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江戸の用心棒 [時代劇]

オリジナルは1981
今回放映はBSフジ 毎週火曜日18.35-19.30(55分) 2023/3/7~2023/9/26
全26話

連ドラでそろそろ終わるものがいつくかあれど、今日見始めるとちょっと早すぎるというようなものがいくつかあり、どれを見進めていいか迷ったが、そういえばこれがすでに最終回までいっていたということに気付き、これを見始める。全26話でちょっと長いので、いつごろ見終えられるか。見始めると他をあまり見れなくなるのでちょっと躊躇してしまうのよねえ。

第3話まで見終えた。
一話完結ながら、シリーズ通じての見え隠れするエピソードとなりそうなものが二つあり、一つは忠臣蔵、もう一つは青江又八郎が敵と狙われてる件。後者は第1話の初っ端に長々とそういうことになった経緯が描かれており、むしろそういう話、タイトルに「江戸」とあるのに、田舎侍の話かいな、と思ったくらい。
第1話、2話とも忠臣蔵の話題はチラッと出るだけだったが、第3話ではゲスト登場人物である娘が近々吉良の屋敷に奉公に上がることになるという設定、ここからこの娘がレギュラーにでもなって行き忠臣蔵に寄せた話になるのかと思ったが違った。
この後どの程度忠臣蔵が絡むのか、もしくはそういう時代背景という程度の扱いなのかわからない。ただ忠臣蔵も仇討、又八郎も仇討という風に重なって入る、ちなみに第2話も仇討を扱った回である。
メインレギュラーは3人、いや4人か。OPでのタイトルバックでは4人のレギュラーキャストクレジットがある。3人は映像付き、仁鶴は顔の映像はないが、役である店の映像付き。構図でいうと、仁鶴は仕事人の元締め役。近いのは助け人で、仁鶴はちょうど口入れ屋(近江屋)の役である。といっても殺しを請け負うとかそういうわけでなく、メイン3人の浪人に仕事の、主に用心棒の、世話をしてやってるだけである。ただ事情通のようで、色々なことをかなり詳しく知っており(又八郎が浪人になった経緯までもを知っている)、また裏の顔でもあるのかそういう凄みもある、という役。
三島ゆり子、第1話に少しだけ出ていた。又八郎におかずを差し入れる同じ長屋のおかみさん。第2話ではクレジットがあったが、見当たらず。見直してみたけど・・・。第3話には出ていない。今のところそんな感じの超端役
ゲスト
第1話
岡田英次、木村理恵、渥美国泰、江幡高志
第2話
高橋長英、仇討ちをする身で、近江屋に助っ人を頼むという役。冒頭、髭を生やし強面で登場、近江屋からの紹介でやってきた3人に高圧的に対応するが、実はとても弱いという、ちょっと面白い役
その妹が鈴鹿景子。先日亡くなってしまった。残念。特別に好きな女優なのだが、今回は登場で、ああ、見たことある顔だな程度にしか思い出せなかったのはなんでだろう。兄より勝気で、一人で仇討を決行し逆襲され犯され自害
第3話
相原友子、佐藤仁哉、草薙幸二郎
横森久、出番は少しだけ。三味線のお師匠、メクラ。そこへ通っているのがこの回のメインゲストのおようで、又八郎はその付き添いの仕事をしている。又八郎が事情を聞きに来た時に、目が見えずとも男女の心の動きはわかると大口を叩き、おようは、身ごもっているとのたまう。それを念頭に、おようの両親におようと恋仲の男との仲を認めてやったらどうかなどと説得、その説得はうまくいき、おように感謝されるも、おようは身ごもってなどおらず、又八郎の策略で親を説得してくれたことに感謝しているが、又八郎の方は師匠のなんとも説得力のあるが当たっていなかった口ぶりに苦笑い

※追記
同日(9/27)視聴
第4話
メインゲストは范文雀。実を持ち崩した女で元は大きな商家の生駒屋の娘。その身を案じて彼女に用心棒を頼むのは生駒屋の元番頭で婿にはずだった男の役が河原崎健三
悪役メインは清水綋治(ゲストキャストクレジットでトメ)。
今シリーズはあくまで古谷一行がメインか。この回なんてのは田中健が清水綋治を斬っちゃったほうがよさそうなのに。田中健の米坂が清水綋治の卍組に雇われているが又八郎と示し合わせており、最後に裏切る。
第2話でも米坂が他の二人と敵対する側に雇われるという構図がある。なんだか同じような構図が頻発で安直に見える。

※追記9/28
5 4月30日 この命三十両
吉沢京子、草野大悟
細谷が近頃調子が悪く医者へ行く。診察を終えた後部屋の外で立ち聞き、「あの男はがんという治らない病だ」という言葉を自分のことと勘違い、というありがちな仕掛け。命を売るような仕事に臨む
三島ゆり子がきんという名前、亭主が徳蔵、ということが知れる。

