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鬼平犯科帳’71 [時代劇]

鬼平犯科帳’71(鬼平犯科帳'71)
BSフジの朝放送の時代劇シリーズ。うーんこの枠はチェックし忘れるなあ。シリーズものを一気に放映しており、それが終わるとすぐ次のシリーズが始まるのだが、その交代する時期をうまく見極められない。毎週金曜日に翌週の番組チェックをしているが、今回は8/10の木曜日から開始。おれがチェックしたであろう、その先週の金曜日には、その前のシリーズが終わり、次のシリーズがなんであるかについては出ていなかったのだろう。出ていれば、当然気付いて、予約を入れているはずだ。とりあえず、予約をしていない場合は、そのシリーズがいつ終わるかをチェックすべきであろうな。
今回は第3話より録画開始となる

※追記
8/14
まず1話放映を終え録画できたので視聴。とりあえず最初の内は逐次視聴していこうかなと思う。杉版金さん、水戸黄門と併せて三本も逐次視聴していくと他のことができないなと思ったが、ちょうどよく、今週は水戸黄門の放映が休止されている。
08/14(月) 09:00 - BSフジ・181|60分|10倍録
[字]<時代劇>鬼平犯科帳’71 第3話  「兇賊」
3 10月21日 兇賊
竜崎勝、古今亭志ん朝、長谷川明男(沢田小平次)、土田早苗(おしん)、正司歌江(おもん)、堀井永子(おつね)、市村昌治(友吉)、石橋雅史(関口助九郎)、川野耕司(百助)、西川敬三郎(大村の主人)、曾我廼家五郎八(九平)、安部徹(甚五郎)
キャストクレジットはウィキコピペ。レギュラー陣もキャスト欄に掲載されているのでそれもそのまま。慣れてきたら、順次レギュラー陣のコピペは止めるかもしれない。
今回の場合は正司歌江(おもん)から後ろがゲスト。
竜崎勝、古今亭志ん朝はもちろん前のシリーズにもメイン格で出ていたのでお馴染み。
そうかあ、長谷川明男(同心)に土田早苗(密偵)が鬼平配下かあ。
さて今作、見始めてちょっとだけ驚く。とても個人的なことだが。
今作は吉右衛門版では第1シリーズの第9話。おれは吉右衛門版は全部視聴し録画も残っているのだが、いくつかの回で録画不備があり、録画し直そうとして、そして録画はしたものの、一度見たという意識があるためか、なかなか見る気になれずにいたところ。で、その録画不備回の最初がこの1-9であり、これは最初の方だけ見たものの飽きてしまい、見るのを止めていた回。なので、割と最近に見ていた回。脚本は同じものを使っているのだろう、始まり方が同じで、「ああっ、この回かあ」と思った次第。
2023/01/30(月) 18:35 - BSフジ・181|55分|10倍録
[字]<時代劇>鬼平犯科帳 第1シリ―ズ 9話 兇賊
メインゲストが米倉斉加年で九平役。
であるので、71版を見終えた後どうせならと吉右衛門版のほうも視聴、比べながら見た次第。
いくらか変えているところもあり、またほとんど同じセリフのところもあり。始まりと終わりについては同じ場面であり、セリフ、ナレーションもほぼ同じ。
冒頭の場面は九平が生まれ故郷に立ち寄り、しかしそこに知人は一切おらず、生家、ここも見ず知らずの人が今は住んでいるが、そこで佇んでいるとそこに子供に声を掛けられ、井戸の水を一杯飲ませてもらい、というような場面で、見終えてみればストーリーには関係がなく省いてもよい場面だが、老境の盗人の心境が描かれたとても良い場面だ
おもんは序盤、平蔵が芋酒を飲んでる九平の酒屋に飲みに来る夜鷹。ここに正司歌江というのがなかなかだと思った。娼婦となると綺麗処というのが相場かと思うが、こちらも老いた娼婦の悲哀が表現されてる。そういやこの酒屋の場面で71版では平蔵はもうこの年齢だから色恋とは遠ざかってるというようなことを言っている(「そいつは精がつきそうだ、だがおれの年じゃ、おかげを被ることはなさそうだ」、「妙な気で奢るんじゃない、見たとおりの年だ、そっちの方はもうからっきし意気地がねえのさ」)が、吉右衛門版にそれはない。ここは吉右衛門版平蔵の想定年齢を意識して省いているのだろうな。吉右衛門版ではこの回に久栄は登場しているが、71版では登場していなかった。

