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あばれ八州御用旅 [時代劇]

08/15(月) 15:05 -
テレ玉1|55分|15倍録
あばれ八州御用旅 PART1[新]
11/11(金) 15:05 - 
テレ玉1|55分|15倍録
あばれ八州御用旅 PART4[終]

オリジナルは
第1シリーズ:1990年4月13日 - 6月29日
第2シリーズ:1991年4月19日 - 9月27日
第3シリーズ:1992年7月10日 - 10月2日
第4シリーズ:1994年4月8日 - 6月24日

第1話 「国定忠治を斬れ!」
国定忠治 - 夏八木勲
お葉 - 大場久美子
お千代 - 森尾由美
日光の円蔵 - 伊吹剛
大和田大五郎 - 睦五朗
藤右衛門 - 土屋嘉男
儀助 - 奥村公延
朝吉 - 吉田友紀
有村兵庫 - 北原義郎
西沢 - 井上博一
黒川左内 - 山本昌平
猪之吉 - 岩尾正隆
仁吉 - 井上茂

西郷輝彦主演。「江戸を斬る」シリーズを見終えたばかりであるが、西郷はあまり変わっていない。江戸を斬るの第6シリーズは1981年だ
新シリーズ開始の第1話だからかもしれないが、レギュラー以外の出演者が多い。一方レギュラーは少な目。そんな中でも中村梅之助が水野忠邦役。特別出演となっており、準レギュラーでしかも登場回は少ないのかもしれない。その水野の命を受け、西郷演じる藤堂が影の八州として旅に出て、悪を成敗していくという構図のようだ。
この構図から「旅がらす事件帖」を思い出した。そういや、あの作品でも中村梅之助が江戸から命令する役をやっていたのでは、と思ったが、こちらは小沢栄太郎。
他にも似た構図で「若さま侍捕物帳」があり、こちらは若さまに密命を出す役が中村梅之助だった。一方、中村梅之助主演の時代劇テレビドラマで、「達磨大助事件帳」とか「そば屋梅吉捕物帳」もあり、これらも同じような構図。達磨大助では命を受ける役、そば屋梅吉では一人二役で命を出す役、受ける役両方をやっていた。
他のレギュラーは竜雷太演じる山崎哲之介が旅のお供というか毎度藤堂の前に現れるような役なんだろう、夏樹陽子演じる小百合は水野の配下で藤堂を手助けするという立場かな。
加納みゆき、ビートきよしはどれだけ登場するのやら。藤堂の嫁、志津と藤堂家の用人、弥五郎の役。江戸で待つ身のようである。が、OPのレギュラークレジットのところでちゃんと出ているのだから、それなりに主要登場人物には違いなさそう。
この第1話では全体的に割とシリアスなトーンだが、この志津、弥五郎のところは喜劇的、藤堂が子作りを迫られ戸惑う、という風に作られていた

※追記 同日視聴
第2回(第1話の後編)
「国定忠治を斬れ!第二部」となっており、一応前回で話の区切りはついているのだが、続き物となっている。おれはこれを第二話だと思っていたのだが、ウィキを見ると、この回はスペシャルとなっていて、2時間だったのだろう。
前回では藤堂の友達の青木の仇討の話。その仇討は終わったが悪は一掃されておらず、今回は江戸に戻り水野に関東取締出役(八州廻り)の仕事を受けるという場面から始まる
新田純一(レギュラー)登場。これでウィキをに掲載されているレギュラーは全員登場したことになる。
水野に対して八州廻りを隠密でやらせて欲しいと頼み込んだ藤堂だが、その相棒となる新田純一演じる新兵衛は正規の八州廻りになりたいといい、結局そのようになる。
最後の殺陣で藤堂は白装束、なんとも格好悪いのだが、ここがお約束の場面と今後なっていくのだろう。そしてこれが隠密八州廻りとしての出番であり、白装束での殺陣で悪を斬り捨ててしまう。
この白装束、隠密八州廻りは新兵衛には秘密になっているという設定で、一方新兵衛と一緒に行動している藤堂は正規の八州廻りとして名乗っており、この回では代官所で、国定忠治の詮議のため、お白州(江戸を斬るのときのような白い砂利ではないが)を開いている
嫁の志津とビートきよし演じる藤堂家用人の弥五郎の場面。これはこの回では江戸へ戻った序盤の場面で家にも戻り、そして前回と同じ喜劇場面で「かぶせ」てくる。前回とまったく同じで、子供がいないからこんな役を簡単に受けてしまうのだと嘆き、志津は布団を敷き、弥五郎は昼間にも関わらず雨戸を閉める。この喜劇場面はなんとこの回のラストにもある。仕事を終え、江戸に戻った藤堂、家に帰ると志津が布団を敷いて待っており、弥五郎は雨戸を閉める
多分毎回江戸から出発し江戸に戻るというような展開で、江戸での場面に志津と弥五郎の喜劇場面が入るのだろうな
森尾由美がなんだか芸能界デビューをしたばかりの初心な娘のような感じ、この作品のずっと前にデビューしたはずなのにと変な感じを受けた。

第2話 「非情・黒田槍」
横倉綾 - 日下由美
武平 - 下川辰平
相川半三郎 - 原口剛
相川縫 - 菊地陽子
鬼塚典膳 - 西山辰夫
江戸の場面はなしで、志津と弥五郎の出番なし
綾が仁和令子かと思った。
上に西郷輝彦が変わっていないと書いたが、やはり江戸を斬るから10年分の風格や疲れが見える。そして仁和令子(ではなかったが)もちょっと老けたなと思えた。それは時代劇常連の西山辰夫や、次の回の長谷川明男なんかにも感じる。
綾は病であり、序盤の臥せってる場面で仁和令子かと勘違いをしたのだが、その後歩き回る場面もあり、そこでは全然違う人で、一瞬誰だかわからずどういう場面かもわからなくなってしあった。
綾が槍持ちの武平を従え、夫の仇討(仇は相川半三郎)の旅。そしての妹、縫は半三郎の嫁となっており、この地で再会。ここで綾は妹と縁を切るのだが、その後、縫は誤りに来る、とこの場面で半三郎が乗り込んできて武平も含めみな斬り捨ててしまうという流れなのだが、この妹と縁を切り、そして妹の謝罪のところがなんの説明も心の描写もなく、展開するので、なんとも薄っぺらな感じがする
また、このシリーズの特徴となるかもしれないが、ストーリー上の悪役は善玉をみな殺害してしまい、藤堂はそこに間に合わず、その後白装束で悪を成敗という流れ。これは次の回もそうだった。

第3話 「義賊!?ねずみ小僧の謎を斬れ!」
吉蔵 - 長谷川明男
おとき - 清水めぐみ
次郎吉 - 堀内正美
市川徳次郎 - 森下哲夫
卯兵衛 - 山口幸生
市村菊三郎 - 中村錦司
弥市 - 田中弘史
与力 - 玉生司朗
鶴吉 - 平田桃介
この回はなんとも変な感じ。
まず「いばきゅうぞう(漢字で書けば「伊庭久三」かな)」という男を藤堂たちは追っている。となるとこの回はそういう話かと思う(この伊庭はここでは 弥市と名乗っていて、これが山本麟一みたいな顔で、メインゲストかと思ってしまった)のだが、途中から鼠小僧が江戸で捕まったという話が挿入され、その後その鼠小僧についての謎を追う話になっていく。また序盤では、その地で芝居が行われており、芝居は禁止されているという状況から、それを取り締まろうとする新兵衛とそのままにしておけという藤堂の言い合いから、結局上演を止めさせることになるというエピソードもあり、この三つがほとんど関係しておらず、色々詰め込み過ぎであり、また鼠小僧の話ならそれでいけばよく、なんでこんな意味のないエピソードを入れ込んでるかが謎。
といっても芝居では鼠小僧が上演されており、そこへ江戸で鼠小僧が捕まったと伝わってくるというそれなりに関連はあるといえなくもないのだけど。
藤堂はここまでの回で八州廻りであることを名乗ったり、または隠したりしている。この回では周りに人がいるところで新兵衛のことを「旦那」と呼ぶ場面があり、新兵衛に付いてる小者のようなふりをしている一方で、自分が八州廻りであることを言ってる場面もある
志津と弥五郎の江戸の場面多数あり。藤堂は一度江戸へ戻るという場面もあるし、ラストでは江戸へ帰還している
山崎哲之介はなんの説明もなく、藤堂の旅先でなにかの活動をしており、この回では伊庭に報奨金がかかったとのことで、それを狙っている
中村錦司は江戸を斬るのレギュラー。この回では芝小屋の親方で西郷と話し合う場面がある
山口幸生は時代劇の常連。ここでは顔がバッチリ映ってる。よく見る顔である
終盤吉蔵が連れ立っていると目立つから一人一人で上方へ向かおうと配下の者たちに言って各自旅立っているのだが、その次の場面で吉蔵の前に白装束藤堂が現れると、どこにいたのか配下の者たちが周りから現れ殺陣となる。まあ一人一人別々ではあるが、近くにいたということかもしれないけど

※追記1/30視聴
第4話 「巨悪の罠!消えた隠し金山を探れ!!」
林田善蔵 - 横光克彦
石川和泉守 - 幸田宗丸
星野仙右衛門 - 田中浩
有馬藤兵衛 - 三夏紳
松造 - 北見唯一
嘉助 - 河野実
林田伝兵衛 - 阿木五郎
ゲスト陣に知った名前がほとんどない。横光克彦がメインゲストという扱い。ウィキを見てみてびっくり。この数年後に衆院議員となっており、近年まで議員だったとのこと
幸田宗丸、北見唯一は時代劇の脇役あたりでの常連だ
女性が川で水浴びをしてる場面があり、胸のあたりも映ってるがボカシが入っている
駕籠かきの役で福本清三がいるように見えるが一瞬なのでよくわからない。これより前の回でもそれらしいのがいたような違うような・・・。制作協力として東映太秦映像があるので、出ている可能性はあるのだろう。
江戸組(志津と弥五郎)は今回は休み
山崎哲之介はこの回の序盤ではなかなか藤堂たちと顔を合わせることがなく、藤堂たちは「どこで嗅ぎつけてくるのか、必ず姿を見せるのに」、「いればうるさいしいなくなると寂しいし、妙に気になるやつ」 などと言っている
ここらで全体的なこと
OPナレーションとレギュラー陣のクレジットに続き、第1幕、CMの後に第二幕となり、ここでサブタイトル。なのであるが、その後のCM前にはアイキャッチがあるが、第1幕の終わりのところにはない。もしかしたらオリジナルでは、ここにCMがなく、ただサブタイトルが出る前のところで一旦CMとしているだけかもしれない
江戸を斬るなどもう少し古いテレビドラマ時代劇に比べて話が多少複雑か。見応えがあるとも言えるが一方で話を把握しづらかったり、また内容を詰め込みすぎなのか、ところどころで展開が雑。この回では、終盤の結末のあたりがそうだった。
オープニングのナレーション(佐藤慶)で、関東取締出役(八州廻り)は切捨御免の権限を持っていたとあり、そうすると藤堂はなぜ隠密であることを望んだのかがいまいちはっきりしないように思うが、藤堂がこれまでに斬り捨てる相手は代官だったりするわけで、こんなのを八州廻りが切捨御免とやるわけにもいくまい