6 5月7日 胸さわぎ
亀井光代、谷川みゆき、三戸部スエ、遠藤太津朗(ゲストキャストクレジットでトメ)
端役で
阿藤海、芝本正
米坂の家の事情と言うのが明らかになる回で、兄嫁と言うのが出てくる。兄は亡くなっており、米坂八内は家を継ぐ立場だった
第4話まででは、まあ細谷は子だくさんというところで浪人暮らしの苦労を感じさせながらも良妻がおり、長屋暮らしにも馴染みという色々目立ったキャラだが、米坂は博打好き、風来坊的気質、近江屋に居候? みたいに謎めいていて出番もちょっと少な目、という風にメイン3人のバランスが悪く、あまり又八郎以外が活躍しない、とくに米坂、だった。
で、まあ予想通りというか、それ以外の二人が、それぞれがフィーチャーされる回が続いた。
この回は夏木勲(夏八木勲)が出ていない。
又八郎は遠藤太津朗の金貸しの用心棒の仕事に就くのだが、これってこの回のメインエピソード(米坂が請け負った呉服問屋の娘の用心棒)に関係がなく、が、しかしそこに大物俳優を使い、多くの時間も割いており、こういうのを見ると、今作品のテーマは、用心棒稼業あれこれ、なのだなあと思う。まあタイトル通りだが。
OPタイトルバックというのは、完全に決まりきったものであるはずで、今シリーズでも、近江屋の看板をバックに仁鶴のクレジット、次にサブタイトル、で音楽がきっちり終わるのであるが、この回はなぜか、少しだけ映像が先に終わり、本編映像部分にOP音楽がはみ出している。その本編映像の最初はやっぱり近江屋の看板(OP映像のものとは違うが)

7 5月14日 女主人の腕
赤座美代子、小坂一也
呉服問屋備前屋の仕事を近江屋から依頼された又八郎、今回は二人で組んでやる仕事で、その相棒となるのが小坂一也なのだが、剣術の腕が未熟で使い物にならない、という設定から、終盤で実は公儀の隠密で、備前屋がやろうとしていたある藩への金の融通を止めようとしていたのだった、という筋。
赤座美代子は備前屋の後添えで、娼婦上がり。なにか裏があるのやらと見ていたが、徹頭徹尾善玉。娼婦の時代の男に狙われてるのかもというミスリードから、苦界から救ってくれた侍の藩が窮地に陥ってることを知り、それを備前屋も公認で助けようとする、とここで公儀の介入を招くわけだが、とまあ夫婦ともども善玉

8 5月21日 梶川の姪
織本順吉、小林かおり、小野進也
北村英三
忠臣蔵との関わりはここまで時代背景という程度で薄いものばかり、ここ数回は話題にも出てなかったと思うが、この回はとても強く、また今後もこういう関わり方を見せていくのではと思わせる回。
今回又八郎と細谷(今回は米坂が出ていない)が近江屋の紹介で用心棒に出向くのは梶川与惣兵衛。殿中松の廊下で浅野を止めた旗本である。
浅野の家臣に逆恨みされ襲われると危惧し柳沢と通して用心棒を頼んだという次第。なんと近江屋は柳沢とも通じている。
小林かおりは梶川の姪の千加。小野進也はその許嫁だった石黒。梶川の不興を買い、家が取り潰しになっていて、梶川を襲っているのは実は浅野の家臣でなく、石黒なのだった。
千加と石黒の婚約が破棄された後、千加は梶川の都合で別の旗本との嫁入りが決まっている
という展開の中、ラストで再度千加の輿入れのための梶川の駕籠行列が襲われるところで、又八郎は襲ってきたのがやはり浅野の家臣だと気付き、細谷が手に入れた近く吉良が屋敷を引っ越すという情報を渡し、小事、梶川を襲うこと、より大事、吉良の首、と諭して引き上げさせ、残った石黒と一騎打ちで石黒を斬るという終わり方。石黒が浅野の家臣を言いくるめて、個人的に恨みのある梶川を狙わせたのだった。
という凝った内容

9 5月28日 犬を飼う女
片桐夕子、高原駿雄、武知杜代子(武智豊子)
北見唯一、カウスボタン
伊波一夫(井波一夫となっている)
又八郎と細谷は犬の用心棒を近江屋から引き受けさせられる。つまりは生類憐みの令をベースにしたもの。
カウスボタンは岡っ引き(ボタン)下っ引き(カウス)の役でちょっとだけ。
又八郎はおとよ(片桐夕子)という女の飼い犬を担当。おとよは田倉屋(高原駿雄)の妾
おとよはその犬をついてきてしまったから飼うことにしたのだが、なぜか浪人に狙われるようになり、それがその犬のせいのようで。で、犬を放したらどうかと又八郎から諭され、放す場面があるのだが、ここがご都合主義。放された犬、まずは元の飼い主のところへ行き、その後小判(その元の飼い主は押し込みの一員であり、おとよを狙う浪人も仲間だ)を掘り当て、さいごにはおとよの家へ戻る。話を作るのに最適な行動だ。
細谷は三河屋という商家の狆を担当。こちらはコメディ担当であろう。まずは裃をつけて姿を現す細谷。この狆を将軍家を献上しようと画策、そのためには権威をつけなくてはならない、ということで侍の用心棒をつけたという次第。
これをおとよの家に連れてきた場面、おとよの家の女中およし(武智豊子)に似てると笑い合い、ラストでは今度は近江屋で吉蔵(仁鶴)の顔を見て、狆を思い出して又八郎とともに笑い合う。
米坂が出ていない
伊波一夫は冒頭で死骸について証言する押し込みに入られた店の者である

10 6月4日 刺客と恋人
岸田森、中村錦司、梅津栄
ここで第1話にあった又八郎の仇として追われているという件をメインにしたエピソード。高沢藩からの追手のリーダーとして岸田森が登場、家老には中村錦司。
急に作風が変わったように見える。シリーズを通じて扱う題材なのだが、この後このエピソードで継続していくとは思えない。そうなったらなんで途中から長編エピソードになるんだという疑問もありシリーズが歪な印象だ。それに全26話で、そんな長丁場にこのエピソードで耐えられそうにない。まあ、ここで突然入れてきたのも歪だと思うが。ここは前後編にしてこのエピソードを完結させてしまうというのも手だと思うが。その後由亀は江戸にとどまり又八郎と長屋暮らしみたくすればいいし。
でも今回の結末を見る限りそうもならないだろう。由亀と祝言だけを済ませ、一旦国へ帰し(おばば(又八郎の祖母)の面倒を見るため)、また用心棒もの一話完結スタイルになるのだろう