4 10月28日 狐火(前篇)
5 11月4日 狐火(後篇)
竜崎勝、古今亭志ん朝、富士真奈美(おまさ)、風見章子(久栄)、堺左千夫、武田昌之、北川陽一郎、河村憲一郎(彦十)、小高まさる、大坪日出代、佐代雅美、田村元治、渡真司、藤岡重慶(庄七)、白石奈緒美(お千)、浜村純(源七)、江見俊太郎(河内伝内)、岸田森(又太郎)、草野大悟(文吉)
浮田左武郎(勇五郎)(後篇のみ)
前後編ものだったので、「5」放映後、その日に一気見
とてもいい出来
今シリーズも歴史的作品だから見て入るものの、作られた時代が違うからともいえそうだが、演出もそして平蔵のキャラもなんだかあっさりとしていて「こんなもんか」と思ってもいる。
比べられるものでもないが、心の中では吉右衛門のほうがいいし、おまさは梶芽衣子だろうと思っている。おまさについては69年版で誰が演じていたかも覚えてはいないのだが。
で、今回、平蔵とおまさがとてもよく。またストーリーがいいからその通り作るだけでもよくなるのか、それとも制作側にも気合が入ったか、すべてがうまくいっている感じ。
鬼平について全作を事細かに覚えているということはなく、タイトルに聞き覚えがある程度。が、これは見始めてあああの作品だなと思い出す。世良公則が出てたことだけを明確に思い出す。
吉右衛門版について調べてみたが、この狐火を使っているのは1-9と劇場版。後者で世良公則が出ている。おれもそちらを思い出していたのだが、2時間ある作品で世良公則のエピソードが中盤に終わり、終盤に平蔵の昔の女が出てきてとかいう展開だったはず、この作品も最近見たような気がするなあと調べてみると、吉右衛門が亡くなった時に放送があり、一度見ているにもかかわらず、視聴したようだ。そうかあ岩下志麻が後半のメインであり、平蔵の昔の女だったんだな
1-11では1時間枠でやっているのだろうな。いまHDに残ってる(「第1シリ―ズ 9話 兇賊」のところで書いたが、録画不備のため再度録画してそのままになっている)から後でちょっとだけ見直そう
さて、今回では劇場版の岩下志麻部分はない。つまり劇場版でも狐火エピソードは1時間で終わっているものとみえ、テレビシリーズでも1時間。今回はそういう作品を2時間にしているということか。いくらか盛りだくさんだなと思えたのは、平蔵が先代狐火の女房であるお静を狐火から奪おうとして諫められ手打ちの儀式をしたという回想場面。若い平蔵は後ろ姿だけで幸四郎が演じているものと思われる。こういうエピソードは劇場版にはなかったのではないかなあ。だって劇場版では岩下志麻が平蔵の昔の女として出てるんだもの、ほかにこんなエピソード入れ込んだら過剰である。
今シリーズでおまさや彦十が初登場、吉右衛門版では登場人物の関係性を受け継いでいるのではないかと思われる言い回しが多々あった。彦十がおまさ、平蔵をそれぞれ「まあちゃん」「銕つぁん」、おまさは彦十を「おじさん」

6 11月11日 おしげ
竜崎勝、土田早苗(おしん)、堺左千夫、高瀬敏光(小柳安五郎)、北川陽一郎、青沼三朗(千鳥の清兵衛)、山田晴生(都築宗庵)、高松政雄(伊勢屋太兵衛)、二瓶秀雄(重蔵)、川島育恵(おしげ)、田中浩(夜蟹の音吉)、松川勉(宗助)、殿山泰司(友五郎)、渚まゆみ(おうめ)、黒川弥太郎(佐嶋忠介)
やけどの痕が顔に残る船頭の友五郎と、同じくやけど痕が顔にある女おしげがひょんなことから知り合い、お互いを思いやりながら生活をしていこうとするが、どちらにも色々事情があり・・・。
こういう内容なのに、二人ともとくに、おしげの方はさほどやけど痕が目立っておらず、おれは最初のやけど痕が映る場面を見落としたのか、セリフから、おしげにはひどいやけど痕があるらしいが、まったくそれが見えないので不思議に思って見ていた。殿山泰司のほうは顔自体に特徴があり深い人生のしわがあるような顔だから、こちらもさほど目立っていない。
佐嶋が登場、与力であるから酒井よりも偉そうである
テクニックを使った映像が一か所。
友五郎とおしげが江戸を出ることを決めた場面が終わるとその二人を映していたカメラはそのまま小屋の中から壁のぐるりを映し、そのショットのまま入口あたりを映すとそこには火盗の面々が踏み込んできたところ。これは壁を映している間に時間が一気に流れたということで、見てる側は面食らう。この手法は時間でなく違う場所に飛ぶという風にも使えるであろう。つまりこの場合なら、壁のぐるりを映し、その先に平蔵の役宅になっているとか。
鬼平の特徴に気付く。水戸黄門や大岡越前、金さんなんかと比べるとワンパターンでなく、ストーリーにいろいろなパターンを駆使して面白さを重視している。今回は平蔵始め火盗はさして活躍せず、友五郎とおしげの行動と心の動きが丹念に描かれている。それゆえか最後盗賊たちが捕まるところはあっけなく、もう終わりかよと思ったくらいだったが、そこはこの回ではさして重要でなく、その後友五郎とおしげにどういう処置がくだされるかが、また時間をかけて描かれている。
そしてそのためだろうが、上にあげた三作品は主役やレギュラーが目立つように作られているが、そこまで平蔵の活躍が描かれていないし、全部平蔵が事件を解決するという風にもなっていない作品が多くある。「鬼平外伝」というのは、それを逆手に取ったかのような作品で鬼平の世界観を鬼平抜きで、それゆえ無理に鬼平を出さないからこそシンプルに描けている作品だと思う