第5話 「唐丸破り!!人情切り裂く三千両」
伝衛門 - 内田稔
お秋 - 木之原賀子
武ノ市 - 遠藤征慈
影山外記 - 高桐真
碓氷の五郎蔵 - 大木正司
伊三郎 - 森秀人
磯吉 - 西園寺章雄
相変わらずあまり知った名前がない。西園寺章雄は時代劇の常連。大木正司もよく見る顔だ。
お秋が善玉側で窮地に追い込まれているが殺されずに済んでおり、今シリーズでは珍しい
相変わらず結構凝った内容で、唐丸籠から囚人が奪われる。これが盗人の親分で、金のありかを知ってるのが親分だけだから助けたというのがメクラの振りをする武ノ市、一方親分に可愛がられた磯吉はそんな武ノ市に不信感を持つ。そして武ノ市は十手持ちと繋がっており、果ては代官まが、この金を狙っての囚人強奪計画の首謀者だった

1/31
第6話 「用心棒の目に涙 哀れ母子の絆」
青江源七 - 石橋正次
律 - 鈴鹿景子
小太郎 - 大西良和
佐々木監物 - 内田勝正
市来喬之助 - 草見潤平
大津屋伴助 - 石山律雄
内田勝正、石山律雄、ともに時代劇常連で、やっぱり10年分老けてる。一方鈴鹿景子はあまり変わりない。女性だからかなと思ったが、よく見てたのが必殺シリーズの後期だったかと、それなら今作品と同年代ともいえる。と思って調べたが、彼女が必殺に出てたのは仕事人、新仕事人、仕事人3、とのことで80年前後だ。
石橋正次は「江戸の激斗」で見た人だが、ここでは全く異なる役で、見てる間は全是気付かなかった

第7話 「旅人平八郎涙をかくす三度笠」
おたき - 竹井みどり
留吉 - 皿沢康志
卯兵衛 - 玉川伊佐男
荒牛長五郎 - 黒部進
浅吉 - 本郷直樹
島三 - 出水憲
銀八 - 井上茂
何故か急に作風が変化したように見える。藤堂が旅人(渡世人)姿、つまり侍ではない姿ということ。特に説明もない。
またこれまでそんな素振りがなかったのに、小百合が藤堂に惚れてる風で色っぽい声で甘える姿が冒頭にある。
そして今回はほとんどを藤堂が事件を解決するような内容で、小百合と新兵衛の出番は少ない。
荒牛というやくざが仕切ってる町で、おたきはかつて荒牛に殺されたもう一方のやくざの親分の未亡人。留吉はその息子でやくざに憧れているがおたきはそれを止めさせたがっている。藤堂が旅人姿で荒牛の子分どもをなぎ倒すのを見て藤堂に憧れてしまう。
藤堂はおたきの思いを知りその憧れを止めさせるためにわざと荒牛の前で無様な姿をさらすといったような展開
ラストではやっぱり白装束での殺陣、さらにはその地を去る際には侍姿、まあこういう展開を予想して旅人姿だったということだろう。そのラストで同じくその地を去ろうとしているおたきと再会、留吉には会わずに去ろうとするも、留吉はその後ろ姿を見入っており、そこへ斬りつけてきた荒牛の子分を、振り返りもせずあっさり斬り捨てたのを見て、留吉はそれがあの強いおじさんだと気付き、さらにはあれが演技だったことにも気付いたであろう、必死に声をかけるという場面で終わっていく。この終わりの部分は必要だろうか、なんとも苦い終わり方である
井上茂は第1話以来二度目の登場で、ここでは大層目立っている。悪役側のやくざ荒牛の子分たちのリーダー格ながら役者イメージ通り間抜けなキャラ

第8話 「街道の風も泣いてた 女郎うた」
紋次 - 西山浩司
黒木市之助 - 亀石征一郎
おさよ - 山下智子
おせい - 丘野桃子
捨五郎 - 中田博久
亀石征一郎、中田博久、それなりに老けた。中田博久なんかはかつてはやくざの代貸だとか下っ端あたりの役が多かったがここでは親分
前回を踏襲する感じで、旅人姿の藤堂がやくざ同士の抗争を調べていくという構図。
江戸組が久しぶりの登場、今回は初の試みだが、旅に出て藤堂も出会うという展開。江戸で道端でしゃがみこんでいる少女おさよを助けるも、目を離した隙にいなくなってしまい、お守りに入っていた紙から田舎に帰ったに違いないと追うという流れだ。

第9話 「哀れ!薄幸の美姉妹 折鶴の謎」
菊の家小銀 - 山本ゆか里
菊の家小梅 - 蜷川香子
角倉丹波 - 高野真二
雑賀屋源蔵 - 長谷川弘
八巻連三郎 - 成瀬正孝
村田伝内 - 崎津隆介
半蔵 - 平田桃介
備前屋万助 - 今村廣則
徳兵衛 - 日高久
高野真二は時代劇の常連である
日高久もそうか。この人はいつも変わらん感じだなあ
作品的には二つ指摘しておきたい。まずは第7,8話の旅人姿ではなく侍姿の藤堂、そして内容も前二回はやくざの話で、代官だとか奉行だとかの政治的権力者は出てこなかったが、今回はそういうのが悪役の頭(高野真二)となり、最後藤堂に成敗されるという展開
もう一つは、ストーリーなのだが、大岡越前や江戸を斬るで何度も出てきたような時代劇ではよくあるもの。すなわち、芸人一座がの裏の顔、敵討ち。
数十年もの過去、商家が商売仲間や奉行などに罠にかけられ、闕所となり主は殺される。生き残った子供が成長して芸人一座として身を隠して自分たちの親を罠にかけた奴らに敵討ちを決行していく、というもの。この回では姉妹とその兄かな、そしてその商家の用人(これが日高久)の四人組が敵討ちをする側の芸人一座
大岡越前などと違うのはこの作品の善玉側は皆殺しになってしまい、そして悪役側は藤堂に皆殺しにされるというあたり。
大岡越前だったらもちろん姉妹たちは生き残り最初に行った敵討ちは見逃し、もしくは情状酌量になるところだ
この回では新兵衛が妹の小梅と恋仲になるという展開もある、が、彼女も殺される
エンディングテーマ(主題歌)について。
本編が終わった後に流れ始めその主題歌の時の映像は毎回同じもの、ここでゲスト出演やスタッフクレジットなのだが、今回は本編がまだやっている終了間際のところから音楽が始まった。
早めに音楽が始まったということで、エンディングの映像は同じ長さのはずなのでどこでつじつまを合わせるのか、映像が全部流れたら音楽が早めに終わってしまうわけで、映像が一部カットされるのかなと確認。
音楽が長めになっていた。エンディングのリフレインが2回になっていた。
この主題歌は三好鉄生「男たちのバラード」。
本編でも終盤のかっこいいところで挿入歌として流れるという回も、ここまでで数回あった。

第10話 「暗闇に死す!忍びの恋の最期」
伊助 - 荒木しげる
酒井玄蕃 - 中田浩二
野分の久兵衛 - 福山升三
八田頼母 - 中村孝雄
百地三太夫 - 遠山金次郎
おたま - 村田美佐子
サブタイトルは小百合をさしている
序盤であっさりと盗賊の頭、野分の久兵衛の捕縛、江戸へ唐丸籠で運ぶことになるが、子分が取り返しに現れ撃退するも、その後のことを考え、護衛を郡代に頼む。郡代は快く引き受け護衛を差し出す。その中に小百合の幼馴染、伊助がいた。この二人の関係は、回想として忍の修行を一緒にやっており、伊助は小百合を「お嬢様」と呼んでいる。小百合は忍の頭の娘ということのようだ
あまりこれまで見たことのないような異色のストーリーという感じだが、こなれてないからか演出がイマイチに思えた。
郡代の悪事がわかってきたとき、その部下の伊助が悪事に絡んでいるのかどうかで、小百合が悩むという展開

2/2
第11話 「東洲斉写楽を斬れ!」
斎藤市兵衛 - 森次晃嗣
お米 - 葉山葉子
倉本仁左衛門 - 深江章喜
川上平蔵 - 金子研三
主税 - 原田慎也(子役)
徳平 - 伝法三千雄
茂作 - 森下鉄朗
この回は江戸組登場。第2回のところで「多分毎回江戸から出発し江戸に戻るというような展開で、江戸での場面に志津と弥五郎の喜劇場面が入るのだろうな」とおれは書いているが、そのような演出(喜劇的ではないが)。これがお約束的演出になるかとおれは思っていたのだが、それはまったくの外れで、ここまでこういう演出だったのはほとんどない。
今回は次が最終回だから、とか、あまりここまで出番がなかったから、とか、そんな理由で入れた感じで、ストーリー的には必然性がない
新たな演出としては、白装束影の八州の前の場面で、悪役の手下たちを、新兵衛と藤堂とで対峙するという場面があり、この場面では二人とも自分が関東取締出役、八州廻りであることを名乗っている(藤堂が関東取締出役と、新兵衛が八州廻りと名乗っている)。藤堂は陣笠(鉄製のもの、これも陣笠と呼ぶらしい)を被っていてずいぶん立派だ。今回は白装束影の八州の場面がないのかなと思ってしまったくらいだ。
ちなみにこの回では、他の登場人物からは浪人と呼ばれていて、また八州廻り新兵衛の小者みたいな素振りをしている
どこがどうとはいえないが、やっぱり演出がイマイチかなあと思える場面がいくつかある。
小百合のキャラ。前回で恋愛設定を見たせいもあるのだけど、ほかの時代劇に出てくる忍に比べちょっと弱弱しい。時代劇に出てくる忍はどんなところでも忍んで密談を聞き出し(これができるなら事件の解決は簡単)、また殺陣の場面でも剣術を使うことはあまりないが、他の手段で圧倒的に強い(これができるなら負けることはない)。
小百合もそういうキャラではあるのだけど、強さが感じられず、また緊迫感みたいなものもない。密談を聞き出すのに忍ぶのにもあまりにも楽々とやっていて難しいことのように見えないし命がけの仕事にも見えない。