※追記 9/29視聴
11 6月11日 謎の剣客
中尾彬(ゲストキャストクレジットでトメ)、池波志乃、小林昭二
芝本正
前回がああいうものだったので、今回はどうくるかなと思ったが、序盤を見ると一話完結に戻ったようで、やっぱりかと思っていたのだが・・・。が、途中から一変、忠臣蔵の赤穂浪士が大きく関わってくる回。こういう感じで今後はずっとここらと関わる話になるのかなと思うが、一方で・・・。いま見ているゲストキャストを引用しているサイトでは、複数回出演の場合、それがすぐわかるように書かれているようで、今回の中尾は赤穂浪士堀部安兵衛の役なのだが、この回限りっぽく、そうだとしたら、ここまで深く赤穂浪士と関わる話はもうないようにも思え・・・。
今回、又八郎は長江長左衛門(中尾彬、堀部の変名)という道場主からの依頼で師範代として代稽古の仕事。
この長江が道場主なのに稽古に出ずに、しかし何をやってるという風でもなく奇妙な男、さらには怪しい来客も多く、又八郎は討っ手ではないかと疑いを持つ。が、正体は赤穂浪士で、そこは浪士たちの集合場所であった。
また前回を踏まえたセリフもいくつかある。討っ手と疑うというのもそうだし、又八郎が結婚したばかりでと言うのもそう。また前回でその件は一応ひと段落しているという認識があるようでそういうセリフもある。
そして今回のラストでその道場に試合を申し込んでくるのが小林昭二だが、これが又八郎を討とうとする一人。
そもそも前回で取り上げられた又八郎の藩からの討っ手の件、まず第1話で描かれたのが、殿さまへ毒を盛っているという陰謀を聞きつけた又八郎が藩の重役である由亀の父親へ話すと、聞かなかったことにしろ、黙っていろと言われ、それに反発し殿に直訴しに行こうとする又八郎、もみ合いとなり、又八郎が由亀の父親を斬ってしまう。というこれが発端。又八郎は脱藩、江戸へ。
第10話の終盤ではその企みは殿の知るところになり、主犯の家老は処罰されたとされ、もう又八郎を討つ理由はないのであるが、破れかぶれ、ここまで来たら、みたいな勢いで、又八郎への襲撃がなされている。ので、それを又八郎が追い払った状況では、まあ確かにひと段落しており、これ以上続けようがない感じでもある。
池波はおりんという役名で、上杉の密偵、といっても深くかかわってるわけではなく、金で雇われてる様子。夫婦での同じ場面というのはない
芝本正も赤穂浪士の一人として少し映っていた

12 6月18日 男が石を抱いたとき
松本留美、松岡明美、氏家修(風吹真矢)
山村弘三
今回は一転、忠臣蔵も又八郎の一件にも触れられない。
又八郎は旅籠、米坂は呉服問屋への仕事。
その双方に関わってくる事件のエピソード
呉服問屋の後妻お仲が松本留美、その弟菊次郎が氏家修。菊次郎は不良で金をせびりに来る。しかもそもそも同業の呉服問屋が両親が亡くなり店が傾き借金を抱えたのを綺麗にしてもらって後添えにきたという経歴であったことから肩身が狭い。お仲は菊次郎が赤ん坊だったころやけどをさせてしまったという負い目があった
旅籠の女中おもんが松岡明美。彼女には実家の安孫子で菊次郎(次郎と名乗っていた)に男たちに乱暴されそうになっていたのを助けられたという恩があり、江戸で探していた。
旅籠の主人が山村弘三
菊次郎が殺しをし、さらにまた姉のところへ行き三十両を奪い取って行った。これをなぜか米坂が庇って自分が犯人として取り調べを受けることになる。これがサブタイトルだが、この場面がよくわからん。米坂がそのおかみに惚れていたとか、菊次郎の良心にかけたのか。結果菊次郎は真の悪役というのが結末。おもんの安孫子の一件も、出来レースで仕組んだことであった。
細谷が出ていない

13 6月25日 小さな女主人
斉藤こず恵、長谷直美、勝部演之、山本昌平
第6話でもあったが、メインの二人がそれぞれ別の仕事に就き、それぞれが描かれるも、その二つが絡むことがない。どちらにもそれなりの時間が割かれており、それゆえ、メインエピソードに絡まないエピソードに長時間が割かれている
メインが又八郎が少女おゆみに雇われるというもので、そちらが斉藤こず恵。美少女ではないが愛嬌のある可愛らしさ、当時大人気であったのだろう、愛らしい笑顔が何度もアップになる
母親を早くに亡くし、父親も最近亡くしという境遇で、なぜか甲斐甲斐しく雇った又八郎の世話をしている
おゆみの父親は殺されており、その犯人を捜すというような話に展開。勝部演之はおゆみの実の父親で、おゆみの父親を殺した罪を被せられそうになるという役。まったく喋らないのでそういう役かと思いきや、口数が少ないだけであり、最終盤に真相を語るという場面がある
細谷のほうの仕事は身分のある娘(長谷直美)による浪人探し。もうすぐ婚礼でそれまでに恋仲であった男を探しだしたいらしく、そしてその相手というのが米坂。細谷は米坂に酒を飲みながら今回雇われてる娘というのがひどくて、と状況を話すと、米坂はその相手の男というのを想像してくそみそに言うも自分だった、というギャグが展開される