7 11月18日 夜狐
古今亭志ん朝、長谷川明男(沢田小平次)、加藤武(井坂孫兵衛)、寺尾聰(粂八)、三条美紀(近藤満寿子)、加賀邦男(近藤監物)、木田三千雄(半助)、宮崎和命(山本惣市)、石川徹郞(岡田権十郎)、二見忠男(勘七)、高橋長英(弥吉)、春川ますみ(おやす)
加藤武はゲスト、寺尾聰はレギュラー、それ以降はゲスト。
ここではまず高橋長英か。若い。この人はよく見る顔だが、ここまで若い姿は新鮮。まだツヤツヤしている。役が落語の厩火事のような髪結いの亭主で、そして小悪党。女房の稼ぎを当てにしており、口先や身体の相性で女房を手懐けるあたりの演技、そして小悪党ならではの鋭い目つきが絶品。
女房を演じているのが春川ますみ。これは別に落語を下敷きにしているわけではないが、それでも落語で描かれるようなのどかな長屋の夫婦の情景が比較的多めに描かれている。で、ふと思ったが、鬼平にはそういう情景ってあまり描かれないのではないかとふと思ったが勘違いかもしれない。何しろ暑くてあまりものを考えられない。こういった情景というのは時代劇において必須ともいえそうな情景だ。でも鬼平だと特徴的な盗賊との対決みたいなものが主という感じがして、それゆえこういうのは珍しいかなと思ったのだ。
次に上げたいのは寺尾聰だ。今シリーズからのレギュラー。第2話に出ているようだが、おれは見れなかった。
志ん朝の忠吾とペアを組んでの仕事。
寺尾がビバリーに出たとき、志ん朝との思い出を話していたことを思い出した。このメモブログにもメモしたような気がしたが、検索しても見つからず。
若いころスタジオで会ったとき、言葉は交わさないながらも、目でニヤッと合図してきたことが印象に残ってる、互いに父がその世界で有名どころでその思いが通じ合ったような気がしたというような話。志ん生も宇野重吉も有名というかその世界を極めたとでもいうようなでかい存在である
そのときの話しぶりでは一面識もないような感じを受けたのだけど。まあそんなことは言っておらずおれの勘違いか、もしくは、その時点ではそうだったが、その後の共演ということかもしれない。
ちなみにネットで調べたところ寺尾聰のビバリー昼ズ出演は2015/12/16で昇太がパーソナリティーの日である。昇太がパーソナリティーというのはおれの記憶とも合っている

8 11月25日 兇剣(前編)
9 12月2日 兇剣(後編)
竜崎勝、古今亭志ん朝、橋本功(大河内一平)、江波多寛児(牛滝の紋次)、中庸介(大門の常八)、河村祐三子(よね)、江角英明(猫鳥の伝五郎)、武田昌之、石橋蓮司(善作)、浅野進治郎(渡辺喜左衛門)、山谷初男(白狐の谷松)、辻伊万里(おはや)、南祐輔(稲垣鶴太郎)、坂口芳貞(与兵衛)、浜田寅彦(出雲屋丹兵衛)、織本順吉(大和屋栄次郎)、北村和夫(浦辺彦太郎)
ああ、さてさて。
前後編ものなので、第9話放映当日に2話をまとめて視聴
冒頭、どこがどうというわけでもなく、これ一度見たことあるかもという気がした。後になって考えてみると、平蔵が京に墓参りに来るという冒頭を、吉右衛門版ではなく見た記憶がかすかにある。吉右衛門版でも見たと思うが。
そしてその感じは正しかったようで、後編の志ん朝忠吾が平蔵を追いかけて追い越してしまうという喜劇的場面(※)を見て、ああ、これは一度見たようだ、となり、その後のさらに志ん朝の喜劇的場面、酒を所望し、飲み過ぎてしまい、という場面になり、確かに見たな、となった。
全部見終えて、このメモブログを検索、あっさりと見つかる。なんだ、これ見たことあるやつか。事前にも検索かけてるんだけどなあ、タイトルの数字が全角「’71」になってるから気になったりということまでしてるのに、見落とした。
俄然見る気を失くす。これ以降どうしようか、そもそも録画は残ってるわけだし。
この回ではまず北村和夫、おしんに出てた人だが、眼鏡が印象的でここではそれをかけておらず、ちょっとわからない感じである。彼の息子が北村有起哉、そして北村総一朗とは親戚関係はないのだけど、眼鏡の感じは北村総一朗と印象が近い。今回の役でいえば、そういや北村有起哉が似ているともいえそう。
織本順吉が若く、顔がツヤツヤしている。
ストーリーとしては、池波正太郎らしいというか鬼平らしいというか、最後のところで二つの件(押し込みとよねによる渡辺屋敷への復讐)が重なり、話を複雑にそして見応えがある風になっている
(※)この場面はかなり強く印象に残っている。初めて見たときは特に志ん朝に注目、いまメモを見返すとまだ吉右衛門版を見ておらず、時代劇も特段見ていないころのようであり、そのため志ん朝目当てに見ていたのかもしれない。鬼平は喜劇的に作られてる作品もある(「密偵たちの宴」など)が、それほど喜劇職は強くなく、今シリーズでは喜劇的場面は志ん朝が一手に引き受けているという感じ(吉右衛門版でもそういう役割は忠吾役の尾美としのりだ)で、この回でもシリアスな展開が続いており、この追い抜いてしまう場面も記憶では相当に笑えるシーンとして記憶しているのだが、実際にはそれほど大袈裟ではない、もちろん笑いを狙ってるのは確かだが。が、この後の酒の場面ではかなり喜劇的色が濃くなっており、追い越し場面はその前触れという風に見える

