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忠臣蔵 (松平健主演、2004年のテレビドラマ) [時代劇]

BSテレ朝
忠臣蔵 一挙放送
2022年12月12日(月)~2022年12月14日(水)ごご4:57~

師走となり色々と心せわしなく、テレビをつける気にもならず、ギリギリで毎週視聴分のみをこなしていたが、昨日(12/13)ふっと時間が空き、毎週視聴のものもなく、二日目を放映中のこれを視聴してみようかと。
ものすごく楽しみにして録画したわけでもなく、まあ忠臣蔵か、松平健か、どんなもんだろという程度の興味。
が、見始めて、しばらくしてまた用事が舞い込み、キリのいいところで一旦終了しようと待ち構えていたら、これは元が連続ドラマのようで、1時間くらいのところでスタッフクレジットが流れ始め、第1話の終了のよう。ちょうど松の廊下で吉良が斬りつけられたところで終了。
この第1話を見ての感想としては、吉良のいじめの描き方が少な目で、えっ、もう松の廊下と思ってしまったくらい。時間を割いて描かれたのは畳の一件で、ここで畳屋の頭領が高橋元太郎。
あとはちょこちょこ意地の悪いことをやられてる描写はあったものの、憎しみが高まっての刃傷という風でないのが残念、ちょっと吉良寄りの描き方という解釈というわけではない。
第1話は徳川綱吉の津川雅彦が大きく映し出されるという始まりかた。
冒頭にキャストクレジットがあり、名前は忘れてしまっていたが吉良側の家老が出て来なくて不思議に思った。主要登場人物じゃないかと。それは第2話には出てきていて、おれは冒頭のキャストクレジットを連ドラとは知らなかったので、全部に共通のクレジットかと思ったのだ。
名前は千坂兵部、丹波哲郎が演じていたのを覚えている。ここでは夏八木勲が演じている。
で、何が言いたいのかといえば、誰もが知ってる忠臣蔵をドラマ化するとなれば、各種エピソードのどれを強調するか、しないか、そして削ってしまうということもしなくてはならないだろう、さらには独自解釈やさらには創作のオリジナルエピソードなんかも入れたくなるかもしれない。そこらの濃淡が見もののひとつと言える。ここでは第1話終了時点で千坂があまり描かれないのかな(役名なしで役者がクレジットされているとか)というようなことを思ってしまったのだった。
第1話を見終えたときは以下のような感想
ダイジェストのようなプロローグが第1話という感じだった。これまでの忠臣蔵というと、ちょっとちた表情や演出で何かを悟らせる(筋を知ってるのでその場面が次のどういう場面に繋がるかわかっているのでそれを悟るのは容易)みたいなところが楽しいという印象があるのだが、今作にはそういう繊細さみたいなものがなく、なんとも軽い感じだ。主演が松平健ということで軽く見ているというのもある。まだ松平の出番は少ないが。
この第1話で一旦見るのを中断というのはなんともいたい。このままちょっと時間を空けると、どうせなら再度第1話から、となるのだが、その時第1話が大したことないという印象だけが残ってるとなかなか再生ボタンが押せなくなるのだ
ただ「これまでの忠臣蔵というと、ちょっとちた表情や演出で何かを悟らせる」演出などといっているが、たくさんの作品を見てきて、そのうちの記憶に残っているものだけを総括してそういっているだけのことではある
翌日(12/14)に、今回の放映分の第一日目、第4話までを視聴
第4話で赤穂の城を明け渡すところまで。
ここまでを見て、他と比して強調されてるエピソードとしては①加古川本蔵とその娘の小浪、主税と婚約するが破談になる、②寺坂吉右衛門の存在、といったところか。また③千坂配下の密偵が赤穂をうろうろするという描写もそこそこに入っている。
①は蟹江敬三を覚えている。それほどに有名なエピソードだろうか
②は「最後の忠臣蔵」で有名になった人ではなかろうか。
③は三船の大忠臣蔵で露口茂がいたのを覚えている。
ウィキには今作の脚本がすでに3回使われているとある。
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元々は1991年のフジテレビ系単発時代劇『忠臣蔵 風の巻・雲の巻』で書き下ろされたもので、1996年の同局連続ドラマ『忠臣蔵』や、2003年のテレビ東京系『新春ワイド時代劇 忠臣蔵〜決断の時』でも用いられており、本作が4度目の採用である
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蟹江敬三の加古川本蔵は『新春ワイド時代劇 忠臣蔵〜決断の時』である。なるほどという感じ
③の三船の大忠臣蔵は連ドラで1年やったものだったはずの長編で、それゆえエピソードをいくらでも入れられる故、ああまで密偵の活躍が描かれたのだと思われる。
主要どころはウィキ参照ということで、ここまでで、上に上げた高橋元太郎以外に主要以外のところで目立ったのは、片岡鶴太郎、藤田まことといったところか。片岡鶴太郎はうまいとも思えないが、こう言うところに有名な人を配置して見てもらおうとするという作りであり、やはり見せ場なのだろう。浅野に肩入れする目付、多門伝八郎。
藤田は大物であるから見せ場が用意されてると思われる。まだ登場は少ないが、この後も活躍するのであろう、天野屋利兵衛だ。
四十七士では奥田孫太夫に大出俊。寺田農や佐野浅夫などベテランもいる。
また松重豊が清水一角というのも見ものだ。