最終話 「白頭巾危機一髪!」
お夏 - 岡まゆみ
河原十兵衛 - 西沢利明
小笠原長隆 - 江見俊太郎
島崎喜兵 - 上野山功一
津上 - 堀田真三
山形屋 - 須永克彦
牛吉 - 赤城太郎
久造 - 阿木五郎
俵 - 白川浩二郎
境 - 福本清三
小山 - 白井滋郎
小笠原長隆が元若年寄で水野に職を追われ、恨みに思っており、大目付、河原十兵衛を使って影の八州の首を取り、それによって水野を追い込もうとしているというのが全体的な設定。
島崎喜兵は今回の舞台の代官で、闇で鉄砲作りをしており、そのことを水野に命じられて藤堂たちは捜査に来ている。
福本清三は河原に付き従っているが、多分小笠原配下で派遣されてるのだろう。
今回の事件を追う流れの中で藤堂は新兵衛に影の八州が自分であることを告げる。
白装束影の八州の殺陣の場面では最終回らしく、そこへ新兵衛、小百合、さらには山崎哲之介までが駆け付け、旅回りレギュラー勢揃い。新兵衛に秘密を告げたのはこれの布石であったか。
中村梅之助が出ている。結局第1話とこの回のみ。

第2シリーズ
第1話 「姫君抹殺指令!対決!白頭巾対黒爪根来衆」
琴姫 - 伊藤麻衣子
森塚菊馬 - 美木良介
島村市之助 - 五代高之
堀田主膳 - 菅貫太郎
浅野帯刀 - 滝田裕介
角倉兵庫 - 原田清人
佐々木伝内 -黒部進
矢吹源蔵 - 遠藤征慈
生田左門 - 中条きよし
(スペシャルとなっており2時間だったのだろう、今回は2回に分けて放送、それぞれサブタイトルでは「第一部」、「第二部」と表示)
メインゲストは伊藤麻衣子、中条きよしということになるだろう。ゲスト出演者クレジットでトップが伊藤、その後美木良介、五代高之が単独表記、でその後数名並記が続き、中条きよしが単独表記、その後さらに下位のゲスト出演者クレジット、トメに準レギュラーの特別出演、中村梅之助
中条の時代劇というと勇次のイメージが強すぎてという感じがある。ここでは侍の役なのだけど。彼の演じるキャラが興味深い、善玉なのか悪役なのか。今回の悪役の親玉が菅貫太郎演じる堀田主膳でその配下という役どころ。藤堂を斬るように命じられるも、なんと二人は幼馴染。酒を酌み交わす場面がある。で、旧交を暖めながらも、最後は斬り合うという流れかなと思ったのだが(実際にはそうなる)、その後、主膳に人質に取られた志津や新兵衛、琴姫を助けるなんという場面があり、悪役側の配下ながらも旧友と気付き、裏切るという役かなと思いきや、なぜか最後は藤堂と一騎打ち。ここでわざと刀を引いて斬られる。時代劇にありがちな死に場所を探していたというような演出だ。
前シリーズと同じレギュラー陣で設定も受け継いでおり、そのまま連続ものとして見れる。これまでになかった演出もいくつかあり、まず志津。江戸に戻った小百合との対面の場面でキャラが変わったのかなと思えるようなしとやかな女性として登場。志津は江戸で人質に取られ、今回の舞台の場所に移されている。運ぶのも難儀だろうに。そういや、前シリーズ最終回での妊娠についてはどうなのだろう、赤ん坊は出てこなかったが。
藤堂が忍の吹き針にやられ瀕死の重傷となる。前シリーズではあまり窮地に陥るような場面はなかったはずで、これも珍しい。
ここで小百合が必死の看病。この場面だけでなく、小百合と藤堂、二人の場面が多く、そこで小百合が生い立ち(捨て子で忍に拾われ育てられた)を語ったり、悩みを語りしんみりする場面があったり、と今後、この二人の関係性にも注目
ビートきよしの出番は少なかった。
OPでナレーションがあり、その後レギュラー陣のクレジットというところは前シリーズと一緒(ナレーションは流用のようだ)だがそのバックに流れる映像が異なっている。音楽は同じ曲だが演奏が異なっているようだ
EDではゲスト出演者クレジットとスタッフクレジットで、主題歌が変更されている。この主題歌がちょっとダサめで、当世風の音と声。クレジットを見るまで気付かなかったが西郷の歌だった。

第2話 「みちのく母娘二人旅」
おまさ - 風祭ゆき
川田小十郎 - 清水章吾
おみつ - 川田美香
長井大膳 - 原口剛
なかなか良い出来である
ドラマ的に都合の良い偶然が二つ
山崎哲之介が藤堂を斬れと依頼されることになる
もう一つは山崎哲之介が面倒を見ている母娘がおり、その娘みつの父親と山崎が偶然に顔を合わせる
こういった偶然というのは演出が良くないと興ざめなのだが、例えば前者はコミカル(その部屋にいるものを斬れと言われ、襖を開けると藤堂一行、山崎を見て歓待、山崎はほうほうの体で退散、友を斬ることはできないと断る)に描かれており、悪くない
第二幕は山崎の場面ばかりという異色な作り方で、ここは割とコミカルな場面が多い。
山崎の財布を盗もうとしたみつと追いかけっこが、早回し。みつを追いかけていくと、そこには病気の母親(風祭ゆき)いる。
その薬礼を稼ぐため山崎はガマの油売りをやる、など。
山崎はこの母親に情をかける。
流れから言って父親になるという決断もありなんだろうと思うがこの回のラストでは旅立つ母娘を見送っている。
そういえば途中の場面で母親が山崎にみつの父親になって欲しいような素振りをみせそこで山崎はモジモジ。その様子を見て母親が落胆するという場面の彼女の表情の変化がとてもよい

2/3
第3話 「五六八なみだ旅」
神崎主膳 - 中野誠也
森 - 中田博久
才次 - 小池雄介
辰造 - 藤井司
お熊 - 河東けい
大黒屋 - 石浜祐次郎
ストーリー的には辰造がメインゲストなのだが、クレジットでは下位。どんな俳優かなと調べてみると、ほとんど情報が出てこない。89年の大河「春日局」に出たとあるくらいだ
角兵衛獅子をやらされている兄弟が出てくる話。この角兵衛獅子というのは時代劇でよく見るような気がするが、どうだろう。必殺のどこかの回で出てきたものが印象的で、実はそれ以外では見てないかもしれない。
ここで初めてわかったということでなく、前シリーズでもその傾向は濃厚なのだが、西郷の演じる役が「大岡越前」、「江戸を斬る」で彼の演じた役を思い出させる。藤堂は影の八州を引き受ける前は医師である。そして八州廻りの仕事中、頻繁に町人姿になるというあたりである
江戸を斬るではお前は何者だと問われ、「お江戸の悪を許しちゃおけねぇ男よ」と答えるお約束があったが、この回ではそれに似た感じ(江戸を斬るではラストの殺陣の場面で悪役に問われるのだが、ここではそうではない)で、あなたは何者かと問われ「おせっかい焼きの遊び人」と答える場面がある
今シリーズになり、新兵衛にも影の八州の正体が知れており、ラストの白装束での殺陣の場面で藤堂がひとりで悪に斬りこむ理由がなくなって、その意義が揺らいでいるように思う

第4話 「からくり峠あばれ越え」
青柳錦四郎 - 吉岡祐一
関 - 立川三貴
江戸屋伍平 - 江見俊太郎
喜三郎 - 小沢象
五十嵐主膳 - 高桐真
足立主水 - 竜川真
佐平次 - 西田靜志郎
おきく - 立原ちえみ
茂作 - 日高久
江戸屋 は大名に金を貸してその借金を元にその藩を支配するという悪役。
そしてその藩の家臣たちには江戸屋にすり寄ってるものもおり、だが、その家臣は面従腹背。悪役のように見えて、実は・・・、という展開がいくつかあり、そこらへんは見ごたえがある
また一方で城代家老は江戸やに不満を持つ若い侍たちに頼りにされているのだが実は裏で江戸家と握っているという風に、○○のように見えて実は・・・、という設定がいくつか重ねられており面白い。

第5話 「親泣かせ手車道中」
おまつ - 川上夏代
おこん - 鷲見利恵
留吉 - 四禮正明
草柳大四郎 - 原口剛
おくら - 宮田圭子
なぜか江戸が舞台の話となる。なぜ江戸の悪事を彼らが捜査するのかという疑問が。
話の始めは旅先でそこで出会ったおまつというお婆さんがゴマの蠅から恐喝されてるのを助け、そのおまつが息子のことが心配で江戸へ出るとのことで・・・。とここまで話がいったあと、場面が変わるのだが、ここが江戸。なのだけどそのことに気付かずに見ていた。江戸でのそのおまつの息子、留吉の話になり、そこへ藤堂などが介入していくことになる
江戸が舞台だが、志津たち江戸組の出番は少ない

第6話 「地獄へ送る一万両」
徳蔵 - 出光元
おやえ - 佐倉しおり
堀田康景 - 御木本伸介
金井軍兵衛 - 石橋雅史
またしても江戸が舞台。今回は話の始めは江戸だが、そこで勘定奉行の堀田から命じられ、公儀貸付金強奪事件を捜査しに行く。そこで待ち構えていた山崎が事件のあらましを伝え、藤堂は強奪犯が江戸へ逃げたことを推理し、江戸に戻るという展開で江戸が舞台となる。
この回は江戸組が活躍。とくに弥五郎のほうはこれだけ出番の多いのはシリーズ初。そして志津のほうは第1話で見せたのと同じくやはり喜劇的場面はなく、おしとやかであったり、夫を支える姿であったりである
序盤でおつかいに出た弥五郎は、エロ画と騙されて相撲の絵を買わされるという場面があり、おれはそれだけでも、一番最初の回にあった以来のビートきよしというタレントを生かした喜劇的場面だなと思っていた。それはそれだけの場面かと思いきや、その相撲絵を騙した男というのが今回のメインゲストのひとりで徳蔵
その徳蔵とおやえの父娘再会(おやえの母はおやえが生まれる前に徳蔵とは別れてしまっていておやえは父親に会ったことはない)という人情噺系と、貸付金強奪事件という二つの話が並行して進む感じ。この二つの事件は微妙に絡んではいるが、基本的にはさして絡みはない。
徳蔵はその日暮らしのどうしようもない男。ラストのナレーションがちょっと珍しくコメディチック。「やえと徳蔵は一つ屋根の下で暮らすようになった。徳蔵は人が違ったように働き者に」でナレーションが止まり、コミカルな音楽、おやえにもうお昼だよと起こされる徳蔵、やってきた藤堂夫婦を見つけると、「明日から働きに行きます。今日までがお休み」、そこでナレーション「徳蔵は人が違ったように働き者にはならなかった。しかしやえはそれでもよかった。親子二人一つ屋根の下で一緒に暮らせるだけで幸せだった」