※追記8/30
前に見たことあるやつということがわかり見る気が失せて、しばらく放置状態にしていた。自分の録画データHDを確認してから削除しようと思っていたのだ。ようやく古いHDの中を探した。
確かに「71」も残っていたものを発見、ただ字幕オンがついておらず、今回放映分にはついているので、今回放映分を残すことにして、録画がちゃんとされてるかの確認も必要だから、これを機に今回放映分を見ていこうと思う。時間のあるときに随時視聴していく予定。
「69」も録画があるのを発見、全然覚えていないもんだな。上でメモブログを検索したと書いたがそのときにあったような気がせず、再度検索、丹念に検索結果を見てみたら、見つかった。なんだ、「69」も「71」ももう見ているか(「69」の白黒放送時代分だけまだ見ていない)

※追記
10/4
HDの容量の問題があり、整理できるものはどんどん整理していこうということで、こちらの視聴を再開
10 12月9日 隠居金七百両
菱見百合子(お順)、加藤嘉(堀切の次郎助)、中村吉右衛門(長谷川辰蔵)

11 12月16日 女賊 下飯坂菊馬
高津住男(勝四郎)、池田秀一(幸太郎)小栗一也(瀬音の小兵衛)、増田順司(伊之助)、渡辺美佐子(お千代)

12 12月23日 鈍牛
東野孝彦(亀吉)、菅野忠彦(田中貞四郎)、今福正雄(安兵衛)
3話続けて視聴。意外にもあまり面白くないなと思う。11話なんかはお千代という女だてらに盗賊の頭をやってる年増の女が、若い男、因縁のある男の息子、を手玉に取ろうとするも、お互いが身体目当てに離れられなくなってしまうというような話で、その男女のやり取りが延々繰り返されるあたりが退屈。
10話はもう辰蔵の吉右衛門に尽きる
12話での東野孝彦はちょっと頭の足りない男の役。火付けと疑われ自白もしてしまうが、実はやってないのでは、という疑いが持ち上がる。

※10/5
10/4に三本見ておりどれもなんだか退屈に感じたのだが、今日以下を見てやはりなかなかの出来だなと思った。3日にコロナワクチン接種、副反応で4日はボーっとしていたせいのように思う。4日は杉版遠山の金さんも1本見たが、そっちもしばしば気が逸れた。
13 12月30日 雨乞い庄右衛門
木村功(雨乞い庄右衛門)、加東大介(岸井左馬之助)
松山照夫(勘定の定七)、稲吉靖(与平)、上田忠好(大藪の文五郎)、沢田正昭(円造)、沢りつお(八十八)、山口譲(壮助)、加藤正之(宿役人)、中村是好(板場の甚造)、園田裕久(でくの安五郎)、上林詢(神楽の市之助)、柳生博(破目の伊太郎)、町田祥子(お照)、池田忠夫(鷺田の半兵衛)
平蔵がほとんど出てこない作品、上のう6話のところで書いたが、平蔵が活躍しない作品ということだ。
二人の名優、木村と加東が道連れになるとう風にたっぷり二人だけの場面が見れる。
とくに木村功の死相が浮かんだメイクが鬼気迫る。この人は必殺仕事人で元締役、シリーズ途中で亡くなっており、存在感抜群ながらも後で振り返ると出演回数の少なさにびっくりするのだが、その際のほうが死相が出ていてもよさそうなものなのに。
水車の百姓の場面が効果的でありこういうのを少し挿入するところが文学的。
松山照夫が若い。風呂の場面では、手拭で前を隠しているが浴槽の中の親分庄右衛門を見てびっくりして前を離してしまっている、もちろん映ってないが
平蔵がほとんど出てこない、左馬之助が訪ねてきて、ようやく登場。その次の場面で最終盤になるのだが、いきなり場面が飛んだようでもありカットの見事さを感じる。
一方で平蔵はレギュラーだからと無理やり登場させた感じ
そしてエンディング、事件現場に平蔵配下が登場するでもなく、庄右衛門が全部を片付け、そして水車の百姓を見つめる左馬之助、回想の庄右衛門のセリフ「ああして暮らすのも人間、同じ一生でございましたなあ」が被さる、見事
お照序盤での庄右衛門を評する言葉、「ただくたばる人じゃない、地獄の底まで道連れにしようって人」、が結末に効いてくる