※追記 初日(12/14)第5、6話も上を書き終えた後に視聴
12/15 第7,8話を視聴
第4話までで、これまでの作品はどうだったか、克明には覚えていないのだが、今作では堀部安兵衛など江戸派閥は追い腹と聞いて退出してしまっており、大石が追い腹を覆し、吉良の首を狙うことを言う集まりには参加していない。ほかのどれかの作品では、江戸派が退出したのち、大石を狙い、それを大石が制して、追い腹を覆し、吉良の首を狙うことを言う集まりに連れて行くというのがあったはず。
今作では、その江戸派に赤穂の急を聞いて馳せ参じた不破数右衛門が出くわし、大石の悪口を言い、自分たちと行動を共にしようと持ち掛け、そうなっていくという風に不破という駒が鍵となる。
で、この件でちょっと残念なのは、江戸派が赤穂の城明け渡しの状況を聞いて、追い腹をしていないことを知り、大石の真意を知っていくという場面がなく、なんとなく江戸派も大石の仲間になっていることだ。まあ一応、謝らなくてはならないというようなことを言い、それならおれのほうが先だろう、あのときお前らと会わなかったら、そのまま大石のところへ帰参を願い出れたのにと不破数右衛門が登場、そして泉岳寺での墓参りで、不破数右衛門が大石の前に平伏し、帰参を許される、という展開、なお、さらにはこのことを千坂が知り、城のなくなったところへの帰参ということに不審を持つという風にも展開していく。
大石と千坂の面会が早々に行われる。それも千坂が表玄関から茶の誘いをするという流れ。他の作品ではどうだったかなあ。面会の場面というのはいくつかの作品にあったと思うが、こんな感じではなかったような気がする。
そしてこの場面の後、ナレーションで千坂の行動が変わり、また行動が変わったのは千坂だけではない、大石も。となり、大石の遊興の場面になっていくという展開。これはまんま見た覚えがあり、多分それは同じ脚本による作品のことであろう。
遊興の場面では浮橋太夫が池上季実子。ずいぶん懐かしい名前、芸者の役にはちょっと、と思ったが、当時45歳でまだまだやれる年齢だ。高橋元太郎にもおれはそれをちょっと思ったのだ。高橋は当時60歳過ぎ。ただ江戸の畳屋の総元締という役柄で若い頭領でも年齢の行った感じでもいけそうな役柄ではある。ただちょっと若作りした感じが無理してるなあと少しだけだが思えた。
第7話
加古川本蔵、小浪のエピソードが終結。ほぼ前に見たやつを踏襲、が、本蔵が命を懸けて娘の願いを大石に願い出るという場面では、大石が襲われているのを助けるという形で絶命、以前見た作品では主税を挑発して討たれるという感じだったと記憶。またその後に小浪が主税と祝言をあげ、小浪はりくたちが山科を去る場面を見送っているが、こんな場面は前の作品にあったかどうか。
そうそう、大石が去ることになるりくに、仇討ち成功の報を聞いたらそれはそなたの手柄じゃなどと言っており、こういうセリフは初めて聞くような気がする。
初めて聞くようなセリフといえば、他にも。大学での再興がならず大石が東下りを決意するのであるが、そのとき、大学での再興はほかの大名たちが殊の外真摯に動き回ってくれてしまったためやってしまったみたいなことを言っていた
この7話では前田亜季演じる小浪のハイライト場面に続き、姉の前田愛演じるお艶の登場もある。お艶についてはもう少し後の回でハイライトシーンとなろう。
ここまで、吉良の出番が圧倒的に少ない。それゆえ吉良、上杉側の動きもあまり描かれず、大石千坂の頭脳戦みたいな面白さはない。
吉良の出番といえば第1話でさえあまり吉良のいじめがあまり描かれていないと書いた。演じているのは伊東四朗で悪いはずはなく、憎らしく演じてはいるのだが、それが何度も重ねて描かれてこそで、そこは演出のせいではあるが、あまり印象的ではない
第8話
なんとなんと石立鉄男が登場、クレジットで見て楽しみにしていた。のだが、なんとなんと、見間違えた。この回には岩尾正隆も登場、さらには江守徹が東下りの際の垣見五郎兵衛役なのだが、その垣見五郎兵衛のエピソードの際の宿の主人が岩尾正隆で、それを石立と見間違えたのだ。なんだかハイテンションでお調子者でみたいな感じで躍動しており、いいぞと思ったのだが。
石立の役はその回の終盤で高田郡兵衛の叔父役。こちらを見たときに、あれこっちが石立かと混乱した。ちなみに郡兵衛の兄役は伊東四朗の息子の伊東孝明(伊藤貴明名義)。
石立鉄男っていつ頃までテレビドラマに出てたのやら。2004年となると62歳、晩年である。