第7話 「上州からっ風怨み風」
青木竜弥 - 渋谷哲平
おりつ - 長島裕子
直祐 - 成瀬正孝
寺内左蔵 - 中田博久
太平 - 西園寺章雄
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上州・板鼻代官所の手代・竜弥は名主の息子。数年前、凶盗に母を殺されたことを発端に、下手人を自分の手で捕らえるため、家督を人に譲り手代になった。
隣接する峰岡藩の藩主の弟・直祐は、村娘をさらってきては慰みものにしていた。竜弥の母を殺したのは直祐なのか?
--
江戸が舞台の作品が二回続いたが今回は元通り旅先での話
なぜか藤堂の出番が控えめで、新兵衛が動き回り、その後ろで相談を受けるような役柄に終始している。もちろんラストはいつも通りだが。
そしてこの回では、なぜ藤堂が一人、影の八州として悪に斬りこむのかがわかるような場面がある。
竜弥とおりつは幼馴染、おりつが直祐の命により峰岡藩士たちにさらわれたのを、取り戻しに行くというような展開がある。さらわれたときにりつは直祐たちが酒を飲んで話していたことを聞いており、竜弥の母の件は押し入りにやられたことになっていたが、真相は直祐の手によるものであったのだ。
そして直祐は直祐のいる屋敷に斬りこみ返り討ち、新兵衛はいきり立ち、直祐を斬りに行こうとするも小百合が止める。「関東取締出役を止めるつもりですか、大名領で屋敷に押し入り藩主の弟を殺害すればお役御免は必定」と。
影の八州として隠密裏に行わなければならない案件なのだ。じゃあ新兵衛もそうすりゃいいじゃんとなるが、影の八州として遂行することを新兵衛は許されていない。

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第8話 「平八郎を仇と狙う女」
おきち - 日下由美
岩淵庄太夫 - 石山律雄
飯塚弥平 - 出水憲
仁助 - 田中弘史
吉松 - 結城市朗
おなみ - 武田京子
新蔵 - 武井三二
新蔵は盗人の一味、捜査に訪れた藤堂、殺された新蔵を見つけることになる。その家を出ると入れ替わりに女房のおきちがやってきて亭主が殺されてるのを見て、藤堂を仇と狙い出す。
おきちが金を頼みに吉松を使い腕の立つ浪人を数人集めてもらうが、吉松は藤堂を斬るより、おきちから有り金全部もらったほうが簡単だと言い出し、おきちは襲われ、藤堂に助け出される、というこの勘違い的な構成が面白い。
この回に限ってのことでないことを二点
時代劇全般であるが、遠くで喋ってる会話が聞こえるというのは変だが時代劇のお約束。ここでも田んぼを挟んで大した大きな声でなく会話したり、神社前の藤堂たちの会話をおきちが聞き取るとかだ
藤堂が隠密で業務遂行をする理由。これは第1話(第1シリーズ)という一番最初に言っているが、隠密でなければ探れないことというのが多々あるということなのだろう。おれはずっと隠密でやる意味があまりないように思っていたが、そういえばそうだ。この回で藤堂は賞金稼ぎの浪人と称しているのを見て気付く。

第9話 「隠密無残!骨箱の謎」
矢吹加代 - 七瀬なつみ
伊助 - 塚本信夫
寺崎刑部 - 南原宏治
平野屋藤兵衛 - 江見俊太郎
笹木軍蔵 - 小沢象
岸本伝十郎 - 遠藤征慈
佐兵衛 - 北見唯一
矢吹源七 - 中嶋俊一
殺陣の場面で福本清三らしき人、違うかな、かなり長く映っている。ちょっと若く見える
この回では善玉が悪役に斬り殺されてしまう。このシリーズでのお約束というほど毎回ではないが、大岡越前や江戸を斬るの場合はそういう場面に必ず主役側の助けが入るのであるが、こちらでは間に合わず、ということが比較的多い

第10話 「もち肌の女 連続殺人事件」
志村源斉 - 磯部勉
倉橋典膳 - 小笠原良知
伊三郎 - 石浜祐次郎
多平 - 松田明
お紺 - 長谷川千佳
お久美 - 西側有利子
お咲 - 酒井久美子
福本清三(役名なし)
藤堂は医師という面もあり、これまでにも行き会った病人、怪我人を診るような場面もあったが、この回ではこれまでに初めて、その医師の知識を生かしての推理。今回の事件はもち肌の若い女が殺され、肌が切り取られているというもので、悪役は医師の源斉、ある女のやけど痕の治療のためであり、それを藤堂も推察する。
源斉の用心棒集団のトップが福原清三で、セリフも多く、殺陣でも最後に斬られる源斉の前に斬られており見せ場たっぷり。クレジットも相当に上だろうと思ったが、役名なしのところだった

第11話 「三吉馬子唄 なみだ唄」
山中義勝 - 長谷川哲夫
お稲 - 遠藤真理子
石垣頼母 - 深江章喜
望月兵馬 - 冨家規政
三吉 - 西尾塁(子役)
遠藤真理子メインゲストとして登場、江戸を斬るで長年共演してきた西郷との2ショット場面もある
ここ数作品では藤堂と新兵衛、小百合の三人での旅姿が毎度のように登場、そして藤堂は町人姿(この回では遊び人と自称して素性を隠している)で新兵衛の小者を装っての旅姿。新兵衛の小者を装っての町人姿となると、やはり江戸を斬るを思い出す
それまではそこまで決まりきったお約束はなく、それはスタイルが定まり切っていないともいえるし、柔軟に話を構築しているともいえる

第12話 「愛を切り裂く高瀬舟」
利根屋吉五郎 - 内田稔
井筒屋仙右衛門 - 中村孝雄
板倉将監 - 田中浩
弥助 - 益富信孝
おしの - 東城美帆
伊太郎 - 平田桃介
源次 - 原一平
船問屋(舟での運送業)、井筒屋の漕ぎ手が殺され、商売敵の利根屋の仕業だろうということになり、話が進んでいく。利根屋は代官に賄賂を渡すも、その次の代官への面会者は井筒屋で、二人は利根屋をあざ笑う。という風に利根屋のほうも賄賂を渡すという意味では悪人ではあるが、結局はお取り潰しになり、利根屋と代官は藤堂に成敗される

第13話 「檜舞台の罠!旅役者涙の晴れ姿」
花村菊之丞 - 藤木悠
森田藤十郎 - 片桐光洋
六兵衛 - 睦五朗
神保豊後守利重 - 西山辰夫
中村錦司(役名なし)
中村錦司、再び登場。旅役者一座の話で座頭役が藤木悠、中村は座頭を補佐するという番頭というような前回と似たような役回り。
第5話で江戸の場面になったときに気付かなかったというようなことを書いたが、ここでは江戸の場面になったとき「江戸」とテロップ
そもそも町の様子が江戸とそれ以外であまり大差ない。どう差をつければいいのかよくわからないが。なので、江戸以外が舞台でも江戸のを舞台にした捕物時代劇と変わりない感じがこれまでの回の多くで感じた。
今回は江戸から始まり、抜け荷捜査でその地まで行き、また江戸が舞台になり、また江戸から外が舞台になるという感じかな。
龍雷太について。
この作品での西郷に次ぐ準主役。他の回でも出番は少なくなく、そしてこの回でも取り立てて多いというほどでもないが、この旅役者一座に肩入れし、藤堂とも対立するというフィーチャーされている回。回船商の唐津屋(睦五朗)が大奥へ阿片を入れている疑いがあり、そのからくりとして、江戸近くで舟から小舟へ荷を下ろし、川を上る。そして陸路江戸へ。その際の陸路を旅一座に運ばせていたのだ。
そして花村菊之丞一座にもその疑いがかかり、その一座にくっついて下働きをしている山崎に藤堂が話をして協力を頼むも、花村菊之丞が長年旅回りをしていて、夢の江戸の檜舞台に上がる機会を潰したくないと、協力を拒み、だがしかし・・・。
龍雷太の役は、時代劇ならでは、というか、ツッコミどころ満載、藤堂の行くところどこでも都合よく登場し、色々なその場の仕事に従事しているが、そういうのを不思議に感じさせない、まあ時代劇だからと鳴れてしまっているだけかもしれないが、龍雷太の豪放磊落な明るい演技のためかとも思う。

第14話 「炎の地獄に見た人情」
村田玄朴 - 玉川伊佐男
おせい - 北川めぐみ
佐々木大膳 - 亀石征一郎
早田仙十郎 - 堀田真三
お市 - 速川明子
長次 - 江端郁巳
猪之吉 - 結城市朗
増田屋茂十 - 三角八朗
三角八朗、若い時分はお人よし間抜けな江戸っ子の役が似合ってた人だが、少し老けてきていて、悪徳商人の役。確か大岡越前でも老けてきた役を見たはず
テンポの良い演出が効果的な場面があった。おせいの店へやくざどもが乗り込んでくる場面、そこへおせいの過去の男である猪之吉が現れ、おせいの過去を暴露、さらには山崎が現れ、猪之吉を脅す(今回の作品ですでに出会っていて、猪之吉の悪さを懲らしめている)
ここに限らず全体的にテンポがよく、ストーリーの中身が昔の時代劇より濃い感じ

第15話 「女三度笠 涙の迷子札」
お新 - 若林志穂
おりく - 荒木雅子
矢吹軍蔵 - 伊藤高
新田の勝五郎 - 曽根晴美
坂井屋藤兵衛 - 高桐真
佐兵衛 - 芝本正
市助 - 有光豊
前回に書いたように中身が濃い。前半だけで一つの1時間ドラマとして成り立ちそう。
その前半、サブタイトルにある「女三度笠」は小百合のコスプレ、女旅がらす。こういう演出に合わせて気取った芝居口調。
以前に藤堂は新兵衛の小者のように装ってると書いたが、ここでは藤堂は新兵衛を旅の道連れと役人に説明している。
中身が濃く、かつての時代劇より現代的な感じがする一方で今作品の一貫したお約束、白装束での最後の殺陣の場面、ここは昔ながらの時代劇という感じで、この時代だと時代遅れたと言われそう。オマージュかパロディか。まあ、それくらい正々堂々とやっている

2/5
第16話 「阿片地獄に散った華」
神林宗庵 - 西田健
大和田 - 中田浩二
登勢 - 三浦リカ
小雪 - 樋口しげり
同心 - 大木晤郎
飲み屋の親父 - 日高久
冒頭、藤堂の帰りを待つ江戸組。ここで第1シリーズ初回の布団コントを思い出させるようなやり取りが控えめにある。
この回では藤堂夫婦と親友である医師の夫婦、神林宗庵と登勢が登場し、回想場面ではその二組の若いころが出てくる。
山崎は、ここ数回で同じようなパターンがある。悪役側に雇われるも肝心の殺陣の場面になると、急に振り向き悪役側に斬りこむ
新兵衛には酒を飲めないという設定があったはず。確か第1シリーズの序盤。
この回ではガブガブ飲んでいる。
この回よりちょっと前の回にも少し酒を飲んでる場面があり変だなと思ったのだが
悪役側に阿片漬けにされた芸者の小雪、藤堂が阿片を一晩が我慢させなんとか阿片が抜けたという翌朝に一人で小川に顔を洗わせに行かせ、そこで殺される。藤堂が近くにいながら、殺されてしまう。この作品の特徴でもある