14 7月2日 消された女
神崎愛、中島葵、鹿内孝
又八郎が同じ長屋に住む夜鷹おさき(神崎愛)の用心棒を引き受ける。これは近江屋の紹介ではなく、ひょんなことから買って出たのだ。そのおさきが殺されてしまい、責任を感じた又八郎が事情を探っていくという展開で、そこで「大石」の名前が出てきて、忠臣蔵との絡みとなる。おさきが商売で声を掛けた浪人の口から出た「大石」という人名を一緒にいた仲間の夜鷹お杉(中島葵)が覚えていた
細谷が近江屋からの紹介で受けた仕事はどこかの屋敷に滞在、そこには大勢の同じような浪人、飲んだり食ったり・・・、指令が来るまではそんな感じであったのだが、対に指令がくだり、それは大石暗殺だった。それを聞いた又八郎は夜鷹を殺したのは細谷を屋敷に集めた大石暗殺の首謀者(鹿内孝)だと狙いを定め復讐を決行する
米坂が出ていない。どうもここら辺バランスが悪い。三人の腕利きが口入れ屋の紹介を介し色々な用心棒稼業をやるというコンセプトなら三人を絡ませたストーリーをいくらでも作れそうなものなのに。

15 7月9日 喪服の花嫁
紀比呂子、伊吹剛
永野辰弥(永野達雄)、福本清三
お涼(紀比呂子)は掏摸だが、ある侍の財布を盗んだのが縁で、その侍と夫婦になる約束をした。その侍を細谷が殺したと知りつけ狙う。
賭場の用心棒の仕事を受けた又八郎は、そこでいざこざを起こした米坂とお涼と対峙することになり、米坂と示し合わせてプロレスをする。
お涼はその賭場での米坂を見込んで助太刀を頼んでは断られ、近江屋にそれが持ち込まれ、危うく細谷がそれを受けそうになり、又八郎が割って入ったりと序盤はドタバタと楽しい
永野は出番は一回だけの元大目付の役。ほんとうにこういう役が多い。幕府の要職、悪役でも善玉でもない端役
福本は初っ端からの出番。おれは声だけで彼かなと思った、顔はあまりよく映ってなかったのだ。当たった。結構マニアックなところまできたと思った。でも顔は映ってないと思ったが見直したら、まずはっきりと一瞬映ってそこから暗闇に紛れるという感じ。それを意識していないが、その顔を判別して福本とわかったのかもしれない。結構出番の多い大きい役。といってもメインでも二番手三番手でもないけど。

※追記 9/30視聴
16 7月16日 危うし!又八郎
山本みどり、田口計
岩田直二、日高久
シリーズ始まりでの忠臣蔵との関わり、そして回によって時折、その関わりが強くなることがあったが、今回もとても強く関わっており、おれはこういう作品が全部の回で繰り広げられるのかと思っていた。つまり、忠臣蔵の裏でこういう事件が起きていた、この三人の用心棒が忠臣蔵の登場人物と意外な関わりを持っていた、というような。
今回、仕事に出向くのは又八郎と細谷で、それぞれが老人の用心棒だったり、別宅の番人だったりという仕事。そして細谷が就いた老人の仕事というのは、浅野方の江戸の重役の間瀬(岩田直二)で、また又八郎の就いた別宅の番人の仕事はその浅野方をつけ狙う集団の集まる場所だった。
又八郎がひょんなことから手に入れてしまった浅野方の密書を巡っての争い。
日高久は冒頭とラストだけ。細谷の子供の病を診る医者の役。前回の福本清三と同じく、声だけでわかった、といっても遠目に全身が映っていて、立ち話をしている場面で顔が映ってないこともないのだけど。そしてそういう府に遠目に映っていてもわかるときはわかるのだな(※)。
岩田直二、端役の多い人だが、ここではかなりの大きな役
米坂が出ていないが、米坂を近江屋が探しているという場面はある
(※)そういや、クラレンス・クレモンズが亡くなった後に、追悼コンサートの記事(英語の記事だったと思う)を見て、そこにあった小さな写真で、ジョン・キャファティじゃね、ひょっとして、と思って調べてみたらやっぱりそうだったということがあった。
他にもリヴォン・ヘルムの公式ページを見てて、小さな写真からこれひょっとして、アラン・トゥーサンじゃねと気付いたこともある、アラン・トゥーサンじゃなくて、ジョン・クリアリーだったかな

17 7月23日 妻の脅迫者
奈良富士子、内田稔、内田勝正、浜田寅彦、山本一郎
内田勝正という人は悪役が多めだが、ここでは悪役であり最後斬られているが、一筋縄ではいかない複雑な役
旗本の村瀬(内田稔)の妻弥生(奈良富士子)が息子の三五郎を連れて寺参り、三五郎が誘拐されてしまう。その弥生には深沢という過去に弥生となにかあったわけありの男がおり、つきまとっていた。そして三五郎の誘拐も彼の仕業。
とこうなると深沢はただの悪役だが、事情を問い詰めていくと、実は弥生が真に惚れた男が深沢であり、嫁入りの前日に、綺麗な体を深沢に捧げていたのだった。しかし、嫁入りした先の村瀬がとても優しく心の広い好人物であり、弥生は先の間違いを悔い、身を捧げて尽くしている
一方深沢は弥生を抱いた後転げ落ちるように転落人生となっていた。
三五郎に刃物を突き付ける深沢だが、弥生の三五郎はあなたの子ですという言葉に怯み、やられてしまう。本当に三五郎の父親は深沢だったのか、又八郎は、あの土壇場のひとこと、あれは弥生殿の一世一代の嘘だと思ってると弥生に語りかける

