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水戸黄門 第4部 [時代劇]

10/12(木) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
[新]水戸黄門 第4部<デジタルリマスター版>▼第1回「旅立ちの歌」(水戸・江戸)
11/28(火) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第4部[終]<デジタルリマスター版>▼第35回「旅こそ人生」(水戸)

第3部が終了し、第41部になったところで、続きがなく残念に思っていたのだが、いつの間にか第4部が始まっていた。通常ならBSTBSのチェックはあまりしていないこともあり、絶対に気付かなかっただろうが、第41部も続けて録画予約したまんまにしていたのだった。これは、第41部というのを調べてみると、レギュラーシリーズ終了が第43部であり、残りもうわずかというところ、ひょっとして第41部から43部まで続けてやるかなと思い、ならば最後も見てやろうかなどと酔狂なことを思い、録画していたのだった。酔狂というのはちょっと悪口になるが、まあ第41部をちょっとだけ見たところ、どうしようもない感じの絵面で、正直言えば見たくはないなあという代物ではあったのだ。
まあそれはそれ、なぜか第41美、全12回の放映を終え、録画予約のリストを見ていて、えっと驚いた(見間違いかと思ったくらいだ)のだが、第4部が始まっていた。なぜ第41部を挟んだのやら・・・、なんにしてもラッキーだった。
今後は逐次視聴で見進め行こうと思う。
今のところ第2話まで放映されており、それをまとめて視聴した
まだ全然楽しく見れる雰囲気、マンネリの入り始める時期でもあり、そのお約束の範囲で何やってもうまく行く時期でもあり、それは絶頂期ともいえるわけでとにかく楽しみだ
第1話は水戸から始まり、お約束的な、農作業の光圀が百姓に土下座を強いる御油列の偉い侍を叱るというような場面(今回は自作の野菜を江戸の綱條に送ってくれと軽く言ったら、家臣の山部が御老公の野菜ということで、仰々しい行列となった次第)もあり。
江戸への旅立ちは、八兵衛と謎の絵師の二人だけを連れ、助さん格さんも置き去りという珍しいパターン。
八兵衛は西山荘の居候というか下男というかそんな感じの立ち位置らしく助さんは八兵衛を(御老公お気に入りと言っている)、また弥七は江戸でお新と一緒にお新の父親がやってた蕎麦屋「田毎庵」を引き継いでいるという設定。お新の父親の蕎麦屋なんてのは、お新やその父親も密偵的なことをやってたわけで仮初のものだったろうしさほど大事でもなかろうが、この回で弥七も旅立つことになりそうというとき、お新との間でひと悶着、その際、この蕎麦屋を守っていてくれ的なことを言ってる。
第1話の最後で光圀一行絶体絶命的な場面で終わり、前後編ものかなと思ったが、第2話の冒頭であっさりその件は弥七の助けが入り、切り抜ける。
謎の絵師、その第1話の最後で光圀一行を襲ってきた侍の集団は何者か今のところわからない。
第2話は通常の旅の道中で一話完結。イレギュラーでお新がその光圀一行を狙う集団を追ってきて、光圀一行に追いつくという展開があるが、道中をともにするということではないらしい。
第2話ストーリーはありきたり、後継ぎのことでギクシャク。中尾彬が正当な後継の役で、後継ながら天狗の面をつけて呆けていて、領民から天狗馬鹿と呼ばれている。が、それは後継を巡る悪、殿様の腹違いの妹夫婦の悪だくみを監視していたのだった、という内容。その天狗馬鹿の若殿には鮎川いずみが演じる育ての爺の娘という理解者がいる。
第2話序盤に火付盗賊改の中山勘解由が登場しているが、火付改と盗賊改が統合されたのはもうちょっと後。
おくのほそ道の話が第1話序盤に出てきて、その後もそのことを引きずる感じで、江戸へ出て光圀は行きたいと言っていた芭蕉庵を訪れてそこで襲われ、中山勘解由の登場という流れ。おくのほそ道はウィキによれば1702年刊とあり、光圀の死後であるが・・・。
準レギュラー、光圀を諫める水戸藩家老(もう隠居の身)中山備前(永田靖)がすごい髭面(第1話)。これの放映前に永田靖は亡くなっていたとのこと。
カットの問題
OPの歌とクレジットが今シリーズになり、フルとなっている。これまでのシリーズではオリジナルより数分短くなってると思われ、どこかをカットしているようだった。顕著なところでは、ラストのナレーション、これは必ず入っていると思われるが、多くの回でカットされていて、そこは音楽も不自然に途切れているので、カットがわかる。
今シリーズからカットはないのかなと思ったが、第2話の序盤で、BGMが不自然に切れていて、やっぱりカットありなのかなあ、と。BGMが切れるとどうしてもわかってしまう。主題歌の歌無しバージョンがよく流れるが、(歌詞があれば)「人生ら(楽ありゃ)」で切れて「(歩)いていくんだしっかりと」となっている部分があった。多分光圀一行が歩いてる場面がカット、もしかしたらそこにナレーションがあったのかもしれない
第2話はラストのナレーションもカットである(BGMも変な途切れ方)。
ウィキには「2000年以降の地上波等の番組枠に合わせて3部までOPが短縮されていたが、この部からオープニングが完全版になる(本放送当時の番組枠が1分短縮されたため。同じく大岡越前も第3部途中より、オープニングが完全版に代わる)」とある
第41部については・・・、すぐには削除しないが、まあ当分見ないし、先に描いたように、その先の42、43部が放映されないようなら、見ないままになるだろう

