回の場合は「調査」からやるべきで信用しているなどと啖呵を切るのはおかしい
しかし彼が話す内容がその主人・伝蔵しか知りえないことなどで、桧屋のものも不審に思い始める。また調べている半兵衛たちもそう考えおせいに伝え、おせいは方針を変え、もっと桧屋を調べることにする。
おとよが悪女なのか、仕方なくやっているのかがわかりづらく、進行していくに連れ、伝蔵とおとよの間になにがあったのかが語られるところに奥深さを感じる。
おせいは半兵衛たちに黒幕の大山を殺すよう自分からの仕事だと言って頼む。あれっ、おとよはどうするんだと一瞬思ったが、すぐ、ああ、これはおせいが殺すんだなと気付く。
ラストで再度おとよが長々と主人との関係をおせいに話をするがここはもうちょっと短めでよい。ラストは恒例の半兵衛とお春のやり取りなどはなく、おせいがおとよを殺すところで終わる。ここは上手い。

第20話 「負けて勝負」
伊三郎 - 津川雅彦
但馬屋 - 小坂一也
お照 - 二宮さよ子
異色作。大和屋の娘、お照の招きで大和屋の亡き主人におせいを含む近しい人が集まり、西洋博打(ポーカー)。そこに居合わせた人形師、伊三郎は大和屋の妾の子だが、父親は大和屋ではない。
伊三郎も交えポーカーをするが、伊三郎は大勝する。おせいは負けて悔しいということで代役に半兵衛が勝負に挑むも敗れ去る。しかし伊三郎がお照と組んでイカサマをしていることがわかり、博打の負けは博打で、ということでおせい、半兵衛、政吉で最後勝負に挑む。
そこに伊三郎とお春の関わりも交えて描かれる。
ポーカーの場面ばかりが映されるという特殊な作品
おせいがキャラが変わったかのようにポーカーにのめりこんでいる。

第21話 「飛び入りで勝負」
銀次 - 寺田農
香具師 - ゼンジー北京
ちょっとわかりにくいどんでん返しのある話。
廻船問屋・渡海屋が舞台。番頭の与兵ヱは過去に盗賊の親分・粂蔵の配下で働いていた。粂蔵は町方に捕らえられ、伊勢屋から奪った1000両の行方がわからなくなっていた。粂蔵の配下には
与兵ヱと巳の助がおり、その巳の助の使い・銀次が与兵ヱを脅しに来て、与兵ヱの娘・お民の願いで、おせいは半兵衛たちに巳の助と銀次を探らせるのだが・・・。
ラストのパートで種が明かされるのだが、お民は実は粂蔵の娘で粂蔵を町方に売ったのは与兵ヱであり、1000両のありかを知っているのも与兵ヱであるということを父から聞いており、与兵ヱへの仕返しをおせいに頼んだのであった。銀次は流れの仕事人でおせいからこの仕事を受けていたのだ。
ラストで与兵ヱの荷札を半兵衛が付け替える件は何の意味があるのかよくわからない。
ゼンジー北京はの出番は序盤、町中で手品のようなイカサマ博打をやっている香具師。3つの茶碗のひとつに赤い玉を入れ伏せる。そしてその3つの位置を入れ替える。さて、どこに赤い玉はあるでしょう、というやつ。これに半兵衛が何度も引っかかるのだが、その後も作品の中で半兵衛はそれについて考えたり練習したりしており、ラストではお春、源五郎相手にそれを披露する。
途中おまきが政吉に絵を見せる。政吉は「蝶か」と言うが、おまきはその絵を半分に折り見せ直すと、政吉は自分たちの見立てが大きく異なってる可能性を悟る、という場面がある。このとき絵を半分に折り見せ直した時なんの絵が浮かび上がったのかがよくわからなかった。なにかぼやけていて、ひょっとしたら今の基準で表現上よろしくないためぼかしの修正が入っているのかもしれない

