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水戸黄門第1部<デジタルリマスター版> [時代劇]

05/22(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第1部<デジタルリマスター版>▼第20回「父を尋ねて」(鯖江)

「水戸黄門 第1部」再放送 デジタルリマスター版の魅力
この記事を見つけ、第1部を放送していることを知って驚愕
長いシリーズなので、途中のものを見ても仕方ないということで、視聴を考慮に入れてこなかったが、第1部なら見たいと思ってたのだ。
というわけで、途中からの視聴なんてのは普段はしないが、これについてはしばらく見てみることにする。まあ今後はバンバン放送されるかもしれないが。
一方で、この後この枠で第2部~以降全話放送なんてことになるなら、この最初の方を見れなかったのは悔やまれるということになる。

第20話 12月15日 父を尋ねて
篠塚仙之助(三宅新十郎):大友柳太朗
お京:河村有紀
鯖江郡代・丹波:永井智雄
篠塚次郎吉:杉山直
大田黒一平:山本麟一
1969年の作品
もう出来上がってる面とまだまだなところ、そして製作年度が古いせいか稚拙なところと。
東野英治郎の水戸黄門のキャラはもう出来上がってる感じである。長いシリーズの最初の段階でもうビシッと決まってるというのは驚きでもあるし、だからこそのはまり役ということでもある。
必殺の主水の最初のシリーズで主水ももさることながらせんとりつが後年のキャラがすっかり出来上がってて驚いたものだ。
劇中流れる音楽も聴き馴染みのあるもので、それは後年まで使われていたものだと思う(OPの主題歌については後述)
一方でフォーマットとしては、この回では印籠を出さない(が、悪役である代官は相手が光圀であることをわかっており、光圀はそれを承知のうえで、凄んで見せている)。この回では弥七は出ていない(今シリーズにはすでに登場しているとのこと)し、八兵衛は今シリーズにまだ登場していない。
脚本や演出の面ではどこか稚拙なところが目立つ。序盤でそんなことを思い、が、気のせいかなと思ったものの、終盤に至るもそういう面が多々あり、これは製作年度が古く、まだ金もかけられずといったことかもしれないし、まだテレビドラマが軽く見られていたということかもしれない。ストーリーの運びに汲々としている感じなのだ。
この回では一行が知り合った父を探している少年と助さんが先に旅立つという内容で、先に旅立つことになった後は、その二人がメインであり、異様なほど光圀の出番が少ない。
また殺陣では、助さんのみが悪役の元で乗り込む形で、それが大体済んだところで光圀と格さんが登場するという形
OPやEDにクレジットがあったのだろうと思うが、ここではOPで短縮バージョンのクレジット。キャストについては水戸黄門と助さん格さんだけしか表示されない。ここら辺についてはウィキにある。主題歌は有名な「ああ人生に涙あり」だが歌なしのインストゥルメンタル

*5/23
第21話 12月22日 子の刻登城
鎌田新左ヱ門:中村竹弥
あらすじは検索すれば出てくるので書かないようにするが、子の刻登城というのがテーマになっていて、毎年その先陣を取っている下級武士の役が中村竹弥。この人はおれが見たものでいうと、主人公を温かく見守るというような旬を過ぎたがキャストに華やかさを増させる存在といった立ち位置なのだが、ここでは年頃の娘がいるものの、まだまだ生臭く、悩んだり武士のあり方を語ったり、そして追い詰められて最後には割腹で果てるという役。
ストーリーとしては、こんなテーマを後の水戸黄門ではやってなさそうな感じがした。どこにそんなことを感じたのかはなかなかうまく言えないが。
ハイライトシーンは後のものと比べるとちょっと異質である
印籠は出さず、名前を名乗らないが、相手方にはわかっているというもので、これは前回と一緒。殿様と今回の悪役であるこの子の刻登城を仕切っている家老の息子が待つ先陣登城の場に黄門一行が乗り込む。殺陣の果てに殿様が光圀であることに気付くも、家老の息子は気付かない。殿様が退けと言うも、再度挑みかかり、二度目の殺陣となる、という風なところも後の作品ではあまり見ないのでは。
という風に、この二回分で、後の作品と比較しているが、よく考えて見るとおれはリアタイで80年前後くらいか見ていたくらいで、その後はあまり見ていないはず、近年で武田鉄矢版は除くとして、他には見たっけなあ、だから比較といってもおぼろげな記憶と、マンネリ水戸黄門のイメージで語っている
今回はガッツリ光圀一行が事件に絡んでる。また前回感じた稚拙な部分というのは今回はまったく感じず。
ラストに芥川隆行のナレーションあり(前回はなかった)

*5/24
第22話 12月29日 決斗・砂塵の宿
生方源十郎:田村高廣
おせい:北林早苗
生方庄太:藤田和久
赤沢大助:草野大悟
松田伝内:五味龍太郎
磯貝新兵衛:山岡徹也
仁助:瀬良明
おみよ:志乃原良子
吉田屋清兵衛:永野達雄
越前屋彦兵衛:北原将光
七左衛門:矢奈木邦二郎
辰蔵:田畑猛雄
作造:北見唯一
弥吉:河上一夫
安松:田村保
ゲストはウィキを全コピペ(先に書いた通り、番組内でゲストキャストクレジットはない)
田村高廣、驚いた。見る前に事前情報を入れたくないので、ウィキをあまり見ないようにしており、この前後でどんなゲストが出てるかわからない(前掲記事にいくらか書いてあったが)。
おれが見始めてから三連続で大物ゲスト、田村も大友柳太朗も超大物と言ってよい。
ストーリーに触れると長くなって面倒なので触れないつもりでいたが、今作は異色で触れざるを得ない。最小限に触れる。
水戸黄門でこんな作品があったのか。世界観が黒澤の「用心棒」(だったかな? 違うかもしれない)だとか西部劇でよくあるようなもので、飲んだくれと蔑まれていた男が実は凄腕、その凄腕がその凄腕のため町中から頼られるものの、敵が仕返しにやってくると知り、全部をその凄腕に押し付け、家に閉じこもり、閉じた戸を少し開けてその最後の決闘を覗いている。風が吹きすさぶ町、そして最後の決闘が始まる・・・。ああ、だからこういうサブタイトルなのか
序盤からその町民のいい加減さが描かれていることもあり、用心棒だとかを思い出してはいたのだが、終盤になり、敵が復讐にやってくるとなり、町民がみな凄腕源十郎に手のひら返しでそっぽを向き始めたところで、演出の狙いが明らかになり、そう考えると、光圀一行が今回は登場人物とはがっつり絡んではいるものの、この町を襲う暴漢騒ぎについては一貫して傍観者の立場であることに気付く
どういう結末かなと見ていると、やはりそういう水戸黄門では異質なストーリーのままであり、光圀が出て行って事を治めるといういつものアレはまったくなく決着がつく。ただ、敵方が予想より多く、光圀は二人に助太刀するよう言い、二人はその命令通り動くという風に殺陣には絡んでいる(その殺陣で相手が強いということなのか、助さん格さん二人がかりで一人を相手にしているという見方によっては卑怯なことをやっている)
田村は剣豪の役ははまり役過ぎてここでも素晴らしい。暴漢が町を襲い、源十郎が一人を怪我させる。源十郎は侍ではあるが医者でもあり(この町では医者として知られているが、今は飲んだくれで医者として期待はされていない)、怪我をさせたそいつを治療してやっている。
その一人を奪還するために暴漢たちは戻ってくるという流れで、ラストの殺陣では、全員を倒した後、怪我を治療してやった男も斬り殺しており、ここら辺も殺伐とした水戸黄門の世界とはかけ離れた世界観の時代劇という感じ。
端役のところで見たような顔が一杯。一応ウィキの全コピペをしておいたが、北見唯一とか永野達雄とか。永野は町の顔役というような役で、いつもの老中とかからはかけ離れた感じ、顔役といってもなにせ薄汚れた町である
他も見たことある顔があったが名前は思い出せなかった。暴漢の中で怪我をした男が草野大悟だな

*5/25
第23話 1970年1月5日 初春・役者騒動記
お静:島かおり
歌三郎:平凡太郎
市川銀之助:中村竜三郎
牧右衛門:桑山正一
甚兵衛:人見きよし
久七:柴田侊彦
おみつ:井上清子
鬼瓦:遠藤辰雄
伯竜:谷幹一
金森丹波守:南廣
ほかに、関敬六の名前もウィキにあるが、どこに出てたかわからなかった。再度見て、らしいのを見つける。やくざの下っ端かな
前回はらしからぬ作品だったが、今回は一転して喜劇的要素が強く、らしい作品。見てみてかつてこのストーリーを見たなあという記憶があるわけでもないが、かなりステレオタイプな水戸黄門という感じで、この後繰り返しリメイクされたのではないかと思う。
光圀一行がやってきた地では二つの芝居小屋、朝日座と南座がいがみあっている。この二つの芝居小屋は朝日座の番頭だった甚兵衛が飛び出して独立という経緯。南座が悪役側で、やくざの鬼瓦一家がバックについている。朝日座のほうが桑山正一
その二つの小屋の息子と娘が恋仲(朝日座の娘がおみつで南座の息子が久七)だが、親からは交際を許されていない、という構図
またその地では辻講釈師(谷幹一、戸部伯龍」と幟が上がっている)が自作の新作、水戸黄門漫遊記を読む、とこの設定では喜劇的演出がいくつも考えられると思うがそれが総動員されている感じ。例えば光圀は六尺豊かな大男とされ、助三郎は五尺に満たぬ小男、ブ男、生来の女好きなれど女にモテずとされる。終盤で芝居として水戸黄門をやり、それに光圀一行が出ることになったとき、助さんはそれに文句を言ってる。
また助さんは旅一座の女優、お静に惚れられているが、お静は告白がうまくできないと、一座の同僚の女に助けを頼み、裏に隠れて声色を使ってその女が代わりに告白をしてやる、なんぞという喜劇的演出もある
芝居小屋のいがみ合いというのも色々喜劇的要素が膨らむ。意地を張り合い少しでも大きな看板を出しあうとか。
その後の展開としては嫌がらせで朝日座にきた一座は二度目、前と同じ芝居をかけると、嫌がらせで南座に同じ芝居をかけられてしまい、朝日座は伯竜の勧めで「水戸黄門旅日記」をやることになる。が、役者が怪我をし、光圀一行がが出演することになり、ラストへなだれ込む。
その地の殿様が出張って水戸黄門光圀さまを芝居にするとはけしらからんと取り締まるも・・・、と予想通りの大団円。
ここでウィキに「初の印籠を使っての悪成敗回」とあり、そうか、ここが初めてだったか。道理でこなれてないと思った。光圀自身が印籠を出しており、そこまでの経過もちょっとこなれてない。
光圀が本人だと名乗り、周りがみなひれ伏すも、召し取りに出張った殿様の金森丹波守だけがまだ立っていて、そこで印籠。ここは普通なら、殿様がまず光圀に気付き、周りに控えろーと叫ぶという段取りだと思う。
印籠の後は懲らしめの言葉を聞きながら余韻に浸る場面かと思うが、その懲らしめの言葉もなく、旅立ちの場面になっており、あっさりしていて、ここままだこなれてない感じだ。
二つの芝居小屋のいがみ合いというのは大した悪でもないしどっちが悪とも言えない事件で、その片方にやくざや役人をつけて、最終的に無理やり悪人成敗の話にしている感じはある。
遠藤太津朗が若い。谷幹一が講釈師という珍しい役。ここらも見もの

*5/26
第24話 1月12日 謎の死紋
寺坂弥太郎:本郷功次郎
縫:珠めぐみ
太兵ヱ:森健二
お京:左時枝
松島右近:須藤健
峰十太夫:山本清
片貝大八:守田学哉
仇討の話だが、目的は仇討だけとは言えず、藩をよくするということを目指しているようである。
新たな蔵奉行が見回りの最中に小柄を投げつけられ、その小柄には剣片喰の紋がついた布が巻き付けられていた。この剣片喰の紋は切腹させられた前の蔵奉行、細谷十兵衛のもの。一族はみな切腹させられ誰も残ってないはず。
弥太郎と縫が兄妹で、弥太郎は呉服問屋の井筒屋に勤めており、縫が討つべき相手の右近の家に奉公。右近は亀田藩の要職で悪政を行っている。
弥太郎は細谷十兵衛の部下であり側近であった。
その井筒屋の主が太兵ヱで娘がお京、太兵ヱは元盗人で弥太郎からも盗もうとして、諭される。そこで太兵ヱは弥太郎に惚れ、真人間になり今は井筒屋。弥太郎に協力している。
最終的には縫、太兵ヱが殺されてしまうという結末
最後のナレーションあり。そこで気付いたが、この悪人成敗をする側の四人、その二組のそれぞれが一人を失うという結末が話のテーマ。なのだが登場人物が多くて焦点がぼやけている感じである。
殺陣から光圀の登場シーン。助さん格さんが弥太郎たちに交じって殺陣に参加。光圀はこの藩の重役らしき人物(ここで初登場の人物、考えるに、光圀がその藩に事情を告げ、その場を収めるために、光圀の付き添いとなったということだろう、と考えると要職であるはずである)に連れられてその人物が、こちらは水戸中納言と言って、周りがひれ伏すという演出。助さん格さんは一旦そこで膝をつき、その後、光圀の元へ馳せ参じる。という風に後年のものとはずいぶん違っている。
その後、弥太郎へ右近を討つことを許すも、右近が光圀に向かってきたので、助さん格さんがすぐさま斬り捨てている
冒頭と最後、分かれ道、光圀があらぬ方へ行こうとし、助さんが陰口で「頑固爺」、「狸親父」などと暴言、光圀は聞こえていながら耳が遠くなったととぼける。このやり取り、テレビドラマ水戸黄門のイメージそのものであり、東野英治郎がノってきた感あり
川谷拓三らしき男が一瞬登場、第2幕中盤、弥太郎一派の会議の最中、町人姿で、見張り役「おい、表に誰か(来ている)」と注意を発している

*5/29
ビバリー昼ズゲストが時代劇研究家の春日太一。この水戸黄門第1シリーズについての言及あり
第25話 1月19日 旅烏の子守唄
稲荷の弥之吉:渡哲也
庄左ヱ門:菅井一郎
おかよ:加賀ちか子
勘太:下沢寛之
鬼塚の熊吉:藤尾純
熊吉の子分:志賀勝
渡哲也が当時期待の若手だったのだろう、特別待遇ともいえるほどに見せ場と言えるような場面が多々ある。
そして、勘太という子役の下沢寛之、今ウィキで名前をクリックして仰天したが、なんと真田広之である。言われて見直すと、子役ながら確かに面影がある
この回も水戸黄門の通常パターンからはかなり逸脱。光圀一行が懲らしめる悪役というものが見当たらず、曲がったことの嫌いな渡世人、弥之吉が勘太を祖父のところまで届けようという旅に光圀一行が関わるというような話。この弥之吉は三人の男に追われていて、また、彼は光圀に勘太を預けて一人旅になるところでは、賭場に入り、いかさまを見破ったことで、その賭場を開いてる親分(藤尾純)たちに追われ、という風な程度の悪役はいるが、そこはほとんど描かれておらず、サイドストーリーである。尚、弥之吉を追う三人の男は実は悪役でなく、江戸から親分の言いつけで若親分を取り戻した来た一行で、弥之吉は江戸のやくざの跡取りなのであった。
ラストの殺陣で鬼塚の熊吉一行と弥之吉が対決、助さん格さんは弥之吉に助太刀、とこういう構図で、その三人も追いつき、弥之吉に加勢するという展開になる。
光圀は自分の身分を明かしてどうこうというお約束場面がない。

*5/30.
第26話 1月26日 越後騒動
市川紺太夫:藤田佳子
おみつ・かえで:磯野洋子
新切新之助:伊吹吾朗
お蓮:丹阿弥谷津子
お千代:阿井美千子
永見大蔵:高野真二
とよの方:三島ゆり子
お万:利根はる恵
片山主水:高田次郎
阿部豊後守:永田光男
服部十左衛門:中村錦司
松平光長:村居京之輔
小栗美作:鳴海剣吾
この回は藩のお家騒動のエピソード。二人の家臣が別の後継者を立てて家督相続を争っているという内容で、よく時代劇で使われる題材だなと思っていたが、ラストはびっくり、マンネリに入った水戸黄門ではなさそうな結末だった。
敵対する二人の家臣(小栗と永見)に高田藩の藩政は牛耳られ、60を超えた殿様、松平光長はその双方からの若い女の供給を受け未だ好色三昧、という風にその当事者三方が悪役っぽく進行。そして、その殿をお諫めしようとした奥方であるお蓮の方は座敷牢に幽閉
光圀は光長と昔一緒に鷹狩に行った仲、そしてそのお蓮はその鷹狩の際に立ち寄った百姓家の娘という思い出がある。
ゲストが多数で、みなそれなりに重要な役、メインゲストとなるのは誰だろう、伊吹吾朗、言うまでもなく後の格さん役、ここでもメインゲスト的扱いで存在感あり。お蓮の娘、みつと恋仲で、藩をなんとかしようと奮闘
みつは町人で旅姿の光圀一行の身分を見破り、藩の窮状をなんとかしてくれと頼みにくるも、光圀はとぼけてそれを退ける。みつは悪役に殺され、新之助はその死骸を運んで光圀に再度頼み込み、光圀はそこで腰を上げるという展開
かえではみつの妹で一人二役
市川紺太夫というのは冒頭で光圀一行と旅をともにしている手妻の旅芸人一行の座頭で、終盤、光圀が城に乗り込むときにも一役買う。
お蓮の丹阿弥谷津子も含めて四人がフィーチャーされてる感じ。
他にも殿様、対立する家臣、その双方の裏にいる大奥の実力者や、双方から殿に提供される若い女、どちらの派にも属さない家臣の片山主水、最後は江戸で採決となるので、その場面では評定を下す阿部豊後守も出てきて、盛りだくさん。三島ゆり子は殿さまにあてがわれてる若い女、とよの方。
光長は光圀と会ってもさして顔色も変えず、気づいているのかいないのか、みたいな状態で、ここは大袈裟に旧友との再会、もしくは権力者に出会って驚くみたいな素振りみせなくちゃダメじゃんと思っていたのが、それは演技がダメなわけではなく、その殿様の様子を見て、光圀は「手遅れだった」とお蓮に言っての、お取り潰しという結末なのだった
検索してみると今回のサブタイトルと同じ「越後騒動」というのがあり、そこには、松平光長、永見大蔵、小栗美作が登場する。それを元にしたストーリーだったようだ。

*5/31
第27話 2月2日 暗闇の長者
別所妙:山本陽子
別所縫之助:新田昌玄
稲葉主膳:南原宏治
法庵:山口幸生
冒頭で弥七登場、待ってました! という感じだが、それはおれが途中から見始めており、今回が初お目見えだからだが、実際には第1話から登場している。助さんが妙に弥七を紹介しており、「その道では名のある盗賊」(弥七は「元だよ、盗人の前に元の字をつけてくんな」と返している)「妙な男でしてね、わたしたちにまとわりついてちょっかいを。やれ、どこの大名が悪いの、商人があくどいの、と良いこと言ったためしがない」というもので、弥七の正体を光圀自身は知ってるが、助さんたちはよくわかってない状態のよう(助さんたちが弥七を排除しようとするのを光圀が放っておけとか言っているのだろう、で、助さんたちがおおよそのことを察している状態かと思われる)。
風車も登場しており(呼び名が風車の弥七と助さんも言っており、それが通り名だろうから、登場の際は強調するように風車が使われてると思われるが)、武器としても使用している
天領地、白河が舞台。助さんが江戸での道場で親しくしていた別所縫之助がいるということで、そちらへ寄ることになる。縫之助には美しい妹がおり、助さんの目当てはそちらのよう。しかし格さんは不満顔、が、光圀にも思惑がある。この地方は洪水で貧乏な生活を強いられており、代官がしょっちゅう入替になってるが、この白河だけは安定している。どのように統治しているか、見てみたいと。
しかし、光圀一行はその地へ入ると虚無僧の集団に襲われる。そしてそれは執拗に繰り返される。この虚無僧の一団の正体は・・・。
冒頭の弥七は、この白河で、なぜか寺の仏像に用意されている金を持ち去っていく名主たちを見かける。怪しい空気を感じ、事情を吐かせると、暗闇の長者なるものから、金の施しが来る、それを百姓に分け与えなんとか不満を抑えている、と
この暗闇の長者とはなにか、善か悪か、そして事情を知ってるはず、知ってるらしい助さんの友である代官配下の元締、縫之助はなにを知ってるのか。
縫之助が悪役なのか善玉なのかよくわからないまま進行、見た目的に善玉で、だが、展開からすると悪役っぽく・・・。
暗闇の長者は代官の稲葉主膳、二重帳簿で、年貢を取り立て、わずかばかりを暗闇の長者として施していた。
縫之助は目の不自由な妙の目の治療のためもあり、また暗闇の長者はこの地を治めるには必要だとも認識しており、代官に騙されていた部分もあったという流れで、殺陣の場面では稲葉が光圀を撃ち、それを守るため、盾になって果てた。
二重帳簿云々というあたりは、ちょっと辻褄が合わない感じもするが、あまり詳しくはそこは語られない。六万石とされているが、実際には四万石しかなく、それゆえ厳しい土地とされているのだが、尚更、代官が旨味を得られるほどの石高ではないということになってしまう
後年ではなさそうな雑な演出や、もしくはらしくない演出がいくらか見受けられる。後者はキャラが固まり切ってない、もしくは、この当時はこういうキャラだったということからくることだ。
前者としては、例えば縁の下で代官、縫之助と助さん格さんの会談を聞いている弥七が、その密談に対して大声で独り言を言ってるとかだ。
助さんは前回みつに親密になり、「惚れた、情けねえが一目ぼれだ」と熱く格さんに語っていたが、今回でも、縫之助に妙の将来を託され、まんざらでもなさそうな顔をしている。

*6/2(6/1プロ野球中継のため休止)
第28話 2月9日 隠密無情
菊原志乃:岩崎加根子
菊原平太:東千代之介
堀江外記:杉山昌三九
五味左内:三島耕
山形屋重兵衛:堀正夫
乞食:宍戸大全
キャストに宍戸大全の名がある。どんな役だったかと見直してみた。乞食に扮した隠密で、志乃の仲間、華麗なアクションを見せている
ストーリーは割と平凡な感じ。城代家老、堀江外記の不正とそれを暴こうとする公儀隠密
その藩の下級武士平太とその妻、志乃の夫婦がフィーチャー。志乃は里隠れ(隠密)であり、しかし、何事も起きずに、この夫婦での生活を全うしたいと願っている。夫のほうはなにも知らず、実直な男という描かれ方。
ラストハイライトシーンでは、おれが見始めてからは初めて、あの有名な口上、控えい、こちらにおわすは先の中納言水戸光圀公なるぞ、頭が高い、などが出てくる(後年の固まったものよりは不完全だが)。が、印籠は出していない。
そして、まだ形が固まっておらず、それが行われるのは殺陣の始まる前であり、それに悪役は反発し、殺陣が始まるという展開。

*6/5
第29話 2月16日 ならず者
久作:中村是好
おいね:青柳美枝子
鉄五郎:滝恵一
脇田半太夫:夏目俊二
相良重蔵:内田良平
この回はOPクレジットがちょっとだけ充実、といって完全ではない。キャストクレジットとして、メイン3人のほかに、今回登場している弥七とゲストキャスト5人(上記)が表記される。スタッフについてはプロデューサーが追加されてる、という程度。音楽は長くなったが、歌入りではない。
内田良平がメインゲスト。
ほかに(こちらはウィキより)
お松:永野裕紀子
辰吉:宮下堤
善兵衛:石浜祐次郎
平右衛門:岩田直二
岩田直二ってこのころからもう老齢で、名主の役
内容はちょっと異色。終盤の例のハイライトシーンに相当する部分は後年のものとはまったく異なった形。
訪れた地ではやくざ者一味が跋扈し、村の隠し米を強奪、宿屋など商家にはゆすりで金を奪うというようなことが茶飯事
そしてその頭がなんと格さんのよく知っている水戸藩士だった相良重蔵で、光圀も気骨ある家臣として知っているくらいの存在
この相良がなぜ藩を脱藩したか、そして今なぜこの地でそんなことをやってるかというのが描かれていく
相良は下級武士で、恋仲だった重役、沼田の娘ちずと別れさせられそうになり、駆け落ちで脱藩。その脱藩の際に、格さんは雪の中、逃げる二人を見かけ止めようとしていたのだった。
そして相良は、この地で子供に読み書きを教えたりしていたのだが、代官の無法に役人を切ってしまい牢行き。村の衆は新しい代官に相良の嫁ちずを差し出し、年貢を数年負けてもらうという約束。
相良の嫁は自害、相良はそれを境に武士としての自分は死んだものとして、やくざ者の頭になり、村を襲い、商家をゆすり・・・。そして代官の脇田半太夫と裏で手を結び、村に隠し米があること、商家に金があることを教え、約束してしまったゆえ年貢を取りっぱぐれている米を渡しているという関係。が代官とは喜んで手を結んでいるのではなく、両者はお互いに憎しみあっている。
終盤、まず村の者たちを平伏させるため、光圀の正体を明かす役目が弥七。「馬鹿もん、そこにおわす方はな、恐れ多くも水戸のご老公様なるぞ、控えろ」
さらに代官を呼びつけて、相良は元水戸藩士だから、こちらに任せてくれんかと、そこで一応の話はつく。最後に相良重蔵の一味を投降させるため彼らの隠れ家に向かうのだが、ここに光圀は同行しない。場所は西部劇を思わすような植物のない切り立った崖を要する山で、こんな悪い足場じゃ、御隠居にはどだい無理だったななどと言っており、が、一方光圀は「相良の気持ちを和らげるためにもわしはでしゃばって行かぬほうが良いのじゃ」とひとりごちる
代官は相良重蔵について光圀に任せると約束したものの、追手を出している。相良重蔵一派と、光圀一派(助さん、格さん、弥七)が対面しているところを、崖の上から銃で取り囲まれるという絶体絶命の
ピンチ、後年なら弥七はその銃撃隊の後ろからやってきてその銃撃隊をやっつけるというパターンになりそうなところである。
まあ、結末は悪役はなんとかやっつけて、相良重蔵は格さんに抱かれて果てるという形。

*6/6
第30話 2月23日 上州からっ風
政吉:山田吾一
お絹:高森和子
林外記:永井秀明
秀五郎:沼田曜一
徳松:小林重四郎
OPは前回とは異なり、前々回までの短縮版
この回は全体的に話が稚拙
政吉はお人好しすぎる荷役人夫、そして歌が好きでありしかもうまい、村の八木節の要となるほど存在で頼りにされている
まず事件の発端、親方の徳松から懇願され、200両と高価な仏像を運ぶ仕事を頼まれそれを請け負うも、途中で襲われ仏像は持って行かれる。
依頼主の秀五郎(太田村の顔役)と仲介役の林外記(郡代)との話になり、徳松が責任を取ると言ってるのに、わざわざ一人夫にすぎない政吉も呼び出され、罰を与えられることになる。その罰は歌をやめろということ。ここら辺がどうにも稚拙。まあ、へまをやらかした罰として好きなことを止めさせるというのはわからないでもないけど。
で、これらは徳松、秀五郎、林外記がグルになってのことだった。
徳松は最初悪役かなあと思ったが、その交渉の際に政吉を庇って必死に謝ってる演技がよく、ひょっとして善玉かなと思ってしまった。その場面の直後に、三人が悪だくみの相談(というか政吉の歌を止めさせるという策略がうまくいったことを話している)をしていて正体が現しているのだが。
そんなとんでもない事態のため歌をやめているのに女房は歌の練習へ行けと送り出すのが次の展開で、ここも違和感。
太田村、河合村。奉納唄い比べ、村同士の八木節の競い合いだ、これに躍起になっていて、そもそもこれに勝ちたいがために、政吉を排除するという作戦を行うというのは少々大仰ではあるが。城主の見守る唄い比べということで、これに躍起になるのはまあわからないでもない。
悪側の動機としては、秀五郎は唄い比べで太田村に勝たせたい、勝つことによって城の改築工事の受注もできそう、徳松はその分け前に与りたい、そして林外記、こちらは政吉の女房、お絹を狙っていた。お絹は数年前まで林外記のところで働いていてなにかとんでもない忌まわしいことが起きているようだが、それについては示唆されるだけ
政吉、セリフが多いからかどこか棒演技。
光圀と助さんの出番が少ない。
光圀から一応格さんに命令があり、そこに現れた弥七とともに、事件について色々首を突っ込むのだが、その後、一々の事情を光圀に報告することなく、主体的に動いており、こういうのも珍しい感じだ。
徳松が悪に絡んでいることを格さんが探り当てる場面はなく、しかし格さんはそれともう知って話が進んでいるのも変な感じ
今回も弥七が光圀の正体を明かしている。
唄い比べに間に合うかどうかぎりぎりのタイミングになり、政吉が馬を走らせるという場面が最終盤、無理やり感動的な話に仕上げている感じである
柴俊夫にそっくりな人が終盤に一瞬出ている(唄い比べの場へ秀五郎を捕えに来る役人頭)

*6/8
第31話 3月2日 乱闘・鷹ノ巣峠
お竜:佐藤友美
堀田大膳:竜崎一郎
お蘭の方:万里昌代
榊原十太夫:天津敏
脇坂民部:市川男女之助
脇坂りく:八汐路圭子
脇坂綾:徳富晴子
これまでも時折会話の中で話されているのだが、水戸へ戻る行程のようで、そして格さんは水戸へ戻ると祝言を上げるとのことである。
そしてこの回ではもう水戸が近いとのこと。最終回も近いか。
藩の家老同士の争い。筆頭家老が脇坂で、次席家老が堀田。脇坂の病を契機に堀田がのしてきて、殿様寵愛のお蘭の方とも組んでやりたい放題。これは殿様の恥にもなるから、脇坂は表立っての行動ができないという状況で、しかも堀田は武芸指南役の榊原十太夫とも組んで、脇坂の女房、娘を誘拐してきて拉致。脇坂が掴んだ堀田の不正の証拠を渡せと迫っている。というのが今回のあらまし。
終盤では後年のお約束のパターンとは異なる展開があるが、あらためて考えてみるとこういうパターンのことも、時折あったような気がする
善玉の脇坂に光圀は身分を明かし、事情を聞いて味方することを 言う。ハイライトシーンでは脇坂が光圀の身分を明かし、光圀は堀田に罪を認めることを迫る。ご老公の名を騙る偽物と殺陣が始まるというパターンである
お竜はその藩の揉め事には関係のない盗人。光圀から財布をするも、光圀も用心してのダミー。よし、もう一度と狙っているうちに、騒動に巻き込まれ、ノリノリで善玉側の味方をすることになる
盗人同士ということで弥七に惚れて、ラストシーンでは逃げる弥七を追いかける
弥七はいつの間にか大分光圀一行、助さん格さんに馴染んでいる。ラストシーンで四人での旅路となる場面では、すっかり旅の一行だなと思ったが、上記のお竜とのドタバタが入ってくるという風に終わっていく。
市川男女之助、よく見る名前だが、これだけの大きな役は珍しいように思う

*6/9
第32話 3月9日 水戸の白梅
森田冴:姿美千子
森田図書:水島道太郎
沼沢喜八郎:原田清人
桑田市次郎:楠年明
中山備前:永田靖
深雪:岩井友見
予想通り最終回
水戸へ戻りひと悶着のエピソード。冒頭は水戸へ到着する一幕で、格さんが深雪との再会に破顔しており、これも予想通りだが、この回では格さんと深雪の婚礼が結末となる回なのだが、活躍するのは助さん。
水戸藩で筆頭家老の中山備前を次席家老の森田が辞めさせようとする策略が進んでいる状況がまず描かれ、そういう血生臭いハードな内容なのかなと一瞬思うが、全体的に緩んだ空気感。そして内容としては、家老同士の争いというよりも、筆頭家老の中山は病がちで、仕事の遂行もままならぬ状況で、その功績に敬意を表しながらも退任していただくというのが森田の考えで、ハードな内容にはならず、最後まで緩んだ感じで進む。
筆頭家老、中山備前の娘(養女)が格さんの相手の深雪。
光圀の元へ筆頭家老の側近として一人よこしてくれと言われ、助さんをやることにする。本当は格さんが推薦されるだろうという思惑だったのだが、ここで格さんをやると、色々な争いに難儀して、婚礼が遅れることになりかねないという光圀の深慮
森田の考えの意を受け部下の若侍たちが中山の引退を画策するも、若者らしくまっすぐに意を通そうとするので何かと過激に。
助さんはその若侍たちに、中山に引退を進言する役を頼まれる(娘の相手だからこそ言うことも聞くのでは、ということで本当は格さんが来るのを望んでいた)
助さんのお調子者具合や、森田の娘、冴への色目など喜劇的に話は進んでいく。
この枠、次回からは第2部だそうだ。全シリーズやるのかね

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光圀も隠さんも違和感ないのだが、杉良太郎の助さんのみ多少違和感、
この後、助さんは里見浩太朗、あおい輝彦へ、格さんは大和田伸也、伊吹吾郎へ引き継がれる(それより後についてはここでは触れない)のだが、おれは歴代のうち、杉良太郎の助さんだけは見たことがなかったという程度のことだと思う。それに加えて第1シリーズということでほかのことでも、後年のマンネリとは異なる演出がされており、助さん像も固まり切っていないということもあろう。
横内正もリアタイあたりではあまり見た印象はなく、その俳優の名前も知らなかったが、その後の再放送で横内正のを見て、大和田伸也が横内正のを穏当に引き継いでいるなと思った。
また、里見浩太朗からあおい輝彦なんかもうまく引き継いでいるように思った。伊吹吾郎だけはちょっと異質になった感じはある。
で、そういう風にうまくキャライメージを引き継いできているのを見ると、特に後になって横内正を見て、大和田伸也のものがうまく弾きついていると思ったことに比べると、杉良太郎のを見て、里見浩太朗のものを引き継いでいるかどうか、ちょっと疑問に思えたのだ。
おれがリアタイで一番覚えているのは助さんが里見浩太朗で山口いづみの志乃が旅に同行していたり、助さんと恋仲であったり、その後結婚したりというころだ。
あおい輝彦は1988年から助さん役をやっているとのことであり、見た覚えはあるけど、自分の年齢からすると、ほとんど見ていないはずだ。
伊吹吾郎の格さんが83年からとのことで、これくらいなら見てたかもしれない。また横内正は78年まで、見ていたけど、あまり理解はしていなかったという感じで、だから懐かしくもあり、でも名前は記憶にないといったところか。
志乃は9部から17部、78年から88年。東野英治郎の光圀は13部(82-83年)まで。

※追記
第24話についてウィキに「助三郎が光圀に対して「頑固親父」と暴言を吐くなど、後のシリーズではあまり考えられないような描写も多々見られている」とあるが、聞こえないように光圀への不満を助さん格さんで言い合う場面なんかは後年のものでもよくあったと思う

遠山の金さん(杉良太郎主演版) [時代劇]

04/03(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|15倍録
[新]遠山の金さん #1「燃えろ桜吹雪」[字]

BS松竹東急で放映中。
オリジナルは1975年~
まずは第1話を視聴。今日TVKで始まった「松方弘樹版」の第1話を先に見てからこちらを。まあ見比べという意味もあるし、以下のようなこともありちょっとした遊び心でだ。
こちらの作品は1975年制作とかなり古め。古いものはあまり丁寧に、わかりやすく、つまり素人向きに作られておらず、ちょっとわかりにくいところがある。音声も悪いしね。で、ついつい眠くなってしまい、結局寝てしまった。で、起きて、松方版に切り替えたというわけだ
夜になり再度視聴。まことに面白く見れた。
レギュラー陣、伊東四朗、岸部シローと楽しみな陣容、伊東四朗は筆頭与力で、金四郎が町人金さんであることを知ってるようだ。そうそう、今シリーズでは、第1話で北町奉行就任とかそういうことでなく、すでに金四郎は北町奉行であり、遊び人金さんとしても活動しているという状態から始まっている。岸部シローは赤目という南町の不良同心、金四郎の北町に張り合うというお馴染みのキャラ。他にうえだ峻(植田峻名義)が赤目の配下の新八という岡っ引き。江戸を斬る最終シリーズとまったく同じ位置づけの役
お竜(小鹿ミキ)、金四郎の密偵、金さんに惚れまくっていて、女を出す部分が過剰
お初(三浦リカ)、若い。子役から脱皮したくらいの年頃の女の子。その父親なのかな、甚兵衛(美川陽一郎)は蕎麦屋「長命庵」をやっていて金さんの溜まり場らしい。
美川陽一郎は今作品(途中降板のようだ)と『必殺仕業人』が遺作。
そこの集うのが権太と助十。「権三助十」といえば『大岡政談』で有名な話であり、大岡越前で何度か取り上げられた。ここではそういう役名の駕籠かきがレギュラー、金さん(金次と名乗っている)の友達であり、この回の冒頭、金さんと将棋を指している。
権太は時代劇で時折見る顔、園田裕久
伊藤一葉斎(伊藤一葉)、これもその飯屋の常連らしい。易者
ゲスト
弥太:寺田農
お紺:岡田可愛
中沢:川辺久造
肥前屋:見明凡太郎
:志賀勝
弥太を演じる寺田農が若く格好良い、悪役らしい人相で、それもそのはず、元は盗人で今は火盗の密偵という役柄、だが、その弥太を使う火盗の役人がこの回の悪役で、それを知った弥太が迷いながらも、善の行動を取るというようなストーリー。
こちらの作品はかなり溜まっているのでこれからガンガン見て、追いついたら逐次視聴しよう。松方版はこちらが一段落してからにしよう。二つ混ぜて見てるとこんがらがってしまうだろう。
こちらは見たら消すという形にしようないとHDDが一杯になってしまうかもしれない。

*追記 同日視聴
第2話 迷路に追い込め!!
山名三左ヱ門:久富惟晴
三国屋:神田隆
:勝部演之(秋月藩留守居役大高)
お市:草笛光子
草笛はトメ、若い。
神田隆はもうあのイメージ通りの悪役で商家の旦那。でもちょっと若く見える。
二宮さよ子が登場、準レギュラーらしい。金さんの惚れている芸者の役で、あまりストーリーにも絡まず、出番も少なめ。あのイメージ通りであり、ちょっと前に見た94年制作の江戸を斬るにも同じようなイメージのままだ
江戸を斬るを見てたときは、どれも見たことあるようなエピソードばかりだったが、こちらはまだ始まったばかりだが、やはり大分趣が異なる。
ストーリーとしては仕官のために人殺しをしている浪人がいて、その人殺しは影法師と名付けられている。その妻は去り状を書いてもらい離縁した上で、影法師の正体を明かす投げ文をして夫を捕まえさせておいて、そこで自分が影法師として、奉行所が陣を敷いているなか、殺しを行おうとする(このことで影法師の正体が自分であり、先に捕まえた者は無罪となるという作戦)。というような役を草笛光子が格好良く演じている
金さんの底抜けに明るい江戸っ子遊び人が見ていて気分がいい。一方白洲の場面はほかの人のより、あまり型に嵌っていない感じだ、今のところ。まあ各人なりの演じ方ということだろう。
重要な役である伊東四朗がこの回には登場していない。最初の数回はキャラ付けをする重要な回なのに。
1話で「太吉」だった子役(細井伸悟)がこの回では「大吉」に

*5/11
第3話 女狐を追いつめろ!!
才助:入川保則
仙造:山岡徹也
文次:東晃声
弥十:井上茂
:中村錦司(上総屋)
お久/お園:宮園純子
宮園純子はトメで一人二役。お久は殺し屋稼業の元締、お園はその双子の姉でお久のことを知らずに育った。
上総屋(中村錦司)がお久に殺しを頼むという場面で始まり、しかし上総屋は恐ろしくなり、それを断ろうとするも、お久は拒絶、その殺しが決行され、お久は白洲で金四郎と対峙、お久はお園を使った(お園はそうとは知らずに使われていた)トリックでアリバイを主張、金四郎が証人として上総屋を出そうとするもすでに殺されていた、という風に始まる。
金さんはここでは金助と名乗っている。金さんはその場のノリで名乗っているということかもしれない。

*5/12
第4話 神隠しをあばけ!
大造:河原崎長一郎
お松:葉山葉子
宗助:天津敏
正兵ヱ:牧冬吉
季:小林勝彦
実はこれは昨日に視聴し始めたのだが、途中で寝てしまい、その後もまだ見る時間はたっぷりあったのだから、途中から見るのを再開すりゃいいんだけど、なんとなくかったるくなってしまい、まあ明日また最初から見直すかということで。
今シリーズ、結構面白く見ているつもりなのだが、実はここまで全部の回で途中で寝てしまっている。本心では面白くねえなあと思ってるのかも。その途中というのが見始めてすぐということではないが、終盤でもない、という、序盤から中盤にかけて、第1幕終盤か、第2幕に入ったあたりで、寝てしまっているというのも全部の回で同じ。
今シリーズの構成。まずOPタイトルでキャストクレジット、CMが入り、第1幕(第1幕の途中でサブタイトル表示)、CMで区切りながら(CMは3回)第4幕まであり、その後EDでスタッフクレジット
この回は先に書いた大吉がメイン並みの活躍、そして変なことだが、この回のクレジットでは「太吉」となっている。なんでこんなに安定しないのだ、しかも作品内では「大吉」と呼ばれている※
※追記5/16 --次回予告をまとめて視聴。第4話の次回予告(第3話の後に流れた)では、子供の名前は「太吉」と字幕オンでの表記、ナレーションで「たきち」。親の名前も言っており、「だいぞう」。だいきちとだいぞうと合わせた命名なのかと思ったが。本編もチラリと視聴。秀駒はその男の子のことを「坊や」と呼んでおり、知らない男の子のよう。顔馴染みのはずだが--
この大吉が誘拐される話で、その父親が大造、母親がお松。
ここまでの大吉ってたしか長命庵の場面にいたという程度だったと思う。であるから、レギュラー陣とは顔馴染みのはず、だけどこの回で金さんはお竜の身寄りと名乗り大造と初対面みたいな感じ。だが、お松は長命庵で一葉斎に占ってもらってる。
さてその一葉斎、演じてるのが手品師と知り、俄然興味が出てきているのだが、この前の回でも見せていたちょっとした手品、ここでも見せている。
お竜、金さんの密偵だが、これまで見てきた作品で描かれる女の密偵と多少異なっていて、金さんに惚れており、その部分を多く出し、金さんに甘えた口調で気安く話す。ちょっと違和感である。この回では芸者の秀駒(二宮さよ子)が出てきており、金さんを巡る女の嫉妬という場面が観れる。
伊東四朗が復帰。筆頭与力の青木紋十郎役。江戸を斬るでは遠山家用人が金四郎を諫めるような役割だったが、その役割を担っている
そして奉行所内同心として、堺文之進(田中弘史)というのがレギュラー。第2、3話では青木が出ておらず、金さんとのつなぎ役をやっていた。
キャストクレジットでは後ろの方(レギュラーの中では一番最後でトメといえるかもしれないが、複数名並記)にされており、あまり重用されていない感じ。奉行所内にも金四郎の腹心というのが数人いるというのが江戸を斬るだったので、そこら辺は異なる感じだが、作品内では大いに活躍している
金さんの正体をどの程度まで知っているかという範囲が遠山の金さんという作品を作るうえで重要であり、その塩梅でテイストも変わってくると思うが、今シリーズでは、奉行所内ではこの二人が金さんの正体を知っているという風になっているようだ。それ以外にはお竜のみが金さんの正体を知っており、町内の人間のほうは誰も知らないという設定なのかな。と言いながらも事件のことを見案で話したり、その事件を金さんが解決するのは当たり前みたいな感じでいるのは変だけど

第5話 花嫁を攫え!!
佐吉:河原崎次郎
加代:有吉ひとみ
栄五郎:北村英三
藤五郎:高野真二
:西田良
河原崎兄弟が連続での出演となる
江戸一の油問屋が殺され、自首してきたのが佐吉。三下であるが親分の娘の加代と両想い、その加代がこの度江戸一の油問屋となった備中屋と婚礼をあげると聞き、脱獄。佐吉は親分に言い含められ、身代わりの自首だった。
この回だけではないが白洲の場面での金四郎の「一件落着」で終わっている。江戸を斬るなんかでのエピローグ部分がない。エピローグ的なものがあっても短め。
この回で大吉の出演は終わりのようだ。
役名クレジット、第1、4話では太吉、2,3,5話では大吉。4話では上記のように活躍、5話でもそれなりの役、他の回では長命庵で皆といるという程度の役

*5/13
第6話 泪橋に罠をかけろ!!
弥平:下元勉
お町:倉野章子
利助:和崎俊也
:谷口完(大田屋源兵衛)
伊東四朗がトメに配置されていて、彼が出ていないときには、ゲストがトメ(5話では、岸部シロー、岸部は伊東が出ている回では伊東の前)に来ていた
この回は伊東四朗がトメ(この回以降は全部出演するようだ、開始早々休演が多かったのは悔やまれる)で、「利助:和崎俊也」がゲスト枠内でのトメの位置(単独表記)になっており、その前には役名なしのキャストのクレジットがあるので、目立つ表記。
また2幕あたりで寝てしまった・・・。
ストーリーはどう転がるのか見当もつかない感じで面白いものだったのに。
金さんが長命庵で出会ったのが、偽金作りで処刑されることになっている利助の女房、お町、出稼ぎで江戸へ出た利助から仕送りがなくなり心配になり出てきたという。
そして奉行所には弥平という男が自分こそ偽金作りをやっていたと名乗って出る。この二人の罪の庇い合いはどういうことなのか・・・。
利助の行動、相当に衰えていた弥平の世話をしていて、その家から1両を仕送りのために盗み、それが偽金だったという。この経緯はいいのだが、実は弥平とお町は親子であり(ここはちょっと強引なストーリー)、それを悟っていた利助は偽金作りの弥平の罪を被ろうと決心したという。この弥平の家から金を盗んだことと、罪を被ろうと決意したあたりの前後関係がちょっと腑に落ちない感じである。弥平とお町は親子とわかった時点で、なにかその後の行動は変わるはずである。
伊東四朗が復帰、青木はこれまでは奉行遠山を諫めるという役ばかりであったが、今回はようやく奉行所勤務らしい仕事に従事、吟味も行っている。
下元勉というのは自分が子供のころ見てたテレビにもよく出ていたはずで、作品名は覚えてないが、名前顔と記憶している。が、おれが最近ずっと見ている時代劇にはそれほど出てこない。これは70年代中期の作品で、もう老齢といっていい、自分の記憶にある彼と同じ感じだ。58歳
作品の構成として、ここは江戸を斬ると同じだが、金さんで桜吹雪の刺青を見せ、殺陣をやり、その後白洲で、遠山桜を見せ罪人を参らせる。
さて、その殺陣の際、やはり捕り方とは顔を合わせないようにしているが、今回は場を立ち去ろうとしたときに、鉢合わせ、捕り方の腹を殴って気絶させているという場面がある。

第7話 その錠を破れ!!
信吉:島田順司
お絹:真山知子
倉田:今井健二
おちよ:瞳順子
三浦屋:伊達三郎
今井健二がいかにも今井健二っぽい浪人役
伊達三郎、名前に覚えがないが、よく見る顔
出来はちょっと悪いかなあ。最後にどんでん返しが二段構えで、そこは技巧に走ってる感じ。長い説明台詞が数回あった。また、金さんの桜吹雪披露のときには、脇で火事(悪役が仲間割れで仲間を焼こうと土蔵に火をつけた)が起きているのに、ダラダラと口上
信吉と商家、三浦屋の女将、お絹が逢引、三浦屋が見咎めると、お絹が殺してしまう、二人は逃げる決心をするも、それを見ていた倉田は錠前師信吉を脅し、押し込みに誘い入れる。
脅される信吉とお絹、それを助ける金さんみたいな話かと思いきや、終盤のどんでん返し。三浦屋は死んではおらず、倉田の悪役一団の頭が三浦屋、冒頭の三浦屋が殺される場面はお絹も芝居をしていただけで、信吉の錠前師の腕前を手に入れるために芝居だった。
と、思いきや、さらに倉田とお絹が組んでいて、三浦屋と倉田の配下二人は土蔵に入れられ火をかけられる。という二段構え
説明台詞。お竜が耳をそばだててるところで突然信吉とお絹が幼馴染である二人の馴れ初めの思い出話。さらにこの二人の子供のころの話というのがピンとこないというか、そこで二人がどういう関係だったのか、さらにはその後江戸に出てきて、お絹は女だから親戚たらいまわしのつらい人生のはてに、商家に嫁入りというのはわかるけど、信吉はどういう過程で錠前師? という感じ。
その子供のころの話というのは、雪の中、茶店でお団子を食べている信吉と母親、そこへ手を出したお絹に、信吉は団子をやるも、信吉の母がお絹の手を叩き、そこへお絹の父親がやってきて平謝り。これじゃあ二人の家の格だとかそういった関係性がよくわからない

*5/14
第8話 鬼火を消せ!!
十兵ヱ:早川保
竹吉:宮田真
勘五郎:山本麟一
お千:原泉
:五味竜太郎(偽鬼火の蓑吉)(五味龍太郎)
勘五郎が文蔵という配下の男を殺す場面から始まる
勘五郎は鬼火の蓑吉という盗賊一味の子分で軍鶏の勘五郎という二つ名、久々のおつとめのため江戸へ行けという命令を「八尾の文蔵」が断ったため、文蔵は殺され、まだ少年の竹吉にその役目が負わされる。竹吉には江戸に姉さんがいるとのこと・・・。という始まり方で、その姉さんというのが秀駒。
姉弟の感動の再会となり、宴会。竹吉は金さんとも知己を得る。秀駒の口利きで、竹吉は米問屋の越後屋に奉公。が、竹吉は盗人の一員、勘五郎は越後屋が次のおつとめの狙いと決まったと告げる。姉、そして越後屋への恩がある竹吉は悩む。という終盤までの流れはとても面白い。
終盤になり前回と同じような感じだが、どんでん返しが二段重ねになっており、そこが取って付けたようでちょっと疑問に思えたが、この件は白洲の場面で説明されていてスッキリした。
どんでん返し。越後屋へ押し入る鬼火の蓑吉一派(といっても蓑吉と勘五郎だけだが)。が、竹吉の告白で、もう店の者は避難済み。残っていた秀駒が盗賊に向かって啖呵を切ると、越後屋の主人十兵ヱが秀駒に凄む。なんと十兵ヱが盗賊の頭、鬼火の蓑吉なのだった。
さらに、十兵ヱは勘五郎に偽蓑吉を殺すように命令。さらには十兵ヱが勘五郎を殺そうとするという風に仲間割れの展開。でもなんでこんなことになってるのやら、という感じ。
が、これについては白洲の場面で説明あり。十兵ヱは越後屋に入り込んでみたら出世してしまい、ついには主になった。これで邪魔になったのは、まだ越後屋の実験を握る隠居のお千、そして鬼火の蓑吉という本当の自分、そこで越後屋に盗賊が押し入り、隠居を始末、さらには偽鬼火を仕立てておいて、その盗賊一味を全滅させるというのがこの事件の真相なのだった。
じゃあ話は整合性が取れているかというと、越後屋に竹吉が奉公したのは仕組まれたことなのかどうかという点が疑問である。まあ竹吉が江戸に来てみたら、十兵ヱが懇意にしている秀駒が竹吉の姉ということで、最初から狙いは越後屋だったが、さらにこれ幸いと、竹吉を越後屋に迎え入れたのであろう。
鬼火の蓑吉一派というのが大盗賊のような扱いながら、二人だけで忍び込むというのがチャチい。
二宮さよ子は芸者役なんかがとても似合う綺麗な女優であるのだが、なぜかここでは適役なはずの芸者がなんだか板についていない。なんかカツラが大きすぎるというか顔と頭の大きさの比率がおかしいというか。
最後の白洲の場面で金四郎は竹吉に、正体は姉ちゃんに内緒だぜと言っている。金さんの正体を秀駒は知らないということである

第9話 逃がし屋を追え!!
薩摩侯:中谷昇
嘉兵ヱ:武藤英司
飯沢頼母:森山周一郎
中津川弦斎:西村晃
西村はトメ、普段はトメの伊東四朗の後
見所多し。
金四郎が獄門の採決を下したはずの橋場の新助が金さんの前に現れた(今回はその裁決を下す白洲、遠山桜を見せる場面から始まる)
これは逃がし屋の仕組んだことで、その真相を巡るストーリー。この橋場の新助だとか、そこに関わった奉行所の人間の行動が序盤に一気に描かれるが、そこは逃がし屋の存在を際立たせるための演出でストーリーの序。橋場の新助は、金さんに対峙し仕返しをしようとするのだが、逃がし屋の脱獄してからしばらくはじっとしてろという約束を違えたということで新助はあっさりと殺されてしまう
見所のひとつとしては、新助が金さんと奉行遠山が同一人物だということを知り(白洲で遠山桜を見ている)、そのことが今回の悪役たちの間でも議題となってくるという展開。ここで金さん=北町奉行遠山というのがこの作品内でどの程度知られているかがわかるようになっている。
弦斎は金さんたちのいる長屋へやってきた医師、そしてこの逃がし屋に薬(一定の時間死んだようになりその後蘇生する薬、これで牢獄内で死んだことになり、処刑されずに外へ死骸が運び出され、その後蘇生)を供給している者。ストーリー上は悪役側でありながら善玉というキャラ。
逃がし屋は雪花堂という薬屋の主である嘉兵ヱ。これが薩摩藩の依頼により行っている。薩摩藩の狙いというのは、こういうことが度々起こることによって幕府の力を弱めていくという長期間を視野に入れた構想。
今シリーズ、常に最後に白洲の場面があるが、この回はそうはならない。嘉兵ヱなど悪役側は桜吹雪の正体を知ってるということもその理由の一つだろう。
で、最後に持ってきたハイライトは、薩摩藩上屋敷へ遠山が北町の与力同心たちを引き連れて乗り込むという場面。青木が与力同心一丸となって藩邸に斬り込み、刺し違える覚悟だというようなことを言う。
遠山は雪花堂と繋がっていた薩摩藩の江戸家老の飯沢(この場面の前に金さんが悪役が揃っているところに乗り込み、飯沢の髷を切っている)に遠山桜を見せ恐れ入らせ、飯沢は腹を切る。実際には薩摩侯が首謀者なのだが、その件については遠山が強く一札入れることを言って認めさせることで終わる
ハイライトシーン前の殺陣は短め、金さんが飯沢の髷を切ったところで、奉行所同心たちが乗り込んできて、金さんは境に頼むぜと言って去っている。境にだけにしか姿を見せないようにしており、ここでも金さんと北町奉行の関係は境しか知らないということがわかる
中谷昇や森山周一郎は終盤にしか出てこない。序盤は逃がし屋の行ったこと、終盤は薩摩藩まで巻き込んでの展開と、中盤には西村晃の演技たっぷり、と一時間の中にたくさん入れ込んでいて満足のいく作品
長命庵をたまり場としているレギュラー陣が住んでいるのは「しぶ柿長屋」この名前はこれまでの回にも出てきており、例えば第4話でおれが指摘したように、金さんはその長屋の住人でないのか、という疑問もある。まあ金さんは遊び人だから、定住していないという設定かもしれない

第10話 仏の正体をあばけ!! 12月4日
お仙:鳳八千代
佐平:小林昭二
房吉:睦五郎
:上野山功一(三次)
:尾崎弥枝
お八重:高田敏江
高田敏江はゲスト枠内でのトメ、伊東四朗がトメで岸部シローがその前(これが通常)で、それの前。
序盤で各登場人物(ゲスト)が登場し、その人物関係からストーリーを把握していくのだが、ここでは序盤で設定された人物とそこから予想されるストーリーが中盤であっさり覆される。前2回では終盤にどんでん返しがあったが、今回はそれとは異なるものの、やはり予想がつかない展開で面白い
尾崎弥枝は必殺仕舞人に出ていた人で、こんな古い作品にも出てるのかと驚き、といっても仕舞人より6年前か。
で、その尾崎、顔をはっきりわかってるわけでないので間違ってるかもしれないが、多分序盤に出てくるおせいという役で、登場しすぐ殺されてしまう。その後回想場面でも映るが出番は少し。
で、そのおせいというのが実はおそのという別の女性であり、という辺りが設定がひっくり返る最初である。
鳳八千代がメインゲストで、悪側のメイン格ながら、悪に染まり切っておらず、金四郎から人情裁きを受けるというような役。
今シリーズ初めてだが、甚兵衛がストーリーに多めに絡む。甚兵衛が執心の酌女、お仙。そのお仙が産んですぐ事情があって離れ離れになった娘おせいと再会するという、が、おせいは怪しい者らにかどわかされて翌日死体に。実はこれはお仙が男たちと組んで仕掛けた芝居だったのだが、そのお仙にも知らされていないことが裏では起きていた

第11話 真昼の仮面を裁け!!
おすみ:松本留美
荒海太十郎:藤岡重慶
松平伊豆守:高城淳一
クリストファ・ヨンストン:天本英世
ここ数回は仕掛のある多少複雑な構成のストーリーだったが、この回は一転して単純なストーリーで緩めの演出
おすみは間の不自由な門付け三味線弾き。長命庵で秀駒に優しくしてもらった後、甚兵衛に言われ賑やかな両国橋へ。そこでオランダ通商総代の行列の前で立ち往生、無礼討ちされそうになるも、町民の警護に当たっていた北町の堺がなんとかその場での無礼討ちは治め、北町預かりに。
その後は町民たちのなんとか助けてやれという声(カンパのため、一葉斎が手品を披露する長めの場面がある)、幕府側老中松平とオランダ側の折衝、松平から遠山への指示なんがで話が進む。
金四郎の探索により、オランダ通商総代のヨンストンが偽者であることが見破られ、箱根でオランダ通商総代の一行は皆斬り殺され、偽者が化けていたということがわかり、白洲でお裁き

*5/15
第12話 その十手を探せ!!
松永平之進:剣持伴紀
:唐沢民賢
木枯らしの吉蔵:田口計
田口はゲスト枠内トメ
赤目と新八が襲われ十手を盗まれる話。金さんがそれに助力、この三人が色々相談しているシーンが面白い。赤目の前で金さんが殺陣をしているが、まあかろうじて、北町奉行であることはわからないであろう。
終盤では悪人たちの前に死骸を運び込んでカンカンノウを歌い踊るという場面がある。
これまでほとんどの回で白洲での金四郎の一件落着という言葉で終わっていたが、この回は珍しくエピローグ場面がある。エピローグがあったのは序盤の数回だけだったはず

第13話 沈み金の謎を追え!!
波藤の猿次:浜田光夫
お梅:麻田ルミ
:宮口二朗(御家人 堂本平十郎)
:伊吹総太郎(相模屋 徳兵衛)
またまた第2幕のところで眠りこけてしまった。魔の第2幕
伊吹総太郎(伊吹聰太朗)は江戸を斬るで不気味な用心棒をやっていた人だが、ここでは商家の旦那という比較的普通の扮装。不気味な用心棒のときは常に異様な扮装だったので、普通なのが、逆に驚く
猿次は格好良いやくざの親分に憧れる江戸へ出てきた若者、誰なのか男を探しているようで、そしてその探していた男、神馬という名、が殺され、猿次にも疑いがかかる。ここら辺はいかにも善玉として出てきたのに、悪役かと思わせ、が、そこで事情を探っていくと、真相がわかってくる。
猿次は漁師で、御用金(運んでいた舟が沈んだ)の引き上げを頼まれ、お梅(猿次を追って江戸へ出てきた)の父親である仁吉と共に任にあたったのだが、その引き上げが済むとそれを頼んできた男、神馬は豹変し、仁吉を斬ってしまった。猿次も斬られたが海に飛び込み必死に逃げ九死に一生。猿次は仁吉の仇を探していたのだった。
そして真相は、廻船問屋相模屋と堂本が組んでの悪事。堂本は担当だった御用金の舟を沈め、役を返上させられ、今は無役。その舟の引き上げを私的に行って御用金三万両を奪うという手口だったのだ

第14話 一番纏に命を張れ!!
喜久弥:赤座美代子
友吉:柴田侊彦
藤兵ヱ:潮万太郎
頭取:中村竜三郎
与助:清川新吾
:内田勝正
:下元勉
内田は悪役の多い人であるが、ここでは出番の少ない端役で「に組」の小頭。善玉も悪役もなく、ストーリーに大きく絡むわけでもなく、「に組」の纏持ちである友吉に指示を与えるという程度の役
紙問屋が相次いで火事になる。その火事の際に「に組」の纏持ちである友吉が遭遇したことを芸者である姉の喜久弥が、紙問屋の淀屋藤兵ヱに話したことから、友吉が命を狙われる。
エピローグあり
下元勉について
第6話に出ていて、その俳優について少し書いている
この回では役名なしでクレジット、どこに出ていたのやら。で、前から少し疑問に思っていたことが今回回を置かずに出演クレジットを見たことで気付いたので書く
この人は上にも書いたようにおれの記憶にははっきりとある人。で、ずっと前から時代劇で役名なしの端役あたりでよくこの名前を見かけていたような気がしてた。で、結構大物だと思っていたが、そうでもないのかな、と。一方、作品内にその人の姿を見つけることはできず。で、ひょっとして一字違いとかの似たような名前なのかなと思ったりもしていた。今回気づいたのはやっぱり同じ名前。でこの回でも姿は見つけられず。ひょっとして同姓同名の時代劇によく出る端役専門の人でもいるのかな、と。

第15話 哭くな 南蛮鳥!!
お千世:武原英子
留吉:浜田寅彦
七兵ヱ:永井秀明
梶岡:中村孝雄
清国人による見世物小屋というところから始まる。この手のものは時代劇でよく使われる題材で、その後のストーリーもよくあるもの。長崎の商家の罠にかけられ潰され、その頃少女だった娘が数年を経て親の仇を狙って江戸へ出てきたという内容
見世物の内容は南蛮手妻と称されており手品である。一葉斎が教えてくれと頼む場面がある
コンビの権太助十のうち権太は登場しない、大山詣りだとされている。助十のほうは死体を発見するという風にそれなりの役が与えられている
殺陣の場面では千世も親の仇を狙うため金さんとともに戦っており、仇と対峙したタイミングで同心たちがなだれ込んできて、そこで金さんは千代を助けるでもなく一人で逃げている。江戸を斬るでは、こういう場合常に千代など善玉側は金さんと一緒に姿を消していると思う。が、これはこれで正解だろう、千代は悪人たちとともに同心に引っ立てられており、白洲で金さんの正体を知るという展開

第16話 燃える男の胸で泣け!!
戸田道之助:大出俊
千絵:竹下景子
:勝部演之(御船手組頭・根岸勘十郎)
:天草四郎(廻船問屋・檜屋半右衛門)
戸田道之助は屋に殺しをするために雇われた浪人で、千絵が妹。大出俊は必殺仕業人と同じくらいの時期だが、もっと鋭い感じ、これは役柄が切羽詰まった食い詰め浪人というものだからだろう
悪役が抜け荷を行う檜屋と根岸で、そこに使われながらもなんとかもがく道之助はストーリー上は善玉となる構成
甚兵衛が金さんを金次と呼んでいる。この回ではないが赤目もそう呼んでいた。レギュラー陣がそう呼ぶってことは、一応金さんは金次と周りから認識されてるってことだろう。
また、これはこの回ではないが甚兵衛が金さんを遊び人だけど本当の仕事は何かと聞いたり、遊び人であることを叱ったりする場面もあった。金さんの正体を知らない証左である
勝部演之も天草四郎も役名なしだが、重要な役。天草四郎はよく見る名前、ああこの人かあ、よく見る顔だ。
伊東四朗は期待されてる通りここまで喜劇的場面で多く登場しているが、この回ではそれがかなり多め。抜け荷探索のため御船手組との合同捜査となりその会議の際、御船手頭根岸から奉行の遠山が全体の指揮を執るべきではないかと問い詰められ、金四郎と青木が目で合図する場面なんかは面白い
この回でも殺陣では金さんを斬れという檜屋の命令を裏切った道之助が金さんとともに戦い、同心たちがなだれ込んできた場面で金さんのみが姿を消している
白洲の場面、前回もそうだったし、そういう演出がシリーズ内でも多めであるのだが、ここでも武士でそれなりの役である根岸も白洲の場面に参加、白洲ではなく、遠山と同じく部屋の中におり、白洲を見守るという立ち位置。そして悪の証拠を言い立てられ、遠山桜の披露となると、逆上し遠山に斬りかかり、遠山に仕留められるという演出
エピローグ場面あり。千絵は作内で金さんに惚れている素振りを見せ、それをお竜にたしなめられているとう場面があるのだが、結局千絵は金さんの正体を知り、お竜の言っている意味がわかったというようなエピローグだ。

第17話 裏入学をあばけ!!
粂吉:脇谷透
喬太郎:大山正明
大津屋藤蔵:須藤健
弥島伝十郎:小笠原良知
:三角八郎
:近江輝子
早坂釆内:有川正治
お槇:磯村みどり
キャストクレジットはウィキのコピペだが、須藤健、小笠原良知、有川正治は役名なし。磯村みどりはゲスト枠内でのトメ。冒頭で殺されてしまい、回想場面で出ては来るが、登場シーンは少な目。
大津屋藤蔵は字幕オンでは藤造だった
弥島伝十郎は字幕オンで矢島
早坂釆内は字幕オンで武内
三角八郎はお槇と親交があり、金を融通してやる骨董の店、柏屋治助
近江輝子は大津屋の女将
福本清三がノンクレジット、悪党の用心棒連中のひとりで中盤の殺陣に参加、最後の殺陣にも一瞬映ってるようだ。
異色の作品という感じ。粂吉と喬太郎と最初に出てくる役名ありはどちらも子役というあたりからそれが感じられる。
昌平坂学問所の入所を巡る不正の話。
粂吉は町人の子で学問所に実力で入ろうとしており、金を積んでの裏口入学の噂を知っておりそれを憎んでいる。
喬太郎のほうは、どこぞの裕福な侍の子で学問所にすでに入所、実力で入ったと自分では思っており、粂吉をバカにしている。また、裏口入学なんてないと信じている。
こういう構図はありがちなのだが、この喬太郎は実は学問所勤番組頭、矢島の息子であり、その矢島と学問所に紙を卸している紙問屋の大津屋が組んで不正入学は行われていた。そして喬太郎は不正で入所しており、それを知った喬太郎は父に失望し心を閉ざすという展開は驚き。そしてそのことに父も動揺、結局切腹して果てる
一方お槇も金を工面し、大津屋に裏口入学を頼んでいたということが金さんの調べで発覚。が、粂吉が裏口入学を嫌っていることを知り、その依頼を断って金を取り替えそうとしたことから殺されていたということもわかってくる
白洲の場面で、この二人の子は金四郎の取り持ちで和解しているが、二人とも親を亡くし、あまり明るい未来が見えず、後味はあまりよくない。
オープニングタイトルについて
バックは今作品に合うようなイラストであり、クレジットされるキャストになんとなく合わせているように思えていた。最初のそう思ったのは赤目のところで、同心と岡っ引きのイラストになっているところだ。
今回ちゃんと見たら、蕎麦屋のイラストに甚兵衛、駕籠屋のイラストに権三と助十という風になっており、さらにお竜では髪結いのイラストなのだが、この回では内情を探るため髪結いになって大津屋に行き、女将の髪を結っている

*5/16
昨日見終えたところで、今回の放映には次回予告がついていることに気付く、というか第1話を見たときにそれに気づいたのだけど、それ以降は見るのを忘れていた。
そこでどんな風かと次回予告だけを全部見てみた。
割とストーリーが凝っている、どんでん返しがあるということを指摘したが、そこら辺を説明している次回予告があったりして、なかなかに詳しく興味深い。
第4話のところに変なことに気付いた、これについては、第4話のところに記述する。
そしてエピローグ、序盤で数回エピローグ部分があったと記憶していたが、今回次回予告を見るに当たって、ついでに本編の最後の部分も確認、第5話まででは、第1話と第4話にエピローグ部分あり。