第17話 「女郎花は咲かず」
流れの喜三郎 - 沖田さとし
おさち・雪江(二役) - 浜田朱里
だるまの鹿蔵 - 和崎俊哉
辰巳屋利助 - 森章二
関根紋太夫 - 波田久夫
張戸の政五郎 - 笹五朗
甚平 - 伝法三千雄
山崎は過去に自分が好きになった女性そっくりの病がちの女郎おさちを不憫に思い助けようとするもその金を作るため、人を斬ることを依頼され、その男と対決しようとする。が、その男、喜三郎おさちの兄だった。山崎が斬ったわけではないが、喜三郎は山崎を狙った銃撃に倒れ亡くなる
ラストでは山崎はおさちに付き添い、藤堂たちに「縁があったらまた逢おう」と別離の挨拶。おさちは労咳で残りの命は短いものと見込まれているが。

第18話 「過去を捨てた逃亡者」
矢野大助 - ひかる一平
お千代 - 加藤由美
熊造 - 井上昭文
黒坂多門 - 外山高士
次郎太 - 本郷直樹
中山 - 唐沢民賢
茂助 - 溝田繁
巳之吉 - 五十嵐義弘
今泉 - 中嶋俊一
冒頭から前回の山崎と藤堂たちの別離の説明はなにもなく、四人組での旅。
井上昭文、いつもやくざの親分というような役の時代劇常連の悪役。ここでも同じような役(地回りの親分で十手持ち)、悪役顔で登場するも、代官の命令に逆らい十手返上をしに行き斬られるという展開。
この回だけではなくこのシリーズの特徴として、白装束藤堂の殺陣の場面の前に、大人数での殺陣があり、そこでは藤堂だけでなく他の三人も参加して悪と対峙することが多い、ここでのその場面では、藤堂はおらず、新兵衛と山崎で立ち向かっている。が白装束影の八州の場面では助勢することはない。

第19話 「女渡世人 緋牡丹お絹」
緋牡丹お絹 - 沖直美
脇坂陣内 - 高野真二
堀伝九郎 - 中田博久
太助 - 堀光昭
お清 - 福家美峰
加吉 - 今村廣則
音市 - 芝本正
犬神の紋次 - 岩尾正隆
虎八 - 井上茂
阿久津 - 福本清三
複数回出演者が多い回。複数回出演者はここのところ他の回でも目立っていた。
福本清三は序盤で山崎に斬られてしまうが、やくざの犬神の紋次一家の用心棒で親分の相談相手にもなっており、セリフもあり目立っている

第20話 「水郷に咲いた夫婦花」
上総屋藤兵衛 - 工藤堅太郎
おまさ - 小野さやか
おみね - 一柳みる
おしん - 五代百絵
梶原長門 - 五味龍太郎
河津伊豆守 - 森下鉄朗
勘八 - 浜伸詞
伊奈 - 柳原久仁夫
半次 - 竜川真
大平 -笹木俊志
工藤堅太郎は有名どころでありゲストトップでもちろんよい。そしてストーリー上も重要な役どころなのだが、その割に出番が少な目。顔がわかってるからか、存在感はあるのだけど。
頼母子講の胴元が上総屋でその番頭がお金を持ち逃げ。が、その裏にはからくりがあり、首謀者は上総屋夫妻、その背後には勘定奉行の存在、といったような構図。上総屋の女将であるおみねのほうが出番が多く、旦那のほうは気弱という設定でもあるようだ

2/6
第21話 「旅人平八郎怒りの賭場荒らし」
嘉平 - 谷村昌彦
お里 - 片山由香
巴屋虎五郎 - 内田勝正
貝塚頼母 - 西山辰夫
犬山松十郎 - 石倉英彦
吾作 - 宮城幸生
伝次 - 下元年世
お玉 - 武田京子

第22話 「恋女房が消えた!怒りの裏街道」
黒頭の千蔵 - 長谷川明男
弥平 - 結城市朗
舞台は青梅街道、田無宿
盗賊の頭である黒頭の千蔵を捕まえ、唐丸籠で青梅街道を江戸へ護送の道中。新兵衛が藤堂の女房を誘拐、千蔵との交換を要求する手紙を見つけ、藤堂に報告せずに単独行動。
この人質交換の場所に指定されているのが田無宿の総持寺。
江戸組が久しぶりの登場。山崎は江戸におり、志津と顔を合わせるものの、再度訪れると、志津がさらわれたと弥五郎。志津をさらうなど藤堂の今の仕事と関連しているに違いないと、調べて田無へ。という展開。
この千蔵は山崎の旅先で知り合った大事な女の仇であることがわかり、俺に斬らせろと藤堂に言うも、お前の仕事じゃないと、やっぱりいつもの白装束。でもこの回は盗賊の一団を斬りに行くだけで、影の八州である必要もなく、また、山崎が出張って行ってもいいような内容

第23話 「ご赦免花の咲く日迄」
喜三郎 - 堀内正美
巳之吉 - 荒木しげる
室井勘兵衛 - 浜田晃
徳兵衛 - 長谷川弘
出だしのところがあまりよくなく、入り込めない。そして全体的にストーリーの運びが雑な感じがする。
江戸に藤堂が戻っており、医者業をやっている様子から始まる(基本的に江戸が舞台で、相手と対決するために上州へ行くという展開)。藤堂の家に怪しげな男が入り込む。病のようだ。志津は介抱しようとするが、腕に二本線の入れ墨。外では呼子も鳴っており、弥五郎は止めようとするも志津はお構いなし。
追手である同心たちが見回りに来て、島抜けした男を探していると話すも、志津はその男のことを喋らず匿う。
藤堂が帰ってきて、志津が事情を話すと、男が回復したら役人に届けるようと諭す。
男は家から金を盗もうとすると、志津は金を渡してやり、男は外へ逃げる
が、追手に見つかり、男は藤堂の家へ舞い戻る。
追手が藤堂の家に聞き込みに。男は自分は無実なのだ、匿ってくれと言う。志津はまたしても同心を追っ払う。
と、ここら辺の志津の行動、優しさとかでなく、頭のおかしい人である。
まあ男が無実だと言い、それを信じての行動という風な解釈はできなくもないが、それ以前のところでは、なにもそういうのがなくて、追手を追っ払っている
で、その後その男(喜三郎)が長々と自分の島送りになった経緯を話す。
本来は、この経緯を聞いた後に、この目は嘘を言ってないぜ、などと言って、匿ってやるというのが常道の筋だと思う。
藤堂がこの回では医者をしている。江戸に戻っているときは医者をやっているという描写は他の回でもあった。
志津が二回目に追手を追っ払うときに、藤堂家は町医者とはいえ元は旗本、と言っている。第1シリーズの初回で、藤堂家再興を願い出ており、それが成されての八州廻りかと思っていたが、江戸では医者をやっているし、再興されていないのか。
ここまで皆勤の小百合がこの回には出ていない。

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最終話 「凄絶!新兵衛死す」
七兵衛 - 織本順吉
源三 - 大橋吾郎
お絹 - 日下由美
米沢監物 - 中田浩二
時津屋甚助 - 田畑猛雄
新兵衛殉職
第1シリーズ最後での志津の妊娠については設定は捨て去られているようだ
中村梅之助の出演はなし。第2シリーズでは第1話だけの出演
第3シリーズ
第1話 「帰ってきた白頭巾!仇討ち人情に泣く女」
桂木綾 - 北原佐和子
桂木弥七郎 - 海津亮介
佐々木大膳 - 深江章喜
山形屋源蔵 - 長谷川弘
佐兵衛 - 日高久
島村虎之助 - 滝譲二
西浦十蔵 - 福本清三
いつもどおり新シリーズの初回は前シリーズの最終回から継続しての視聴
ウィキにチラリと目をやるとレギュラーが大幅に変わるようで、シリーズの設定も大きく変わるのかと思いきや、前シリーズの設定を引き継いでの続編。新たなレギュラー、塙兵吾(倉田てつを)は新兵衛の後釜であり、顔は似てるわけでもないが、姿形を似せており、遠目に見ると新兵衛っぽく登場。
この兵吾は渡世人姿の藤堂を知らずに無礼な口を聞くという出会い。その後藤堂が正体を明かし、そして兵吾に紹介するという形でレギュラーの山崎と小百合が登場。山崎は全4シリーズに登場するようだが、小百合は全部に出るわけではないということを知っていたから、ここで交代かと思っていたのだが、小百合も出ることで、基本設定に変わりがなさそうだという安心感がある。
中村梅之助の出演はないが、水野による差配であることも同じで、兵吾は水野による任命で藤堂とは知り合いではないという設定。
白装束での最後の殺陣の場面はこれまでのものをほぼ踏襲。
おれは白装束という言葉を使っていたがサブタイトルで白頭巾という言葉が使われている(これまでの他の回でも使われていた)。これは江戸を斬るでの紫頭巾の影響か
他にちんちらお京(演 - 井上ユカリ)と乙松(演 - 今村廣則)がレギュラー。スリをしたり、ちんちら踊りなる裾をたくし上げて生足を見せての踊りを道端やったりしながら旅をしてる二人組で、この回では何度も兵吾をからかっている。美人ではないが愛嬌のある顔という類で、妙に色っぽい。ウィキを見てみると、必殺へのゲスト出演がたくさんある。おれは名前をここで初めて認識したというくらいで、必殺への出演については覚えてないが
前シリーズで段々固まってきた新兵衛が表、藤堂が裏という関係性があった。
新シリーズなので色々説明調のところがあるのだが、この件については藤堂が口頭で兵吾は表、自分は裏と説明しており、今後の旅では常に兵吾が八州廻りを名乗り、藤堂の方は町人姿、渡世人姿での旅となるのであろう。
第1シリーズではラストシーンで毎度、また影の八州にやられたと新兵衛が藤堂に訴えていたが、第2シリーズでは、それは消えた。第1シリーズの最終回で影の八州が藤堂であることを新兵衛も知ったからだ。それが今シリーズでは復活。
そして江戸組の志津と弥五郎は登場しない。藤堂に女房がいるという設定は継続しているかどうかわからない。
OPナレーション、文言は変わらないものの、ナレーターは芝本正に代わった。音楽は第2シリーズと同じだが、多少演奏が違うようにも聞こえる。
EDではテーマ曲は第2シリーズと同じだが、バックの映像は変更。この曲は浜口庫之助の作曲となっていて、おれは浜口庫之助をずいぶん昔の人かと思っていたが、亡くなったのは1990年で晩年まで活動をしていたとのこと。
福本清三は押し込み強盗の一団のリーダーでセリフも出番も多い、最後の殺陣では最後に斬られている