※10/6
14 1972年1月6日 平松屋おみつ
松本克平(甚五郎)、木田三千雄(徳之助)、宇津宮雅代(おみつ)、荒木道子(おりん)
おみつの一生とでもいうべき、1時間ドラマでは物足りないような長い時間軸の話のように思え、が、しかしたかが三年間ほどのスパン(セリフで冒頭の事件を三年前という場面があった)、それでも長いし局面が大きく転換する場面が二回ある。その二回、おみつが父親殺害事件の後、父徳之助の友人で会った甚五郎を父親代わりに生活を始めたが、その甚五郎が姿を消した場面から、平松屋へ女中奉公をしている場面への転換、そして平松屋の若旦那利太郎に強姦され、暇を申し出るという場面から、利太郎の嫁になり平松屋の立派なおかみになっている場面への転換、その転換の際のその間に何があったかはわかるものの、もうちょっと何かあってもいいのではないかと思えるところをスパッとカットしているところが見事。まあ時間の制約もあるだろうけど、カットの美学ともいえる。文学的でもある。
そしてこれはまあ当然ともいえるが、甚五郎が終盤になりおもつの前に姿を現し因縁噺の結末をつけるというあたりも時代小説っぽい。さらに最初にあった甚五郎、徳之助、おみつの間の因縁がぼんやりしたままで、説明台詞で決着をつけないところもよい
最後におみつが息子清太郎を連れて平蔵のところへ挨拶に行っている場面、平蔵が清太郎に「おじいちゃんのような立派な職人になるのだな」と言っているが、商家の跡取り息子でもあり、ちょっと違うんじゃないかなあと思う。徳之助が作った煙管の話題の出たところだからというのはわかるけど

※10/7
15 1月13日 下段の剣
浜田晃(不破の惣七)、見明凡太朗(牛久の小助)、久世竜(島田鐐助)
高松英郎(松岡重兵衛)、中村吉右衛門(長谷川辰蔵)
吉右衛門版鬼平は全部で150作ある。
原作者の池波から原作以外は使わないでくれと言われており、リメイクだとかいくつかの原作をひとつにした作品なんかもあり、結局原作自体は150に相当満たない数なのだろう。
そしてテレビドラマで4人がやっており、おれはそれをほとんど全部見ているが、丹波哲郎版だけは全26回と多少少ないが、他はみな作品数も多い。
ということは、同じ原作のものを何度も見ているわけで、なので、詳細を覚えていなくとも、なんとなく見たなあという作品が多い。他の人が主役のものの詳細を一々覚えていれば、これは古典落語鑑賞のようになっていくのかもしれない。
今作品もなんとなく覚えていた。
高松英郎という人はこの頃のもので大物然として出ているものがほかにも例えば必殺仕置人の準レギュラーなんかがあるが、うまいのかどうなのかよくわからん。ここでは平蔵をも忍ぶ凄腕剣士でありながら盗賊の用心棒、平蔵がぐれるのを救ったという難しい役、あまり殺気みたいなものは感じられないが、大物感はある。

※10/8
16 1月20日 掻掘のおけい
稲野和子(おけい)、津坂匡章(砂井の鶴吉)
武藤英司(大滝の五郎蔵)、富田仲次郎(念仏半平)
木村元、内田勝正
大滝の五郎蔵登場。が、ウィキを盛るかぎり、この回だけのようだ。もちろん密偵としてであるが、普段密偵として働いているのでなく、平蔵から久々に呼び出されたという設定。
序盤は津坂の特徴を生かしての喜劇的演習がが多用されている
一方終盤から結末はなんだかグタグタに見えた。いやちゃんと作られていて、おれがその言いたいことを感じ取れなかっただけかもしれないが。
一本うどんが出てきていた。吉右衛門版にその名の通り「一本うどん」という回があったように思うが、この話だろうか。なんとなく忠吾が主役の回でしかも痛めつけられてたような覚えもあり、それだとしたら、全然違う話ということになるが。

※10/9
17 1月27日 のっそり医者
伊藤久哉(土田万蔵)、戸島和美(お菊)、福山象三(落合の儀十)、中村竹弥(萩原宗順)
のっそり先生は中村竹弥、そしてこの回はお菊が見どころ。お菊はある押し込みでみなしごになり、役宅で面倒をみている少女、13歳という設定。まずは平蔵の役宅でのっそり先生のところでの奉公の話を聞かされる場面、この役宅にいつまでもいられないという状況を悟っており、その奉公先がどんなものかもわからないまま、そこへ行きたいという場面、またそれを最初久栄がお菊に話し、それを平蔵は隣の部屋で聞き耳を立てているのだが、気にしないふりと気になってしょうがないというあたりの演技が良い。
そしてその後の展開、偏屈なのっそり先生のその人格のすばらしさに見て、一生懸命尽くすようになり、親子のように親し気になるというあたりの演技も良い。
結末。実はのっそり先生は仇と狙われる身、のっそり先生はお菊とともに江戸を逃げるが、その道中で陣痛の女を助けるため足止め、のっそり先生を狙う土田に追いつかれる。一騎打ちとなるところで、火盗の役人たちが追いつく。土田は辻斬りの常習犯だったのだ
最後は文学的な締め。土田は辻斬りを繰り返しており、数多くの罪を犯し、一方ののっそり先生は血気にまかせて人を殺したが、その後は人のために尽くす人生だったと