※追記 12/15上を書き終えた後に最終話(※)まで視聴
(※)第11話まであった。ウィキによると全9話なのだが。これについては後述
終盤については感想はあまりない。討ち入り直前は、各浪士のエピソードを短く羅列した感じ(南部坂の別れの次に赤埴源蔵の徳利の別れとなり、その後にも幾人かのエピソード、どちらも討ち入りに参加しなかった小山田庄左衛門、毛利小平太のエピソードなどが続く)になっており、ちょっと安直に思えたが見てるうちにこれはこれで悪くないと思えた。
時代劇で有名な中堅どころが出ていないかなと思いながら見ていた。全部チェックできるわけではないが。まず最終話に役名なしで福本清三の名が。が発見できず。ドラマに夢中になっていたというのもある。さてこの福本清三、第3話での赤穂の場内での評定、追い腹殉死の決定をする場面で、大高源五の後ろに映っている。
中田博久が浅野家本家の重臣として大石に会いに来る三人組の一人、第3話、6話に登場。その三人組の中に石山輝夫という名もあり、ふと石山律雄の名前を思い出したのだが、なんとなんとその人だ(改名している)。後で見直してみよう。4もう一人は荒木しげるとなっている。それなりに有名どころのようだ(おれは知らないが)
西田健が第6話、お艶の父親、吉良邸改築の大工で図面を持っているという役柄だ。

お軽・勘平は全部カット。ここら辺がエピソードの取捨選択ということだろう。まあお軽・勘平はストーリー的に外伝とでもいえそうなあってもなくてもよくて、また一方独立したストーリーという面もある

野際陽子の戸田局、瑤泉院の付き人。序盤で兄が小野寺十内ということを言っており、そういう絡みも描かれるかなと思ったがまったくなかった。

劇中で頻繁に使われた「お肉通しの刀」(内匠頭切腹の刀という意味のようだ)という言葉、初めて聞いたように思う。

放映日は上記のとおり「2022年12月12日(月)~2022年12月14日(水)ごご4:57~」固定。
それぞれの日の録画時間が
①4時間03分
②3時間57分
③3時間03分
それぞれ約4、4、3時間ということで、全部で約11時間。始まる前にダイジェスト的にこれまでの振り返りがあり、OPのキャスト(と監督など一部重要スタッフ)クレジット、EDはスタッフクレジットとなっており、これが間違いなく11回、1時間ごとにあった。
全9話というのが本来だそうで、これはどういうことだろう。例えば最終回が3時間のスペシャルになっていて、再編集でもしたのだろうか。ということで調査、すぐ判明した
第1話と最終話が2時間版となっているようである。
ウィキに監督の名前が掲載--
監督…齋藤光正(#1)、藤岡浩二郎(#2 - 3)、杉村六郎(#4 - 6)、吉田啓一郎(#7 - 8)、橋本一(#9)
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今回の作品でスタッフクレジットを確認してみると、第1話、2話が齋藤光正、第10話で橋本一となっている。
ウィキにあるサブタイトルリスト--
第1話 刃傷 松の廊下
第2話 赤穂激震
第3話 赤穂城明渡し
第4話 静かなる決闘…千坂兵部
第5話 祇園 遊郭に隠された真意
第6話 山科 永遠の別れ
第7話 東下り 垣見五郎兵衛
第8話 討ち入り前夜 揺れる浪士たち
第9話 討ち入り…狙うは怨敵・吉良上野介の首でござる!
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このサブタイトルは今回の放映では表示されていなかった(と思う、少なくとも自分は目にしなかった)
今回の放映では垣見五郎兵衛のエピソードは確かに1話ずれて第8話だった

主要配役について
松平健、マツケンサンバや『暴れん坊将軍』のイメージでおれは軽視してしまっているのだが、重厚な演技もさすがである。
女房のりくには田中好子
瑤泉院の櫻井淳子、この人の名は初めて聞くが、満島ひかりに似ている
梨本謙次郎と石丸謙二郎が出ている。検索してみると同じ名前ということで混乱することがあるらしいのだが、この二人は常時並んでクレジットされていた。
松重豊の2004年ごろってどうだったんだろう、かなりの大役で見せ場たっぷりである