第2話 「てるてる坊主が泣いている」
おひさ - 未來貴子
半次郎 - 冨家規政
大崎主膳 - 小林勝彦
源蔵 - 遠藤征慈
佐七 - 中嶋俊一
クレジットなしで福本清三。侍屋敷の護衛の侍役、最後の殺陣で最後から二番目に斬られている。髪はいつもの浪人姿でなくきちっと整えられた侍姿
お京は平八郎に惚れてそれを追っての旅のようであり、小百合とも旧知であることがこの回でわかる

第3話 「縁切り寺異聞 尼寺の罠」
田代十兵衛 - 原口剛
磯田伝三郎 - 本郷直樹
妙真尼 - 犬塚賀子
英法尼(しの) - 樋口しげり
賢徳尼 - 島村昌子
浄心尼(みつ) - 想野まり
お京、説明もなく、藤堂たちの部屋に入り込み、旅の一行みたいになってる
兵吾がラストでまたしても影の八州と言うと、藤堂が「くそう、また影の八州か」とつぶやいている
ラストで藤堂が独り者の兵吾に女について教えてやったと言っており、そこで藤堂の女についても話題になっているが、いま現在女房持ちかどうかはわからない
この回では藤堂は一貫として侍の格好をしており、悪役に関東取締出役と名乗って対峙

第4話 「凧が泣いた宿場の女」
おさき - 辻沢杏子
おろく - 風祭ゆき
梶川左門 - 亀石征一郎
彦造 - 横光克彦
お京、乙松の出演なし。旅先での出演者だから毎回出るのかと思ったが。レギュラーで出演がない場合は、前のシリーズでもそうだが、OP映像は変更はないが名前が消される。この二人はOP映像で映像付きの紹介であり、その映像は残ったまま名前が消されている
藤堂は女を斬らない設定なのかな。確か以前の回でも斬らずにおいたことがあった。この回では殺陣の場面に悪役であるおろくはいるのであるが、もう一人の悪役、 梶川に間違って刺されるという風にして絶命
殺陣の場面で福本清三ばりの斬られ方が一瞬映るのだが、同じような斬られ方をする人は何人もいそうだし、違うかな。

第5話 「一天地六 賽の目地獄」
剣持十太夫 - 黒部進
相撲常 - 大前均
神谷多三郎 - 高峰圭二
おかよ - 内野真理子
藤堂はこの回ではずっと侍姿。「浪人姿」と山崎は言っている。時代劇でよくあることであるが、「浪人姿」と「浪人でない侍」との見分けがおれにはわからない。

第6話 「赤いほおずき怨み節」
おれん - 葉山葉子
山犬の紋次 - 浜田晃
金沢外記 - 田中浩
清兵衛 - 石見栄英
ほかに「お美代 - 山崎杏奈」
--2年前、平八郎は鷹の巣宿に巣食うゴロツキを捕らえ、鷹の巣山の流刑場に送り込んだことがあった。
宿場には平和が戻ったかに見えたが…代官・近藤は御用林を横流ししていた。再び鷹の巣宿に来た平八郎を、近藤は囚人を使って殺そうとする--
藤堂がかつて仕事で訪れ、悪を成敗し、町のものから感謝された地へ、その時助けた女○○の婚礼に呼ばれ、私的な旅。とこんな異例な始まり方。
そして話が進むにつれ、とても丁寧な名作っぽい作りになっており、なにかの記念回のようでさえある。
その過去の悪人たちは山犬の紋次の一味、今は鷹の巣山の流刑場。その地の代官はある企みのため彼らを脱獄させ、藤堂が来ていることを教え、復讐させようとする。
紋次たちが脱獄し、町にやってくると町民は震えあがり、藤堂に出ていけと言い出すあたりは、黒澤映画っぽい、地名の「鷹の巣山」から「蜘蛛巣城」を連想した。

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第7話 「地獄に落ちた女郎蜘蛛」
おさき - 吉川十和子
伊助 - 若松俊秀
利根屋吉兵衛 - 和崎俊哉
勘八 - 重久剛一
半次 - 入江武敏
およね - 紅萬子
登場人物の多くに色々設定があり、そこらのエピソードを広げればもっと長い作品にもなりそうな、一時間ドラマにしては盛り込み過ぎというか。
大きな商家の女房おさきが万引き癖。これは時代劇で時折ある設定、いや現代ものでもありそうだ、それをチンピラの伊助が見つけ、強請をかけるうちに本当に惚れてしまい、相思相愛になるも、その伊助は斬殺されてしまう。とここから大きく話が展開していく。
おさきは10年前に実家に押し込み、女郎蜘蛛のとよぞう一味が入りひとり生き残る。その際治療をしたのが藤堂。
そしてその押し込みをした女郎蜘蛛のとよぞうがなんといまの夫の利根屋。
さらにおさきの面倒を見ている女中およねはじつは利根屋の昔の女でおさきを恨んでいる
またその地の十手持ち勘八、藤堂たちの捜査を手伝っているが裏で利根屋と繋がっていた。とこの後者二つはさらっとしか描かれていないが、これだけ盛りだくさん

第8話 「川止め、足止め、地獄越え!」
竜之助 - 沖田浩之
小笠原義久 - 高野真二
文造 - 吉田豊明
逓兵衛 - 多賀勝
権蔵 - 田中弘史
姫次郎 - 結城市朗
宿場で川止めになり、宿屋は満室ばかり。相部屋ならと藤堂たちは通され、そこでの人々のストーリー。
ストーリーが二つある。その二つはあまり関連していないように思える。一つは竜之助、藩の若殿様で、城代家老から狙われている。もうひとつは盗人、椋鳥の文造。彼はもう年貢の納めどころとばかりに妻子の顔を見たいと故郷へ帰ろうとしているのだが、藤堂が見つけ一緒に宿に入っている少女、二人の姉妹は、文造の娘で、売られたのを逃げ出してきたのだった
なんだか話がわかりにくいなと要所要所を見返してみると、所謂伏線というか、セリフや表情などがその人物の正体はストーリーの上での関係性を示唆するような演出になっている。
この二つのストーリー以外のところだが、序盤の宿屋の場面で山崎が宿で相部屋になった男、武勇伝をペラペラしゃべっている、に対し、おれがそのお前を仇と狙っている男だ、と落語「宿屋の仇討」ベースのことをやっている(ラストでその落語のオチのようなこともやっている)

第9話 「年増殺し最後の賭け」
おそで - 三浦リカ
徳三郎 - 島英臣
奥田玄之進 - 成瀬正孝
奥田典膳 - 五味龍太郎
勘八 - 井上茂
年増の女から金を搾り取り殺す男の話。大岡越前より鬼平にありそうな話だ。
第4幕のところで、騙されてる女おそでが藤堂たちに交際している男がそういうことを繰り返している男だということを知らされ、確認のために会いに行くという場面がとても良い。そこでその男徳三郎は懇親の嘘を吐く。見てるおれは、こっちが真実なのかなと思ったくらいである。で、おそでは、その話に最後の賭けをする

第10話 「呪いの伝説 隠し銅山の罠」
音吉 - 竜川真
お里 - 速川明子
住職 - 幸田宗丸
神塚主殿 - 外山高士
吾作 - 伊庭剛
彦兵衛 - 阿木五郎
達右衛門 - 須永克彦
田所陣十郎 - 玉生司朗
秋葉 - 芝本正
ナレーターの芝本が登場。ナレーターが出るからには特別な役というのが期待されるが、彼のいつも通りくらいの役。でも顔のドアップがある。
鬼平の萬屋錦之介版で小林昭二がナレーターながらゲスト出演をしていたのを覚えている
第1シリーズの9話のところで書いているのだがEDでの主題歌。基本は本編終了後に、主題歌とゲスト出演者、スタッフのクレジットが始まるのだが、本編終了間際から主題歌が始まることも多々ある。どうやってバックの映像と合わせてるのかなと確認してみた。本編終了後に流れる主題歌はいきなり歌から始まるが、本編終了前から主題歌が始まるときはイントロがあり、歌が始まると同時に、いつものエンディング映像とクレジットが開始されるという風になっていた。

第11話 「野州路の女 涙あふれて思い川」
伊平次 / 友次郎(二役) - 速水亮
山森三右衛門 - 田口計
有原久馬 - 堀田真三
竹垣武太夫 - 溝田繁
村上治平 - 河野実
福本清三(役名なしのクレジット)
小百合が伊平次の顔を見て昔の男、友次郎を思い出すというところでの二役。おれは小百合が伊平次の顔を見てハッとした様子を見て、伊平次が小百合の昔の男だと勘違い。話が進むうちに、伊平次と小百合の対面の場面で二人は知り合いでないようで、じゃあ小百合の昔の男の回想シーンはなんだったんだと思っていたら、伊平次が「友さん」という小百合の昔の男とそっくりだという流れだったのだ
田口計はいつも通り悪役。代官所の元締手代でこれは上司が代官となる。どうせ悪役だろうと思いながら見れる安心感。案の定悪役で、自分が代官に出世しようと代官を殺すため、大掛かりな作戦、かつてこの地を荒らし回った押し込み強盗の手口をまねたふたつの押し込み強盗をして、あのときの盗賊の残党(頭は捕まっている)がやったのだろうと捜査することによってかく乱、これはふたつの強盗という事態に代官が出張ってくるだろうというおびき寄せの罠。その代官がこの地に滞在中は庄屋の家に滞在(妾が庄屋の娘)するのを見越して、手配を街道筋に集中させておいて、庄屋の家を襲撃し、代官を殺す、をする話。その山森が組織するのは浪人を集めた押し込み強盗。ここに福本清三もいる。悪役はその押し込み強盗とそれを操る山森以下代官所ということになり、終盤で用済みになった浪人の一団はみな射殺される。
小百合は昔の男に似た伊平次が無惨に殺されるのを見て復讐を決意するが藤堂はそれは影の八州に任せようと止めている。ストーリー的には一緒に行ったって構わないようなもんだと思うが。
大岡越前より鬼平にありそうなストーリー