第18話 島帰りを探れ!!
お里:土田早苗
浅吉:工藤堅太郎
権次:中島正二
権蔵:浜伸二
松井:柳沢真一(ゲスト枠でのトメ)
岡っ引きに怪我を負わせたということで島送りになった浅吉が江戸へ戻る。が女房のお里は夫婦だからこそわかる感覚でその男が亭主でないと言い出す
事件のあらましがなかなかわからないでいたのだが、終盤に長々と説明台詞がありようやくわかる。が、そういう説明台詞でわかるというのは出来があまりよくないと思う
金さんはお里の話を信じて、浅吉に化けているその男の正体を暴きに行くというのが中盤にあるのだが、そこであっさりと退散してしまっている。お里が浅吉でない正体不明の男といるということは明らかになっているのに、だ。お里を危険にさらしているという意味では変な行動である
金さんは浅吉に対し金助と名乗っている

第19話 渡る世間の鬼を斬れ!!
捨吉:佐々木剛
お琴:本阿弥周子
:五藤雅博(佐野屋の主・嘉平)
銀次:曽根晴美
:玉川長太(岡っ引きの銀次)
茂七:水上保広
ゲストはウィキのコピペ。実際には役名ありは佐々木剛と本阿弥周子のみ。
この回の次回予告のところで、まず角兵衛獅子が映り、「孤児を集め芸を仕込んで辻芸人に貸す損料屋」というナレーション。割と時代劇で見る設定だ。角兵衛獅子は本編の冒頭にも映るが、本編ストーリーに角兵衛獅子をさせられる子供というのは出てこない(貸し出されて芸をやらされている子供というのは出てくるが)。メインストーリーは損料屋の悪事を行う悪役とそこで育った捨吉との攻防。
今回も説明台詞が多め。ここはちょっと悪い面ではあるのだが。
今シリーズの良いところは、サスペンスの要素が強めというところだ。江戸を斬るや大岡越前では先が予想のつかないという感じはあまりなかったのだが、今シリーズでは割と予想がつかない、もしくは予想が外れるということが多い。その裏返しとして、そのちょっと込み入った部分を説明台詞で補っているのだと思う。
まあさすが古い時代劇で悪役と善玉の佇まいはそれらしいので、出てくる人物がそれぞれどちらなのか予想はつく、ここは江戸を斬るなどと同じ、のだけど、そこも外れることもあり、また、どっちなのか途中で迷うことも多い。まあ悪役で有名な俳優がいかにも悪役として登場する場合は、その予想通り悪役なのだけど

第20話 一六勝負で闇を裂け!!
お篠:野川由美子
種吉:石山律雄
浜屋:村上冬樹
吉次:山岡徹也
種吉は下駄職人で女房のお篠と息子の三人暮らし。善人の町人家族という設定。
石山律雄については前にも書いていると思うがこの人はいかにも善人面であり、その通りの善人キャラで登場するも作品の中盤で「実は・・・」と裏の悪人顔を現すというような役が非常に多く、この人を見るたびに、きっと悪役だろうと思ってしまうほど。ここでは裏のない徹頭徹尾善人、職人の役。
野川由美子にしたってそうで、初期必殺でのレギュラーで、殺し屋のメンバーでもあることから善人というキャラは似合わない女優。その二人が善人の町人夫婦という珍しい構図。お篠のほうは昔壺振り師だったという隠したい過去がある女なのだけど

第21話 地獄の炎を消せ!!
太吉:永井秀和
お新:小野恵子
吾平:稲葉義男
:小鹿番(湊屋番頭の佐平治)
これも先の予想がつかない好作品。最後の殺陣の前に悪人側はペラペラからくりを喋る説明台詞は興醒めではあるけど、まあしょうがないか。それを白洲で遠山が喋るというのでもいいと思うけど。
金貸しお種婆さんを殺した罪で服役中の太吉。が、牢屋近くの火事で解き放ち。太吉は無実の証しを立てようと恋人のお新とともにアリバイを証明できるはずの男や事情を知ってる疑いのある男のもとを回るも、その行く先々で彼らは殺されていた、というようなストーリー
悪役はお新が勤めている湊屋の主人吾平と番頭の佐平治。稲葉義男は悪役だろうなと思ったが、小鹿番の善人そうであり、が一方で悪賢い小悪党のようでもありという人相が魅力的

*5/17
第22話 恐怖の縄を解け!!
おりつ:岡崎友紀
関口宗吉:山本紀彦
円平:嵯峨善兵
大黒屋:田島義文
:牧冬吉(大黒屋の番頭)
嵯峨善兵は商家の主人で悪役が多い人ででっぷりした体格でタプタプした顔つきがいかにも悪役。ここでは山師(山を歩き回り鉱脈を探す)、おりつの父親で序盤で殺されてしまう、回想場面で出てくる。
岡崎友紀はアイドルとして人気のあった人で、おれも幼児のころテレビで見てたのかなあ、後になって知ったという人ではない。経歴を見ると、この75年というとちょうど代表作である「おくさまは18歳」の一連のシリーズが終わったころで、アイドル期を終える頃かと思われる。まあ確かにアイドルにしてはちょっととうが立った感じか

第23話 悪夢を吹きはらえ!!
おつた:三条泰子
新太郎:倉岡伸太朗
:森秋子(おこう、井筒屋の後妻)
:永野達雄(井筒屋主人、勘兵衛)
:藤尾純(軽業師の師匠、飛太郎)
夢枕の五郎蔵:花沢徳衛
花沢はゲスト枠内での止め。悪でありながらもストーリー上は善玉というような役割かと思ったが、徹頭徹尾完全悪役。この人は悪役も善玉もこなせる人なので完全に悪役でもおかしくはないが。
永野達雄は幕府重役の役が多い人だが、ここでは商家の主人
藤尾純はこのメモブログに前に書いているが、芝居小屋の座主みたいな役が多く、ここでも見世物小屋の主みたいな存在の役だ
盗人「夢枕の五郎蔵」、井筒屋に入り込み五助と名乗り大番頭。娘のおこうを主人勘兵衛の後妻にして(五郎蔵とおこうの親子関係は隠している)乗っ取りを企んでいる。井筒屋の若旦那、新太郎は秀駒の芸者仲間おつたにご執心。五郎蔵は勘兵衛をたきつけて新太郎をなんとかしようとしているが、勘兵衛のほうはいずれ新太郎とおつたの仲を認めざるを得ないと考えており、五郎蔵は裏工作を謀る

第24話 消えた飛脚を探せ!!
おげん:水原麻紀
おたつ:桜井浩子
武蔵屋:富田仲次郎
:木村元(入舟屋の番頭、吉三郎(よしさぶろう) )
:中村錦司
弥之助:今福正雄
今福正雄はゲスト枠内でのトメ
今シリーズではかなり大きい役でも役名なしになることが頻繁、ここでは吉三郎、悪役の実行犯
弥之助は甚兵衛の古い友達で、さらに今は武蔵屋の主人になっている六兵衛(富田仲次郎)と三人が仲間だったと語られている。どういう仲間かはよくわからない。
武蔵屋は浅草のやくざであろう、で今は品川の旅籠総代の入舟屋を追い落とし、なわばりにしようとしている。
入舟屋の若旦那新助は、店を嫌って今は飛脚。その新助が運んでいた三百両を持ったまま行方不明、恋人の入舟屋の飯盛り女おげんに共犯の疑い、しかし新助は殺されていた(新助殺害の場面が冒頭)。武蔵屋は入舟屋の不祥事で追い落とそうとしたのだ
白洲での遠山桜開陳の場面。普段は、白洲に並べられた悪役善玉の全員がその桜吹雪の刺青を見て、金さんが奉行だったことを悟り恐れ入る。今回も悪役善玉が並べられている。善玉はおげんと弥之助。遠山桜開陳で悪役が引っ立てられた後、善玉に遠山が話しかける場面でおげんが顔を上げ、そこで初めて金さんに気付く。刺青開陳を見ていなかったのだろう。
で。刺青を見ずに顔だけで金さん=北町奉行遠山とわかるのなら? いやわかるよねとは思うが、そこはわからないとしておくのが時代劇のお約束でもあり、ということはこういう演出はどうなんだ? と思える

第25話 死神を封じ込め!!
熊造:山田吾一
お豊:八木昌子
数馬:竜崎勝
土井大炊頭:細川俊夫
鳥居甲斐守:永田光男(実際のクレジットでは役名なし)
これまでの回でも、確か1回だけだったと思うが、南町奉行として名前は出てきた鳥居甲斐守。今回は登場。準レギュラーでなく今回ゲストっぽく、この回だけの出演か。至って普通の幕府重役というキャラの作り方。ストーリーとしてここで悪役っぽくとかやるのは余計なのであろう
南町仮牢内でコロリが発生、直後に牢抜けしたのが盗賊不知火組の熊造。南町は閉じることになり、鳥居は遠山に今後を頼むという展開
堺はこの数回出ていなかったはずだが今回は登場。おれはこの堺をちょっと竜崎勝に似ているように思っていた。竜崎は松本幸四郎版鬼平犯科帳で鬼平の配下の唯一の同心としてレギュラーで出ていて、その構図もここでの堺にちょっと似ているのだ
ここでの竜崎の役は旗本の進藤数馬、裏の顔は不知火組の頭
エピローグあり

第26話 金の大黒を追え!!
正吉:尾藤イサオ
おみよ:渡辺やよい
蔵前屋:谷口完
おしげ:松村康世
尾藤イサオがいい加減だが憎めない江戸っ子の役で、彼の資質を生かした喜劇要素の強い作品。
金さんが正吉を作戦に引き入れるため、一葉斎が易者として芝居をして正吉を脅す場面とか、金さんに男なら一度は勝負して見ろと言われた庄吉がおみよの前で同じことを格好つけて言う場面とか。
正吉は島帰りで、島送りにした赤目は正吉がすぐ戻ってきたのが気に食わず、因縁をつける。逃げ回る正吉は瀕死の岡っ引き源八に出会い、金の延べ棒を北町の青木に届けてくれと託される、源八の十手も持って、北町へ行くも、またも赤目。青木には会いそびれ、十手を持ってうろうろしてると、古道具屋の奈良屋で、十手を持ってることが利いて、その金の延べ棒が10両に。
金さんのほうも事件を追っていくと、正吉が十手を振りかざしていることを知り、それを利用して事件を探ろうと計画、正吉は赤目の目をくらますため、太助と名乗り、十手持ちのふりをして探索をすることになる

*5/18
第27話 花の廓の闇に咲け!!
若狭太夫:土田早苗
大河原源之進:近藤宏
戸沢伊平:内田勝正(クレジットでは役名なし)
:石井宏明
:近江輝子
土田早苗は短いスパンで二度目の登場、新クールということでこれまでの分リセットということもあるのかな
内田勝正、これも二度目、今回は悪役側、御側御用人に付き従う強面武士というお似合いの役
演出的に新たなクールが始まったという変化らしきものが多少見えるが、この回だけのことかもしれない。
ちょっと笑いの演出が多いとか、白洲での遠山桜披露の際の口上が異なるとかだ。
内容。
吉原の女郎、若狭太夫、これが実は取り潰しになった大名の娘。後継ぎがなく、将軍の十一男を無理やり婿に取らされそうになり(十一男が5歳、姫が14歳)、それを断ったことで取り潰し。それを画策した御側御用人の大河原源之進を敵討ちしようと、吉原通いが道楽の大河原を待つために吉原の店一軒を買い取っての作戦
金さんも若狭太夫に会うために吉原通いとこの辺は例えば会計が払えず、桶に入れられたり、女どもが嫉妬したりと喜劇的
この第27話からOPなど構成が変更されている
これの放映されたのが1976年の4/1。75年の10月スタートで2クール終え、3クール目、心機一転ということだろう。2クールで26話というのも通常通りという感じだ。
OPではレギュラー陣が映像つき、そして役名表記なしで紹介される形になった。そして最後にタイトル表示。そのままCMなしで本編となりここが第1幕。ここは短めでプロローグというべき場面となる。その最後にサブタイトル。これ以前の回では、第1幕が始まってちょっとしたあたりでサブタイトルが入り、その後にCMは入らないまま本編続行だった。これまでは4幕もので今回から5幕ものになってるが、4幕もののときのサブタイトルが入るところで、幕を分けると考えれば、これまでと同じ構成ともいえる。
そしてCM。CM後、ここはちょっと変なのだが、OPタイトルの続きとでもいうか、脚本、そして監督のクレジット、10秒足らず。そして第2幕へ。10秒足らずなら、OPタイトルのところに続けて入れればいいのに。なんだか落ち着かない。その後はCMで区切りながら(CMは3回)全5幕
ゲストキャストはEDでのクレジットへ

第28話 折鶴の謎を追え!!
お新:紀比呂子
卯七:入川保則
:小野進也(クレジットでは役名なしで、勝治)
中山外記:川辺久造(クレジットでは役名なし)
山城屋藤蔵:伊達三郎(クレジットでは役名なし)
三兄弟(卯七、勝治、お新)がメインになる話で、小野進也だってそれなりの格だろうに役名なしにされている
第27話で書いた演出上の変化というのはその回1回限りのことだったようだ。この回はそれ以前の回と比してさほど変わったところはない
医者が相手にしてくれなかったせいで母親が亡くなった三兄弟、医者を恨んでいる。そんな中医師が立て続けに殺される。その裏を探ると、次期御目見医師推挙を巡る争いがあった

第29話 燃える瞳を救え!!
吉田友紀(仙太)、長谷川待子(おはる)、幸田宗丸(忠兵ヱ)
ゲストについてはウィキのコピペ、表記方法が変わっているのはウィキがそうなってるから。
仙太は少年、子役がメインゲスト。
長命庵に仙太という少年が迷い込み、金さんは腹をすかせた仙太にそばを振る舞う
その仙太が殺しを見てしまった。仙太は悪ガキで屋台が並ぶ中でいくつものスリを繰り返す。が、金さんが保護してやり、探ってみるとどうやら生き別れになっている母親を探しているらしく、しかもその殺しに母親が関わっていることに気付き、殺しについても口を閉ざしてしまう

第30話 暗闇の銃声を消せ!!
珠めぐみ(玉菊)、河原崎次郎(中山新太郎)、深江章喜、市川男女之助、北見唯一、多賀勝、西田良
レギュラー以外の北町同心(中山)がフィーチャーされるストーリー。こういう形式は、大岡越前や江戸を斬るではあまりなかったように思うが、吉右衛門版の鬼平ではよくあったと思う。そしてこういった奉行や長官が主役の時代劇シリーズにおいて、前者二作品のように、奉行がレギュラー同心とばかり密に絡んでいるとたかがドラマにしても、他の同心はどうしてるんだ? という気になってくるので、その点、吉右衛門版の鬼平ではその点配慮されているのだと思うが、レギュラーの同心が多数いて、彼らは毎回出てくるわけではない、そういうのを見ると、事件ごとに担当が決まってるという風に見えるという利点があり、それこそこの回のようにレギュラー、準レギュラーでなく1回きりのゲストとして配下の同心が出てくるのも、そういう人がいて、事件を任されたという風に見え、納得がいく。
そういうゲストとして出てくる配下の同心、悪役のときも善玉のときもある。が、悪役で出てくる方がインパクトは強い。ので今回も、実は中山が悪人だったという展開をどこかで期待していたのだと思う。が、徹頭徹尾、善玉、登場の時からそういう風に登場し、みじんもそんなことは感じさせない善玉ぶりだった。
中山は北町奉行遠山が金さんとしてお忍びで町に出ていることを知っている同心という設定。金さんが北町奉行であることは、奉行所内ではどの程度知られているのだろう。これまでのところを見ていて、おれは青木と堺だけという風に見ていた(白洲の場面で、同席している役人は当然わかっているわけだが)が、金さんの殺陣の場面で後からやってくる捕物隊を率いる同心は、金さん=北町奉行を知っているのか知らないのかははっきりとは判然とはしない。金さんは青木や堺以外の同心からは隠れているように見えるけどね

*5/19
第31話 明日に別れの賽を振れ!!
新藤恵美(お加代)、森次晃嗣(伊三次)、和崎俊哉、北村英三、森幹太
浜田晃、中田博久
抜け荷が南町の手配をすり抜けて横行。南町の定法が筒抜け、南町内部に情報を流しているのがいるらしい。
その抜け荷の運び屋を油売りがやってると見込んだ金さんは自ら油売りになろうと赤目に頼み、油売りをやっている竜神一家に口を利いてもらう
龍神一家の娘、おせい(大森不二香)はそこで油運びをやっている伊三次に惚れているが、龍神一家の跡目は島蔵というのが衆目一致、龍神一家の頭、おせいの父親である弥兵衛(北村英三)は娘の婿に島蔵と決めている。
伊三次は水茶屋のお加代と両想い、金を作る必要があった。
龍神一家に入り込んでいた十手持ち、正体がバレて、島蔵に殺される。そして島蔵は伊三次に身請け料の35両を渡し、罪を被るよう言う。伊三次とお加代は許され、逃げることになる。
伊三次に惚れているおせいは、伊三次にどういうことなのか問い詰めるも、二人の思いを知り、無事に逃げてくれることを祈る。
抜け荷の黒幕、渡海屋(森幹太)
水茶屋の女将おちか(原良子)。お加代を雇っている。お加代には身請けの話が来ていると、伊三次に諦めるよう言うも、35両持ってきた伊三次に負け、先の身請け話を断ることを請け負う、が、実は加藤の情婦で、逃げる際に再度頼ってきた二人を、迎え入れ、加藤たちを招き入れる
南町与力加藤仙十郎(和崎俊哉)。情報を龍神一家に流していた
1幕の最後のところが歌舞伎を真似たコント仕立て。金さんと青木の場面、金四郎が格好つけて「こいつは一番、当たってみるか」と事件への意欲を言うと、青木は金四郎の仕草を真似る、金四郎が歩き出すと後ろを青木、BGMとして効果音、歌舞伎のツケというらしい(そのように字幕オンで出る)、二人が止まると、こちらを一緒に振り返る。※
※ツケ--舞台【ぶたい】の上手【かみて】の端【はし】で、2本の木を板に打ちつけてバタバタと音を出すことをいいます。 見得【みえ】の瞬間【しゅんかん】を強調したり、駆【か】け出す時の足音や物が落ちた時の音を際立たせるために打たれます
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第32話 逢びきは三途の川で
品川隆二(菊川町の長太郎)、麻田ルミ(おきく)、富田浩太郎、黒沢のり子、柳川清、浜伸二、唐沢民賢
金さんが夜中に出会った男が死体となって発見された
これは材木問屋の橋本屋が公儀の橋梁改築工事の責任者に内示された丸太屋を追い落とすために火付けを指図、そしてその実行犯を殺していたという裏。
その死骸が上がった場所が長太郎が縄張りにしているところ。
品川隆二が昼行灯と呼ばれるどじで風采の上がらない岡っ引きの役で、金さんは彼に手柄を取らせるために子分になるも、青木から十手を取り上げられてしまう。
品川隆二を生かしての喜劇的要素の強い作品。女房おきくの亭主の尻を叩いて働かせる木の強い女でこれも見ていて楽しい

*5/21
第33話 五色の手鞠を離すな!!
三上真一郎(平吉)、高城淳一(喜十)、山本昌平(源三)、水上保広(卯之助)
・お竜が幼馴染みと結婚し江戸を立つ
大事な回だからか、色々やらなくてはならない場面が多いためかストーリーはちょっと雑な感じではある。
エピローグあり
お竜を見送りに行かず役宅で涙目になってる金四郎の表情がラストシーン
小鹿ミキのお竜がこの回で降板
非常に惹かれる。そういう意識はしているのいないのかわからないが、時代劇の中にあって圃場に時代劇らしくない口調と演技。キャラが時代劇の中にいる現代的価値観行動を取る若い女性(現代的というのは「制作当時の現代」であり、「舞台となる時代とはかけ離れた後世」という程度の意味でもある)であり、これは多くの時代劇で採用されており、そういう演技を求められてやってるから、そういう風に見えるということだと思うが、まったく演技ができなくて、そうなってしまう場合もあるので、その辺はよくわからない。
顔がいまの時代に通用しそうな愛くるしいアイドル顔で、金さんにこっちを向いてもらいたい若い女の役ということで甘えたり拗ねたり嫉妬したりというそれぞれの表情が可愛い
お竜についてウィキには「金さん=遠山奉行との最初の関わりについては、劇中では語られていない」とあるが、第1話で「女だてらに盗人稼業で金さんに追われてたあのころ」というセリフが最初の登場シーンにある
話変わって
演歌が子供のころ流行った演歌で「帰ってこいよ」というのがある
この歌がなぜか数日前から頭をリフレイン。この歌についてウィキを見たり、つべで聞くということはせずに、以下は記述。いずれやるかもしれないが。
そのリフレインはなんでだろうと頭を巡らせていてようやく気付く。このシリーズのメインテーマ曲、第26話までOPで流れていた曲で、今でも次回予告はその曲、そして作品内でもアレンジを変えたりして頻繁に使われていると思われる(それを気にして見てはいないのでよくわからないけど)
その曲から連想しているということに気付いた。どこが似ているのかはあまり探るつもりはないが、多分頭の部分のコード進行、コードが同じというより、最初のコードから次のコードへ行く部分、が同じなのだろう。別にパクリとかそういうことでは全然ない。例えばAが2小節あって、次にDに行くとかいったその程度のことだ。メロディ(こっちの曲はインストだが)、譜割りも違っているしね。
そして曲が展開するところで入るメロディが帰ってこいよの「あの娘は○○呟いた」という部分に似ている、と二か所そういうところがあり、このメインテーマ曲がリフレインされているうちに、帰ってこいよに変換されたのかと思う
で、驚くべきはこの帰ってこいよに大きな思い入れはないのに、なぜか歌詞を伴って頭でリフレイン。よく覚えているものだ、合ってるかどうかはわからないけどね。
きっと帰って来るんだと~ という冒頭(ここが今シリーズのメインテーマ曲のコード進行が同じと言った部分で、そのメインテーマに乗せて歌うことができそう)ばかりか、「あの娘は○○呟いた」、「東京暮らしで忘れたか、帰ってこいよ~」と続くサビ

第34話 娘十九の父恋い十手
佐藤英夫(永沢兵庫)、新橋耐子(阿松の方)、戸部夕子、山本清
・おすみが女目明かし兼遠山の密偵になる
岡崎友紀がレギュラーに。
同心、永沢兵庫の娘。永沢はかつて金四郎に助けられ恩義を感じており、金四郎のため命をかける仕事をしたいと熱望、その通りになってしまい、娘はおすみは父から捕物の技を仕込まれており、父の仇を探そうと十手を持って動き出す。金さんはそれを止めようとしたが、おすみの決意は固く、結局裏からサポート
エピローグあり
お竜とは異なり、金さんに惚れるという面はなさそうだ。金さんに強気で対していたが、金さんが北町奉行遠山であることを知っても、十手を預からせろと強気で交渉、さてこの後どうなるか。

第35話 紋十郎 惚れて候
佐藤オリエ(小鈴)、青山良彦(伊三次)、村上不二夫(玉屋儀三郎)
今シリーズ初だったと思うが、伊東四朗の青木が大きくフィーチャー。女郎に夢中になってしまい、騙されてるのを承知で、奉行から金を借りてまでして金を渡してやるというストーリー
おりく(江戸へ出てきて女郎になり小鈴)と伊三次は田舎で親に認めてもらえないから、江戸へ出てきて、ふたり別々に死んだ気で働いて、百両(ひとり五十両ずつ)貯めて、持ち帰れば認めてもらえるんじゃないかと、江戸で別々に働いていて、十年後の日付を決めて、両国橋で再会する約束をしている、というその二人の事情の発端部分が雑すぎてリアリティがほとんどない。
善玉側が小鈴と伊三次だが、こちらも罪を犯していて、八丈島へ遠島となる結末(島で夫婦になれるとのこと)で、裁きの場へ同席している青木が涙ながらに「高砂や」という終わり方
おすみと金さんの関係であるが、両国橋の下で柱におりく伊三次の約束が彫られており、それをふたりで確かめている場面で、柱に手をやるふたり、手が触れあい、おすみのほうは金さんを意識していることがわかる演出になっている
伊東四朗は得意の「つん、つくつくつくつん」を披露し、浮かれ踊っての喜劇的演技を存分に

:*5/22
05/22(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|15倍録
遠山の金さん #36「惚れた女を裁け!!」[字]
第36話 惚れた女を裁け!!
朝丘雪路(お崎)、海老江寛(吉兵ヱ)、五味竜太郎(五味龍太郎)(伊蔵)
中井啓輔、山村弘三、中村錦司、平沢彰
女が風呂敷に入れたりんごや大根を次々に落としていくのを拾ってはそれを持って追い掛ける金さん。追いついたと思ったら、女は金さんを平手打ち、追いかけ回されてると勘違い。その女がお崎。二人はどちらも憎からず思い合う。
という発端で、朝丘雪路という大物が出ており、そういう描写に力を入れたか、ストーリーは薄っぺらな感じ。お崎の父親、吉兵ヱは小悪党、牢内で知り合った政吉に誘われ一両で押し込みの見張り役。押し込み強盗団は吉兵ヱを入れて四人、伊蔵と勘助(中井啓輔)、そして政吉(平沢彰)
その押し込みのやり方は雑、悪役が雑魚という作品で、殺陣の場面も金さんが政吉はすでに殺されていて、伊蔵と勘助の二人だけを相手にするという通常と比べるとショボい。
第4幕の最後と第5幕の最初は同じ場面なのだが、ツーテイク撮られているのだろうか、微妙に異なっている。伊蔵と勘助が吉兵ヱを廃家に連れ込むという場面で、吉兵ヱが走って柱に捕まるのだが、第4幕の最後では柱につかまま目をあげて相手を見ているが、第5幕の最初では、柱につかまってすぐ相手に向かって手で拝んで命乞い。
朝丘雪路という人は大物であるのはわかるが、おれが子供のころにはもうすでに中年女性という感じで、興味の範囲外だし可愛らしいとも思わなかった、まあ当たり前だ。であるから、こういう風にいい男に惚れられるという役が正直なところピンとこない
視聴が追いついた。今後しばらくは逐次視聴。他に録画が溜まっているため、こちらは一旦休止するかもしれん

*5/23
第37話 海鳴りを抱く女
鮎川いづみ(おとよ)、須賀不二男(八右ヱ門)、中島正二(孫七)
太地で鯨を捕る漁師の頭であった父の仇を狙うその娘が鮎川いづみ。仇はその鯨油の取引をしていた江戸の油問屋、江戸屋八右ヱ門。油の値上がり目論んで、鯨油の蔵に火付けをしたのだった
青木が金さんばりに町人姿で町を探索しているが、どういう理由がよくわからない。その姿で長命庵にも訪れている。青木は奉行所与力としても長命庵で知られており、この点は北町奉行遠山の顔姿を長命庵では知られていないのとは違っており、知られてしまう危険性もある
「江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」のパロディ場面がある。小柄投げの名人というのが話題になり、そこで金さんが自分の名前が出ないかと催促する長命庵での場面。

*5/24
第38話 消えた姫君を追え!!
結城しのぶ(綾姫)、毛利菊枝(たか)、武藤英司、須藤健、日高久
遠山に見合話が持ち込まれる。相手は野澤藩の綾姫で、綾は思うところあって見合いをすっぽかし、町へ出てきて、金四郎と出会うことになる、というような内容
庶民の暮らしを知らぬお嬢様が町へ出ての一騒動というのは時代劇で定番なのでこれまで何度も見たことあり、そんなことをこれまで思ったことがあったかどうかは覚えていないが、ここではその姫様の町での様子が魅力的でなく、こんなやつさっさと現実を思い知らせて、送り返せばいいじゃんと思ってしまう。そういう風に思わせないように、わがままだが魅力的という風に撮るべきなのだろう。
遠山の見合い話は老中水野越前守の母親たかから青木の元へ持ち込まれており、青木が遠山のそういうことまで面倒を見ているということがわかる。
その綾姫の騒動と、その野澤藩から百姓が直訴してくるという事件(そのうちのひとりが日高久)とか扱われており、ということは町奉行の出る幕でもなく、白洲の場面はなし。その藩の江戸屋敷へ出かけていっての遠山桜の披露という風になっている。最後は悪役である江戸家老倉持(武藤英司)をとっちめたところで、病がちの野澤藩殿様が出てきて、それ以上は自分に裁きをつけさせてくれとおさめている。
ラストは綾姫と遠山奉行とのお別れの場面で、綾姫は長命庵で食べためざしがうまかったと話すという風に、楽しかった町の生活を懐かしむ言葉で終わっていく。こういうのも常道であろう
須藤健は綾姫お付きの用人、三太夫。

*5/25
第39話 松風聴いた母子草
町田祥子(おまき)、横森久(太田内膳)、中村英生(正平)、江幡高志(植木屋の留吉)、原口剛、原健策、有川正治、唐沢民賢
青木がまたも町人姿(植木屋)。金さんとの連絡に与力の格好で何度も来ると怪しいということなのだろうが。
おすみが金さんに惚れている姿が今回もある。
今回は防災を巡る話で、甚兵衛が植木屋留吉から他の人と争ったあげく一鉢ずつ購入した黒松赤松の鉢の秘密。
おまきは大河原藩の屋敷に奉公、屋敷の庭の手入れをしていた植木屋清吉と結ばれる。夫婦は仲人でもある奉公していた大河原藩の家老から、自分は殿の元服の折まで自分は生きられないだろうから、お前たちから渡してくれと秘密のメッセージが込められたものだった。
江幡高志の留吉は今回の善玉であるおまきの亭主と知り合いということで、金を貸したこともありその形としてこの二つセットの鉢を強引に取り上げたものだったという程度に悪ではあるが、その鉢の秘密には関わってはおらず、作品上の悪役ではない。白洲では20年の遠島割と重めの刑になっているが。

*5/26
第40話 嵐の中に立つ姉妹
京春上(お米)、吉本真由美(お咲)、草野大悟(沼田十三郎)、田中浩(石田禅光)、沼田曜一、国一太郎、西田良
姉妹が仇討を狙う。相手は沼田十三郎、だがそれは人違い、金さんは沼田に話しかけ、姉妹の本当の仇を探ろうとする。
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回想シーンでの殺された姉妹の父親だが、おでこが広い笑
青木がまたも町人姿、まあこれはもうそういうものだということだろう。

*5/29
第41話 今ひとたびの青春(はる)に哭け!!
早川保(名取新吾)、弓恵子(香奈江)、天津敏、森山周一郎、石浜祐次郎、福本清三
冒頭、今回のメインゲストのひとり、根来伝造(天津敏)という浪人を襲い逆に斬られるというチョイ役が福本清三っぽい(顔はあまり映らず)と思ったら、やっぱりそのようで、役名なしクレジットがあった。
この回はストーリー的にちょっとどうかなあと思う。おれが見逃してるだけかもしれないが、なんか辻褄が合わない感じがする。
序盤、金さんが津国屋(つのくにや)に探りを入れる理由がわからない
津国屋清兵衛(森山周一郎)が、用心棒(というか殺し屋)として名取新吾に目をつける理由がわからない。津国屋の番頭、儀助(石浜祐次郎)が、名取新吾)の女房香奈江のことを清兵衛に耳打ちしている場面があるにはある。そうか儀助が町で凄腕がいると情報を聞いて主人に伝えたということか
津国屋は根来を殺そうとしている(冒頭で根来は襲われ返り討ちにしている(福本清三が出ているところ))。津国屋はかつて盗賊・紅蜘蛛党の首領、仁兵衛であり、その手下、根来も含む、を盗人宿へ集めておいて火をつけ皆殺し、が、根来は生き残り、それを強請のネタにしているのだ。
一方、名取新吾、彼は金四郎の道場仲間で、その道場の跡取り息子だったのだが、道場破りに負けて、道場を撮られ、出奔していた。これが三年前。
名取新吾は津国屋に用心棒として雇われ、根来と一騎打ちとなるが、なんと根来はあの道場破りだった。そこへ金さんが入ってきて・・・。
この回はメモしておくことが多い。
まず、甚兵衛が美川陽一郎から村田正雄へ。それに合わせてOPの映像やらクレジットも変更、今までは美川陽一郎は単独表記だったが、今回は村田正雄と三浦リカが一緒に表記。三浦リカは前の回まででは、2パターンほどあり、植田峻と二人で一緒の表記のときが多いが、ほかに美川陽一郎と一緒の表記のときもあった。レギュラー陣で出たり出なかったりというキャストがあり、その回ごとに調整しているようである。
おすみが長命庵で浪人と格闘、十手を落とし、皆に岡っ引きだとバレる。って、今まで隠してたんだっけ、という気分。赤目も驚いていた。
秀駒(二宮さよ子)が久々の登場、しばらく出ていなかったはずとウィキを見ると、34話以降出ていなかった。
名取新吾は金さんを見てすぐ北町奉行遠山金四郎だとわかる。うーん、これは。今シリーズでは、レギュラーの町人たちは金さん=遠山奉行だとは知らない。毎回のゲストが金さんと知り合い、白洲へ呼び出され、奉行と対面しても気付かず、遠山桜で気付いて驚く。
それなりに深い交際があり、会っていなかったのも三年程度ということでは気付くということか。

*5/30.
第42話 花火に賭けた心意気
植木等(佐平次)、高田瞳(お京)、南祐輔(新兵ヱ)、中島正二(仁助)、藤尾純
佐平次は8年ぶりに島帰りで江戸へ戻った元花火師、金さんとは飲み仲間、そして金さんの正体は知らないという設定。
OPクレジットで村田正雄が単独になり、美川陽一郎のときとほぼ同じのげんこつを振り上げるポーズ。前回のところに書いたが、レギュラー陣のその回の誰が出演してるかしてないかでパターンが変わるのだが、この回に二宮さよ子(と東竜明)が出てないから、そうなったものと思われ、それが証拠に三浦リカは植田峻と二人で一緒の表記に戻っている(二宮さよ子が出ている第33話では美川陽一郎と三浦リカが一緒の表記)
おすみが金さんとの親し気な場面がたくさんある。おすみの岡崎友紀、見ようによっては、前任の小鹿ミキと同じく現代風演技なのだが、魅力の度合いは小鹿ミキのほうが格段に上とい感じ
第27話で白洲での遠山桜披露の際の口上が変化したと書いたが、この回の前まではそれなりに長い口上をほとんど変えずにやっており、この回を境に変化してきており、その回以降はあまり一定していない

*5/31
第43話 江戸と浪花の風来坊
長門勇(清十郎)、八木孝子(おはる)、永田光男、小田部通麿、溝田繁、丘路千
意外な展開が終盤に二度ある。二度目は白洲が終わってのエピローグで。
石川五右衛門が盗んだとされる豊臣家ゆかりの千鳥の香呂が越後屋から盗まれ、越後屋の女中、お春が手引きをしたと疑われ赤目が捕らえる。その後立て続けにいくつかの大店から骨董品が盗まれる。
一方で、大坂からやってきたと称する清十郎、事件の話を耳にして、お春は半年前に江戸に来たときにすりにあい、一文無しになって、茶店でただ食い、番屋に突き出されるところで、助けにはいってくれた恩人だと言い出し、お春の無実を明かすため色々と動き回り始める。
この一連の骨董品盗みの犯人は最初に香呂が盗まれたという越後屋儀兵衛(永田光男)と配下の盗人三人衆、惣兵衛、源次、寅松(小田部通麿、溝田繁、丘路千)。そして、意外な展開とは。
まず終盤、白洲の前の場面、越後屋に盗みに入る清十郎、お春を助けるためとは嘘で、実は香呂を狙う盗人だった。
物語の展開から、悪役が越後屋一味で、清十郎はどう見ても善玉役。ここで実は盗人だったと言われても、という感じ。そして悪役が越後屋と清十郎となってしまうし。
白洲では、清十郎は江戸所払いとなる。そしてエピローグ、なんと清十郎とお春は夫婦、香呂は奉行所の手入れの際に、お春が青木に渡していたのだが、それは偽物で、本物の香呂は自らの手に。
となるも、その香呂の入る箱を開けると、遠山からの手紙、この二人が風だということは金四郎はお見通しだった。

*6/1
第44話 心の旅路をたどれ
下条アトム(伊之吉)、三浦真弓(お峯)
不破潤、黒部進、志摩靖彦
三浦真弓は三浦リカの姉、姉妹一緒の場面が少しだけある
あまりよくない出来のように思う。
話の発端が突飛。伊之吉は江戸御構(おかまい)が晴れて久々に江戸に戻る、が、赤目が伊之吉を三年前の博打仲間の仙太を殺した下手人だと言い出し、逃げ回る羽目に。そこでその辺を歩いていた女、お峰を脅し、一晩泊めてもらうことになるのだが。ここで伊之吉と話すお峰の様子がおかしくて、演技が下手なのかなと思ったが、、これはその後わかる設定のためであることがわかる。
が、その設定、三年前の事件、伊之吉にはアリバイのための生き証人がいた。賭場でいざこざを起こし、どこかの船宿の勝手口へ逃げ込み、そこの女中と乳繰り合ってたのだった。そして実はお峰がその女、さらには、お峰と伊之吉は幼馴染でもあった。現在の伊之吉、お峰が三年前のその女中であることにも、幼馴染であることにも気付かず。三年前のときも、それが幼馴染だとは気付かず。
お峰は伊之吉のことをずっと思っており、何度も真相を話そうとするのだが、その度に邪魔が入るのであった。
こういう設定があってもいいが、突飛ではある。
さらに。その後の展開もごちゃごちゃと盛り過ぎで、なんだかよくわからない感じにしばしばなる。
白洲の場面で遠山が長々とその事件の真相を話しており、長々と話している時点でそれだけ説明しなくちゃならない話だという証左
悪役側は裏切りなどもあり、皆が敵対しあう風でそこを抽出すれば面白そうなのだけど、お峰伊之吉の話がメインなので、そうも深く描かれず、無理やり詰め込んでる感じがする。
古着屋の丸屋の番頭、和平(不破潤)が一番の悪、丸屋の主人、佐平(志摩靖彦)と組んで故買(盗人から盗品を買い叩き高く売る)をやってるのだが、終盤(ここで丸屋の主人が作品内に初登場)では、利助が尻込みする主人を脅している(そもそも発端は和平から主人に持ち掛けたとも話している)。ちなみに仙太殺しの真相は、その商売の秘密を知った仙太が丸屋に脅しをかけてきたので殺害、伊之吉に罪を着せた(死骸の上に伊之吉の煙草入れが置いてあった)のだった
和平は伊之吉の博打仲間で、伊之吉の逃走を助けてやっているが、隠れ家とされる家へ着くたびに、その主人が殺され、伊之吉はまた逃げ回る羽目に陥る。
これは、もう商売を打ち止めにしようと、取引相手である盗人を殺して、伊之吉に罪を被せる計略。その殺しを請け負ってるが、源次(黒部進)。源次は三年前の事件の日、伊之吉と賭場で諍いになり、伊之吉が怪我を負わせた相手。そして利助は最終的には、源次も殺してしまおうと考えていた。

*6/2
第45話 雨ふり花
高田敏江(おりき)、中山昭二(末造)、桂たまき(おさち)、小林勝彦
高田敏江の熱演が目立つ回
美人局の罪で島送りになったおりきが島から帰るも迎えは来ない。一緒に組んで仕事をしていた亭主がもう足を洗うというので自分ひとりで罪を庇っての島送りだったのに。
その亭主、末造は未だ美人局業をやっていた。しかもおりきの娘、おさちを使って。
が、おりきとおさちは双方に母娘ということに気付かないまま話は進む(おりきは途中でそのことをだんだん悟っていく、おさちは殺されたところで悟っていると思われる演出)
そしておさちは米屋の若旦那を引っ掛けて乗っ取りを企むという大きな仕事、おりきは罪を重ねさせたくないという思いから、とうとう首を絞めて殺してしまう。
白洲の場面では意外に終わり方。おりきにはたくさんの情状があるとして、再度の島送り、これにおりきは「人を殺して今更に生き長らえることはできません」と。ただ、その後二人は見合い、遠山は満足そうに微笑む、とこれでいつもどおり一件落着と終わるのだと、これは変なセリフだな、どう終わるのかと思っていると、おりきは舌を噛んで絶命、遠山は厳しい表所で言葉も切れ切れに「これにて一件落着」、最後は遠山が廊下を歩く場面、という終わり方
小林勝彦は末造の部下の元吉でおさちと組んで美人局をやっている。登場場面多し

*6/5
第46話 恐怖の真昼に舞う風車
岡田可愛(おしの)、南道郎(不知火十三郎)、永野達雄(水野)、波戸崎徹(熊七)、山口幸生、大木晤郎
南道郎は上方弁の役
永野達雄の水野は老中水野(忠邦だろう)
奉行所への挑戦とも思える残虐事件が次々と起こり、月番の南町奉行鳥居(鳥居は出てこないが名前だけ出てくる)が老中から叱責を受ける。が、この賊(「卍」の文字を残す)の本当の狙いは南町奉行の遠山だった。
今は花屋をやっているおしのの夫、与吉の密告で遠山が捕まえた野火の伝造の兄弟分、不知火十三郎が仕返しに来たのだった
地井武男に似ている人が出てくる。第2幕の最終盤、悪役グループの一人だ。ただ違う人だろう、端役ではあるが、悪役のひとりで、ところどころに出ており、白洲でも後列にいる。第2幕の終盤での場面以外はそれほど似ていない

*6/6
第47話 奉納絵馬 呪いの祝い唄
島田順司(弥助)、赤座美代子(お糸)、睦五郎、杉江広太郎、佐藤京一、志賀勝
絵馬師の弥助が注文の品を届けた唐津屋で主人一家が殺されており、弥助は捕らえられ、遠山は遠島の裁きを出す。が、青木は解せない。弥助がやったとは思えないのだ。遠山の考えを探ろうと迫ると、遠山は青木に力を借りたいという。
という始まり方で、その後遠山は青木に命じて、弥助が牢抜けできるよう手配、弥助は牢抜け、金さんが弥助に近づき事情を探る。
弥助は時間をきっちり指定され品物を届けるよう言われており、それは主人の弟の銀次郎(杉江広太郎)と番頭の清吉(睦五郎)が仕組んだ罠であったことが明らかになる。
ぼんやり見ていたからかもしれないが、遠山が最初に遠島の裁きをして、その後牢抜けさせ、という流れになにか意図があるとは思うのだが、そこら辺があまり効果的に描かれていない。弥助が娑婆へ出たことで事件のからくりが明らかになるという部分を弱く、こんなことのために、牢に入れて牢抜けさせるなんていう大きな仕掛けをしているのがちょっと違和感
これなら、弥助を一回牢に入れる前にしっかり吟味しろって話だ。
佐藤京一、志賀勝は悪役側の用心棒

*6/7
第48話 長命庵に散った夢
本山可久子(お紋)、北原義郎(市蔵)
長命庵の甚兵衛の遊び人時代だった時代の女、お紋が長命庵にやってきて再会。不幸な身の上を聞き、その件に自分のことも絡んでいたこともあり、引き取ろうもするも、お初は自分の母親でない父親の過去の女ということで不機嫌に。そこは金さんが宥め、お紋は長命庵に引き取られる。が、そのお紋は盗賊一味で、狙いは長命庵の裏にある両替商。長命庵を留守にして、その間に長命庵から地下道を作ろうとしていた。というような内容
甚兵衛がお紋と別れたのは18年前の出来事とされ、お初はその後に生まれたという。18歳以下という設定となる。もうちょっと年上の設定かと思っていたが。
18年前、甚兵衛が三十半ば、お紋は二十歳を過ぎたばかりとされている。そこから18年ということで、となると、甚兵衛が53歳、お紋は38歳くらい、ここら辺は妥当。

*6/8
第49話 独楽が廻れば鬼が泣く
フランキー堺(源助)、沢木順(三次)、田辺節子(おせい)、森幹太、竹田将二、田畑猛雄、西田良
筑紫コマ鶴(コマ指導)
超大物フランキー堺の登場で、彼を立てるような演出(殺陣が終わるとすぐ白洲の場面 というのが通常だが、ここではおせいを助ける源助という場面が挿入される)、特に喜劇的なもので、彼が喜劇的演技のテクニックを見せるようなところもある、が多々あるのだけど、ストーリーも充実しており、フランキーに頼ってのワンマンショー的な感じにはなっていない(彼の喜劇的側面の出た演技も多々ある中で、全面的喜劇にはなっていない)ところが良い
その充実したストーリーというのは悪役側に金さんが遠山とバレ(青木がそれと知りあたふたするような場面もある)、そこから悪役と金さんたちが一進一退というスリリングな感じ
西田良、悪役だけど、中盤で金さん(遠山奉行だとわかっている)に迫られて、色々悪事を自白し、言われた通り切腹、というそれなりに格好の良い死に方。
白洲での遠山桜は、悪役側が金さんの正体を知ってるのだから、意味がないはずなのだけど、やっぱり遠山桜披露の場面はあり、やっぱりみんな驚いている。
そこもうまくできていて、金さんの正体を知った悪役は先に死んでしまっており、白洲に出されてるのは金さんの正体を知らない、という風に見えなくもない。まあ情報の共有を悪役内でしてるんじゃないかとは思うのだけど。
冒頭で権太輔中が乗せた負傷した女が「梵天杉の辻番」に恨みを言いながら死んでいく。辻番は自身番とは異なり、町方の管轄外。この「梵天杉の辻番」周辺でよく事件が起き、悪役だろうと想像できる
で、次の場面で登場するのが曲独楽の大道芸(その合間に薬売り)。源助、三次、おせいの三人組(三次、おせいは兄妹)である。これが「梵天杉の辻番」の目の前で大道芸をやってるものだから、なんらかの恨みがあり、それを探っているという場面かなと思ってしまったのだが、そうではなく、単に芸を披露しているだけで、ここで旗本に因縁をつけられ、三次が連れてかれ殺されてしまうという展開。ここら辺は見せ方があまりよくないように思った

*6/9
第50話 血染めの姉妹簪
倉岡伸太朗(宮寺玄州)、北川めぐみ(お雪)、近江俊輔、中条郷子、野口元夫、有川正治、内田勝正
倉岡伸太朗というのはどういう俳優だろうか、甘いマスクで悪人顔ではない、渡辺徹とか石黒賢のような感じ。ここでは悪役で、女に貢がせては殺してしまう医師の玄州、その金を賄賂として幕府関係者に渡し御典医の座を狙っている。しかし、御典医を増やす予定などなく、その仲介役、札差の越後屋(野口元夫)、そして幕府関係者として、勘定奉行補佐役の西沢(さいざわ)(内田勝正)は、玄州を金づるとしてしか見ていなかった。というような役柄で、玄州は悪役の中で騙されてるというかわいそうな役。それゆえ悪役顔でなくてもいいということだろうか。そこがうまくできているように思った。
呉服問屋の巴屋の娘、お菊が殺され、駆け落ちで家を出ていた姉のお雪が復讐しようとするというストーリー

*5/22~6/9までの三週間、常に放映日に視聴した。5/22は水戸黄門の第1部の録画を始めた日
毎日1話ずつ見ていくのもそれはそれでなかなかのもの。1時間ものを2本というペースだったが、これくらいだとちょうどいい、といっても他のものに手がつかないが。
水戸黄門の第1部も放映終了したので、少し視聴スタイルを変更。
今後も、逐次視聴していく予定ではある。週末までにその週の分を見終えていくつもり。視聴した日は書かない

第51話 夕陽に燃えた必殺剣
有川博(時造)、青木義郎(坂口)、汐路章(岩頭)、滝恵一(泥亀)
八州廻りの役人、坂口が不正をしているという話
坂口の動きとしては、まず北町奉行遠山と対面して、北町で捕らえた男を引き渡せと迫る。
終盤の殺陣では坂口は遊び人金さんと対峙。もちろんここでは金さんが奉行遠山だとは気付かない。そしてお白洲となる。
まあそこはお約束なのだが、白洲までの二回の対面の場面、どちらもまじまじと見ていると思うのだが、気付かないものか。
作品の構成を考えてみると、上記のようなのはあまりよくなくて、あくまでその回の登場人物は金さんとだけ会っている状況で白洲となり、その白洲の場面では奉行は高い座にいるし、偉い人だということで、まともに見れない、そして桜吹雪の刺青披露となり、ようやく気付くという流れならぎり許せるように思うのだ

第52話 明日を知らない女
珠めぐみ(おせき)、工藤堅太郎(弥九郎)、山岡徹也
少し毛色の変わった作品。
板前の信次殺しで捕らわれた板橋の飯盛り女おせき。しかし遠山奉行はおせき自身の殺したという自白が信用できないと無罪放免とする。誰かを庇ってる様子。が、殺した相手の信次はおせきを店から連れだして一緒に中仙道の道行きをした間柄。好きな相手だったということで、はて? となる。
さらに話が進むと、おせきには夫で半端な博打打ちの弥九郎がおり、それが信次を殺しており、おせきの自白はそれを庇ってのことであったことがわかってくる。
おせきのモノローグが多い
変わった話だからか白洲の場面もちょっといつもと異なる。悪役を桜吹雪で平伏させて引っ立てて退場させ、残った善玉と少しやり取りをして終わりというのが通常パターン。今回は白洲に三人、先に今回の件の大元となるやくざの親分、剛蔵(山岡徹也)が引き回し獄門の裁きを言い渡されて退場
二人がが残る。今回あえて善玉といえばおせきだが、おせきは信次を誘い死に至らしめた罪ということで、江戸所払い、先に退場、最後に残るは弥九郎、こちらにも遠島となるが、そこで金四郎、出来ることならここでお前を叩き斬りたい、先におせきを先に行かせたのは、お前に死罪を言い渡すむごさが会われだったといい、この裁きは一世一代の不覚などと言っている。
工藤堅太郎の博打打ち小悪党というのもちょっと珍しいような気がする。扮装が珍しいのかな。旅烏的な頭
今回も前回のように、おせきはまず遠山奉行の裁きを受けるというところで対面、その後金さんはおせきに近づくもおせきは気付かず。今回のおせきは、もう死を覚悟したのか常にどこを見てるかわからないような視線の女で、それだからという風にも介錯できるが、やっぱり桜吹雪疲労の場面で驚いている

第53話 一両だけの青春
火野正平(ゲン・元三)、鶴間エリ(ジャキ・おさき)、那智映美(ミッチ・おみち)、今井美佐子(チョロ・おちよ)、高城淳一(永尾)、宮口二郎
放映が1976年の10月7日。新クールということだからだろう、OPやEDでいくらかの変更
そしてレギュラーのおすみ(岡崎友紀)がこの回で降板、新レギュラーのお京(水沢アキ)が初登場。OPはこのレギュラー変更に関わる部分が変更、そしてなぜかこういう回にお初が出ておらず、そのためここでもお初の映像のない形になっており、こういう重要な回に出ていないと変にこんがらがる。そして第2幕の始まるところでの脚本などのクレジットが本編映像のところに入るようになった(これまではイラストがバックだった)
EDは挿入歌が入る。本編の最終場面のおすみと金四郎の別れの場面から歌が始まり、これはこれまでにない珍しい演出だと思っていたら、そのままEDのクレジットとなる。その際の背景はイラストではなく実写映像の遠山奉行、邸内での様子
で、こういう重要な回だからこそなのか、他にも重要トピック。火野正平の出演。この人は演技は毎度同じだが、だがいい。ここでも仕置人の正八そのままだ。この人のこのころの走る姿はなんか泣ける
前回、前々回に続いて、今回はゲンが奉行遠山とも金さんとも出会っているものの気付かず。ゲンは白洲の場面前に殺されてしまう
白洲での桜吹雪披露の場面では、金さんの桜吹雪を見ていないはずのジャキらが驚いており、またこれまた桜吹雪を見ていないし、なんでそこにいるのかも不明なお京も驚いている
白洲の場に出されたのは今回はゲンたちを火薬作りという秘密の仕事に従事させていた佐倉藩の留守居役永尾とその部下で火薬作りの主導役だった江沢(宮口二郎)で、何の説明もなく白洲に座らさせており、さらに永尾に切腹、江沢に打ち首の裁きもくだしている。

第54話 殺しを呼んだ千社札
山本紀彦(粂吉)、鮎川いづみ(おふじ)、神田隆(徳右ヱ門)、中島正二(源次)
千社札を神社に貼るのが禁止されている時代(※)を背景にそれを使った抜け荷の取引という話で、千社札を彫る腕のいい職人がそれに巻き込まれていく。腕のいい職人だからってたかだか千社札という感が否めない。千社札の禁止については最後の場面で金四郎が「神社仏閣は町方衆の心のよりどころだ、近いうちに解禁ってことにするかな」と言っている
(※)ウィキで「千社札」を調べると、実際に禁止になった時代があるとのこと
EDだが、前回は本編の最後から流れ始めたが、今回は本編が終わった後に流れるという形になった。クレジットのバックの映像は前回と同じ(多分毎回同じなのだろう)遠山奉行、邸内での様子

第55話 背信
岩井友見(おさわ)、村上冬樹(松吉)、大丸二郎(惣吉)、須藤健(弥兵ヱ)、近江輝子
最終幕のところで意外な展開があるが、意外過ぎてなにも感じない。そこまでになにかそういう伏線があったりとかがないと、ただ意外な人が犯人でしたみたくなってしまう。そもそもこの回では大きな事件といえるものは起きておらず、数回の惣吉の婚礼とそれを惣吉がすっぽかすという出来事があるくらいだ
おさわは秀駒の芸者仲間で、惣吉と相思相愛。惣吉が家の商売に遊里な婚礼があり、おさわはそれを悲観して身投げを行うも金さんたちに助けられる、惣吉は過去に4度も神隠しにあっている、という流れで、なんとなく悪役は、惣吉の父親、弥兵ヱ(須藤健)じゃないかなと思わされる。また、どういう嫌疑かよくわからないが、金四郎は松吉を牢に引っ張り問い質したりもしている(これは神隠しの件に絡んではいないかと確認しているということだろう)。
で、第5幕のところで、いきなり、惣吉が盗賊の首領むささびとしての姿を現し、そこへ金さんが踏み込んできて、という展開。その数年おきにあった神隠しの時期に、大名家上屋敷の土蔵破りをやっていたのだ

第56話 可愛い女
鳳八千代(おせん)、遠藤太津朗(善右ヱ門)、山下勝也(徳三郎)、千葉敏郎、井上茂
髪結いの亭主をテーマにした話。
その髪結い役が鳳八千代、何気なく検索したら、第10話にも出ていて、そこでも役名がお仙
おせんの命が狙われたと思われる事件が立て続けに起き、亭主が赤目から疑われ、また演出もそう疑わせるミスリードの演出、だが、前回にあった次回予告で、犯人ではないとわかっており、ちょっと興醒め
お初がこの回でおしまい。ラストでほんのちょっと金さんと見つめ合うという見せ場はあるが、ストーリーにも絡まず、寂しい終わり方。まあここまでレギュラーではあるがあまり大きな役でもなかったが。

第57話 ギヤマン飾りの女
志垣太郎(千吉)、渡辺やよい(おれん)、武藤英司、伊吹綾太郎、伊吹友木子、北見唯一、岩尾正隆
水野忠邦 … 中村竹弥(第57話・第58話)
冒頭に水野が出てきて、異国の船をどうすべきかと金四郎に相談しており、急にこれまでとは内容が変わったように感じる。が、その後はいつもの作風で、しかもこの水野の場面と本編のストーリーがまったく関係がないようで、なんのための場面だったのかと。が、終盤で藩に隠れて異国へ行った漁師の話などが出てきており、おれは最終盤で水野の懸念とここに繋がっていたのかと気付く、といっても繋がりは非常に薄いし、水野の出番はその最初だけ。
その漁師を打ち首にすると脅し、その村の若い女を売って利益を貪るその村の代官と手付が悪役となる。代官が武藤英司、代官手付が伊吹綾太郎(伊吹聰太朗)。伊吹は普通の侍の格好、おれは江戸を斬るでの、あの凄みのある扮装の印象が強く、普通の侍の格好というのが違和感。
長命庵、この回では秀駒が手伝っておりそしてなぜか徳利ばかりが運ばれ、客は酒を飲んでおり居酒屋のようになっている。まあ蕎麦屋で酒を飲んでもいいのだけど。

第58話 陰謀の凶弾
青山良彦(藤堂伊織)、上村香子(佐々木絹江)、菅貫太郎(伊庭刑部)、浜田寅彦(長崎屋徳右衛門)、丘路千(大西源蔵)、井上茂
辻斬りが横行、町人が二人殺された後、次期長崎奉行に決まっていた北川が辻斬りに殺される。遠山は北川の遺体のある北町奉行所に駆け付けた北川の友人であるという伊庭に対面。
金さんは最初の町人二人殺されたのは目くらましで、北川を殺すことが目的だったと看破。
次の長崎奉行候補である青山への疑いの目もあったのだが、青山は金四郎の友でもあり、そんな男ではない、むしろ青山が狙われる可能性があると、青山には秘密で護衛をつける。その犯人であった辻斬りを返り討ちにし、もう安心のはずだったが、新たな刺客に襲われ命を失う。そして残った伊庭が次の長崎奉行に内定、しかしこの伊庭こそが怪しいとにらんだ金さん。
この回の見せ場は白洲。その前の殺陣の場面で黒幕であった長崎屋(前任の長崎奉行とも繋がっており、それが前任の解任の原因となっていて、そして次の長崎奉行候補である伊庭と関係を持ったのだった)に金さんが銃で腹を撃たれ重傷。医師に無理だと言われるもそれを振り切っての出座。青木が見守るという珍しい白洲となり、汗水たらしながらの裁きとなる。一件落着後、倒れ込み、見守っていた青木やその他役人らが駆け寄る
この回にも水野が登場、今回はストーリーの上でそれなりの役割を果たし、白洲の場にも姿を現し、最後倒れ込んだ金四郎を抱き抱え、公儀の威信を守ってくれたことに礼を言う。
水野は二回連続の登場だが、この二回だけでおしまい。大きくフィーチャーされるわけでもなく、なんとも中途半端
井上茂が青山の護衛にあたる青木の部下。いつもはチンピラで悪役側なのだが、珍しい。
ここ数回出ていなかった丈八(コンビの秀駒は出ていたが)、権太と助十が復帰
いつの間にか伊藤一葉は出番を終えている(第51話まで)

第59話 友情
森次晃嗣(富次)、市毛良枝(お春)、和崎俊也(久造)、有川正治(角造)、富山真沙子(おむら)、唐沢民賢、市川男女之助
一匹狼でその地を仕切るヤクザに刃向かう富次。その父親は実は三年前までこの地の顔役で、殺されていた。
喜太郎という少年は富次の格好良さに憧れており、その姉のお春は、弟がやくざ稼業に憧れているのを心配しており、そして富次にはツンデレ、好きなのに邪険にしている。
その富次が、実は父親を殺していたのが今この地を仕切る久造と対決していくことになる
三年前の事件のことを金四郎が奉行に就く前年と言っている
後年名を挙げた俳優の若いころを見て気付かずに、後で知って驚く時がある。市毛良枝、なんとか気付いた。

第60話 裏切りを覗いた女
藤巻潤(和七)、梶三和子(おえい)、加藤嘉(松五郎)、木村元
これは結構な力作に思えた。終盤までどうなるのか予想がつかない、というか、和七の正体というのが焦点で、これがこういう人物かなと思っていると、実は違って、さらに話が進むと、また新たな人物像が浮かんでくるという感じ。まあ見方を変えると1時間の作品にしては色々詰め込み過ぎともいえるかもしれない。
さらに、加藤嘉という大物が中盤で姿を現すという豪華さもあり、楽しい。
黒犬組という商家に押し入っては皆殺しで、江戸は恐怖におののいている。
おえいが入水自殺をしたところ金さんに助けられる。そのおえいは黒犬組の押し入り先を知っていて奉行所に届けようとするなど不審な様子がある
そのおえいが惚れているらしい男が魚売りの和七、完全に善玉のような様子で、女に惚れられ、そして女に惚れている若衆。この善玉でいる時間は短め、一時間ドラマだから仕方ない。そして次回予告の際に、確かこの和七は実は悪役というようなことを紹介していたはずで、そう思って見ながらも、その次回予告をおれは見間違い聞き違いをしたかなと思ってしまうくらい善玉の芝居が良い。
おえいは黒犬組の首領松五郎の娘であり、父親に自訴してほしいと思っている。おえいはほかの場面も含め一貫して大悪人の娘のくせにこんなに純朴かというくらいではある。一方、松五郎も娘に言われ、殺しをしない押し込みをやるという甘ちゃんなところを見せている。が、見たことを言わない約束で殺しをしなかったのに、証言をしているという話を聞き、「せっかくの仏心を仇で返しやがったか」と言って再度押し込みに入ることにする。押し込みをやっておいて仏心とは悪党らしい言い分であり、なかなか良い
一方この押し込みをされた升屋、これは多くは描かれないが、殺されなかったからといって、酒を飲んで秀駒に送られる道すがら、秀駒のセリフ「見たことを黙ってりゃ許してやるだなんてずいぶん黒犬の頭も甘いですねえ」などと浮かれまくっており、これも人間の愚かな部分を見せられているようで良い場面だ
和七はその後黒犬組と繋がってる様子が描かれ、そして終盤になると、黒犬組の部下である長助(木村元)と手を結び、松五郎を売ることにするという流れがあり、そしてその後の最終盤になると十手を取り出し(松五郎をお縄にする)岡っ引きという正体を現す。
白洲の場面での遠山の説明で、岡っ引きながら賊とも通じ、小遣いをもらい、引き込み役ということだったようだ。

第61話 浪花の仇を江戸で討て!
大村崑(弥市)、北上弥太郎(勘兵ヱ)、杉江廣太郎(宗右ヱ門)
大村崑がメインゲスト、上方からきたおでん屋で、般若の面を被って掛け取りの商人を狙った辻斬り強盗に息子を殺されており、その敵討ちを狙って執拗に調査するという役。
息子の骨壺に語りかけているのを金さんが盗み聞きして真相を悟るという演出はいただけない。口に出しての独り言ってそんなにやるもんかねえ、それも一人だと思ってる場所で他人(たとえ近くにいるにしても)に聞こえるほどの声で。
よくあるパターンだとは思うが、中盤で今回の悪役と金さんが対峙する場面がある。弥市が辻斬り犯のうちの一人を追い詰めると、脇から出てきた二人がそいつを殺してしまう。この二人が今回の悪役(辻斬りは四人組だったが、江戸へ出てきて辻斬りは止めてみなばらばら、その中の一人がまた同じ方法で辻斬りを始めたので、足がつくと心配し始末に動くという経緯)。
考えてみると、ここで相手を捕まえてしまえば事件解決なのにと思う。白洲場面前の殺陣の場面でも同じ面子で顔合わせしており、尚更さっきの場面で解決できたのに、と思う。

第62話 八万石の闇を撃て!!
ハナ肇(荒垣重兵衛)、東恵美子(政江)、稲葉義雄(坂崎)、永野達雄
大友柳太朗(板倉刑部)
この人、有名な人なんだけど誰だっけなあ、と名前を思い出せずにいたが、そうそう、大友柳太朗。今シリーズのクレジット配列では珍しいトメの位置(おれが覚えてる限りでは、27話でゲストクレジットがEDに移って以降では第57話・第58話の水野忠邦の中村竹弥のみ)
見ごたえある作品。ハナは喜劇で活躍した人だが、ここではシリアスな芝居が多い。鉄砲の名手だが、その手で息子を処刑したということがあり、今は町人暮らし。その町人での暮らしぶりを楽しそうにやってる場面では喜劇役者という感じもある。で、その息子は謀反を起こしたための処刑、一方で大黒屋(永野達雄)に逗留している板倉刑部はその藩の前の勘定奉行、国家老である坂崎は重兵衛を呼び戻し板倉を射殺するよう命令する、その裏にある事情とは、板倉が藩の財政を好き放題にし、事情を悟った前の勘定奉行を重兵衛の息子を含む若侍を扇動し天誅として抹殺、後任の板倉も事情を悟り蟄居を命じられた末脱藩、事情を書き記した訴状を老中に差し出そうとしているということだったのだ
というストーリーで本来町奉行の出る幕でないというあたりが唯一の欠点か。最後の裁きは白洲ではないところ(遠山が例の桜吹雪の場面で「この庭先で聞いた」とかいってるから)でやっており、藩の屋敷であろう)で行われており、老中の命によりとか言ってる。
大きな視点で言うと、今シリーズでの遠山奉行の働きぶりは奉行のやることじゃないなと思う事件が多い。これもそうだ。例えば発端として、なにも起きてないときから、金さんは動いている。他の回でも町人の誰それがちょっと気になるの? と持ち込まれた案件を事件が起きる前から監視というような話が多々あるが、そんなことに奉行が関わってる暇はあるのか? という疑問だ。
奉行が江戸全体、その配下の同心はある程度担当区域があるであろう、そしてその配下の岡っ引きが各町内にいて、という風な仕組みなのだと思うが、こういう町内のちょっとしたことというのを扱うのは岡っ引きが主役の銭形平次ならわかるんだけど(まあそっちがそっちで、なんでそんなにその町だけ事件が起きるんだ、とは思う)
そういう点で言えば大岡越前の場合は、割と高所から見ている感じがあり、その一方で、町民のちょっとした不審から事件が起きる前から忠相らが関わるというようなストーリーは、あくまでも自分の知り合いの関係者など、不自然でない流れの中での介入だったように思う
金四郎は町民に化けているんだから、銭形平次的目線であってもいいとも考えられるが、奉行という要職の中でそんな時間取れるのかしら、と、そこはフィクションエンタメということか

第63話 愛と憎しみの果て
根上淳(森野弥左ヱ門)、瞳順子(志乃)、佐々木孝丸(大久保加賀守)、高野真二
花柳喜章(田河内膳亮)
花柳喜章はトメ。この人のことは知らない。鈴木瑞穂かと思って見ていた。
高野真二は札差の徳田屋
筋が見通せないという意味で面白く見れた。
勘定奉行の田河が帳簿に二万両の穴を開けて老中の大久保から責められ、それを田河とは親しい間柄である遠山が仲裁し、五日間の猶予を得る。
という具合にまたもや遠山が裁くような話ではないものの、これは遠山の友でもあり、それに幕府内で起きた事件でもあるので首を突っ込む権利もあろうかと。
相関関係としては、勘定奉行手付が森野、その娘が志乃。田河、森野と志乃で話が進む。誰が悪役かなかなかわからず、途中で森野と徳田屋の会談の場面にて、森野が何やら細工しているということでこちらが悪役とわかるも、その後も森野にも帳簿の件で責任を感じているような描写やセリフがあり(老中大久保の屋敷の前で切腹しようとしている)、はてどうなることやらと。
田河が森野と恋仲であった奥女中に手をつけ妊娠、彼女は森野に許しを請うも許されず、それをはかなんで自害、生まれた志乃は、森野が預かることになり、そのためかとんとん拍子に出世、という事情が二人の間には隠されていた。
となると田河が悪役めいた描写(出世を餌に生まれた赤ん坊を森野に押し付けるなど)や演技をしていれば悪役にもなり得るキャラではあるのだけど、ここではまったくそんな風ではない。
あまり出番のない徳田屋に全部悪が被せられるとしたら、いい加減だなあと思ったが、そういう風にはならず(そういう面もあるが)、裁きは森野と徳田屋は共謀ということで引き回し獄門。
そして志乃は帳簿を書き換えたのは自分だと言うも、それを認めると、帳簿が外に出たということでお前が庇いたいであろう田河にも責が行くぞと遠山の言葉で、それを撤回する
志乃は事実を知ってもなお、森野を父と言い張り、白洲でも同じようであったが、最後の最後で田河にも肉親の情が出たということなのだろうか。
とにかく、森野も田河もまったく悪役っぽくは描かれてはいない(森野は白洲ではなにも言うことはないと全部認め裁きを受け入れている)
二万両の件は森野は田河を恨み、勝手に持ち出しては、井戸に沈めていた。徳田屋に金を借りないまま田河の印を押した借用証を書かせていた。後者はどういう意味だろう。金を借りて穴埋めしていたのかと思ったが、田河は家を抵当に入れ穴埋めしていると言っているし、森野と徳田屋の間で金は動かしていないと言っているし。
そしてその借用証で徳田屋は返済がないと、奉行所に持ち込んだりしているが、森野はその件を驚いている。そういう借用証の積み重ねで嫌がらせをしようとしていただけで、二万両の件とは別件か。