第22話 「脅して勝負」
登場人物、ストーリーともありがちなものなのだが、細かいところで凝った設定がしてあり、それがラストの意外な決着にもつながっていく。
まず、植木屋・佐八が登場。女房を女郎に売ってしまっているようで、年季を伸ばし金を借りている。悪役である。その佐八、次の場面では町方・神尾に過去の犯罪歴で強請られ借り入れた金を全部取り上げられている。この神尾も悪役であろう。
佐八が半兵衛の店で博打をやる相談、そこへ美濃屋の若旦那が博打に連れて行ってくれと頼み、若旦那は博打にはまる。その際隣で一生懸命若旦那を止めているのが佐八で、あれ、善人なのかと戸惑う。
また神尾は、与力・岡村に金を用意するよう無理強いされ、仕方なく引き受ける。神尾も悪だが更なる巨悪登場である。
佐八、神尾の悪役として登場してきながら、あれっと思わせる展開は凝っている。
この神尾と岡村の関係がラストに生きて、岡村は不要になった神尾に刺客を放ち、半兵衛、政吉が狙っている目の前で神尾は殺されてしまうのだ。
ラストの岡村殺しの場面では半兵衛と政吉の二人でひとりを殺す。今シリーズで何回かあるパターン。第1話もそれに似た演出。第1話は仕組んで二人でやってるわけではないが。
このやり方は二人ともに見せ場を作りたいだけのようであり、ちょっと萎える。一人が抑えたところを刺すとかならわかるが、両方とも殺し技を出しているので、一人一殺できないのかよと言いたくなるってもんだ。

第23話 「取込まれて勝負」
村上又七郎 - 小松方正
おみの - 赤座美代子
相模屋伊三郎 - 河原崎次郎
日高久が序盤、医者の役で出演。
母子の関係というのが大きなテーマの作品。お春が妊娠という事件が起きる。医者のところで知り合うのがやはり妊娠している相模屋女房のおみの。相模屋は複雑な事情を抱えていた。与力・村上に過去を脅されながらも後ろ盾になってもらい、油屋組合主催の無尽講を行っており、いずれは組合の頭になろうかという立場。
村上はおみのも情婦にしているが、おみののお腹の中の子は伊三郎のものだという。
講が行き詰まり、相模屋は町民に襲われるが、村上は玉木屋を主謀として捕らえ死罪にする。
伊三郎が村上に反旗を翻すが返り討ちに。おみのの妊娠は伊三郎を惹き付けるための嘘であった。
どういう依頼があったのだろうか、多分玉木屋の身内からの依頼であろう、村上とおみのを殺すことになる。半兵衛が父親になることを最初受け入れられないでいたが、徐々にその気になってきており、そこで妊娠中のおみのを殺すなんてことはやるべきでないと政吉が止める。おせいにお春の妊娠のことは話していなかったが、そこで政吉が伝える場面は最高の見所。
政吉は半兵衛に何とか思いとどまらせ、村上を殺しに向かう。が殺しの瞬間、もう一方から半兵衛のかみそりが。第1話のように仕組まずして、二人でひとりを殺すという演出。
さておみのの殺し。半兵衛と政吉がおみのの元へ向かうとすでに殺された後。そこへおせいが顔を現す。ここは想像だが、多分その話を聞き、おせいは自身でおみのを殺すことにしたのだろう。
講はねずみ講のようなものでせりふで「子を6人作り、その子が孫を6人作り・・」などと言っており、ここにも子の存在が出ている。
またこれは直接は触れられていないが、おせいと政吉の母子関係というのもほのかに感じられる。政吉の「女将さん(おせい)には親になる半兵衛さんの気持ちはわからねえんだ」に半兵衛「女将さんの悪口はよせよ」というのがある
丁半博打の場面が出てこないのは今シリーズ初めて。