18 7月30日 浮気の現場
金田龍之介、岡本舞、岩井友見
今回は忠臣蔵絡み
細谷が請け負って怪我をさせられたという仕事が又八郎に回ってくる(結果的に又八郎のほうが腕が上ということであり、又八郎もそれを問われてそう答える場面がある)。
老中の屋敷で誰を警護するのかはわからないが、夜に出かけるのでその護衛という仕事。
が、その屋敷で奥女中(岡本舞)に呼ばれ、そこの奥方(岩井友見)から更なる仕事を頼まれる。それが夜の出歩きというのは浮気なのではないかという調査の仕事。
さてその警護する人物とは老中その人(金田龍之介)であり、柳沢を追い落とすため浅野に肩入れしており、その会議に出向くのが夜の出歩き。
だが、又八郎は約束を延長させられ、その最後の日、なんとその日の出歩きは奥方が疑念を持っていた浮気。又八郎は帰り道老中に箴言を行い、老中は以後慎もうとそれを受け入れる。
なお奥女中は実は柳沢の密偵でもあり、だが、それは又八郎に成敗もされず、最後に、政治に関わらない方がいいと、柳沢と縁を切るよう諭され、終わる
米坂が出ていない。前回も出番は少な目、ここへ来て又八郎、細谷の二人体制という色が濃くなってきた。
岩井友見、超大物だが出番は一回だけ、特別出演のようなものかと。
岡本舞、無名塾出身で当時18歳、デビュー仕立て。若々しい印象はなく、むしろ円熟した感じで、18歳と知り驚く

※追記 10/1視聴
19 8月6日 怪談・八百屋お七
若原瞳、小林芳宏、小栗一也
サブタイトルどおり、八百屋お七を扱ったストーリー。これが江戸の巷で流行り、その幽霊が出たという巴屋からの依頼で又八郎が出向くことになる。その商家は跡取り娘お照(若原瞳)が出入りの大工佐太郎と恋仲になるも、主の長兵衛(小栗一也)はそれは許さない。
時代劇で怪談を扱う際の典型的なストーリーという感じで、ここではこの幽霊騒ぎはお照が佐太郎との結婚を認めさせようと仕組んだもの。又八郎は真相を見つけるも、それを主人に告げることはせずお照の恋路を味方し、長兵衛を説得、長兵衛はお照の結婚を認め、佐太郎を婿入りさせることに決する。で、それだけじゃ物足りなかったか、その幽霊騒ぎも終わったところで再度幽霊が登場、こちらはその家の番頭が美人局に遭い脅されての仕業、これも又八郎が阻止。番頭は長兵衛の温情で今回は見逃すということになり、お照も番頭に、佐太郎が商売には未熟なので、教えてあげてくださいと頼む。
米坂は少しだけの出番。細谷は出ていない。

20 8月13日 闇夜の襲撃
岡本麗、内藤武敏、山口幸生
今回は忠臣蔵絡みで大石を狙う忍が跋扈する
川崎宿の北の村平間村での用心棒を頼まれた又八郎。そこへ出かけるまでに近江屋に賊が入ったり、又八郎自身が襲われたりする。難癖だが、又八郎は襲われた際(既に忍の跋扈が始まってる)に、怪我(木の根に躓き、自分の刃物で自身を傷つけた)をした相手の女おせんを介抱しようとし、がしかし、彼女の口を塞ぐため、仲間の男がおせんに攻撃をしかけ、それを又八郎は「彼女がかわいそうだとは思わんか」と斬り殺してしまう。女は助けて男は殺す。その女を抱こうとかそういうキャラでもないし、なんだか矛盾である(この件はラストでセリフにある)
中盤まで大石の名前は出てこないが、その村へ行き、守る相手である太夫と呼ばれている男とそれに付いてる者たちの話を聞いていて又八郎は太夫と呼ばれている垣見(「かけい」という読みのようだ)が大石と気付く。
又八郎が大石とわかった上で赤穂浪士の思いを皆が応援しているというようなことを大石に話す場面もある。
おせんは最後の正体を白状、上杉の忍であった。おせん「なぜあたしを助けた?」又八郎「わからん、ただ死なせたくはなかった」だそうである。この後、おせん「抱いてくれ」(昼日中の屋外)、ちょっと抱きしめてやり別れる
前回と同じく細谷が出ておらず、米坂はちょっとだけ。
三島ゆり子のクレジットがあるが出てないと思うがなあ
伊波一夫のクレジットもある