第64話 引廻しの女
紀比呂子(おさん)、稲野和子(おしげ)
岡田英次(佐野屋)(トメ)
なかなかの感動作
遠山が奉行になって1年有余とのセリフあり。
前任者が死罪の裁きをくだしたおさん。引き回しの任に当たる青木と示し合わせ、その引き回しの際に金さんがおさんを逃がした。遠山にはこの裁きが納得いかずのことである。
で、その事情を探っていくという話
母親のおしげは「人柱のおたつ」という怪盗、そして娘のおさん、この母娘は実は三ツ池村の名主宗兵衛の女房と娘であった。宗兵衛は利根川の氾濫で困窮する村人のため堤防を作ろうと代々伝わる金無垢の大黒天なども含め私財を投げ出し寄付も募り二万両を集めたところ土蔵破りでそっくりいかれてしまっていた。宗兵衛はその責めのため死罪となり、堤防の人柱となりたいという願いでそうなっていた
この母娘はその盗賊を追っていたのであった。
金無垢の大黒天が鍵となる。おさんは金無垢の虎の置物を盗み出そうとして捕まっており、また人柱のおたつも小判などに目もくれず金無垢の置物を専門に盗みだし、翌日その戸口に返しているという変わった盗人であった

第65話 りんどう花が嵐を呼んだ
マッハ文朱(石黒ふみ)、矢吹二朗(三浦宗助)、高田敏江(石黒政代)、石橋雅史
拳法での殺し、そこにはりんどうの家紋がある服の切れ端。
いっぽうで子供たちに手習いを教える武家の出と思われる大柄な娘。金さんが遊びに行った賭博場でなんと片肩を出して壺振り。その肩から腕にかけてりんどうの刺青。
この二人にはどういう因縁が、というあたりの中盤まではその先が読めず、そういう意味では面白い作品だった。結局、その拳法の殺し屋(秋葉林堂という名前、演じているのが石橋雅史)は女の父の仇であり、刺青で良からぬ場所への出入りは、仇を呼び寄せる餌であった。
マッハ文朱がその大柄な娘を演じている。拳法で相手と対峙したりとお似合いの役。
相手が拳法の達者な男ということで金さんも利いたものを入れらる場面もあるものの、すぐ仕留めてしまっているのは興醒めである。

第66話 危険も二倍の賭けで死ね!
太田博之(精之助)、小林芳宏(荘吉)、小栗一也(精右ヱ門)、五藤雅博(儀兵ヱ)、田畑猛雄、井上茂、永井智雄(江戸屋)
永井智雄はトメ
死に一倍、親の命をかたに借金、親が死んだら仮金を倍にして返す、証文も倍の金額が書かれている、というもの。親が死ぬのはまだだろうと金を借りる商家の若旦那たち
江戸屋が貸し方、そしてそのかたになった親を殺して返済を迫るという手法。
これに金さんは罠をかける。金さんが若旦那、青木を大旦那に仕立て上げ、秀駒を身請けしたいが金がないと困ったふり。
青木が大旦那になり秀駒と会う場面で、青木が種を明かすまで、青木だと気付かないという場面があるが、商家の大旦那風、というか単に町人風なだけだが、それだけで、気付かないもんかねえ、こういうのは今作品の金さん=遠山奉行で常にいえることでもあるけど。
太田博之と小栗一也が商家の親子という役

第67話 逢いに来た女
桜町弘子(おしま)、早川保(唐兵ヱ)、睦五郎(大村)
「尽くし甲斐のない男に惚れた女」がテーマとなろうか
サブタイトルは事件に関係している女おしま、これが「尽くし甲斐のない男に惚れた女」なのだが、彼女が金さんに自分から会いに来て迫る、実際には情報を探るため、というところから。
「尽くし甲斐のない男」は唐津屋唐兵ヱで唐津藩の用人大村と組んで禁制品を作って外国に売るということをやっており、おしまを使って飾り職を呼び集め軟禁、禁制品を作らせていたのだった。
殺陣の場面では、金さんは大村に斬られたふりをして、といっても画面で見ても、あまり斬られてるように見えずなにが起きたのかなという感じなのだが、白洲で大逆転という構図なのだが、金さんが斬られると、今度は大村がおしまを斬って殺してしまっている。おしまは作品内ではバカな男に惚れてしまったばかりに、という具合に悪役というよりは善玉風で、しかも金さんが助けられそうな殺陣の場面だったのに、殺されてしまっている。
金さんがただの遊び人でなく、もしかしたら遠山奉行の密偵ではなかろうかと唐兵ヱは見抜き、金さんと親しそうな秀駒に問い質し、秀駒はそれを真に受け、長命庵に駆け込んできて、金さんに問い質し、金さんはとぼけるというこういう設定の作品内でいかにもありそうな場面、今作品ではこれまでなかったけど、がある。

第68話 いかさま稼業
弥生 : 本阿弥周子
清之助 : 亀石征一郎
大膳 : 川合伸旺
北原義郎
門弟が町で暴れまくり評判の悪い田之口道場。道場主の田之口清之助は弟子の悪さを見て見ぬふり。これに不審を抱いた金四郎、「田野口道場」を立ち上げる、師範はなぜか赤目。
清之助は寺社奉行堀川(北原義郎)に後ろ盾になってもらい、旗本の次男坊三男坊を受け入れており、そ奴らが暴れていたのだが、それには堀川、そしてその後ろの黒幕、若年寄の片桐大膳による「老中案作計画」(その次男坊三男坊たちに実行させ、彼らを使い捨てにする)があった。老中松平が亡くなれば、後釜に片桐大膳と座るつもりなのだ
色々詰め込み過ぎな感じがした。わかりにくいというほどではないが。
出ている俳優について一言ずつ。
本阿弥周子、この頃の時代劇ゲストで断トツに目を惹く女優で今回も。
亀石征一郎は悪役が多い人だが、ここでは悪役にいいように使われて苦悩する剣術道場主。悪役でないときもいい味を出してる。清之助は田野口道場に試合を申し込み、わざと負けて同情を捨てて修行の旅に出る、暗殺計画を知らされ、こういう方策を取ったのであった。ということで中盤で作品からは退場。
一方川合伸旺のほうは入れ替わりというか中盤以降にようやく顔を現す構成。
堀川は、おれは小林勝彦かと思って見ていた。そして見ながら、この小林勝彦という人はもう何度も何度も見て、時折よく映る回なんかもあり、顔を覚えたような気がしているのだが、どうも印象が定まらない。今回も多分そうだろうけど、もしかしたら違うかなあ、という感じ。でキャストクレジットを見たら出ていない・・・。印象が定まらないの証左である。
北原義郎と小林勝彦、生まれた年は8年違うが、顔立ちはまあ似てるといえないこともない。
お京、水沢アキについて。
お京は多分今シリーズ初だが金さんに恋している様子を見せている
お京、水沢アキについて何か書いておきたいことがまったく浮かばない、不思議なものだ。これだけの主要キャストなら何かしら感想があるはずだが。お京というキャラも、演じる水沢にもあまり思うことがないのだ

第69話 お白州に小判の雨が降る!
渡辺やよい(おりん)、柴田侊彦(弥吉)、神田隆(平左ヱ門)、富川澈夫(銀次郎)、小野川公三郎(猪三郎)、汐路章、五味竜太郎(五味龍太郎)
市川男女之助、日高久、井上茂
登場人物が多く把握するのに大変だし、作る側としても詰め込み過ぎでしっちゃかめっちゃかな感がある。最後の殺陣とそこでの桜吹雪披露もよく考えてみると、メインストーリーとしてはやる必要のないものであり、白洲の場面での金四郎が刺青披露という黄金パターンが必要だからという理由だけであり、それも効果的ではない。
千住の長者、平左ヱ門が亡くなり、その相続争い。息子三人、うち二人、長男と次男はやくざ者をつけて争う、三男は勘当されていて無宿者だがこれも噂を聞きつけ戻ってくる。
娘が二人、長女は出戻りでこれも遺産を狙う。
ほかに長男の嫁や平左ヱ門の弟(日高久)、屋敷の奉公人、臨終を看取った医者と坊主、これらが絡み、それもそのほとんどがそれなりに役目を果たす
平左ヱ門が亡くなるという冒頭の場面で、神田隆のように見えたが、ここだけの役だろうから違うだろうなと。が、白洲の場面で実は生きていて、自分が死んだあと、一番泣いたやつに財産を継がせようと考えての魂胆で、それに医者と坊主が絡んでおり、という内容。
殺陣ではそのやくざ同士が争っており、これはメインストーリー的には傍流で、治める必要もないもののように思うし、それを白洲で披露してもそのやくざがメインの悪役でもないわけであまり効果的でないように思えたのだ。
じゃあ今回のメインの悪役は誰かと問われると、誰もいない感じでもあり、白洲で金四郎は遠山桜を披露しての金さん口調で、平左ヱ門を結構な勢いで罵っているから、それなのかねえ、でも出番が少なすぎて、視聴者がこいつ憎らしいという思いはあまり高まっていないのでは、と思う
白洲ではおりんが奉行が金さんであることに気付いた様子、そこで口にはしないが。こういうのは今シリーズ初だったと思う

第70話 帰って来た男
島田正吾(伴蔵)、小野恵子(お絹)、郡司良(源八)、伊吹聡太郎、山村弘三
島田が大物であるためにワンマンショーのような芝居をじっくり見せる場面が多く、こういうのが残っていることはいいことだろうが、今時流行らない感じの演出
内容は時代劇によくあるパターンのもので、島帰りの男が大きな商家の娘の動向を気にしており、長命庵で甚兵衛にその娘が近いうちに婚礼と聞いて喜ぶ。様子を見に行くとなにやら不穏、どうやら娘の出生の秘密のことで、やくざが脅しに来ているようだ。というもので、島帰りの男が島田。
その商家が呉服問屋、越後屋で主人が山村弘三、娘が小野恵子、脅しに来るやくざが閻魔の源八で郡司良。
白洲の場面後にエピローグあり。これもありきたりでお絹の婚礼の場面を伴蔵と金さんが覗いているという場面だ。そうそう、ここで伴蔵に「お奉行様」と言われた金さんは「金次郎」と名乗っている
作中ずっと伴蔵はお絹について、自分の長屋にいた浪人の娘であり、その両親が亡くなってしまい、一度だけでもいいことをしたいということで、お絹をしばらくの間預かって後、商家の玄関に置いたという話をしており、この最後の場面で自分が父親とは名乗らないが、まあ父親なのだろう、だが、全体を見て、本当に父親でなくてもストーリーは通じる作りになっている。
伊吹聡太郎はここでは旅のチンピラヤクザというような役で野仏の権次、伴蔵の知り合いで旅先でお絹の話を聞いて、それを使って自分が父親だと源八に吹き込んで源八が強請をやる初っ端の材料提供、分け前をもっとくれとねだり、最後は殺されてしまう。伊吹は江戸を斬るでの怪しげな用心棒があまりにはまり役で、それ以外の役を見ると新鮮でもあり、似合わないなあとも思う
伴蔵が源八のところに殴り込みに行き、そこへ金さんが乗り込んできて殺陣になり、最後の白洲の場面に繋がるという流れの中で、伴蔵が源八のところに行く途中、赤目と新八が伴蔵を呼び止める場面がある。ここがずいぶんいい加減でかえって面白い。怪しいと番所へしょっ引こうとするも、金さんがやってきて、「この人はねあっしのダチ公、怪しい者じゃありません」、赤目、お前のダチ公じゃ怪しないわけないやないけ。金さん「旦那、そんなこと言わないで。いい話があるんで、笑って、笑って、笑って、ちょいとそこまで」赤目「おう行こう行こう」金さん「いい話があるんで」。なんでこんなに簡単に赤目は引き下がるんだよ笑
伊東四朗の出番がほんの少し、ストーリー上ではいらないけど無理やり場面を作ってる感じ。金さんがお京に仕事の頼み、青木に手伝わしたっていいんだぜというと、お京が青木さんに手伝ってもらっても・・・、で青木が奉行所ないでくしゃみをし、誰かが噂をしてるな、とにんまり。

※7/27視聴
第71話は7/10放映分。いくらか溜めてから一気見しようと思っていたが、まだあまり溜まってないうちから視聴再開。こちらを見ないで他のものを大量に見ようと思っていたのだが、何しろ暑い。あまり頭に入らない。となると、こういう作品が一番気楽に見れる、ということである。
第71話 女騒動!うわなり打ち
北川めぐみ(おしの)、有吉ひとみ(おその)、砂塚秀夫(善助)、楠年明(伊兵ヱ)、寺島雄作(喜作)
砂塚秀夫が悪役っぽく登場し、そのまま悪役であり、別に1時間ドラマとしては普通の作りなのだけど。おれは途中、一瞬だけだがこの人は悪役ではなく単に小狡い奴というだけかと思ってしまった。見終えて見れば制作側にそういう意図があったとは思えない普通の作りだ。
秀駒の芸者仲間おしの、亭主と別れて、その亭主、伊兵ヱがすぐ次の女、それがおしのの後輩芸者(下地ッ子(見習い))でおその、と所帯を持った。悔しいってんで、秀駒に相談のため長命庵に駆け込むと甚兵衛が公事師善助に相談してみろと。そして善助はうわなり打ちを提案する。うわなり打ちとは女の意地を立てるため双方承知、いわば八百長の女の殴り込み。がそれが元でということなのか伊兵ヱが亡くなってしまい、おしのは赤目に番屋へ引っ張られるという展開。そもそも相談料で10両も取っている善助なのだが、そのうわなり打ちの仲裁という職務で10両取ったり、おしのの件で赤目のところへ口を利くというので50両を要求したり、とやりたい放題になる。が、ここらで、考えてみると甚兵衛が公事師のところへ相談に行けと善助を紹介しており、セオリーとしては、善助が悪役なら、善助のところに相談に来るように仕組まれるようにするはずで、そこで「単に小狡い奴」かと思ったのだ。
その後おそのの方になにやら仇討をしようとしているという事情が明らかになってきてその仇の一人が伊兵ヱで、無理やり嫁入りしたようで、と展開し、なおさら善助はいい鴨が来たと金を吹っかけてるだけかなと思った。
が、おそのの仇がもう一人いるようで、そして物語も中盤から終盤、ここで新たな登場人物が出てくるってんじゃご都合主義だ。となると、今までのところで怪しい奴ということでやっぱり善助。と、善助が悪役ならこちらもご都合主義だと思うがね。

※7/28
第72話 罠にすがった女
高橋長英(平四郎)、鮎川いづみ(お直)、入川保則(工藤)、西沢利明
鮎川いづみは後年必殺でコメディ的役割をこなし大きく名を挙げた。なのでそれより以前のいい女風の役をやってると、どこかふざけてるように見えてしまう。
火盗与力が工藤で悪役。ここでは北町の青木、南町の赤目、さらには火盗と三つ巴で捜査しているが、本来事件ごとに部署が決まるのかな、ここらへんがよくわからん。そして火盗の岡っ引き秀(西沢)も登場している。火盗に岡っ引きってのはいるのだろうか、そういや鬼平にはで出ていなかったはず。

第73話 玉の輿を拒んだ女
伊藤咲子(おさき)、谷口香(おかね)、酒井修(伊之助)、田口計(近江屋)、伊沢一郎(京屋)、八名信夫
おかねとおさきは母娘、履物屋の信濃屋を営む。おさきは京屋から嫁にと望まれているがおさきには幼馴染で無頼の徒、伊之助という思い合った仲の男がおり、乗り気でない。
質屋近江屋伝兵衛は数年前まではやくざ者、口入れ稼業で江戸を知らない若い者たちを出まかせでたぶらかし、岡場所や水替人足に売り飛ばしていた。そして実はおさきの父親、その婚礼話を聞きつけ、自分が父と名乗りその婚礼に介入、それは実は京屋の乗っ取りを画策してのことだった。伝兵衛が加わり、京屋と婚礼の張本人である若旦那、そしておかねおさきの母娘で話し合いをしているところへ、金さんが伊之助を京屋の若旦那のお帰りだといって乗り込んでくる。あっという間に伊之助とおさきの仮祝言となり、伝兵衛はうまく話がいかなかったことに腹を立て、その場で京屋の土蔵に押し入り、そして止めにきたおかねを殺してしまう、とこの伝兵衛の急な豹変は話が雑。そもそも伝兵衛は京屋の乗っ取りを企てているという下心をなしにすれば、あまり悪いことはやっていない。単に父親の名乗りを上げただけである。まあ白洲ではその質屋を手に入れたあたりにも悪事があったことが明かされてるが。
八名信夫は源八という名の近江屋の番頭、元は伝兵衛と同じく無宿者。おかねを刺した張本人
伊藤咲子、アイドル歌手でデビューしていて今作品もそのころのものだ。アイドル歌手といわれてみるとそんな感じもするが、男を知らない感じの明るさと純朴さという感じが出ている。結構売れた人なのかなあ、ウィキを見るとそんな感じだが、おれは名前も知らないや

第74話 団子坂しぐれて候
中村玉緒(おもん)、穂積隆信(佐野格之進)、町田祥子(松江)
中村玉緒、超大物だがここではワンマンショー的な作りにはさほどなっていないで、普通のゲストという感じだ。おもんという女の役で評判の団子屋を弟の清吉とふたりでやっている、が、その清吉とは実は実の息子
佐野格之進、元は松田家という下総に知行地を持つ旗本の次男坊だったが佐野家へ入り婿し目付衆として出世。松江がその佐野家の娘。
佐野格之進が悪役だがさほど悪いことをやっておらず、という風にも見える。その証拠に最後の白洲の場面では、子への心情を見せる場面もあり、という風な描かれ方もされている
格之進が婿入りするより以前、下総の屋敷にいるころ女中のおもんを強姦、おもんは放逐され、清吉を生んだ。
清吉を佐野家へ入れて後継ぎにしようと画策。七蔵という渡り中間を使っておもんと折衝させたが、おもんが清吉を手放さないとわかり、七蔵は格之進をゆすり始め、その七蔵を格之進は斬る。その死体の近くにはおもんの匂い袋、という風にこの七蔵が殺される場面が冒頭で、その後だんだん上のようなことがわかってくるという展開。
この匂い袋を死体の近くに置いたのは松江で、そのことを金さんに自白し、自害してしまう。
となると、格之進の悪事は実家にいる頃に女中を強姦したことと、七蔵殺しくらいで、どちらもまあその程度か、という感じ。あとは清吉を欲しがったのは、まあ本能的なものであろうし、それが子への心情ということになる
青木と赤目、どちらもおもんの美貌に弾かれて団子屋通い。おもんが匂い袋の件で捕らえられると、赤目はおもんのアリバイを知っており犯人じゃないと確信しており、釈放に尽力、青木のほうは武家の子たちにいじめられて怪我をした清吉を病院に連れて行ってやり、とおもんの歓心を得ようと張り合うのだが、そこで「青たん」、「赤たん」と罵り合っており、青赤なのだなと気付いた
白洲へは佐野の配下の侍たちが市中騒乱の罪で裁かれてる。町奉行が侍を? という疑問は遠山がこの後に評定所で云々とか言ってはいるが。佐野は白洲ではなく遠山の脇に控えるという形。佐野配下の侍なんて今作品でその場だけのモブキャラである

第75話 はるかな江戸の便り
岡まゆみ(おせつ)、松橋登(巳之吉)、石田信之(新助)、柳川清(弥兵ヱ)、小田部通麿(源太)、藤尾純
出羽の国から江戸へ出てきたおせつ、弥兵ヱ。江戸で医師の修行をしている庄屋のせがれに金を届けに来たのだった、が弥兵ヱは約束の場所で殺されてしまう。
白洲場面の前の殺陣の場面では大体事件の真相がわかってくるか、もしくはその場面で金さんがそのからくりを突きつけたり、悪役が真相を告白したりするが、ここではあまり真相がわからないまま殺陣は終わる。が、殺陣と白洲の場面の間に、ひとつ場面が挿入されていて、それは庄屋のせがれ、新助が北町奉行所に出頭を命じられている立札を見つけ驚く場面。新助はここで作品内では初登場。ここまで巳之吉が庄屋のせがれとして金を受け取って、弥兵ヱを殺してということをやってはいたようだが、確証はない、という感じに進行していたのだ(実際にそうなのだが)
一番最後、おせつが遠山に「あなたは金さんという人では?」と尋ね、遠山が否定するという場面がある。遠山桜の場面をおせつも見ているのに。そして遠山が否定し、「北町奉行遠山左衛門尉」と名乗ると改めて平伏してるのもいま知ったばかりのようでなんだか変
藤尾純は最終盤に出てくる土場の親分
土場は字幕オンでそう出てくる。おれは「賭場」って表示すべきなんじゃないのと思うが、確かに「どば」と発音している。
意味を調べてみると「木材や土木資材の集積場」というのばかりが出てくるが少しだけ「賭場」の意味もあると書かれているページも出てくる

第76話 誘拐身代二千両
紅景子(お波)、御木本伸介(敷島屋)、小野進也(宗之助)、山本麟一
比較的平凡な狂言誘拐(かどわかし)のストーリー。中盤までいき、こうなるかなと予想したらそのままだったという感じ。
敷島屋は米相場で失敗し、経営にまで響いている煙草問屋で、そこの女中が敷島屋の娘おしずと間違われて誘拐され、その女中を助けるために二千両の身代金を出し、女中を助け出したことで、敷島屋の評判が上がり、一方商売敵の山吹屋のいまは使っていない寮が、犯人たちの隠れ家だったことで、評判が下がり潰れてしまう始末。が、実は・・・、となる。
お浪が女中で、彼女と恋仲が敷島屋使用人の宗之助、この宗之助は店の主人への義理から言われた通りにその狂言に参加してはいたものの、お浪への愛情や良心などで、最後は自害
山本麟一は野中三九郎という浪人でこの狂言誘拐の首謀者、白洲で採決の後に、おれが筋書きを作って売り込んだと言い、遠山に斬りこもうとして取り押さえられている

※7/29
第77話 北の海から来た男
工藤堅太郎(太平次)、松木聖(おきぬ)、多々良純(松前屋)、山岡徹也、西山嘉孝
山岡徹也は松前藩舟奉行の役
西山嘉孝は松前藩江差の網元、長吉
長吉が江戸へやってきて殺される。その日一緒にいたところを赤目に見られた太平次は追いかけられることになる。太平次は江差出身の船乗り
おきぬは廻船問屋松前屋の娘だが実は太平次とは幼馴染の江差出身の船乗りの娘で、松前屋にある事件の後引き取られていた。その事件の真相とは。

第78話 怨念の刃がとんだ
佐々木剛(総吉)、森川千恵子(おみち)、谷口完、木村元、須藤健、中村錦司、福本清二
ストーリーが充実している感じがした。
財問問屋の不正の話で、総吉は九年前に商売敵の策略で父親が首を吊り店が潰れ、江戸からいなくなっていたという男。江戸に戻り見世物小屋で手妻をやってる。
中村錦司は作治奉行で不正を許さない堅物で悪役ではない。その配下の木村元演じる樋垣が不正の親玉でそこに3つの材木問屋が連なるという構図。和泉屋、木曽屋、加納屋。これらが9年前の事件でも結託し、さらには今回新たな大きな工事入札でも結託していたが、会津屋がさらに安値を提示し落札。
そして、まず加納屋が殺される。武器がわからず、かまいたちかと噂される。
この3つの材木問屋と樋垣が順に殺されていくとなれば、この総吉の復讐話となりかなり時代劇で典型的なものなのだが。
段々と実は和泉屋が黒幕で木曽屋を貶めようと策を弄し始め(会津屋の材木を質の悪いものに変えるという細工)、また総吉も仇の全貌は知らぬと見え、和泉屋の言葉で木曽屋を狙い始めるという風に展開していくあたりは見ごたえがある。
会津屋の材木への細工をする五人組というのは和泉屋に雇われたものだが、本来木曽屋で働いており、これも露見したときに木曽屋に罪を被らせようという策略
谷口完という人は中堅どころの俳優で、こういうメインの悪役みたいなところにはあまりいかない人である。
おみちは会津屋の娘で総吉と惚れ合った仲。総吉は会津屋を守ろうとずっと断っていた会津屋で働くことを承諾するも、会津屋の材木への細工を防げず、悪への成敗を決心する。
最初の加納屋の一件は総吉が手妻で覚えたブーメランを使ったものだったのだ。
総吉への裁き、遠山は加納屋の事件、あれはかまいたちだ、として、殺しの罪には問わないことにしている(殺そうとしたという罪はあり、身柄会津屋預かり、手鎖の刑、とされている)
福本清三が福本清二というクレジット。これについてウィキを見てみると、ある時代にそういうクジレットにしていたということではなく、比較的長い時代に渡って時折この表記が使われていたようで、なんでこんなことをしてたのやら。契約の関係で名前を変える必要があったとかだろうか
靖と呼ばれるチンピラで会津屋の材木に細工をした五人組のリーダー格で毒酒を飲んで死ぬ。

第79話 巡礼お勝参上
真木洋子(おたか)、河原崎建三(佐吉)、吉田義夫、小林昭二、宮口二朗、波多野博、井上茂
おたかは「ひさご」という飯屋の女将だが、元は巡礼お勝という盗賊。いまは足を洗って堅気なのだが、同じ方法(巡礼の格好で商家の前で倒れ、家に入り込み引き込み役)を使った押し込みが起き、自分がやったのではないという証明に、近くの別の家に入り込み三両盗んで「巡礼お勝参上」と貼紙。
巡礼お勝の方法を使ったのは鎌太郎(宮口二朗)、元はお勝の仲間(おたかは否定しているが夫婦であったと言っており夫婦同然であったのだろう)。
佐吉はひさごの板前、吉田義夫はお勝が盗賊のころの頭で今は堅気。
小林昭二は鎌太郎の今の頭、霞の藤兵衛。
小林昭二は屋台のおでん屋で押し込みの見張りをしているという形で登場。さらに最後にようやく鎌太郎一団の盗賊の頭ということがわかる構成で、この人はこの二つのような役をよくやっているなあ
その藤兵衛の表の顔は音の高い料理屋「川せい」経営主であり、そこへ金さんが秀駒、丈八を連れて飲み食いし散財という場面、お金を払う段になり、無一文、連れに二人は通りがかりだと言って店に入り込もうとする場面は落語居残りである。主は金は払わないくていいから出ていけと金さんを追い払ってしまうが

※7/30
第80話 八丁堀佐渡情話
上原ゆかり(おなか)、青山良彦(沼田平四郎)、白木万理、石井宏明、田中浩
大木実(綾瀬の弥七)(トメ)
青山良彦という人はなんだか歌舞伎顔で歌舞伎役者の人かと思ってしまい、それゆえであろうが、やけに見せ場のある役のように思えた。最後のクレジットで歌舞伎役者っぽくない名前であり、その後調べたら歌舞伎の人ではなかったわけだが。
その沼田は北町同心。そこへ嫁入りするのがおなかで、その母親、育ての親だが、が白木万理でそれなりの料理屋経営。
おなかの実の親が綾瀬の弥七。おなかが8歳のときに火盗の無宿人狩りにあい、佐渡送り
火盗の役人が田中浩で榊原十四郎
この火盗による無宿人狩りはそれを佐渡へ送ると10両で山主が買うという不正の話。
おなかが結婚後のある日失踪してしまい、一方で同日に火盗榊原配下の坂下の千蔵が殺されるという事件。この関係のなさそうな二つの件を金四郎は結び付けて考え捜査する。
千蔵を殺したのは弥七、自分が佐渡送りにされたあとすぐに女房娘が心中したと聞かされ、佐渡送りの報酬目当ての無宿人狩りに怒りを覚え復讐を始めたのだ
終盤におかしな、もしくは珍しい演出がいくつか続けざまにある。
まず金さんがうろうろしている沼田を呼び寄せると、すぐそれが奉行とわかり、なにやってるんですか、と。つまり金さん=奉行という秘密は知らないが、見た目ですぐわかったということ。
殺陣のあとに場面が挿入されて白洲という演出。とても珍しいというほどではない。
白洲の場面後にエピローグあり、これもとても珍しいというほどではないがそこは沼田とおなかの夫婦の場面であり、金四郎、金さんはいない。これも沼田を目立たせる演出に見える。
白洲に引き出されるのはストーリー上のメイン悪役である榊原だが、侍であるので、椅子に座っており、白洲に囚人服で正座は、佐渡金山下請け山主と火盗榊原の配下(正式の役人でなく、浪人風集団)。ここでは二人おり、この二人ともそこまで一度も登場していない人で、そういうのが白洲のメインの場に座らされているのは珍しい。形にならないからこういう風になっているのだろうけど、ストーリーにセリフとして出てくるだけで人物として登場していない人であるから、軽い扱いであり、顔はほとんど映らす、白洲の場面では田中と遠山のやり取りがメイン。

※7/31
第81話 お京・合掌!
本間文子(おさく)、曽根晴美(熊五郎)、山口幸生、永田光男、唐沢民賢
お京殉職、新たなレギュラー、お仙(山口いづみ)、及び三郎太(中島正二)が登場
当然お京とお先についてがメインの扱いでそれについて深く描かれる(この二人に共通のエピソードでなく、それぞれが別個として)ため、1時間ドラマだと詰め込み過ぎという嫌いもあるし、ストーリーとしてはお京がメインなので、お仙がなぜ今ここにいるかみたいな説明エピソードはそのメインストーリーからしたら邪魔でこの回初登場にしなければいいのだが、その一方でヒロインのバトンタッチも見どころであり、売りにしているのであろう
お京の出自が明かされる。この回のメインゲストおさくは託児所のようなものだろう、子預かりを稼業としているが、町の人からは人食いばばあと噂されている。人食いということはないが、子供を安く買い取り、高く売りつけるという子供売買をやっており、欲しい子供を売らない親や、健康状態などのため売れない子供を飴で毒殺している
おさくの初登場の場面、お京が訪ねるという場面だが、なぜかめくらのような素振りで出てくる、が、別にめくらでもなく、その後その場面についてなんの言及もなくなんだか変
冒頭の毒を服用させられたと思われる突然死する夫婦というのが出てくるが、その前からお京はその家を見張っていたので、その事件以前から何等かの不審があったのだと思われるがそこには言及されていない。
お京はそのおさくに引き取られ半年を過ごしたということがあり、その記憶が回想シーンで段々思い出していくという流れ。その回想シーンの最初はモノクロという演出。全部の回想場面でそうやればよさそうだが、二度目の回想シーンではそうなってなかった。
お京は最後毒殺。弱っていく身体で白洲に出たいと希望し、証言をする。遠山からおさくがお京を買った経緯、行き倒れの女から少女を買った、その女は直後に亡くなり1文の灯明代を渡した、を知らされお前は1文で買われたのだぞと言われるも、お京は「おばあちゃんありがとう」と言い残し絶命、その際におさくの元ににじり寄るのだが、おさくは表情を変えず、遠山からお京に覚えはないのかと問われても否定、が、その絶命のところで、おさくは泣き崩れ遠山に恐れ入りましたと平伏す。遠山桜披露前に平伏す罪人というは初めてじゃなかろうか。
熊五郎はおさくのところで働いているやくざな男、親類かなにかのようでもあるが、特に言及はない。遠山桜は主におさくでなく、こちらに披露という感じになるのかな。遠山桜披露後のおさくの表情という映像はない。
白洲のみなが退場し、お京の亡骸が横たわらせられ、そこへ遠山が歩を進め、お京の亡骸の元へ。とここで背景が黒になり、主題歌が流れ始めるという演出。ここで遠山はお京の亡骸を抱き抱えるという風になる。
普段は本編終了後に主題歌イントロだが、今回はここで流れ始め、そのままEDクレジットになだれ込むのかなと思ったが、そうではなく、その背景黒、主題歌の場面が終わると一旦主題歌は終わり、背景黒も終わり、最後はまた高座に上がり、涙でなかなか言えない「一件落着」で本編終了となる。
よく裁きで「きっと叱りおく」というのがあるが、その字幕オンで「きっと」は「急度」となっていた。こんな漢字があるのを初めて知った。「きっとやってくる」というような使い方の「きっと」と意味が違う(「急度叱り」という罰があるのかと思ったのだ)のかなと思ったが、同じようだ。

第82話 三割三分三厘
桜井センリ(半助)、正司花江(お虎)、北上弥太郎、伊達三郎
半助は猫ののみ取り屋。女房、お虎に尻を敷かれてる
桜井センリ、正司花江ということで喜劇調な部分が多くある。
レギュラーお絹(西崎みどり)初登場。甚兵衛が寺の和尚から預かった身寄りたよりのないみなし子の娘
お仙は特に説明もなく(前回も含めて)密偵を始めている。金さんと同じ捕物好きみたいなことを言っているが、前回のところで金さん=北町奉行ということは知ってるわけで、遠山の密偵ということだ。でも今回の登場の場面では、金さんに殺人があったことを報告し、たしなめられており、勝手に密偵的なことを始めたとも見える。船宿の女将になったとのことだが、それはセリフであっただけで、実際にそういう風に働いてる場面はない。
三郎太はOPで名前が表示されてるが出ていない。
偽造小判の話で、といっても幕府が金の割合を減らして一度は流通されたもので、それを評判が悪く廃棄が命じられたものの、担当した者がそれをごまかして横領、使用という不正を巡るストーリーでサブタイトルはその小判の金銀銅の割合。この言葉を使って、悪役を恐喝する(悪役の仲間割れ)という内容で、半助はその意味を知らずうまい話があるというのに乗っかり、その言葉をある家で発して、恐喝の片棒となる

第83話 しじみに咲く花
蝦名由紀子(おその)、野口ふみえ(おふじ)、天津敏(辺見十郎左)、西田良(銀次)、千葉敏郎、日高久
ストーリーがかなり平凡で退屈。退屈故少々眠くなり、ちゃんと見れてない部分があるかもしれなくて、以下に書くことも間違ってるかもしれない。
小唄の師匠おつたが殺され、さらに浪人三浦というのが殺される。この二人のどちらかが富くじに当たり、その当り札が狙われてるという話らしい。その狙ってる側は浪人辺見とその配下の銀次など。狙ってる側と狙われる側の関係が描かれていないので、なんで当たったことを知ってるのかとかよくわからん。
最初の事件である師匠の殺人の際に、見たわけではないが居合わせたのがしじみ売りの少女。この少女は師匠と三浦との間の使いもよく頼まれてたようで、師匠は死ぬ前にも手紙を頼んでいた。その手紙が実は当り札。師匠と三浦の関係もなにやらわけありだが描かれておらずもやもや
お仙、船宿の場面があり、そこに三郎太もいる。また密偵的な仕事は、今回もお手伝いと称して勝手に押しかけてるようで金さんにたしなめられている。
この回はしじみ売りの少女、おそのの蝦名由紀子がかなりフィーチャー、普通程度にうまいが仰天するほどではなく、なぜこれほどまでにフィーチャーされてるのか、有名な人なのかとウィキを見る。
--幼少期から児童劇団に所属し多数のTVドラマに出演する。子役としてキャリアを重ね、1979年、映画『東京大空襲 ガラスのうさぎ』の主演で注目を集め更に評価を高める--
今作のほうがガラスのうさぎより早いが、すでに評判の子役だったのだろう。
白洲の後にエピローグあり。おそのが町中で金さんに出会うという場面。ちょっと不思議だが、おそのは金さん=北町奉行と思っておらず、そしてそれに加えて、でも同じ人のように思うの、と言っている。おそのは殺陣の場面、白洲の場面に居合わせており、白洲での遠山桜披露も見ている。ただ殺陣の場面での桜吹雪披露のところは引き離されていて見てはおらず、ということは、白洲での遠山桜で恐れ入らせている場面を理解していないのかもしれない。
日高久はおつたの長屋の家主。銀次が最初の殺人の犯人

第84話 地獄のかっぽれ
柳沢真一(亀助)、瞳順子(おのぶ)、伊沢一郎(荒木屋)、近藤宏(岩田)、有川正治
この回の冒頭は吉原から帰る旦那(ろうそく問屋荒木屋)と太鼓持ち(亀助)を乗せた舟。船頭が三郎太。身投げの女(おのぶ)を助け上げ、船宿へ戻りお仙が出迎えるという風にお仙の船宿「美よし」の様子がよくわかる場面。
身投げの女は記憶喪失で、ちょっと前に亡くなった荒木屋の娘にそっくり。荒木屋は身投げ女に夢中になり、自分の娘にすると言い出す。娘の引き取り手もなく、お袖と名付けられ引き取られていった。
が、そのお袖は実は亀助の娘おのぶ、身投げは父娘二人で組んでの狂言であり、荒木屋を仇と狙っていたのだった。
鶴松(亀助と名を変えて太鼓持ちをやっている)は小野寺藩の農民でろうそくの原料となる櫨(はぜ)を作っていた。櫨は藩専売で買い上げ価格が不当に安値にされており、さらに鶴松の女房など数人で直訴しようとしたところを捕えられ、抜け売りをしようとしたという罪を被せられ即刻処刑されていたのだった。
お仙、今回は忍者コスプレを披露(これは確か82話でも披露していた)、そこから殺陣に繋がっていくのだが、普段なら金さんがやりそうな、事件の真相を説明するかのようなセリフを長々とお仙がやっており、金さんのお株を奪うかのようで、もしかして金さんは出ないのかとさえ思ってしまった(もちろん出てきたが)
亀助、序盤はひたすら陽気な落語に出てきそうな典型的太鼓持ち、かっぽれは亀助の得意芸、中盤での金さんと二人で陽気とは正反対の調子で会話する場面で、あたしのかっぽれは地獄の針の山で踊ってると表現しているのがサブタイトルで、その後殺陣の場面で金さんが地獄のかっぽれをこの連中に躍らせてみせるからよく見ていなせえと言っている
近藤宏は安値に抑えている張本人で小野寺藩の櫨方役所役人
お仙が金さんに惚れている描写あり、さらには、お仙とお絹で金さんを巡って言い合いをする場面もある

※8/2視聴
第85話 夕闇に消された女
今出川西紀(おしず)、永井秀和(栄太郎)、西尾美恵子(おたま)
堀田真三、清川新吾、山村弘三
多少推理ドラマ風で謎解き要素ありだが中盤で結末まで予想できそれは大方当たった。自分が冴えていたのか、1時間ドラマらしい登場人物で完結する簡単なものだったからかはわからないが。
大きな商家、両替商伊勢屋の息子栄太郎が浪人真藤(堀田真三)と組んで一度遊んだ酌女おしずに言い寄られ殺す。が、おしず神隠しと噂になり不安になって埋めたところを掘り返してみると、遺体がなくなっており、栄太郎は幽霊に怯え自害。
浪人と伊勢屋(山村弘三)の後妻おたまが組んでやったのだろうと推察、果たしてその通り。が、最後におたまが浪人を毒入りワインで殺し、おたまは伊勢屋の番頭と組んでいたというところまでは読めなかったが、ここは付け足しっぽい。
秀駒、そして丈八までもが長命庵でお手伝い、お絹もいるのにだ。そしてそこで秀駒、お絹が金さんを巡って恋のさや当て。金さんは出てくるレギュラー女みんなに恋される
中盤で真藤の名前がまだ上がってないはずなのに青木が口にしている

第86話 逆恨み
島田順司(清兵ヱ)、佐野厚子(おさと)、沼田曜一、伊吹聡太郎、上野山功一
四人組浪人が酒問屋枡鍵屋の夫婦を狙うという話で、それが冒頭に描かれる。その四人組の顔ぶれが凄い。三人までもがよく見る顔。沼田曜一、伊吹聡太郎、上野山功一。ワクワクする。
中盤で事情が明かされる。夫婦は以前水戸の料理屋で一緒に働いており、その際にこの四人組とトラブルに。おさとが給仕に行き襲われ、清兵ヱ)がそこに助けに入ったというのだ。
サブタイトルの逆恨みというのが効いている。そんな些細なことで、と思うが、白洲の場面で明かされるのは、それが原因で四人は浪人に落ちぶれ、その家族にも多大な迷惑を与えていたのだった。
清兵ヱおさとの夫婦と白洲で顔を合わせた四人組が白洲の場なのに激怒し詰め寄りもみ合いになる。
が、遠山はそれを逆恨みだと言い、身を慎むべきところなのに、江戸へ来て数々の罪状を重ねる(追いはぎ辻斬り)とは何事だと強く叱責(そういった強盗を繰り返しているうちに、恨みの夫婦を見つけ、仕返しをしてやろうとなったのであった)、市中引き回し打ち首獄門となる
清兵ヱが金さん=遠山奉行を知らないようなことを言う(もしお奉行様があの金次さんにお会いになったら)が、見直してみるとそれもそのはず、遠山桜披露の際には白洲におらず、その後呼び込まれている

※8/3
第87話 お白州で実った恋
江夏夕子(菊)、森次晃嗣(六平)、岡崎二朗、高原駿雄、武藤英司、南道郎
西の丸改修工事の材木に関する材木問屋木曽屋、作事奉行沼田(武藤英司)、そして勘定吟味役小堀(高原駿雄)の三人による不正。
小堀の娘が菊で、そのお供をするのが中間が六平。六平は密かに菊に恋をしている
沼田の息子が亀之助で権力を背景に菊を許嫁にしている。
白洲で不正がすべて暴かれ、菊と六平の二人は結ばれることになる
お仙が加わってからは毎度なのでお約束的場面になってきた感じだが、長命庵でのお絹とお仙や秀駒との金さんを巡るさや当てのやり取り。今回はそこに菊と六平がおり、菊はそれに加わるというわけではないが、金さんと盃のやり取りを始めたものだから、お絹とお仙がカリカリしており大掛かりになっていて見どころ。面白い
また金さんの捜査へのお仙の関わり方だが、いつも金さんはちょっと迷惑そうな顔をしている。これもお約束か。結局はきっちりと密偵の役割をしている(元が忍者なのでこれまでより専門的な密偵ともいえそう)
江夏夕子はちょっと由美かおるかと思って見ていた。アップになると違う人かなあとも思ったが
この回からOPのキャスト紹介のところでの杉良太郎の映像が変更、これまでは長命庵から出てくるところだったが、今回からは橋の上。全部一新されるのかと思いきや、変更は杉だけ

第88話 じゃじゃ馬姫と贋奉行
田坂都(初姫)、花沢徳衛(六左ヱ門)、高野真士(徳兵ヱ)、木村元(兼五郎)、北見唯一
とてもいい出来の喜劇的要素たっぷりで中盤まで。こういう展開なら毎度の演出を崩してもいいんじゃないかと思ったが、やっぱり殺陣があり白洲があり。殺陣のところはちょっと無理やりそういう方向に持って行った感じがある。
尾張大納言のところの初姫の行列。上から見るのは御法度だが、赤目と新八、美よしにやってきて、その暖簾を持って二階へ行き、その暖簾で顔を隠しながら行列を眺めようという趣向。しかし暖簾をその籠のところへ落としてしまい大騒動。
初姫は勝気な娘でどうしても許そうとせず、美よしを立ち退きにさせようとする。それにのっかり、町名主六左ヱ門と周旋屋徳兵ヱが組んで美よしも含め数軒を尾張様が別荘を建てるとお召し上げを画策。
そこで権太などが金さんを遠山奉行に担ぎ出し、それを阻止させようとする。つまり金さんが金さんのまま遠山奉行を騙るということ。お供には甚兵衛、一回目はうまくいくものの、どこかおかしいと探ってみて、金さんが騙ってることに気付く。再度お召し上げの工事を始める事態に再度金さん遠山登場、今度は六左ヱ門、偽者だとわかってるから強気に出て、「この騙り野郎、いくらで雇われたんだ、今日のところは恥はかかさないでやるから、とっとと失せろ、二度とこの界隈でおかしな真似するんじゃねえぞ」と凄むも、代替わりの際に一度わしの顔を見たはずだぞと言われ、迫力のためもあろう、またも恐れ入ってしまうが、遠山が立ち去ると、会ったことなどなかったことに気付く、というこの場面は予想外で面白かった。
初姫のほうは美よしに乗り込んできた際に、「お仙」として捕らえられてしまう。初姫がお仙を死罪にしろと言ってるということで、その命令に従ったまでのことと遠山はうそぶく。
こういう仕掛けがあるため、白洲の場面は注目したが、まあまあ普通だった。金さんの偽遠山だと思っていたら本当に遠山奉行だったということになったということで、どんな明かされ方するかなと思ったのだが、まあそこは期待ほど大きな見せ場にならず
ラストは初姫のお仙にほんとうに死罪がくだされ、ありゃりゃ、どうするんだ、これ、と思った。白洲の場面の後にエピローグ、目隠し状態の初姫、それを取ると、迎えの籠、前には遠山が土下座し、やりすぎたことを詫びるも、初姫はすっかり反省しており礼を言って帰っていく
北見唯一は小塚という自身番の小者。権太助十に遠山奉行を見たことがあり、その顔が金さんと似ていると教えてやり、金さんが遠山奉行役をやる羽目に陥る。この人を自分がよく見たのはもうちょっと後なのか、ここではアップになっていて若い印象で似てるけどどうかなあという感じだった
金さんが遠山奉行をやらされる場面にも今作品での白洲で遠山登場場面の音楽と同じものがかかり、ここも大袈裟さで笑わせる
金さんが北町奉行に仕立て上げられる際に髪を整える場面があり、興味深い。町人と侍の違いをおれは頭の形で見分けており、侍から町人へと頭の形を変えるのは簡単なのかという疑問が常にあるのだ

※8/4
第89話 呼びとめた女
賀川雪絵(おもん)、久富惟晴(安藤主膳)、神田隆(渡海屋)、山本麟一、尾崎弥枝
酔っ払った金さんが芸者おもんから文を届けるようお願いされるもその届け先の男、徳治郎は殺されており、そこへ赤目たちが踏み込み金さんを下手人として縛り上げる。という今回も前回に続いて普段とはちょっと毛色の異なる作品。でも金さんはお仙の力を借りすぐ逃げ出し、あとはいつも通りの展開という感じではあるが。
青木から金さん捕縛を聞き、何かよい知恵はないかと求められ、お仙はこれなら今回は余計なことをするなとは言わないだろうし、などと言っており、これは前回までのお仙が捜査に加わるのを金さんが嫌がるという流れと符合する
お仙の力を借り、の場面では三郎太も協力している。お仙三郎太登場回はどんなだったかなあ、白洲での遠山桜披露のときににお仙はいたと思うが三郎太はどうだったか、そしてお仙が遠山に協力していくことになる過程は描かれてない。
三郎太は金さん=遠山を知ってる協力者のようにこれまでも見えていたが、そうではないとも言えそうだし。で、今回のこれで多分知ってるのだろうと思える。でもそこまで言い切れるものかどうか。
というわけでウィキの人物紹介のところを見ると「金さんにのめり込むお仙に対し疑問を抱きつつも、のちには自身も積極的に捜査に加わるようになった」
三郎太も元は忍者だし、隠密業はお手の物で、遠山奉行の協力者であるほうが腑に落ちる
その場面は三郎太が担ぎの蕎麦屋になり、赤目たちに眠り薬を入れた蕎麦を届ける。字幕オンで見ていたら最初の内はセリフの話者は「そば屋」となっていたが、途中から「三郎太」に代わり、それでおれは気付いた、
顔はまだよく覚えていなくて、それに蕎麦屋への変装ということでちょっと老けた感じにされているのだ。
字幕で名前が出なかったら気付かなかったかもしれないが、薬を入れるなどという大胆なことをやっており、となると、金さんやお仙(実際にはお仙は蕎麦屋の客のような佇まい、お仙主導で二人でやってきた作戦、お仙が薬を入れている)の協力者であり、誰だろうと考えて、三郎太に行きつけたかもしれない。
尾崎弥枝は徳治郎の妹、おぶん、さほど顔に印象が残ってるわけでもないのか、出番はそれなりに多いが本編を見てるときはまったく気付かず
賀川雪絵、名前を始めて利く、きれいな人だ。佐藤オリエみたいな感じ
悪役は廻船問屋渡海屋三右衛門、公儀勘定奉行配下の安藤主膳の抜け荷、そして渡海屋から殺しを頼まれる禿頭の浪人大場伝九郎が山本麟一
白洲はこの3人。善玉側はおらず、これにて一件落着はあっさり。そのためかエピローグがあり。長命庵におもんが訪れ、おもんを巡ってお仙とお絹が警戒
殺陣の最後は悪役を成敗し、御用提灯がやってくると金さんはそれに会わないように逃げるというのが普段のパターンだが、今回のを見ると、悪役を戸の所に追い詰めたところに御用提灯がきており、的に金さんも捕らえられてしまうタイミングである
この回の最後にあった次回予告、音楽がいつもと異なっていた。普段流れているのが、このシリーズの初期のOPに使われていた今作品のテーマ曲ともいえる曲なのだが、今や次回予告でしか使われていないと思われる(作品内で使われていないように思うが、あまり気にしてないのでわからない)(これはこの回だけの処置のようで、その後は元に戻った)

第90話 夫婦ざくら
新藤恵美(おりん)、藤巻潤(清次郎)、有川正治、疋田泰盛
岡田英次(兵部)(トメ)
ここのところ続けて毛色の変わった作品だったが、これもそうだ。
レギュラー以外の主要登場人物は、芸者のおりん、武家を嫌い家を出ておりんと暮らす清次郎。清次郎の父親で旗本の石塚兵部、そこの家臣二人。
清次郎は町人の暮らしは不器用で何をやってもうまくいかない。一方で用人たちがやってきては家へ連れ戻そうとするという展開
普通なら悪役側に商人なんかを絡ませて、石塚が悪事をやっていて、それを嫌っての清次郎みたく仕上げるのだが、そうはなっていない。
無理やり家へ連れ戻された清次郎。そこでは婚礼の支度がなされており、そしてそれに抵抗した清次郎は父兵部によって刺され殺されてしまう。ここはなんとも唐突なのだが見直してみたらいくらかは解釈できそう、例えば、これが最後の機会と見定めており、断られたらやるつもりだった、とか。
婚礼の席に座ることを拒否する清次郎に兵部は「どうあっても家を捨てるか」「魂まで腐り果てたそのほう、せめて武士の姿で死ねることを喜べ」と声を掛けて斬りつける。
これより前の場面、清次郎が家に連れ戻されたところで、「これが武家のやり方か、それほどお家大事か」と父に問い質し、「何よりも家が大事じゃ」と答えており、また、これに類することはは白洲の場面での井石塚の言葉でも出てくるので、この「家が大事」というのがテーマ(次回予告でも「武家社会の矛盾に挑む」とあった)でもあるのだろう
清次郎が殺され金さんが乗り込んできて、一応桜吹雪ご開陳。殺陣の後は白洲が通常だが、ここで主題歌が流れ始め、亡骸をおりんの元へ運ぶ金さん。
ここまで見て、そういや白洲を開く必要もなく、そういう意味では異例な展開の作品。
じゃあ白洲の場面はないのか、といえば、そんなことはなく、開かれる。ここでは無理やりな展開ではなくうまく繋がれていて、おりんからの訴えで、清次郎殺しの件が取り上げられる。
もちろん兵部(及び家臣)は白洲でなく、高座で遠山の脇に控えるという形。白洲にはおりんのみ
この白洲の場面は無理やりではない自然な展開にしてはいるが付け足しという感じもあったのだが、意外や意外、結構な見せ場。
白洲の場面になっても調べることはあまりなさそうだし、桜吹雪開陳させて相手を恐れ入らせるような展開に持ってくのも難しそうだし、と思っていたのだが。
石塚のほうはすっかり覚悟が出来てるかのような無表情でおり、遠山がイキって遠山桜開陳するも驚かされるのは逆に遠山、それはすでに石塚は腹を斬っていたのだった
この腹を斬ってたのはいつなのかというのはよくわからない。斬ったまま歩いて入廷できるのか、遠山がご出座するのを待ってるときか。
遠山「陰腹を斬られたか」
陰腹
--人形浄瑠璃や歌舞伎で、登場人物が観客に見えないところで切腹したのを隠して現れ、苦痛をこらえながら心中をあかす演技や場面--
ほほう初めて知った。ハイライトに使われる演出上の技だな
最後の石塚。「69年の生涯、家門を守ることのみに終わりもうした。不徳ゆえに、父祖伝来の家禄を失う今もなお我が子を許せず、その妻の名も呼べず、お笑いくだされ」
運ばれていく石塚。泣き崩れるおりん
遠山がおりんに「侍のむごさ、許してくれ」
全然ピンチにもならないし、最初から全部わかってたみたいな感じの時代劇の主人公がスーパーすぎる問題というのがあり、特に大岡越前で顕著だったと思うが、こういう風にほんのちょっとだが主人公の上を行くというか、主人公に一矢報いるというか、いやどちらも今作品にはうまく当てはまってないが、見せ場が岡田英次になってるのは確かだ。
8/4放映分。追いついた。
今シリーズは残り11回、第2シリーズというのもあるようだが。
しばらくは逐次視聴で見ていくか。一旦視聴を止めて溜めるか

※8/7
暑くて頭が働かず、一番見やすいものということで、これを視聴。当面同日視聴、少なくとも週末には今週分を見ていくというスタイルにしよう
08/07(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|10倍録
遠山の金さん #91「初恋に散った女」[字]
第91話 初恋に散った女
葉山葉子(おゆう)、和崎俊哉(須貝主水正)、有馬昌彦(須貝市郎兵ヱ)、木田三千雄、加賀邦男、中田博久、大竹修造、玉生司郎、水上保広
金四郎の幼友達、屋敷の隣に住んでいた須貝家の八重が登場。今はおゆうと名を変え市井に暮らす。
このおゆうに言い寄っていた男が殺され捜査となる。金さんはおゆうのところに行き、双方すぐ気付く、八重のほうは自分が八重であることを認めないものの。そして遠山が奉行になったことも知っている。これはゲスト登場人物が金さん=遠山奉行であることをすでに知っているという珍しい構図。八重は須貝主水正の妹で、兄の出世欲の犠牲、老中水野の側女に出されそうになり家から逃げた(逃げたとまでは言っていないが)。そして主水正はそれらいろいろの作戦が功を奏したか、勘定奉行に内定する。
以前須貝家にいた用人というのも出てくるが、こちらも金さんを見てすぐ遠山の坊ちゃんと気付いている。
そしてここがおかしいのだが、主水と遠山が城で出会う場面があり、主水は金さんの桜吹雪も見る、が、白洲ですぐには気付かず、遠山桜披露で気付くといういつものパターン。
三郎太が本格的に捜査に加わっている。
有馬昌彦と中田博久が須貝家の親類。
水上保広はおゆうに言い寄って殺されてしまう火消しろ組の男。
大竹修造もおゆうに惚れており、ろ組の男と言い争いになり殺人の嫌疑がかかる
木田三千雄が須貝家の元用人
加賀邦男は菅井家と繋がる口入屋の山崎屋、市井に移ったおゆうの動きを見張っていた

第92話 雷雨の中の女
長谷川稀世(志乃)、佐藤宏之(小四郎)、北原義郎(七兵ヱ)、田島義文(角屋)
信念を曲げない強い意思を持つ魅力的な志乃が印象に残るな作品。こういう強い女というのは珍しい感じがする。その性格のため、一時は金さんとも対立(弟の修行のため姉弟で長崎へ旅立とうとし金さんに止められる)し、金さんは志乃の頬を叩くなどという場面さえもある。そしてその後は金さんの言葉を信じ、その言いつけを行動の中心に据えており、そのことでも信念を曲げない女として描かれる。綺麗な女性、調べてみると長谷川一夫の娘。
そういう部分が強く描かれてるからか、ストーリーはなんとも穴食いだらけという感じにみえる。
まず医師が殺され、志乃に疑い。志乃の弟小四郎は医者を志しており、その医師に弟子入りしていた。その医師が殺された裏には、志乃がほしい勘定奉行配下の役人の意思があり、角屋や駕籠屋元締の七兵ヱらが実行部隊。南の月番のうちに決着をつけようとしており、それは南町与力もこの仲間であるからだ。
全体的にその悪事の裏があまり描かれず、南町与力は最終的に罰せられていない。勘定奉行配下の役人も少ししか登場しない。なぜ最初医師が殺されたのかもイマイチ判然としない。志乃に罪をなすりつけいうことを聞かすということみたいだが。
北原義郎のことは68話のところにも書いたが、またもやお約束の小林勝彦かなと勘違いした

第93話 盗っ人修行
浜村純(清兵ヱ)、志摩みずえ(お銀)、ジュリー・コワラスカ(イベリア・ルイサ)、天草四郎、山本昌平、三浦徳子、中村錦司
犬塚弘(松平陸奥守)(トメ)
最後にどんでん返しがあったが、本編ストーリーが荒唐無稽でそこはどうでもいいという感じ。
仙台公(犬塚弘)のところへ、異国の女性イベリアが最新式の手錠を献上したいと訪れ、仙台公が試しにはめてみたところ取れなくなった。
仙台公とは父親の時代から格別の関係のあった遠山は助力することになる。錠前外しを江戸中から集め、これこれこういう手錠を外せるかと問うと、もう足を洗っているもぐらの清兵ヱだけが外せるとわかった。金さんは清兵ヱを見つけ出し弟子入り、ここがサブタイトルなのだろう
その清兵ヱが浜村純でぶっきらぼうで愛想のない男だが孫娘を可愛がっているというキャラで、すっかり善玉だと思ったが、最終盤で実はこの件は浜村純、イベリアらが組んでやった壮大な芝居。仙台藩から助けがきたら、金銭と交換に開けようという筋書きだった。
この手錠を将軍家に献上する使者を出してしまったので、手錠のままの参勤交代という滑稽さを犬塚が見せながら話は進行していく。
金さんとお銀の仲ににお絹やお仙がやきもちを焼く場面がある。今さらだが金さんへの女レギュラーの嫉妬というのがなんだかわざとらしい。うまくやる人とわざとらしく見える人がいるが違いはなんだろうか。とくにお仙なんかはそういうキャラじゃなさそうなのに、そういう場面で急にしなを作る感じがある。秀駒なんかだと金さんに惚れ切ってる感じがあり、あまりそうは見えないんだけどね。

第94話 命乞い
中山麻里(おしな)、高津住男(与之吉)、小林昭二(天現寺の六造)、市原清彦(むささびの鉄)、大木正司(仁助)、亀淵友香
前回の次回予告でおしなが善玉側だとはわかっていたが、序盤ではどこか秘密を抱えた陰のある女性で、善玉なのにこの感じという具合が興味を惹きつける
その夫が与之吉でこちらはその陰のある女と対比するためか根っからの善人という感じ。
そしておしなのほうは、残忍な強盗むささびの鉄次に命乞いして、犯されて命が助かったという秘密が明らかになっていく。その鉄次は牢の火事切り放ちに乗じて逃げ出しており、おしなに会いに来るという展開。
おしなのほうの秘密を抱えた表情というほうが分かったところで、今度は実は与之吉にも過去に殺しをしていたという秘密が出てきて、ちょっと驚く。そしてここから話がもっと展開するかと思いきや、ここで恒例であるほおっかむりした金さん登場で殺陣の場面となり、もう話は終盤へ。ちょっと物足りない。
この金さんの殺陣。ほおっかむりした金さん登場のところでCM。これまでにないところで切れ目。
この回は二手に悪人、ひとりはむささびの鉄次、そして悪徳岡っ引きの「天現寺の六造」が小林昭二。この人はこういう役がとても多く、そしていつもこの手の役のみならず悪役のときは目の周りを黒ずませた一目で悪役とわかる凄みのあるメイク。
六造の目的は鉄次の奉行所で拷問にあっても喋らなかった隠し金。与之吉の秘密をちらつかせながら、おしなのところに来るであろう鉄次におしなを従わせ、秘密を聞き出せと迫る
金さんの殺陣ではまずこの六造一派を懲らしめる場面のすぐ後が、おしなの家にやってくる鉄次をこらしめる金さんとお仙という具合で、同じ人物が瞬間移動してるかのようでちょっと興醒め、どちらかは金さんが出てこないで、奉行所の捕り方が捕らえるでいいんじゃなかろうか。
白洲場面では、遠山桜披露時にBGMがかからないという多分初めての演出。
亀淵友香はむささびの鉄次が自分目当てに通ってきてたと嘘をつくとても太った岡場所の女おたね。歌手のほうが本業のよう、そして亀渕昭信の妹だそうだ

第95話 殺しが呼んだ恋月夜
小野恵子(おすみ)、村上冬樹(喜八)、加藤和夫、田畑猛雄、北原将光、井上茂、福本清三、藤沢徹夫
南町の与力島崎が潜りの政吉と呼ばれる男と組んで廃棄処分にし海に沈めた禁制品である抜け荷の品を引き揚げる不正の話。
井上茂は発端部分で金さんに鼈甲を売りその後すぐ殺されてしまう男で留吉。福本清三は潜りの政吉配下の仲の一人で結構目立っている。
おすみと喜八の親娘は屋台の蕎麦屋、長命庵の近くに店を出してしまい、甚兵衛に怒られるも、娘の気性に惚れた甚兵衛は店の蕎麦を安値で卸してやり、近所で屋台をやることも許す。そして金さんと夫婦にさせようと画策。という中で金さんとおすみはいい仲になっていくという展開。
お仙が金さんからあの男をつけてくれと頼まれる場面で、お仙はその前に、と、おすみとの仲を疑う場面がある。これまでにも何度も書いた金さんへの嫉妬なのだが、これが余計だと思われる。金さんとお仙は基本的のお役目第一なはず。お仙のほうはそれほどでもないのかもしれないけど、そうでないなら金さんはお仙に密偵を頼まないはずではある。
で、どちらもお役目第一なら、金さんが女に本気で惚れるはずもないし、仮に本当に惚れてしまったのではとお仙が疑うにしても、お仙のほうもそんなこと気にするわけもないからだ。
お仙が金さんに惚れてしまい、お役目よりもそっちが大事ということならあり得るかもしれないが、それならと遠山はお仙を遠ざけるであろう。
なのでお仙が男女の惚れたかどうかへの嫉妬というのはいかにもわざとらしいお約束事で白ける。

第96話 お湯の中にも鬼が住む
弓恵子(お綱)、多々良純(闇の半兵ヱ)、睦五郎(石堂左近次)、五味一孝(矢之吉)、木村元
今回は珍しく旅もの、といっても旅に出てるのは序盤だけで、そこから江戸へ戻って以降のが長いが。金さんは青木を伴い箱根へ。休暇を利用しての慰安旅行だ。そこで青木が北町の与力ということを知ったお綱、半兵ヱから、荷運びの手伝い、というより、北町の荷物だという証明がほしいと頼まれ金さんは承知するという始まり方。
お綱は絹物問屋という触れ込みで荷物は反物だと言われていたが、実は大坂で盗まれた大量の鉄砲だったという筋書き。
今回は白洲で珍しい場面、普段は悪人たちは金さんというのが犯人なんじゃないか、金さんを呼べとかやるのであるが、今回は自分たちの無実の証明になると思っているので、金さんを呼んで話を聞いてくださいとお紺が頼んでいる、もちろんそれに対して遠山桜で、お紺撃沈となるのであるが。
今回はとても些細な、ちょっと変だなあと思った二点を書く。こんなのはちゃんと見てれば他の回にも山のようにありそうなのだが。
お紺は色仕掛けで金さんに近づく。これがサブタイトルにもなっているのだが、岩風呂に入っている金さん、振り返ると上に視線をやりハッとした顔になり、身体の向きをも度へ戻す。その目線の先には裸の女性、かけ湯をする、尻と乳房が映るが顔は映らない。で、この場面の後に、風呂に入っているお紺と金さんという情景になるのだけど。この浴場へ入ってきてかけ湯をしている女がお紺のように見えるのだけど、よく見ると違う。かけ湯をした場面からワンショットで撮られていて、かけ湯女がカメラから右にはけると、ちょっとカメラは右の方を映し、湯につかるお紺。時間的にはかけ湯女が歩いてそのお紺の前を通り過ぎたという感じであり、ということはかけ湯女はそのまま右へ進んでいってしまったと考えられる。が、となると金さんとお紺はその湯かけ女の前から一緒に混浴(気付いているかどうかは別にして)していたことになる。そして金さんの視線、湯かけ女に驚いているが、そこにお紺がいることには気付かない様子で、そして映像にもお紺は入ってきていない。後からの映像での金さんとお紺の距離感だと、本当はそこに映っていてもよさそうなのに。
荷物運びの場面で金さんの煙管と煙草の扱い方。運んでいるのが鉄砲と火薬なので、火気厳禁ということで周りがハラハラする中、金さんは荷物に近づき、そこで変なことをする。こういう風習があったのだろうか。吸い終えたを荷台ではたき煙草を捨て、新たに煙草の葉を詰め直す。そしてさっき煙管を近づけた場所に煙管を突っ込み、煙草を吹かす。自分の考えるに、荷物の藁に火を移しておいて、その火で煙草に火をつけているようなのだが。それとも荷台にはそういう設備が備え付けてあった? でも半兵ヱはその後金さんをその場所から遠ざけさせ、急いで荷物が大丈夫か調べているが。
サブタイトルは第一幕の最後に出るのだが、通常は本編映像(動いてる映像や静止画)をバックにサブタイトルが表示。この回では黒をバックに表示(必殺では多くがこういう表示だった(バックは黒ではなく青とかが多かったが))

第97話 鯨のように飲む男
玉川良一(相五郎)、小林芳宏(源太)、川合伸旺(根岸)、永井秀明、五味竜太郎(五味龍太郎)
玉川良一の息子への親の愛が光る演出となっていて格好良い
玉川良一はレギュラー権太の園田裕久が似てるなあと思っていたのだが、その二人が顔を合わせている場面から始まる。
悪徳役人と商家が組んでの悪事というのが通常のパターンであるとすると、今回はそれとはちょっと異なっている。まあ商家とやくざが組んでの悪徳工作といえなくもないが
公儀御用達の廻船問屋松前屋(永井秀明)、ここの手代が源太で棒手振で大酒飲みの父親相五郎の自慢の息子、冒頭では松前屋を駕籠で運んだ権太助十を相五郎が呼び止め、源太の評判を聞き、誉め言葉をもらうと、長命庵で呑み切れないほど奢るというもの。
侍の死体が堀から上がる。赤目は何かを知っていて工作をしている模様。
武兵衛は松前屋に夜道でぶつかり因縁とつけ金を取ろうとし、源太が止めに入りもみ合いの末、武兵衛が堀の落ちた。騒ぎを聞いて駆けつけた赤目は、源太と松前屋から店に迷惑がかかってはならないから源太が一人でやったこととしてくれと頼まれ、赤目のほうは、源太は正当防衛だからと、事件を一人で堀へ落ちたことにしてうやむやに処理。
しかしその武兵衛が船手組頭根岸のお気に入りの若党とわかり、工作に齟齬が生じる。公儀御用達の廻船問屋としては船手組頭の期限を損ねるわけにはいかないのだ
松前屋は源太に生涯恩に着ると言っていたのを翻し、根岸に対して武兵衛を殺したのは源太であり、その首を差し出すと約束。松前屋お抱えの般若一家を取り仕切る般若の仁平に源太殺しを依頼。
白洲では松前屋は源太を酒飲みの親父を持つ粗暴な男だと評する
ラストでは遠山は相五郎に酒は一日二合にしろと声をかけるも、相五郎が反論、そのたびにじゃあ、三合、四号と上がっていく喜劇的掛け合い。最後に相五郎は「もう一声」、遠山「魚河岸の競り売りではないぞ」と酒の制限は諦める