第24話 「知られて勝負」
小田切平之介 - 川合伸旺
お久 - 市毛良枝
小間物屋、伊八の女房のお久は伊八になにか秘密があるように感じ、おせいを訪ね調べて欲しいと依頼する。
伊八は実は幕府の隠密で越前国・鯖江藩の勘定役・小田切を狙っている。話としては伊八は数年成果を上げておらず、成果を上げるために情婦・お駒を使い小田切を騙して陥れる(でっちあげと言っても良い)という形で鯖江藩の異国との貿易の証拠を手に入れ、家老は切腹の憂き目に。ここらへんのでっちあげの件は仕事屋にはわかっていないはず。ただそもそも鯖江藩にも元からそういう後ろ暗い話はあったので、そこらへんはどっちもどっち的な話。川合伸旺は悪代官役で有名であるが、ここでは根っからの悪役ではない。
仕事屋としては幕府の隠密ということが分かったが、それをお久に告げてもなんの解決にならないのでどうするかに困る。
結果おせいはお久に調べても何も後ろ暗いことはなかったと伝える。が、そこへ帰ってきた伊八が、今のは誰だとしつこく尋ね、お久は白状する。伊八はお久を殺そうとするが、そこへ仕事屋一味が乗り込んできて、結局はここでも半兵衛、政吉二人で一人を殺すという形になる。
ちょっとわからないのはこれって殺す必要あるのか、ということ。その前の場面でおせいは幕府隠密という結果を知り「これで仕事は終わり」と宣言している。
上にも書いたが伊八が汚い手を使ったことは仕事屋にはわかっていないはずで、ただ小田切やお駒を殺したことくらいを知ってるだけ。これで伊八を殺す理由にはならない
となると、依頼人の命が危ないということからなのだろうか。お久を見張り、危なくなったので、伊八殺しを決意したという展開か。
市毛良枝が若く、純な女役。
途中の半兵衛のせりふ「亭主のことを根掘り葉堀り知りたがっちゃロクなことはない」というのは真理。
今話も丁半博打の場面が出てこない。

第25話 「乱れて勝負」
春海 - 梅津栄
力の入った作品だがどこかストーリーの序盤が上滑りに感じた
冒頭、なにかの仕事で半兵衛と政吉が侍を殺す場面。ここで自分にはよくわからないのだが、半兵衛がミスをして政吉が斬られる(侍を殺す仕事はやり遂げる)。ここで政吉が半兵衛と不穏な関係になる。
政吉が姿を消し、おせいは心配をし、半兵衛は必死に探す。政吉はおしのという女に助けられ、恋仲になり、上方へ行こうと決め、おせいの前に姿を現し、女と上方へ行くことを話す。
しかし、おしのの死骸が発見、政吉はおせいの命令だと思い、刺し殺しに来るが半兵衛が自分の身体を投げ出しおせいを救う。ここらへんまでのストーリーに説得力が弱い。ストーリー自体は書くだけならいい感じなのだが、画面で見るとイマイチ。なんで政吉がこんなに半兵衛に嫌悪感を見せるのかが、最初の殺しの場面を自分が解釈していないせいか。
おしのは春海配下の殺し屋の一味で、掟に背いたため殺されたのだった。政吉はそれを探り当て春海と対峙するが捕まってしまう。春海は政吉が一匹狼か組織に属しているかを確認のため、しばらく生かすことにする。
おせいが政吉のことを知り、助け出すことを半兵衛に依頼。政吉に斬られ負傷している半兵衛はそれでも出かけようとするが、利助と会話してるところをお春に見られ、殺しの仕事のことを告白。
春海との対決の場面では珍しく利助が活躍(殺しは行わないが)。見事春海を仕留める。
家に帰った半兵衛だが、お春は半兵衛の裏の仕事を知ってしまい、もう以前のお春ではない

第26話 「どたんば勝負」
第25話での暗い雰囲気、半兵衛とお春のこじれた関係、政吉は仕事屋をやめるのか、など不穏なまま最終回に突入。亥之吉がおせいに頼みに来るのは半兵衛と政吉の殺し。弟が殺された恨みである。その亥之吉を追う火盗改の熊谷は仕事屋の存在を知り、標的をおせい一味に変え、仕事屋対熊谷となる。
さすがに最終回で力の入った作品。
ラストで半兵衛が殺すのは亥之吉なのだが、その前のおせいの台詞で熊谷と会うことをいい、「そこに亥之吉も来るでしょう」というのは蛇足に思える。亥之吉が来ることをわかるわけないし、来る必然性もない。しかも同じ場所での殺し(おせいは熊谷を殺す)にする必要もない。
亥之吉がなぜか緒形拳に似ている。作品の冒頭に出てくるのだが、緒形拳が半兵衛以外の扮装で出てきたのかと思った。そんな意図はないんだろうけど。


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