18 2月3日 情事
森山周一郎(宮森 忠右衛門)、津野哲郎(坂口兵馬)、川野耕司(天神の藤兵衛)、五藤雅博(塚本左内)、永井柳太郎(老僕 与五郎)、平井昌一(松岡弥太郎)、三島史郎(朝宮亀次郎)、玉川伊佐男(牛堀 九万之助)、左時枝(お久)
前回に続いて、1時間ドラマの中に文学的な香りを感じさせるもの
ここでは左時枝のお久に注目。武家の娘だが出自は聞かぬという約束で、道場の女中に入っている。このお久、父親が仇討で終われる身であり、一緒に旅をしていたが、追う身である亀次郎と叔父の宮森と対峙することになり、手裏剣を幼いときから教わっていたお久は、父親から飛び道具は卑怯だから使うなと言われていたにも関わらず、手裏剣で加勢、亀次郎の目を潰していた。
その亀次郎を江戸で数年ぶりに見かけるというのが物語の発端。
お久は討たれる覚悟をし、ここで女の性とでもいうか、道場生の弥太郎に抱かれる。がこの弥太郎、ひどいもんで、お久を抱けるかどうか賭けをしていたのであり、他言無用とお久に約束させられていたにも関わらず、ペラペラと仲間に自慢。
亀次郎とお久の再会の場面、なかなか今の時代には理解されないようなお久の人生観が爆発。亀次郎が仇討は止めるから二十両くれと言い出したことに激怒。それでも武家か、情けない、自分は手裏剣を投げたふるまいを恥じてきたのに、と言い出し、「親の仇を二十両の金子と引き換えるような見下げ果てたお方には今更おめおめと討たれはいたしませぬ」尋常な勝負なら受けると言い捨てる
格好良い武家女子である。
最後の方はちょっとアレである。亀次郎は借金が道場生たちにあり、その金の返済の代わりに、お久をいつでも呼び出せるから、好きなようにしろと言い出し、亀次郎はお久のところへ行き、勝負を申し出て、呼び出そうとするのだが。大勢でやってきたとバレて、その場で襲おうとする。なら、いつでも呼び出せるもなにも、単に大勢で行って集団で襲ってるだけで、亀次郎の働きがないではないか。
さらに、大勢で行っているにも関わらず、なぜかお久が弥太郎に情事をバラしたことを詰め寄る場面では一対一で、他にいるはずなのに、誰も出てこない。
結末はお久が弥太郎を殺し、自分は自害、亀次郎が叔父を伴ってお久を出せとやってくるも、そこへ平蔵登場、亀次郎が押し込みの一味であり、そして押し込みの際女を襲い殺した男だということをその押し込みの既に捕まっている頭に確認させた上で斬る。最後は道場主(玉川伊佐男)への事情を書いたお久の手紙で終わる
平蔵の活躍がここ数回少な目、年齢のせいだろうか。ここではラストに出してバランスを取ってる感じ
工藤堅太郎が密偵吉松として登場、こんな人も出てたのか

19 2月10日 刃傷以后
原田大二郎(辻又五郎)、森秋子(千代)
綿引洪綿引洪(永井伝蔵)(綿引勝彦)
長谷川明夫の沢田小平次が登場。原田大二郎の辻又五郎との男の友情とでもいうようなストーリーで、
気持ちのいい終わり方
冒頭のエピソード、千代が強すぎる故化け物娘とののしられ、そして悲しいいたずらがなされ、それがきっかけで自害してしまい、それが元で又五郎が町人になっていく由縁が語られる。千代が主役かと思いきや、千代はこの場面だけで、そこから長く続く又五郎が主役という意外感のある仕掛け。ここだけで色々と盛沢山。千代に対するからかいは行き過ぎたいじめでどぎつかい面がある。
その一方でうまい描写がある。偽の又五郎の恋文に千代は待ち合わせ場所へ出かけて行き、それが嘘で、男欲しさに化け物娘が出てきたなどとののしられるのだが、千代が又五郎にその手紙の真偽を確認しに来る場面。又五郎は真摯にこんなもの書いてない、なんならここで同じものを書いてみせます、などと偽者であることの証明に必死になる。が、女心をまったくわかっておらず、遺書に、すがるような気持ちで又五郎のところへ行き、自分の浅ましさに気付いた云々、と又五郎の悪気はなかったのだが、わかってないということを思い知らされることになる。この流れも悲しい
この場面はプロローグともいえ短時間で終わるのが贅沢
その後もわくわくするようなストーリー。又五郎と沢田が組んで悪役と対決するというのが概要だ

20 2月17日 裏道の男たち
堀田真三(火傷の浪人)、和田文夫(音羽の半右衛門(二代目))、野口元夫(音羽の半右衛門(初代))、 塩沢とき(おくら)、金子勝美(おみね)、上田侑嗣(伊三郎)、柴田侊彦(川窪平四郎)、小瀬格(秋山高庵)、城野ゆき(お喜世)、高原駿雄(内田勘兵衛)
これも文学的というかまさに時代小説だなあという感じ。二十年前の殺しから始まり、そしてその後・・・、という風なところは時代小説によくありそう。
野口元夫という人は見かけがとにかく独特、時折時代劇で見る