第98話 金のなる木を持つ稼業
北村英三(藤蔵)、清水めぐみ(きよ)、白石奈緒美(おもん)、鮎川浩(弥吉)、中山昭二(碇屋)、木村元、永野達雄、波戸崎徹
北村英三が悪役側のトップなのだけど、それは最後に正体を現すという展開の話。そういう場合は序盤では善人っぽく登場し、しかし怪しいみたいな伏線がありそうなものだが、ここではおれの見た限りそうでもなく、ゆえに最後に正体を現したとき驚きはしたけれど、ただそれだけで、こいつが元締だったのかあみたいなカタルシスはない。
北村英三は岡っ引きの役で、死骸が上がった現場にいち早く駆け付けており赤目に報告をしている。その後も赤目に捜査状況を報告するという程度にしか登場していないあ。序盤ではそれなりの俳優なのにその割につまらない役だなとは思ってた
おもんと仁兵衛(波戸崎徹)が悪役としてストーリーを引っ張る。藤蔵は終盤で明らかになることだが、その上に立つ親分という役割。悪事請負業とでもいうようなことをやっており、商家の商売敵を陥れるような仕事だ。
そこに依頼するのが廻船問屋碇屋で、狙われるのは商売敵の廻船問屋鳴海屋(永野達雄)。
その仕事の手先としてその日暮らしの貧乏人が集められては、証拠を消すために殺されており、身元不明の死骸が決まった時期にたくさん上がるということが持ち上がっており、それは全部彼らの仕業。
そして今回の仕事のために集められたのが弥吉と手妻の三九郎(木村元)、そして金さんも仲間になり潜入捜査。弥吉の娘はきよで美よしで働いており、いなくなった父親を案じている
美よしでお仙と三郎太以外の従業員というのは今回初めて登場、きよ以外にも数人映っている
鳴海屋の蔵にアヘンの荷を置いておくというのがその仕事内容で、それはうまくいき、結果鳴海屋も白洲へ。
その後悪役側は親分藤蔵が姿を現し今回の実行部隊となった三人を処刑、さらにはこの稼業も終わりにして、今後は碇屋から差し出された仕事依頼の申し入れの約定書をネタに脅しで食っていこうなどとベラベラしゃべり、金さんが桜吹雪披露と相成る
裁きではもちろん鳴海屋はお構いなし、役儀のうえとは言え、陥れる手助けをしたことを遠山が謝っている。
碇屋は打ち首、藤蔵は市中引き回しの上打ち首獄門。
三九郎も罪(10年の遠島)になっており、また弥吉も遠島10年と言われるものの、島流しの先は鳴海屋、鳴海屋が娘ともども引き取ると言ってるからそこで娘と幸せに暮らせとなる。弥吉は鳴海屋の手代だったが覚えのない不始末で止めさせられており、それは悪役側の差し金、弥吉をこちらに引きこむためだ。
鳴海屋は弥吉を許すことを了解したのであった。

第99話 奈落におちた玉の輿
北林早苗(おせい)、松橋登(清之助)、佐原健二(藤兵ヱ)
井上茂
お仙が両国一の質屋福富の清之助から見初められ嫁入りの話が持ち上がるもその話の帰り道、清之助が矢で射られる事件が勃発、調べていくと清之助の前妻よしやそれを看取った出入りの医師が亡くなっており、それらの事件を探るため、金さんはお仙を嫁入りさせようとするというような展開。
なので、上に何度か書いたようにお仙の金さんに対する女心みたいなやり取りが多く見られる。まあお仙は金さんに惚れて仕事を手伝ってると見たほうがいいんだろうな、なんか不自然な感じが拭えないけど。
矢の件を探ろうと矢場通いをする金さんはおせいという矢場の女と知り合いになるが、そのおせいの妹が清之助の前妻よしだったことを知り、矢の件はおせいではなかろうかと疑いを深めていく。
趣向としては福富には清之助と母親ぎんがおり、ぎんはもう隠居の身で人前には出ないという設定、そしてそれが実はぎんの亡骸に服を着せ、声色を使い、という清之助の一人二役という秘密。これは当時流行っていたと思われる横溝正史原作のミステリーものの影響だろう
清之助を演じている松橋登のウィキを見ると「繊細な個性を持つ美形俳優として、テレビドラマにも活躍の場を広げるが、単なる二枚目役に収まらず、その甘いマスクの内面に潜む狂気を体現したようなエキセントリックな演技でも多くの実績を残している。冷酷非情な色悪から病的なサイコ犯、憎々しいドラ息子や時代劇のバカ殿まで、癖の強い役柄をさまざまに演じ、個性派俳優としての揺るぎない地位を確立した」とある
清之助の前妻や医師を殺したのは福富の番頭藤兵ヱを中心に手代女中の仕業であり、清之助の秘密を漏らさぬためであり、そしてゆくゆくは乗っ取りという企みのためであった

※追記8/18
本日が第100話放映、次回が最終回。そしてその翌日からは今作品の第2シリーズを放映するとのこと。シリーズの替わるところを連続で見ることにして、最終回がシリーズの雰囲気を消して変に力の入った回になってると、前シリーズのほうの雰囲気が感じられないから、この第100話も連続で見ることにするので、新シリーズが数本流れたところで一気見するつもり

※8/24視聴
08/18(金) 13:30 - BS松竹東急|60分|DR
遠山の金さん #100「忍び絵図を掏った娘」[字]
第100話 忍び絵図を掏った娘
松本留美(お蝶・お花)、伊沢一郎(佐兵ヱ)、天津敏(夜鴉の庄兵ヱ)、中村孝雄、山田良樹、井上茂
女スリお蝶が絵師の歌川信繁(中村孝雄)から財布を掏る。そこには絹問屋上州屋の忍び絵図。信繁は盗賊夜鴉の庄兵ヱの配下、上州屋の娘お花を描くため上州屋へ通っておりその間に絵図面を仕上げていた
上州屋は出来上がったお花の顔、目の横に小さな三つのほくろを三日月形に入れてほしいという。それは双子だったお花の姉を探すためのもの。そしてお蝶こそがそのお花の姉だったのだった

08/21(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|DR
遠山の金さん #101「誰がための五百両」[字][終]
丹阿弥谷津子(おとく)、横山リエ(おちか)、吉田義夫(源兵ヱ)、山岡徹也(辰五郎)
最終回らしく通常回とは異なる趣向が取り入れられた作品。悪い出来ではないが、その特殊な演出が功を奏したとも言い難い。こういう凝った作品となると、現代の方がうまく作れるだろう。
冒頭から白洲の場面で、その簡単と思われる吟味がなかなか終わらずに夜にずれこんでいくという内容でそこには回想場面なども挿入されるが、作品内の時間経過としてはその日の白洲の一部始終というもの。
火付けをしたとの罪で白洲に座らされている金貸しおとく。自白もしており、罪を認めている。そのおとくの人生を丹念に振り返り、真相を探り出していく。
おとくにはおちかという娘がおり、盲目的に可愛がっていたものの、金の亡者と周囲から言われているおとくを嫌いおちかはぐれて、安女郎へと身を落としていた。
火をつけたのは質屋の源兵ヱのところ。源兵ヱとおとくは「持ちつ持たれつ」の関係で、返済の金をとりっぱぐれると、かたを源兵ヱのところに持ち込んでいた。
が実は源兵ヱがおとくを使っていたという関係性で、その日もおとくが五百両(おちかを受け出すための金)を要求したが三十両しか出さず(この五百両というのはなんのことだか言及されていないが、これまでの働きに対する清算でこれで関係性を断とうとしていたということではなかろうか)、言い合いもみ合いになり、行灯が倒れ火事になったというのが真相
そうそう、行灯が倒れるという回想シーン、行灯が倒れるくらいならまだ火は広がっておらず、ただ消せばいいだけなのに、火事だ火事だと騒ぎだし、逃げ出しているという場面には失笑である
白洲で親娘対面の場面で主題歌イントロが流れだす。こういう趣向はこれまでにもあったのだが、それが流れたままクレジットへと流れ込む作りで、これはシリーズ初のはずである。
最終回なので次回予告がない、ためだろう、中途で入るCMがいつもより長くなっていた
こういう作品であるからだろう、お約束の桜吹雪披露もない
ウィキのお仙のところに「第101話(最終話)で赤目玄蕃と花川戸の新八に不審がられ任務を続けるのが困難となったためお役御免となった」とある。不審がられる場面はあるが、具体的にお役御免となる場面はない
西崎みどりがおちかの気持ちをやわらげ母親の優しさを思い出させる子守唄を歌う場面がある。歌は別撮りなのだろう、とてもきれいな歌声。気取った顔つきをしている。必殺でもこんな場面があったような気がする。演技はちょっとアレなのでそのギャップが目立つ。
この人の演技はちょっと浮いているところが多い。このシリーズでもOPのキャストクレジットのところで、村田正雄の肩を揉むという映像があるが、この時も視線がどこを向いているのやらという変な感じだ
第二幕の始まり、ここで脚本と監督のクレジットがあるが、ここの始まり方はそれなりに色々なパターンがあったように思うが、この回では静止画、それも人のいない風景でなく、長命庵で客もいる状況の静止画、そしてクレジットが終わるとその静止画から動き出すというもので、こういうのは初めてのような気がする。

シリーズを終えて---
中盤くらいからだったか、青木の扱いがとても低く貶められる。そうしたほうが面白いからかな。例えるなら必殺仕事人以降の主水に対する上司の扱いのような、くそみそである
終盤秀駒の出番が少なめ
---
新シリーズ、続けての視聴
08/22(火) 13:30 - BS松竹東急|60分|DR
[新]遠山の金さん #1「深川駈け落ち地獄船」[字]
第1話 深川駈け落ち地獄船
おきた:朝丘雪路
半助:垂水悟郎
猪木重右衛門:永井秀明
黒瀬:中田博久
子分:福本清三
第1話らしくレギュラーの顔見世やそのキャラの紹介のための場面というのが多くある。そのレギュラー陣についてはおいおい
また金さんがどういう人物かということを再度紹介するためか、この回に出てくる岡っ引きの半助が金さんの正体を探ろうと久六(前シリーズからは役を替えて、レギュラー継続の中島正二)に尋ね、正体不明の遊び人ということを聞き出している
上記のことを除けばストーリーとしてはもう設定も出来上がっているし、シリーズ中盤にあってもおかしくはない通常のもの。ゲストの朝丘雪路が大物でそこらへんは初回という雰囲気を盛り上げている
OPが凝っていて好きだ。レギュラーの紹介なのだが、アニメを多用、各人そのアニメの最後のところだけ実写になり名前が表示。例えば・・・
杉良太郎に続いては岡田奈々。男と女二人連れで橋から降りてきて、飴玉かなにかを男が女の口へ入れるというアニメの後に、実写でなにかを口に入れられモグモグしながらニコニコというお駒、岡田奈々というテロップ。続いてまたもや男と女の二人連れ、男が急に後ろを振り向き走り去るというアニメの後に、実写で後ろを振り返り金さんと叫ぶ小扇、奈美悦子というテロップという具合で全レギュラーが紹介される。全部アニメのほうには男がおりそれは金さん(遠山奉行)ということなのだろう。
レギュラーだが端役なのだろう、辰吉(若杉武徳)はOPでは紹介されず、番組最後のほうのクレジットだ。

第2話 黄金鳥の謎をとけ
福松:志垣太郎
おかよ:津山登志子
松太郎:蟹江敬三
吉岡利右ヱ門:伊沢一郎
沼垣:西田良
福本清三らしき顔が二幕の最後、九官鳥を追いかける町人集団、屋根に顔を出す人々の中央。違うかな。また、殺陣のところにも似た顔があるがこれも違うかもしれない。
話の出来があまりよくない。まず、今回の話は抜け荷で貯め込んだ財の秘密を九官鳥に吹き込み死んだ廻船問屋西国屋、その九官鳥を探せと町が狂騒というような展開で、こういうのは大抵おちゃらけになってしまう。
そんな中、三幕はじめのところ、九官鳥を探す福松、その森のようなところを通りかかる妹のおかよ、そんなところを偶然に通りかかるもんかねえ、と思う。さらにおかよが行ってしまうと、そこへお駒がやってきて福松と喋るのだが、この時点で福松は探索されるような人物でもない(まあ福松が一攫千金を夢見る男で、九官鳥の件を聞き、九官鳥探しに躍起になってるらしいことは金さんはわかっておりお駒に指令を出したのかもしれないけど)し、なぜそこへお駒が現れたのかも変。さらにはその後にお駒はおかよを追いかけ見張って、おかよが九官鳥を匿っており、その鳥かごを運び出して神社の床下のようなところへ隠している探り当てるのだが、おかよに不審を抱くような理由もあまりなく(福松とおかよの会話で九官鳥と聞きおかよの顔が硬直しており、それを見ていたとも考えられるが、先に書いたように、その時点でお駒が福松を探索していたとも思えない)
また第4幕、金さんの探索になぜか小菊(今回初登場のレギュラー)がついてきているのもとても変。
シリーズ全体がそうなのだが、殺陣、白洲と長いお約束の場面が二つもあり、それに時間が取られてしまうせいだろう、話に深みがなく、頭巾の金さんが登場し、あれっ、もう終わりと思えてしまうことがよくある。今回もそうだった
蟹江敬三が実にいいセリフ回し。
音楽は一新されてるのか、前シリーズからのものも使われてるのかあまり判然としないが、遠山奉行ご出座のところの音楽は変更、遠山桜披露のところは同じ。主題歌も同じ。
前シリーズの終盤で次回予告に使われていた音楽(初期にはOPテーマだった)は使われていない。
また、次回予告では、前シリーズでは(必ずしも全部の回で同じだったわけではないが)、基本音声は音楽とナレーションだけだったが、今シリーズに入ってからの次回予告では、ナレーションがあった後に、本編映像の音声、つまりは金さんたちがやり取りしている音声、が入り、最後にタイトルとサブタイトルがナレーションという構成
新レギュラー、小菊(本阿弥周子)。これについてはウィキ--
小扇 … 奈美悦子(第2話、第8話、第10話、第20話 - 第24話を除く)
小菊 … 本阿弥周子(第11話、第13話、第15話 - 第19話、第26話、第28話、第29話を除く)
芸者。基本的にどちらか一方が登場する。
--
どういうこと? これを素直に見れば、第1話や第3、4、5・・・話には二人とも出ていることになってしまうが。
でも「基本的にどちらか一方が登場」というならこちらは納得。本阿弥周子が本編で出てきてびっくりした。OPでクレジットされてた覚えがなかったのだ。見直してみたら、第1話で奈美悦子がクレジットされた部分が本阿弥周子に変更されており、アニメも構図はほぼ同じながらちょっとだけ違っているという凝ったものだ。服の色、男と女の立ち位置、最後に女が振り返って金さんと叫ぶときの振り返る向き。

※8/25
第3話 火神に憑かれた娘
おいと:竹林真理子
伍兵ヱ:小林昭二
近江屋:山村弘三
大戸屋儀助:岡田英次(トメ)
奉公先でいつも火事が起きてしまう丁巳(ひのとみ)の女、いと。干支の呪いと噂され、また火付けを疑われる
父親の伍兵ヱは羅宇屋。伍兵ヱと旧知の材木問屋大戸屋の関係は? といった内容
前回の次回予告で大体の内容を知り、そして小林昭二と岡田英次が頭巾の金さんと対峙している場面があったので、小林昭二はいつも通り悪役かなと思った。顔つきも悪役をやるときの顔つきだったし。だが、違った。
白洲での真相究明はなかなか凝ったもので、まあそこまでにヒントになるようなこともなかった事実が明らかになっていくというものだから、伏線回収ではないので凝ったとは言えないかもしれないが。
青空球児の白木五郎蔵、この回では久六との会話の中で金さんが白木のことを「がまの旦那」と呼んでいる。そういや第1話では遠山がふざけて「がま蔵、いや、五郎蔵」と呼んでいる。第1話のときは気付かなかったが、球児好児のネタ「ゲロゲーロ」にちなんでいるのだろう
おいとのところで火事が出るたびに、その家主がおいとに四文渡して「根っ切り葉っ切りこれっきり」と言ったり、「百年たっても百万じ」と言ったり。何かの呪文だろうか
四文は厄払い銭というようなことを言ってる
辰吉、これまでの回では長命庵の場面で少し映る程度だったが、今回は金さんとそれなりに意味のある会話という形でセリフあり

第4話 泣いて笑って艶姿
静香:今陽子
嘉兵ヱ:神田隆
仙太:古代一平
九蔵:北九州男
権次:秋山勝俊
哲:大橋壮多
幇間:島田秀雄
お粂:近江輝子
芸者の静香と小悪党の仙太の姉弟が主役の回。どちらも知らない顔。
静香はかっぽれとドジョウ掬いしか芸がないが愛嬌で売れっ子芸者というキャラでそこを好演しており、それなりに名のある人だろうなと思ったが今陽子でしたか
この姉弟には後ろ暗い秘密があり、それは親が霞の仁吉という盗賊の子供だということ。仙太のほうは、それゆえ開き直って自分も悪党として太く短く生きてやるとほざく始末
神田隆はずいぶん老けていて、最初から神田隆だとは思ったが途中アップになる場面などを見てひょっとして違う人かなと思ったくらいだ。金貸しだが裏の顔は鬼面甚五郎という盗賊の頭
仙太が鹿島屋に盗みに入ると、そこに鬼面組も入ってきて、殺しをして金を盗んでいったという風に始まる。仙太も鹿島屋にいたということを知った鬼面組は姉弟を抹殺にかかる。
序盤で嘉兵ヱが静香を妾として囲いたいと申し入れる場面があり、それを終盤で仙太の逃走費用として金が必要になり静香は受け入れる。嘉兵ヱは静香を鬼面組のあじとに連れ込み、正体を明かし、仙太をおびき出す餌にすると言う、という展開になるのだが、序盤での嘉兵ヱが静香を妾として囲いたいというのは仙太の姉と知ってのことか偶然かはよくわからない

※8/30
この作品はしばらく放映日当日に視聴、第1シリーズの100話のところで、シリーズの替わるところを連続で見るため視聴ペースを変えた(「※追記8/18」参照)
今後は放映日当日に視聴にはこだわらず、その放映した週の週末までにその週分を視聴するペースにしていく。まあそのペースの中で放映日当日の視聴になることもあるかもしれない。
ここで今後のためもあり用語の定義。
即日視聴=放映日当日の視聴
逐次視聴=放映した週の週末までにその週分を視聴
まとめて視聴=シリーズ全部を録画してからのまとめて視聴。長いシリーズの場合はある程度まとまってからの視聴ということもありうる
即日視聴と逐次視聴については視聴した日は記述しない。また、逐次視聴の中に即日視聴も含まれる。
まとめて視聴については視聴した日を記述していく

08/28(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|12倍録
遠山の金さん #5「白洲に咲かせた父娘花」[字]
おはつ:蝦名由紀子
弥助:塚本信夫
神田伝蔵:田中浩
清兵ヱ:根上淳(トメ)
両国橋でお駒が出会った少女おはつは、父親に会いに奥州一関からはるばる江戸へやってきたという。
そこへ毒蜘蛛と名付けられた盗人が捕らえられた。それはおはつの父親弥助だった。
という始まり方で、弥助は本当の毒蜘蛛である清兵ヱの身代わりになっていたのだった。
清兵ヱと組んだ南町与力の神田は弥助の自白を急がせる
ちょっと変なのは、弥助が身代わりを受け入れた理由。五十両をもらう約束になっていた(さらにそれほど重い罪にはならずに出て来られると聞いていた)らしいのだが、おはつがもらえたかどうかを気にしている。いやいや、おはつが江戸に来るというのは知らされてなかったはずである。
金さんの殺陣の場面で頭巾がいつもと異なっている(ちなみに次回はまた元通り)
サブタイトルに「白洲」とある。今シリーズの字幕オンでは「白州」。

第6話 桜吹雪に廻るこま
おしま : 葉山葉子
藤七 : 石山律雄
芳太郎 : 川津亮太
美濃屋 : 武藤英司
伊奈山右近 : 小笠原弘
捨吉という男が殺され、藤七という絵草紙屋に疑いがかかる。藤七はそれ以来家からも姿を消した。というような話。藤七の女房がおしまで息子が芳太郎。この芳太郎が大きな役割を持つストーリーで、サブタイトルも芳太郎が父親に買ってもらって大事にしているこまを金さんが回して見せてやる場面のこと。
で、前にも書いたと思うが、話に深みがないというか、もっとじっくり見たいのに、すぐ結末になってしまう印象。殺陣から白洲というお約束パターンで半分近く使ってる感じで、殺陣のところでほぼストーリーとして結末。白洲でのやり取りで真相が明らかになっていくという大岡越前なんかよりは、白洲の場面が弱い。
この回では殺陣で母親のところから走り出してしまった芳太郎を金さんが抱えての殺陣で、なんと銃撃で芳太郎は死んでしまう。この場面では、銃が撃たれた後も、弾が当たったとは気付かずに、しばらく金さん殺陣を続けており、芳太郎に声を掛けたりもしている。鋭い金さんにしてはなんともボンクラで珍しい演出
で、そこら辺どう触れてくるかなと思って見ていると、裁きが終わり悪役が引っ立てられた後のところで、遠山奉行が謝罪となり、この場面が相当に長い。やはり、特別な展開ということなのだろう。
石山律雄は前にも書いたと思うが、善玉悪役どちらでもやるが、多くは善玉風に登場しつつ、途中で悪の顔を露わにするという悪党。今回はとてもストレートな善玉
金さんは転んだ芳太郎を家まで送りおしまと初対面のようだが、レギュラー陣の多くがおしまと顔馴染み、いわゆる町内の仲間というような扱いで、そういうこともあってもいいが、変と言っちゃ変である

第7話 八百八町の星が泣いた
お銀 : 磯村みどり
お時 : 稲川順子
源次 : 宮口二朗
半田久兵ヱ : 近藤宏
嘉平治 : 小田部通麿
伊勢屋良助 : 白井滋郎
この数回と同じくストーリーは深みがなくいただけない。
お時が女たらしの伊勢屋の若旦那良助を殺し、姉のお銀のところへ逃げ込む。
岡っ引きの源次が嗅ぎつけ追い詰めていき、与力半田と人入れ業の嘉平治がバックにつき、無罪放免にしてやるかわりに身体を差し出せと条件を持ち出す、といったような内容
金さんはその過程でお銀からその生い立ちを聞いて同情する。
殺しをやってる側が善玉、どう決着をつけるやら、とそこに興味。死罪とするも、お時はすでに死んでいるとの屁理屈(自害をしようとして金さんらに助けられていた)で、お構いなし
前回のところで放送されているこの回の次回予告で、本放送では使われていない部分があった。お銀が自分たちの境遇を金さんに語る場面だ
白木について。町人姿の白木を長兵衛は奉行所の人間だと認識していない。町人姿になると、誰だかわからなくなるというのはお約束ではあるが。一方久六が白木のことを金さんに話している場面が以前の回であった。久六が長命庵に来ている場面はあったかどうか覚えていないが、レギュラーである町の衆で白木を知ってる知らないが出るのもちょっと変な感じではある
獄門さらし首。獄門とさらし首は同じ意味ということをしばらく前に知った。なので、言い回しとしてはこれをよく聞くような気がするが、同じことを言ってることになる。この回ではこの言葉が出てくる。まあ珍しいことではないが。

第8話 女が渡った泪橋
文字春 : 茅島成美
仁平 : 山本清
三次 : 長谷川弘
新吉 : 加瀬悦孝
源七 : 阿藤海
巳之助 : 高並功
田所 : 田畑猛雄
冴えないストーリーが続く。
赤目が賊を追ってる最中に殴られ負傷、気を失い、その傍らには殺された蕎麦屋。赤目はこの数日のうちに犯人を上げないと自分が裁かれるということになるという発端
金さんがその赤目の事件を追い出すと、文字春という常磐津の師匠が金さんに近づく。
その賊どもが金さんを危険人物と見て、探りを入れ、さらには抹殺しようとしていたのだ
そしてその常磐津の師匠にもそれに協力せざるを得ない事情があった。
茅島成美は、もう少し後になってのおばさん風貌をよく覚えているが、ここではまだ若く、すごい美女という感じでなくどことなく緩んだほのぼのした感じ
そうか阿藤海も出てるんだ。
アニメ映像の入っているOPについて上に書いたが、きっちり作られており、レギュラーで出ていない人がいる場合それを省くのが難しい。前シリーズでは出ていない人を省く処理をしていた。
今シリーズでは青空好児は出ていない回はあるが、OPでは表示される
芸者枠はどちらか一方の出演とのことだが、これが例えば一緒に出るとなるとOPはどう処理をするか難しそう。新たに二人一緒のものを作ればいいだけではあるが
第5話以来の黒い頭巾。

第9話 秩父数え唄ひとつとせ
伊奈半右ヱ門 : 永井智雄
お仲 : 栗田ひろみ
三升松辰五郎 : 須藤健
永井智雄の役が娘には刀の持ち方さえ知らない剣術の心得のない武士と思わせているが、実は薩摩示現流の達人で用心棒稼業をやっている浪人。
この人は悪役も多いが、悪役ではなく善玉でもない単なる端役ということもよくあり、そのどちらにしても、代官だとか商家の旦那、さらには幕閣の要職だとかそんな感じの役が多く、ここでは浪人で剣術の達人という珍しい役。そのためか、顔を見てあの人だとはわかったが名前が出てこない。まあ名前が出てこないのは単に自分の記憶力のせいでもある。栗田ひろみもあああの人だ、以降が出てこなかった。
この半右ヱ門がなにゆえ娘に対してそうした態度なのかが段々明らかになっていくというようなストーリーで、この半右ヱ門は人を殺しているので悪なのだけど、そこに後悔もあり、善玉扱いか、まあそういうちょっと複雑な役柄でそれをうまく演じていて見ごたえあり。
が、そういう部分を描いているため、悪役側の描写が手薄。最後の白洲で、娘に秘密を暴露すると脅して用心棒にしたということが明らかになり、悪役っぽくなってはいるものの、悪の成敗という点では消化不良。
あと、遠山桜の披露、これもそれを見せてなにを暴露したいのか、悪役もなんでそれを恐れ入っているのかよくわからない感じで、そこら辺は雑な運びに見える。
久六は金さん=遠山奉行ということを知らないという設定。この回では、金さんの捜査に協力して、半右ヱ門の女房の殺しの事件を秩父に問い合わせてそのことをお駒に知らせてやっている。まあ、おかしいということはない。また、番所勤務なのだと思うが、せんべえ、飴など駄菓子を売っている様子。
準レギュラー芸者二人が同時登場、OPはその芸者枠部分がアニメで金さんが二人を連れて歩いており、そこから金さんが逃げ出し、実写になって二人が金さんと声をかけようとして、顔を見合わせ、そむけるという、一人ずつ出演の際のものに沿った形の新しいものが挿入

第10話 この命 捧げます!
お捨 : 水原麻記
藤次郎 : 山本麟一
兼助 : 吉田豊明
小関弥九郎 : 波戸崎徹
岩吉 : 川浪公次郎
住職 : 北見唯一
青山右京太夫 : 寺下貞信
春日屋 : 山村弘三
女房おきね : 藤山喜子
お捨の子供時代 : 米田由佳
牧村三枝子かと思って見ていたが、水原麻記だった。
夜鷹であるお捨、12の年齢で刺青を入れられたこの女のいまと過去がメインで描かれる作品で、その分悪役の描かれ方が薄い。そのお捨は終盤に入るところで殺されてしまうので、その後の展開は弱い。それが証拠に殺陣から白洲の場面が普段よりかなり短い。悪役とお捨の関係性もないわけではないが薄い。
今回は第5幕で殺陣と白洲という構成のため、そこまでたっぷり時間を使えるようになっている
前から変に思っていたのだが。殺陣で悪人を懲らしめてから、白洲の場面になる。殺陣の最後で江戸を斬るでは殺陣の最終局面で御用提灯がやってきて金さんが身を隠すという場面があり、それは今シリーズでも初期には多くあったように思うし、初期以外でも時々あったように思う。それがなくても省略されてるだけだと考えられる。だって捕らえられて白洲へ出されてるんだから。で、今回の場合は商家に盗人で入ったところを捕えられてるわけで、白洲で否定するのはなんとも苦しい。
水原麻記、全体的にとても良いし、いい女だ。だけど殺される場面、秘密を喋られるかと悪人に刺されるのだけど、その際に「日掛物同士、売るつもりはなかった」みたいなセリフが、棒。いや刺されてるんだから棒になるだろうけど、それにしても。
12で刺青を入れる罰などないはずと、調べてみても、その地のその件を知ってるだろう住職も口を濁す。そして最終的にわかったのは、彼女の母親がひもじさのあまり、米を盗み、それが見つかり、村八分状態、母親が死んで、娘には泥棒の娘ということで刺青を入れさせられたということだった。
金さんが異様なほどお捨に肩入れ。一緒に所帯を持ち花屋を始めるまでになる。
サブタイトル「この命 捧げます」。捨が死んだことで悪党が捕まったということがテーマだったということに最後に気付かされた

第11話 大奥からの黒い影
お美乃 : 今出川西紀
常緑院 : 風見章子
正太郎 : 小林芳宏
福島屋清五郎 : 中山昭二
宗助 : 山本昌平
番頭 : 小坂和之
与作 : 西山嘉孝
右ヱ門佐 : 東恵美子(トメ)
面白い話だったが一つだけ変なところがあった
お美乃は大奥で働いていたが、今度嫁入りすることになり、家へ戻っている。長兵衛の友達の娘であり、長兵衛は大はしゃぎで桐の箪笥を送ってやったりしている
大奥への仲介は呉服問屋福島屋。その福島屋で主の清五郎と大奥の最高権力者、総取締役の右ヱ門佐が密会、乳繰り合い、しかも福島屋と大奥との間の賄賂で大奥取り扱い品を一手に引き受けるという黒い関係をお美乃は見てしまい、さらに見られたことを気付かれる。
お美乃は福島屋に呼び出され再度大奥勤めをするよう強要され、お美乃は右ヱ門佐の権力を間近で見ていて知っているからこそそれは断れないことだと悟り、嫁入りを断り大奥に戻ることを父や許嫁に話す。ここで大奥へ戻るなんて断っちゃえというようなことを父が言い出す、許嫁も断れると思ってるふしがある、というあたりが変な感じ。そもそもこういう筋立て自体がありえないのだとは思うが、まああったとして、そんなことを娘が言い出したということは、それは行くか行かないか選べるようなものでないということになりそうなものだが。許嫁には、お美乃が大奥へ戻るのは権力欲のためだと誤解される始末である。
こういう場面は好きだなと思ったのは、遠山が右ヱ門佐の事情をあらたか知った後に、それを何とかしてもらおうと将軍の生母である常緑院のところに行く場面。常緑院も右ヱ門佐の権力を恐れ、そういうことがあったにせよ、その女には触れたくないと断るも、再度の懇願に、ある方法を示唆する。
大奥の総取締役が町奉行所の白洲で暴かれたとあっては前代未聞の恥辱、と二回続けて言ってみせて、町奉行の白洲でないならよいと言外に含みおき、そこで遠山は苦い顔から「はて?」という顔で常緑院が謎かけをしていることに気付く。
「町奉行の白洲でないならよい」というのはまあおれの勘違いで、その後に続く言葉で、右ヱ門佐は大奥上がりのときの名前は「およう」と言ったと常緑院。そこで遠山はその謎かけを悟り少しだけ緩んで笑みのようにさえ見えてくるあたりは両者ともうまい。
白洲の場面に右ヱ門佐も囚人服、決して頭を下げない。遠山はあくまでもおようと扱い、右ヱ門佐を騙る罪人として裁きを下す。

第12話 さくら貝 母の祈り!
おもん : 中村玉緒
桔梗屋新次郎 : 西沢利明
お春 : 石井ひとみ
お政 : 霧島八千代
弥吉 : 西田良
超大物の中村玉緒登場。島帰りの女おもんの役。飲み屋の女であり、そこで娘のお春を預かってもらっており、会いに戻ると、お春は父親である桔梗屋に渡されていた。
そもそもおもんが犯した犯罪は当時付き合っていた桔梗屋の若旦那新次郎を庇ってのことで、襲ってきた若い男刺したのであった。
当時は遊び人だった新次郎はその事件を境に真面目になり、今は父親もなくなり店を切り盛りする立派な商家旦那
今作は西沢利明に尽きるという感じ。この人は色男で、優男で、そして実は悪役という役柄が多いのだが、その多く演じてきた十八番のキャラが今回も。最後の最後まで悪役としての姿を現さず興味を引っ張る演出。

第13話 悪夢を覚ませ!女親分
お志乃 : 田島令子
茂平 : 北村英三
弥八 : 堀田真三
卯吉 : 陶隆司
真砂屋儀兵ヱ : 永田光男
おみよ : 原あけみ
山形屋利左ヱ門 : 堀内一市
案内人 : 平河正雄
およね : 山口朱美
与之吉 : 有川博(トメ)
お志乃と与之吉は好き合った仲だが、与之吉が別れを持ち出し、お志乃は絶望し、父親に後を継ぐことを言う。お志乃の家はヤクザ真砂屋で、お志乃は二代目儀兵ヱとなる
真砂屋の番頭格が茂平、実行部隊のリーダー格が弥八という布陣
与之吉の父親卯吉が博打で真砂屋から借金20両、かたとして与之吉の妹およねが連れて行かれそうになり、与之吉に話が持ち込まれ、与之吉は婿に入った山形屋に20両の借金を申し込む
というような話の流れ。与之吉は山形屋から20両を借金できたが、その金は真砂屋は受け取らず。その20両に疑いありということで、山形屋を調べに行くと、山形屋は殺されており・・・、で白洲へ持ち込まれる。山形屋を殺したのは誰か。というような話
ここではサブタイトルになってるお志乃がメインなのだがちょっと珍しいパターンか。まず善玉としての登場から、二代目を継ぎ悪役へ。しかし、どうみても善玉要素を残しており、最終的には善玉へリターンするのだろうと思って見ていたが、むしろ逆で、頭巾(今回は黒頭巾)金さんが殺陣の前に、善玉へ帰れというようなセリフでそれを促すのに、逆に、悪役で行きます的に、金さんを「斬れ」と配下に命じる。
白洲の場面でも遠山が善玉リターンを促すのに、それをせず。
そして裁き、茂平、弥八は死罪だが、お志乃は死罪にも値するが罪一等を減じ遠島5年となる。罪を減じる理由は言っていないが、その前に、お志乃は知らなかった(とは申せ、殺人の罪からは免れえない、というようなことを言われている)
北村英三の茂平、中盤まではあまり目立たない実直な番頭格なのだが、親分が上に書いたように悪役か善玉かみたいな人でしかも女ということもあり、最終的には悪役の親玉格で、殺人の指示をする役に。
有川博と堀田真三がちょっと似た感じの人、容疑者が与之吉で実際に犯行を行った真犯人が弥八なので、殺人実行シーンの際見分けがちょっとつきにくい
第10話では第5幕に殺陣と白洲があったが、今回は第4幕に殺陣というパターンで、これまでにも書いたがそれゆえストーリー的には物足りなく、あれっ、もう終わりという感じ

第14話 標的は桜吹雪
仙吉 : 大和田獏
おみつ : 小林かおり
太田主膳 : 稲葉義男
作次 : 石山雄大
沢田 : 成瀬正
留吉 : 有川正治
大和田獏の仙吉は田舎からやってきた猟師で、買われていったおみつを受け出すための10両を持って取り返しに来た。しかし、その金をすられてしまい、金さんに仕事の世話をされる。が、そこへ行く途中に出会った男に10両の仕事を誘われる。それは猟師の腕前を見込んでの単筒作りだったのだが、出来上がってみると、それを使って殺しまで強要される、しかもそのターゲットは金さんだった。
ここからはどのタイミングで二人が話し合ったかわからない(※)が、金さんと仙吉による芝居が始まり、仙吉は見事金さんを射殺。(※見直してわかった。一発目の銃撃で仙吉は相手が金さんであることがわかっており、そしてまだ金さんは怪我をした程度、ここで会話を交わせるタイミングがある)
今回は準レギュラー芸者二人が同時登場回、金さんが殺されたと聞いて長命庵に駆け込んでくる。皆が金さんが死んだこととして話しているが、なぜかお駒だけあっけらかん、ここで金さんは死んでないということが視聴者にわかる仕掛け(もちろん主人公が死ぬわけないとは皆思っているが)。
また、今回は遠山=金さんを知らない設定の久六がかなり深くまで金さんの手助けをしている。お駒が監禁されると、その場所付近をウロウロし、お駒の簪をつけて投げた手紙を拾って持ち帰り、連絡役を務めている

※追記 10/4視聴
8/30以降ここまで逐次視聴してきたが、他に色々見るものがあり、こちらは視聴を止めていた。今シリーズが最終回まで放映され、一気見ができるので本日再会。
第15話 嘘つき小僧が飛んで来た!
お染 : 瞳順子
寅吉 : 福田信義
巳之吉 : 水上保広
大黒屋 : 森幹太
才次 : 岩尾正隆
山本一郎(繁造)
大黒屋による岡っ引き繁造殺しを身代わりになった巳之吉だったが、その殺しを見ていた子供がいた。その寅吉は街の人から嘘つき小僧と呼ばれていたが、そう呼ばれるようになったきっかけも大黒屋で起きた泥棒騒ぎを見たのにも関わらず、そんなことは起きてないと大黒屋に否定されたがためだった。
大黒屋は仏の市兵衛とも呼ばれる人格者で寅吉は嘘つき、誰も寅吉の言葉を取り上げようとしなかったが金さんだけが寅吉の言葉を信じ行動する

第16話 命ぎりぎり夫婦花
おふじ : 早瀬久美子
宗達 : 小堀阿吉雄
猪之松 : 榎木兵衛
半右衛門 : 高野真二
勝蔵 : 出水憲司
河原崎建三(和吉)(トメ)
島帰りの和吉を迎えに行くのは女房のおふじ。おふじは和吉のいない間に目の病を発症し盲目。
和吉と島で知り合った勝蔵はとびっきりの恐喝ネタを持っており、そういうネタを買い取る香具師の睦屋半右衛門とお数寄屋坊主送達が組んだところへ持ち込もうとし和吉と組もうとするがその和吉が殺されてしまう
高野真二は大きな商家の旦那とか家老や老中といった侍で偉い人が似合うと思うがここではヤクザの親分
序盤、長命庵におふじと和吉の場面がとても変。二杯の蕎麦が運ばれ、おふじに食べさせようとしたところに、長兵衛が出てくると和吉がここで働きたいと言い出し、しばし会話。それが終わると和吉は席に戻り金を置いて「ごちそうさんでした」と二人で店を出ていく、自分は一口も食べてないし、おふじも二地の会話の最中ガシガシ食っていたとも思えず、なんでごちそうさん「?

※10/5
第17話 待ちぼうけの女
丘みつ子(おたか)、北原義郎(熊谷新兵ヱ)、内田昌宏(宇三郎)、南祐輔(甲州屋徳蔵)、五味龍太郎(亀七)、浜伸二(村雨の秀)
珍しくと言っちゃ悪いが、どんでん返しの応酬もあり面白いのだけど、そこで今シリーズの特徴でもある悪いところ、いきなり殺陣~白洲の決着へ。
この悪いところは、考えてみると悪事の証拠を全部取って満を持して殺陣に乗り込む金さんということなのだろうけど、どうも話の途中、まだ続きそうなところを無理やり無敵のスーパーマンである金さんが悪人を倒して終わってしまうかのようで。
今回に関しては善玉であるおたかに、金さんがお上の関係者とバレ不信感が湧いているという件が解決もしないまま、白洲となっていて、そのわだかまりはどう和らいだのか、おたかはもう許している。遠山はなんのことやら、おたかに詫びを入れてはいるが。
またそういうちょっとまだストーリーに解決してないところがあるように見えるのに金さんは相変わらず余裕で不敵の笑みを浮かべるところなんかも鬱陶しい
嫌なところといえば、このころの流行りでもあるのかなあ。金さんに女どもがメロメロな描写が今回も多い。こんなの今は流行らない。
おたかは宇三郎の女だったが親分に売られ、そして今度は勘定奉行所の役人、熊谷に売られるという不幸な女。なお熊谷に売られるという件についてはようやくそれをおたかも受け入れたと言っている場面のすぐ後に、金さんに身の上を騙る場面で月に3日上がることになっていて、今日はその10日目(月に3日というのは10日置きということだろう)などと言っている。初めてなのに、10日目というのは変
村雨の秀、悪役の甲州屋に昔いたことのある男で、それを久六から聞きこんだ金さんは、村雨の秀の知り合いで、と甲州屋に入り込む、が終盤甲州屋にやってきて、金さんのことを知らないといい、金さんの素性がバレるという役割を負っているだけで、悪事にはほとんど関わっていないのだが、なぜか白洲に座らされ、ほかの悪役と同様の罪に処せられている
内田昌宏(内田勝正)、五味龍太郎ともにちょっと珍しい役。内田は悪役が多いが基本的に上役、役人が多いが、そうでなくてもやくざの親分だとか商家の旦那だとかもしくはその番頭格だとかそのくらいだと思うがここでは甲州屋の配下で、番頭格でもなさそうでもうチョイ下の格。五味は浪人や用心棒や武術指南役みたいのが多いが、ここでは町人髷、まあ悪役である金貸し甲州屋の配下であるが。
白洲場面で遠山が遠山桜披露直前に、殺陣の場面での金次の口調を真似るというのがここ数回多く見られる

第18話 石川島怨み唄
葉山葉子(お冴)、辻萬長(藤五郎)、菅貫太郎(橘兵馬)、中村孝雄(宗兵衛)
時代劇で、もしくは昔のドラマでありがちな、浅はかな女の場面がある。浅はかな女というか、女だけでなく、町人、善人でありがちか。
悪役である亭主の宗兵衛に、うちの長屋の空き家に人が住み着いてるらしく、噂の島抜けの男だった李したら大変だから番所に届けたと言われ、自分が恋仲であった藤五郎を隠してるわけだからと、すぐ動揺し、それを顔に現わしてから、すぐ長屋へ駆けつけるという、バレバレの行動を見せる
火盗が捕まえた金さんが北町の牢屋へ入っている。火盗は捕まえたものを町奉行所へ引き渡すものなのかもしれない。
ラストは善玉でもあろう藤五郎に過去の殺人の罪で、罪一等を減じた上で遠島20年が申し渡されており、恋仲のお冴とは引き離された結末となっていて珍しい
葉山葉子のクレジット。↓画像。
hayama.png
葉の字が上と下とで異なっており、珍しい。フォントを使ってるはずだが。そして葉の字の旧字というのを調べてみると、草冠が分かれているというタイプのものが出てくるが、ここで葉子に使われている「葉」は出てこない。目を凝らして見ていると、まあちょっと崩しただけか。でも明らかに違う字を使っている

※10/6
第19話 桜吹雪に散る涙
林ゆたか(さぶ)、長谷川待子(おりん)、瞳順子(おいね)、蟹江敬三(清吉)、大木正司(弥三)、司裕介(又八)
さぶは幼いころ母親と生き別れ、今でも母親を探している。
岡場所のおんなおいねと恋仲だが、その岡場所を仕切るおりんが実の母親であった。
おりんが悪役でストーリーは進むが、最終盤でさぶはおりんを殺してしまい、ストーリー上の悪役が死んでしまい、小者ばかりが白洲へ引き出されるという盛り上がらないラストなのだが、その終盤で急にクローズアップされ来るのがその梅の屋の手代清吉の蟹江敬三、白洲で杉良太郎とやり合う姿は立派。
さぶもおりん殺しで遠島10年。しかしおりんはさぶの実母。実親殺しで死罪になるはず、とさぶは自分を死罪にと訴える
金さんがさぶにおりんが母親だと教えてやっており、それを遠山は後悔し17話に続いて詫びを入れている。
さぶは冒頭で小さな悪を重ねる小悪党という風に登場するのだけど、その冒頭場面、長兵衛が出前、「84文先に釣り持ってこいって変な客」と独り言。ここで考えられるのは、蕎麦が16文で、100文が用意されてるってことだろう。百文銭なんてあるのかなと思いながら。
そこへさぶが出てきて、「出かけなきゃならないんだ、蕎麦は中にいる眼鏡の旦那(赤目のこと)が食ってくれるっていうから、あの旦那に1朱預けてあるから、おいら釣銭だけもらってくわ」と。1朱って250文なはずで、そうすると蕎麦は166文

第20話 姉弟ふたり
清水めぐみ(おとせ)、武田弘樹(三吉)、左右田一平(留造)、玉川伊佐男(寅吉)、
唐沢民賢(梅林壮七)、滝譲二(仙八)、藤長照夫(丑松)
父を探して江戸に出てきて、腹を空かしてしゃがみ込んでる三吉という少年、その少年に声をかけるのが木綿問屋大野屋の娘おとせ。
おとせは父親が見つかるまで家で預かろうと連れ戻るが家には押し込みが入り両親、ほか店の者は皆斬殺されていた。一人ぼっちになったおとせは三吉と姉弟の契りを交わす
そしてその押し込み一味、留造がなんと三吉の父親だった、という展開。
白洲の場面では三吉も呼び込まれ、父親との対面となってしまう。三吉にそのことは知らせないものの他の大人たち、留造やおとせにはそれをわからせてしまう(留造にはその前にすでに金さんが教えている)という状況。
そこでは色々なセリフのやり取りはあるもののこのシリーズで扱うにはちょっと手に余るようなテーマという感じがした。
留造の左右田一平というのは気のいいおっさんといった面構えの人で、最初の押し込みの場面で彼の顔があったので、まあこういう役もやるのかなと思う程度だったが、途中で金さんに女房や子の話をされ、心動かされ、押し込み一味を抜けようとし、手に刃物を突き立てられ潰されるという凶行を受け、残らざるを得なくなり、という風にちょっと善玉リターンもありそうな展開、まあそこで抜けられず、最後の金さんとの殺陣となってしまったので、上記のような難しい場面にも遭遇しながら死罪を申し渡される
ほとんど手掛かりがないはずの状態で、いきなり留造に会いに来る金さん、雑な脚本
小伝馬町の刺青という言葉が鍵となるのだが、途中金さんが「伝馬町」と「小(こ)」を略してる、ここら辺いつも関係がわからなくて混乱する。今の小伝馬町に昔あったのが「伝馬町牢屋敷」というらしいのだが、小伝馬町という呼び方はそのころからあったのだろうか。昔から小伝馬町(とそれに対比して大伝馬町)があったのなら、小伝馬町にある「伝馬町牢屋敷」ということで、小伝馬町の牢屋敷」というのもわからないでもない。そして今回の大野屋は大伝馬町と言っているから、大伝馬町はあった、ということは、小伝馬町もあったのだろう。そうか、やっとわかった
藤長照夫というのはよく見る名前。丑松は今回の押し込みが四人組で、最初の押し込みで店の者が反撃して刺されてその場で死んでしまうのがそれ。
唐沢民賢(梅林壮七)は役名がついているが、そんな風には呼ばれず、遠山に報告を上げる奉行所役人の役、わずかな出番

※10/7
第21話 女掏摸母子草
今陽子(お由)、山本豊三(新治郎)、原田潤(新太)、須賀不二男(善兵衛)
山村弘三
イマイチ。
亭主の病のためにお由は息子の新太を使い、子供を使った「抱きつき」という手口の掏摸をやっている。子供が通行人に全速力でぶつかり、跳ね飛ばされ泣きじゃくる。母親が出てきて因縁をつけながらふところのものを。
香具師橋善組の善兵衛)は自分のシマで勝手にやったといって落とし前を迫る。という展開
子どものためにもそんなことを止めさせようと金さんや長命庵に集う皆が金を集めるなどお由にのほうの事情がじっくり描かれる。そのため善兵衛の悪事が薄くしか描かれないので、白洲で極刑になっているのが解せない感じになっている。まあ香具師なんて元々・・・、ということもあるし、いやそれより殺人、お由の亭主、病持ちを痛めつけ死んでしまっている、を犯しているのだから、ともいえるが、手出ししてるのは下っ端だし、とか色々不満な出来。
子役ががんばっている。父親のためと思い通行人に全速力でぶつかる仕事をやっていて、金さんにもたわむれに何度もぶつかり稽古、金さんの複雑な顔、そしてお由も。こんな場面が数回挿入され、ラストでは、奉行遠山、お由に遠島二年。そこへ新太が白洲へ乱入(新太は金さん=遠山奉行とは知らない)、新太に、かかってこいと声をかけ、またもぶつかり稽古、金さんは受け止めるだけだったが遠山はぶつかってきた新太を投げ飛ばし、強くなって母親の帰りを待て、と諭す。

※10/8
第22話 いれずみ無情
松尾嘉代(おしん)、石田信之(伊助)、川辺久造(与平)、原良子(おさき)、光丘真理(おみつ・おとよ)、福山象三(俵屋)
白洲で大きなトリックが暴かれており、そこをもっと劇的に演出してもよかろうと思った。それと同時に毎度言っているが、今回もなんだか中途半端なところで、殺陣~白洲へと入ってしまっており、それこそそのトリックの捜査をしているらしいお駒と小菊が中途半端に終わっている。まあその捜査が功を奏し、白洲でその謎解きをしているという結末を見せているということになるのだけど。
そう、白洲の場面が長いわりに面白くないのだ。話が中途半端でも白洲の場面で謎解きがあり、という流れならしっかりストーリーに結末がつくわけで、今回だってそうなってはいるのだけど、白洲の場面の説得力が弱い、長いわりにダラダラしてるだけ、という感じ。
サブタイトルは、まだなにもわからないようなころに手籠めにされ他の男のところへ行けないように背中じゅうに「与平いのち」という刺青を入れられたおしんのことである。淡泊な文字だけの刺青であるが、大きな文字や小さな文字でたくさん書かれており、なかなか気持ち悪い。
このころ活字はあったのだろうか、脅迫文が送られてくる場面というのがあり、そこに色々なところからとった大きさが様々な活字が組み合わされたもの、現代の実際の犯罪でも使われ、またドラマなんかでは頻繁に見られるようなものになっている

※10/9
第23話 炎の罠から消えた女
岡崎二朗(和三郎)、京春上(お初)、森幹太(六兵衛)、大下哲矢(次助)、中村錦司(曽田平内)、日高久(茂七)、桐島好夫(杉田)
お初は伊勢屋の跡取り娘で、兄の和三郎は放蕩三昧で勘当となり、舟宿で居候。船宿居候の若旦那なんてのは落語で聞く設定だが、時代劇ではあまり見たことがない。
でもそういう落語的な話ではまったくなく、その伊勢屋乗っ取りを仕組んだ舟宿主人六兵衛の悪事という話。発端は伊勢屋の寮が火事になり死骸が発見、でお初が下手人となり、引き回しの上火あぶりの刑に処せられる。が処刑後確認したらお初は下の穴から連れ去られた様子、というもので、そこらはすべて兄和三郎の差し金、しかし和三郎も六兵衛に操られていただけで、兄妹の仲の良さを見込んだ仕掛けであった。

第24話 死を商う男
山内明(石塚又兵衛)、斎藤浩子(七重)、内田喜郎(直吉)、武藤英司(ほていの徳太郎)、剣持伴紀(佐々山兵馬)、千葉敏郎(深草甚内)、江幡高志(虎造)、山本一郎、福本清三
今回は新たな趣向がある。白洲が夜であり、しかも雷雨の中という、まあ劇的効果を狙っただけであろうが、これは殺陣の場面が、夜、雷雨での旗本屋敷での真剣試合(旗本が主宰している浪人を見世物として食い物にしている賭け試合)から始めるという演出で、その流れで、同じシチュエーションを継続している。
白洲の場面はCM後であることが多くそしてほとんどの場合に、北町奉行所の門が開かれ、そこに「北町奉行遠山左衛門尉さま、ご出座」という声が被さるという演出だが、今回は殺陣からCMを挟まず、そしてかがり火が炊かれた白洲で、そこで裁かれる旗本(剣持伴紀)がうろちょろしておりそこにいる役人に文句を言っている中「北町奉行遠山左衛門尉さま、ご出座」という声、遠山登場という流れ、一瞬白洲でなく、その旗本屋敷を白洲に設えたかのように思えるというような演出。
福本清三、役名なしでクレジット。どこに出てたのかなあ、見逃した

第25話 殺しに愛を賭けた女
鮎川いづみ(おせん)、河野弘(相模屋義十郎)、樋口和子(お夏)、波戸崎徹(伊庭鉄斎)
平井昌一(伊勢屋宗兵衛)(トメ)
特別は俳優の時にあるワンマンショー的な作りを鮎川いづみでやっている。岡場所の女の哀しい夢とでもいったテーマ。彼女が殺しをする場面が最初にあり、必殺シリーズファンとしてはドキドキする。
1979年の作品で必殺仕事人も同年開始であるものの、まだ彼女が登場する前の作。そもそも必殺仕事人第1シリーズではまだ彼女の当たり役「何でも屋」は登場しておらず、という時期、それでもそれなりの知名度だったのか。
ストーリーは今シリーズのここ最近と同じく雑で大雑把で大したことない。伊勢屋というのがメインで登場するが、これも二つ前の回で出た名前と同じだ。
岡場所の女おせんは、伊勢屋宗兵衛)に病の際見舞ってもらって惚れこんでおり、言いなりになってしまっており、宗兵衛がもらした一言で商売敵の柳家を殺してしまう。さらにその女房も殺そうとするというところで金さんが止める
この作品を見ていて思ったのは、どうしても悪役を作らなければ成立しないこの頃の時代劇、というか今シリーズ限定としてもよいが、の限界。宗兵衛を悪人とし、さらに、宗兵衛は大店の娘との縁組が決まっており、その大店の旦那が全てを仕組んでいたということが最後の最後に取って付けたように明かされていて、その白州の場面でひと悶着あるが、付け足し感が強い。
そもそも宗兵衛を悪人にしなくても作れないものかねと思う
その悪役どもと同時におせんも裁きでは死罪、まあ当たり前だ
獄門さらし首。序盤にこの言葉が出てくる。時代劇の定番だと思っていたが、調べてみると獄門とさらし首は同じ意味ということを以前知った。その後注意して時代劇を見ているが、やはり時折出てくる。で、今回なのだが、「獄門さらし首は覚悟。獄門に上がろうと、さらし首になろうと、失うものは何もない、迷惑する親類縁者もありゃしない」と違う言葉かのようなセリフ

※10/10
第26話 幸せにまっしぐら
大木実(市次郎)、千野弘美(お咲)、川村真樹(おくら)、上野山功一(栄三)、相馬剛三(六左ヱ門)、柳沢紀子(お杉)、たうみあきこ(おくに)、宮川珠季(巳之助)、有川正治(清七)、広京子(女中)、江原政一(目明し)、宮城幸生(同心)
瓦版の江島屋の横暴、ネタを掴みそれを種に強請。
市次郎は巾着切りの常習、しかしそのときの巾着切りは未遂、やられた明石屋は奉行所同心に頼み込み、死罪を免れ島送り20年。市次郎はまだ小さい娘のお咲を、子供を死産したばかりの明石屋に預ける。
島から戻りお咲を守ろうとするのが市次郎。嫁入りが近いお咲の花嫁姿が一目見たいと願い、それを庭に潜んで見ることができ、そして死んでいくという時代劇で時折見た設定
江島屋が怖くて誰も訴える人がおらず裁くことができないでいたが、今回強請られていた家が訴えることになる、ということで白洲では訴人がいるという状態で、よく考えるとこれが普通だが、今シリーズでは珍しいと言える。
が、それがうまくいってるとはいえず、結局最後は遠山桜で解決しており、しかし遠山桜で悪事の証拠としているのは、市次郎)が瓦版屋へ殴り込みをかけ、返り討ちになった件、これって正当防衛ともいえそうである件。そして訴人が訴えていた件は強請であり、それを払っておらず、悪人は強請を否定という程度でうやむやになっており、こっちをじっくり吟味すべきではなかろうか

第27話 裏切り
小野進也(宇三郎)、沢井桃子(お妙)、北見治一(与作)、田島義文(紀州屋万蔵)、三上左京(金子弥七郎)、田畑猛雄(鈴井新兵ヱ)、那須伸太郎(都座の吉五郎)、重久剛一(甚六)、土橋秀行(宇三郎、子供)、
根上淳(三谷清右ヱ門)(トメ)
町会所用達人三谷清右ヱ門、その娘お妙、そして出納係の宇三郎
宇三郎が悪役なのだが、仕事には一生懸命、お妙と恋仲で後釜になりたいと願っているが清右ヱ門からはまったく認められていない。ということで、紀州屋と組んで証文偽造で金を勝手に引き出すという悪事
途中で佐渡金山で酷使されすっかり体の弱った父親をなんとか治そうと奔走していた宇三郎の善行が語られており、それがラストの白洲の場面で触れられている。なので、他の悪役への裁きがあり、宇三郎が残され、そこで父親(与作が白洲へ入ってきての展開というのがあるところがちょっと珍しい形式か。
三谷(みたに)清右ヱ門というのは「三屋清左衛門残日録」とかなり似た名前だが、三屋清左衛門残日録は1985年の作品
鈴井というのは町会所与力で遠山の指示を受ける役、以前なら白木がやる役だ
久六が金さんお駒とともに捜査の話し合いに参加しており、仲間になったかのよう

※10/11
第28話 地獄極楽 蛇の目傘
結城しのぶ(おゆう)、北城真記子(おとら)、高木二朗(萩原彦九郎)、中庸助(綱蔵)
森次晃嗣(仙吉)(トメ)
おゆうは鬼婆と呼ばれる金貸しおとらの娘。そのことで町の男に絡まれたりもしており、それを助け恋仲になったのが仙吉。
仙吉は兄貴分に騙され元締を殺したが、兄貴分に約束を反故にされ、逆に狙われるようになった。
おとらは地蔵のところに金を置いていき、街の人がそこから金を借りていくようにしておくという裏の優しい顔もあった。そしておゆうは実の娘ではなく、かつて火事の際に小さな息子を亡くしていた、その男の子が仙吉だった

第29話 若君誘拐
中野誠也(弥助)、外山高士(坂田兵部)、田中浩(早野玄之進)、高桐真(権次)、加瀬悦孝(太吉)
異色のストーリー展開だが、終盤のお約束があるためちょっと無理があるかな。
次回予告より--
子ども、太吉を白河藩江戸留守居役、坂田兵部に殺された人足弥助は、悲しみのあまり白河藩の若君光乃介を誘拐する--
という中盤までの展開。
弥助の要求は坂田の謝罪、金さんが仲に入って、謝罪を認めさせたが、若君が戻ると約束を反故にして弥助は斬られる。金さん仲立ち失敗で後悔という展開
これだけの話だと殺陣から白洲というお約束に持って行けないので、坂田一派は幕府から藩への川普請にかかわる不正をしていたことというストーリーも付け加えられ、その相談をしているところへ頭巾の金さん登場と相成る。
今回は不正に商家など町人が入っておらず、白洲ではどうなるかなと思いきや、藩から放逐されているという設定で町奉行所の白洲へと悪役は引っ張り出されている。まあ無理があるなあ。
太吉が殺される場面というのは、早馬の坂田が駆けてきた太吉を蹴散らしてしまうというもので、武士と町人の関係なら、大罪にはならなそうだし、弥助は誘拐しているのだから斬られてもやむを得まい。まあ謝ってすむなら坂田もさっさと謝れという気もするが。
ということで白州では、この二件も裁かれてはいるものの、大きな罪としては公金不正の件のみで、町奉行所の管轄とも思えない。
殺陣~白洲の場面を例えば、白河藩の評定所へ遠山が商人として呼ばれ、悪役が弁解したら遠山桜とでもやればうまくいきそう。まあそもそもこの殺陣以降のお約束をなしにすれば、もうちょっとうまい終わり方もできだろう
遠山桜披露がちょっと珍しい形になっている。通常は出すのがわかるような前口上「両の目開いてよーく見ろぃ」みたいのが入り、遠山桜披露、それと同時に定番BGMという流れだが、この回では悪役の嘘の言い訳「金次は弥助を売って金を得ようとした男、弥助とは若君をかどわかした大罪人ゆえ当方で処分いたしたまででござる」に他のBGMが流れはじめ、さらっと披露し、「金次が弥助を売っただと、この遠山が弥助を売ったってのかい」その後口上「おいてめえら、この桜吹雪に見覚えがないとは言わさないぞ」、それに合わせて定番BGMとなっている

※10/12
第30話 怨みをはらす紅化粧
おとき : 瞳順子
三吉 : 中野健
仁三・勘蔵 : 遠藤征慈
升屋 : 土方弘
丑之助 : 井上茂
七兵ヱ : 福原秀雄
梅林壮七 : 唐沢民賢
最終回だが、最終回らしい演出は皆無の通常ストーリー。
梅林というのは遠山に報告を上げる奉行所同心の役。唐沢民賢は必殺仕事人で主水の上司役をやっているが、主水の上司役の中では他と異なりあまり個性のない役だったので記憶には残ってない。この人は古い作品でよく名前が出るが、端役が多くどこに出ていたかさえわからないくらい(顔もわからないので)、ここでは珍しく顔の確認はできる。出番は多くない端役ではあるが。

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10/02(月) 13:30 - BS松竹東急|60分|12倍録
遠山の金さん #30「怨みをはらす 紅化粧」[終][字]
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青空球児・好児の役名が白木と紺野。赤目や前シリーズの青木から引き継いで名前に色が入っている。
「泣きの小金治」を思わすような場面が多くの回で見られた
殺陣~白洲というお約束の流れで結末に突入、その二つの場面が長いため、ストーリーが短めで物足りないということはすでに何度も書いた。水戸黄門もマンネリでお約束場面が最後にあるが、それをこのように感じたことはない。大岡越前でも、そしてそれこそ今シリーズと同じ遠山金四郎を主人公に据えている江戸を斬るでもそれは感じない。
そしてそれに関連してもう一つ。白洲の場面、中身がないくせに長い。長いということは見どころなのだろう、確かに大岡越前なんかはそこが見どころの作品だと思うが、それに比べると、今シリーズの白洲の場面は冗長。
杉良太郎、食べるシーンがたくさんある。迎え舌
第2シリーズの芸者枠、小扇(奈美悦子)、小菊(本阿弥周子)
ウィキに「芸者。基本的にどちらか一方が登場する」とあるが、二人一緒の出演も相当数あり、二人一緒が珍しい回ということでもなさそう。
あくまで印象で、チャント数を数えればそんなことはないのかもしれないが、小扇単独、小菊単独、二人一緒のそれぞれが三等分くらいあったように思う
青空球児・好児の出演は17話まで。20話で奉行遠山が報告を聞く場面、普通なら白木が報告する場面だが、見知らぬ顔(後で調べて唐沢民賢だとわかった)。変だなと思い、そういえばOP、普段は変化しない箇所から飛ばしているのだけど、飛ばすときに30秒先送りボタンなんかを使っての早送り、30秒ボタンを押すとどこら辺になるかがいつも同じなのであるが、ここ数回は違う箇所になっており、というか30秒ボタンを2回、つまり60秒先送りすると、ちょうど始まるようになっていたのに気付いて、OPを見てみたら、青空球児・好児の部分が外されていた。
OPで青空球児・好児が外されたため、長さも変化しているようであるが、青空球児・好児入りの回はすでに削除してしまっていて、変化がよくわからない。以前は30秒+数秒だったのが60秒と長くなってるような気もする。そしてその新しい版のOP、よく見ると、前に書いたアニメと実写のうちの実写の部分が各人ほんの少し短くなってるように思う。例えば芸者小扇、小菊のところ、「きんさーん」と叫んでいたはずだが、それの「きー」で切られている。おかしいなあ、長くなってるようなのに、短くなってる個所ばかり見つかる。それにしても実写のところが少しだけ短くなっているという件であるが、実写映像があり、最後は静止画像になる。以前は映像3秒静止画像1秒だったのが、2秒1秒になったくらいの感じなのだが、どうもそれが気持ち悪い。なぜかと考えたのだが、静止画像になってるところで各人は「決め顔」(※)を作っており、それはそうだ、そこが一番目立つのだから、しかし新しい版では、その決め顔部分こそがカットされてしまい、それよりちょっと前が静止画像とされているのだ。ここがなんとも続きがあるようでももやもやしてしまう
(※)例えば芸者小扇、小菊のところは「きんさーん」の「ん」のところで決め顔になるし、赤目は両側に女を連れて歩いているが金さんを見かけて女たちが金さんを追いかけて行ってしまい、赤目が「もう、くやしーい」と「くやしーい」のところで顔と手をブルブルさせるというアニメと実写映像の組み合わせ、そのブルブルを一通りやったところで静止画像の決め顔という感じだったと思うが、短くなってからはそこまで行かず、ブルブルさせる前、「もう」のところで静止画像
ほとんどの人がその決め顔の場所が異なっても別にそれほど変ではないが、立石美由紀(おちよ)だけは中途半端なところで静止画像になってしまっている。彼女は中島正二(久六)と一緒のクレジット、アニメで金さんが長命庵から出てくると、店から暖簾をかき分けおちよが出てきて、そこを通りかかった久六とぶつかり、顔を見合わせそして背けあうというのが一連のムーブ。実写は二人がぶつかるところであるが、久六は顔を背けているが、おちよは顔を背けようとする直前で静止画像、わずかにブレてさえいる静止画像になっている
さらに考察。仮にであるが、「以前は映像3秒静止画像1秒だったのが、2秒1秒になった」とする。短くなっても静止画像が長めにあるのだから、そこを短くして、映像2.8秒、静止画像0.2秒くらいにすればいいのではないか、そして短くしたときに、頭から映像を流すから最後まで行けないのだから、そうでなく、頭を0.2秒カットして、映像2.8秒、静止画像0.2秒にすれば、ラストの決め顔まで行ける。

名奉行 遠山の金さん(松方弘樹主演) [時代劇]

05/10(水) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
[新]名奉行 遠山の金さん 第1話「桜吹雪一番手柄」
2023/06/16(金) 15:00 - tvk1|55分|15倍録
名奉行 遠山の金さん 第23話「これにて一件落着」[終]

松方弘樹主演
TVK15:00~(これまで「江戸を斬る」をやっていた枠)
オリジナル1988年

柳沢慎吾が出てきて、ああ、彼がネタでやる若山富三郎と一緒に出ていた時代劇ってこれか、そのネタの脇役、柳沢に怒った若山を眺める役、として松方も出てくるし。
役柄は南町の不良同心で金四郎のいる北町と張り合ったりするというような江戸を斬るでもよくあった役のようだ
東山紀之、OPでキャストクレジットがあるのだが、よく見ておらず、本編が始まり、東山っぽいけど、東山は主役じゃないとやらないだろうから、違う人かなとぼんやり思っていたのだが、なんだ、東山か。若々しく格好良い
ケーシー高峰、老齢のころばかりを覚えているので老人の役かと思い込んでた。遠山家で用人を長いことやっていたという吉川という同心の役
大出俊、筆頭与力の役、レギュラーかと思ったら、この回の悪役だった
堀田摂津守/若林豪
鳥居甲斐守/中村嘉葎雄
この二人はレギュラーっぽい(ウィキにはゲスト枠にもレギュラー枠にも記述されている)。鳥居は勘定奉行で悪役、堀田は若年寄で金四郎の後見人のようなキャラのようだ
奉行所の外観や内部がほとんど必殺と同じ、で、それを考えてみたら、江戸の町の風景もそんな風に見えてきた。同じ制作会社なのかなと思ったが、こちらは東映(必殺は松竹)
福本清三がノンクレジット、聞き込みに答える役、序盤。セリフ有りなのになんでノンクレジットなのだろう。顔は正面からでないのであまりはっきりと確認できないが、声やセリフ回しからもわかる
松方弘樹主演。著名な時代劇俳優だが、おれは彼の連ドラ時代劇での主演作品を見るのは初めてだ
第1話では前の北町奉行が不慮の事故で亡くなり、金四郎が奉行職に任命されるも、出仕がない、というところから始まる。前の北町奉行は橋から落ちたのだが、そこに不審を抱くのが金さんであり、東山演じる水木であり・・・。また出仕しない金四郎には奉行所ないでは愛想をつかすのが水木であり、また吉川は水木や跡部から責められ、場内では堀田や鳥居がジリジリ、がその後の展開では堀田は後見的な役割、鳥居は金四郎を罠にかけようとするという風にキャラがわかってくる
ゲスト
お糸/高樹沙耶
跡部内膳/大出俊
弥助/川地民夫
登勢/服部妙子
宍倉伝八郎/小沢象