21 8月20日 暗殺剣 千鳥
浅利香津代、綿引洪(綿引勝彦)
近江輝子、井上茂
なかなかいい出来。中盤までは3人ともが活躍しバランスが良い。中盤以降は又八郎だけのストーリーになってしまうが。
また因縁の絡まり具合もよくできている
浅利香津代がよい。おれが見たもので覚えてるのは中村梅之助のドラマで小さな役で出ているのを見たくらいで、あまり見ていないが、この人は前進座の人で芝居はしっかりしており、いくらでもやれただろうなと思う。
途中挿入される細谷の夫婦喧嘩のエピソードがほのぼのしていて、ストーリーの箸休めにいい。
まずは又八郎以外の二人が質屋での用心棒、そこへ盗賊が押し込むが、追っ払うという始まり。
又八郎は用心棒を頼まれるものの、依頼人に会いに行くと、そこに待ってた由利は、夫が果し合いをするから密かに助勢をしてほしい、と。又八郎は引き受けるも、その夫の顔を見に行くと、それは又八郎がかつて御前試合で勝った望月という男、望月は又八郎より腕は上だがおごりがあったと又八郎は考えている。
望月はそのため浪々の身となり、だが果し合いで又八郎に勝てば、帰参が叶うという状況で、依頼は望月が又八郎と果し合いをすることになるから、その際の助太刀だったのだ。
断るしかないと思う又八郎だが、望月と顔をあわせてしまい、果たし状を突きつけられる。しかしそこへ割って入ったのは細谷。最初の盗賊の件で、望月がそこにいた、盗賊の用心棒なんて男の果たし状なんて受け取ることはないと。
由利はその用心棒代のため素人女を抱かせるというあいまい宿で身体を売っていた。ここであぐりも男の軽い勧めに乗って来てしまい、そんなことをやるなんて聞いてないと、怒って出ていくと、米坂からの誘いの言葉を思い出しそのあいまい宿へ遊びに来た細谷とばったり出くわし大喧嘩。これを細谷の子供たちが仲裁しようと、父親には母親からの差し入れと称し弁当を渡し、母親には父親からと母親の好物のお餅を渡し、が実は両方とも子供たちが用意したものという場面が入る。
近江屋に断りにいく又八郎だが、由利がまだ話があるとのことでそこへ出向く。事情はお互いにもうわかっており、が、由利は二人に果し合いをしてほしいと願い、又八郎は由利が新しい生活を始めると約束するなら、と浮ける。
が、そこを出た由利は又八郎に抱かれていたと誤解した望月に斬られ、それを知った又八郎は改めて、望月に果し合いを申し込む。
さて殺陣。ここも見ごたえあり。望月は盗賊仲間を大勢連れてきて、取り囲む。そこへやってきたのは、細谷、米坂。格好良い。望月以外はおれたちにまかせておけ、と。
殺陣の最後、時代劇にはありがちだが、望月が又八郎を殺った、と見える状態から、望月がぐったりと落ち、望月が実は殺られていたというのを見せる。
又八郎が二人に「さあ行こうか」、とここでEDになれば最高と思ったがエピローグ。でもこのエピローグも良い、まあありがちだが、中盤であった細谷の夫婦喧嘩エピソードの結末、あの仲裁は子供たちであったことを両親が知る、である。
あぐりという名前、珍しい名前を付けてるなと思っていたが、ここで気付く。そうか忠臣蔵からの引用か

※追記 10/2視聴
22 8月27日 惚れた女の泣きぼくろ
原田大二郎、清水久美子
壇まゆみ、井上聡子
又八郎が依頼されたのはこれから人探しをする女を守ること。人探しは自分でやるのでそこは手伝わなくていい、とにかく、邪魔が入らないようにしろという奇妙な依頼。
どうやら仇討をしようとしているらしいのだが・・・、その裏には恋仲であった二人が引き裂かれ、そして女の許嫁を男が斬ったために、女は男を仇討しなくてはならなくなったという事情があった。
女のほうの下女(井上聡子)、さらに男が通う岡場所の女(壇まゆみ)と、この回では三人の女性が三者三様で光る。三人とも女優として大きな活躍をした人ではなさそうだが。
ラストでは又八郎らの働きで二人が一緒に旅立つということになり、そしてその岡場所の女、そして男を用心棒として雇っていたヤクザ、双方が男を探し回るというドタバタしたもので楽しい
清水久美子、調べてみたが単純に調べても違う人が出てきてしまう。「女優」などいくつか補助語を入れてようやく見つけた。初代ミス水戸黄門とやらで、第11部で光圀一行と道中しているとのこと
細谷が出ていない

23 9月3日 吉良邸討ち入り
鈴木瑞穂、地井武男、里見奈保(鶴田さやか)、潮哲也
サブタイトルどおり、それにまつわるストーリーで、このシリーズが忠臣蔵絡みということで、多分討ち入りの際にはこういうストーリーなのだろうという予想どおり。
清水一学が地井武男で、これを善玉扱いにしている。そこが話を面白くもしているし、しかしその面白さを十分には描けておらず残念な出来にもしている。
忠臣蔵は色々な形態で作られており、俺でさえテレビドラマだけだとしても色々見ている。どれも金がかかっていて、討ち入り前の諸々なんてのは、それこそハイライトシーンでもあり入念に描かれたものを多く見ているせいもあり、ここではどうにもチャチい。
ストーリーとしては、吉良邸への用心棒を近江屋から依頼された又八郎と細谷だがそれを断る。しかし、その帰り道、道で襲われ、それをかわすと、その男は技量を試したのだといい、屋敷へ案内、そこが吉良邸で、彼は清水一学だと名乗る。
近江屋は、さらに浅野方からの依頼を受け、二人に、吉良邸を探れと言い出す。近江屋としてはこれも仕事だと嘯く。
この二つの仕事、どちらを裏切るのかで悩む二人、とここが先に書いた清水が善玉ということもあり、見せ場となる。こういう展開だと、それを決断していくまでに時間をかけじっくり見せる必要があるが、これは一時間ドラマ、大した掘り下げもなく、清水はいいやつだが、などと言いながら、浅野方につくことを決める
鈴木瑞穂は奥野将監役、赤穂浪士を脱盟した人物でウィキの項目もある。そのウィキに「大石が吉良を打ち洩らした際に備えた二番手だった」という説もあるとあり、このドラマではその説を取っている
潮哲也は茅野和助役。担ぎ屋台のおでん屋で細谷と旧知。吉良邸に入ってる又八郎らが声を上げながら屋台を担いで通る茅野を驚いて呼び止めるのだが、屋敷に入っちゃってて、外の道と窓越しに喋れるのがよくわからん
吉良邸で又八郎と細谷がそれぞれ仲良くなる女が二人、里見奈保は又八郎に惚れてしまうという腰元、もう一人は女性の名前のクレジットで検索してみたがわからん、細谷と仲良くなる下女
米坂が出ていない。シリーズ中重要な回だと思うが、そういう時でさえレギュラーが欠けるという、再三言っているがバランスが悪い。そもそもなんで三人をメインに据えたものを作ろうとしたのやら。原作がそうだから、ということかもしれないが。と思ったが原作についてのウィキを見てみたら、忠臣蔵絡みもなさそうだし、米坂は登場人物の項目に出ていない

