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無法松の一生(1943年、阪東妻三郎) [映画]

2021/10/07(木) 13:00 - NHKBSプレミアム|81分|15倍録
シネマ「無法松の一生 4Kデジタル修復版」<スタンダードサイズ>[字]
ずいぶん前に録画したものだがそのまま放置されてた。今回時代劇チャンネルの無料放送で阪東妻三郎のドキュメンタリーを見て、今作品のことを知り、視聴することにした。
前に三船版を見ており、それは大層素晴らしかったのだが、それでも内容はあまり覚えてはおらず。ただ大まか内容はなんとなく覚えているという程度。で、こちらを見始めて、どのエピソードも、なんとなく覚えていたり、この後の予想が出来たり(ラストは敏雄が亡くなるのかなと思ったが違った)、結構覚えているものだなと思った。
ある男の一生をエピソードで繋ぐという形のためテンポが良く、どんどん話が進んでいくのだが、それでもちょっとかったるくも感じる。
また、そういう形式のためか、当時はこんな作り方が普通だったのか、意識的なのかわからないが、省略の美学とでもいうか、例えばエピソードの結末がなく、次にいってしまったり(終盤の喧嘩のエピソード、松が喧嘩に参加してその後どう収拾されたのか、だとか)、エピソード中でももうひとつセリフがあってもいいようなところを無しにしてたりとか。
1時間21分n放映時間、ウィキによると「上映時間 99分(現存78分)」となっており、検閲で削られたのだとか。そして、重要な部分もなくなっている。見ているうちに松が未亡人に恋するとかって話を思い出しつつあったのだが、そんな場面は一切なく終わった。ウィキを見てそこの部分が削られていることを知る。
今の時代だとなかなか理解されにくい世界だろう。労働者階級と上流階級みたいな世界観だからね。そういや松がちょっと卑屈すぎやしないかと思えたが、それも現代的目線かもしれない。
出演陣では
結城重蔵:月形龍之介
夫人よし子:園井恵子
敏雄の少年時代:澤村アキヲ(長門裕之)
宇和島屋:杉狂児
阪東妻三郎、田村高廣によく似ている。田村高廣がよく似ているのか
杉狂児ってのはかすかな記憶だが、色川武大がエッセイに書いていたような気がする
園井恵子、これを見終えてウィキを見てて、この人の項目を読み込んでしまった。
なお、NHKではこの後、23/8/31に放映予定となっている。

嫌われ松子の一生をちょっと思い出す。題名は今作のパロディなのかな。あと「ドン松五郎」という単語も思い出し、調べてみると「ドン松五郎の生活」という作品があり、これも題名は今作のパロディであろう。