※追記
10/9
火曜日から金曜日の枠で放映していたが、今月から月曜日も放送されることになっていた。今日10/9は月曜日で、これのことでなくなんとなく番組欄を見ていたら、これが放送されることになっておりびっくり、今日の分は予約が間に合ったが、過去の録画を確認、先週から月曜日も放送になっていたようだ。つまり1回だけ10/2放送分だけ欠落となってしまった。
変則の放送日程だから、少しは心配してたけど毎週確認なんてしてらんない。長期シリーズは予約だけして放置だからなあ、こういうのは困る。偶然にしても気づけてよかった。まあ1週だけの欠落ということでしょうがないとするか。これが10回くらい欠落してたらもう見る気が失せていただろう

※追記
*240119
ずいぶん間が空いたが今日から見ることにした。
もうすっかり忘れているので第1話も再度見直した。
2 4月28日※ 女盗賊の三つの謎
おしま/秋野暢子
源三/河原崎建三
般若の仁平次/青木義朗
実に凝った作品。第1話もそう思ったが、この回はさらに。
とくにメインゲスト/秋野暢子のおしまが善玉なのか悪役なのかというあたりが二転三転し、そして最終的になんだかどっちとも判別しづらい感じになっていて、そこはどちらかに収束させてもよかったか、と。まあ善玉なのかなあ。
最初に、おしまの亭主の源三が殺され、そこでそれまでのことを金さんに話したおしまは完全に不幸のもとに生まれた哀れな女。なのだが、隣に越してきたメクラあんまが、実は源三であり、だがその源三は亭主ではなくおしまの一の子分。おしまは盗賊の頭だった父親を般若の仁平次に殺され、復讐を狙っていた。結果復讐を成し遂げるのであり、そういう復讐譚だけなら、例え盗賊の中のことといえど、時代劇にはよくあるストーリーだが、その後も哀れな女を巧みに演じて金さん、及び遠山を騙そうとするあたりが凝っているし、善玉悪役が判然としないというあたり
秋野暢子というのはこの頃のを見ると、頭抜けて美人。あくまで印象だが、その後の活動を知る機会がほとんどなく、もっと活躍しててもよさそうなのにと思う

3 5月5日 引裂かれた妻の夢
るい/三林京子
須貝源左衛門/中野誠也
関原孔山/菅貫太郎
森田屋助次郎/高城淳一
筧伝九郎/田中浩
受験戦争をテーマにしたもの
素読吟味の試験に合格しないと家名を継げないという規則の中で合格するため血眼になる母親と子
子は「イカの子」と塾で呼ばれており、それは「御目見以下」のイカであり、御家人ということだろう
ノンクレジットで福本清三。終盤の殺陣

4 5月12日 標的は純情くノ一
おゆみ/川上麻衣子
真田幸貫/内藤武敏
甲賀の五太夫/勝部演之
岩瀬友範/藤岡重慶
キン/正司花江
大庭伊十郎:山内としお初登場。北町同心。この回には東山の水木新吾が登場せず。なのでこの大庭の役回りを水木にふればいいだけじゃんと思わないでもない。が、二人のキャラは相当異なるのでそうはならないかとも思う。山内はゲストかと思いきや次の回にも登場。そして第4話、5話と東山紀之が登場しない回。ひょっとして北町同心レギュラーとして東山が降板したのかとさえ思った(ウィキ確認し、この後も東山が登場すること、山内も準レギュラーで登場することを確認)
正司花江のキンは吉川瓢兵衛(ケーシー高峰)の女房、この後も出るのかもしれない
中村嘉葎雄の鳥居甲斐守が忍びを使って遠山に仕掛けるという話で、その忍者部分が面白いのだけど、遠山が裁く案件かねえと思う。

5 5月19日 闇のおんな仕事人
一石屋万造/寺田農
おとよ/朝加真由美
お竜/水原まき
仕事人という言葉が使われており、必殺でお馴染みの殺し屋を扱った話。その仕事人がやる殺しも序盤に出てきて必殺テイストの殺しを見せる。が、終盤では仕事人の頭である万造自らが頼み人となり、金さんを的にするが、もちろん失敗
最後の殺陣では、その仕事人グループが用心棒の先生たちたくさんを呼び出しており、仕事人はそんなことしないだろと苦笑い
その前の場面でおとよを誘拐してきて殺さずにベラベラ目的を喋るあたりは時代劇特有か
2話までは凝っていた印象だが、その後は大したことない。、4、5話と遠山が裁くような仕事か、という感じさえする

6 6月2日 お奉行が消えた!
黒木典吾/綿引勝彦
おきぬ/風祭ゆき
閻魔の仁蔵/品川隆二
綿引勝彦の黒木典吾は遠山の旧友で医学の勉強のため長崎へ行っていたはずだったが江戸へ戻って悪に染まっていたという役柄。遊び人姿の金さんを見てすぐ遠山だとわかっている。
最後は金さんを救うため善玉になっているが、そうなったきっかけがわかりづらい。まあ相方のおきぬの強欲さが怖くなったということがきっかけのようだし、その前に遠山を殺すということまでは考えていなかったともいえるし。
品川隆二はおれが見てきた時代劇でちょくちょくメインゲストで出ていた人。
ここでは盗賊の親分で冒頭で遠山に裁きを受けている。殺しはしない盗賊で、部下が殺しをしてしまったことから、その殺しも含めこれまでの全部の罪を被って自訴してきたということ。
この仁蔵を隠し金のありかを聞くため牢から奪う計画をしていたのが、その女房のおきぬとおきぬの用心棒兼愛人の黒木という具合。
仁蔵が庇っている殺しというのもおきぬがやったもの。
黒木は金さんが遠山だとすぐわかり、二人で再会を祝して酒を酌み交わしており、そこへおきぬもやってくるとう展開。黒木と金さんはその酒席ですぐ喧嘩別れをし、黒木はおきぬにあれは遠山奉行だと教えている。そして二人の間で手下にはあれを遠山奉行だとは教えず、遠山奉行の遠縁の遊び人だということにして、遠山誘拐事件を起こすという展開
ラストの遠山桜披露の場面がおかしい。その直前でおきぬは金さんの正体を皆にばらすよと脅しているにも関わらず、遠山桜を見て今更驚いている。知ってるはずなのに
ノンクレジットで福本清三。悪党の一人で最後の殺陣に出てきている

*0120
7 6月9日 美女が恨みの刃
鯉太郎/横光克彦
西国屋利兵衛/山田吾一
おこま/香山まり子
板倉帯刀/近藤宏
浜吉/うえだ峻
お絹/原田千枝子
小原伝八郎/五味竜太郎
常松/石倉英彦
香山まり子は江戸を斬る、大岡越前の遠藤真理子。サブタイトルの美女というのは彼女を指している。
火事が起き焼けた一帯を我が物にしようとする権力者というような時代劇ではありがちなストーリー。その火事が起きた場所が管轄の火消しは、その直前に起きた隣町の火事に出かけてしまっており、自分の町の火事に駆けつけることができなかった。隣町の火事になぜ出かけて行ったかといえば、そこには世話になっている旦那西国屋の女お絹がいる辺りだったからだった。だが、そこにはからくりがあり、火事自体は付け火の疑いが生じてくる。
その火消しの頭が鯉太郎、火事で両親を早くに亡くし、西国屋に世話になっていたという過去。そしておこまも同じく火事で親を亡くし、今度の火事で育ての親をも亡くしてしまった。そのおこまは付け火の男を見ており、それを恨みに思い、手裏剣(おこまは手裏剣を使った芸で稼いでいる)で鯉太郎や浜吉(鯉太郎配下の火消しであり、火付けの下手人)を狙った
火事の現場で指揮に当たっている鯉太郎に金さんが真実を話せなどと説得する場面には呆れる。
白洲での遠山桜披露は普段は最後出あって、そこから採決申し渡しなのだが、今回は早めにやって、その後にもやり取りが長い。西国屋や板倉帯刀は金さんの桜吹雪は見てないので、そこの調べに入る前に遠山桜披露をやっているという関係だ
近藤宏はいつも通りの悪の権力者という役
ノンクレジットで福本清三。最後の殺陣の人員。今のところこのシリーズにはかなり多くの出演。こうなると毎回出ているのかもしれず、見逃しているところもあるかもしれない

8 6月23日 ひょっとこ面の女
おふじ/星由里子
大黒屋六兵ェ/原口剛
弁天の政五郎/江幡高志
甚平/河合絃司
絃三/田中弘史
井筒屋/溝田繁
丸井屋藤兵衛/高並功
政五郎の子分/司裕介
お面屋/宮城幸生
政五郎の子分/壬生新太郎
おふじは生き別れた水木新吾の実母。新吾は自分が赤ん坊のころに亡くなったと聞かされていた。
名乗りは上げられないままであったが、最後は新吾を庇って手裏剣に刺され、新吾の腕の中で死んでいく。
白洲では多くの場合善玉悪役が並べられ、悪役が引っ立てい」と退場していたあとに、遠山が善玉に声を掛け、「一件落着」で終わっていくのだが、今回は白洲に善玉がいない。そのため、白洲の場面の後にエピローグ場面があり、金さんが新吾におふじが新吾の生母だったことを明かしている

*0121
9 6月30日 正当防衛の男?
おすま/三原じゅん子
芳松/五代高之
清七/佐藤仁哉
相沢頼母/小野進也
馬場陳内/有川正治(役名なしクレジット)
相模屋徳兵衛/中村錦司(役名なしクレジット)
甚五郎/山村弘三(役名なしクレジット)
サブタイトルの正当防衛というのがテーマになっている。正当防衛なら罪にならないのことは御定法にそうあるのだが、それを町人(今回の容疑者清七)が知っているのはおかしいというようなことが作中に何度か出てくる(結局そのことから奥右筆組頭相沢と清七の繋がりがわかる)
江戸時代は法律を知らされていなかったのかと驚く
白洲の前の殺陣では金さんが悪人を懲らしめた後に奉行所連中が捕物に現れ、金さんは姿を消すというパターンだが、ここでは善玉おすまも一緒に逃げている。おすまを逃がす必要はなく、また白州におすまは出ているのだが。まあおすまはその殺陣から逃がしたあと、呼び出しがあったということでおかしくはないが。

10 7月7日 お仙が拾った子
おしの/甲斐智枝美
お才/田島令子
庄太/福原学(子役)
山根三九郎/石橋雅史
山同心/汐路章
幸兵衛/長門裕之(ゲストでトメ)
この回は多くの注目点
長門裕之の役はストーリーには大きく絡まない長屋の大家という役どころ。特別出演みたいな感じで、お仙の坂口良子ととの場面がたっぷりあり、池中玄太を思い出す。お仙は湯屋経営だが、ここも幸兵衛の借家なのかな、それとも幸兵衛が町内の顔役という役割なのかな
(ゲストでトメ)。トメは坂口だがその前。ゲスト枠でラストに単独表記、これは今シリーズ初だったはず。
なお、準レギュラーの若林豪と中村嘉葎雄もこの位置(中村嘉葎雄が後、つまり坂口の前)。
田島令子、好きな女優だが、だいぶ年齢を重ねたころ。40歳くらい
このお才がストーリー上鍵となる悪役。善人で登場しすっかり騙された。薬種問屋山海堂主人が殺され、その女房という役。しっかりもので店は彼女がいれば安泰と噂され、また仏のお才と言われるほど優しい
その主人には女がいてそれがおしの。山海堂に跡取り息子はいなかったがおしのには庄太という息子がいた。
おしのがお才に会いに来た時も、主人の息子は私の息子と協力体勢を取るかのよう。
が、主人を殺したのはお才の企みであり、庄太に店を譲るものかと、おしの庄太をも抹殺にかかる
お仙が拾った子というサブタイトルはさまよっている庄太をお仙が拾ってしまい行きがかり上預かることになってしまったからで、その過程で庄太を誰が預かるか話し合う中で大家の幸兵衛が絡む
汐路章はヤクザの親分がお似合いの役者だがここでは、かなり老いた感じで同心。冒頭事件が寺で起きて、その寺を管轄する同心ということなのかな。役名が山同心とあり、「上野山同心」という立札が作中にある。寺の山号寺号から来るものだろうか。で寺の坊主に面倒だから町方に回そうと持ち掛けられている
お仙とお玉、湯屋経営のお仙とそこで働くお玉という関係で二人とも金さんの密偵。遠山の金さんらしく、二人とも金さんに惚れている、金さんモテモテという描写がたくさんではないが出てくる
で、今回、幸兵衛が町の噂を真に受けて、庄太が金さんとお仙の子供だと勘違い、がお仙は否定せずで、三人で暮らすことになるという場面がある。庄太を真ん中に三人で寝ていると、庄太が寝ぼけてお仙を叩くと、お仙は金さんがきたかと勘違い、一方庄太が金さんと叩くとやっぱり金さんも・・・。
福本清三、いつも通りノンクレジット、殺陣で登場。殺陣の開始でアップになる
水木新吾だが、奉行の部屋へ行こうとすると吉川に阻止されるという場面が時折ある。新吾が遠山奉行の顔を知らないわけはないと思うが、その一方で作品内では遠山奉行とは顔を合わせない演出になっている。ここらは矛盾ではあろう。まあ訓示を述べる遠山をちょっと遠目に見ていただけで、それも新吾のほうでそっぽを向いていたので、遠山の顔をはっきりとは知らない、という状態で金さんと会っても気付かないという風に思っておこうか。奉行と同心、どれくらい近いもしくは遠い関係だったのだろう。
ただ遠山奉行が白洲に現れても、そこですぐに金さんとは気付かれないわけで、頭の結わい方くらいで、人の目が誤魔化せるという設定もあるのだから、新吾が遠山を見ていて、その上で金さんと会っても気付かないというのは設定でなんとでもなる。ただ、新吾が遠山奉行を一度も見ていないというのは不自然すぎるから、変に会わせないようにするという演出のほうに不自然さを感じる

11 7月14日 罠にかかった奉行
お弓/藤代美奈子
駒吉/長谷川哲夫
伊勢屋/田口計
三田村陣十郎/中田博久
お時/吉原緑里
女将/丸平峰子
幕閣/伊達三郎
福本清三がノンクレジット。二役やってるのを見つけた。まず北町同心。冒頭、吉川が駒吉に解き放ちを宣する場面で脇に控えており、また同心部屋の場面にもいる。
かと思いきや、終盤の殺陣にもいるようだ。あまり大きく映らないので確信はないが。
今回の悪役は鳥居甲斐守で遠山との対決が熱い内容
伊勢屋に招待をされ出かけて行く遠山奉行、何かを入れられた舶来の酒を飲んで眠ってしまい、起きると脇に女の死骸という冒頭
普通の回で悪役の多くは役人と商人だが、今回はその役人側が鳥居。ここで狡猾なのは、商人側悪役伊勢屋は連絡役三田村とのみ顔合わせをしており、役人側悪役鳥居の正体は知られていないという点。
白洲で最後に遠山は三田村に名前を吐かせようとするも、三田村は堀田摂津守と嘘を吐く。もちろん遠山の方は黒幕が鳥居であることはわかっているものの、その証言を得ようとして得られないという結末。
ここまで。この回もそうだが柳沢慎吾の間半平、序盤に威勢よく色々やって作品を盛り上げるも終盤には出てこないという展開。事件に関わった場合は終盤でその後を描いてもよさそう。例えばこの回では、遠山が死骸に気付き騒ぎになった際駆けつけてくるのが間半平と二八。ちなみに間半平は遠山奉行だということを認識しており、顔を知っているのであろう。その間半平は金さんとも毎度顔を合わせている

12 7月21日 若手同心の初恋
清吉/沖田浩之
お美代/藤奈津子
弥之助/宮口二郎
大野主膳/石山律雄
松二郎/名引直寿
万造/丘路千
伏見屋/北村光生
甚兵衛/遠藤太津朗(ゲストでトメ)
サブタイトルは新吾を指しているのは予想通り。東山が演じる役で初恋とタイトルがついているから大きくその件がフィーチャーされそうなものであるが、ちょっとそういうのとは違うかなあ
ウィキの間半平:柳沢慎吾のところに「北町の水木新吾とは幼馴染(第3シリーズ3話)」とあるが、この回でそれは示唆されている
新吾と清吉、お美代が幼馴染という設定、半平は清吉が下手人である事件の話題の際に新吾と清吉が幼馴染で自分もそこにいた旨話している
清吉、お美代が夫婦。子供時代を回想する場面では、清吉が新吾を苛め、お美代が中に入るというようなことを話しており、さらには新吾は清吉を追うことになり、そこで二人の間でお美代のことをほんとうはどっちが好きだなどというやり取りがあり、そこら辺がサブタイトル
石山律雄、旗本の役で悪役。この人は商家の手代、番頭みたいな役が多い人だが、年齢を重ねこういう役をやるようになったのだろう。
殺陣で福本清三らしき姿。よく確認できなかった、と思っていたら白洲で後ろに控えていた。今シリーズで白洲に出てくるのは初。遠山桜披露のきっかけとなる罪人たちからの反撃のところで「そうだそうだ、お解き放ちを」とガヤを飛ばしている
新吾。幼馴染の白洲だからということで、控えの間で聞くことを許されている。えっ、おかしくないか、遠山桜披露についても聞いていることになり、そしたら金さん=遠山奉行ということがわかっちゃうじゃん。

13 7月28日 消えた美女たち
おゆき/中村明美
五助/丹波義隆
おさよ/青田浩子
伝九郎/堀田真三
おひさ/藤悦子
留吉/松田明
お秋/中塚和代
鳴海屋清蔵/深江章喜(ゲストでトメ並記)
永井宗全/和崎俊哉(ゲストでトメ並記)
福本清三がまたもやノンクレジット、悪役側のその他大勢の中の一人。
もう一人悪役でよく見る顔があるのだが、名前を思い出せない。いつもキャストクレジットを見て、ああこの人出てるのかなどと確認しており、名前から顔は思い出せるのだが、その逆となると。
深江章喜と和崎俊哉は並記されており、今シリーズに限ったことでなく、こういう位置に並記されるのは珍しいのではなかろうか。考えてみるとこういう位置というのは名前を目立たせる意味があるわけで、それなら単独表記すべきという風になるわな
間半平が珍しくストーリーに大きく絡んでおり中盤すぎまで登場しているが、やっぱりフェイドアウトというか、その結末までは描かれない。今回の善玉の女おゆきを町中で乱暴な男たちから助けてやり、その女が可愛かったことからなんやかんやと世話を焼くという流れ。例えば大岡越前なんかだったら、裁きの後のエピローグ場面で半平が振られたことをグチグチ言ってる場面がありそう
名前の思い出せない俳優、ついでに福本清三
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※240228
名前の思い出せない俳優の名前を思い出した。市村昌治だ。でも彼ならノンクレジットということはなさそうだから違うかな。
ちなみに水戸黄門6ー30「希望の灯」というのを見て、ようやく思い出した次第


*0122
14 8月4日 危険なつっぱり娘
六兵衛/レオナルド熊
お照/渡辺祐子
松永紋十郎/小林勝彦
左近次郎/北町嘉朗
与右衛門/柴田侊彦
権八/本郷直樹
安蔵/広瀬義宣
池松/藤沢徹夫
舟宿の女将/森あつこ
工藤玄斎/名和宏(ゲストでトメ)
レオナルド熊は人気を当て込んでの配役だろうがあまり存在感なし。
渡辺祐子という女優はこれまで知らなかった。役柄が明るくやんちゃな女の子でそこら辺はうまく表現出来てると思うが、それ以外があまりまくない。棒セリフなところもあるし
小林勝彦と北町嘉朗が並記。おれは北原義郎と見間違えていて、小林と北原義郎って演じる役が被ってるなと思った。北原は悪代官が有名で、小林もその手の役をよくやる。が、一方小林は浪人だとか旗本次男坊みたいなものも似合う。などと思いながら見ていると、小林の方はその通り浪人で用心棒役。一方北原のほうは待てど暮らせど出てこない。終盤になり、もうこれから新しい登場人物もないだろうというところで、すでに出ているのかな、としたら、左近次郎の役が北原なのかなと、白洲の場面でじっくり見てみたが、おれの覚えている北原の面影はまったくなく・・・。で見終えてから配役を再度確認し、やっぱり左近次郎役か、変だなと思い、パソコンに向かいこれを書きこむ際に再度調べてようやく見間違いに気付く。それにしても似た名前だ

*0123
15 8月25日 般若心経殺人事件
おつる/中村メイコ
清太郎/佐藤祐介
常吉/笑福亭鶴光
時蔵/黒部進
六助/阿波地大輔
柿沼平之進/川浪公次郎
大島多門/亀石征一郎(ゲストでトメ並記)
木曽屋清兵衛/江見俊太郎(ゲストでトメ並記)
普段は遠山桜を披露した後、服を整えてから裁決だが、今回は刺青を見せたまま裁決をしている、と思ったが他の回も見直してみたら、前の回もそうだし、他にもこういう形の回があった。
黒部進と亀石征一郎は同じような俳優イメージの二人だがここでは差がついた感じ
福本清三ノンクレジット、白洲にいる。ということは殺陣にもいたのかな、気付かなかったと思い見直したが確認できず。もしかしたらそうかなという人はいたが
4幕もので、第4幕にて殺陣~白洲というのが普段の構成だが、この回では3幕までに殺陣は終わっており、4幕は白洲から

16 9月8日 花嫁衣裳が泣いた
鏑木清左ヱ門/鈴木瑞穂
加世/丸山秀美
桜井甚兵ェ/藤岡重慶
お松/小川依子
勘助/稲吉靖司
粂蔵/田畑猛雄
源太/福本清三(役名なしクレジット)
郷原伊十郎/磯部勉(ゲストでトメ)
ここまであまり面白くないという感想だった。まあそこまでひどいわけではない。見ていると寝てしまうことがこれまでの回で何度もあったが、それは面白くないことよりも体調のせいだとは思う。
で、今回、これまでで一番良かったかと思う、といってもそれもものすごい傑作ということでもなく、ただこれまでの回よりはよかったかなという程度
実直な侍が罠にかけられ最後は切腹に見せかけらる形で殺される。
鏑木はある藩の勘定方。悪役はその上司である組頭桜井と浪人郷原伊十郎の一団。
冒頭では間半平が結婚することになったと吹聴(実際は誇張したホラ話だったようだが)、その相手が鏑木の娘加世。半平が待ち伏せして加世と一緒にいるところにちょっかいをかけてくるチンピラたち(この中に福本清三もいる)、それを助けに入るのが旗本の部屋住み佐久間右近と名乗る郷原伊十郎。とこれは郷原伊十郎一派の芝居で、加世及び鏑木への罠だ。こういった狂言芝居の罠が重ねられるという展開で、佐久間右近は加世を嫁にほしいと申し込み、鏑木は良い縁談とそれにのめりこむ。鏑木は悪役一団の芝居の罠に嵌っていき、最終的には佐久間右近を助けるため公金に手をつけてしまい、それを理由に、上司桜井がやった公金横領の罪迄一緒に被せられ切腹に見せかけた形で殺されてしまう
狂言芝居の罠、切腹に見せかけられる殺し、どちらも時代劇でよく見るパターンではある
ついに福本清三クレジットあり。クレジットがあるだけあって、役はいつも通り悪役側のチンピラだが、それなりに主要登場人物でもあり、今回は序盤から顔を出し、殺陣白洲まで出づっぱり
勘助の稲吉靖司、小鹿番によく似た人だ。
藤岡重慶、老けたからか以前の毒気のある悪役顔でなく大人し目
磯部勉、若いころの中尾彬みたいな感じ

*0124
17 9月15日 噂におびえる少女
十文字堂京助/井上純一
おちか/森尾由美
高木守正/久富惟晴
近江屋/加藤和夫
お糸/勝沼のりこ
寅松/佐藤晟也
泉州屋/長谷川明男(ゲストでトメ)
今回はいつものパターンと多少異なるところがあり、そこが妙となっているように思う
善玉は瓦版屋の十文字堂京助(とその恋人おちか)、悪役は近江屋、泉州屋、高木守正、という構図(この三者がかつて京助の父親のやっている店を罠にかけ、京助の父親は亡くなってしまっており、その復讐譚)なのだが、冒頭で近江屋の娘お糸に関する出鱈目の瓦版で近江屋を追い詰めるという展開。サブタイトルもお糸を表しているが、お糸はこの話のメインキャラではなく、あまり出番はない。
で、この冒頭あたりではまだどちらが悪役とか確定しておらず、結局近江屋はさらに追い込まれていく場面あたりまでは、どうこれから話が展開するのかちょっと予想がつかない感じ。まあ見た目で京助は多分善玉、近江屋はガラの悪いのを飼ってるから多分悪役なのだろうと察しはつくが。
また白洲の場面で寅松という悪役側、これはその近江屋の飼ってるガラの悪い奴のことなのだが、これがあっさり悪事を白状してしまっており、これも白洲で悪役は決して悪事を白状しないといういつものパターンとはちょっと異なっている。寅松は近江屋配下だったが近江屋が悲惨な状態で腑抜けになってしまい、そこで泉州屋、高木から言われ、そっち側へつくという風な展開。
前回もそうだったが、白洲、遠山桜披露の後、そこへ出ていた悪役の侍、町人ではないので、座敷・縁側にいるのだが、それを白洲へ蹴り落とす。これが迫力あり過ぎ、蹴りが首の裏に当たっていて、延髄斬りを座ったものにやっているかのよう。受ける方は大変。
森尾由美は大根役者だな

18 9月22日 二つの顔の仕事人
おしの/比企理恵
信濃屋/鹿内孝
小野寺市右ヱ門/上野山功一
坂田伝八/佐藤京一
清水屋/寺下貞信
為三/長谷川弘
山城屋/衰和田良太
松吉/西田健
またもやサブタイトルに仕事人。これは田舎が甲賀のあたりの二人組(信濃屋と松吉)が忍術まがいを使うということからきていると思われるが、いわゆる必殺仕事人風なところは作中にない。
清水屋夫妻が殺される。そこの娘がおしの。信濃屋は清水屋から暖簾分けされ独立して店を広げてきた。一方松吉は清水屋に仕えている。この二人はかつて清水屋の店先でぶっ倒れて、清水屋に助けられ、勤めるようになったのだった。この二人が清水屋のっとりを仕組むというのがストーリー。小野寺は道場主、といっても信濃屋が染物商の商売の片手間でやってる金貸しの取り立てが主な仕事で、この小野寺配下が信濃屋の用心棒という構成。
西田健という人は必殺仕事人で主水の上司役をやっていて有名なのだそうだが、必殺のファンのおれであるが、あまり印象にない。後期の必殺仕事人だそうだ。主水の上司役といったら、山内としおが有名だが、そこに至るまでの数名がとても印象に残っている。唐沢民賢が必殺仕事人における最初の主水の上司役なのだが、これは印象に残っていない。多分演出的にもさほど目立つようにはされていなかったはずだ。で、その次が早崎文司、そして芝本正、須賀不二男、山内という順で、この4人はどれも印象に強い。
福本清三、ちょっと顔がはっきりと映らないので間違いかもしれないが、ノンクレジット、悪役側用心棒連中のひとり
この回は大庭伊十郎(山内としお)が出演。初登場の時はいくらかキャラをつけられていたが、その後はほとんど端役扱い。東山の新吾が出ない回に出るとのことで、この作品は奉行が一人で活躍してしまうストーリーなのであまり同心の活躍場面はないが、ひとりくらい役名のついた同心がいた方がストーリーも作りやすく、そういうような役割を負っているのであろう。もちろん東山の代わりといっても扱いにはかなり差があり、クレジットでは東山は二番目だが、山内はレギュラー枠ですらなく、ゲストクレジットが始まってメインの単独表記の終わった後に誰かと並記で表記されている。

19 10月13日 殺しを招く幻の女
喜兵衛/伊藤孝雄
おしん/本阿弥周子
虎吹雪/龍虎
しぶき屋伊右ェ門/山本昌平
飛騨屋藤左ェ門/中山昭二
乾玄八郎/森章二
凝った構成
悪役は喜兵衛、おしん、しぶき屋、飛騨屋、乾だが、この五人が組んでいるということでなく、おしんがしぶき屋以下3人を使う形で、一方喜兵衛がおしんを使っていたという形であり、その喜兵衛だけは終盤まで視聴者にも正体が明かされずという展開で、喜兵衛がおしんを殺してしまうので、白洲には4人が出てくるがそれが仲間というわけではないというところが新鮮
善玉は虎吹雪。負け続きの力士で、力士に酒をふるまうのが好きな相撲道楽の美濃屋お柳からお呼びがかかり、行ってみると、酒を飲まされ、起きたらそのお柳が死んでいたというのが冒頭。喜兵衛は美濃屋の番頭
おしんはそのおかみさんを男のことで恨んでおり、その復讐をするのと同時に、店ののっとりを仲間と計画という展開。。
本阿弥周子、大好きな女優だが、あまり悪役はやらないはずで新鮮。おしんが3人を使ってると書いたが、誰がリーダーとかはなく、なんとなくいがみ合ったりしており、彼女が啖呵を切る場面なんかは格好良い
遠山桜披露の際のパターン
まず白洲で遠山桜が披露されると、白洲に出ている主要人物の顔がそれぞれ映る。そこでは驚きは小さ目、なにをやろうとしてるんだ、というような顔。そして金さんが桜吹雪を出した場面が回想として挿入され、金さん=遠山奉行が明らかになり(ここで金さんと遠山奉行の刺青が交互に映し出されるみたいな演出も)、再度白洲のそれぞれが今度はハッとして驚く顔。そして善玉側が「金さん」とつぶやくという具合。ここは驚く場面であるが、今回の場合は虎吹雪が「金さん」と言っておりなんだか棒ぜりふ

20 10月20日 美人姉妹の復讐
お奈津/松尾嘉代
お佐代/芦川よしみ
矢島又四郎/小沢象
大留/河合絃司
藤政/森下鉄朗
鳶辰/中田光彦
白子屋番頭/下元年世
遠州屋番頭/木谷邦臣
源蔵/藤沢徹夫
/福本清三(役名なしクレジット)
彦六/宮城幸生
玄斎/疋田泰盛
/矢部義章
遠州屋/御木本伸介(ゲストでトメ単独表記)
黒田刑部/川合伸旺(ゲストでトメ単独表記)
松尾嘉代、多分当時結構な人気だったのだろうな、と思わせるくらい高待遇の演出、つまり今作品の見どころは彼女ですとてもいったような見せ場たっぷりの演出
おれはこの人のことをほとんど、というか全く知らない。熟女ということで松尾和子の顔が思い浮かんでしまうくらいで、今回顔を見ても、見たことあるとならないくらいだ。
お奈津は金さんと10年前に恋仲だったという間柄、この回で再会しても遠山奉行だということは知らないのは変だなと思ったが、話が進むと、その頃金さんの本当の正体は知らず、つまりどこかの良い武家の息子ということをうっすらと知ってる程度だったとのこと
お佐代が妹、いまは白子屋の女将。その白子屋当主が舟の事故で亡くなり(実は事故に見せかけた殺し)、お佐代は奔走するも、ライバル遠州屋は勘定吟味役黒田と結託し白子屋の受注しようとしている工事を横取りしようとする。
お奈津は店を勘当された身で、影ながらその陰謀から白子屋を救おうと奔走、また彼女が家を出たのは、三番番頭(この回で最初に亡くなった白子屋の当主)を婿に取り跡取りになるという話が出て、しかしその三番番頭はお佐代と恋仲であり、自分が身を引き、お佐代と三番番頭を添わせて店の後を継がせようとしてのことだった
ゲストでトメに二人の場合これまでは並記だったがここでは単独表記
福本清三役名なしながらクレジットあるのに、どこに出てたかわからず・・・。

第21話も見始めたが寝落ち。この日見過ぎたのかもしれん。眠ったわけでもないが全然頭に入らず、なんども同じ場面を繰り返し見た挙句、もう今日は止めようと諦めた。

*0125
21 10月27日 消えた三万両!?
佐吉/加納竜
みつ/大塚良重
風神の政/浜田晃
相州屋利兵衛/高野真二
子分/浜伸二
勝田十三郎/伊吹剛(ゲストでトメ)
昨日寝落ちしてしまった作品。いくら見ても理解が進まなかったので複雑な作品だったのかなと思ったが、さほどでもなく、が、しかし悪役側にいくるか複雑な構成あり
島送りになっていた背中に風神の刺青をした風神一家の頭が八丈から島抜け、それを追う捜索を金さんは開始。風神の賭場で殺人事件、佐吉という男が捕まるも金さんは一緒にいたので無実とわかっている。その裏には風神がかつて起こした三万両御用金強奪事件が絡んでいた。
この御用金強奪事件のあらましが、風神がそそのかして鳴海藩の若侍が行ったが、風神の裏切りで彼らはみな追い詰められ割腹。さらに風神はそれを一緒にやっていた相州屋をも裏切っていた、という構成で、勝田は若侍に剣を教えていた先生で、風神を復讐のため狙っているという関係、相州屋のほうは一度は裏切られていたが、島から戻った風神、隠した金の上に佐吉の家が建っていて、それをどかす方法の相談を持ち掛けたという関係と入り組んでいる
福本清三、ノンクレジット、殺陣
この回、新吾が遠山奉行と対面。作品上は初。ウィキには「奉行に対面して金さんと瓜二つであることに驚くが、同一人物であると知るのは第2シリーズに入ってからである」とある。
まあ初対面なわけはないはずで、でも新吾は驚いた表情、「それにしても似てるなあ、あの金公に」と独り言。何度見ても似ているという意味に捉えることもできないこともない
その東山、当時当然トップアイドルだったわけで優遇されてはいるが、登場回数が非常に少なく物足りない。また演技は冷徹なキャラということなんだろうけど表情に乏しく一本調子、いくらか目立つ演出がなされる回、例えば実母との対面、初恋の相手との対面などの回でもさして印象に残らず。
その他レギュラー。柳沢慎吾は大健闘していると思う。魅力的。その相棒役二八の志賀勝、貫録がありすぎて。ピラニア軍団で、当時それなりに名が上がっていたころだろう。同心と岡っ引きという関係で同心をバカにしたようなことを言うというのは考えてみれば時代劇では毎度のことでもあるが、この二人の場合二八のほうが貫録があり、なんか変な感じ。そこらを逆手に取って、二八が命令調、半平が一瞬委縮してすぐ気を取り直し怒るというような場面もある
坂口良子、役柄からするともうちょっと色気があっても良いように思うが、彼女の場合色気を隠したような色気というかさわやかな感じが持ち味で売れていた人だったと覚えており、だからこそまだこのころもそういう風に見えるのかと思う
お玉:仁科幸子。さして印象の残らず。人質に取られる回があり、そこが少ない見せ場の一つか

22 11月17日 花の吉原遊女斬り
及川縫/松岡知重
覚兵衛/南利明
梅川春雪/内田勝正
大吉/丹古母鬼馬二
田之倉十蔵/高木二朗
菊池大学/中田浩二
千草/久仁亮子
夕月太夫/神津友子
田村忠俊/土井健守
及川監物/土屋嘉男(ゲストでトメ)
一ノ関藩の殿さまが吉原へ。寝所へ行くと遊女羽衣は殺されており、殿さまに容疑がかかる。藩の家老及川の奮闘、陰腹で堀田摂津守に訴える、娘縫も男装で吉原へ行き調査。
一ノ関藩を狙う藩の主家伊達家筋の菊池による陰謀であった。
内田勝正は絵師、羽衣の美人絵と称して殺害現場の絵を描いて及川に買うよう脅す
大吉は付き馬の役、金さんに付き馬としてついていき、お仙に優しくされ泣く。羽衣が好きだったので真相をしり悪役の元へ殴り込みをかけ逆に殺されてしまう
福本清三、ノンクレジット、一ノ関藩の侍の一人として中盤の殺陣、顔がよく映らないので違うかも
新吾と遠山奉行と2度目の対面、今回はガッツリ。次のシリーズでは新吾は金さん=遠山奉行ということを知る設定になるそうで、そこへの布石か

23 11月24日 これにて一件落着
反吉/頭師孝雄
おつや/岡本麗
西海屋/菅貫太郎
/中村錦司
東山 3度目の対面 もうすっかり 遠山 奉行の 信頼 暑い部下
捨て。 きんさん=東山奉行気づくの遅い
第3幕に殺陣、第4幕は白洲の場面からという構成で、白洲の場へ遠山奉行と並んで鳥居が入ってきて、並んで着座。縁側に武士が座ることはよくあるが、座敷に入って奉行と並んでというのは初
正太という子供が途中から白洲へ呼び込まれる。遠山を見て金さんとつぶやく。大人がわからないのに、子供で気付くとは。
最後の場面では遠山が金さんとわかったのに言わなくてくれて、と礼を言っている。見直してみたら上記のつぶやいてる場面、心の中で喋ったことのようだ、口が動いていなかった。
鳥海の悪事も暴かれそうになっている(というか暴かれている)が、それで鳥居は恐れ入ってるわけでなく、すぐ失脚とはいかないのかもしれない。ウィキによれば次期シリーズにも出てくるようだ

頭師孝雄は大庭伊十郎:山内としお、捨丸:岩尾正隆と並記
新吾と大庭が同じ会に登場している
中村錦司は役名なしクレジット、この回の事件の発端となる惣兵衛という元大工の隠居が殺された事件(この件の白洲での裁きが冒頭)の惣兵衛役



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江戸を斬るVIII [時代劇]

03/23(木) 15:00 -
tvk1|55分|10倍録
[新]江戸を斬る 第8部 第1話「江戸を斬る」
05/09(火) 15:00 - tvk1|55分|10倍録
江戸を斬る 第8部 第26話「将軍暗殺の陰謀」[終]
3/2~5/9
オリジナルは1994年
第1話 1994年1月31日
第2話 2月7日 遠山桜が悪を斬る
茜:芦川よしみ(前・後編)
由井典膳:亀石征一郎(前・後編)
千石屋五兵衛:菅貫太郎(前・後編)
宇平:奥村公延(前・後編)
鬼塚十郎太:宮口二郎(前・後編)
鱶七:石山律雄(前・後編)
中馬平内:高峰圭二(前・後編)
おみね:荒木雅子(前編)
梵天丸の千次:成瀬正孝(前編)
前シリーズに続いて、第1、2話を視聴。この二回は連続もの。
そうかあ、いまウィキを見て、1994年と知った。7年ぶりなのか。なるほどと思える面がある。
ほんのちょっとだが里見浩太朗も変わった感じがした。
ゲストの菅貫太郎が言われてみればまあそうだが、だいぶ違う雰囲気。
森繁久彌が前シリーズと同じく水戸様の役だが、演技が異なっているように思う。会話の最後のところでアドリブめいたことをやっていたりもしている。なんだかちょっと下手になってる気もした。
また時代が進むにつれ時代劇がチャチになっていくという面があるが、ここでも数人、例えばゲストの芦川よしみ、がなんだか演技が下手だなあとちょっと思った。
OPタイトルでゲストも含めて全員のキャストクレジットになった。
EDタイトルでスタッフクレジット。いずみたくが「いずみ・たく」に戻った
ナレーションが杉山真太郎に変更。
内容としては前作を引き継ぐレギュラーキャストがいたり、役名のみで引き継ぐ場合があったりもするが全体的にリブートというか一新した感じになっている。
それは例えば、色川伝兵衛を小松政夫が演じているが、この回を見た感じではちょっとキャラ変で、お道化た感じがなく強面。
前シリーズレギュラーの太川陽介が名前が変わって結城正吾という同心を演じており、この配下がにお鈴、これは名前を引き継いでいるが、キャストは中野みゆきに変更、そしてその配下は出目の金太(谷幹一)とお喋り伝助(櫻木健一)となる。このお鈴については、親父の文蔵が結城正吾の父親の配下の岡っ引きとして働いており、それを引き継いでのお役目、この類のエピソードは例の二作品でも何度かあり、それはちゃんと劇中でメインエピソードとして描かれていたのだけど、ここでは短い説明台詞で済まされている。第7シリーズの初回はこれとまさに符合しており、お鈴の父親、文蔵のエピソードだったが、お鈴は文蔵の姪っ子であった。
ちなみにこのシリーズでお鈴は結城のことを若と呼んでおり、またお鈴は金太からお嬢さんと呼ばれている。
リブートといえど、金四郎が奉行になる過程などは描かれておらず、基本的にそのレギュラー陣の人間関係は、すでに設定済となっているところから始まっている。
町人で金四郎への協力者が一新。キャストクレジットの二番目に出てくる渡辺徹の蓬莱亭鶴亀、これは色々盛りだくさんのキャラ付けがされている。伝助に言わせると、瓦版屋で版下(記事)を書いているのは世を忍ぶ仮の姿、戯作狂歌黄表紙、何でもござれの物書きであり、その一方でオランダ医術の心得がある。金四郎の良き協力者であり、腕っぷしも強い、剣は使わず戦う。
その瓦版屋「版元蔦屋」の女将がお蘭で二宮さよ子。前シリーズのお仙のように、忍として金四郎に協力。二宮さよ子は特別好きな女優でここで出てくるとは思ってなかったから楽しみ。
この蔦屋にいる丈吉が佐野圭亮。番屋で検死をしている鶴亀についていたので、おれは番屋の小者の役かと思ったが、第3話で蔦屋にいたのでそれで気付いた。基本的に鶴亀にくっついている助手のようだ。
そしてレギュラー陣行きつけの料理屋「舟宿やなぎ」の女将がお柳で春川ますみ(この回でそう看板は出ているが、見逃していた、船宿なのかと気付いたのは第3話)。これも当然金四郎の協力者となる。そこの料理人には半の目の丁助で左とん平。大岡越前で「丁の目の半次」を演じている最中だ。
色川が連れている岡っ引きにはもぐらの半助でうえだ峻。
さらに金四郎の家の中が描かれる。これは前シリーズでは一切なかったはず。母親のたかに淡島千景、数回しか出ないようであるが。そして金四郎の家の用人で原田喜左衛門(西郷版での中村錦司が演じた用人と同じ名前だ)に鈴木ヒロミツ、こちらは多く出演するようだ
この回にはほかに。
徳川家慶:竹脇無我(第1話、第2話、第12話、第26話)
徳川斉昭:森繁久彌(第1話、第2話)
森繁はこの回だけか。
竹脇と森繁は私的な深い付き合いがあったと聞くが、この回ではしばしば二人、もしくは金四郎も入れて3人の場面が多く、森繁のアドリブ的演技はこの場でも出てくる
内容としては、御落胤騒動。こういう話でよくあるパターンは偽の御落胤を仕立てて将軍に目通りを企むというものだが、ここでは本当の御落胤であるという風に展開する。
いつものパターンでこの回ではゲストのように登場しその後レギュラーになるゆき(城之内早苗)とその姉の茜(芦川よしみ)。なんで姉妹の設定なのだろうと最初は思ったのだが。
この姉妹のうち茜が御落胤だとして話は展開していくが、実は妹のゆきのほうが本当の御落胤でありというあたりはうまく作られていると思った。そしてその目通りを企んだ悪役たちも茜が偽者だということは多分わかってはおらず、本当にそうだと信じてやった可能性も考えられるあたりもいい。
北の奉行として鳥居耀蔵(名和宏)、これは準レギュラーのようだ。色川の上司ということになる。
片桐新八郎(江藤潤)もレギュラー、結城の先輩という関係のようで、この二人が金四郎の側近同心となる。
石山律雄はよく善人面で登場し実は悪役という役でよく見るのだが、ここでは最初から髭面悪人相、徹頭徹尾悪役である

3/31視聴
第3話 2月14日 悪が群がる地獄島
赤不動の富造:織本順吉
宇佐見玄十郎:大場順
お久:桂木文
唐五郎:黒部進
伊豆屋お瑶(お澄):明日香尚
お絹:浅見美那
播磨:岩尾正隆
和泉の勘兵衛:有川正治
作州:石倉英彦
越中:福本清三
元吉:谷口高史
ゲストキャストについてはウィキをそのままコピペした。福本は役名ありながら、あまり多くは登場してないように思う。出ていることは確認できたが、これくらいなら、以前なら役名なしでもありえたくらいの出番でセリフもなかったはず。
内容はこれまでに数回見た、無法地帯の島(弁天河岸)に金四郎が潜入するというもので、見たことあるエピソードや演出がたくさんあった(島の元締の顔を誰も見たことがなく、意外な人物がそれであることが終盤でわかる(といってもそれは大物俳優がやるわけで、この回ではすぐわかったが)といったような)
この回の最後は金四郎の家の場面、占いをやっているのであるが、これは前回もお見合いを勧めてくる母親に対し、占いをやっている。そして、遠山家女中、キャストは「かおり:稲村友紀」かな、彼女が金四郎にあたしも占ってくださいとせがむというのもこの二つの回であった。お約束的場面になるのかもしれない
やなぎの女中は、多分お春、お夏、お秋。まだ見分けがついてないが。そしてそこに、前回の最後でやなぎで世話になることになった「ゆき」が入ってきている。まあゆきは女中ではなかろうが。
ゆきはこの回の終盤で島に入ってきており、見事な殺陣、そういう腕もあることが示されている。

第4話 2月21日 恋人を殺された女
おくみ:北原佐和子
喜和:浜田朱里
宮腰数馬:南條豊
大津屋惣兵衛:梅澤龍峰
伊之助:沢井小次郎
黒門屋島蔵:福山象三
西尾隠岐守:須永克彦
おくみは大津屋の息子、伊之助につきまとわれ、慰み物にされる。それを知った恋人の友吉が血相変えて追いかけ、そしてもみ合いになり、逆に友吉が伊之助に殺されてしまう。
検死や聞き込みを経て、上記がことの真相だろうという結論に、とここまでが序盤すぐに描かれており、それが結論の話にしては、早すぎる感じがする。
事件の目撃者がおくみと同じ長屋に住む、労咳持ちの浪人の嫁、喜和。夫の薬代のため、内緒で夜鷹ということで証言がどうしてもできない、という事情やおくみとのふれあい、そして奔走する片桐などが描かれる。結局金四郎は喜和にお白州での証言はさせずに解決に導いている
この回では片桐が多少フィーチャー。そこにつくのが伝助、そしてこの回にはお鈴、金太が出ていない。伝助の達者なおしゃべりも見れる。伝助と金太ではどちらかといえば伝助がフィーチャーされてる感じで、それは高橋元太郎と谷幹一が揃って出ているときに、後者がフィーチャーされてるのと似ている感じ(つまり新入りのほうがベテランよりも)
二番手クレジットの鶴亀の存在感がでかい。大岡越前での伊織みたいな役どころで、金四郎とため口ではないが気安い口ぶり、同心には上の立場という感じだ。
春川ますみのセリフにちょっと聞き取りにくいところあり。再度聞き直したらそうでもなかったけど。でもちょっと呂律が回ってない感じがある。
色川伝兵衛はキャラが変わったというようなことを上に書いたが、この回ではそうでもない感じになってきた。

第5話 2月28日 意外な目撃者
おとよ:東千晃
河内屋五郎兵衛:草薙幸二郎
幸助:頭師孝雄
鳴滝の荒蔵:深江章喜
浜吉:南川昊
一太:勝見和也(子役)
お才:山口朱美
殺人事件を辻占売りの女の子が目撃というところから始まる。これは女の子ではなく男の子。昼はしじみ売りをやっていて、やなぎにも出入りしており金さんや同心たちとも顔馴染みの一太。母親は病がちで家計を助けようと必死だった
女の子というのは見間違えでなく、辻占は女の子じゃなくちゃ売れないということで、そういう風な格好をしていたのだ。
事件は材木問屋の山城屋が殺されるというもので、山城屋は江戸の材木問屋の総元締。そして2年前にはその前の総元締だった井筒屋も不可解な事件で亡くなっていた。それは夜釣りに出ていてかっぱに引き込まれたのかと噂されていた。
疑いは山城屋と上野の東照宮の修復工事を争っていた河内屋に。
そして一太は井筒屋の息子だった。
ゆきの紫頭巾デビュー。ゆきはこれまでも事件が起きると聞くと、すぐ手伝おうとしており、第3話のときも勝手に潜り込んでいたのだった。で、そのたびにお柳は止めに入っており、今回も止めていたが、丁助がなにか耳打ち(で、丁助が箪笥を開ける、すると紫頭巾の衣装が映るのだが、そこでは意味がわからなかった)。金さんの殺陣の場面で、紫頭巾殺到と登場。おれはあの耳打ちは金四郎から許しが出たということかと思っていたが、桜吹雪丸出しの金さんは紫頭巾を見て「なんの真似だ」と。
エピローグでは、金四郎がお柳、ゆき、丁助に説教、するもなんともゆるゆる、最後は金さんとゆきが町を歩く場面にナレーション「桜吹雪と紫頭巾、親子庇って悪を討つ。ゆきのおてんば叱ってみたが、言うことを聞くはずもなく、苦笑いする金四郎であった」。ゆきのおてんば紫頭巾に金四郎が今後手を焼くということを示唆。
ここらを見て、なるほど、西郷輝彦と松坂慶子の時代の再演をしようとしているのだなとわかる。
桜吹雪刺青の演出が多い。今のところ毎回。第2話ではお白州でなく、将軍と御落胤の対面の場を急遽吟味の場とし、そこで桜吹雪を見せている
その映像的演出は手慣れたもので、これも水戸黄門に倣ってマンネリ、お約束の場面としようとしているように思う。

第6話 3月7日 義賊を騙る悪い奴
野ざらし清五郎:樋浦勉
守宮の丹兵衛:苅谷俊介
お静:舟倉由佑子
質屋「伊勢由」に賊が押し入り一家皆殺し。そこには「野ざらし 参上」と貼紙が残されていた。野ざらし清五郎は江戸から五年前に姿を消していた。当時義賊と呼ばれ、人殺しはしておらず、そこに不審を抱きながらの捜査となる。
やったのは守宮(やもり)の丹兵衛、野ざらし清五郎の隠し金を狙っており、おびき出そうとしていた。野ざらし清五郎には妻子があり、その妻を演じるのが舟倉由佑子。
お白洲では「野ざらし清五郎こと守宮の丹兵衛」を断じており、野ざらし清五郎の過去の罪も背負わせ死罪。野ざらし清五郎はただの清五郎として、うんぬん、と無罪放免ではないが、それに近い江戸所払いという結末。野ざらし清五郎は罪を悔いて・・・、みたいな描写もなく、反省しているわけでもないと思うのだが。
桜吹雪、紫頭巾の演出あり。紫頭巾の登場は唐突な感じで、どちらもいよいよ様式美。
ゆきの城之内早苗はあまりうまくない感じだなあ。
色川伝兵衛は前作までの感じになってきた。また鳥居耀蔵との場面は第1、2話ではなかったと思うが、それ以降はよく出てくる。叱られたり何事かを命じられたり、である
この回の放映が3/31で視聴が追いついた。以降は逐次視聴していく
03/31(金) 15:00 -
tvk1|55分|10倍録
江戸を斬る 第8部 第6話「義賊を騙る悪い奴」

第7話 3月14日 火炎地獄は悪の罠
法覚寺竜光(白狐のお竜):蜷川有紀
吉三郎:若菜孝史
相良屋三右衛門(相軽の三蔵):川合伸旺
不動坊:坂田金太郎
世直し様に江戸市民が熱狂、が、何か怪しいと捜査を進めていく、裏では盗賊の一味であった。という内容で、これまでに見た話、しかも蜷川有紀がその役をやっていたこともあったような、と検索してみると、なんと前のシリーズにあった。「第15話 火炎地獄の女」。
春川ますみのお柳も世直し様にご執心というあたりも見たことがあり、でも春川ますみは前のシリーズに出ていなかったはずで、さらに別の回であろう。
細かい部分では色々変えているのだろうけど、見覚えのあるエピソードがいくつもあった。お鈴が金太を連れて潜入捜査、金太を婿に取りたいが相性を見てくれ、と願い出るも、あっさり見破られる。世直し様は付き添いの若い男と盗賊の頭領から逃げ出そうと企んでおり、それを逆手に取られ、焼身成仏の行ということで、火をつけた中で行を行い、秘密の逃げ道を塞がれ、それを金四郎配下、お蘭に助けられ、白洲で証言する。など
潜入捜査のため金四郎が変装して、世直し様が活動している寺の前で占いを始めるという場面があり、そこでの里見浩太朗は後年の水戸黄門風変装である。この老人占い師は悪役たちに簀巻きで川へ投げ入れられるという場面が中盤にあり、そこから終盤でどっこい生きていたと悪役の前に姿を現すまで、金四郎が出てこないという風になっており、多少出番が少な目の回である
川合伸旺、登場シーンでは蔦屋に世直し様のネタを売りに来るみすぼらしい老人、まるで乞食のようで、彼にしては珍しい扮装、が、実は上方の商人ですでに楽隠居の身という身の上が本来、がそれも実は世を忍ぶ仮の姿(「世を忍ぶ仮の姿」という言葉は鶴亀を紹介するときの第1話でも出てきていて、これって聖飢魔Ⅱの影響だろうか)で、盗賊の頭であったという役
鳥居耀蔵は金四郎の敵役として存在感を放つかと思いきや、ここまで地味、出番も少なく、さして強い敵という感じでもない。
なお鳥居はこの回では、金四郎が行方不明と聞き、遠山の役宅へ見舞いに行ったり、終盤でいつも通り色川の失態をなじる場面では、書き物をしていて持っていた筆で小松政夫の顔に大きな×を書いたり(そもそも色川は世直し様の火事の現場にいたので顔は汚れている)と少し喜劇チックな場面が多い。

第8話 3月21日 悪たれ婆さんの涙
おくま:楠トシエ
久太郎:ひかる一平
楢屋宗兵衛:歌澤寅右衛門
洲崎の鉄蔵:長谷川弘
藤八:伊藤高
猪三次:逢坂じゅん
佐原屋清四郎:鈴木淳
江州屋:西山辰夫
:大橋壮多(役名なし)版元蔦屋に談合の話をタレこむ
:日高久(役名なし)おくまと仲間たちが飲みに行く居酒屋、おくまが蠅を酒の中に入れ因縁をつけられ、飲み代をただにさせられる
殺陣の場面で福本清三
「悪たれ婆さん」はお馴染みのキャラ。町中で仲間の男と組んでの芝居、自害を試み、止めに入る男、これが仲間だが、に不幸な身の上を語り、同情を誘って、価値のないものを高く売る「泣き売(なきばい)という騙りをやる婆さん。おれが覚えてるのは、大岡越前で赤木春恵が出ていたかと思う。そこで忠相の母親が騙されるという形だったと思うが、ここでも金四郎の母親たかが騙される。
ただその後の筋立ては違っているように思う、が、その違う筋立て部分はまたそれはそれで、ありがちなストーリーではある。
材木問屋の談合にまつわる話で、談合を主導するのは材木問屋の肝煎り、楢屋。その談合に従わなかった新参者である佐原屋は殺されてしまう。その殺人現場を見ていたのはおくま、実行犯はそれに気付くもおくまの寝ている振りに騙される、というのもよくある演出。
ひかる一平の久太郎は赤ん坊のころに生き別れになってしまっているおくまの実の息子、いまは佐原屋の跡取りとなっている。ここら辺の経緯はしっかりとは語られていないが、おくまのほうは佐原屋の若旦那が自分の息子であることは確信しているかのよう。
この生き別れの息子との再会というのもよくあるストーリー。こういう場合大抵白洲で涙の名乗りとなるのだが、ここではエピローグ場面でそれが行われている。
おれの覚えてる感じでは大岡越前での赤木春恵の回というのは、大坂にいる息子が江戸に来るから立派なところを見せたいと願い、忠相たちが手助けして、その婆さんを立派な商家の女将さんに仕立てるというようなものだったかと。
鳥居耀蔵、ここでも出番は少な目だが、悪の度合いは高い。楢屋と繋がっており、何があっても見逃してくれという願いを金をもらって聞き入れている
歌澤寅右衛門は大悪役には不似合いな感じである。先日見たのだが、「新・必殺仕事人 第8話 「主水端唄で泣く」」に出ていた佐山俊二みたいな感じである
演出のせいか、演技のせいか、ところどころチャチで興が削がれるところがある。言葉にはしにくいのだが。お約束の場面で、里見浩太朗が刺青を出す場面なんかはそこが見せ場なんだから、良いのであるが、紫頭巾が出てくるところなんかは、こんな場面入れなくていいのに、と思える。そういうお約束場面なんかは、はいはい入れましたよというやっつけ仕事的な感じがあり、それと同じ風に見えるのが、ストーリーを運ぶにあたって、この場面は、こっちの場面の前に入れておかなくちゃ、みたいなやっつけ仕事に見えるような場面もいくつか見られる
逢坂じゅん、聞いたことある名だなと思ったら、レツゴー三匹の人か。どこに出てたのかと探した、悪役だろうと白州の場面などを見たが見当たらず、最初から見直したら、最初の場面、おくまの騙り芝居の相棒だ。出番は多くはないが十分目立っている

第9話 3月28日 桜吹雪の大芝居
おなみ:北岡夢子
松平出羽守:清川新吾
丹波屋三右衛門:永井秀明
笹山陣兵衛:和崎俊哉
海野武太夫:高城淳一
菊江:山崎美貴
上州屋:塚本信夫
松ヶ枝:日向明子
ゲスト陣に有名どころが少ない。
これも見たことあるようなエピソードが多い。
お柳が顔見知りの商家の家族と寺で出会う。大名屋敷に奉公に上がることになる娘が両親と寺参りに来たと言い、お柳が喜ぶが家族は一様に顔が暗く、跡取り娘で亭主も決めているのに、断れなかったと。そしてその屋敷は評判が悪いと。このあたりは見たことあるエピソード
またサブタイトルの大芝居というのはその屋敷で行われていることがわかり、鶴亀が僧侶に化けてその大名屋敷に乗り込み、その娘を救いに行くということを指していて、それはすんでのところでバレてしまい危機に陥る、というあたりも見たことあるエピソード。ここでは、その場面で金さん登場で殺陣となる。
結末なのだが、その大名、松平出羽守は阿片狂いで女狂い、元凶にも思えるが、その用人笹山に腹を切らせ、松平の家は救うというもので、勧善懲悪ものとしてはちょっと疑問である。
チャチな演出のことを前回のところで書いたが、それに付け足し。
例えば、素人にわかりやすくするためか、「~~~ということだな」「~~~ということですか」とオウム返しでセリフを強調するとかもわざとらしくて嫌だ。
里見浩太朗の刺青の場面は良いと上に書いたが、白洲で刺青を出し、白洲へ引き出された罪人たちが驚くと、金さんが刺青を見せた回想場面が少し映るというのが、このところ多いが、これももわかりやすいが余計でもある

第10話 4月4日 仇討ち悲願の若旦那
高津屋藤兵衛:佐竹明夫
卯之助:西川忠志
泉州屋剛右衛門:奥野匡
板倉源十郎:佐藤仁哉
辰次:伊東達広
板倉典膳:田畑猛雄
鬼定:高桐真
清七:高井清史(高津屋の店員、清七とあるが、役名で呼ばれるような場面はなかったと思う)
例の二作品、特に大岡越前で、落語ベースのストーリーがよくあった。今回は落語ベースというほどではなく、おれが勝手にその落語を想起してしまってるだけなのだとは思うが、いくつか落語ベースっぽいところがあった。まず最初は完全に落語、卯之助が丁助からうなぎをさばくよう言われ、うなぎを取り出すが、うなぎは逃げ回り、どこまで行くんですよと聞かれ、それはうなぎに聞いてくれよ、と。うなぎをさばくよう言われた瞬間にこういう風になるなと予想できる。
次以降は勝手に俺が思っただけだろう。卯之助は高津屋の遊び好きな若旦那、勘当になったのをお柳が世話してやっている。甘やかすだけじゃだめだと金さんに言われ冒頭のうなぎの場面だったのだが、その次の場面では天秤棒を担いでうなぎを売り歩くことになる、とここらは唐茄子屋政談。続いて、卯之助の父親である高津屋が悪役の板倉源十郎に斬られるのだが、そこで悪役側は一芝居打ち、高津屋が酒を飲んで、侍(板倉源十郎)に無礼を働いた、と。そこでの言い草が、自分からぶつかっておいて悪態放題、挙句の果て差しているのは竹光だろうと馬鹿笑いした上、ペーっと唾を吐いた、という辺りは首提灯。
メインの場面ではサブタイトルにある仇討、ここで卯之助が名乗りを上げるところはどことなく抜けていて、落語で扱われる仇討(花見の仇討)のよう。
そしてエピローグ。ここで、やなぎで伝助がいつもの面々の前で落語家の真似事で小噺を披露する。こういう演出は落語ベースの作品のときによくあることで、じゃあ、落語ベースというのはまんざらおれが思っただけということでもないのかな。でもそれならもっと落語に寄せそうなもので、それにしては、落語の匂いというのは希薄ではあるけど。
出来栄えはよくないねえ。紫頭巾の出るタイミングはこれまでと同じく、ほとんど必然性もなく、ただお約束だから、と出てきているように見える。内容としても、悪役が高津屋を殺す理由、油問屋で値上げをせずにがんばる高津屋、そのせいで値上げをした泉州屋の油が売れない、というような理由。泉州屋が油問屋全体を仕切ろうとしているとかいう裏もあるのだけど。一つの店が安く油を売っていても、供給量がタイトなら値上げしたって売れるだろうし、その一つの店だけで需要が間に合ってしまっているのなら、その値と同じしなきゃ売れないだろうし。
やなぎの三人娘、これまでほとんど店の中での背景のような存在で、ほとんど個性が見られなかった。この回では、店の外へ出て、悪役三者に偽の手紙を渡し、ひとところに悪役を集める(仇討をするため)という任務を果たしている、といってもその出番は少しだけだけど。
最初のCMが入るタイミング。今シリーズでは第1話以外は前のシリーズと異なっていて、まず第1幕、OPタイトルクレジットやキャスト、スタッフクレジット、第2幕、CM、第3幕、CM、第4幕、CM、、第5幕、EDスタッフクレジットとなっていたのだが、この回では、第1幕、OPタイトルクレジットやキャスト、スタッフクレジット、CM、第2幕、CM、第3幕、CM、第4幕、EDスタッフクレジットとなっていて、これは第1話のときと同じ。
またCMに入る前のアイキャッチがなくなっている

第11話 4月11日 命を賭けた御用旅
風魔の滝蔵:浜田晃
疾風の銀七:椎谷建治
檜垣兵馬:山本清
団平:江幡高志
但馬屋重左衛門:久遠利三
むささびの軍兵衛:崎津隆介
お君:東風平千香
福本清三が悪役一味の中にいた、クレジットなし
途中、舟に乗るつもりで待ってる人々を置き去りにして悪役たちが船頭を脅し舟を出させて逃げる場面で取り残された人の中に福本に似た人がいるが、これは違う人だろう。
白洲の場面で終わるという終わり方、珍しい
西郷版だったかでそっくりの話があった。まあ毎度のことだが。序盤ではそれとは気付かなかった、そこら辺はあまり似ていなかったのだろう。
お鈴を人質に逃げる盗賊一味。その際負傷したのは結城。その人質にされた経緯から結城は責任を感じ、金四郎から止められるにも関わらず秘密で盗賊たちを追う(が、そうなることは金四郎はわかっていて、むしろ負傷の薬や痛み止め、金のことなどを鶴亀に頼んで渡させていた)。
お鈴は自分の持ち物を落として目印に。
途中で泊まった宿、女中は盗賊一味の仲間で、頼まれて酒に薬。が、それを金四郎は察知して、逆にその酒を女中に飲ませる。
金の隠し場所では、そこの目明し、団平も盗賊一味と通じており、団平に金を渡して、代官所手代を手なずけ、時間稼ぎをしてその間に逃げようとするも、金四郎はそのからくりを察知。とまあこんな感じ。
最後一団を捕まえる場面では、親分が馬で逃げようとする、というあたりも前に見たが、そのときは、馬で逃げるのを馬で追いかけていたと思うが、この回では、刀を投げて、馬を止めるという形。
また殺陣では桜吹雪を見せており、でもこれは旅もので、旅先で事件解決だから意味がなさそうだと思っていたら、盗賊一味は江戸へ送られ白洲となり、そこで桜吹雪の演出。そしてこの白洲の場面で終わっていくという形。
そうそう、盗まれたのは但馬屋という金貸し、大名にも金を貸していて、その大名家の借用書を盗賊は盗み、もし奉行所へ知らせたら、この証文をばらまくぞと口止めしており、そのため、①それを蔦屋に
但馬屋の女中、お君がネタ売りにやってくる。それを瓦版に書いたことで事件は明るみにでた、②一方但馬屋は鳥居になんとかしてくれと懇願し金を渡している(鳥居はその後何をしたかは特に描かれていない)という風に話が広がっていた。白洲の場面では但馬屋も叱られ、盗賊とともに極刑に処すとまで言われてしまっている。何か悪いことをしたのだろうか。

第12話 4月18日 情に泣いた娘掏摸
隼のお京:中野みゆき(中野みゆきがお鈴と一人二役 )
むささびの粂造:高原駿雄
豊後屋五兵衛:須賀不二男
六軒店の嘉市:南祐輔
千次:久保田篤
この回は「徳川家慶:竹脇無我」が登場。大岡越前で将軍様が出る時はそれを中心に話が進むのが普通だが、ここではさほど出番は多くない。はじめと最後にはキッチリ出ており、そこを中心に序盤と終盤のみの登場。
レギュラーのお鈴演じる中野みゆきが一人二役で、女掏摸、お京の役。このお京が、お忍びで市中徘徊している上様から財布を。で、上様の行方を捜していた金四郎が財布がなく困っている上様を助け、やなぎへ連れてきて事情を聞いていると、そこへお鈴がやってきて、お鈴そっくりの女掏摸がいることがわかるという風に、女掏摸、お京の紹介役という感じ。
お京が次にすったのは豊後屋。そこには抜け荷の割符が。
と、ここまで書いてきたとおり、ストーリーとしてはお馴染みの内容
須賀不二男、4年後に亡くなっており、もう晩年。びっくりするような衰えはない(そんなだったらドラマ出演できないだろう)が、そこはかとなく衰えの気配