24 9月10日 老中誘拐さる
金子信雄、三浦リカ、田中哲也、武見潤
山村弘三、小柳圭子、山本一郎、芝本正
前回が吉良討ち入りで今回のサブタイトルが老中誘拐で、忠臣蔵絡みかなと思ったが、違った。もう忠臣蔵からは離れているらしい。
ゲストトップクレジットは金子(老中柳沢役)だが、ストーリー上のメインは社会に不満を持ってる若者五人衆で、それを率いるリーダー格の秀。髪結いの職人で、近江屋を些細なことで恨んでおり、近江屋に仕事を依頼、派遣された又八郎たち三人がそれとは知らないままに老中誘拐をしてしまうという発端。秀はさらに近江屋から老中の身代金を取ろうと計画する。
老中を誘拐しリーダーの髪結いが頭を町人に仕立てる場面があり、後頭部の首らへんに髪の毛を集めてる場面が興味深い
今回は三人揃って登場、バランスも良い
でも又八郎たちが誘拐してる若者五人に肩入れするという展開はなんとも解せない。身代金がうまく撮れず、柳沢が長島藩に1万両だすよう書状を書く。長島藩が1万両を持って約束の場に来るも、5人と柳沢を抹殺に動く。又八郎たちがそれに対応するという展開。まあ長島藩もこれを機に、と柳沢抹殺に動くという悪ではあるが、そもそもの誘拐のほうがさらに悪としか思えん。
それでも若者に心を寄せるという話なのかねえ。近江屋から三人の報酬として50両、びた一文負けん、とがんばり、秀が助け出そうとしていたはる(三浦リカ)が岡場所から解放され秀に会いに来るというエンディング
金子信雄は誘拐され、最初の内は縛られ寝転がらされているだけの役だがそれでも存在感抜群
三浦リカのはるは秀ど同郷で一緒に江戸へ出てきおり、今は岡場所で50両の借金を背負っており、秀は身代金で彼女を救い出そうとしている
伊波一夫がクレジットなし端役。最初の誘拐の場面、又八郎は寺の警備の仕事と言われ赴くも、柳沢の警護を担当している伊波に、怪しいやつと咎められ、諍いになる、この隙に誘拐が実行されるのだ
俳優の顔なんかを確認するため調べていて一つ面白いことに気付く
武見潤という人は母親が小柳圭子であり、そして今作の中でも親子役。秀の仲間で、だが家は大きな商家、それに拗ねた若者という役で、母親は厳しいながらも甘々、父親は亡くなっており、祖父(山村弘三)が甘々なのだと母親はこぼしている、というようなやり取りがあり、この親子の場面は結構たくさんあり、隠れた見どころ。
さて、秀であるが多分田中哲也という人なのだろう。検索しても全然出てこない。田中哲也という名前で色々なジャンルの人がいるらしく、そういうのがたくさん出てきてしまう。これを検索しているときに、なぜか田中健が古谷一行の死を追悼する記事が出てきた。この作品のことも書いてあるので引用
--田中健 急逝の古谷一行さんを追悼「満面の笑みばかり思い出します」 「オレゴンから愛」などで共演
『江戸の用心棒』京都での撮影で半年間ご一緒しました。当時の京都の撮影所は、最強プロ集団 生半可な気持ちで出掛けると怖いんだと周囲から聞いていましたが 古谷さんのお陰でハードルが下がり 楽しい思い出しかないまま撮影を終えました--