第3話 2月5日 人情榛名おろし
吉沢典膳:河津清三郎
矢崎源九郎:御木本伸介
横倉聞多:近藤洋介
寺本勝之助:原田清人
横倉忍:伊藤榮子
滝川公一郎:蜷川幸雄
この回で見るべきは二つ。
お約束の正体披露のところは、光圀が印籠を渡す形で助さんに口上を促しているところはまだ後年のものとは違う。
悪役善玉論でいうところの悪役が悪事というほどのことをやっておらず、それゆえ光圀の諫め方も悪役を説教するというようなことはせず、この件は自分が預かるし、関係の殿さまには自分から言っておくというふうに納めている
仇討をしなければならない身の聞多、その妹が忍で、その旦那が聞多が討たねばならない仇の公一郎で、しかし討ちたくない、討つつもりもないという状態。兄が公一郎に斬られているのだが、兄に非があったのだ。
で、この三人はストーリー上の善玉。しかし仇討はなされねばならぬという上意があり、仇討ちを後押しし、さらに、聞多にやる気がなければ、上意討ちも辞さず、という追手(矢崎が大将格)や、その舞台の奉行所にも助力を願い、その代官らが悪役といえば悪役という形

第4話 2月12日 鬼と呼ばれた娘
小向蔵人:新克利
小野十右衛門:野々村潔
須貝玄五郎:川合伸旺
梶原要造:神田隆
本多伯耆守:高野真二
直助:長浜藤夫
首領:金井大
小野七重:安田道代(トメ)
これは前回よりは悪役が悪事をしてはいるものの、そこの描写は少なく、あまり悪役感がない。つまり善玉側のストーリーに時間が多く咲かれているのだ。
剣術指南役が小野十右衛門だが、年寄りで病がち、譲るように言われている。そこの娘が七重で城下で「鬼娘」と呼ばれる男をも打ち負かすような女。しかし女に剣術指南は勤まらないと、いうことで家老の梶原は賄賂を受け取り須貝を推しているという状況
小野道場では、小向蔵人という後継を期待されていた師範代がいたが、七重に負けて修行の旅に出ていた。七重は蔵人の帰りを待ち焦がれている
と、この状況で蔵人は道場へ三年ぶりに戻るも、またも七重に負けてしまい・・・。
ここで、光圀と助さん(格さんは八兵衛を連れて別行動をとってる)は三国峠への旅路を進め山賊に遭うという一件がある。この山賊の頭が金井大。この山賊を通りかかった蔵人が全部退治、その後光圀は蔵人の話を聞き、秘術を授ける、というような展開。
踵を返し、城下へ戻ると、その日は御前試合、七重と須貝。七重が勝ち、そこへ蔵人がやってきて試合を申し込み、光圀のアドバイスを受けた蔵人が勝つ。
ここでの殿様(高野真二)が良い。こういうのは珍しいような気もするし、それほどでもないかもしれないが、かなり素直な名君として描かれており、須貝に勝った七重を褒め、突然入ってきた蔵人の試合を許し、そして試合に勝った蔵人を指南役にしようとまでする。
ここで梶原と須貝たち悪役が暴れ出し、お約束へと展開する。

第5話 2月19日 黒いひげの黄門さま
丹後屋光右衛門:東野英治郎
お志乃:磯野洋子
機屋婆:笠置シヅ子
山城屋佐吉:稲葉義男
佐久間善三郎:横森久
笹屋女将:川口敦子
山野兵庫:北原義郎
牧野忠辰:西本裕行
三之助:島田順司
東野が二役で出演
サブタイトルは、その地に評判の悪い縮緬問屋の光右衛門というのがおり、顔もそっくり。それを探るため、絵師のアイデアで髪も髭も黒くしたのであった。
光圀そっくりの人物にあまり悪役はやらせられないと、評判は悪いが実は芯の通った人物。そして商売敵の山城屋は好人物とされているが、実は家老の山野と組んでの悪役