第13話 4月25日 愛しい娘が殺人者
おいと:八木小織
桶屋米造:工藤堅大良
菱屋忠兵衛:宗方勝巳
おせい:野口ふみえ
利助:内田直哉
山木屋与兵衛:早川雄三
黒松三五郎:森章二
山木屋婆や:小林泉
居酒屋親爺:阿木五郎
これもお馴染みのストーリー。
まずは、過去に身投げしようとしているところを丁助に助けられた夫婦というのが登場。大岡越前で左とん平がそういう役をやっていたのを覚えていた。レギュラーになる前のゲスト出演だったことも覚えており、それゆえこのブログ内を検索したらすぐ見つかった。第8部「第12話 情は人の為ならず」。
その夫婦はいまは上方で小間物屋で成功している菱屋。身投げの際にまだ1歳の娘(おくみ)がおり、その娘は江戸で知り合いの左官屋に預けたのだが、便りがなくなり、調べるために江戸へ戻ると、その左官屋は亡くなっており、娘の行方が分からない。目印は胸の痣、とこれもお馴染みエピソードである。
一方その娘の現状。おいとは酒におぼれている父親、米造に尽くす孝行娘。が質屋の山木屋への借金が多額になり、おいとはその話をするため、山木屋へ。
山木屋には子がなく、甥の利助が番頭ではあるが冷遇されており、また、使い込みがバレてなんとかしなくてはならなくなっている。
そこで借金の請求のために行った米造のところからのみを盗み出していた。
おいとは山木屋に手籠めにされそうになり、抵抗していて、火鉢に頭をぶつけて気絶、起きると山木屋がのみに刺されて死んでいた。そののみは米造のもの、米造がやったと思い込み・・・。
おいとがそこを離れた後に、おいとが山木屋へ行ったと聞かされた米造がそこへやってきて、山木屋の死骸と自分ののみを見て、おいとがやったと思い込み・・・。二人がそれぞれを庇うため自訴してくる、とここらもお馴染みの展開である
福本清三がやくざのところの用心棒役で殺陣に登場
そういやここのところ、やなぎの女中が二人になってるなと思ったら、お秋は、第11話までの出演とウィキにある。
サブタイトルの「愛しい娘が殺人者」で、やっと見つけた生き別れの娘が闇落ちしていて身の毛もよだつ殺人者だったみたいな衝撃的な内容を想像してしまったが、そんなことにはなるわけもない

第14話 5月2日 女を狙う吸血剣
三宅佑之進:大竹修造
三宅園絵:丸山ひでみ
大町軍之介:松原一馬
坂部矢一郎:井上高志
赤石屋利助:森幹太
丹後屋勘右衛門:内田稔
芝本正が役名なしのクレジット、辻斬りの下手人、大町軍之介の父親で旗本、しゅり(漢字だと修理かな)という名が作中で使われている)
これもお馴染みのストーリー
女ばかり狙う辻斬り、犯人は旗本の息子、取り巻きには刀屋や御家人の坂部矢一郎などがいる。
一方で浪人の三宅は病に臥せっている妻を抱え、魚を取ってはやなぎに売りにいく。また仕官を願って親戚筋の坂部に頼るも三両程度じゃ無理と十両を要求されたりもしている。
そして蔦屋の瓦版による辻斬りへの注意呼びかけなどで、江戸の町も警戒モード。それを断ち切るには、下手人を仕立て上げようと、三宅が罠に嵌められる。
鳥居に急かされた色川が三宅を捕まえてしまい拷問の場面がある。ここで珍しく色川が、妻が病気という三宅の泣き落としに心動かされる場面(といっても色川からこのことを持ち出しているのだが)がある。また、ラストでは、これはいつものことだが鳥居が色川を叱責しているのだが、「遠山様大手柄」という瓦版に鳥居は、「あの浪人に口を割らしておけば このようなことにはならなかった」などととんでもないことを言っており、さらに、色川に向けて弓矢を放っている。とんでもないやつだ

第15話 5月9日 穴から噂の大泥棒
名張の彦六:高城淳一
伊勢屋甚兵衛:多々良純
善兵衛:頭師佳孝
もぐらの安吉:海津亮介
大喜(大口屋喜兵衛):須永克彦
にこごり伝八:武井三二
珍しく、これまでに例の二作品であまり見たことのない話。穴を掘って他の家に忍び込むというような話で鬼平に同じようなトリックを使った回があったような覚えがある。
多々良純というのは悪役ばっかりの人ではなく、ここでも悪役ではない。行き過ぎたケチの質屋で、そこの描写は喜劇的(落語で出てくるケチのような)になる。給金いらないから働かせてくれという若者がやってきたのを潮に、番頭の善兵衛を辞めさせてしまうが、その若者は盗賊一味で、伊勢屋の地下の蔵から穴を掘りだした
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瓦版の蔦屋で新しく始めた広目のチラシが大当たり。商売繁盛に沸き返る中、一枚の奇妙なチラシに因業な質屋がひっかかった。早朝から夕刻まで書画骨董の手入れに通う間、質屋の地下蔵はまんまと盗人一味の秘かな巣窟と化し、大掛かりな金蔵破りの計画が進んでいた。金四郎の推理が冴える
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文章にするとさほど珍しい話のように思えないかもしれない。引っ掛かった伊勢屋と盗賊一味の陰謀とが同じくらいの分量で描かれている

第16話 5月16日 幼馴染が悪の手先
森戸要介:伊吹剛
文助:冷泉公裕
遠州屋甚右衛門:久保晶
般若の虎五郎:福山象三
長次:西田良
森戸良江:武田京子
小山一作:野口貴史
牧冬吉(役名なし、岡場所の女郎屋「吉野家」の主)
サブタイトルの「幼馴染が悪の手先」は片桐新八郎と南の同心、森戸要介を示しており、森戸要介がアヘン売買をやっている遠州屋と般若の虎五郎の一味に加わっているという話。
金さんの殺陣の場面では、森戸を説得しようとし、ついには説得に応じ、金さんに助力、撃たれそうになる金さんを身を挺して庇い死んでいく、この場面で片桐のみが登場し、森戸を抱き抱え、森戸は最後の言葉を吐いて彼の腕の中で死んでいく。この死んでいく場面は結構長く、この作品では常に主役のみに見せ場が作られるのでちょっと珍しい。
また、この金さんの説得で森戸は金さんを北町奉行とわかったようにも見える、まあ何者かわからないが、大物であることを察したという程度かもしれない。
まあこんなこといっても仕方ないが、毎度桜吹雪で事件を解決してたら、町人には知られてないとしても、少なくとも奉行所の面々はそのことを知ってるのではなかろうかと思う。

第17話 5月23日 仮面の下で笑う奴
道玄(佐助):沢竜二
おりん:高島礼子
佐原屋三蔵:外山高士
道玄検校:梅沢昇
新吉:高橋弘志
沢の市:徳田興人
福本清三がクレジットなしで出演。白洲の場面で裁かれる側の後ろに座っていて気付く。見過ごしているだけでそういう回はいっぱいあるのかもしれないが、この回ではあまり目立たない形。白洲の場面では後ろに5人が並んで座っていて、福本は一番右側(向かって)。福本を除いて四人がよく映り、福本は一回だけしか映らない。
殺陣の場面にもいるはずだ、と見直してみた。いることはいる、が、ここでも顔はほとんど映らず。多分この人だなと見当をつけて、静止画面にしてようやく気付く程度。
検校による金貸しの話。お蘭の知り合いに芸者のおりんがいる。商家で働くおりんの弟、新吉が得意先で預かった掛け金をなくし、その穴埋めのための金を道玄検校に借りる。利子が積もり、莫大になり、それをおりんを最初から狙っていた穀物問屋の佐原屋が立て替え、おりんは佐原屋に囲われることになる。という顛末を聞き、金さんたちが動き出すと、佐原屋と道玄検校の繋がりが見えてきて、道玄検校は目が見えていることもわかり、さらには先代道玄を殺した疑い迄出てくる。
白洲で裁かれるのは先代を殺した件、おりんについては、佐原屋に囲われる前に助け出してしまっている。また新吉が金をなくした件については佐原屋がすりに命令してすったのではないかという疑いを結城が指摘していたが、そこら辺は放ったらかし。

第18話 5月30日 育ての父が親の敵
備前屋弥兵衛(弥十):長谷川明男
宇之吉:垂水悟郎
お久:上野めぐみ
不知火定五郎:伊藤敏八
火事の場面から始まる。そして焼け出された人々に炊き出しを施し、困っている人にはいくらでも米を放出するという、米問屋の備前屋弥兵衛。人々からは生き仏と称させるもの、その備前屋をにらみつける岡っ引きの宇之吉(お鈴はおじさんと慕っている)。そしてその備前屋に長谷川明男といういかにも善人面の裏に悪の顔が似合う配役。
と思っていたが、予想からは外れていく展開でちょっと驚いた。そもそもサブタイトルの「育ての父が親の敵」というあたりからもその気配(備前屋が大悪役でなさそう)は感じてはいた。
確かに弥兵衛、当時弥十と名乗っていた、は火付け強盗をやっていたが、その相棒不知火定五郎こそが殺しをし、火付けをしており、弥十はむしろそれを止めようとし、さらに火の中から、その家の娘、お久を助け出して、実の親のように育てていた。
そして生き仏と称される炊き出しなどの善行も、悪の顔を隠すためでなく、自らの過去の悪事を悔いその罪滅ぼしを動機としていた。
そこらへんを強調するために、定五郎はその悪事の真相を金さんにペラペラと喋る殺陣の前の場面で、火付けはこのおれ一人がやったこと、弥十は臆病者、だから奪った三百両の中から奴にくれてやったのはたったの十両などと言っている、ドラマとして、弥兵衛がそれほどの悪人でないことの強調だろう
殺陣の場面ではいかにも紫頭巾が出てくるきっかけのようなところ、人質に取られたお久に刀が突きつけられ、金さんがたじろぐ、ここで紫頭巾は登場しない。この回はゆきが出ていないのだ。で、金さんが自分の腰のあたりにこっそり手を伸ばし、簪のようなものを投げていた。
その後お蘭が忍の姿で登場しており、なら、お蘭が紫頭巾の代わりに金さんを助ける役割をやらせればいいのに、と思う
伊藤敏八、典型的な時代劇の悪役キャラで平凡な役作りでありながら、例えばセリフ回しがうまいところがあったり、対象人物の背後から腕を相手の首に巻き付け相手の体を勢いよく引き込むというプロレスのような技に迫力があったりで、なかなかだと思った
慕う宇之吉が殺されたお鈴の敵討ちという面もある回のため、そこら辺、例えば殺陣の場面で、定五郎を何度も殴りつけるお鈴や、エピローグでは墓参りの場面などがあるも、やはり例の二作品では主役こそがメインであり、お鈴のほうのエピソードは大きくフィーチャーはされない

第19話 6月6日 浮世絵に死の匂い
唐麿(吉次):西沢利明
三田村陣十郎:小沢象
沖乃屋源左衛門:草薙幸二郎
赤鬼の銀八:長谷川弘
謎の浮世絵師、阿片漬けの女の死骸、浮世絵に書かれた女が何人も疾走、阿片の抜け荷、女を外国に売る算段。とこんなありがちなキーワードの話なのだが、話の組み立て方がうまいのか、かなり新鮮な気持ちで見れた。そして、そういう目新しさの一端を担っているのかどうか、大きなストーリーではない部分のことなのだが、お約束の場面、お約束の展開となるところで、一ひねりしてあって、予想通りに進まないということがいくつかあった。
例えばその一つ、紫頭巾の登場となりそうな殺陣の場面、金さんの前に人質が露わになり、刀を捨てろと言われるような場面、ここで人質として出てくるのが、ゆき。これじゃあ紫頭巾が出て来れるわけもなく、ここではいつもとは違う展開になる。自分も阿片中毒の絵師、唐麿がそこへなだれ込んできてしまうという展開。
この場面の後には、身軽になったゆきが、刀を持たずに殺陣に参加。これまであまり殺陣が上手だとは思わなかったが、ここではカンフー風の足技が見事。
さらにこの場面の後、殺陣に参加していたお蘭が悪役のひとり、観桜奉行所組頭の三田村をやっつけようとするも、丁助が割り込んで、三田村を助けてしまい、さあさあこちらへと救い出してしまう。これも珍しい展開。そして、屋敷まで連れ戻し、そこへ金四郎がやってきて、自害を勧めるという流れ。
ゆきは冒頭に唐麿から絵に描きたいと声を掛けられており、その後の展開で謎の浮世絵師が事件の中心にいると知り、誰にも言わず出かけてしまうという流れで潜入捜査。
お蘭のほうは、金四郎が相手に餌を撒くという形で送り込んだ密偵。
そうそう、お蘭のほうは、「今までとはがらりと趣向を変えて」ということで「危な絵」なるもののモデルにされている。鎖につながれてモデルにされており、それこそ「危ない絵」。裏ビデオ的なものだろう。
西沢利明が絵師の役。これまでもこういう役をよくやっていたと思うが、ちょっと老けた感。西沢はこのとき58歳、老齢の絵師という役ではなく、かつて彼がやってたようなもうちょっと若いイメージのキャラの役だからちょっと老けを感じたのかな。
草薙幸二郎もおれが多く見た時代劇のときよりちょっと老けた感がある。
時代劇でよくある展開だが、この回でも浮世絵を見て、「あ、この女!」とその女が例えば先ほど死体となっていた女だとわかったりする。浮世絵じゃ、デフォルメされてるからわからないと思うんだけどなあ

第20話 6月13日 父の敵は十手持ち
駒吉:河原崎建三
おしづ:本阿弥周子
由松:西尾塁(子役)
岩造:石山律雄
木颪の勝蔵:成瀬正孝
留次:栗田芳廣
金貸しを殺し江戸から姿を消して逃げている男、駒吉。その女房おしづと息子の由松はおしづが病気がちで伏せっており、由松がしじみ売りで稼いでおり、やくざにいじめられてるところを金さんに助けられしじみを売るためやなぎを紹介されるなど知己を得る。
駒吉が江戸へ戻ったらしいとの知らせで調べていくと、実は駒吉が殺しをしておらず、やったのは木颪の勝蔵で、その工作に力を貸しているのが十手持ちの岩造。
という見たことあるようなストーリー。しかも本阿弥周子と河原崎建三で見たような気がして、このメモブログを検索してみた。大岡越前12部に「第10話 恋しい父は逃亡者」というのがあった。これは河原崎次郎が出ている。本阿弥周子と河原崎建三は出ていない。
そして同じく大岡越前12部に「第2話 無慈悲裁いた怒りの白洲」というのがあり、ここで本阿弥周子と河原崎建三夫婦役。そのどちらも内容を読んで思い出してきたが、おれはこの回を見て「しかも本阿弥周子と河原崎建三で見たような気」と思ったのはこの二回のことをごっちゃにして思い出したいのだった
本阿弥周子44歳、河原崎建三51歳、石山輝夫52歳
19話と20話でのレギュラー陣。19話には鶴亀が出ていてお蘭は出ていない。20話では逆。そして19話には片桐が出ていて結城が出ておらず、20話では逆。両方ともコンビで出ているようなレギュラーなのでちょっと違和感。

第21話 6月20日 遠山狙う能面の女
梶浦沙織:山本みどり
弥五平:小鹿番
梅津剛太夫:亀石征一郎
玄海屋島蔵:梅沢龍峰
梶浦主馬:西園寺章雄
梶浦小次郎:勝見和也(子役)
権次:福本清三
丑松:広瀬義宣
能面で顔を隠した女から金四郎(浪人姿で名前を聞かれそこに咲いていた藤の花から藤木左近と名乗る)が北町奉行遠山景元を殺してほしいと頼まれるという話で、これは例の二作品の中であったはず。確か大岡越前ではなかったかな。
94年の作品ということで、常連の時代劇俳優が見慣れた顔から老けているということを再三書いたが、ここでは亀石征一郎、さほど老けた印象はない。ただ、江戸留守居役という貫録のある役なので、そこはそれなり。西園寺章雄は少しだけの役(沙織の夫で、藩の潔白を信じさせようと遠山の前で自害したと聞かされている、回想シーンのみの登場)だが、あまり老けは感じられない
小鹿番というのはいい役者だ。ここでは遠山を仇と狙う沙織についている小者で、初老の忠義者を演じている。特徴のないところが特徴とでもいうか。どこにでもいそうなおっさんの感じが良い
福本清三は役名あり。普段と同じような風貌であるが、先生と呼ばれる用心棒たちは別におり、彼はここでは、抜け荷の廻船問屋で人夫を束ねる男の役。白洲の場面で裁かれる玄海屋の左後ろで、玄海屋の顔が映るとき常に映っており、金四郎と玄海屋のやり取りを聞きながら表情が変わるところがじっくりと見れる。ここは福本ファンには見どころであろう。
おれはそれに詳しくないので文章として書くのが大変なのでもどかしいのだが、時代劇で髪型や服装でその人の身分がわかるようになっているというのがある。その髪型や服装の名称がわからないのだが、今回は冒頭、そしてほぼ一貫して、金四郎が、浪人姿。髪型は金さんとも金四郎と違って、それこそ福本清三の先生と呼ばれる用心棒のときのアレ(今回の福本清三もその髪型)。
そして冒頭ではやなぎの表をうろちょとして、やなぎの女たちに怪しい人がいると恐れられるも、顔を見せると金四郎。「この格好、どっかの誰かと似てやしないか」に女たちが「仮名手本忠臣蔵」「五段目の」。金四郎「定九郎よ」、と金四郎は定九郎を真似たようだ。で、金四郎が「中村仲三とおれと、どっちがいい男かな?」と聞くなど、中村仲三の逸話をネタにしている。
桜吹雪の場面では、銃を撃たれ、服が乱れて刺青が露わになり、それじゃあしょうがないと、桜吹雪を全部見せるという演出。さらに二発目を撃とうとしたところで紫頭巾。
色川が出ていないが鳥居耀蔵が出ている。普段は色川絡みで出てくる鳥居なのでこれは珍しい。

第22話 6月27日 噂の名医は牢の中
小野洪石:本郷功次郎
源田洞庵:船戸順
明石屋重兵衛:幸田宗丸
おふじ:丸山ひでみ
大店主人:須永克彦
悪徳医師が洞庵。善玉の名医は洪石で鶴亀の友達。洪石は金持ちから金を多めに取り、貧乏人からは無理な取り立てはしないということで町の人気者、洞庵は、洪石がいかがわしい治療で患者をかっさらったとの町医者たちの嘆願書に金を添えて鳥居に頼む。鳥居は洪石を色川に捕えさせた。さらには騒ぎ立てた瓦版に逆上し鳥居は鶴亀も色川に捕らえさせて牢へ。
色川は鳥居の無理難題に少し反抗し、本意でないという態度で捕縛しており、色川のそこら辺の心情を金四郎は汲んで作戦を進めるという風に少しいつもの色川と違う感じ
須永克彦、なかなか顔を覚えられなかったが、この頃数回見て、ようやくわかるようになってきた。出番少な目

第23話 7月4日 凶賊が探す女の謎
桔梗屋おしま:三浦リカ
津波の徳蔵:小林昭二
吉次:高原駿雄
岩五郎:黒部進
弥十:大木正司
久米吉:吉田次昭
直助:久保田篤
丁稚:及川潤(子役)
クレジットで全員役名ありという珍しい回。
これまでに何度か見たストーリー。石川島人足寄場から囚人が脱走、脱走しなくてももうすぐ出られる囚人たちだった。一人が怪我。やなぎへ押し入り人質にして立て籠る。やってきた結城も捕らえられて人質になってしまう。その勇気の着物を着て囚人は街をうろつく。囚人たちは親分が死んだと聞いて、隠し金を奪いに来たのだった。というような内容。小松政夫の同心が捕まるという回があったはずである。
全部が同じでないかもしれない。例えば、この回では脱走したのは3人で皆仲間だが、前に見たものでは、ひとりは舟が漕げるとかなにかしらの理由で無理やり仲間に入れられ。その無理やりに仲間に入れられたのが、もうすぐ釈放のはずなのに、という風に脱走犯たちの意図を推理するというような内容だったり、出てきた脱走犯が同心の着物を着て、大勢の仲間に会いに行く場面があった回とかがあったような記憶がある。
やなぎの女中、お春とお夏。ここまでほとんど活躍もなく、キャラの違いも見えずだった。こういうのは演出のせい(わざと目立たなくしてるのか否か)なのか、おれの見る目のせいか。前シリーズではあまり目立ってはいなかったが、キャラがついているため見分けはついたのだが。
で、今回、初めてちょっと活躍らしいことをしている。でもどっちがどっちかわからないのだけど。多分、お春のほうが、見回りに来たお鈴と対面、後ろからは脱走犯に小刀を突きつけられている、というような場面が二度。
さらには、その脱走犯に女中の内のひとり、これも多分お春のほうが犯されそうになり、両足がモロだしになる場面もある。この場面のところでやなぎの様子を不審に思ったお鈴がやってきて、そこに多分お春が応対、そんなことをされたばかりなのに。ここでお春ちゃんと呼びかけられており、それはその前の場面、一回目のお鈴の訪問のさいに、お春が身体の具合が悪くひとりで留守番をしていると言っており、それを踏まえて。
この回は丁助は親戚の法事で不在ということになっており、また鶴亀もお蘭も出ていない。
小林昭二は回想シーンで出番は短い

第24話 7月11日 贋金の夢を見た
与吉:工藤堅大良
お民:小鹿みき
唐島屋重兵衛:歌澤寅右衛門
およね:今井和子
岩鼻の源造:福山象三
紋次:岡部征純
福本清三がノンクレジット、悪役側の用心棒で殺陣に参加
冒頭に富くじの話題。そして工藤堅大良が博打狂いとして登場してきたことで、富くじと工藤堅大良って前にも見たことあるなと思い出す。が、この富くじの話題はツカミであり、本編には絡んでこないで、エピローグでまた使われるという風になっていて、富くじがこんな風に使われるのは珍しい。メインストーリーは偽金作りで、博打好きの与吉が飾り職の腕を買われて、博打を餌に仕事をさせられそうになるも拒み、今度はその女房を人質に無理やりやらせるというようなストーリーでこれまでに何度か見たようなもの。
紫頭巾、登場のときは、いつも悪役が誰かを人質に取るなど金さんが窮地に陥ったところで登場するが、今回は異なり悪役が逃げていくところで登場。
工藤堅大良、岡部征純、常連組だが、あまり老けは感じられない。歌澤寅右衛門、福山象三の二人も常連と言うほどではないがよく見る顔。こちらもあまり老けを感じない、この二人は元から老けてるときを見ていたともいえる

第25話 7月18日 復讐剣が闇を裂く
お志満(紅玉):佳山まりほ
王呂海:清川新吾
唐沢弥太夫:南原宏治
彦十:武藤章生
浦戸屋吾兵衛:田口計
八幡屋惣助:唐沢民賢
大村屋善右衛門:田中弘史
玉井屋長兵衛:玉生司朗
サブタイトルと冒頭に出てくる清国使節団の将軍へのお目見えという話題で、内容は大体想像でき、その通りの内容。清国使節団の女が12年前闕所になった長崎の商家の娘で親の仇を討つというもの。
で、その割にその女と清国使節団の関わりの描き方が少なく、つまりその清国使節団の描写は冒頭に出てきた後、全然出て来なくて、最終幕(この回はOPタイトルの後CMなので、最終幕が第4幕となる)にようやく出てくる。
その最終幕での清国使節団が出てくるところ、悪側が事情を悟り、罠として清国使節団を招待するのだが、それを金四郎が変装して身代わりになり招待に応じるという場面で、金四郎とお蘭(と敵討ちをしようとしている紅玉)が清国人に化けて悪側と対面、変な発音で会話するというところはエンタメ的見どころか
田口計や南原宏治は時代劇の常連、あまり老けを感じない

第26話 7月25日 将軍暗殺の陰謀
小津庄兵衛:大山克巳
小津保馬:倉田てつを
沖永久左衛門:石濱朗
森口屋冶兵衛:小沢象
稲垣主殿頭:佐藤英夫
宇部三五郎:浜田雄史
用心棒:福本清三
「徳川家慶:竹脇無我」が出る回、お忍びで市中徘徊、その際に浪人から狙われるというOPで将軍暗殺を狙う一橋家の陰謀というストーリーで、これまでに見たことあるようなストーリーが目白押し。
最初家慶を狙った浪人は小津庄兵衛で、相手の素性を知らされないまま息子の医者になるための長崎への勉学代のため殺しを請け負ってしまった浪人、これはストーリー上の悪役ではなく善玉。相手が将軍であるらしいとわかり逡巡というような展開で、最後の対面の場面で将軍とわかり、悪役からの銃撃に身を挺して将軍を守る、というのも見たことあるエピソード。
将軍が市中徘徊した理由が目安箱の投書で、金四郎の不正が書かれたもの。で、金四郎が配下に目安箱を見張らせると、その日には10通投書された。が、将軍に届いた投書は11通、投書箱が締め切られた後に、忍びこませた投書、というのもの見たことあるからくり。
福本清三は役名ありでの出演。悪役側に用心棒はいつものようにたくさんいるが、その中でもリーダー格で、出番は少ないものの目立つ演出、剣の実力のある「できる」用心棒の役、白洲の場面でも首謀者の右後ろに控えており、第21話と同じく奉行とのやり取りの際の表情の変化もよく見れる
鳥居耀蔵が久々の登場。クレジットで見てずいぶん久々という気がした。ウィキには25話にも出演していると書いてあるが、当該回には出演していない。
悪役は森口屋と一橋家の用人である沖永なのだが、森口屋は鳥居にも金を持って行き、そこで鳥居は意味ありげな言葉、一橋家にも内緒で暗躍しているようなことを言っており、ちょっと複雑そうなストーリーになりそうだと思ったが、そこはあまり生かされていない。
竹脇無我はうつ病になったと聞いているためか、どうにも重々しく暗い感じで、でもそれが良いともいえそうで。調べてみるとこの94年というのはちょうとその頃らしい

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主要登場人物に結城とゆきがいる。序盤の回で一瞬聞き間違えたことがあった
鶴亀はよく英語を喋る。現代的で喜劇的な演出といえるだろう
紫頭巾の登場場面、松坂慶子のときはどうだったか、今シリーズでは、金さんの殺陣の場面で一瞬金さんがひるむようなところ、例えば、銃を向けられるとか、人質を前面に出されるとか、そういうときに、鈴を敵に投げて登場となるのだが、鈴を投げたにしては、その場とは全然違うような場所を走る紫頭巾(毎回同じ映像だと思われる)として登場。まあそこはお約束ということだろう。その後金さんがお転婆が、と口走り、ゆきをにらむと、ゆきは笑顔(この頭巾から目だけが見える笑顔というのが垢抜けてなく素朴で良い)というのもほぼ決まった展開。ゆきの殺陣は短め。
「いずみ・たく」という中黒ありの表記だった(番組最後のスタッフクレジットなので普段は見ないため見た回で確認。全部を確認したわけでないが)
最初のCMが入るタイミング。OPタイトルの後に入る回とOPタイトル後第2幕があり、その後にCMというパターンとは規則性はなく、どちらかに偏ることもなく、どちらもパターンもあった

さて江戸を斬るシリーズは全視聴済み
続いては・・・、なのだが、今春時代劇再放送の録画が忙しい。どういう風に見ていくか。とくに、この江戸を斬ると同じく、遠山の金さんを主人公にしたシリーズが二本も始まっており(一本はこの江戸を斬るが終わった後に同枠で開始、松方弘樹終演、もう一本は杉良太郎主演)しかも、どちらも月金の放送なので、どんどん溜まってしまうので、逐次視聴していきたいところだが、二本を同時進行で視聴していくとごっちゃになりそうで・・・。でも見比べというのもいいかな

鬼平外伝 最終章 四度目の女房 [時代劇]

02/11(土) 18:00 -
BSフジ・181|115分|DR
<BSフジサタデ―スペシャル>鬼平外伝 最終章 四度目の女房

01/27(金) 19:00 -
tvk1|120分|15倍録
時代劇「鬼平外伝最終章 四度目の女房」

上にコピペしてあるように、最初TVKで放映された。まだ見てないやつだ、やったーと歓喜しながらも、すぐには見れずにいた。そうしたら、間を空けずに、今度はBSフジにて放映。2016年の作品で、ようやく、こちらの放送局でも放映できるようになったということだろうか

主人公の伊之松は盗賊「赤池の綱右衛門」一味。そのお勤めは数年おきに大きな仕事。その間、配下は散り散りに市井の暮らしを方々で行っており、伊之松は大工として町人として暮らすのだが、人に好かれる性質で、女房を持ちそれに馴染むような生活を繰り返している。序盤は伊之松の四度目の女房(だったということは後で明かされるのだが)、おりつ。が、ある時、「おりつをきらって去るのじゃない いの」という言葉を行灯の障子紙に残し、伊之松は消える。お勤めの指令が来たのだった。
この後は、伊之松とおりつの離れ離れの生活が描かれる。伊之松はこの四度目の女房、おりつに本当に惚れており、それが五人目の女房をもらったときの様子で、その女にどうも馴染めない状況が描かれ、その際にそういうことを留三に告白している
そして終盤、仁吉、これはおりつの向かいの家に住んでおり、おりつにちょっかいを出した人物なのだが、彼が赤池の綱右衛門配下となり、伊之松が面倒を見ることになる。とここらあたりで、その後の展開は読めるのだが、それでも一ひねりある感じで、予想通りとはいかない。
伊之松と仁吉が二人きりで話をしていると、仁吉が女自慢をしだし、そして予想通り、おりつの話をしだす。が、その話は中盤で映像で見せられてるものと異なり、言うこと聞かないから殺したと言い出す。中盤にあったのは、言い寄ったら断られ、おりつは強引に逃げ出していたのに。
おやおや、どうなるんだろと見進める。もう最後の一幕だ。
伊之松は仁吉が女を埋めたという場所を掘り返し、女の遺品を見つけ、仁吉に詰め寄るが、あの話は嘘だった、殺したのはその女を言い寄って逃げられ、その時、そこにいた別の女だ、と。
伊之松は長屋の大家にその頃の様子を聞き、仁吉よりも先におりつがその長屋を出て行ったこと、その数か月後に、そのことを謝りにきたことなどを知り、おりつが生きていることを知る。
そしておりつを探しまわる伊之松は川の向こうにおりつを見つけ、駆け寄ろうとしたとき、組織の人間に囲まれ(掟を破っていなくなってしまっていたので)、そして殺される。
死骸が見つかったという知らせをおりつは聞き、運ばれるのを合掌して見送る、が、それが伊之松だということは知らない。というエンディング。

火付盗賊改はほとんど出てこない。ほんの少しだけの登場。鬼平の名前もほんの少しだけ出てくる程度。
伊之松や赤池の綱右衛門一味の捕縛というようなストーリーではない

終盤は素晴らしい出来だ。序盤中盤も全然悪くない。全体的に、特に中盤までは静かでゆったりとしたテンポで、その加減が尋常でない感じ。

出演者では主演が片岡愛之助。他に高橋長英、本田博太郎は気付いたのだけど。ほかはよくわからず。山本陽子が出ていたとはなあ。芝本正はそれらしき人を見たが、そうかどうかはよくわからなかった。2018年に亡くなっており、もう晩年だ。

ところで。この市政に紛れて暮らす盗賊の配下が女房を仕事ごとに変えるという設定は確か鬼平にもあったはず、と思いながら見ていたが、調べてみたら、そのものが第2シリーズの11話でやっていた。なあんだ、そうか。
確かに、上に尋常でないゆったりさということを書いたが、縮めれば余裕で1時間になるなと思った

いやあ、待ってましたという見るのが最高潮に楽しみな作品だった。こんな作品はもう今ではほとんどない。好きなシリーズである吉右衛門版鬼平の未見の作品といってもよさそうな、といっても吉右衛門は出ていないけど、同じような匂いの作風だ。
必殺は新作が作られてるけどあまり期待してないし。

期待といったら、新作映画で仕掛人梅安がいま公開中で、さらに鬼平も作られるとのこと。これは楽しみではある



江戸を斬るVII [時代劇]

オリジナルは1987
今回放映分はTVK1/31~3/22

第1話 1987年1月26日 江戸を斬る
第2話 2月2日 桜吹雪が悪を裁つ
中野石翁:内田朝雄(前・後編)
お美代の方:中島ゆたか(前・後編)
伊豆屋金兵衛:名和宏(前・後編)
石川兵庫:滝田裕介(前・後編)
権蔵:藤岡重慶(前・後編)
伊平:近藤宏(前・後編)
宗助:南道郎(前・後編)
鬼頭鉄心:伊吹聡太朗(前・後編)
儀十:森章二(前・後編)
伝次:友金敏雄(前・後編)
伊豆屋用心棒:岩尾正隆(前・後編)

まず第1、2話を視聴。これは前後編の構成。
本編第1幕後にキャストクレジットがあるのはこれまでと同じ。そこに出てきたキャストの豪華さに目を奪われる。そして第2幕のところで、次から次へと馴染み深い人が登場し、さらにはキャストクレジットで名前がなかったように思う人も出てきて混乱。その豪華さに興奮したか話が入ってこず、再度見る羽目になった。名前がなかったように思ったのは、OPのクレジットはレギュラー陣で、番組最後に再度キャストクレジットがあり、そちらがゲストという振り分けになっている。これはこの豪華な出演陣であるこの回だけのことかもしれない。
そうそう第1幕、一番最初に出てくるキャラは大沢泉、これはレギュラー。おれはこれを見る前に見たのが、「あばれ八州御用旅」の4ー11で、ちょうどゲストが大沢逸美であった。彼女のボーイッシュなタレントイメージ通り、どちらの作品でも男の旅人姿での登場。
豪華な出演陣、その見知った顔の数が並でない。どいつもこいつもという感じ。そしてその見知った顔のほとんどが、「大岡越前」とこれまでの「江戸を斬る」でのレギュラーを務めた人だ。これに本当は水戸黄門も入れたほうがいいのだろうけど、この二作というのはおれが最近見たというだけの話だ。
この二作でレギュラーをやってない人は数えるほどしかいないだろう。
この回だけの人の中で、その二作品関連の人といえば、南道郎、伊吹聡太朗。どちらも西郷版の初期に強烈な印象の残したレギュラーであり、懐かしい顔。南道郎は悪役、というか西郷版初期での意地の悪い岡っ引きが大層はまり役だったのだが、ここでは善玉と悪役ともつかない感じの役だ。店の主人を脅して殺されており、が、その姪っ子がお竹で今回の話の要でもあり、この後レギュラーになっていくとう役割。
伊吹聡太朗は西郷版初期とまったく同じような役。
徳川家慶:長谷川哲夫。こちらはゲスト枠でのクレジット。出演はこの第2話のみ。
水戸斉昭:森繁久彌。これも西郷版と同じ配役。そして息子役(かと思ったが違うみたいだ)が若林豪、世話する役が中村錦司。西郷版と異なりおゆきという娘はいない。確か西郷版ではおゆきの兄役が若林だった。ここでは若林は斉昭配下の忍びのようで、部下が鮎川いずみということのようだ。森繁と若林、中村錦司はセットでの出演でこの後も数回登場するようだ。鮎川いずみはクレジットも里見浩太朗に次ぐ2番目で全回出演しそうだ。鮎川いずみは大岡越前でのレギュラーがある(出演はとても少なかったが)が、それはこの作品より後である。上に書いた二作品での見知った顔ではあるが、おれが先にそっちを見たというだけのことだ。
※追記、若林豪については勘違いしていた。おれはおゆきの兄として西郷版の初期に出ていたように思ったが、「江戸を斬る 梓右近隠密帳」で松坂慶子の兄、柳生十兵衛役として出ており、その父親は志村喬が演じていた。
この作品は今風に言えばリブートということになるだろう。西郷版の最初の回で斉昭から奉行職をやれと言われていたが、ここでもその焼き直し的作品となっており、見覚えのあるようなやり取りもあった。
魚政はなく、その代わりとなるのが金四郎の居候先は町火消一番組。
そういや、西郷版でも見たと思うが、町火消対定火消、「臥煙(がえん)」と呼ばれる定火消がなんとも不気味な頭巾を被ってどっちが仕切るかで喧嘩を始め、そこへ金四郎が割って入るというような場面もあった。これはその西郷版の最初の回だったかどうかは覚えていないが。
松山英太郎がこれまでとは打って変わって同心の役。これは意外で慣れない感じなのでむず痒いが、これはこれで見応えがある
一方、これまでと同じような役なのが、森田健作の若い同心。そして鶴吉:高橋元太郎、亀三:谷幹一の岡っ引き。
佐野浅夫はこの二回だけの出演のようだが、OPのほうのクレジット(レギュラー枠)だった。
鶴吉、亀蔵は佐野浅夫の配下で、佐野浅夫の姪っ子が大沢逸美であり、二人は殉職した佐野に代わって岡っ引きになった彼女に今後は仕えるということになる。と、この佐野の役は西郷版でもほとんど同じような役があったし、大岡越前でも老同心役をやってし、ウィキによると、その前にゲスト出演があり、第7部と第8部では第1話の出演。しかも第8部では「鎌倉河岸の文蔵」という役であり、調べてみると、やっぱり殉職し、娘(叶和貴子演じるおけい、文蔵の娘なのかどうかおぼえていない)が岡っ引きになり、谷幹一が補佐を引き継ぐというような話のようだ
さらには金四郎の北町に敵対する南の同心役に小松政夫。これも大岡越前であった構図だ
そして二作品には出ていなかった主要なレギュラーとしては藤岡琢也、有森也実、大門正明、太川陽介あたりとなる。太川は同心役。藤岡と有森は一番組で父娘。大門正明は一番組の若頭の政吉。町火消といえば大岡越前の初期に登場しており、同じく政吉の役名で里見が演じているのを思い出す
そうそう、藤岡琢也と藤岡重慶、おれはよくこんがらがるのだが、この二人がこの回では共演している。
鮎川いずみは密偵の任務をやりながら表の顔は、「ひさご」という居酒屋の女主人。西郷版での「まさご」、大岡越前での「たぬき」である。女中が松竹梅。その中のお竹は今回の話で活躍し、そのまま雇われることになりレギュラーとなるという、これもよくある形式。お梅の片山由香は、大岡越前でレギュラーをやっている
音楽はいずみたく。「いずみ・たく」という中黒表記ではなくなった
OP主題歌は西郷版と同じく「ねがい」で、里見浩太朗の歌唱となり、アレンジも変わり印象も大きく異なる。劇中BGMは西郷版と同じものが多く使われており、そこらへんで安心感がある。

2/15
第3話 2月9日 島抜けの謎を追え
豊吉:河原崎次郎
お秋:山本ゆか里
熊五郎:田中浩
丹次:山本昌平
福本清三が盗賊の一味、黒装束に黒頭巾という盗人の典型的な姿。ちょっと珍しいか。
これまで例の二作品で扱われたような内容。通常営業に戻った感じ。まあ前回は豪華な出演者に目を奪われていたが、前回だってそうだったのだけど。
島抜けの話で、その中のひとりは、脅されて仲間になる。だとか、(レギュラーの)一番組の若い衆が酔っ払い、その島抜けに半纏を奪われる。だとか、(レギュラーの)ひさごに人質を取って立て籠もる。だとか、島抜けの中に重傷者が出る。だとか、そこへやってきた同心(小松政夫)が人質になる。だとか、同心の服と十手を使って島抜けの親分はそこからアジトへ向かう。といったあたりは前に見たことある。人質になる同心が小松政夫というのも前にあったんじゃなかったかなあ。
ひさごの立て籠もり犯人を捕まえた後、盗賊が金を掘り出している場へ金四郎が現れる場面になるのだが、ここが唐突。なんでそこにいるってわかった?
桜吹雪の刺青は前回にも見せていたが、今回も披露。今回は披露する必要のない、つまり、それを見せることによって白洲での悪人を黙らせるという効果があるのだが、その効果が薄い感じがした。この桜吹雪は今シリーズ毎回のお約束なのかもしれない。
河原崎次郎は長一郎、建三と兄弟。おれはこの三兄弟で、長一郎だけあまり似てないなあと思っていたのだが、この回では最初の内、長一郎が出演しているのかなと思って見ていた。そういやそういう見方をすればさすが兄弟、似ているのだな

第4話 2月16日 偽りの自首
お糸:伊藤麻衣子
留造:名古屋章
伊助:中村孝雄
嶋田屋藤兵衛:北村英三
備前屋おとき:加茂さくら
これも何度も見たような話
夫婦が心中を決意し、が、赤ん坊を道連れにはできないと捨て子。心中は未遂となり、子を探しに行くと、もう子は拾われたのか、いなくなってしまった。その子(娘)を探しているのが、おとき。娘の特徴は右手の二の腕の内側にほくろ。ここでその娘を探し回る場面で女風呂が映り、乳首まで映っている。この枠だと珍しいような気がする
一方で。
腕はいいが酒浸りの大工、留造と娘のお糸。質へ入れてしまった大工道具を、お糸が受け出しに。が、質屋の藤兵衛は返してくれず、さらにお糸に乱暴をする、お糸は藤兵衛を突き飛ばし藤兵衛は倒れる。
娘は帰り、その様子を見て、留造が質屋へ行くと藤兵衛が殺されている
現場の証拠からお糸は奉行所へ連れて行かれ、また留造はお糸がやったと思い込み、自分が罪を被ろうと自訴。
おときが探している娘がお糸という流れの中で白洲になり、なぜかおときの店の番頭、おときの亡くなった亭主の弟である伊助が犯人であると遠山裁き、まあそれについては説明があるのだが、そこまでのストーリーではほとんど描写されておらず(怪しげな顔つきや素行からそうだろうなとは皆思うだろうが)、いきなりという感じが強い。ストーリーの持って行き方が前回もそうだったが雑な感じがする。
で、その後にお糸はどっちの親についていくのか問題となり、ここで金四郎が白洲へ降りようとして周囲の役人が驚いて止めようとするという場面がある。そして白洲へ降りての四人の人情劇場面がその後続く。新たな遠山像を作ろうとしている感じがする
桜吹雪の場面はなし
加茂さくらがトメ(ゲスト枠の中での)
伊藤麻衣子は「あばれ八州御用旅」に出ており、このころ彼女や大沢逸美が活躍していたのだなとわかる。
速水はお糸に惚れるという形でこの回ではフィーチャー。ラストではお梅が、その話を聞いてやきもちを焼いている様子も見れる
雨森の立ち位置が味わい深い。秋月より上。松山英太郎はどうも次郎吉なんかのイメージが強く、同心の、それもベテランのように見えない面があるのだ。が、一方で枯れた感じも出ていて、松山英太郎の名優であるからこその間違いない演技にも見えてしまう、まあ演じ方としては、西郷版の最初の時のおどおどした次郎吉風の控えめな感じである

第5話 2月23日 潜入深川無法地帯
亥之助:にしきのあきら
おしの:大塚良重
万造:生井健夫
助七:井上昭文
岩吉:浜田晃
五郎:市村昌治
--
大奥の用人が殺され、秘密の書状が奪われた。下手人が逃げ込んだのは町方も手を出せないシマと呼ばれる無法街。シマを牛耳るのは元締と呼ばれる謎の人物。暗黒のシマに姿を変えて乗り込んだ金四郎とお仙が出逢ったすさんだ男。その男を信じて夢を抱く女。姿なき元締めの正体を追って、絶望と悲しみが渦巻く悪の巣の鉄槌が下がる
--
シマと呼ばれる無法街、これは時代劇でよく題材になる。おれは最近もこういうのが舞台になってるのを見たような記憶があり、記憶を掘り起こしたりしていた。そういうときは、その作品の一場面なんかを思い出し、誰が出てたかで何の作品だったか思い出したいところだが、それが全然出てこない。
そういや必殺で山田五十鈴が最後に出た作品もこんな場所が舞台だったはずなんてことを思い出す。
そんなことを考えながら見ていると、この回のストーリーが、「最近もこういうのが舞台になってるのを見たような記憶」とほとんど同じ演出がいくつもあり、そういうことから考えるとこれも江戸を斬るの前のシリーズからのリメイクなのかなあ。
ラストではお京が金四郎に惚れているような素振り、シマに潜入捜査の金四郎を心配してお百度を踏んでいたのだが、それを金四郎に言われ、嬉しそうな、ほっとしたような顔を見せる場面がある
ほとんど同じというのは。
元締が川端の屋台の冴えない親父。下手人の男、亥之助(にしきのあきら)とその男を待つ女(大塚良重)、最後は男は殺され、女が自害。
金四郎がシマに潜入、それを追ってきたお鈴、鶴吉。お鈴に制裁を加えると見せかけて組み付いてきた鶴吉と偽の喧嘩で、川へ突き落し逃がす。
金四郎が亥之助を殺せと命じられ一騎討ちという場面からの結末へなだれ込むという展開
西郷版のサブタイトルを最後のほうのシリーズ分で見てみたが、これだというのは見つからず。もっと古いシリーズのものかもしれないし、サブタイトルじゃわからないかもしれない。
福本清三、クレジットなし。シマの住人

2/16
第6話 3月2日 桃の節句の鬼退治
源三:長谷川明男
お咲:本阿弥周子
お千代:田中由紀
岩倉但馬:睦五朗
五雲堂治兵衛:武藤英司
儀助:堺左千夫
都鳥の藤五郎:福山升三
加代が雛人形を欲しがってるのを察し、しかしながら経済状況から買ってやれない雨森。というひな祭りの話題の一方で、偽金が出回り始め、金四郎は捜査を始めるというような内容
堺左千夫は1925年生まれでかなり古い作品のものも見ているがいつも同じ顔。ここでもそうなのだが、幾分ふっくらとして貫録がある商家の旦那という感じ。

第7話 3月9日 恐怖の凶賊紅蝙蝠
紅蝙蝠の喜兵衛:戸浦六宏
お時:朝比奈順子
倉造:原口剛
権次:伊藤高
:五味龍太郎(役名なし、盗賊の一員)
ここまでを見て気付いたことがある。特にこの回がどうのこうのということではない
雨森は金四郎に忠さんと呼ばれており、そこで気付いたのだが、今作品は西郷版よりも大岡越前よりである。忠さんと呼んで信頼を寄せるあたりは、源さんや孫さんというのを思い出すし、それ以外にレギュラーとしてイキのいい若手同心がいるあたりもそうだ。
そして、金四郎の正体はレギュラーのほぼ全員に知れ渡っており、知らないのは小松政夫演じる南町同心の色川とその手下の岡っ引き、久助(広瀬義宣)だけであるというあたりは、小松政夫が大岡越前に登場したシリーズを思い出す
金四郎は街に出る時は浪人姿、あるいは町人姿で、その際はお奉行様と呼ばれることもあるが、あえて、「金さん」と呼び直している場面もあった
金四郎に協力する密偵が、料理屋の店主というのも大岡越前と同じだ。
一方で西郷版を引き継いでいるのは金四郎がかつて居候をしていた家が町人の家であり、そこでは「若」と呼ばれ、そこには娘がおり、また若い衆が揃っているというあたり。一番組には別格として政吉がおり、その他役名ありが数名と役名が「一番組若い衆」というものが数名で、西郷版よりかなり大所帯である。

第8話 3月16日 邪剣断った白頭巾
朝倉竜之介:森次晃嗣
本多軍之助:小野進也
佐々木伊十郎:内田勝正
丹波屋吾兵衛:金井大
朝倉菊:市丸和代
朝倉しま:志乃原良子
沖津屋時蔵:溝田繁
黒頭巾での辻斬り、正体は狂気の旗本、本多軍之助。その用人は佐々木伊十郎は遠縁の浪人で自分に仕官を頼ってきていた朝倉竜之介に辻斬りの罪を被せ、色川が朝倉を捕え手柄顔。
というような展開の中、その黒頭巾に対抗してだろう、金四郎は白頭巾白装束(ちょうど「あばれ八州御用旅」と同じである)で登場
今回は桜吹雪の見せ場を作りやすそうな内容であるが、それはなく、その代わりが白頭巾となっている。桜吹雪は毎回なのかなと最初思ったが、そうでもなく、今のところ半々くらいである。
ラストのナレーションに特徴があり、毎回「桜吹雪が江戸を斬る」で締める。
ゲスト枠のクレジットで、トメ(特技のあと)に出たのは今のところ加茂さくらだけである
ウィキに記述があった。
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前述のとおり、ゲストやゲスト扱いの出演者やその他のスタッフはエンディングに表記された。出演者クレジットのトメは、第4回を除いて、役名なしの大部屋俳優の最後に「特技 宍戸大全」であった。その後のトメに表記された俳優は、第4回の加茂さくらのみであり、当時「大岡越前」ではトメ扱いになっていた竹脇無我でさえ、ゲストの先頭に表示された
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金四郎とお京、政吉の三角関係のような関係、お京は金四郎に惚れ、政吉はそんなお京に嫉妬というような場面がこの回の最後のほうにある
森次晃嗣、時代劇でよく見る顔だ、ここでもそのよく見た顔と同じ感じを維持。40歳過ぎ

第9話 3月23日 幼い脅迫者
おみね:三浦リカ
お和:谷川鮎(子役)
清太郎:荒谷公之
近江屋仁兵衛:嵯峨善兵
源五郎:森幹太
又造:片岡五郎
幸三:小林芳宏
福本清三(役名なし、劇中で名は呼ばれている)
日高久(役名なし。お和が訪れる薬屋の主人)
今までにあってもおかしくないようなさほど突飛な話ではないが、例の二作品でこういうストーリーは見た記憶がない。ありそうな話なんだがな。父が病気でお金に困っている少女が、自分の見た殺しの家をゆすろうと手紙を出すというもの。必殺なんかであったような気がする。
まず序盤で話の構図がはっきりする。おみね(父が一番組で纏持ちだったのでお京とは姉妹同様に育った)が清太郎に乱暴をされ、その仕返しに行ったおみねと夫婦約束をしていた大工の幸三が逆に殺される。
それを見ていたのがお和(辻占売、朝はしじみ売りで雨森の家に毎朝行っており、加代とは顔馴染み)
三浦リカと有森也実、同じような年齢という役だと思われ、見た目も別におかしくはないが、三浦の方がずいぶん前から活躍していたような感じがした。検索してみたら、10歳くらい違う。いま調べてみて気付いたが有森は当時まだ20歳になるかならないかというくらいだ。
清太郎は老中とも繋がりのある近江屋の若旦那。そこでこの罪をなんとかしようと画策する中でお和の手紙によるゆすりという風に展開していく
福本清三は悪役の子分で、若旦那の代わりに自首する役で出番は多く、セリフもある
嵯峨善兵、森幹太、どちらも時代劇常連。よく見ていた顔と同じままの印象。嵯峨善兵は比較的見せ場が多い。
そういや、桜吹雪の演出がこの回はあるのだが、白洲でそれを見せたとき近江屋仁兵衛も驚いているが、彼は金四郎の桜吹雪を見てないはず。
牧田備前守:永野辰弥(第5話、第9話、第16話)
矢部駿河守定謙:高野真二(第8話、第9話、第18話、第29話)
二人ともゲスト枠でのクレジット。
永野のほうは役名が「老中」。ここでは近江屋と繋がりのある存在として登場
高野真二は南町奉行で役名は「矢部駿河守」。前回にも同じような場面があったのだが、色川が下手人をあげたことを、矢部は北町遠山に勝ったと大喜びで色川を褒めるも、終盤でその下手人が誤りだったとわかり、逆に色川を叱っている。

第10話 3月30日 瞼の父は大泥棒
野仏の清兵衛:土屋嘉男
おきみ:永光基乃
越後屋五兵衛:佐竹明夫
要助:正道武
まむしの松五郎:石橋雅史
権造:黒部進
これも前回と同じく、ストーリーは突飛なものでなく時代劇としてオーソドックスであるが、その一方で見たことある感じはなかった。でもサブタイトルを見ると、ありがちではある
10年前に江戸を荒らした盗賊、野仏の清兵衛が襲った家を順繰りに荒らし始めた盗賊が出現。野仏の清兵衛が江戸に戻ったかと捜査を始めるも、やり方が多少異なり、別人かと金四郎は考える。
越後屋に奉公している娘のおきみに越後屋番頭との縁談が持ち上がり、おきみは一番組と馴染みがあり、吉五郎は今はいないおきみの父親についておきみに問い質すことになる。
ひさごにやってきた初老の男が昔の江戸の町について何やかやと聞き、おきみのことが話題になると、目の色を変える。と、まあこの男が野仏の清兵衛であり、おきみの父親なのだが。
で、今江戸を荒らしているのは、元は野仏の清兵衛の手下たちで、最後の仕事として、おきみをお前の父親は野仏の清兵衛だということを言いふらすと脅し、越後屋の引き込み役にしようとするのだった。
白洲の場面での父親と名乗るかどうか、そして娘おきみの幼いころ聞いた父親の声を覚えているといったやり取りがなかなかの名演。
お仙は水戸様の配下の忍びという設定だが、この回では盗人事情に詳しいという様子が見て取れ、それは西郷版での次郎吉のようであり、つまり元は盗人だったかのようである

2/17
第11話 4月6日 お京誘拐御用旅
稲取の勘兵衛:川合伸旺
藤助:南祐輔
多田安次郎:田畑猛雄
おしげ:平映子
吉次:岩尾正隆
代官:西山辰夫
伝六:井上茂
旅商人:原一平
川合伸旺が代官だとか商家の旦那だとかではなく、盗人の頭。
見たことあるような内容で、ストーリーの進み方でも見たことある演出のオンパレード。全部が同一の回でないかもしれないが。
お京が盗人にさらわれ人質になってしまい、江戸から逃げようとするのを、追跡するという話。
見たことあるというのは。
同心の一人が負傷するも傷を負いながら犯人を追跡(足手まといになるだけなんだけどねえ)、ここでは秋月。
お京は連れ去られながらも数珠を落とすなどして足跡を残す
宿で盗賊と繋がっている女中が毒を入れるが見破る
追跡して行った先では岡っ引きが盗賊と繋がっている。
岡っ引きは代官所の手代に金を握らせ、江戸から来た同心を罠に嵌める
最後は殺陣となり盗賊の親分は馬で逃げるも金四郎が追って一騎討ち

第12話 4月13日 裏切り盗っ人仁義
天満の佐五平:御木本伸介
丹次:宮口二朗
荒谷勘兵衛:久富惟晴
お竜:藍とも子
連蔵:重久剛一
源造:甲斐道夫
猪之助:谷口孝史
お仙の過去が明らかに。上に書いたが、予想通り、お仙はかつて盗賊の一味であったということを軸に話が進む
その時の頭、天満の佐五平が追われひさごに逃げ込んでくる。お仙は佐五平に大きな恩を受けていた。
ここで佐五平がストーリー上どう扱われるかが見もの。善玉レギュラーが恩を受けているなら善玉となりがちだが、そいつが見下げた悪人になり下がっており、その善玉レギュラー(ここでいうならお仙)と対決となるような展開もありうる。
ここではほぼ善玉扱いだった。
なのだが、序盤でのセリフで、まだまだ大きな盗みへの意欲を見せていたり、お仙を仲間に引き入れようとしたり、というあたりにちょっと疑問を感じた。盗賊でありながらも、見る側にちょっといいやつに見せるようにするものである。
想像するに、金四郎がお仙と佐五平について話しているときに、お仙が佐五平を義賊だということを言うと、でも人様のものをそれも大金を長い間盗んでいるんだぞと、言い聞かせており、義賊であろうと悪というのを補強するため、佐五平に序盤は悪ぶったセリフを言わしているのかなと。
中盤以降の展開では、その盗賊の仲間割れ、というか頭が配下に裏切られるという風になり、お仙は佐五平を助けるため、仲間に入るも、そこで裏切りに遭い、行った場所に南町がやってきて捕縛されそうになる。ここへ片桐弥平次(この回に登場している)と金四郎(なぜか白頭巾白装束、南町同心に見つからないようにするためだろう)が助けに入る。
ラストシーンもちょっと疑問で、片桐と金四郎の間にお仙が入って仲良く笑いながら歩いているというもの。三人が同列のようである。まあほぼ同列なのかもしれないけど
この第12話は2/17放映分。ということで追いついた。これからは逐次視聴、少なくも毎週末にその週の分を見ていくペースにしていくので、視聴日は省略することとする

第13話 4月20日 藤の花の殺意
お染:あべ静江
吉兼屋与平:高城淳一
与一郎:堀内正美
大潮の伊蔵:田口計
大潮の伊之助:吉田次昭
源次:松山照夫
姉妹がかつて乱暴をされ、妹のお雪がその夜自害。姉のお染がその敵討ち。
乱暴をされる場面の回想ではお雪のほうは服を脱がされ乳首まで映っているが、お染のほうは着物をほとんど脱がされていない。
殺陣の場面での一旦金四郎が窮地に陥るようなところがあったり、白洲の場面でのカメラ割りなんかで普段にない感じがある

第14話 4月27日 命がけの大嘘つき
お吉:中村メイコ
佐太郎:佐藤佑介
伊勢屋十兵衛:増田順司
七之助:早川保
不動の太平:陶隆司
喜三郎:うえだ峻
園田正美(役名なしのクレジット、どこに出てたかわからない)
レコーダーの何らかの不調で頭が少しだけ欠けた。(☆いずれまた再放送されないかな。されても見逃すだろうけど)
--02/22(水) 15:03 -
tvk1|51分|10倍録
江戸を斬る 第7部 第14話「命がけの大嘘つき」--
15時スタートの番組だから、3分強欠けている
これだけで見る気が失せる。が、ほんの短時間だし、次の再放送なんていつになるやらだし、見ることにした。しかし、これだけのことで心乱される。なんか上の空になってしまう。普段と演出が異なるようにも見える。
まあ、実際にこの回は大物がメインゲストのため、演出も特別仕様なのだけど。
時折こういう作品は見受けられる。おれが思い出すのは美空ひばりが出た銭形平次だ。今回もそうだがメインゲストが映えるような演出がなされ、ワンマンショーとでもいった様相。
今回も中村メイコが出ている場面は全て見所となっている。全編芝居がかった演技で、まあ言いようのよってはクサい芝居なのだが、彼女のような大物がある分にはこういうのもいいなと思う。
彼女の役は例の二作品でこれまでに何度か見たようなもので、バイタリティあふれる小悪党の老女。おれがこのようなキャラで思い出すのは大岡越前だったと思うが、赤木春恵がやってた役だ。
冒頭の部分が見れなかったのであるが、お吉が一番組のお京や政吉相手に泣き落としで酒やらをせしめるみたいなことをやってた場面だと思われる(そういうようなことをこぼしている場面がある)
白洲の場面では前回のところにも書いたが、金四郎のアップになる場面とかで新たな演出のように感じる。

第15話 5月4日 火炎地獄の女
おえん(世直し様):蜷川有紀
辰次郎:大竹修造
神楽の銀造(下足番の権六):汐路章
丈八:浜田晃
世間で評判の占い師が、押し込み強盗の一味。その客の情報を使って押し込み先を決める。というような話。
さえない出来。都合よく話が進む、これは時代劇においては全般がそうだけど。
小松政夫の色川はお笑い場面のためだけの登場みたいなところもある。これも毎度のことではある。
白洲の場面では、頭である神楽の銀造は先に逃げてしまっているという弁明を聞き、今回の白洲では決められないと一度はお開きにしようとするも、出ていく下足番の権六の背中に向かって名前を呼び掛け、つい返事をしてしまい、正体がバレるという、これまでに何度も見た策を使っているが、この策の中でも一番平凡、というか、それになぜ引っかかるんだろうという感じがした
有森也実のお京。不思議な印象。まだキャリアも浅く、ぎこちない感じがする一方、一生懸命演じている。出番はそれなりに多いが、あまり印象に残らない演出がされているように見え、その印象に残らないという印象が強く残る。
考えるに、金四郎にほの字であり、主人公の恋の相手でヒロインなのだが、西郷版の松坂慶子のような特別扱いをされるでもなく、その恋の行方みたいなものは多分今シリーズで重要ではない。そして今シリーズに出ている鮎川いずみ、大沢逸美はストーリー上も重要であるから存在感があり、それに負けてしまっているから印象が薄いように思う。が、その感じとそれでも一生けん命可愛らしく演じている姿が印象に残る。

第16話 5月11日 陰謀砕く孤独の剣
木谷小十郎:竹脇無我
木谷たか:山崎美貴
阿波屋利兵衛:須賀不二男
池田主膳:玉川伊佐男
隈部備前:加藤和夫
蜂須賀斉昌:峰祐介
佐吉:須永克彦
与吉:石倉英彦
門番:遠山金次郎
阿波藩士:福本清三
ゲストについてはこれまでもそうだが、ウィキのコピペ。下三人はクレジット上では役名なし。
門番の人は須賀不二男に顔も声も似ていて、おれは最初同一人物かと思ったくらいだ。
福本清三は悪役側、阿波藩の留守居役、池田主膳の周りを固める護衛隊のリーダー格。セリフはひとつもなかったと思うが、出番は多い
色川が情報をもらっていた男が殺され、色川も襲われる。その犯人は金四郎とは竹馬の友である木谷小十郎という構図の話。木谷小十郎は元阿波藩士で賄賂の疑いをかけられ、浪人となっていた
その彼が阿波藩を中心とする陰謀に巻き込まれる
阿波屋が阿波藩の藍の取引を巡って陰謀。阿波藩の留守居役、池田主膳を使うも、その裏では幕閣の隈部備前とも繋がっているという二重構造の部分がちょっと凝っている

第17話 5月18日 闇を走る暗殺集団
お久:舟倉由佑子
与平:奥村公延
本八幡屋甚吉:渥美国泰
苅谷太兵衛:中村竜三朗
南原喜十郎:原口剛
箱崎屋藤造:福山升三
常吉:中田博久
才三:岩尾正隆
水戸斉昭(森繁久彌)登場回で、水戸様が命を狙われているという前提があり、その上で作りとしては大岡越前で吉宗が江戸の町へ出て困っている町民を助ける、周囲は吉宗の行動にあたふたするというような話と構図が同じ。

第18話 5月25日 恩返し涙の白洲
弥之助:加藤純平
おきぬ:尾島潤子
竹屋佐七:小鹿番
田丸屋おとら:石井トミコ
大野屋久兵衛:山村弘三
例の二作品でこれまで何度もあったような話。
火事が起き死骸が発見、で善玉が捕まる。真相は悪役が殺人をして火つけを行い、そして善玉に罪をかぶせていた。ここでは善玉として一番組の頭である吉五郎が捕まっている。
冴えない作品で、悪役が悪徳岡っ引きの佐七なのだが、悪役やそれっぽいのがこれしか出てこない。ので最初から多分犯人はこの人だろうなと思っていると、その通りとなって終わっていく。
吉五郎がかつて恩をかけた弥之助の証言のおかげで真相が明らかになるのだが、白洲の場面でどういう恩を受けたかを語り出すのも獲って付けたよう(これは急にそこで出てきた話ではなく作中でちゃんとそういう縁があるらしいことは描かれているが)だし、そもそも弥之助が終盤まで証言を渋っている(渋るというか勤め先の主人の娘で恋仲のおきぬに止められていた)のもよくわからん、止めていた理由は逢引がばれるとおきぬの父親に咎められるという程度のことであり、隠すほどのことでもないし。

第19話 6月1日 弱虫駕籠屋の逆襲
山吉:山口弘和
竹造:竹田高利
川獺の熊造:玉川良一
六助:冷泉公裕
越後屋与之助:頭師孝雄
越後屋仁兵衛:山口幸生
この回は色々と盛沢山
①まずサブタイトルから、大岡越前で何度も使われていた話だろうと見当がつけられる。
②第1幕、その駕籠屋が最初は気付かなかったが、次の場面ですぐ気づいた。コント山口君と竹田君である。
③第1幕で悪徳十手持ち(玉川良一)が登場し、金貸しが殺され、証文が持っていかれる、とこれは前回も同じ構図であり、二回連続というのはちょっと芸がない感じだ。
④そのコント山口君と竹田君大活躍の回(キャストクレジットの際には「山吉:山口弘和、竹造:竹田高利」と出ている横に「コント山口君と竹田君」とも表示されている)であり、さらに玉川良一が加わり、大岡越前では時折あった全編喜劇調の作品。大岡越前のときは落語ベースの話で全編喜劇調演出がなされていたが、この回は落語ベースということはない。だが、途中でふぐを食べさせられ殺されそうになるというエピソードが盛り込まれている。
⑤さらに大岡越前のどこかのシリーズであった長屋の壁に穴が開いていて、隣から入り込めるという演出がここで使われている。確か大岡越前ではそういう風になってるときに、落語のらくだをベースにしてふぐを食べ死にそうになるというエピソードが使われていたはずだ
①について。何度も見た話かなと予想して見ていたのだが、どうも話の組み立てを工夫して変えているのか、ストーリーとしては知らない話という感じがした。が、上に書いたように見覚えのある、そして馴染みのあるエピソードがてんこ盛りではある。
悪徳十手持ちの熊造、配下の熊造、殺された越後屋の甥である与之助が悪役で、熊造に脅されるのが駕籠屋の山吉と竹造。このころコント山口君と竹田君は大人気だったのか、ワンマンショー的な演出であり、役名もそれとわかるようにされており、作中でも「山竹」などと呼ばれている
竹田くんがお京に恋してボーっとしてしまうという演出もあり、またコント役者の面目躍如とでもいえそうな演出、例えばふぐを食べて殺されそうになり、それを金四郎は逆手に取って、彼らに死んだふりをさせ、死人の化粧をし早桶に入る、などがある。
長屋の壁に穴が開いているというのは、山竹の部屋の隣に金四郎が入り込み、穴から登場するという風に使われており、山竹が熊造にふぐを振る舞われているときも、穴から金四郎が現れ窮地を救うという風に演出されている。
まあ正直言って、山竹が熊造の殺しの現場を見た(殺している場面を見たわけではないが)ということがほぼ明らかになったところで、まだ熊造のほうが、山竹を始末せずに、言うんじゃないぞと脅しているのはのんびりし過ぎで、すぐ始末すべきだろうとは思う。
これが放映された(即日視聴)のは3/2であるが、この日のビバリー(清水ミチコとナイツの日)でナイツがこのコント山口君と竹田君の企画するライブに客が入らなくて困ってると言ってたな。

第20話 6月8日 悲願叶えた遠山桜
駒吉:浜田光夫
佐兵衛:垂水悟郎
おゆき:浜田朱里
おりん:石倭裕子
志摩屋唐蔵:飯沼慧
蝮の伊八:上田忠好
佐々木重一郎:宮口二朗
火事など危急の際に奉行所の公用箱を運ぶ「かけつけ屋」に任命されたのが髪結い床、駒床の駒吉。その駒吉が火事で出動することになるも戻らず。負傷した駒吉が見つかり彼が運ぶ公用箱はなくなっていた。
・・・、とこの出だしは多分大岡越前だったと思うが、以前にあり、かなり印象に残っている。
が、その後の筋は同じかどうか。金四郎が、犯人がその箱を狙ったのか、どの箱でもよかったのかと考える場面があるが、それはその前に見たやつでもそうだったはずで、そしてこの回では、駒吉が運んでいた箱そのものをピンポイントで目当てにしているのだが、前に見たやつでは奉行を困らせるため、どの箱でもよかったとなっていたような覚えがある。
・・・、ここまで書いて、その回の悪役が菅貫太郎であったのを思い出し、検索。江戸を斬るVIの第27話、脅迫された町奉行。大岡越前じゃなくて、前シリーズというずいぶん最近見た回だ。ここでも「髪結い床の駒吉」がかけつや屋になっている。
この回ではその駒吉と妹のおりん、抜け荷で闕所になった備前屋の娘、おゆきとその番頭、佐兵衛(彼らは父娘を偽装して暮らし、仇討ちを狙っている)、そして悪役、その商家を罠にかけた志摩屋、そのときの吟味与力、佐々木重一郎、十手持ちで、その事件の際、江戸所払いとなった伊八という風に登場人物が三組に分かれるのだが、基本的に後者二組の物語。冒頭を見てると駒吉が主役にでもなるのかなと思ったし、キャストクレジットでもゲスト枠でトップが駒吉なのだが、出番は少な目である

第21話 6月15日 殺しの陰で嗤う奴
松の市:菅貫太郎
橋場の源太郎:藤岡重慶
永山検校:中山昭二
村上甚内:山本昌平
高村三右衛門:小沢象
お澄:八神康子
長次:徳田興人(ここはウィキのコピペだが、実際のクレジットでは役名なし)
北見唯一(役名なしだが作中で「ごすけ」と名前はつけられている、序盤での被害者役で、殺されてしまう大工)
井上茂(役名なしだが作中で「うしまつ」と名前はつけられている、源太郎の子分)
座頭の金貸しの話で、珍しいことに菅貫太郎が座頭の役、実は目が見える悪党の金貸しで、総検校の永山検校におべっかを使いながらもその地位を狙っている。
こういう場合、永山検校は悪い人物でないほうがいいと思うのだが、作中では女とベタベタしながら松の市の話を聞いているという風に描かれている。白洲に出るように金四郎に言われ、松の市の悪事が明白になる裁きを聞いており、最後には金四郎から多少の苦言を言われている。
その他時代劇ではお馴染みの顔がゲストに揃っている。