※追記 10/3視聴
25 9月17日 男づくしの江戸の華
五十嵐めぐみ、佐藤蛾次郎、梅津栄、市川好郎
鈴木康弘
町奴と町火消の喧嘩。近江屋は又八郎、米坂それぞれに同じ文句、江戸庶民のために、を言って、それぞれの用心棒に就かせる。すると翌日には喧嘩をすることになっていると言われ、それも近江屋は承知のことと。又八郎と米坂は喧嘩の場で顔を合わせて驚き、近江屋へねじ込む。
喜劇要素の強い作品で、それも町奴側の親分が梅津で、その手下に蛾次郎という顔ぶれでわかること。
喧嘩の発端は両方の親分による「恋のさや当て」、たかが女の取り合いである。それを「男づくし」だの「男だて」と言って、つまりは、顔が立つだとか江戸っ子の見栄だとかみたいなものだろう。ここら辺は落語のテーマにも通じるバカらしさ。
なおその喧嘩の発端を聞かれて佐藤蛾次郎が落語の芝居噺風に格好つけて語る場面がある。語り始めると画面のほうは、その登場人物(五十嵐めぐみ、梅津栄、市川好郎)がそれを芝居威風に格好つけて再現、つまり佐藤蛾次郎が底の声を担当しているという具合。いかにも喜劇的演出
またその取り合いになってる女の両方を手玉に取る一枚上手な小悪魔的要素も落語でよくあるパターン。五十嵐めぐみが好演
女が悪いと用心棒二人で相談にいくも、女は意に介さず。そこで米坂は、まるっきり別の男に惚れろ、俺とつきあえ、江戸の庶民のためだと。女もそれにのる。
それだけじゃ本当にただの喜劇だが、最後のところで、町奴側の一の手下(鈴木康弘)が実は双方を争わせて、自分が全てを奪ってしまおうと企んだという結末があり、そこへ又八郎と米坂が入ってきて、駆逐。町奴町日消しの親分同士は仲直り。

26 9月24日 別れたくない江戸の空
下元勉、野平ゆき
中村錦司
松尾勝人、東悦次
喜劇的ストーリーだが、それはあくまでストーリーのことで前回のように喜劇の得意な役者が出てなにかするというようなことではない。そして最終回ということで結末をつけるためのストーリーでもあり、とくに最終盤ではバタバタと展開するが、それらは全体的に雑な作りというわざとらしさが感じられる。何が悪いのかなあ、演出か。
又八郎が野道で女おすず(野平ゆき)を助け家に送ると、父親の西山(せいざん)に大層気に入られ、仕官の口がかかるが、又八郎は国への帰参が決まったので、それを細谷へ譲る。が、細谷が馬は乗れるかと聞かれ、指南役をやっていたほどだと答えてしまい、それなら良い馬を持ってるだろうということになり、良い馬を手に入れるための金を作るというストーリーになる。
最初は対等な、というよりむしろ請われての仕官だったのに、いつの間にか、仕官させてくれ、条件も飲むみたいな形になってるのは変なような気がするが、そこら辺は自然に作られてる。まあそれくらい仕官は大変ということもあるが。
ここらで仕官するには金がかかると言われ、金を巻き上げるというよくある話になっていくのかなと思ったがそうはならず。西山はまあどこから見ても好々爺という風で悪役の要素はまったくなし、実際最後までそのキャラ。
で、金作りに奔走、あと15両となったところで、米坂が持って来た話というのが近江屋への押し込みの手伝い! とここらは喜劇的。本当に襲うのかどうか、そこら辺、三人の相談の場面は省かれ、近江屋の場面となる。
その結末は、押し込みが近江屋へやってくると三人は押し込みを裏切り近江屋を守る。そのことで近江屋から15両を礼金としてもらうという算段。
そして結末。その押し込み騒ぎが終わると、又八郎は帰参の時刻、明け六つの鐘が鳴るのを聞く。忘れていたのだ。駆け付けるも、もう行列は立ってしまった、と。肩を落として長屋へ戻ると、由亀とおばばが待っている。国元では又八郎が戻るということで反対の声が上がったりと大騒ぎになっており、二人で江戸に出てきてしまおうということになったというわけ。
細谷のほうは買おうとしていた馬が骨折してしまっており結局断念、また三人で働けるな、というところへ、近江屋が新たな仕事を持ってくる。その仕事とは・・・。芝居小屋で、馬の前足後ろ脚、そして拍子木チョンチョンの三役交代制。とここら辺は最終回によくある明るい終わり方
中村錦司は10話のときと同じ江戸家老田代役。10話で又八郎討伐派の報告を受けていたから失脚したのかと思ったが、組んでいたということではなかったのだろう
野平ゆき、ウィキを見てみたらポルノでも活躍していたとのことで、このころも並行してポルノの仕事をしている。ちょっと驚いた。

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主題歌、
なんと珍しいことに海援隊の千葉和臣の作品、作曲も担当。さだまさしのような曲調、声。
字幕オンでの色付きが又八郎のみ。せっかくメインが3人、仁鶴も入れれば4人いるのだから、色付き3人にしたほうが見やすいのに、と思った
ウィキにゲストキャストの記載なし
他のサイトから引っ張ってきたが、そこのページはあまり詳細でなく、不足分は、自分で画面を見て確認しながら記述
原作あり。藤沢周平の時代小説『用心棒日月抄』
仁鶴
毎回大活躍と言うほどでないがほどよい出番で、仁鶴の落語で見せるおかしみ、もしくはタレントイメージを生かしたキャラを存分に発揮。
全体的に。
三人メインの用心棒稼業という作品だが、そのバランスの悪さが気になった。又八郎ともう一人、という二人の話を作るのが得意なのかな、と思ったり。
そして忠臣蔵を出したり出さなかったり、又八郎の冒頭の件を出したり出さなかったり、さらに、作風もシリアスだったり、喜劇調であったりと、どうもフラフラした作品であった。
三島ゆり子ってそれなりの人だと思うが、それにしては役不足という感じ、見せ場がひとつもなし。他の準レギュラー陣である中井貴恵は出演回は少ない(1、10、26話だけだったと思う、他の回に出ていたとしたらそれは多分回想シーン)ものの、主人公の許嫁役だし存在感は大きい。服部妙子は細谷の妻で出番が多く、大いに活躍。三島だったらこの二人と同じくらいの活躍の場があってもよさそうなのに。