21 2月24日 あいびき
吉行和子(お徳)、峰岸隆之介(覚順)(峰岸徹)
灰地順(疾風の陣内)、戸田春子(おつね)、木村博人(源次)、三井弘次(仁兵衛)、綾川香(文吉)
大工の棟梁の嫁、お徳は府議密通を行っておりそして知らずに悪人に建物の図面を渡しているという役。そしてなにも罰せられず終わっていく。悪役っぽいのだが罰せられないということで終わってみれば悪役でないのかなあという不思議な存在。
大工頭領、仁兵衛の江戸っ子というか職人気質というか無愛想な感じがとてもよい
これまでさほど出ていなかった長谷川明夫の沢田小平次が三回連続で登場
前回に続き最後に長谷川平蔵が出張ってくる
ラスト。女は美しく生まれると不幸せになると平蔵、沢田が長官の奥方様が手頃。あまり美しくないとうことを言っているのか
話が面白いなあ。ここ数作品、駄作がない。11話をつまらないと書いたが、おれがぼけてたのだろう。
多分原作が相当によくできているのだと思う。映像作品の質としてはやはり吉右衛門版のほうがいいと思う。良し悪しはあまり断定したくはないが、少なくとも後年に作られたものであり、今見るには時代が近いから現代人の好みにあった作りになっているということはいえるし、またあの作品はこれも時代のせいというのが強いと思うが、相当に丁寧に作られているということもいえる。
もう一度あちらを見たくなった。

※10/10
22 3月2日 殺しの掟
森幹太(聖天の吉五郎)、飯沼慧(金子安斉)、須藤健(伊勢屋勝五郎)、内田武樹(原田友二郎)、
森下明(岬の仙蔵)、磯村みどり(お清)、江守徹(松永彦七郎)、高橋悦史(西村左内)
「兇剣」で今シリーズは前に見たことあると言うことに気付いたが、今作品はそれ以上によく覚えている回だった。他の人のシリーズではなく、この幸四郎版の作品に見覚えがあるということだ。そもそもこれは以下に記すように鬼平でなく仕掛人が原作のようで、他の人の主役のシリーズではやっていないと思われる
今作は西村左内という名前に覚えがあり、そう必殺仕掛人である、さらにサブタイトルも見覚えがあったので、ちょっと検索して調べてみた。このサブタイトルは小説「仕掛人・藤枝梅安」の初出作であり、西村左内はその作品の登場人物とのこと、必殺はそれをベースに作ったということなのだろう。岬の仙蔵、というのも必殺では「岬の千蔵」として出ていた。今作で元締は「聖天の吉五郎」となっている

23 3月9日 泥鰌の和助始末
大坂志郎(泥鰌の和助)

24 3月16日 大川の隠居
進藤英太郎(友五郎)
山岡徹也(犬走りの富造)
23と24を続けて視聴
どちらも有名な作品だと思われる。タイトルはよく覚えている。どちらも見覚えはなかった。確か吉右衛門版でどちらもスペシャルとして作られてるんじゃないかな、なのでタイトルはよく目に入るという状況がある。
進藤英太郎の飄々とした喜劇的演技が印象的

※10/11
25 3月23日 礼金二百両
田中浩(木庄)、木村博人(長尾)、
高橋義治(黒木)、山田はるみ(もよ)、高野浩幸(千代太郎)、瀬良明(喜兵衛)、増田順司(谷善左衛門)、堀越節子(芳乃)、清水綋治(又太郎)、川辺久造(横田大学)、戸浦六宏(山中伊助)
ちょっと異色の回であるが、しかしこの鬼平という作品は決まりきった形があまりないというのが特徴でもあるので、そういう意味では異色とはどういうことかともいえる
冒頭プロローグとラストのエピローグでは、火盗の長官の内証のやりくり(経済事情)の大変さが語られ、この回の本編でやった仕事の御礼に「礼金二百両」をもらい、平蔵が酒井にこの件の口止めをして、久栄も含め三人で酒を飲むという場面で終わる。
本編では酒井の叔父、善左衛門が持ち込んできた横田家(多分旗本であろう、善左衛門が用人を勤めている)の子の誘拐事件である。
家臣の戸浦六宏の山中伊助が誘拐一派の共犯。戸浦は悪役が多く、それもかなり非道な悪役が多い印象だが、ここではちょっと弱気な面もあり悪になり切れない面もあり、そしてやる理由というか因縁もあるというような役柄。一方首謀者は清水綋治の又太郎。その因縁とは山中の妹もよが横田の先代にはらまされ、そのとき奥方の芳乃がもよを追い払ったということがあり、しかし山中は横田の家に残れることになり、それを恨みに思っていた。そしてもよの子が又太郎である。
この芳乃はいまも隠居として健在、今回の事件にも当代である大学とともにことに当たっているという構図。
またプロローグ部分では風邪で寝込む平蔵、仕事のことは一切持ち込むなと厳命しつつも、酒井が持ち込んできた話を、もったいをつけて聞いてやる(後継ぎを育てるためなどと言っている)などというわざとらしい演出があり、結局は平蔵の推理が当たって事件解決という風になっている。
酒井は相当に平蔵の信頼厚いようで、「自分で考えろ、ここが留守を預かるお主の正念場だぞ」などと平蔵に言われている