第22話 6月22日 襲われた御用金
織田吉之助:誠直也
お千代:木村弓美
北野屋喜兵衛:戸浦六宏
立原文次郎:睦五朗
梶野土佐守:波田久夫
水上保広(役名なしだが作中で「かたやまじゅうざえもん(片山十左衛門)」と名前はつけられている、序盤で殺されてしまう勘定奉行の与力役)
秋月が御用金運搬の仕事に就く。そこで道中を一緒にするのが道場仲間が吉之助。が、その御用金は強奪され、どうやら吉之助が怪しいのだが・・・。
秋月と吉之助の友情物語で、例えば太陽にほえろなら、秋月フィーチャーの回とすんなりなのだが、この作品は主役が活躍するストーリーであるというのが特徴の一つで、それゆえ、解決の前面に立つのがやはり金四郎、とここら辺がちょっとむずがゆい。
殺陣の場面では通常は金さんが敵をバッタバッタと倒したところで、御用提灯を掲げて同心たちが到着、それを見て、見つからないように金さんが姿を消すという形式(レギュラー陣は金さんの正体を知ってるんだから見つかってもよさそうだが、今書いていて気付いた、レギュラー以外の同心たち一行からは見つからないようにしたほうがいいのか)
この回では珍しく、金さんたち(吉之助やお仙、吉之助の恋人、お千代もいる)が殺陣をやってるところに、秋月が駆け込んでくる。金さんには目もくれずに倒れている吉之助、お千代に駆け寄るという風な演出。

第23話 6月29日 鬼が狙った唐人形
平戸屋源右衛門:田中明夫
勝村英春:中村孝雄
神山備中守:永井秀明
松崎丹後:川辺久造
閻魔の角蔵:高桐真
三吉:鈴木武次郎
阿片で女を縛り付け絵のモデルにする絵師。レギュラー陣が乗り込むも人質になる、という風にこれまで何度も見たことのあるような話。阿片漬けにして、唐人形として権力者への贈り物する趣向だとか、鬼面を被って女を襲うだとか、ここら辺もよくあるエピソード。加代が友達の三吉と一緒に活躍するというのも、これまでのシリーズでの堅太郎が活躍するような話の中であったと思う
桜吹雪の演出の代わりに、白頭巾で金四郎は現れ、白洲ではそれを証拠としている。なぜ桜吹雪でないのかはよくわからない

第24話 7月6日 倅は天下の町奉行
小夜:大場久美子
多加:風見章子
十兵衛:近藤宏
河原の減八:井上昭文
沢井屋黒兵衛:小林重四郎
サブタイトルからして見たことあるような話ではあるが、老女が嘘をついて倅が金四郎だと言うような話かと思ったが、そうではなくここではちょっと頭がおかしくなってそう言い始めたという設定。
他にも見たことあるようなエピソードがいくつかあるが、それらがおれが見たとき同じ回で綴られていたエピソードかはわからない、むしろその一方で、それらのエピソードをうまく組み合わせて、あまり見たことないような話になっているようにも思った。
見たことあるようなエピソードとは、例えばあまり客筋の良くない酒場の酌女を金さんがなぜか肩入れして、お前さんはこんなところで酌女をする人でないと助け出そうとする、これは大岡越前であったと思う。
その女、小夜が商家の旦那、沢井屋黒兵衛に待合で強引に襲われ突き飛ばすと黒兵衛は火鉢に頭をぶつける。小夜は逃げ出し、そこへ男が入ってきて・・・。黒兵衛は殺されており、小夜に罪が被せられる。こういうエピソードもこれまでよく見た。
沢井屋黒兵衛は弟の十兵衛を番頭にしているが軽んじており、十兵衛はやくざにそそのかされて、殺しを決行していた。これも多くあるタイプのエピソード
この回では桜吹雪の演出

第25話 7月13日 願い叶えた千両富
おしの:藤吉久美子
宗助:桜木健一
顔なし貫造(江島屋八郎兵衛):小松方正
浅川一心:伊吹聡太朗
とんびの熊:江幡高志
はやぶさの彦:北九州男
小松は最終幕で登場、第1幕にも登場しているがそこでは顔が映らないような演出
富くじ、女スリ、生き別れの兄妹の再会といった具合にお馴染みの題材だが、その組み合わせの妙なのか、見たことあるようなストーリーではなかった。といっていい出来とは言い兼ねる平凡な出来。
女スリはおしので、それをお鈴が追いかける場面では女風呂の場面があり、大沢逸美のほうは、さらしとステテコ姿、さらしで胸を隠したまま入っていくが、おしののほうは裸(腰に手拭を撒いているが)で、結構大胆な露出
藤吉久美子は後に太川陽介と結婚する。ここでは一緒の場面はかろうじてある、まさごへ金四郎に連れてこられたおしの、そして飯を食いに来た速水たちという具合だが、会話をするというような絡みの場面はない。

第26話 7月20日 同心長屋に隠し妻
お柳:水原ゆう紀
太吉:真夏竜
お島:安井裕美
お絹:寺戸千恵美
神隠しの頭目(瀬戸一機):田中浩
相模屋七兵衛:武藤英司
銀次:吉田豊明
白首長屋の用心棒:福本清三
福本清三は典型的というか彼の役柄で一番似合うといえる悪役側の用心棒役。そのキャラから外れたような場面は一切ないが、非常に目立つように撮られている
親が死んで商家の姉妹が商売敵の油問屋、相模屋の妾にされそうになり、それを拒むと、白首長屋(女郎屋)で仕事をさせられていた。その姉妹を助けに行くのがその店で働いていた番頭。三人で逃げ出し川へ飛び込む。水の中で気を失っているお柳を助けたのが釣りに来ていた秋月と速水で、成り行きから秋月の部屋で匿うことになる。

第27話 7月27日 復讐!姉弟蛇皮線
矢田部玉緒:蜷川有紀
矢田部敬一郎:四方堂亘
田宮図書頭:御木本伸介
阿蘭陀屋:渥美国泰
山口幸生(役名なしのクレジット、序盤の阿片の売り子である蕎麦屋で青龍組の残党)
長崎で親を殺された姉弟が三線を使っての琉球踊りと身を隠し復讐を狙うというよくあるストーリー展開。琉球風呂というのが流行っており、姉のほうはそこで湯女もやっており、その琉球風呂に鼻を伸ばしてレギュラー陣、金さんまで、が乗り込んでいく展開はちょっとコミカル
悪役は元長崎奉行の田宮と廻船問屋の阿蘭陀屋。姉弟の父は田宮の部下の与力で、阿片密輸の青龍組の頭とされ田宮によって処刑されていた。
青龍組は青龍の刺青をしており、金四郎が金さんとして自分を彫った刺青師のところに情報を聞きに行く場面がある。また金四郎の方も桜吹雪の演出が今回はあり、刺青がよく出てくる回でもある
姉弟が田宮を仇とはわかっておらず、田宮に頼りに行くという展開がちょっと珍しいか。また最後の殺陣で金さんが乗り込むと田宮はそれを遠山と認識する、さらに最後は切腹し、遠山に自分の悪事を書面とした渡すという展開も珍しいか。

第28話 8月3日 過去を秘めた女
おとせ、雨森しのぶ:佳那晃子
横井左近:亀石征一郎
大熊屋熊造:深江章喜
塩田玄之助:上野山功一
甚八:黒部進
冒頭に雨森の夢の場面で女房のしのぶが出てくる。そしてしのぶとそっくりの女が現れ・・・、という具合で、松山英太郎がフィーチャーされる回。こういう回を見ると、彼のネームバリューから考えてこれまでの回では出番が少なかったと思わされる。またこの回を見てると、老年役への転換期ということを意識してるのかもしれないなあと思う。顔かたちはまだ全然若いのだけど。
横井は同心で犯科帳を漁って、人の弱みを手に入れ、それを口入れ屋大熊屋で渡す。大熊屋の裏の仕事は多くの人からの毎月継続してのゆすり。
亀石征一郎と上野山功一って似てるタイプ、さらに黒部進もそうだ。

3/30に視聴
第29話 8月10日 血染めの遠山桜
第30話 8月17日 天下を救う名裁き
水野越前守忠邦:岡田英次(29,30話)
秀麗:辻沢杏子(前・後編)
井口綾乃:篠山葉子(前・後編)
錣の利兵衛(千石屋):小林昭二(前・後編)
松平和泉守乗全:久米明(前・後編)
庄田蔵人:外山高士(前・後編)
鷲羽源十郎:山本昌平(前・後編)
いつものように、新シリーズへの移行時は続けて見たいと思い、新シリーズのほうの録画が溜まるのを待っていたため、約二週間ぶりの視聴。
いやあ、忘れているものだ。この回は水戸様として森繫久彌が出ている回で、そこに鮎川いずみが登場した序盤、おれは「ほう、鮎川いずみが出てるのか、ゲスト枠かな、それとも水戸の配下のようだから準レギュラーだっけ」などと思い・・・。今シリーズではOPタイトルではレギュラー陣しかキャストクレジットはないのだが、そこを見返した(この場面は第2幕でOPタイトルは終わっている。レギュラー陣だけなので見てもしょうがないと完全に飛ばしていた)。よく考えたら鮎川いずみはバリバリのレギュラーだった。そして見ていくうちに思い出したが、水戸様配下という設定が第1話であったのだった。
辻沢杏子はレギュラーお竹との一人二役でクレジットでは「(二行で)お竹 秀麗」となってる
一方小林昭二はクレジットでは「(二行で)千石屋 錣の利兵衛」と一人二役みたいな書き方だったが、これは同一人物が変装しているというパターン。
辻沢杏子というのはどの程度の格なのだろう。この第29話では風呂に入るという場面で後ろ姿であるが裸身を見せている。
確か第1話でゲスト風に登場しレギュラーに納まるという例の二作品でよくあるパターン。であるから、他のひさごのお松、お梅よりは目立つ感じでの登場だった。ちなみに、この三人は作品内でただの女中の三人という風にあまり目立つような演出でもないわりに、すぐ見分けがつくような優れた演出。お梅は一番下の妹というようなキャラで、前髪の一部を降ろしていたり、服も目立つような感じで性格はちゃっかりタイプで現代的(時代劇でこういう表現はおかしいが)、速水新太郎に惚れてるような素振りというキャラ。お竹はすでに第1話で目立っていて、お松はちょい年増とこんな具合。
一人二役というのは比較的大物が演じる場合が多く、ここではどういう意図なのやらとちょっと不思議。もちろんその二人が見合い、そのそっくりぶりに驚くというようなお約束場面はある。ただ二人は縁続きとかそういうのはなく、単に似ていたというだけ。そして秀麗がひさごに匿われ、悪どもがさらいにきて、お竹をさらっていくという演出で利用されている。
秀麗は清の使節団の通詞(通訳)という役どころで、その真の使節団と砂金の強奪事件が絡む話。
森繁が出ているし、残り2話だし、すぐこの2回は連続ものだと気付きそうなものだが、おれは前編の終盤になりどんどん話が広がり始めたところでようやく気付いた。
第29話では最後のナレーションで決め台詞の「桜吹雪が江戸を斬る」がない







時代劇スペシャル 仕掛人・藤枝梅安(小林桂樹) [時代劇]

01/30(月) 09:00 -
BSフジ・181|115分|DR
[字]仕掛人 藤枝梅安 梅安蟻地獄
小林桂樹版は2時間枠で、全7本。今回放映されるのはそのうちの2本だけ。
オリジナルは1982年~83年。
見てる間は70年代の作品かなと思っていたが、82年か。必殺仕事人より後だな。
全編暗く静かなトーン。唯一コミカルなところは梅安のところにいるおせきの喋る内容、梅安の裏の仕事を知らず、気のいいおせっかい婆さんがベラベラ喋るあたりだが、とても短い。
過去に見た必殺シリーズも含む一連の仕掛人についてはもうあまり覚えていないので比較してどうこうはない。「梅安蟻地獄」とサブタイトルにあり、これは必殺仕掛人映画版でもこのタイトルのものがある(そもそも原作として池波がこういうタイトルの作品を書いている)ので同じストーリーなのかもしれないが、これもあまり覚えがない。
ただところどころ、何か(仕掛人シリーズではないかもしれない)で見たことあるような場面が多少あった。
彦次郎(田村高廣)が語る自分の幸せだった時代が短かったというところでの回想(女房が荒くれ男に強姦され、娘と一緒に自害)だとか、殺しの場面で、頼まれてもいない殺し、それは依頼人なのだが、それを殺してしまうというストーリーとか。最後に元締、音羽の半右衛門(中村又五郎)が近江屋を殺しちゃうのかなと思った(これは確か必殺仕掛人のテレビシリーズで見た覚えがある)が、殺すまではせず、でもなにかそういう含みのある終わり方だった。
配役はレギュラーのみウィキにある。
ゲスト陣も豪勢だった。ウィキ以外から引っ張ってきた--
織本順吉、今井健二、小栗一也、森山周一郎、立川光貴、真山知子、藤森健之、中田博久
ナレーター:芥川隆行
--
藤森健之(真田健一郎の別名義)はどこに出てたか気付かなかったなあ

※追記1/31視聴
01/31(火) 09:00 -
BSフジ・181|115分|DR
[字]仕掛人 藤枝梅安 梅安晦日蕎麦
こちらもなかなか充実
2時間の作品にするだけの内容のあるストーリー
レギュラー陣は変わりなし
ゲストはウィキ以外から--
佳那晃子、伊吹剛、田口計、小林昭二、中井啓輔、露原千草、加藤土代子、真田健一郎
ナレーター:芥川隆行
--
最後の元締の言葉はちょっと説明的。そして今作品での一番の悪、嶋田大学(田口計)を梅安が仕掛けたことに、嶋田こそ先日(作品の序盤での場面)に頼もうと思って梅安に持ち掛けたが梅安が断った案件で名前も明かさなかったのによくそれがわかったねと言っているのだが、じゃあその嶋田を殺すよう頼んだ起こりは誰なんだという気がする
年末の話で、ラストは年越しそばを食べるシーン。
池波と縁の深い真田健一郎。島田は江戸家老で、藩から護衛のために読んだ凄腕という役で、終盤に登場。結局仕掛けられるのだが、彦次郎の吹き矢が目に刺さるというグロテスクな死に方

両作品で茹でた大根を食べる場面、岸谷五朗版では大根を食べる場面で藤田まことが出ていたのが印象深い。これに限らず食の場面は多い。池波作品の見どころの一つである
小林桂樹と柴俊夫は「江戸の激斗」でも共演、今作品はそれよりちょっと後である。


あばれ八州御用旅 [時代劇]

08/15(月) 15:05 -
テレ玉1|55分|15倍録
あばれ八州御用旅 PART1[新]
11/11(金) 15:05 - 
テレ玉1|55分|15倍録
あばれ八州御用旅 PART4[終]

オリジナルは
第1シリーズ:1990年4月13日 - 6月29日
第2シリーズ:1991年4月19日 - 9月27日
第3シリーズ:1992年7月10日 - 10月2日
第4シリーズ:1994年4月8日 - 6月24日

第1話 「国定忠治を斬れ!」
国定忠治 - 夏八木勲
お葉 - 大場久美子
お千代 - 森尾由美
日光の円蔵 - 伊吹剛
大和田大五郎 - 睦五朗
藤右衛門 - 土屋嘉男
儀助 - 奥村公延
朝吉 - 吉田友紀
有村兵庫 - 北原義郎
西沢 - 井上博一
黒川左内 - 山本昌平
猪之吉 - 岩尾正隆
仁吉 - 井上茂

西郷輝彦主演。「江戸を斬る」シリーズを見終えたばかりであるが、西郷はあまり変わっていない。江戸を斬るの第6シリーズは1981年だ
新シリーズ開始の第1話だからかもしれないが、レギュラー以外の出演者が多い。一方レギュラーは少な目。そんな中でも中村梅之助が水野忠邦役。特別出演となっており、準レギュラーでしかも登場回は少ないのかもしれない。その水野の命を受け、西郷演じる藤堂が影の八州として旅に出て、悪を成敗していくという構図のようだ。
この構図から「旅がらす事件帖」を思い出した。そういや、あの作品でも中村梅之助が江戸から命令する役をやっていたのでは、と思ったが、こちらは小沢栄太郎。
他にも似た構図で「若さま侍捕物帳」があり、こちらは若さまに密命を出す役が中村梅之助だった。一方、中村梅之助主演の時代劇テレビドラマで、「達磨大助事件帳」とか「そば屋梅吉捕物帳」もあり、これらも同じような構図。達磨大助では命を受ける役、そば屋梅吉では一人二役で命を出す役、受ける役両方をやっていた。
他のレギュラーは竜雷太演じる山崎哲之介が旅のお供というか毎度藤堂の前に現れるような役なんだろう、夏樹陽子演じる小百合は水野の配下で藤堂を手助けするという立場かな。
加納みゆき、ビートきよしはどれだけ登場するのやら。藤堂の嫁、志津と藤堂家の用人、弥五郎の役。江戸で待つ身のようである。が、OPのレギュラークレジットのところでちゃんと出ているのだから、それなりに主要登場人物には違いなさそう。
この第1話では全体的に割とシリアスなトーンだが、この志津、弥五郎のところは喜劇的、藤堂が子作りを迫られ戸惑う、という風に作られていた

※追記 同日視聴
第2回(第1話の後編)
「国定忠治を斬れ!第二部」となっており、一応前回で話の区切りはついているのだが、続き物となっている。おれはこれを第二話だと思っていたのだが、ウィキを見ると、この回はスペシャルとなっていて、2時間だったのだろう。
前回では藤堂の友達の青木の仇討の話。その仇討は終わったが悪は一掃されておらず、今回は江戸に戻り水野に関東取締出役(八州廻り)の仕事を受けるという場面から始まる
新田純一(レギュラー)登場。これでウィキをに掲載されているレギュラーは全員登場したことになる。
水野に対して八州廻りを隠密でやらせて欲しいと頼み込んだ藤堂だが、その相棒となる新田純一演じる新兵衛は正規の八州廻りになりたいといい、結局そのようになる。
最後の殺陣で藤堂は白装束、なんとも格好悪いのだが、ここがお約束の場面と今後なっていくのだろう。そしてこれが隠密八州廻りとしての出番であり、白装束での殺陣で悪を斬り捨ててしまう。
この白装束、隠密八州廻りは新兵衛には秘密になっているという設定で、一方新兵衛と一緒に行動している藤堂は正規の八州廻りとして名乗っており、この回では代官所で、国定忠治の詮議のため、お白州(江戸を斬るのときのような白い砂利ではないが)を開いている
嫁の志津とビートきよし演じる藤堂家用人の弥五郎の場面。これはこの回では江戸へ戻った序盤の場面で家にも戻り、そして前回と同じ喜劇場面で「かぶせ」てくる。前回とまったく同じで、子供がいないからこんな役を簡単に受けてしまうのだと嘆き、志津は布団を敷き、弥五郎は昼間にも関わらず雨戸を閉める。この喜劇場面はなんとこの回のラストにもある。仕事を終え、江戸に戻った藤堂、家に帰ると志津が布団を敷いて待っており、弥五郎は雨戸を閉める
多分毎回江戸から出発し江戸に戻るというような展開で、江戸での場面に志津と弥五郎の喜劇場面が入るのだろうな
森尾由美がなんだか芸能界デビューをしたばかりの初心な娘のような感じ、この作品のずっと前にデビューしたはずなのにと変な感じを受けた。

第2話 「非情・黒田槍」
横倉綾 - 日下由美
武平 - 下川辰平
相川半三郎 - 原口剛
相川縫 - 菊地陽子
鬼塚典膳 - 西山辰夫
江戸の場面はなしで、志津と弥五郎の出番なし
綾が仁和令子かと思った。
上に西郷輝彦が変わっていないと書いたが、やはり江戸を斬るから10年分の風格や疲れが見える。そして仁和令子(ではなかったが)もちょっと老けたなと思えた。それは時代劇常連の西山辰夫や、次の回の長谷川明男なんかにも感じる。
綾は病であり、序盤の臥せってる場面で仁和令子かと勘違いをしたのだが、その後歩き回る場面もあり、そこでは全然違う人で、一瞬誰だかわからずどういう場面かもわからなくなってしあった。
綾が槍持ちの武平を従え、夫の仇討(仇は相川半三郎)の旅。そしての妹、縫は半三郎の嫁となっており、この地で再会。ここで綾は妹と縁を切るのだが、その後、縫は誤りに来る、とこの場面で半三郎が乗り込んできて武平も含めみな斬り捨ててしまうという流れなのだが、この妹と縁を切り、そして妹の謝罪のところがなんの説明も心の描写もなく、展開するので、なんとも薄っぺらな感じがする
また、このシリーズの特徴となるかもしれないが、ストーリー上の悪役は善玉をみな殺害してしまい、藤堂はそこに間に合わず、その後白装束で悪を成敗という流れ。これは次の回もそうだった。

第3話 「義賊!?ねずみ小僧の謎を斬れ!」
吉蔵 - 長谷川明男
おとき - 清水めぐみ
次郎吉 - 堀内正美
市川徳次郎 - 森下哲夫
卯兵衛 - 山口幸生
市村菊三郎 - 中村錦司
弥市 - 田中弘史
与力 - 玉生司朗
鶴吉 - 平田桃介
この回はなんとも変な感じ。
まず「いばきゅうぞう(漢字で書けば「伊庭久三」かな)」という男を藤堂たちは追っている。となるとこの回はそういう話かと思う(この伊庭はここでは 弥市と名乗っていて、これが山本麟一みたいな顔で、メインゲストかと思ってしまった)のだが、途中から鼠小僧が江戸で捕まったという話が挿入され、その後その鼠小僧についての謎を追う話になっていく。また序盤では、その地で芝居が行われており、芝居は禁止されているという状況から、それを取り締まろうとする新兵衛とそのままにしておけという藤堂の言い合いから、結局上演を止めさせることになるというエピソードもあり、この三つがほとんど関係しておらず、色々詰め込み過ぎであり、また鼠小僧の話ならそれでいけばよく、なんでこんな意味のないエピソードを入れ込んでるかが謎。
といっても芝居では鼠小僧が上演されており、そこへ江戸で鼠小僧が捕まったと伝わってくるというそれなりに関連はあるといえなくもないのだけど。
藤堂はここまでの回で八州廻りであることを名乗ったり、または隠したりしている。この回では周りに人がいるところで新兵衛のことを「旦那」と呼ぶ場面があり、新兵衛に付いてる小者のようなふりをしている一方で、自分が八州廻りであることを言ってる場面もある
志津と弥五郎の江戸の場面多数あり。藤堂は一度江戸へ戻るという場面もあるし、ラストでは江戸へ帰還している
山崎哲之介はなんの説明もなく、藤堂の旅先でなにかの活動をしており、この回では伊庭に報奨金がかかったとのことで、それを狙っている
中村錦司は江戸を斬るのレギュラー。この回では芝小屋の親方で西郷と話し合う場面がある
山口幸生は時代劇の常連。ここでは顔がバッチリ映ってる。よく見る顔である
終盤吉蔵が連れ立っていると目立つから一人一人で上方へ向かおうと配下の者たちに言って各自旅立っているのだが、その次の場面で吉蔵の前に白装束藤堂が現れると、どこにいたのか配下の者たちが周りから現れ殺陣となる。まあ一人一人別々ではあるが、近くにいたということかもしれないけど

※追記1/30視聴
第4話 「巨悪の罠!消えた隠し金山を探れ!!」
林田善蔵 - 横光克彦
石川和泉守 - 幸田宗丸
星野仙右衛門 - 田中浩
有馬藤兵衛 - 三夏紳
松造 - 北見唯一
嘉助 - 河野実
林田伝兵衛 - 阿木五郎
ゲスト陣に知った名前がほとんどない。横光克彦がメインゲストという扱い。ウィキを見てみてびっくり。この数年後に衆院議員となっており、近年まで議員だったとのこと
幸田宗丸、北見唯一は時代劇の脇役あたりでの常連だ
女性が川で水浴びをしてる場面があり、胸のあたりも映ってるがボカシが入っている
駕籠かきの役で福本清三がいるように見えるが一瞬なのでよくわからない。これより前の回でもそれらしいのがいたような違うような・・・。制作協力として東映太秦映像があるので、出ている可能性はあるのだろう。
江戸組(志津と弥五郎)は今回は休み
山崎哲之介はこの回の序盤ではなかなか藤堂たちと顔を合わせることがなく、藤堂たちは「どこで嗅ぎつけてくるのか、必ず姿を見せるのに」、「いればうるさいしいなくなると寂しいし、妙に気になるやつ」 などと言っている
ここらで全体的なこと
OPナレーションとレギュラー陣のクレジットに続き、第1幕、CMの後に第二幕となり、ここでサブタイトル。なのであるが、その後のCM前にはアイキャッチがあるが、第1幕の終わりのところにはない。もしかしたらオリジナルでは、ここにCMがなく、ただサブタイトルが出る前のところで一旦CMとしているだけかもしれない
江戸を斬るなどもう少し古いテレビドラマ時代劇に比べて話が多少複雑か。見応えがあるとも言えるが一方で話を把握しづらかったり、また内容を詰め込みすぎなのか、ところどころで展開が雑。この回では、終盤の結末のあたりがそうだった。
オープニングのナレーション(佐藤慶)で、関東取締出役(八州廻り)は切捨御免の権限を持っていたとあり、そうすると藤堂はなぜ隠密であることを望んだのかがいまいちはっきりしないように思うが、藤堂がこれまでに斬り捨てる相手は代官だったりするわけで、こんなのを八州廻りが切捨御免とやるわけにもいくまい

第5話 「唐丸破り!!人情切り裂く三千両」
伝衛門 - 内田稔
お秋 - 木之原賀子
武ノ市 - 遠藤征慈
影山外記 - 高桐真
碓氷の五郎蔵 - 大木正司
伊三郎 - 森秀人
磯吉 - 西園寺章雄
相変わらずあまり知った名前がない。西園寺章雄は時代劇の常連。大木正司もよく見る顔だ。
お秋が善玉側で窮地に追い込まれているが殺されずに済んでおり、今シリーズでは珍しい
相変わらず結構凝った内容で、唐丸籠から囚人が奪われる。これが盗人の親分で、金のありかを知ってるのが親分だけだから助けたというのがメクラの振りをする武ノ市、一方親分に可愛がられた磯吉はそんな武ノ市に不信感を持つ。そして武ノ市は十手持ちと繋がっており、果ては代官まが、この金を狙っての囚人強奪計画の首謀者だった

1/31
第6話 「用心棒の目に涙 哀れ母子の絆」
青江源七 - 石橋正次
律 - 鈴鹿景子
小太郎 - 大西良和
佐々木監物 - 内田勝正
市来喬之助 - 草見潤平
大津屋伴助 - 石山律雄
内田勝正、石山律雄、ともに時代劇常連で、やっぱり10年分老けてる。一方鈴鹿景子はあまり変わりない。女性だからかなと思ったが、よく見てたのが必殺シリーズの後期だったかと、それなら今作品と同年代ともいえる。と思って調べたが、彼女が必殺に出てたのは仕事人、新仕事人、仕事人3、とのことで80年前後だ。
石橋正次は「江戸の激斗」で見た人だが、ここでは全く異なる役で、見てる間は全是気付かなかった

第7話 「旅人平八郎涙をかくす三度笠」
おたき - 竹井みどり
留吉 - 皿沢康志
卯兵衛 - 玉川伊佐男
荒牛長五郎 - 黒部進
浅吉 - 本郷直樹
島三 - 出水憲
銀八 - 井上茂
何故か急に作風が変化したように見える。藤堂が旅人(渡世人)姿、つまり侍ではない姿ということ。特に説明もない。
またこれまでそんな素振りがなかったのに、小百合が藤堂に惚れてる風で色っぽい声で甘える姿が冒頭にある。
そして今回はほとんどを藤堂が事件を解決するような内容で、小百合と新兵衛の出番は少ない。
荒牛というやくざが仕切ってる町で、おたきはかつて荒牛に殺されたもう一方のやくざの親分の未亡人。留吉はその息子でやくざに憧れているがおたきはそれを止めさせたがっている。藤堂が旅人姿で荒牛の子分どもをなぎ倒すのを見て藤堂に憧れてしまう。
藤堂はおたきの思いを知りその憧れを止めさせるためにわざと荒牛の前で無様な姿をさらすといったような展開
ラストではやっぱり白装束での殺陣、さらにはその地を去る際には侍姿、まあこういう展開を予想して旅人姿だったということだろう。そのラストで同じくその地を去ろうとしているおたきと再会、留吉には会わずに去ろうとするも、留吉はその後ろ姿を見入っており、そこへ斬りつけてきた荒牛の子分を、振り返りもせずあっさり斬り捨てたのを見て、留吉はそれがあの強いおじさんだと気付き、さらにはあれが演技だったことにも気付いたであろう、必死に声をかけるという場面で終わっていく。この終わりの部分は必要だろうか、なんとも苦い終わり方である
井上茂は第1話以来二度目の登場で、ここでは大層目立っている。悪役側のやくざ荒牛の子分たちのリーダー格ながら役者イメージ通り間抜けなキャラ

第8話 「街道の風も泣いてた 女郎うた」
紋次 - 西山浩司
黒木市之助 - 亀石征一郎
おさよ - 山下智子
おせい - 丘野桃子
捨五郎 - 中田博久
亀石征一郎、中田博久、それなりに老けた。中田博久なんかはかつてはやくざの代貸だとか下っ端あたりの役が多かったがここでは親分
前回を踏襲する感じで、旅人姿の藤堂がやくざ同士の抗争を調べていくという構図。
江戸組が久しぶりの登場、今回は初の試みだが、旅に出て藤堂も出会うという展開。江戸で道端でしゃがみこんでいる少女おさよを助けるも、目を離した隙にいなくなってしまい、お守りに入っていた紙から田舎に帰ったに違いないと追うという流れだ。

第9話 「哀れ!薄幸の美姉妹 折鶴の謎」
菊の家小銀 - 山本ゆか里
菊の家小梅 - 蜷川香子
角倉丹波 - 高野真二
雑賀屋源蔵 - 長谷川弘
八巻連三郎 - 成瀬正孝
村田伝内 - 崎津隆介
半蔵 - 平田桃介
備前屋万助 - 今村廣則
徳兵衛 - 日高久
高野真二は時代劇の常連である
日高久もそうか。この人はいつも変わらん感じだなあ
作品的には二つ指摘しておきたい。まずは第7,8話の旅人姿ではなく侍姿の藤堂、そして内容も前二回はやくざの話で、代官だとか奉行だとかの政治的権力者は出てこなかったが、今回はそういうのが悪役の頭(高野真二)となり、最後藤堂に成敗されるという展開
もう一つは、ストーリーなのだが、大岡越前や江戸を斬るで何度も出てきたような時代劇ではよくあるもの。すなわち、芸人一座がの裏の顔、敵討ち。
数十年もの過去、商家が商売仲間や奉行などに罠にかけられ、闕所となり主は殺される。生き残った子供が成長して芸人一座として身を隠して自分たちの親を罠にかけた奴らに敵討ちを決行していく、というもの。この回では姉妹とその兄かな、そしてその商家の用人(これが日高久)の四人組が敵討ちをする側の芸人一座
大岡越前などと違うのはこの作品の善玉側は皆殺しになってしまい、そして悪役側は藤堂に皆殺しにされるというあたり。
大岡越前だったらもちろん姉妹たちは生き残り最初に行った敵討ちは見逃し、もしくは情状酌量になるところだ
この回では新兵衛が妹の小梅と恋仲になるという展開もある、が、彼女も殺される
エンディングテーマ(主題歌)について。
本編が終わった後に流れ始めその主題歌の時の映像は毎回同じもの、ここでゲスト出演やスタッフクレジットなのだが、今回は本編がまだやっている終了間際のところから音楽が始まった。
早めに音楽が始まったということで、エンディングの映像は同じ長さのはずなのでどこでつじつまを合わせるのか、映像が全部流れたら音楽が早めに終わってしまうわけで、映像が一部カットされるのかなと確認。
音楽が長めになっていた。エンディングのリフレインが2回になっていた。
この主題歌は三好鉄生「男たちのバラード」。
本編でも終盤のかっこいいところで挿入歌として流れるという回も、ここまでで数回あった。

第10話 「暗闇に死す!忍びの恋の最期」
伊助 - 荒木しげる
酒井玄蕃 - 中田浩二
野分の久兵衛 - 福山升三
八田頼母 - 中村孝雄
百地三太夫 - 遠山金次郎
おたま - 村田美佐子
サブタイトルは小百合をさしている
序盤であっさりと盗賊の頭、野分の久兵衛の捕縛、江戸へ唐丸籠で運ぶことになるが、子分が取り返しに現れ撃退するも、その後のことを考え、護衛を郡代に頼む。郡代は快く引き受け護衛を差し出す。その中に小百合の幼馴染、伊助がいた。この二人の関係は、回想として忍の修行を一緒にやっており、伊助は小百合を「お嬢様」と呼んでいる。小百合は忍の頭の娘ということのようだ
あまりこれまで見たことのないような異色のストーリーという感じだが、こなれてないからか演出がイマイチに思えた。
郡代の悪事がわかってきたとき、その部下の伊助が悪事に絡んでいるのかどうかで、小百合が悩むという展開

2/2
第11話 「東洲斉写楽を斬れ!」
斎藤市兵衛 - 森次晃嗣
お米 - 葉山葉子
倉本仁左衛門 - 深江章喜
川上平蔵 - 金子研三
主税 - 原田慎也(子役)
徳平 - 伝法三千雄
茂作 - 森下鉄朗
この回は江戸組登場。第2回のところで「多分毎回江戸から出発し江戸に戻るというような展開で、江戸での場面に志津と弥五郎の喜劇場面が入るのだろうな」とおれは書いているが、そのような演出(喜劇的ではないが)。これがお約束的演出になるかとおれは思っていたのだが、それはまったくの外れで、ここまでこういう演出だったのはほとんどない。
今回は次が最終回だから、とか、あまりここまで出番がなかったから、とか、そんな理由で入れた感じで、ストーリー的には必然性がない
新たな演出としては、白装束影の八州の前の場面で、悪役の手下たちを、新兵衛と藤堂とで対峙するという場面があり、この場面では二人とも自分が関東取締出役、八州廻りであることを名乗っている(藤堂が関東取締出役と、新兵衛が八州廻りと名乗っている)。藤堂は陣笠(鉄製のもの、これも陣笠と呼ぶらしい)を被っていてずいぶん立派だ。今回は白装束影の八州の場面がないのかなと思ってしまったくらいだ。
ちなみにこの回では、他の登場人物からは浪人と呼ばれていて、また八州廻り新兵衛の小者みたいな素振りをしている
どこがどうとはいえないが、やっぱり演出がイマイチかなあと思える場面がいくつかある。
小百合のキャラ。前回で恋愛設定を見たせいもあるのだけど、ほかの時代劇に出てくる忍に比べちょっと弱弱しい。時代劇に出てくる忍はどんなところでも忍んで密談を聞き出し(これができるなら事件の解決は簡単)、また殺陣の場面でも剣術を使うことはあまりないが、他の手段で圧倒的に強い(これができるなら負けることはない)。
小百合もそういうキャラではあるのだけど、強さが感じられず、また緊迫感みたいなものもない。密談を聞き出すのに忍ぶのにもあまりにも楽々とやっていて難しいことのように見えないし命がけの仕事にも見えない。

最終話 「白頭巾危機一髪!」
お夏 - 岡まゆみ
河原十兵衛 - 西沢利明
小笠原長隆 - 江見俊太郎
島崎喜兵 - 上野山功一
津上 - 堀田真三
山形屋 - 須永克彦
牛吉 - 赤城太郎
久造 - 阿木五郎
俵 - 白川浩二郎
境 - 福本清三
小山 - 白井滋郎
小笠原長隆が元若年寄で水野に職を追われ、恨みに思っており、大目付、河原十兵衛を使って影の八州の首を取り、それによって水野を追い込もうとしているというのが全体的な設定。
島崎喜兵は今回の舞台の代官で、闇で鉄砲作りをしており、そのことを水野に命じられて藤堂たちは捜査に来ている。
福本清三は河原に付き従っているが、多分小笠原配下で派遣されてるのだろう。
今回の事件を追う流れの中で藤堂は新兵衛に影の八州が自分であることを告げる。
白装束影の八州の殺陣の場面では最終回らしく、そこへ新兵衛、小百合、さらには山崎哲之介までが駆け付け、旅回りレギュラー勢揃い。新兵衛に秘密を告げたのはこれの布石であったか。
中村梅之助が出ている。結局第1話とこの回のみ。

第2シリーズ
第1話 「姫君抹殺指令!対決!白頭巾対黒爪根来衆」
琴姫 - 伊藤麻衣子
森塚菊馬 - 美木良介
島村市之助 - 五代高之
堀田主膳 - 菅貫太郎
浅野帯刀 - 滝田裕介
角倉兵庫 - 原田清人
佐々木伝内 -黒部進
矢吹源蔵 - 遠藤征慈
生田左門 - 中条きよし
(スペシャルとなっており2時間だったのだろう、今回は2回に分けて放送、それぞれサブタイトルでは「第一部」、「第二部」と表示)
メインゲストは伊藤麻衣子、中条きよしということになるだろう。ゲスト出演者クレジットでトップが伊藤、その後美木良介、五代高之が単独表記、でその後数名並記が続き、中条きよしが単独表記、その後さらに下位のゲスト出演者クレジット、トメに準レギュラーの特別出演、中村梅之助
中条の時代劇というと勇次のイメージが強すぎてという感じがある。ここでは侍の役なのだけど。彼の演じるキャラが興味深い、善玉なのか悪役なのか。今回の悪役の親玉が菅貫太郎演じる堀田主膳でその配下という役どころ。藤堂を斬るように命じられるも、なんと二人は幼馴染。酒を酌み交わす場面がある。で、旧交を暖めながらも、最後は斬り合うという流れかなと思ったのだが(実際にはそうなる)、その後、主膳に人質に取られた志津や新兵衛、琴姫を助けるなんという場面があり、悪役側の配下ながらも旧友と気付き、裏切るという役かなと思いきや、なぜか最後は藤堂と一騎打ち。ここでわざと刀を引いて斬られる。時代劇にありがちな死に場所を探していたというような演出だ。
前シリーズと同じレギュラー陣で設定も受け継いでおり、そのまま連続ものとして見れる。これまでになかった演出もいくつかあり、まず志津。江戸に戻った小百合との対面の場面でキャラが変わったのかなと思えるようなしとやかな女性として登場。志津は江戸で人質に取られ、今回の舞台の場所に移されている。運ぶのも難儀だろうに。そういや、前シリーズ最終回での妊娠についてはどうなのだろう、赤ん坊は出てこなかったが。
藤堂が忍の吹き針にやられ瀕死の重傷となる。前シリーズではあまり窮地に陥るような場面はなかったはずで、これも珍しい。
ここで小百合が必死の看病。この場面だけでなく、小百合と藤堂、二人の場面が多く、そこで小百合が生い立ち(捨て子で忍に拾われ育てられた)を語ったり、悩みを語りしんみりする場面があったり、と今後、この二人の関係性にも注目
ビートきよしの出番は少なかった。
OPでナレーションがあり、その後レギュラー陣のクレジットというところは前シリーズと一緒(ナレーションは流用のようだ)だがそのバックに流れる映像が異なっている。音楽は同じ曲だが演奏が異なっているようだ
EDではゲスト出演者クレジットとスタッフクレジットで、主題歌が変更されている。この主題歌がちょっとダサめで、当世風の音と声。クレジットを見るまで気付かなかったが西郷の歌だった。

第2話 「みちのく母娘二人旅」
おまさ - 風祭ゆき
川田小十郎 - 清水章吾
おみつ - 川田美香
長井大膳 - 原口剛
なかなか良い出来である
ドラマ的に都合の良い偶然が二つ
山崎哲之介が藤堂を斬れと依頼されることになる
もう一つは山崎哲之介が面倒を見ている母娘がおり、その娘みつの父親と山崎が偶然に顔を合わせる
こういった偶然というのは演出が良くないと興ざめなのだが、例えば前者はコミカル(その部屋にいるものを斬れと言われ、襖を開けると藤堂一行、山崎を見て歓待、山崎はほうほうの体で退散、友を斬ることはできないと断る)に描かれており、悪くない
第二幕は山崎の場面ばかりという異色な作り方で、ここは割とコミカルな場面が多い。
山崎の財布を盗もうとしたみつと追いかけっこが、早回し。みつを追いかけていくと、そこには病気の母親(風祭ゆき)いる。
その薬礼を稼ぐため山崎はガマの油売りをやる、など。
山崎はこの母親に情をかける。
流れから言って父親になるという決断もありなんだろうと思うがこの回のラストでは旅立つ母娘を見送っている。
そういえば途中の場面で母親が山崎にみつの父親になって欲しいような素振りをみせそこで山崎はモジモジ。その様子を見て母親が落胆するという場面の彼女の表情の変化がとてもよい

2/3
第3話 「五六八なみだ旅」
神崎主膳 - 中野誠也
森 - 中田博久
才次 - 小池雄介
辰造 - 藤井司
お熊 - 河東けい
大黒屋 - 石浜祐次郎
ストーリー的には辰造がメインゲストなのだが、クレジットでは下位。どんな俳優かなと調べてみると、ほとんど情報が出てこない。89年の大河「春日局」に出たとあるくらいだ
角兵衛獅子をやらされている兄弟が出てくる話。この角兵衛獅子というのは時代劇でよく見るような気がするが、どうだろう。必殺のどこかの回で出てきたものが印象的で、実はそれ以外では見てないかもしれない。
ここで初めてわかったということでなく、前シリーズでもその傾向は濃厚なのだが、西郷の演じる役が「大岡越前」、「江戸を斬る」で彼の演じた役を思い出させる。藤堂は影の八州を引き受ける前は医師である。そして八州廻りの仕事中、頻繁に町人姿になるというあたりである
江戸を斬るではお前は何者だと問われ、「お江戸の悪を許しちゃおけねぇ男よ」と答えるお約束があったが、この回ではそれに似た感じ(江戸を斬るではラストの殺陣の場面で悪役に問われるのだが、ここではそうではない)で、あなたは何者かと問われ「おせっかい焼きの遊び人」と答える場面がある
今シリーズになり、新兵衛にも影の八州の正体が知れており、ラストの白装束での殺陣の場面で藤堂がひとりで悪に斬りこむ理由がなくなって、その意義が揺らいでいるように思う

第4話 「からくり峠あばれ越え」
青柳錦四郎 - 吉岡祐一
関 - 立川三貴
江戸屋伍平 - 江見俊太郎
喜三郎 - 小沢象
五十嵐主膳 - 高桐真
足立主水 - 竜川真
佐平次 - 西田靜志郎
おきく - 立原ちえみ
茂作 - 日高久
江戸屋 は大名に金を貸してその借金を元にその藩を支配するという悪役。
そしてその藩の家臣たちには江戸屋にすり寄ってるものもおり、だが、その家臣は面従腹背。悪役のように見えて、実は・・・、という展開がいくつかあり、そこらへんは見ごたえがある
また一方で城代家老は江戸やに不満を持つ若い侍たちに頼りにされているのだが実は裏で江戸家と握っているという風に、○○のように見えて実は・・・、という設定がいくつか重ねられており面白い。

第5話 「親泣かせ手車道中」
おまつ - 川上夏代
おこん - 鷲見利恵
留吉 - 四禮正明
草柳大四郎 - 原口剛
おくら - 宮田圭子
なぜか江戸が舞台の話となる。なぜ江戸の悪事を彼らが捜査するのかという疑問が。
話の始めは旅先でそこで出会ったおまつというお婆さんがゴマの蠅から恐喝されてるのを助け、そのおまつが息子のことが心配で江戸へ出るとのことで・・・。とここまで話がいったあと、場面が変わるのだが、ここが江戸。なのだけどそのことに気付かずに見ていた。江戸でのそのおまつの息子、留吉の話になり、そこへ藤堂などが介入していくことになる
江戸が舞台だが、志津たち江戸組の出番は少ない

第6話 「地獄へ送る一万両」
徳蔵 - 出光元
おやえ - 佐倉しおり
堀田康景 - 御木本伸介
金井軍兵衛 - 石橋雅史
またしても江戸が舞台。今回は話の始めは江戸だが、そこで勘定奉行の堀田から命じられ、公儀貸付金強奪事件を捜査しに行く。そこで待ち構えていた山崎が事件のあらましを伝え、藤堂は強奪犯が江戸へ逃げたことを推理し、江戸に戻るという展開で江戸が舞台となる。
この回は江戸組が活躍。とくに弥五郎のほうはこれだけ出番の多いのはシリーズ初。そして志津のほうは第1話で見せたのと同じくやはり喜劇的場面はなく、おしとやかであったり、夫を支える姿であったりである
序盤でおつかいに出た弥五郎は、エロ画と騙されて相撲の絵を買わされるという場面があり、おれはそれだけでも、一番最初の回にあった以来のビートきよしというタレントを生かした喜劇的場面だなと思っていた。それはそれだけの場面かと思いきや、その相撲絵を騙した男というのが今回のメインゲストのひとりで徳蔵
その徳蔵とおやえの父娘再会(おやえの母はおやえが生まれる前に徳蔵とは別れてしまっていておやえは父親に会ったことはない)という人情噺系と、貸付金強奪事件という二つの話が並行して進む感じ。この二つの事件は微妙に絡んではいるが、基本的にはさして絡みはない。
徳蔵はその日暮らしのどうしようもない男。ラストのナレーションがちょっと珍しくコメディチック。「やえと徳蔵は一つ屋根の下で暮らすようになった。徳蔵は人が違ったように働き者に」でナレーションが止まり、コミカルな音楽、おやえにもうお昼だよと起こされる徳蔵、やってきた藤堂夫婦を見つけると、「明日から働きに行きます。今日までがお休み」、そこでナレーション「徳蔵は人が違ったように働き者にはならなかった。しかしやえはそれでもよかった。親子二人一つ屋根の下で一緒に暮らせるだけで幸せだった」

第7話 「上州からっ風怨み風」
青木竜弥 - 渋谷哲平
おりつ - 長島裕子
直祐 - 成瀬正孝
寺内左蔵 - 中田博久
太平 - 西園寺章雄
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上州・板鼻代官所の手代・竜弥は名主の息子。数年前、凶盗に母を殺されたことを発端に、下手人を自分の手で捕らえるため、家督を人に譲り手代になった。
隣接する峰岡藩の藩主の弟・直祐は、村娘をさらってきては慰みものにしていた。竜弥の母を殺したのは直祐なのか?
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江戸が舞台の作品が二回続いたが今回は元通り旅先での話
なぜか藤堂の出番が控えめで、新兵衛が動き回り、その後ろで相談を受けるような役柄に終始している。もちろんラストはいつも通りだが。
そしてこの回では、なぜ藤堂が一人、影の八州として悪に斬りこむのかがわかるような場面がある。
竜弥とおりつは幼馴染、おりつが直祐の命により峰岡藩士たちにさらわれたのを、取り戻しに行くというような展開がある。さらわれたときにりつは直祐たちが酒を飲んで話していたことを聞いており、竜弥の母の件は押し入りにやられたことになっていたが、真相は直祐の手によるものであったのだ。
そして直祐は直祐のいる屋敷に斬りこみ返り討ち、新兵衛はいきり立ち、直祐を斬りに行こうとするも小百合が止める。「関東取締出役を止めるつもりですか、大名領で屋敷に押し入り藩主の弟を殺害すればお役御免は必定」と。
影の八州として隠密裏に行わなければならない案件なのだ。じゃあ新兵衛もそうすりゃいいじゃんとなるが、影の八州として遂行することを新兵衛は許されていない。

2/4
第8話 「平八郎を仇と狙う女」
おきち - 日下由美
岩淵庄太夫 - 石山律雄
飯塚弥平 - 出水憲
仁助 - 田中弘史
吉松 - 結城市朗
おなみ - 武田京子
新蔵 - 武井三二
新蔵は盗人の一味、捜査に訪れた藤堂、殺された新蔵を見つけることになる。その家を出ると入れ替わりに女房のおきちがやってきて亭主が殺されてるのを見て、藤堂を仇と狙い出す。
おきちが金を頼みに吉松を使い腕の立つ浪人を数人集めてもらうが、吉松は藤堂を斬るより、おきちから有り金全部もらったほうが簡単だと言い出し、おきちは襲われ、藤堂に助け出される、というこの勘違い的な構成が面白い。
この回に限ってのことでないことを二点
時代劇全般であるが、遠くで喋ってる会話が聞こえるというのは変だが時代劇のお約束。ここでも田んぼを挟んで大した大きな声でなく会話したり、神社前の藤堂たちの会話をおきちが聞き取るとかだ
藤堂が隠密で業務遂行をする理由。これは第1話(第1シリーズ)という一番最初に言っているが、隠密でなければ探れないことというのが多々あるということなのだろう。おれはずっと隠密でやる意味があまりないように思っていたが、そういえばそうだ。この回で藤堂は賞金稼ぎの浪人と称しているのを見て気付く。

第9話 「隠密無残!骨箱の謎」
矢吹加代 - 七瀬なつみ
伊助 - 塚本信夫
寺崎刑部 - 南原宏治
平野屋藤兵衛 - 江見俊太郎
笹木軍蔵 - 小沢象
岸本伝十郎 - 遠藤征慈
佐兵衛 - 北見唯一
矢吹源七 - 中嶋俊一
殺陣の場面で福本清三らしき人、違うかな、かなり長く映っている。ちょっと若く見える
この回では善玉が悪役に斬り殺されてしまう。このシリーズでのお約束というほど毎回ではないが、大岡越前や江戸を斬るの場合はそういう場面に必ず主役側の助けが入るのであるが、こちらでは間に合わず、ということが比較的多い

第10話 「もち肌の女 連続殺人事件」
志村源斉 - 磯部勉
倉橋典膳 - 小笠原良知
伊三郎 - 石浜祐次郎
多平 - 松田明
お紺 - 長谷川千佳
お久美 - 西側有利子
お咲 - 酒井久美子
福本清三(役名なし)
藤堂は医師という面もあり、これまでにも行き会った病人、怪我人を診るような場面もあったが、この回ではこれまでに初めて、その医師の知識を生かしての推理。今回の事件はもち肌の若い女が殺され、肌が切り取られているというもので、悪役は医師の源斉、ある女のやけど痕の治療のためであり、それを藤堂も推察する。
源斉の用心棒集団のトップが福原清三で、セリフも多く、殺陣でも最後に斬られる源斉の前に斬られており見せ場たっぷり。クレジットも相当に上だろうと思ったが、役名なしのところだった

第11話 「三吉馬子唄 なみだ唄」
山中義勝 - 長谷川哲夫
お稲 - 遠藤真理子
石垣頼母 - 深江章喜
望月兵馬 - 冨家規政
三吉 - 西尾塁(子役)
遠藤真理子メインゲストとして登場、江戸を斬るで長年共演してきた西郷との2ショット場面もある
ここ数作品では藤堂と新兵衛、小百合の三人での旅姿が毎度のように登場、そして藤堂は町人姿(この回では遊び人と自称して素性を隠している)で新兵衛の小者を装っての旅姿。新兵衛の小者を装っての町人姿となると、やはり江戸を斬るを思い出す
それまではそこまで決まりきったお約束はなく、それはスタイルが定まり切っていないともいえるし、柔軟に話を構築しているともいえる

第12話 「愛を切り裂く高瀬舟」
利根屋吉五郎 - 内田稔
井筒屋仙右衛門 - 中村孝雄
板倉将監 - 田中浩
弥助 - 益富信孝
おしの - 東城美帆
伊太郎 - 平田桃介
源次 - 原一平
船問屋(舟での運送業)、井筒屋の漕ぎ手が殺され、商売敵の利根屋の仕業だろうということになり、話が進んでいく。利根屋は代官に賄賂を渡すも、その次の代官への面会者は井筒屋で、二人は利根屋をあざ笑う。という風に利根屋のほうも賄賂を渡すという意味では悪人ではあるが、結局はお取り潰しになり、利根屋と代官は藤堂に成敗される

第13話 「檜舞台の罠!旅役者涙の晴れ姿」
花村菊之丞 - 藤木悠
森田藤十郎 - 片桐光洋
六兵衛 - 睦五朗
神保豊後守利重 - 西山辰夫
中村錦司(役名なし)
中村錦司、再び登場。旅役者一座の話で座頭役が藤木悠、中村は座頭を補佐するという番頭というような前回と似たような役回り。
第5話で江戸の場面になったときに気付かなかったというようなことを書いたが、ここでは江戸の場面になったとき「江戸」とテロップ
そもそも町の様子が江戸とそれ以外であまり大差ない。どう差をつければいいのかよくわからないが。なので、江戸以外が舞台でも江戸のを舞台にした捕物時代劇と変わりない感じがこれまでの回の多くで感じた。
今回は江戸から始まり、抜け荷捜査でその地まで行き、また江戸が舞台になり、また江戸から外が舞台になるという感じかな。
龍雷太について。
この作品での西郷に次ぐ準主役。他の回でも出番は少なくなく、そしてこの回でも取り立てて多いというほどでもないが、この旅役者一座に肩入れし、藤堂とも対立するというフィーチャーされている回。回船商の唐津屋(睦五朗)が大奥へ阿片を入れている疑いがあり、そのからくりとして、江戸近くで舟から小舟へ荷を下ろし、川を上る。そして陸路江戸へ。その際の陸路を旅一座に運ばせていたのだ。
そして花村菊之丞一座にもその疑いがかかり、その一座にくっついて下働きをしている山崎に藤堂が話をして協力を頼むも、花村菊之丞が長年旅回りをしていて、夢の江戸の檜舞台に上がる機会を潰したくないと、協力を拒み、だがしかし・・・。
龍雷太の役は、時代劇ならでは、というか、ツッコミどころ満載、藤堂の行くところどこでも都合よく登場し、色々なその場の仕事に従事しているが、そういうのを不思議に感じさせない、まあ時代劇だからと鳴れてしまっているだけかもしれないが、龍雷太の豪放磊落な明るい演技のためかとも思う。

第14話 「炎の地獄に見た人情」
村田玄朴 - 玉川伊佐男
おせい - 北川めぐみ
佐々木大膳 - 亀石征一郎
早田仙十郎 - 堀田真三
お市 - 速川明子
長次 - 江端郁巳
猪之吉 - 結城市朗
増田屋茂十 - 三角八朗
三角八朗、若い時分はお人よし間抜けな江戸っ子の役が似合ってた人だが、少し老けてきていて、悪徳商人の役。確か大岡越前でも老けてきた役を見たはず
テンポの良い演出が効果的な場面があった。おせいの店へやくざどもが乗り込んでくる場面、そこへおせいの過去の男である猪之吉が現れ、おせいの過去を暴露、さらには山崎が現れ、猪之吉を脅す(今回の作品ですでに出会っていて、猪之吉の悪さを懲らしめている)
ここに限らず全体的にテンポがよく、ストーリーの中身が昔の時代劇より濃い感じ

第15話 「女三度笠 涙の迷子札」
お新 - 若林志穂
おりく - 荒木雅子
矢吹軍蔵 - 伊藤高
新田の勝五郎 - 曽根晴美
坂井屋藤兵衛 - 高桐真
佐兵衛 - 芝本正
市助 - 有光豊
前回に書いたように中身が濃い。前半だけで一つの1時間ドラマとして成り立ちそう。
その前半、サブタイトルにある「女三度笠」は小百合のコスプレ、女旅がらす。こういう演出に合わせて気取った芝居口調。
以前に藤堂は新兵衛の小者のように装ってると書いたが、ここでは藤堂は新兵衛を旅の道連れと役人に説明している。
中身が濃く、かつての時代劇より現代的な感じがする一方で今作品の一貫したお約束、白装束での最後の殺陣の場面、ここは昔ながらの時代劇という感じで、この時代だと時代遅れたと言われそう。オマージュかパロディか。まあ、それくらい正々堂々とやっている

2/5
第16話 「阿片地獄に散った華」
神林宗庵 - 西田健
大和田 - 中田浩二
登勢 - 三浦リカ
小雪 - 樋口しげり
同心 - 大木晤郎
飲み屋の親父 - 日高久
冒頭、藤堂の帰りを待つ江戸組。ここで第1シリーズ初回の布団コントを思い出させるようなやり取りが控えめにある。
この回では藤堂夫婦と親友である医師の夫婦、神林宗庵と登勢が登場し、回想場面ではその二組の若いころが出てくる。
山崎は、ここ数回で同じようなパターンがある。悪役側に雇われるも肝心の殺陣の場面になると、急に振り向き悪役側に斬りこむ
新兵衛には酒を飲めないという設定があったはず。確か第1シリーズの序盤。
この回ではガブガブ飲んでいる。
この回よりちょっと前の回にも少し酒を飲んでる場面があり変だなと思ったのだが
悪役側に阿片漬けにされた芸者の小雪、藤堂が阿片を一晩が我慢させなんとか阿片が抜けたという翌朝に一人で小川に顔を洗わせに行かせ、そこで殺される。藤堂が近くにいながら、殺されてしまう。この作品の特徴でもある

第17話 「女郎花は咲かず」
流れの喜三郎 - 沖田さとし
おさち・雪江(二役) - 浜田朱里
だるまの鹿蔵 - 和崎俊哉
辰巳屋利助 - 森章二
関根紋太夫 - 波田久夫
張戸の政五郎 - 笹五朗
甚平 - 伝法三千雄
山崎は過去に自分が好きになった女性そっくりの病がちの女郎おさちを不憫に思い助けようとするもその金を作るため、人を斬ることを依頼され、その男と対決しようとする。が、その男、喜三郎おさちの兄だった。山崎が斬ったわけではないが、喜三郎は山崎を狙った銃撃に倒れ亡くなる
ラストでは山崎はおさちに付き添い、藤堂たちに「縁があったらまた逢おう」と別離の挨拶。おさちは労咳で残りの命は短いものと見込まれているが。

第18話 「過去を捨てた逃亡者」
矢野大助 - ひかる一平
お千代 - 加藤由美
熊造 - 井上昭文
黒坂多門 - 外山高士
次郎太 - 本郷直樹
中山 - 唐沢民賢
茂助 - 溝田繁
巳之吉 - 五十嵐義弘
今泉 - 中嶋俊一
冒頭から前回の山崎と藤堂たちの別離の説明はなにもなく、四人組での旅。
井上昭文、いつもやくざの親分というような役の時代劇常連の悪役。ここでも同じような役(地回りの親分で十手持ち)、悪役顔で登場するも、代官の命令に逆らい十手返上をしに行き斬られるという展開。
この回だけではなくこのシリーズの特徴として、白装束藤堂の殺陣の場面の前に、大人数での殺陣があり、そこでは藤堂だけでなく他の三人も参加して悪と対峙することが多い、ここでのその場面では、藤堂はおらず、新兵衛と山崎で立ち向かっている。が白装束影の八州の場面では助勢することはない。

第19話 「女渡世人 緋牡丹お絹」
緋牡丹お絹 - 沖直美
脇坂陣内 - 高野真二
堀伝九郎 - 中田博久
太助 - 堀光昭
お清 - 福家美峰
加吉 - 今村廣則
音市 - 芝本正
犬神の紋次 - 岩尾正隆
虎八 - 井上茂
阿久津 - 福本清三
複数回出演者が多い回。複数回出演者はここのところ他の回でも目立っていた。
福本清三は序盤で山崎に斬られてしまうが、やくざの犬神の紋次一家の用心棒で親分の相談相手にもなっており、セリフもあり目立っている

第20話 「水郷に咲いた夫婦花」
上総屋藤兵衛 - 工藤堅太郎
おまさ - 小野さやか
おみね - 一柳みる
おしん - 五代百絵
梶原長門 - 五味龍太郎
河津伊豆守 - 森下鉄朗
勘八 - 浜伸詞
伊奈 - 柳原久仁夫
半次 - 竜川真
大平 -笹木俊志
工藤堅太郎は有名どころでありゲストトップでもちろんよい。そしてストーリー上も重要な役どころなのだが、その割に出番が少な目。顔がわかってるからか、存在感はあるのだけど。
頼母子講の胴元が上総屋でその番頭がお金を持ち逃げ。が、その裏にはからくりがあり、首謀者は上総屋夫妻、その背後には勘定奉行の存在、といったような構図。上総屋の女将であるおみねのほうが出番が多く、旦那のほうは気弱という設定でもあるようだ

2/6
第21話 「旅人平八郎怒りの賭場荒らし」
嘉平 - 谷村昌彦
お里 - 片山由香
巴屋虎五郎 - 内田勝正
貝塚頼母 - 西山辰夫
犬山松十郎 - 石倉英彦
吾作 - 宮城幸生
伝次 - 下元年世
お玉 - 武田京子

第22話 「恋女房が消えた!怒りの裏街道」
黒頭の千蔵 - 長谷川明男
弥平 - 結城市朗
舞台は青梅街道、田無宿
盗賊の頭である黒頭の千蔵を捕まえ、唐丸籠で青梅街道を江戸へ護送の道中。新兵衛が藤堂の女房を誘拐、千蔵との交換を要求する手紙を見つけ、藤堂に報告せずに単独行動。
この人質交換の場所に指定されているのが田無宿の総持寺。
江戸組が久しぶりの登場。山崎は江戸におり、志津と顔を合わせるものの、再度訪れると、志津がさらわれたと弥五郎。志津をさらうなど藤堂の今の仕事と関連しているに違いないと、調べて田無へ。という展開。
この千蔵は山崎の旅先で知り合った大事な女の仇であることがわかり、俺に斬らせろと藤堂に言うも、お前の仕事じゃないと、やっぱりいつもの白装束。でもこの回は盗賊の一団を斬りに行くだけで、影の八州である必要もなく、また、山崎が出張って行ってもいいような内容

第23話 「ご赦免花の咲く日迄」
喜三郎 - 堀内正美
巳之吉 - 荒木しげる
室井勘兵衛 - 浜田晃
徳兵衛 - 長谷川弘
出だしのところがあまりよくなく、入り込めない。そして全体的にストーリーの運びが雑な感じがする。
江戸に藤堂が戻っており、医者業をやっている様子から始まる(基本的に江戸が舞台で、相手と対決するために上州へ行くという展開)。藤堂の家に怪しげな男が入り込む。病のようだ。志津は介抱しようとするが、腕に二本線の入れ墨。外では呼子も鳴っており、弥五郎は止めようとするも志津はお構いなし。
追手である同心たちが見回りに来て、島抜けした男を探していると話すも、志津はその男のことを喋らず匿う。
藤堂が帰ってきて、志津が事情を話すと、男が回復したら役人に届けるようと諭す。
男は家から金を盗もうとすると、志津は金を渡してやり、男は外へ逃げる
が、追手に見つかり、男は藤堂の家へ舞い戻る。
追手が藤堂の家に聞き込みに。男は自分は無実なのだ、匿ってくれと言う。志津はまたしても同心を追っ払う。
と、ここら辺の志津の行動、優しさとかでなく、頭のおかしい人である。
まあ男が無実だと言い、それを信じての行動という風な解釈はできなくもないが、それ以前のところでは、なにもそういうのがなくて、追手を追っ払っている
で、その後その男(喜三郎)が長々と自分の島送りになった経緯を話す。
本来は、この経緯を聞いた後に、この目は嘘を言ってないぜ、などと言って、匿ってやるというのが常道の筋だと思う。
藤堂がこの回では医者をしている。江戸に戻っているときは医者をやっているという描写は他の回でもあった。
志津が二回目に追手を追っ払うときに、藤堂家は町医者とはいえ元は旗本、と言っている。第1シリーズの初回で、藤堂家再興を願い出ており、それが成されての八州廻りかと思っていたが、江戸では医者をやっているし、再興されていないのか。
ここまで皆勤の小百合がこの回には出ていない。

2/7
最終話 「凄絶!新兵衛死す」
七兵衛 - 織本順吉
源三 - 大橋吾郎
お絹 - 日下由美
米沢監物 - 中田浩二
時津屋甚助 - 田畑猛雄
新兵衛殉職
第1シリーズ最後での志津の妊娠については設定は捨て去られているようだ
中村梅之助の出演はなし。第2シリーズでは第1話だけの出演
第3シリーズ
第1話 「帰ってきた白頭巾!仇討ち人情に泣く女」
桂木綾 - 北原佐和子
桂木弥七郎 - 海津亮介
佐々木大膳 - 深江章喜
山形屋源蔵 - 長谷川弘
佐兵衛 - 日高久
島村虎之助 - 滝譲二
西浦十蔵 - 福本清三
いつもどおり新シリーズの初回は前シリーズの最終回から継続しての視聴
ウィキにチラリと目をやるとレギュラーが大幅に変わるようで、シリーズの設定も大きく変わるのかと思いきや、前シリーズの設定を引き継いでの続編。新たなレギュラー、塙兵吾(倉田てつを)は新兵衛の後釜であり、顔は似てるわけでもないが、姿形を似せており、遠目に見ると新兵衛っぽく登場。
この兵吾は渡世人姿の藤堂を知らずに無礼な口を聞くという出会い。その後藤堂が正体を明かし、そして兵吾に紹介するという形でレギュラーの山崎と小百合が登場。山崎は全4シリーズに登場するようだが、小百合は全部に出るわけではないということを知っていたから、ここで交代かと思っていたのだが、小百合も出ることで、基本設定に変わりがなさそうだという安心感がある。
中村梅之助の出演はないが、水野による差配であることも同じで、兵吾は水野による任命で藤堂とは知り合いではないという設定。
白装束での最後の殺陣の場面はこれまでのものをほぼ踏襲。
おれは白装束という言葉を使っていたがサブタイトルで白頭巾という言葉が使われている(これまでの他の回でも使われていた)。これは江戸を斬るでの紫頭巾の影響か
他にちんちらお京(演 - 井上ユカリ)と乙松(演 - 今村廣則)がレギュラー。スリをしたり、ちんちら踊りなる裾をたくし上げて生足を見せての踊りを道端やったりしながら旅をしてる二人組で、この回では何度も兵吾をからかっている。美人ではないが愛嬌のある顔という類で、妙に色っぽい。ウィキを見てみると、必殺へのゲスト出演がたくさんある。おれは名前をここで初めて認識したというくらいで、必殺への出演については覚えてないが
前シリーズで段々固まってきた新兵衛が表、藤堂が裏という関係性があった。
新シリーズなので色々説明調のところがあるのだが、この件については藤堂が口頭で兵吾は表、自分は裏と説明しており、今後の旅では常に兵吾が八州廻りを名乗り、藤堂の方は町人姿、渡世人姿での旅となるのであろう。
第1シリーズではラストシーンで毎度、また影の八州にやられたと新兵衛が藤堂に訴えていたが、第2シリーズでは、それは消えた。第1シリーズの最終回で影の八州が藤堂であることを新兵衛も知ったからだ。それが今シリーズでは復活。
そして江戸組の志津と弥五郎は登場しない。藤堂に女房がいるという設定は継続しているかどうかわからない。
OPナレーション、文言は変わらないものの、ナレーターは芝本正に代わった。音楽は第2シリーズと同じだが、多少演奏が違うようにも聞こえる。
EDではテーマ曲は第2シリーズと同じだが、バックの映像は変更。この曲は浜口庫之助の作曲となっていて、おれは浜口庫之助をずいぶん昔の人かと思っていたが、亡くなったのは1990年で晩年まで活動をしていたとのこと。
福本清三は押し込み強盗の一団のリーダーでセリフも出番も多い、最後の殺陣では最後に斬られている