2/9
最終話 「清水の次郎長を叩っ斬れ!」
清水の次郎長 - 峰岸徹
おたつ - 宮崎淑子
榊原千勢 - 大塚良重
草津の卯吉 - 高松しげお
西浦出雲 - 江見俊太郎
寺崎刑部 - 中田浩二
新田の松五郎 - 中田博久
森田屋伝兵衛 - 長谷川弘
浜野屋勘蔵 - 山本紀彦
お蝶 - 浜田朱里
北林源九郎 - 石倉英彦
島田十蔵 - 岩尾正隆
井上茂(役名なし、中田博久の子分)
この最終回はスペシャルで、2時間版。放映では2回に分けて。前の2回のシリーズにもスペシャルはあったが、そのときとはちょっと異なる形式。
まず大タイトル「あばれ八州御用旅」と出るところに「スペシャル」の文字もついていた。
さらにサブタイトルは1回目にしか出ない(これまでは2回とも出ており、それぞれ「第一部」「第二部」となっていた)、とか、第1回の終了時に「つづく」と出た(これまでには出ていなかった)、後編の最初(第1幕)は前回の終盤をそのまま流すというスタイル(これまでは前編のダイジェスト)
内容はちょっと冗長で内容は薄いように思えた。
宮崎淑子は宮崎美子という名前で覚えていたのだが、かつてはこういう名前だったとのこと。デビュー時の人気もよく知っているが、そのときこういう名前だったのかなあ(ネットで「1991年に宮﨑 淑子と改名しましたが、2000年に本名の宮崎美子に戻しました」という記述を見つけた、なるほど)
藤堂が小百合にこのお役目を終えたら江戸に診療所を作りたいと夢を語る場面がある。小百合も手伝いたいと申し出て、受け入れられ、ずっとそばにいられると小百合は安堵、そこで藤堂は女房になるんじゃないんだから、とか言ってる。ここから考えると、前シリーズまでの江戸に戻った時医師の仕事をしているという設定はなくなっている。藤堂が女房持ちかどうかはわからない
藤堂が裁く白洲の場面がある

第4シリーズ
第1話 「男涙の大利根無情!抜荷街道の謎を追え!」
平手造酒 - 萩原流行
陳昌英 - 西田健
横澤外記 - 亀石征一郎
新垣弥十郎 - 浜田晃
市助 - 頭師佳孝
笹川の繁蔵 - 成瀬正孝
おきた - 鈴鹿景子
捨吉 - 堀裕晶
安造 - 大前均
飯岡の助五郎 - 曽根晴美
生田半助 - 崎津隆介
西国屋利左衛門 - 福山象三
井上博一、白井滋郎、峰蘭太郎、大矢敬典、藤沢徹夫、鈴川法子
慣例に従い、シリーズの替り目は続けての視聴で。
第1話はスペシャル。2時間版。今回は二回に分けて。それぞれ「前編」、「後編」。第二部の始めの部分は第一部のダイジェスト。第一部終了時に「後編につづく」とあった。
OP。ナレーターは変更(田畑猛雄)だが、文言は変わらず。音楽。前口上ナレーションの部分とレギュラークレジットのところの二部構成(これまでもそう)なのだが、その前半のところが前シリーズとは変わったが、後半は同じもの。映像は全面変更
そしてレギュラー、兵吾と小百合そしてお京、乙松(お京、乙松は出場の回が少なかった印象)が消え、銀駒の政吉と蛍火のおりんが入る。それぞれ兵吾と小百合を引き継いだような役かと思ったが。おりんのほうは小百合と同じような役割、忍であり、水野から派遣されたということも引き継いでいる。政吉は新兵衛、兵吾とは全く異なるキャラで賭け将棋を道端でやる渡世人。冒頭で八州である藤堂を助けるという形で出会い、その後渡世人姿、医師藤堂と出会うもそれが八州の藤堂であることに気付かず、旅の道連れとなる。途中でこれが同一人物だと気付くも、藤堂からおれは裏で八州をやってると言われ、表沙汰にはしてはならないことを知る。ラストでは、藤堂を気に入ったとして旅の供になることを言っている。勝手についてくるという体裁で今後は登場するものと思われる。
政吉の過去も背中に大きな傷があったり、平手造酒親子にオーバーラップさせる形で非常に厳しいものであったことが少し語られたりしている。
ストーリーはなんだか冗長でわかりにくい。話のテンポが悪いのか
ED。主題歌は変わった。また西郷の歌唱曲。映像も変更されている
平手造酒は講談ネタの人。藤堂とは道場で競った仲という設定。ここで10年ぶりというようなことを言っている。こんなこと指摘しても仕方ないが、今作品で藤堂の過去を語るとき、常に10年というようなことを言っている。中条きよしの出る2-1、2-16での藤堂夫婦と親友の夫婦、3-7での少女の治療といったあたりだ。10年前藤堂は医師をやっていたのか、道場で剣の腕を磨いていたのか

第2話 「男たちの哀歌!疑惑の賞金首」
新井伸太郎 - 赤羽秀之
お藤 - 中原果南
大利根屋徳兵衛 - 宗方勝巳
野島頼母 - 外山高士
外山高士は3回目か。こういった決してメインゲスト格ではないような時代劇常連の複数回登場が非常に多い。人材払底か

第3話 「悲恋の行方!欺かれた八州廻り」
おうめ - 若林志穂
柳田岩之助 - 本郷直樹
長坂権之丞 - 中田浩二
小杉由次郎 - 筒井巧
長次 - 重久剛一
文吉 - 有川正治
千五郎 - 時代吉二郎
小杉作兵衛 - 荻原郁三
庄八 - 井上茂
中田浩二(5回目)、井上茂(6回目)、ともに出演回数が多い
この回では藤堂以外の八州廻り、柳田が登場する。シリーズ通じてレギュラー以外の八州廻りが登場するのは初。ストーリーもこれまでにあまり見たことない感じ。
この柳田、善玉とも悪役ともつかない、というか完全に悪役風に登場し、最後のほうまでそうなのだが、最後は藤堂に託して死んでいくという形で時代劇ストーリー上の善玉である
悪役は代官所元締、長坂と、押し込み強盗団で長坂に匿われている千五郎一味なのだが、柳田ばかりが目立っていて、とくに千五郎のほうは存在感が薄い。
柳田は過去に自分の女が博打打ちと駆け落ちしていて、そのため渡世人を狂ったように締め上げる狂気の役人として描かれており、長坂にそそのかされたことで庄屋の作兵衛、その息子、由次郎を千五郎を匿っているとして締め上げ、さらに由次郎の許嫁のおうめが自分の過去の女とそっくりなのを見て逆上、由次郎は吟味の最中に死んだと言い放ち、おうめを自害に追いやる。とこんな感じだが、最後には自分の思い込みが間違っていたことに気付き、長坂に詰め寄る

第4話 「濡れ衣 母子流転の旅」
多三郎 - 黒田隆哉
武蔵屋徳兵衛 - 深江章喜
竹村半兵衛 - 原口剛
弥助 - 沖田さとし
定三 - 峰蘭太郎
八重 - 草野由起子
前回に続いてなかなかの異色作。まず第一にレギュラー陣が中盤までほとんど活躍しておらず、単なる傍観者というか、事件の証人になるという程度。メインが多三郎という代官所に勤める手代というまだ侍の身分でさえない男で、上司、竹村にものすごい恩があり、しかし不正を強要され、その間で揺れ動くというところがクローズアップして描くあたりが、一時間ドラマとして珍しく感じた。
紙の流通を巡る不正の話で、武蔵屋屋が取次の弥助が邪魔になって排除しようとするというのが事件。武蔵屋と竹村はグルで、弥助が武蔵屋を殺そうとしたという事件のストーリーを作り出し、多三郎が弥助を捕えるものの、藤堂たちの証言で弥助が犯人でないことを知り、苦悩
多三郎は瞽女(ごぜ)の息子。瞽女に色ごとは御法度で男を作ると仲間外れにされるのが掟。そのため多三郎は物心ついて以来、母親とふたりきりで過ごしてきた。その母親が旅先で亡くなり、それを通りかかった竹村が母親の埋葬を手伝い、多三郎を引き取ったという大恩。
ここら辺の回想シーンもなかなか印象に残る作り方。
白装束の殺陣。これについては前シリーズまでをかたくなに踏襲。ちなみにこの回では珍しい場面がこの殺陣の中である。悪を前に啖呵、配下のものが集まって殺陣が始まり、それらをバッタバッタと藤堂は倒すのだが、この回では藤堂の言葉に動揺したか、途中で配下がみな逃げ去ってしまう。
この回でとくに書くことでもないが、まとめ的な意味あいで。三点
小百合のときにすごく思っていたこと。どんなところで行われている密談もすべて彼女が聞いてしまっているという傾向がこの作品にはある。他の時代劇でもそういうのは多いけど。このことと、レギュラー陣の剣の腕が尋常でなく強い、この二点で、負けっこないと思える。
さてその小百合、そして今シリーズのおりん、密談を忍んで聞いていると、相手に悟られ、天井、もしくは床下に刀を突き入れられる場面が非常に多い。この回でもそれはある。
もう一点は。
白装束殺陣の場面に至る構図に不満。どういえばいいかちょっと難しいのだが、印象として、藤堂は悪の存在を確定して、いつでも成敗できるだろうに、なにか事が起きて、ようやくいく感じがする。白装束殺陣の場面の前とその次の殺陣の場面の流れがちょっとスムーズでないというか、なんで今頃動き出すのだ、もっと早く成敗すりゃいいのに、と思える。
本来、事件が起き、捜査をし、だんだん犯人、そして犯行のからくりが明らかになり、それが固まってラストシーンとなるのだけど、そういう流れがちょっと弱い感じで、いつでも成敗にいけるのに、誰かが死ぬとか決定的なことが起きてようやく、という風に見えてしまう。
そういやこの白装束殺陣の場面に入るとき藤堂が書付を投げ小柄で壁に刺すと「地獄送り 影の八州」と書かれた書付が垂れ下がるいう場面があるが、これまでのシリーズだと「州」の字が崩されていて読みにくいのだが、今シリーズでは読みやすくなっている
CM前のアイキャッチがなくなり、本編映像に被せてタイトルが入る。調べてみるとこういうのもアイキャッチというらしい。これまでのシリーズでは本編映像でなく、アイキャッチ専用のちょっとした映像(ルパン三世パート2での車に乗り込もうとしてそのまま反対側へ落ちるルパンの映像のような)があった。
ちなみに第1幕のあとにはそれがないというのはこれまで同じ

福山清三、クレジットなし。侍姿で頭もきちっとした感じで出ているように思う。出番も一回だけというのでなくそれなりにある。手代の多三郎の部下というあたりのように見える。ちなみにこの福本似の男、殺陣には参加していない
草野由起子というのはウィキの項目もなく、活動は少ないのだろうと思うが、酒井法子、松浦亜弥に似た美女