26 3月30日 はさみ撃ち
09/14(木) 09:00 - BSフジ・181|60分|10倍録
<時代劇>鬼平犯科帳’71[終] 第26話 「はさみ撃ち」
佐原健二(針ヶ谷の友蔵)、八木昌子(おもん)、佐山俊二(弥次郎)、柳永二郎(猿皮の小兵衛)、長島隆一(大亀の七之助)
江戸家猫八(三次郎)
最終回
これも有名な作品のような気がする。吉右衛門版はどうだったか調べると、第6シリーズ6話がそれで、猿皮の小兵衛(中村嘉葎雄)、弥次郎(垂水悟郎)、おもん(松田美由紀)という顔ぶれ。
この回では、三次郎が七之助に助働きを集めてくれと頼まれているが、吉右衛門版では同じく江戸家猫八の彦十が頼まれるという流れのようで、過去作品を踏まえてのことだろう。
その三次郎、今シリーズでおれは初めて見たが、第1話に出ていたようだ。吉右衛門版では密偵の役割はほとんどしてなかったはずだが、ここでは密偵の役割をしている。
五人の助働きに平蔵配下が出向くという展開で、平蔵、酒井、忠吾、伊三次、そして竹内孫四郎が選ばれている。前者四人はメインレギュラーだが、竹内はドラマ構成上「その他同心」的な役割の人で、ここで初めて目立ってるという感じである。ちなみに顔はちょっと伊藤克信みたいな感じで割と「その他」の中では見分けはつく
また、忠吾は真面目に考えればこういうのに選ばない方がよさそうだがそこはご愛敬か。


今回録画できなかった第1、2話は、こういう風にまとめて見るときに一緒に見ておきたいので、この後、過去録画したやつをHDから引っ張り出して見ることにする。

※同日の10/11
第1、2話を視聴
1 1971年10月7日 剣客(けんかく)
山本清(定七)、幸田宗丸(野見の勝平)、鮎川浩(殿見の市兵衛)、金井大(留吉)、垂水悟郎(石坂太四郎)、佐々木孝丸(松尾喜兵衛)
江戸家猫八(三次郎)
割とシリアスな場面に忠吾のコメディ場面が長々と入っていてちょっと場違いな感じがある。シリーズ第1話ということで志ん朝を見どころにしようとしている感じもあり、またシリアスな場面と忠吾のどじキャラのバランスというのは鬼平の魅力の一つではあろうが、この回では忠吾場面がちょっと長い(第2話では少し出番は減ってるが、やはり出てきたときは長め)。
三次郎とのつながりを平蔵が騙る場面が序盤にある。26話では五鉄の名前が出てこなかったが、ここでは五鉄にしゃもを食いに行こうと言っており、が、事件が起きてそれはお預けとなり、結局猫八の出番は最後だけ。
平蔵と三次郎の関係は本所で遊んでいたころの馴染みとのことで、彦十と同じような関係のようだ。ラストの五鉄の場面では猫八が銕っつぁんと呼び、その方が性に合うと言っている

2 10月14日 猫じゃらしの女
中井啓輔(小助)、上野綾子(内儀)、此島愛子(おきよ)、小林昭二(彦造)、青野平義(甚右衛門)、 藤田弓子(およね)、石浜朗(卯之吉)
このサブタイトルは池波志乃と結びついている。吉右衛門版のことだ。そしてそのおよねは伊三次の情婦だったこと、シリーズで複数回、つまり少なくとも二回は出ていたことも覚えている。ゲスト枠で二回も出るのは珍しいことだと思う。準レギュラーというほどではないものの。
面白いなあ。ストーリーがとても面白い。伊三次は当然堺左千夫、この回ではメイン格。この人は主役をやるような感じの人でなく、といったら失礼だが、おれが見た中で時代劇のメインゲストをやったようなことはなかったと思う。レギュラーでもメイン、二番手ということはなく、それより下くらいの位置の人だ。それだけにここでは輝いていて嬉しい。
そういえば、最初に時代劇を見始めたころ、この人が色々なところに出ていて、俳優目当て、特にそれほど有名でない俳優を目当てに見るのが楽しみになったというところもある。それこそ、この鬼平、さらに錦之介の鬼平に出ていて気付いたということだったかもしれない。

幸四郎平蔵の出番は終盤の作品では減っているような気がするが、鬼平自体が平蔵のあまり出ない作品も多いので、シリーズ全体でそういう回は多いのかもしれない。
また鬼平自体が平蔵のあまり出ない作品も多いというのも、ひょっとしたらこの幸四郎版だけかもしれず、それを俺が鬼平という作品自体がそうだと思い込んでるのかもしれない。
吉右衛門版で吉右衛門の出番が少ないなんてあまり考えられないし、さらに錦之介版となったらなおさらだ。
志ん朝の出番も終盤少なくなったような気がした。
丹波哲郎版でも志ん朝忠吾が継続しており、おれはそれを期待して見て、なんか非常に冷遇されてたイメージがあるのだが、もしかしたら今シリーズでもだんだん出番が少なくされていたのかもしれない。制作の判断か志ん朝が仕事の関係でそうしたのかもしれない。
終盤に少なくなったというのがおれの勘違いかもしれないけど

杉版金さんと並行して、両作品とも1日1作は必ず見るように、見進めてきた。こちらを先に見終えてが、まああちらも残りは最終回の1作だけで、明日に残そうと今日はあえて見なかっただけだ。二作品同日フィニッシュでもよかったが、こちらは勢いがついて一気に見てしまった。