第2話 「てるてる坊主が泣いている」
おひさ - 未來貴子
半次郎 - 冨家規政
大崎主膳 - 小林勝彦
源蔵 - 遠藤征慈
佐七 - 中嶋俊一
クレジットなしで福本清三。侍屋敷の護衛の侍役、最後の殺陣で最後から二番目に斬られている。髪はいつもの浪人姿でなくきちっと整えられた侍姿
お京は平八郎に惚れてそれを追っての旅のようであり、小百合とも旧知であることがこの回でわかる

第3話 「縁切り寺異聞 尼寺の罠」
田代十兵衛 - 原口剛
磯田伝三郎 - 本郷直樹
妙真尼 - 犬塚賀子
英法尼(しの) - 樋口しげり
賢徳尼 - 島村昌子
浄心尼(みつ) - 想野まり
お京、説明もなく、藤堂たちの部屋に入り込み、旅の一行みたいになってる
兵吾がラストでまたしても影の八州と言うと、藤堂が「くそう、また影の八州か」とつぶやいている
ラストで藤堂が独り者の兵吾に女について教えてやったと言っており、そこで藤堂の女についても話題になっているが、いま現在女房持ちかどうかはわからない
この回では藤堂は一貫として侍の格好をしており、悪役に関東取締出役と名乗って対峙

第4話 「凧が泣いた宿場の女」
おさき - 辻沢杏子
おろく - 風祭ゆき
梶川左門 - 亀石征一郎
彦造 - 横光克彦
お京、乙松の出演なし。旅先での出演者だから毎回出るのかと思ったが。レギュラーで出演がない場合は、前のシリーズでもそうだが、OP映像は変更はないが名前が消される。この二人はOP映像で映像付きの紹介であり、その映像は残ったまま名前が消されている
藤堂は女を斬らない設定なのかな。確か以前の回でも斬らずにおいたことがあった。この回では殺陣の場面に悪役であるおろくはいるのであるが、もう一人の悪役、 梶川に間違って刺されるという風にして絶命
殺陣の場面で福本清三ばりの斬られ方が一瞬映るのだが、同じような斬られ方をする人は何人もいそうだし、違うかな。

第5話 「一天地六 賽の目地獄」
剣持十太夫 - 黒部進
相撲常 - 大前均
神谷多三郎 - 高峰圭二
おかよ - 内野真理子
藤堂はこの回ではずっと侍姿。「浪人姿」と山崎は言っている。時代劇でよくあることであるが、「浪人姿」と「浪人でない侍」との見分けがおれにはわからない。

第6話 「赤いほおずき怨み節」
おれん - 葉山葉子
山犬の紋次 - 浜田晃
金沢外記 - 田中浩
清兵衛 - 石見栄英
ほかに「お美代 - 山崎杏奈」
--2年前、平八郎は鷹の巣宿に巣食うゴロツキを捕らえ、鷹の巣山の流刑場に送り込んだことがあった。
宿場には平和が戻ったかに見えたが…代官・近藤は御用林を横流ししていた。再び鷹の巣宿に来た平八郎を、近藤は囚人を使って殺そうとする--
藤堂がかつて仕事で訪れ、悪を成敗し、町のものから感謝された地へ、その時助けた女○○の婚礼に呼ばれ、私的な旅。とこんな異例な始まり方。
そして話が進むにつれ、とても丁寧な名作っぽい作りになっており、なにかの記念回のようでさえある。
その過去の悪人たちは山犬の紋次の一味、今は鷹の巣山の流刑場。その地の代官はある企みのため彼らを脱獄させ、藤堂が来ていることを教え、復讐させようとする。
紋次たちが脱獄し、町にやってくると町民は震えあがり、藤堂に出ていけと言い出すあたりは、黒澤映画っぽい、地名の「鷹の巣山」から「蜘蛛巣城」を連想した。

2/8
第7話 「地獄に落ちた女郎蜘蛛」
おさき - 吉川十和子
伊助 - 若松俊秀
利根屋吉兵衛 - 和崎俊哉
勘八 - 重久剛一
半次 - 入江武敏
およね - 紅萬子
登場人物の多くに色々設定があり、そこらのエピソードを広げればもっと長い作品にもなりそうな、一時間ドラマにしては盛り込み過ぎというか。
大きな商家の女房おさきが万引き癖。これは時代劇で時折ある設定、いや現代ものでもありそうだ、それをチンピラの伊助が見つけ、強請をかけるうちに本当に惚れてしまい、相思相愛になるも、その伊助は斬殺されてしまう。とここから大きく話が展開していく。
おさきは10年前に実家に押し込み、女郎蜘蛛のとよぞう一味が入りひとり生き残る。その際治療をしたのが藤堂。
そしてその押し込みをした女郎蜘蛛のとよぞうがなんといまの夫の利根屋。
さらにおさきの面倒を見ている女中およねはじつは利根屋の昔の女でおさきを恨んでいる
またその地の十手持ち勘八、藤堂たちの捜査を手伝っているが裏で利根屋と繋がっていた。とこの後者二つはさらっとしか描かれていないが、これだけ盛りだくさん

第8話 「川止め、足止め、地獄越え!」
竜之助 - 沖田浩之
小笠原義久 - 高野真二
文造 - 吉田豊明
逓兵衛 - 多賀勝
権蔵 - 田中弘史
姫次郎 - 結城市朗
宿場で川止めになり、宿屋は満室ばかり。相部屋ならと藤堂たちは通され、そこでの人々のストーリー。
ストーリーが二つある。その二つはあまり関連していないように思える。一つは竜之助、藩の若殿様で、城代家老から狙われている。もうひとつは盗人、椋鳥の文造。彼はもう年貢の納めどころとばかりに妻子の顔を見たいと故郷へ帰ろうとしているのだが、藤堂が見つけ一緒に宿に入っている少女、二人の姉妹は、文造の娘で、売られたのを逃げ出してきたのだった
なんだか話がわかりにくいなと要所要所を見返してみると、所謂伏線というか、セリフや表情などがその人物の正体はストーリーの上での関係性を示唆するような演出になっている。
この二つのストーリー以外のところだが、序盤の宿屋の場面で山崎が宿で相部屋になった男、武勇伝をペラペラしゃべっている、に対し、おれがそのお前を仇と狙っている男だ、と落語「宿屋の仇討」ベースのことをやっている(ラストでその落語のオチのようなこともやっている)

第9話 「年増殺し最後の賭け」
おそで - 三浦リカ
徳三郎 - 島英臣
奥田玄之進 - 成瀬正孝
奥田典膳 - 五味龍太郎
勘八 - 井上茂
年増の女から金を搾り取り殺す男の話。大岡越前より鬼平にありそうな話だ。
第4幕のところで、騙されてる女おそでが藤堂たちに交際している男がそういうことを繰り返している男だということを知らされ、確認のために会いに行くという場面がとても良い。そこでその男徳三郎は懇親の嘘を吐く。見てるおれは、こっちが真実なのかなと思ったくらいである。で、おそでは、その話に最後の賭けをする

第10話 「呪いの伝説 隠し銅山の罠」
音吉 - 竜川真
お里 - 速川明子
住職 - 幸田宗丸
神塚主殿 - 外山高士
吾作 - 伊庭剛
彦兵衛 - 阿木五郎
達右衛門 - 須永克彦
田所陣十郎 - 玉生司朗
秋葉 - 芝本正
ナレーターの芝本が登場。ナレーターが出るからには特別な役というのが期待されるが、彼のいつも通りくらいの役。でも顔のドアップがある。
鬼平の萬屋錦之介版で小林昭二がナレーターながらゲスト出演をしていたのを覚えている
第1シリーズの9話のところで書いているのだがEDでの主題歌。基本は本編終了後に、主題歌とゲスト出演者、スタッフのクレジットが始まるのだが、本編終了間際から主題歌が始まることも多々ある。どうやってバックの映像と合わせてるのかなと確認してみた。本編終了後に流れる主題歌はいきなり歌から始まるが、本編終了前から主題歌が始まるときはイントロがあり、歌が始まると同時に、いつものエンディング映像とクレジットが開始されるという風になっていた。

第11話 「野州路の女 涙あふれて思い川」
伊平次 / 友次郎(二役) - 速水亮
山森三右衛門 - 田口計
有原久馬 - 堀田真三
竹垣武太夫 - 溝田繁
村上治平 - 河野実
福本清三(役名なしのクレジット)
小百合が伊平次の顔を見て昔の男、友次郎を思い出すというところでの二役。おれは小百合が伊平次の顔を見てハッとした様子を見て、伊平次が小百合の昔の男だと勘違い。話が進むうちに、伊平次と小百合の対面の場面で二人は知り合いでないようで、じゃあ小百合の昔の男の回想シーンはなんだったんだと思っていたら、伊平次が「友さん」という小百合の昔の男とそっくりだという流れだったのだ
田口計はいつも通り悪役。代官所の元締手代でこれは上司が代官となる。どうせ悪役だろうと思いながら見れる安心感。案の定悪役で、自分が代官に出世しようと代官を殺すため、大掛かりな作戦、かつてこの地を荒らし回った押し込み強盗の手口をまねたふたつの押し込み強盗をして、あのときの盗賊の残党(頭は捕まっている)がやったのだろうと捜査することによってかく乱、これはふたつの強盗という事態に代官が出張ってくるだろうというおびき寄せの罠。その代官がこの地に滞在中は庄屋の家に滞在(妾が庄屋の娘)するのを見越して、手配を街道筋に集中させておいて、庄屋の家を襲撃し、代官を殺す、をする話。その山森が組織するのは浪人を集めた押し込み強盗。ここに福本清三もいる。悪役はその押し込み強盗とそれを操る山森以下代官所ということになり、終盤で用済みになった浪人の一団はみな射殺される。
小百合は昔の男に似た伊平次が無惨に殺されるのを見て復讐を決意するが藤堂はそれは影の八州に任せようと止めている。ストーリー的には一緒に行ったって構わないようなもんだと思うが。
大岡越前より鬼平にありそうなストーリー

2/9
最終話 「清水の次郎長を叩っ斬れ!」
清水の次郎長 - 峰岸徹
おたつ - 宮崎淑子
榊原千勢 - 大塚良重
草津の卯吉 - 高松しげお
西浦出雲 - 江見俊太郎
寺崎刑部 - 中田浩二
新田の松五郎 - 中田博久
森田屋伝兵衛 - 長谷川弘
浜野屋勘蔵 - 山本紀彦
お蝶 - 浜田朱里
北林源九郎 - 石倉英彦
島田十蔵 - 岩尾正隆
井上茂(役名なし、中田博久の子分)
この最終回はスペシャルで、2時間版。放映では2回に分けて。前の2回のシリーズにもスペシャルはあったが、そのときとはちょっと異なる形式。
まず大タイトル「あばれ八州御用旅」と出るところに「スペシャル」の文字もついていた。
さらにサブタイトルは1回目にしか出ない(これまでは2回とも出ており、それぞれ「第一部」「第二部」となっていた)、とか、第1回の終了時に「つづく」と出た(これまでには出ていなかった)、後編の最初(第1幕)は前回の終盤をそのまま流すというスタイル(これまでは前編のダイジェスト)
内容はちょっと冗長で内容は薄いように思えた。
宮崎淑子は宮崎美子という名前で覚えていたのだが、かつてはこういう名前だったとのこと。デビュー時の人気もよく知っているが、そのときこういう名前だったのかなあ(ネットで「1991年に宮﨑 淑子と改名しましたが、2000年に本名の宮崎美子に戻しました」という記述を見つけた、なるほど)
藤堂が小百合にこのお役目を終えたら江戸に診療所を作りたいと夢を語る場面がある。小百合も手伝いたいと申し出て、受け入れられ、ずっとそばにいられると小百合は安堵、そこで藤堂は女房になるんじゃないんだから、とか言ってる。ここから考えると、前シリーズまでの江戸に戻った時医師の仕事をしているという設定はなくなっている。藤堂が女房持ちかどうかはわからない
藤堂が裁く白洲の場面がある

第4シリーズ
第1話 「男涙の大利根無情!抜荷街道の謎を追え!」
平手造酒 - 萩原流行
陳昌英 - 西田健
横澤外記 - 亀石征一郎
新垣弥十郎 - 浜田晃
市助 - 頭師佳孝
笹川の繁蔵 - 成瀬正孝
おきた - 鈴鹿景子
捨吉 - 堀裕晶
安造 - 大前均
飯岡の助五郎 - 曽根晴美
生田半助 - 崎津隆介
西国屋利左衛門 - 福山象三
井上博一、白井滋郎、峰蘭太郎、大矢敬典、藤沢徹夫、鈴川法子
慣例に従い、シリーズの替り目は続けての視聴で。
第1話はスペシャル。2時間版。今回は二回に分けて。それぞれ「前編」、「後編」。第二部の始めの部分は第一部のダイジェスト。第一部終了時に「後編につづく」とあった。
OP。ナレーターは変更(田畑猛雄)だが、文言は変わらず。音楽。前口上ナレーションの部分とレギュラークレジットのところの二部構成(これまでもそう)なのだが、その前半のところが前シリーズとは変わったが、後半は同じもの。映像は全面変更
そしてレギュラー、兵吾と小百合そしてお京、乙松(お京、乙松は出場の回が少なかった印象)が消え、銀駒の政吉と蛍火のおりんが入る。それぞれ兵吾と小百合を引き継いだような役かと思ったが。おりんのほうは小百合と同じような役割、忍であり、水野から派遣されたということも引き継いでいる。政吉は新兵衛、兵吾とは全く異なるキャラで賭け将棋を道端でやる渡世人。冒頭で八州である藤堂を助けるという形で出会い、その後渡世人姿、医師藤堂と出会うもそれが八州の藤堂であることに気付かず、旅の道連れとなる。途中でこれが同一人物だと気付くも、藤堂からおれは裏で八州をやってると言われ、表沙汰にはしてはならないことを知る。ラストでは、藤堂を気に入ったとして旅の供になることを言っている。勝手についてくるという体裁で今後は登場するものと思われる。
政吉の過去も背中に大きな傷があったり、平手造酒親子にオーバーラップさせる形で非常に厳しいものであったことが少し語られたりしている。
ストーリーはなんだか冗長でわかりにくい。話のテンポが悪いのか
ED。主題歌は変わった。また西郷の歌唱曲。映像も変更されている
平手造酒は講談ネタの人。藤堂とは道場で競った仲という設定。ここで10年ぶりというようなことを言っている。こんなこと指摘しても仕方ないが、今作品で藤堂の過去を語るとき、常に10年というようなことを言っている。中条きよしの出る2-1、2-16での藤堂夫婦と親友の夫婦、3-7での少女の治療といったあたりだ。10年前藤堂は医師をやっていたのか、道場で剣の腕を磨いていたのか

第2話 「男たちの哀歌!疑惑の賞金首」
新井伸太郎 - 赤羽秀之
お藤 - 中原果南
大利根屋徳兵衛 - 宗方勝巳
野島頼母 - 外山高士
外山高士は3回目か。こういった決してメインゲスト格ではないような時代劇常連の複数回登場が非常に多い。人材払底か

第3話 「悲恋の行方!欺かれた八州廻り」
おうめ - 若林志穂
柳田岩之助 - 本郷直樹
長坂権之丞 - 中田浩二
小杉由次郎 - 筒井巧
長次 - 重久剛一
文吉 - 有川正治
千五郎 - 時代吉二郎
小杉作兵衛 - 荻原郁三
庄八 - 井上茂
中田浩二(5回目)、井上茂(6回目)、ともに出演回数が多い
この回では藤堂以外の八州廻り、柳田が登場する。シリーズ通じてレギュラー以外の八州廻りが登場するのは初。ストーリーもこれまでにあまり見たことない感じ。
この柳田、善玉とも悪役ともつかない、というか完全に悪役風に登場し、最後のほうまでそうなのだが、最後は藤堂に託して死んでいくという形で時代劇ストーリー上の善玉である
悪役は代官所元締、長坂と、押し込み強盗団で長坂に匿われている千五郎一味なのだが、柳田ばかりが目立っていて、とくに千五郎のほうは存在感が薄い。
柳田は過去に自分の女が博打打ちと駆け落ちしていて、そのため渡世人を狂ったように締め上げる狂気の役人として描かれており、長坂にそそのかされたことで庄屋の作兵衛、その息子、由次郎を千五郎を匿っているとして締め上げ、さらに由次郎の許嫁のおうめが自分の過去の女とそっくりなのを見て逆上、由次郎は吟味の最中に死んだと言い放ち、おうめを自害に追いやる。とこんな感じだが、最後には自分の思い込みが間違っていたことに気付き、長坂に詰め寄る

第4話 「濡れ衣 母子流転の旅」
多三郎 - 黒田隆哉
武蔵屋徳兵衛 - 深江章喜
竹村半兵衛 - 原口剛
弥助 - 沖田さとし
定三 - 峰蘭太郎
八重 - 草野由起子
前回に続いてなかなかの異色作。まず第一にレギュラー陣が中盤までほとんど活躍しておらず、単なる傍観者というか、事件の証人になるという程度。メインが多三郎という代官所に勤める手代というまだ侍の身分でさえない男で、上司、竹村にものすごい恩があり、しかし不正を強要され、その間で揺れ動くというところがクローズアップして描くあたりが、一時間ドラマとして珍しく感じた。
紙の流通を巡る不正の話で、武蔵屋屋が取次の弥助が邪魔になって排除しようとするというのが事件。武蔵屋と竹村はグルで、弥助が武蔵屋を殺そうとしたという事件のストーリーを作り出し、多三郎が弥助を捕えるものの、藤堂たちの証言で弥助が犯人でないことを知り、苦悩
多三郎は瞽女(ごぜ)の息子。瞽女に色ごとは御法度で男を作ると仲間外れにされるのが掟。そのため多三郎は物心ついて以来、母親とふたりきりで過ごしてきた。その母親が旅先で亡くなり、それを通りかかった竹村が母親の埋葬を手伝い、多三郎を引き取ったという大恩。
ここら辺の回想シーンもなかなか印象に残る作り方。
白装束の殺陣。これについては前シリーズまでをかたくなに踏襲。ちなみにこの回では珍しい場面がこの殺陣の中である。悪を前に啖呵、配下のものが集まって殺陣が始まり、それらをバッタバッタと藤堂は倒すのだが、この回では藤堂の言葉に動揺したか、途中で配下がみな逃げ去ってしまう。
この回でとくに書くことでもないが、まとめ的な意味あいで。三点
小百合のときにすごく思っていたこと。どんなところで行われている密談もすべて彼女が聞いてしまっているという傾向がこの作品にはある。他の時代劇でもそういうのは多いけど。このことと、レギュラー陣の剣の腕が尋常でなく強い、この二点で、負けっこないと思える。
さてその小百合、そして今シリーズのおりん、密談を忍んで聞いていると、相手に悟られ、天井、もしくは床下に刀を突き入れられる場面が非常に多い。この回でもそれはある。
もう一点は。
白装束殺陣の場面に至る構図に不満。どういえばいいかちょっと難しいのだが、印象として、藤堂は悪の存在を確定して、いつでも成敗できるだろうに、なにか事が起きて、ようやくいく感じがする。白装束殺陣の場面の前とその次の殺陣の場面の流れがちょっとスムーズでないというか、なんで今頃動き出すのだ、もっと早く成敗すりゃいいのに、と思える。
本来、事件が起き、捜査をし、だんだん犯人、そして犯行のからくりが明らかになり、それが固まってラストシーンとなるのだけど、そういう流れがちょっと弱い感じで、いつでも成敗にいけるのに、誰かが死ぬとか決定的なことが起きてようやく、という風に見えてしまう。
そういやこの白装束殺陣の場面に入るとき藤堂が書付を投げ小柄で壁に刺すと「地獄送り 影の八州」と書かれた書付が垂れ下がるいう場面があるが、これまでのシリーズだと「州」の字が崩されていて読みにくいのだが、今シリーズでは読みやすくなっている
CM前のアイキャッチがなくなり、本編映像に被せてタイトルが入る。調べてみるとこういうのもアイキャッチというらしい。これまでのシリーズでは本編映像でなく、アイキャッチ専用のちょっとした映像(ルパン三世パート2での車に乗り込もうとしてそのまま反対側へ落ちるルパンの映像のような)があった。
ちなみに第1幕のあとにはそれがないというのはこれまで同じ

福山清三、クレジットなし。侍姿で頭もきちっとした感じで出ているように思う。出番も一回だけというのでなくそれなりにある。手代の多三郎の部下というあたりのように見える。ちなみにこの福本似の男、殺陣には参加していない
草野由起子というのはウィキの項目もなく、活動は少ないのだろうと思うが、酒井法子、松浦亜弥に似た美女

2/10
第5話 「人情峠の遠い春」
弥平 - 河原崎建三
山根義勝 - 川合伸旺
武蔵屋清兵衛 - 田口計
お糸 - 寺田玲
おしの - 江口由起
三国屋治平 - 永井秀明
利七 - 辻政宏
福本清三、志茂山高也(役名なしでのクレジット)
椋鳥、秋に越後から三国峠を越えて働きに出る出稼ぎ(春になると戻る、その大挙して移動するさまを椋鳥といった)のことだが、これが作品の中ででるのは二度目。
ここでは椋鳥は弥平のことで、江戸で自分が働いている店で見た押し込み強盗をまたこの地で見かけ、岡場所で働く娘のお糸を身請けするための金20両のために脅しをかけるも殺されてしまう、この殺されるところがこの回の発端となるのだが、というような話
序盤を見ているに代官の山根とその地の大地主の三国屋がつるんでいる情景。そこへ商いにやってきて三国屋の山を現金3000両で購入した江戸の材木問屋武蔵屋。この三者での面談の場面があり、その後武蔵屋というのは仮の顔で、実は「かまいたちのきゅうぞう」という押し込み強盗ということが露わになってくる(弥平が脅しをかけていたのもこいつ)。
代官山根のほうは悪役ではないのかなと思っていると、意外にも終盤で実は武蔵屋とも繋がっていたことが明らかになってきて、三国屋は単に鴨にされていただけ、ということもわかってくる。この二者、稀代の名悪役、川合伸旺、田口計の二人が揃い踏みでの悪役。ただちょっと代官のほうの出番や関わりが少な目で、それゆえその展開は意外にも思えるが、驚くという感じではない
福本清三は用心棒役。三国屋の用心棒が殺され、新しい用心棒が募集、三国屋と山根が料亭の帰りに襲われ、助けに入る三人、その中に山崎もいるのだが、山崎以外の二人は実は三国屋の用心棒を殺し、この襲撃も仕組んでの武蔵屋配下。山根が気に入り、三国屋にこの三人を推薦し、用心棒に納まるという役どころ。
寺田玲、弥平の娘役これもウィキの項目はないが、かなりの美女である
二回連続で武蔵屋が登場

第6話 「鬼の首の弥藤次」
弥平 - 山田吾一
星野大膳 - 江見俊太郎
柏屋伝兵衛 - 黒部進
塚本七左衛門 - 河合絃司
お菊 - 片山理央
お島 - 小宮久美子
梅吉 - 大橋壮多
彦十 - 広瀬義宣
お島は駒吉がかつて博打でいかさまをやってやくざに囲まれてるのを助けてくれた恩人。そのお島には後ろに怖い人がいるとそのころも言われていたが、その怖い人というのが、盗賊「鬼の首」一味。抜けたいと思いながらも無間地獄、今度も再会した駒吉を仲間に入れるよう言われ、一方駒吉もお島を助けるため一味に入りこむ。
鬼の首の弥藤次というのが頭だが、顔を見たものは少ない。という設定。冒頭で出てくる茶店の親父、弥平、いかにも怪しげな映し方だし、俳優は山田吾一、これが鬼の首の弥藤次だなとは最初からわかるようになっている。
白装束殺陣の場面で、「きさまたちは人間じゃねえ、叩っ斬る」という口上、これまでのシリーズではなかったように思うが、ここ数回それが加わっている

2/11
第7話 「妻恋街道流れ旅」
彦蔵 - 速水亮
駒井主膳 - 内田勝正
吉五郎 - 田中弘史
女郎のおちか - 幸田奈穂子
女房のおちか - 小牧彩里
藤堂はこの回の最初では供を多数つけ、馬に乗って鉄の陣笠を被って正規の八州廻りとして登場、銃撃されるもそれはかすり傷、ただ誰が何の理由で自分を狙ったのか探るため身を隠す。ということで次の登場場面では旅の絵師。おれは姿だけではどういう人というのはわからない(上にも書いたが浪人とそうでない侍の見分けがつかない)。今回はどういえばいいのだろう、頭に頭巾を被って茶の宗匠のような感じ。で、中盤で絵師と自称している(序盤で絵を描いてる場面もある、このシリーズ、第1シリーズからあったと思うが、藤堂は絵が上手という設定がある)
終盤がいただけない。メインゲストで善玉の彦蔵のストーリーが尻切れ気味。悪役は駒井主膳元は旗本。取り巻きの御家人たちと押し込みの常習犯、黒い夜叉の面を被っていたので黒夜叉と称された盗賊。その金で代官職を買った。
で、この代官が、まあ金はたんまり貯めたとか、身辺がきな臭くなってきたとか、そもそも役人は性に合わないとか理由は言ってるが、なぜか白装束殺陣の直前の場面で、この代官職を放り捨てて姿を隠し上方へ逃亡するとか言っており、ひと暴れしてやろうと、黒夜叉面の姿。
代官が黙って逃げるかねえ、そして金はあるのに最後にまた押し込みをやるかねえ。
ここで登場する藤堂は白装束に黒夜叉の面。両者で黒夜叉の面というのがやりたかっただけかと

第8話 「消えた八千両 悲しい女の夢芝居」
おこん - 三浦リカ
稲垣大膳 - 山本清
上州屋惣兵衛 - 高桐真
永井頼母 - 溝田繁
侍勘兵衛 - 岩尾正隆
瀕死の男から金を回収しておさわという女に届けてくれと言われた山崎がフィーチャー。おさわを探しているときに出会った(探している女が自分だと最初は言った)おこんに惚れて、さらに奔走する

2/12
第9話 「おしめ十兵衛」
田所屋十兵衛 - 津嘉山正種
岡野ちづる - 上野めぐみ
田所屋弥市 - 角田英介
九助 - 阿木五郎
黒木左内 - 五味龍太郎
岡野順庵 - 寺下貞信
老船頭 - 日高久
なかなかの見応え。時間が短すぎてもったいない感じ
藤堂に医学の書物を届けようと多忙な父に代わりちづるが旅。その地で若者に乱暴され重傷、そこへ藤堂が駆け付けるも、書物を渡し息絶える
捜査をするとその若者の父親が、藤堂とはかつての剣友、十兵衛。かれは侍を捨て、人足の仕事(このとき息子を負ぶって、おしめを替えながら仕事をしていたので、「おしめ十兵衛」と呼ばれた)から始め、今や河岸問屋としてその地の塩運搬を仕切っている
藤堂と十兵衛の旧交を暖める場面から、その息子の狼藉、さらには十兵衛の塩運搬に関する悪事を言い立て敵対していく場面はとても良い。十兵衛は藤堂から、藤堂の夢であった長崎の蘭学塾に入門が叶い夢は半ば実現したという手紙をもらい、その「明るい手紙がおれを暗い坂道に蹴落とした」と語る十兵衛
津嘉山正種は善玉的な顔で映されていて、まあ悪役でもあるが、藤堂とは知った仲。こういう場合の常道という感じでもあるが、結局父は息子を殺し、そして藤堂との一騎討ちで敗れる。
白装束殺陣の場面では、十兵衛の背後の役人に刃が向けられる。この場面でシリーズ初めてだと思うが、「地獄送り 影の八州」の書付を投げないで殺陣。全員成敗したのちに、書付を投げる(影の八州がやったという証拠のためだろう)
本編の一番最初、ナレーションのあとに、声だけでわかる日高久、と思っているとやっぱり、そうだった。船頭役。ここだけの出番だが、役名あり。

2/13
第10話 「身代り観音 夫婦唄」
おしの - 日下由美
清太郎 - 島英臣
吉岡郡右衛門 - 小林勝彦
六兵衛 - 森章二
ちょっと都合の良すぎる展開が多く、一方でまたその部分も含めてテンポのよい演出。そのため盛りだくさんの内容にみえるのだが、序盤ではストーリー上余計ともいえるエピソードもある
例えばまず初っ端。酒場で乱暴している嫌われ者が、徳利に足を滑らせ死ぬ。誰も来ない葬式で、世話役が部屋を見渡すと、富札。
これが千両大当たりだが身内もおらず、再度の興行で一番富は二千両となる。その二千両が寺社奉行の命令で、勧進元の大宮(その富くじ興行は江戸だったが、大宮・氷川神社の出張り興行だった)で行うことになり、二千両が大宮へ運ばれることになった。この二千両の運搬を巡るストーリーであり、その前の部分は余計といえる。
そして、その運搬される金が狙われているということで山崎が情報を掴み、藤堂と踏み込みあっさり捕縛するというのが第二幕の最後にあるが、藤堂はもっと大物がいるかもしれないと言い、その通りまた別の筋からこの金は狙われるのだが、となるとこの最初の捕縛も余計といえる。
斎野の嫌われ者がらくだ、富くじは落語でよく扱われる、そして途中で藤堂が人の命をろうそくに例える、これは死神、と落語関連をちょっと思い出した。が、これはあくまでおれの感想で、別に落語ベースの話ではない。
この運搬金とは関係ないところで、飯盛り女と病の夫の夫婦のストーリーが途中で絡み合うというのが本線のストーリー。女がその運搬金が奪われる現場を見るシーンなんかは矢継ぎ早に色々な人物が登場し、テンポがいいがあまりに都合よく展開している。
他にもここを動くなと言われているのに動いてしまい、案の定悪役に捕まる善玉なんかも都合よく動く登場人物という風に感じた

2/14
第11話 「女渡世人 涙をかくす三度笠」
お蝶 - 大沢逸美
百合恵 - 吉野真弓
柏木甚三郎 - 井上高志
芦田万蔵 - 中村孝雄
栄屋六兵衛 - 牧冬吉
百合恵は許嫁の柏木が代官として赴任して以来便りを出しても返事が来ず、また悪い噂が聞こえ、心配してやってくる。山中で男たちに襲われてるところを助けるのが女渡世人、お蝶。そしてこのお蝶はかつて柏木と深い仲でありながら、彼の出世のため身を引いていたのであった。
柏木は代官になってすっかり人柄も変わり、上納金を搾り取り、領民の不況を買っていたのだが、実は柏木は赴任後すぐに幽閉され、手付元締の芦田が全てを仕切っていた。というような筋書き
前にも書いたが、このシリーズでは、レギュラー陣が善玉を助けに入るのがワンテンポ遅れるという傾向があり、それがここでも。
お蝶は、動くなと言われるもやっぱり動いて、代官所へ探りに行き、幽閉されている柏木を見つけ助け出すも、囲まれる。お蝶が斬られた後に小百合が助けに入る。さらに一歩遅れ、藤堂が駆け付ける。
藤堂の方は、お蝶がいなくなったと聞いて、駆け付けるわけだから、まあいいとしても、小百合のほうは、戦況を見ていて、やられてから助けに入る(火薬玉を投げる)という感じに見える。

そして。今回は放映されていないのがこれ↓
最終話 「国定忠治 涙の八木節」
国定忠治 - 清水健太郎
ゲストの清水健太郎が理由なのだろう
おれは第10話を見終えてウィキを見ていてようやく気付く。しかしまあ最終回が放映されないというのは・・・。一気にテンションが下がった。なんとも残念。


第4シリーズのみ、山崎哲之介が「賞金稼ぎ・山崎哲之介」とクレジットされる
役名なしのクレジットで藤長照夫という人が何度も出てきていた。ほかにもそういう人がいたかもしれないけど、名前に特徴があったから目についたのかな。時代劇ではよくあるね。役名なしのクレジットでシリーズの半分以上の作品に出てる人

正月時代劇 いちげき [時代劇]

2023年1月3日夜9時~ NHK総合、90分

現代的台詞や音楽が散りばめられた演出、その一部であるが漫画的なセリフもある。
「小説『幕末一撃必殺隊』を原案にしたコミック『いちげき』を原作」とのこと。脚本は宮藤官九郎
俳優陣について
杉本哲太、OPで一番最初に映る顔。これが五味龍太郎そっくり。昔の時代劇俳優だ。過去の大物が出てきたのかなと思ったが、考えてみると、年齢的にとっくに亡くなっていそうで(調べてみたら2013年に80歳で亡くなっている)、まあ亡くなっていなくても、高齢でおじいさん役くらいしかやれなそうである。よく見てみると杉本哲太。どうしてこんなに似ているように見えたのだろうと考えたら、もっさりしたもみあげである。その五味龍太郎うんぬんでなく、今作品で彼はかなりよかった
じろう(シソンヌ)、劇中悪役の中で奥に隠れたような役。これもかなりのはまり役。数日前ドリフで吉良役をやっていたが、そんな感じの役作り。
尾美としのりが勝海舟、なんとも軽薄な感じで、これが現代的というか漫画的というか。時代劇で過去の英雄を描く時こんな風には普通やらない。
伊藤沙莉もいい役どころ。魅力たっぷり。
芸人で塚地武雅と高岸宏行が出ている。確か後者は大河ドラマにも出たとか。どちらもNHK好みなのであろう。
主役側の一撃必殺隊に七人が選抜され、さらにキク(伊藤沙莉)が入り八人。その各々をもっとキャラ設定がわかるくらいにまで描いてほしいところ。連ドラならそれをやるのだろうけど。
その中の誰と誰が仲が良いのかとか、誰がが死んだりしたときにその思い出とかが語られる際に、思い入れがないからよくわからない。
芸人二人は最後まで生き残る役。芸人が重宝されてると感じる、まあ途中で死ぬのはそれはそれで目立つが。
幕末、薩摩側が幕府を挑発するため、藩士を浪人にして町を襲わせる御用盗ということをやらせる。御用盗の頭が杉本哲太だ。
で、それを幕府公認で取り締まると大ごとになるからと、百姓を集めて少しの訓練、彼らに御用盗を戦わせるというのが構図。
ドラマだから主役側が善玉であるのだけど、これって史実としては絶対善とはいえず、そこら辺は迫力不足、というか割り切って描いているのだろうなと思う。
講談との交わり
前にNHKで伯山を使ってドラマ「怪談牡丹燈籠」をやっていたが、そのときより、さらに講談が作品の中に入ってきている感じである。
ナレーションだけの役割以上で、落語のように登場人物のセリフを語る場面が講談にあるが、それを利用して、登場人物のセリフが伯山によって語られる場面が多くある。とくに序盤。役者に喋らせればいいような場面にも伯山の声(演技の映像のところに伯山の声が登場人物のセリフとして入る感じ)。
冒頭はエピローグとして杉本哲太の伊牟田が率いる御用盗が荒らしまわる場面である。その場面は本編の中に出てくる場面であり、それゆえ、途中で再度同じ場面が出てくるという演出。
で、そのエピローグの後に、伯山が高座で講談を始める場面となり、ラストはその高座の伯山が話を締める。つまり、伯山の講談が続いている中で、それをドラマ化したという風な演出になっている。
講談を始める場面のところの挨拶がなあ。「どうもみなさんこんばんは。講談師の神田伯山でございます」、これはテレビ用挨拶、普通に講談でやってるかのような挨拶にしたほうが、講談師神田伯山がやる講談の中身をドラマにしているという演出の趣向に合っているように思った

江戸を斬るVI [時代劇]

オリジナルは1981
今回視聴分はTVKにて22/12/13~23/1/27(火曜日から金曜日の放映)

とりあえず前シリーズを見終えすかさず第1話を視聴
第1話 1981年2月16日 捕物小町初手柄
青山修理:名和宏
河内屋八右衛門:神田隆
戸田山城守忠温:加賀邦男
伊賀崎伝内:原口剛
米吉:中村孝雄
お藤の方:真理明美
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西郷輝彦主演版の最終シリーズ。松坂の多忙により本作でのおゆきの出番は7回となった。そのため、本作ではお京がヒロインとなりお京役も由美かおるに交代している
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そのためか由美かおるが二番手クレジットで松坂慶子はトメ。
始まり方やOPテーマ、EDテーマあたりはまったく変わらずで、続き物として見れる。変更点はいくつかあり、まずお京のキャストが変わったこと。この回の冒頭で、お京と金太の場面、金太を隣に廃して、由美かおるが大写しになり、キャストが変わったけどこれがあのお京ですよとわかるような演出。
さらにお馴染みのレギュラー陣が次々と紹介され、変わらずこの人が出てるのか、おや、ここはキャスト変更かと、視聴者側は感じるであろう、連作連ドラではお馴染みの演出が楽しい。
お京は金公に対してツンツンと張り合うタイプになっているが、この回の最後では金公に助けられ俺を言っている、今後どうなるか
由美かおるはこの枠の水戸黄門での名物キャラでレギュラーを長年務めているが、水戸黄門のレギュラー入りは1986年とのこと。「江戸を斬る」や「大岡越前」でのゲスト出演はなかったと思う
まさごの二人の女中はキャスト交代、お志乃とおたまになる。二人とも演じている女優の名前は知らない。前作のかわいのどかのような極端な体形の女性はおらず二人の可愛い女中という感じで、多分どちらにもあまり強いキャラはつかず、活躍はなさそう
魚政の若い者が4人クレジットされてるが、なぜか作内では5人いる。と思ったが、キャストクレジットのところを見直したら、4人並記されてるところとは別のところに、「辰三:川崎公明」というのがあった。
福本清三、クレジットなし、武家の用人で、よくある浪人姿でなく、通常の侍で髷もきっちり整えられている
要所である殺陣のところのBGMに新しいものが加わっているような気がする。調べるまではしないが。
この回はおゆきのお転婆とそれを止めようとする金四郎が強調されており、さらにお京も出過ぎるような活躍、そして結局二人ともが金四郎に助けられるという展開でお転婆二人娘がかき回す回といった感じ


※追記、
同日視聴
第2話 2月23日 死体が消えた藪の中
儀兵衛:森幹太
赤猫の紋十:山本昌平
伊武鉄舟:永田光男
猿の伝七:市村昌治
前回神田隆が出ており、今回市村昌治が出ている。神田は前シリーズの最終回、市村は前シリーズの最終回の前の回に出ており、おれは続けて見ているので、またか、という感じ。しかも市村は吹き矢を得意とするという共通点のある役
お化け屋敷を利用したストーリーの回。お化け屋敷の名前は「八幡の藪知らず」といい、調べてみると、そういう名前の森が千葉県にあるそうだ、ここではその名前を冠した見世物小屋である
前回出ていなかった堅太郎も登場、これでレギュラー陣が揃ったといえる。この西郷版江戸を斬るは比較的レギュラーのキャスト変更がなく、安心して見れる感じだ。
堅太郎とおゆきが人質になるという展開、堅太郎はおゆきを奉行の嫁ということは認識しているようであり、だが、金公の正体は知らずという設定で、ちょっと無理があるような気がする
お京の金公を見る目、この回の最後ではもうメロメロになりそうな感じにまでなっている

第3話 3月2日 雛祭りの夜の恐怖
霞の五郎蔵:今井健二
玄次:内田勝正
千造:堀田真三
勘八:吉原正皓
福本清三が役名なしのクレジット。島抜けの悪人たちの回で、冒頭はその島抜けの場面、そこで島抜けに失敗しながらも、自分の親分である霞の五郎蔵の名を言っていばるというのが福本の役、セリフが多く大写しにもなり目立つ役
その島抜け犯3人がひな祭りを祝っている魚政に押し入るというストーリーで、この手のものは例えばまさごに押し入るというような形で前にもあった。
金太がその押し入りされている魚政にひな祭りのおこぼれに与ろうと寄り、中に入って飯を食って酒を飲んで、相手している千代が目配せでそれとなく知らせようとするのにも気付かず出て行ってしまう。ちょっと無理があるところではあるが、間抜けな演技をがんばってやっている
この回では川崎公明の辰三が魚政の若い者という集団から逸脱してかなり目立つような役柄である

第4話 3月9日 殺し針・連続殺人事件
香蘭(お香):由美かおる(由美が一人二役)
徳兵衛:小林昭二
唐津屋藤蔵:田中明夫
米沢監物:永井秀明
黒崎源之介:小林勝彦
玄竜:大竹修造
西国屋伴助:近藤宏
李花:丸山秀美
常吉:唐沢民賢
利兵衛:藤尾純
由美かおるが一人二役、演じるは南京手妻一座の香蘭太夫で玉乗りの曲芸師。もうこれだけでこれまでに何度も同じようなストーリーのものがあり想像がつく。そしてその想像通りのストーリー。香蘭は実は長崎の廻船問屋、長崎屋彦兵衛の一人娘でお香。長崎屋は長崎奉行も含めた一団の罠にかかり抜け荷で闕所。南京手妻一座はお香と長崎屋の番頭親子、その一団の敵討ち、一人ずつ殺していくが、返り討ちに遭いお香は負傷、金公がそれを助け、香蘭に化けたお京とともに敵方(敵もそれを察知して、一座に誘いをかけてきた)へ乗り込む。ここでお京は啖呵を切る場面があり、堂々のヒロイン。
またお京はこの回ではもう金公にメロメロである
座主の旦那(一座の興行主、彼らを雇ってるだけで仇討のことは知らない)役で、藤尾純。この人はよく芝居の話に出てくる感じでいつもこういう芸能一座に関連する人物の役だ。

第5話 3月16日 消えた怪盗土蜘蛛十蔵
土蜘蛛の十蔵:西村晃
クレジットなしで福本清三、盗賊団の中のひとり
西村晃が女装(おばあさんとして)で登場してきてギョッとする。
西村の芸達者なところが堪能できる作品
堅太郎が硯が欲しくて店で見ていたら壊してしまい、それをこのおばあさんが弁償してやる、その後怪我をしているおばあさんを堅太郎が介抱してやり家に連れて帰る。その後石橋家に居候。
このおばあさんが実は土蜘蛛の十蔵という盗賊の頭。だが仲間の前では能面を被っており顔を見せない。こういう設定の話も前に何度か見た。
この盗賊一団で耳も聞こえず口も利けない下男がおり、これが十蔵と実は繋がっており、耳も口も実は使え、他の仲間たちを見張っているというこの設定がなかなか見ごたえある

※追記
1/19視聴再開
第6話 3月23日 女辻斬り紫頭巾
塚本節:上村香子
塚本源七郎:島田順司
稲垣大膳:川合伸旺
堀田伊三郎:岡崎二朗
越前屋利兵衛:飯沼慧
甚助:北見唯一
北見唯一は第一幕に出てくる屋台の蕎麦屋。役名があるのでその後にも出てくるかと思ったが、そこだけ。
サブタイトルに紫頭巾とあるようにおゆきが登場する回。殺陣では普段は金公が悪人のところに乗り込み、その後紫頭巾が登場するという形だが、今回は紫頭巾が先に乗り込んでおり、その後金公と次郎吉が助けに入るという形。
ストーリー的には善玉側の節が紫頭巾の格好をして人から金を奪うというようなことをやってる(裁きでは人情采配で町内預かり(お政が預かることになる)という程度になってるが)

第7話 3月30日 男やもめが陥ちた罠
おふじ:北林早苗
武蔵屋弥右衛門:神田隆
波木左門:浜田晃
夜鴉の玄太:松山照夫
箱崎の熊七:土方弘
サブタイトルにあるのは石橋のことで、おふじは亭主が石橋に捕物の際に斬られたと玄太から吹き込まれ、十手を盗む。十手をなくした石橋は失態ということで謹慎、堅太郎が活躍
おゆき登場回だが、前回に比べて出番は少な目
この回の白洲では、金四郎が「このツラ見忘れたか」と殺陣のときのことを引き合いに凄む。このやり方は桜吹雪の刺青を出すのに格好の流れだが、この回では出ていない。前回も桜吹雪の刺青は出ていない。このシリーズでは出すのを控えめにしているのだろうか。第5話まではどうだったか覚えていないのだが。
箱崎の熊七は悪徳の十手持ちの親分、この俳優さんも時代劇で時折見かける

第8話 4月6日 義賊うの字小僧
梅吉:赤塚真人
おたき:露原千草
足立屋勘右衛門:山岡徹也
小畑八十郎:石橋雅史
椋十:中田博久
ねずみ小僧の義賊ぶりに憧れるうの字小僧、がやり口から見て素人だと金四郎は見抜く。
次郎吉は金四郎にも秘密で探索を行い正体を見抜き、なんとかその行為を止めさせようとするが・・・。
前回のところで書いた桜吹雪の刺青が今回は登場。「俺のツラ、忘れてもよもやこの桜吹雪は忘れはしまい」
急にこの回で気付いたわけでもないが、お政の春川ますみが相当にマンネリ、一本調子で、若い者を怒ってばかり。まあ作品自体もマンネリ、この作品のマンネリさもこのシリーズになって感じたことではなく、もっとずっと前からだが。

※1/20
第9話 4月13日 闇に消えた江戸小町
おひろ:山本みどり
備前屋庄左衛門:増田順司
葉橋伝鬼:堀田真三
市兵衛:牧冬吉
光明道師:多々良純
この回は格からいって多々良純がメインゲスト。クレジット順がちょっと普段と異なり、上記のように5番目、二人ずつ並記された後の3番目にひとりで表示、その後も役名ありで二名、三名並記と続いていくという、ゲスト表示部分の中間に一旦トメがある風。
多々良純の役は光明道師という評判の占い師だが裏の顔は人買いゲンゾウという名の悪党の頭領、占いを娘のかどわかしに使っている
おひろがお京の幼馴染、美人の娘ばかりが誘拐される事件が起き、おひろまでもがさらわれる。そこでお京と金太が夫婦に化け、おとり捜査、光明道師のもとを訪れる

※1/23
第10話 4月20日 魚河岸小町は瓜ふたつ
坂田武太夫:浜田寅彦
向井兵庫:菅貫太郎
住吉屋籐兵衛:武藤英司
高瀬主水丞:久富惟晴
秋元但馬守:永野辰弥
萩乃:杉本マチ子
向井綾:松坂慶子(松坂が一人二役を演じる)
おゆき登場回で、咲:大山のぶ代、原田喜左衛門:中村錦司も出ている。この二人は今シリーズでの登場は少なく、残りは最終回のみとのこと。おゆきも残りは最終回とその他1回だけ
サブタイトルから予想がつくように松坂が一人二役を演じるという回。夫婦喧嘩をし、おゆきが魚政へ里帰り。シリーズ当初にはよく見られた松坂が魚政の若い者を連れて河岸へ天秤棒を担いでいく棒手振姿も見られる。
辰三:川崎公明はほかの魚政の若い者とは別にクレジットされているがこれまでそれほど目立っていない。この回では棒手振姿の場面でおゆきにひとりだけ同行し、坂田武太夫が襲われてる場面に出くわすという形で多少目立っている(この回以降魚政の若い者の中でも単独行動でそれなりに目立つ場面多し)
前にも書いたように思うが浜田寅彦は善玉も悪玉も違和感なく演じられる俳優でここでは善玉。松坂演じる綾のいる侍屋敷向井家の用人。
侍屋敷の後継ぎというストーリーのせいであるが、ハイライトの殺陣の場面ではいつもと異なり、まず紫頭巾ではないおゆきが戦いそこへ金公でなく金四郎が正体を明かして登場する

第11話 4月27日 願いをかけた釣り忍
由松:船戸順
狐火の半蔵:汐路章
近江屋紋兵衛:西山辰夫
源八:大木正司
おるい:吉沢京子
卯之吉:浜田光夫
クレジットでは第9話と同じく中間に一旦トメがある風で、二名並記が二回続いた後に、吉沢京子と浜田光夫がそれぞれ単独表示。
この二人が兄妹。卯之吉のほうは次郎吉と幼馴染だが、久しぶりに再会した卯之吉はその後島送りになったという負い目もあり次郎吉を避けている様子。おるいのほうは目が不自由、次郎吉はおるいが生まれる前に卯之吉と別れてしまっており、妹がいることは知らなかった

第12話 5月4日 鍾馗が解いた贋金事件
太助:本郷淳
高岡屋仁左衛門:永井秀明
岩井巌舟:北原義郎
島吉:江幡高志
太一:角田英介
鍾馗様の人形を欲しそうに眺めている太一を堅太郎が毎日見に来ていることに気付き、声をかけると、店の者が邪険に扱う、それに対し、見ていて気に入ったら買うんだから、見るくらいいいだろうと、言い返す堅太郎いう場面から始まる。なんとなくそんな場面に見覚えがあったのだが、堅太郎は前の年にお奉行から鍾馗様の人形をもらったということがその後セリフで出てくる。そんな回があったのかもしれない。
ハイライトシーンである殺陣の場面、ほとんどの回で、金公が悪人たちを完全に倒してしまった(そこにおゆきや次郎吉が加勢していることが多い)後に、石橋(お京、次郎吉を伴って)が先導する御用提灯を掲げた奉行所一行が駆け付けるというもので、終わってから来るなよとちょっと石橋たちが格好悪い(映像的にはそんな風には描かれていないが)ようにも思えるのだが、この回では珍しく、金公、次郎吉と一緒に石橋がいて、犯行現場に急襲する。おやおや珍しいと思っていたが、その次の場面では悪の本尊たちがいる館に乗り込んでいくのだが、そこへは金公次郎吉。そしていつものように二人が悪を倒した後に、石橋一行が到着といういつものパターン。ただちょっと珍しいことに、普段は石橋一行が駆け付けるというだけの映像だが、今回は、悪は金公次郎吉に完全にのされていたはずなのに、石橋一行が駆け付けると、悪人どもは復活、起き上がって、結局またのされている。
桜吹雪の刺青演出あり。

第13話 5月11日 金公お京の夫婦旅
矢田部源之助:青木義朗
小野弥太夫:永井智雄
ふじ屋儀兵衛:須藤健
権蔵:中田博久
サブタイトルから察せられるように旅もの。金公お京が夫婦を装って悪人たちを追う。
後年有名になる由美かおるの風呂シーンがある
潮来が舞台
矢田部から金をもらい、悪事を黙認しているのだが、優柔不断というか、次郎吉(金公お京を追って潮来に来ている)から手紙で知らせ(金公が捕まって牢に入れられている)を聞き駆け付けてきた石橋に耳打ちをされると、すぐ金公を解き放ち、矢田部を捕縛に向かう。石橋は代官に金公を雪姫の亭主ということを耳打ちしているのであり、その雪姫の御威光に寝返っているのであり、金公が南町奉行であることは知らない。牢から金公を出すとき、石橋が「お奉行」と声を掛けているのだが、そこでも気付かないようで、矢田部の捕縛が終わった後に、「遠山殿にはよしなに」と石橋に耳打ちしている。
永井智雄は潮来の代官の役で、悪役である部下の
この回に出ているチョロ松:井上茂。ちょっと前の回にも同じ役名で出ていたような気がした。ウィキには準レギュラーのところに名前があり、第10話、今回、そして第15話に登場するようだ

※1/24
第14話 5月18日 親子を結ぶ情捕縄
お島:岩本多代
伊佐吉:河原崎建三
甚兵衛:山村弘三
長太:蔵下輝美
堅太郎が神社の前で少年たちに囲まれ「賽銭を盗んだ」を指弾されている少年長太を助ける。聞けば「まだ」盗んでいないという金に困っている少年。そんなことから二人は友となるも・・・。
長太の父はやはり貧乏が元で嫁の治療代のために押し入りをやって逃げている伊佐吉。その伊佐吉を追っていたのが石橋で、堅太郎の話から、長太の父が伊佐吉であることに気付き、堅太郎から長太の家を聞き出そうとする。一方で長太も堅太郎の父が町方同心と知り、堅太郎を遠ざけようとする。
河原崎建三がメインゲストであるには違いない(この回はこの親子三人がメイン、ちなみに甚兵衛は彼らの長屋の家主)が出番がとても少ない。終盤でようやく家族の元に姿を現すもすぐ捕まり、お白州の場面へ。その前には回想シーンで一度映ったきりである。
また、考えてみるとこれも異例なのだが、悪役(伊佐吉、善玉っぽい悪役ということになる)が手向かいするようなタイプでなく、他に悪役もいないため、今作品の終盤のハイライトシーンである殺陣の場面がない。普通ならこの伊佐吉の前に悪人仲間が現れ、伊佐吉をまた悪に道へ誘おうとするとかそんなストーリーになりがちなのだが。

第15話 5月25日 お千代を襲う恐怖の影
山鷹組周蔵:山岡徹也
秀次:勝部演之
地走りの矢十:宮口二朗
伊三:堺左千夫
お千代がフィーチャー。お千代は西郷版シリーズの最初から出ていてほぼ毎回出演する重要レギュラーなのだが、シリーズが進むにつれ、出てはいるけどほとんどフィーチャーはされなくなっていた。もちろん出ているだけで、そのドラマ世界を構築してくれるという重要な存在ではあるのだけど。
お千代の棒手振姿、そして終盤ではお千代が狙われているので身代わりになってお京の棒手振姿が見られる。
山鷹組、木川組という二つのやくざの抗争の話から始まり、山鷹組が木川組の親分を殺しを図り、その現場にお千代が出前を持って来たことから、見られたと思い込み、お千代が狙われるというストーリーで、その後仲間内でも殺しが発生(ここで堺左千夫の伊三が殺される)という風に展開していく。
チョロ松:井上茂が出ている。この場面がやけに長く、しかもストーリー的にはあまり意味がなく(チョロ松は情報屋、金太とお京が聞き込みに来るという場面)、金太がチョロ松をいたぶるという形でのじゃれ合い。こういう演出は、人気芸人あたりがゲストで出てきてやる役どころだ。
福本清三が山鷹組の用心棒でチラッと出ていた

第16話 6月1日 白洲に哭いた父ふたり
おりん:伊藤かずえ
夜烏の源五郎:伊達三郎
忠吉:長谷川弘
玄庵:松岡与志雄
摩紫羅の七兵衛:内藤武敏
唾黒の米造:佐野浅夫
トメに佐野浅夫、中間に一旦トメがある風なところに内藤武敏
伊藤かずえが子役と言えそうなほど大層若いが、子役というか、そこを脱したくらいの役。調べてみると彼女はまだ14歳で、役としては17歳。ウィキによると映画の出演が先にあるが、今作品がテレビドラマ初出演とのこと
文章にすると平凡に思えるかもしれないが、見ている分には意外な展開もあり充実した良作。一方で色々設定を入れたものの消化不良の部分もある。
おりんは置き引きを繰り返す少女すり、その父親が七兵衛。が実の父親は米造。米造と七兵衛はすり仲間で13年前に米造は七兵衛に嫁娘を頼むと言い残し上方へ逃走というのが相関図。そして米造はかつて世話になった夜烏の源五郎といまだにつき合いがあり、盗人宿を提供している。
おりんが盗んだものが何かの図面、おりんは回りを見渡しそこに置いてあった魚政・辰三の半台にそれを入れて逃げてしまう。魚政ではその図面で大騒動になる。
その図面は七兵衛の一団が次に盗みに入ろうとしていた屋敷の図面、昔すりだった米造に取り返すよう命令。というような展開。
このうち、その図面が桶に入っていたせいでの魚政の騒動なんかは設定として生きておらず、なんとなく収束している。
こういう風に実の親、育ての親、そしてその子が白洲で奉行に色々諭されてというのは、大岡越前でもこの江戸を斬るでも何度もあり、この終盤のお白洲が見どころという作りになっている。

第17話 6月8日 おゆきに惚れたいい男
伸助:大門正明
白河別当:名和宏
おひろ:叶和貴子
大島屋勘蔵:金井大
おたけ:幾野道子
文蔵:牧冬吉
鉄舟:永田光男
お絹:平野真理
お熊:小柳圭子
お浜:近江輝子
おゆき登場回、前回は夫婦喧嘩の末、魚政へ戻ってきて棒手振姿だったが、今回はもう理由もなく、棒手振姿で魚政におり、気晴らしのためとか言われている。
で、その姿で河岸へ行き、そのときおゆきを見染めたのが同業、魚の棒手振である伸助。惚れてしまい告白しようと試行錯誤、まさごで金公がおゆきと幼馴染と聞き、仲を取り持つよう頼む始末、とここら辺はコメディ調。
一方で、白河別当による悪質な金貸しが問題になり始めるという、二つの話がこの回の出発点。まあ当然この二つは重なり合うわけで、伸助のうちでもここから金を借りていて、膨らんだ利息も合わせた借金が返せず、妹のおひろを連れ去られそうになり、その際病弱の母親おたけが借金取りに突き飛ばされ、病が重くなってしまう。もう見込みがないと聞いたおゆきはその病床でおたけに対し、伸助と交際しているかのような素振りを見せてやる。といったような内容。
殺陣の場面で一瞬福本清三。

第18話 6月15日 辻斬り赤法師
宮田源之介:森次晃嗣
万石屋権蔵:小林重四郎
与八:三角八郎
工藤弥五郎:五味龍太郎
若旦那:津村隆
武蔵屋清右衛門:酒井哲
今シリーズは序盤では話の持っていき方が多少雑に感じられたのだが、中盤以降ではシリーズ全体からすると比較的珍しい展開のものが多いように思う。この回もそうで、お京がゲスト二人と組んでの三人体制でストーリーを進めていく部分がメイン的な扱いというこれまでにあまりない展開。
赤法師という追いはぎが江戸に出没。これが宮田源之介で、その協力者が与八。そしてこの追いはぎ出没を利用して偽赤法師が出現、こちらは本物赤法師と異なり本当に人を斬る。赤法師を隠れ蓑にした人殺し。
ご都合主義的な部分もあり、宮田源之介は妹の仇、工藤弥五郎を追っているのだが、その仇が偶然にも偽赤法師
赤法師の出で立ちは丹下左膳をお手本にしているかと思う。宮田は工藤に斬られ目を怪我しており、着物にはなにやら文字がたくさん書かれた白色のもの。
赤法師は遊里に通う旦那や若旦那を狙うことから、お京と金太は芸者と若旦那に化けて囮作戦、ここで赤法師と出くわし、赤法師は顔を見られてしまったことからお京を人質に。
それゆえ、お京は芸者の化粧をしたままで話は進み、また芸者の化粧を取った後も町娘風の出で立ちとなり、この回では普段の岡っ引き姿とは異なる出で立ちの場面が長い。
赤法師に連れてこられたお京だが、赤法師は病に苦しんでおり、それを介抱してやったことから信頼を勝ち得て、三人で偽赤法師を捕まえる作戦を始めることになる。
変な部分もあり。
お京と与八で偽赤法師のたむろしている賭場に乗り込むとなぜかお京たちが「本物の赤法師」と組んでいることが相手にわかっている。
またその場面で、お京たちを金公と次郎吉で追ってきているのだが、お京たちが偽赤法師たちと対峙している場面で助けに入って来ない(まあ屋敷の中で行われており、金公たちは外にいるのだからわからないということか)

※追記1/25
第19話 6月22日 我が子を捕えた御用旅
新助:本郷直樹
海猫の彦十:今井健二
伊八:灰地順
相模屋利兵衛:市川男女之助
長次:岩尾正隆
北浜の宇兵衛:大木実
大木実はトメの位置。上方来た目明し。海猫の彦十を追ってきたが、子供のころに別れてしまった息子の新助を偶然見つけてしまい、しかも新助は海猫の彦十の配下だった

第20話 6月29日 お京が陥ちた阿片地獄
房吉:工藤堅太郎
おふみ:佐藤万理
若狭屋:増田順司
豊前屋藤兵衛:武藤英司
源次:原口剛
音松:岡部征純
琴の師匠:市川男女之助
工藤堅太郎はクレジットでゲスト枠の最初に単独で表記。こう見ると、単独表記でも最初、トメ、途中での単独表記と色々あり、そこらで格付けしているのだろう
市川男女之助は連続で役名ありのクレジット。この人は役名なしでのクレジットで端役の常連という感じで名前はよく見るが顔はわからない。この二回も端役で、今回も登場は二回だけ。
この回はサブタイトルからほぼ想像できるような内容。

第21話 7月6日 十手で物言う悪い奴
松五郎:佐々十郎
仙蔵:井上昭文
錢高屋伝兵衛:野口元夫
銀三:江幡高志
竜次:吉田豊明
錢高屋の手代:泉祐介
甚兵衛:溝田繁
おみつ:大川かすみ
井上昭文が悪徳十手持ち
佐々十郎は仙蔵の悪だくみで罪を被せられる大工の役、メインゲストだと思うが、聞いたことない名前で見覚えもない。ウィキを見てみるとかつて人気のあった喜劇俳優とのことでウィキに出演歴は少ない。ここで大抜擢という感じだったのかと思う

※1/26
第22話 7月13日 小鈴に誓った恋三味線
山崎清太郎:森次晃嗣
お久:三浦リカ
大黒屋治兵衛:遠藤太津朗
山野屋藤造:須賀不二男
加兵衛:南道郎
兼吉:田口計
大岡越前で何度もあった構図のストーリー。二人、ここでは恋人同士だが、親子だとか関係性の深い二人、がともに相手が罪を犯したと思い込み、庇い合うという内容。が、その事件(大黒屋が殺されるという殺人事件)が起きた場面がちょっと雑である
その二人が今回のメインゲストで森次晃嗣と三浦リカだが、それ以外にもよく知る名前がずらり。
大黒屋番頭が加兵衛で、南道郎。この人は江戸を斬るの初期シリーズで始めて知り、その役でしか知らないので、ここでも悪役ではあるが、ちょっと異なる役柄。小心者で周りに翻弄される。結果的に見て今回の事件の張本人。
大黒屋は序盤で殺されてしまうので出番は少な目。
兼吉は山野屋の番頭の役柄。
あとひとり、せいじというのがそれなりの役で出ているが、役名ありではクレジットされておらず、ウィキにも掲載されていない。
殺陣の場面で福本清三。数回映るがどれも一瞬。クレジットなし

第23話 7月20日 酒に溺れた居合い抜き
相良一郎太:大山克巳
丁字屋佐兵衛:佐竹明夫
お登勢:磯村みどり
川並の吉五郎:北村英三
又蔵:黒部進
相良十郎太:上田孝則
藤十:福本清三
福本清三、役名ありなだけあって出番が多い。悪役、川並の吉五郎配下の二番手、実行部隊のリーダーあたりの役柄
子役の上田孝則、見たことあるなあ。検索して見ると必殺仕事人、第69話に出ているようだ。他に西郷輝彦が主役の「刑事鉄平」に西郷の息子役で出ていたとある
今シリーズは西郷輝彦主演で殺陣の場面を始め格好良い部分を一貫して西郷が持っていく風に作られているのだが、この回では大山克巳演じる相良一郎太に格好良い部分を譲るような場面があり、殺陣の場面でも西郷と分け合う感じだ。名前を知らない人だがよっぽど大物なのかなとウィキを見てみたが、さほど情報量がない。ただ出演履歴は膨大だ。舞台中心の大物なのかもしれん

※1/27
第24話 7月27日 お役者小僧の挑戦状
丸橋栄之助(お役者小僧):西沢利明
色々な人物に変装しての押し込み強盗、自らを「お役者小僧」と名乗る。こういった二枚目悪だったらこの西沢利明という感じだ
「虎の絵の謎」というのがよくわからなかった。トリックとしてはわかる、虎の立派な絵、これを堅太郎がいたく気に入り、毎日見に来るのだが、その絵を表装したといい、その表装のときに、後ろに押し込みの証拠となってしまう価値ある狩野永徳の絵を隠すというもの。
そしてその表装の際に虎の絵が左右逆になってしまっておりそれを堅太郎が見破るという展開なのだが、表装の際に左右逆になるなんてことある? 裏返しに貼ってしまって、それでも透けて虎の絵が見えてるってことか・・・。

第25話 8月3日 闇に浮ぶ怨みの影
源七:藤村有弘
梅吉:高原駿雄
おきぬ(おまち):賀田裕子
おとき:野口ふみえ
忠三郎:藤間文彦
福本清三がクレジットなし、殺陣の場面でちょこちょこと映る。ここ数回かなりの頻度で出ている。クレジットなしだと、一瞬映るくらいの場合もあり、そう考えると、かなり見落としているような気がする。
婚礼の晩に幽霊騒ぎが呉服問屋、山崎屋で起きる。調べていくと、後継ぎ息子こうたろうが亡くなり、そのすぐ後に、その息子といい仲であった女中おさよが後追い心中、そのおさよが幽霊として出ているらしく、さらに調べていくと、おさよの妹おきぬがおさよが亡くなったすぐ後に行方知らずとなっていた。
番頭の源七、そして山崎屋の主となっている忠三郎(先代が外の女に作った息子)がこうたろうとおさよの死に関与しており、
おきぬとそれを不憫に思った商家の周囲の人々(出入り庭師の梅吉、女中のおとき)が協力して復讐。おきぬは変装して、その山崎屋に女中おまちとして入り込み、幽霊騒ぎを起こし、証拠を掴もうとしていたのだった

第26話 8月10日 掏った財布が無実の証
銀次:河原崎長一郎
お夕:北林早苗
和泉屋徳兵衛:嵯峨善兵
黒木源十郎:外山高士
丸屋治兵衛:小林重四郎
富蔵:近藤宏
利助:北町嘉朗
白刀の甚五郎:市村昌治
丸屋が殺され、現場ののみから銀次に疑いがかかる。が、金四郎はそれに疑いを持つも、銀次が女房の薬代として大金を払っており、その金の出どころをなかなか話さず、そのため疑いが晴れない。
話せないのには理由があり、銀次のその金は財布をすったものだったのだ
この回では銀次のすった相手と、殺された丸屋の二つの件が、黒木源十郎の賄賂不正という一件に繋がっており、こういうのを精密に作ると、全部繋がってたのかと爽快感になるのだが、一時間の作品で手早くやると、どうにも都合よく進み過ぎているように見えてしまう
この回の殺陣でも福本清三らしき人がいるようにも見えるが、よくわからない

※1/28
第27話 8月17日 脅迫された町奉行
駒吉:樋浦勉
野伏せの富五郎:菅貫太郎
吉野家常蔵:陶隆司
友七:早川研吉
お静:丸山秀美
半助:山本一郎
冒頭で盗人集団の頭領、野伏せの富五郎が捕まり、島送りの判決を金四郎から食らう。
で、その配下による頭領奪還計画の話
サブタイトルにあるのは、火事が起きて御用箱(奉行所の書類箱で奉行の命にも等しいものとされている)を運ぶことになる。盗人一団はこの火事を利用して御用箱を強奪(それを運んでいるのが、魚政の若い者がいつもいく髪結い床の駒吉)し、それと引き換えに頭領を助け出そうとする。
賭場の場面で壺振り師が福本清三

第28話 8月24日 おゆき誘拐・危機一髪
小松屋弥右衛門:内田朝雄
お仙:田中真理
近藤武左衛門:川合伸旺
紋次:浜田晃
田代孫六:内田勝正
堀江甲斐守:幸田宗丸
伊助:黒部進
半助:松山照夫
瓦版屋:高井清
最終回。江戸中の門前町を仕切る小松屋の悪事。寺社奉行の管轄ながら、金四郎は石橋に取り締まりの強化を命じ、それに対抗して小松屋はまず咲を拉致監禁、そして今度はそれを餌にしておゆきをもおびき寄せ捕らえて人質に。
最終回らしく金四郎側がピンチの場面の連続。
高井清ってなんか名前に見覚えがあるなあと思ったら、大岡越前でレギュラーやってた人だ。ここでは全然違う役で時代劇にはよく出てくる瓦版屋

放映終了が1/27で見終えたのは1/28。ちょうどいい感じで見終えられた。
これまでは各シリーズの最終回を見た後すぐに次シリーズの初回を見て、どのように設定を引き継いでいるか、そして異なってるかを見てきたのだけど、今シリーズで西郷版は終了なので、そのやり方はしない。でも、次週よりやはり次シリーズが始まるようなので、第1話の始まりのところは早く見てみたい。次は里見浩太朗版である。