2/10
第5話 「人情峠の遠い春」
弥平 - 河原崎建三
山根義勝 - 川合伸旺
武蔵屋清兵衛 - 田口計
お糸 - 寺田玲
おしの - 江口由起
三国屋治平 - 永井秀明
利七 - 辻政宏
福本清三、志茂山高也(役名なしでのクレジット)
椋鳥、秋に越後から三国峠を越えて働きに出る出稼ぎ(春になると戻る、その大挙して移動するさまを椋鳥といった)のことだが、これが作品の中ででるのは二度目。
ここでは椋鳥は弥平のことで、江戸で自分が働いている店で見た押し込み強盗をまたこの地で見かけ、岡場所で働く娘のお糸を身請けするための金20両のために脅しをかけるも殺されてしまう、この殺されるところがこの回の発端となるのだが、というような話
序盤を見ているに代官の山根とその地の大地主の三国屋がつるんでいる情景。そこへ商いにやってきて三国屋の山を現金3000両で購入した江戸の材木問屋武蔵屋。この三者での面談の場面があり、その後武蔵屋というのは仮の顔で、実は「かまいたちのきゅうぞう」という押し込み強盗ということが露わになってくる(弥平が脅しをかけていたのもこいつ)。
代官山根のほうは悪役ではないのかなと思っていると、意外にも終盤で実は武蔵屋とも繋がっていたことが明らかになってきて、三国屋は単に鴨にされていただけ、ということもわかってくる。この二者、稀代の名悪役、川合伸旺、田口計の二人が揃い踏みでの悪役。ただちょっと代官のほうの出番や関わりが少な目で、それゆえその展開は意外にも思えるが、驚くという感じではない
福本清三は用心棒役。三国屋の用心棒が殺され、新しい用心棒が募集、三国屋と山根が料亭の帰りに襲われ、助けに入る三人、その中に山崎もいるのだが、山崎以外の二人は実は三国屋の用心棒を殺し、この襲撃も仕組んでの武蔵屋配下。山根が気に入り、三国屋にこの三人を推薦し、用心棒に納まるという役どころ。
寺田玲、弥平の娘役これもウィキの項目はないが、かなりの美女である
二回連続で武蔵屋が登場

第6話 「鬼の首の弥藤次」
弥平 - 山田吾一
星野大膳 - 江見俊太郎
柏屋伝兵衛 - 黒部進
塚本七左衛門 - 河合絃司
お菊 - 片山理央
お島 - 小宮久美子
梅吉 - 大橋壮多
彦十 - 広瀬義宣
お島は駒吉がかつて博打でいかさまをやってやくざに囲まれてるのを助けてくれた恩人。そのお島には後ろに怖い人がいるとそのころも言われていたが、その怖い人というのが、盗賊「鬼の首」一味。抜けたいと思いながらも無間地獄、今度も再会した駒吉を仲間に入れるよう言われ、一方駒吉もお島を助けるため一味に入りこむ。
鬼の首の弥藤次というのが頭だが、顔を見たものは少ない。という設定。冒頭で出てくる茶店の親父、弥平、いかにも怪しげな映し方だし、俳優は山田吾一、これが鬼の首の弥藤次だなとは最初からわかるようになっている。
白装束殺陣の場面で、「きさまたちは人間じゃねえ、叩っ斬る」という口上、これまでのシリーズではなかったように思うが、ここ数回それが加わっている

2/11
第7話 「妻恋街道流れ旅」
彦蔵 - 速水亮
駒井主膳 - 内田勝正
吉五郎 - 田中弘史
女郎のおちか - 幸田奈穂子
女房のおちか - 小牧彩里
藤堂はこの回の最初では供を多数つけ、馬に乗って鉄の陣笠を被って正規の八州廻りとして登場、銃撃されるもそれはかすり傷、ただ誰が何の理由で自分を狙ったのか探るため身を隠す。ということで次の登場場面では旅の絵師。おれは姿だけではどういう人というのはわからない(上にも書いたが浪人とそうでない侍の見分けがつかない)。今回はどういえばいいのだろう、頭に頭巾を被って茶の宗匠のような感じ。で、中盤で絵師と自称している(序盤で絵を描いてる場面もある、このシリーズ、第1シリーズからあったと思うが、藤堂は絵が上手という設定がある)
終盤がいただけない。メインゲストで善玉の彦蔵のストーリーが尻切れ気味。悪役は駒井主膳元は旗本。取り巻きの御家人たちと押し込みの常習犯、黒い夜叉の面を被っていたので黒夜叉と称された盗賊。その金で代官職を買った。
で、この代官が、まあ金はたんまり貯めたとか、身辺がきな臭くなってきたとか、そもそも役人は性に合わないとか理由は言ってるが、なぜか白装束殺陣の直前の場面で、この代官職を放り捨てて姿を隠し上方へ逃亡するとか言っており、ひと暴れしてやろうと、黒夜叉面の姿。
代官が黙って逃げるかねえ、そして金はあるのに最後にまた押し込みをやるかねえ。
ここで登場する藤堂は白装束に黒夜叉の面。両者で黒夜叉の面というのがやりたかっただけかと

第8話 「消えた八千両 悲しい女の夢芝居」
おこん - 三浦リカ
稲垣大膳 - 山本清
上州屋惣兵衛 - 高桐真
永井頼母 - 溝田繁
侍勘兵衛 - 岩尾正隆
瀕死の男から金を回収しておさわという女に届けてくれと言われた山崎がフィーチャー。おさわを探しているときに出会った(探している女が自分だと最初は言った)おこんに惚れて、さらに奔走する

2/12
第9話 「おしめ十兵衛」
田所屋十兵衛 - 津嘉山正種
岡野ちづる - 上野めぐみ
田所屋弥市 - 角田英介
九助 - 阿木五郎
黒木左内 - 五味龍太郎
岡野順庵 - 寺下貞信
老船頭 - 日高久
なかなかの見応え。時間が短すぎてもったいない感じ
藤堂に医学の書物を届けようと多忙な父に代わりちづるが旅。その地で若者に乱暴され重傷、そこへ藤堂が駆け付けるも、書物を渡し息絶える
捜査をするとその若者の父親が、藤堂とはかつての剣友、十兵衛。かれは侍を捨て、人足の仕事(このとき息子を負ぶって、おしめを替えながら仕事をしていたので、「おしめ十兵衛」と呼ばれた)から始め、今や河岸問屋としてその地の塩運搬を仕切っている
藤堂と十兵衛の旧交を暖める場面から、その息子の狼藉、さらには十兵衛の塩運搬に関する悪事を言い立て敵対していく場面はとても良い。十兵衛は藤堂から、藤堂の夢であった長崎の蘭学塾に入門が叶い夢は半ば実現したという手紙をもらい、その「明るい手紙がおれを暗い坂道に蹴落とした」と語る十兵衛
津嘉山正種は善玉的な顔で映されていて、まあ悪役でもあるが、藤堂とは知った仲。こういう場合の常道という感じでもあるが、結局父は息子を殺し、そして藤堂との一騎討ちで敗れる。
白装束殺陣の場面では、十兵衛の背後の役人に刃が向けられる。この場面でシリーズ初めてだと思うが、「地獄送り 影の八州」の書付を投げないで殺陣。全員成敗したのちに、書付を投げる(影の八州がやったという証拠のためだろう)
本編の一番最初、ナレーションのあとに、声だけでわかる日高久、と思っているとやっぱり、そうだった。船頭役。ここだけの出番だが、役名あり。

2/13
第10話 「身代り観音 夫婦唄」
おしの - 日下由美
清太郎 - 島英臣
吉岡郡右衛門 - 小林勝彦
六兵衛 - 森章二
ちょっと都合の良すぎる展開が多く、一方でまたその部分も含めてテンポのよい演出。そのため盛りだくさんの内容にみえるのだが、序盤ではストーリー上余計ともいえるエピソードもある
例えばまず初っ端。酒場で乱暴している嫌われ者が、徳利に足を滑らせ死ぬ。誰も来ない葬式で、世話役が部屋を見渡すと、富札。
これが千両大当たりだが身内もおらず、再度の興行で一番富は二千両となる。その二千両が寺社奉行の命令で、勧進元の大宮(その富くじ興行は江戸だったが、大宮・氷川神社の出張り興行だった)で行うことになり、二千両が大宮へ運ばれることになった。この二千両の運搬を巡るストーリーであり、その前の部分は余計といえる。
そして、その運搬される金が狙われているということで山崎が情報を掴み、藤堂と踏み込みあっさり捕縛するというのが第二幕の最後にあるが、藤堂はもっと大物がいるかもしれないと言い、その通りまた別の筋からこの金は狙われるのだが、となるとこの最初の捕縛も余計といえる。
斎野の嫌われ者がらくだ、富くじは落語でよく扱われる、そして途中で藤堂が人の命をろうそくに例える、これは死神、と落語関連をちょっと思い出した。が、これはあくまでおれの感想で、別に落語ベースの話ではない。
この運搬金とは関係ないところで、飯盛り女と病の夫の夫婦のストーリーが途中で絡み合うというのが本線のストーリー。女がその運搬金が奪われる現場を見るシーンなんかは矢継ぎ早に色々な人物が登場し、テンポがいいがあまりに都合よく展開している。
他にもここを動くなと言われているのに動いてしまい、案の定悪役に捕まる善玉なんかも都合よく動く登場人物という風に感じた

2/14
第11話 「女渡世人 涙をかくす三度笠」
お蝶 - 大沢逸美
百合恵 - 吉野真弓
柏木甚三郎 - 井上高志
芦田万蔵 - 中村孝雄
栄屋六兵衛 - 牧冬吉
百合恵は許嫁の柏木が代官として赴任して以来便りを出しても返事が来ず、また悪い噂が聞こえ、心配してやってくる。山中で男たちに襲われてるところを助けるのが女渡世人、お蝶。そしてこのお蝶はかつて柏木と深い仲でありながら、彼の出世のため身を引いていたのであった。
柏木は代官になってすっかり人柄も変わり、上納金を搾り取り、領民の不況を買っていたのだが、実は柏木は赴任後すぐに幽閉され、手付元締の芦田が全てを仕切っていた。というような筋書き
前にも書いたが、このシリーズでは、レギュラー陣が善玉を助けに入るのがワンテンポ遅れるという傾向があり、それがここでも。
お蝶は、動くなと言われるもやっぱり動いて、代官所へ探りに行き、幽閉されている柏木を見つけ助け出すも、囲まれる。お蝶が斬られた後に小百合が助けに入る。さらに一歩遅れ、藤堂が駆け付ける。
藤堂の方は、お蝶がいなくなったと聞いて、駆け付けるわけだから、まあいいとしても、小百合のほうは、戦況を見ていて、やられてから助けに入る(火薬玉を投げる)という感じに見える。

そして。今回は放映されていないのがこれ↓
最終話 「国定忠治 涙の八木節」
国定忠治 - 清水健太郎
ゲストの清水健太郎が理由なのだろう
おれは第10話を見終えてウィキを見ていてようやく気付く。しかしまあ最終回が放映されないというのは・・・。一気にテンションが下がった。なんとも残念。


第4シリーズのみ、山崎哲之介が「賞金稼ぎ・山崎哲之介」とクレジットされる
役名なしのクレジットで藤長照夫という人が何度も出てきていた。ほかにもそういう人がいたかもしれないけど、名前に特徴があったから目についたのかな。時代劇ではよくあるね。役名なしのクレジットでシリーズの半分以上の作品に出てる人