第6話 2月26日 越後血風録
坂田源太夫:深江章喜
大隈帯刀:宇佐美淳也
高坂但馬:外山高士
甲州商人:獅子てんや
茶屋の親爺:瀬戸わんや
稲葉丹後守:佐伯徹
水谷茂十郎:五味竜太郎
田宮源人:河原崎次郎
山根武太夫:中村孝雄
今回の旅の目的地であり、謎の絵師石塚清雅の正体もお取り潰しにあった越後松平家の家臣山田左膳であったということが明らかになる。
越後騒動で取り潰しになり、百姓のようなことをやりながら暮らしているが、いまその地を支配する藩からは煙たがられ、迫害にあっており、だがそれを公儀に訴えれば、その藩もまた取り潰しになるだろうということで、それもしないでおり、光圀にそれを納めてほしいということなのだ。
五味竜太郎が珍しく善玉、今は馬丁 だが元越後松平家の馬役
旅の目的地なんだから前編後編にしてもいいくらいなのに、あっさり終わる。そのあっさりさはゲストにてんやわんやだが、ストーリーに関係ない登場で、茶店で喧嘩をしているとう場面が結構長々とあり、そんな場面を入れれるくらいということからもわかる。

第7話 3月5日 消えた雛人形
お駒:沢井桂子
八重樫保右衛門:北沢彪
赤根玄蕃:沼田曜一
文太:江波多寛児
巳之吉:小林勝彦
山科兵之助:松野健一
弥二郎:六本木真
吉岡左門:天津敏
菊池光五郎:小美野欣二
飯屋の女中:宮前ゆかり(クレジットでは役名なし)
飯屋の親爺:山村弘三(クレジットでは役名なし)
九重屋おきぬ:小夜福子(トメ)
目的地の揉め事を収め、ここからはその地の揉め事を収めながらの気ままな旅となるのだろうか。まだ、シリーズの早い段階だというのに。
分かれ道で標識が微妙、どちらへ行くのか迷い、意見が分かれてしまい、光圀八兵衛と助さん格さんで別路を。光圀八兵衛のほうが正しい道であり、先に町へ着いたが、飯屋の前で、光圀は巾着切り(江波多寛児)に遭う。八兵衛が追いかけ、光圀は飯屋の女中に声を掛けられ、飯屋へ入るも、八兵衛がなかなか戻らず、無銭飲食と言われてしまい、そこを通りかかった人形屋の九重屋の隠居、おきぬに助けられる。という始まりで、光圀は九重屋にひとりで滞在、助さんたちはそれを遠巻きに見守るという形で話が進む。その九重屋を舞台にしたその藩の次席家老赤根の城代家老八重樫を追い落とすための陰謀というような話
最後がいただけない。お約束の光圀が正体を明かしたあとのことだ。そこで悪役が事が露見したと光圀に刃を向けるということはよくあるが、今回の場合は藩主溝口重雄が光圀を光圀と認め平伏し、藩主溝口がメインの悪役赤根と菊池に切腹を申し付けた後であり、赤根と菊池がやけくそに刃向かうのはいいのだけど、そこで、大勢の配下が光圀一行と殺陣を交わす。これは変、その配下は赤根の配下というより、藩の配下であり、その藩主がもう結論を出しているのに。
その殺陣の最後では、悪役が取り押さえられているが、取り押さえているのはやはり藩の配下の者たちで、それはさっき光圀たちに立ち向かった人なのではとも思われる
殺陣をやらなくては盛り上がらないということなのだろうけど、だったら話の構成を変えるべきだったろう。
小夜福子は、いま視聴中のおやじ太鼓に主要人物として出演しており、おれはこれで初めて名前を知った。元宝塚なのだそうだ

第8話 3月12日 忍び狩り
沢本数之進:伊吹吾朗
秋山次郎右衛門:村上冬樹
浦野:根岸明美
西山道明:菅貫太郎
三郎兵衛:牧冬吉
上杉綱憲:柳生博(役名なしクレジット)
重三郎:浜伸二
おみつ:元長摂
六右衛門:村居京之輔
山伏:藤長照夫
修験者:笹木俊志
上杉綱通:比嘉辰也
風呂番:畑中伶一
百姓:池田謙治
俊助:宍戸大全
秋山袖:宇津宮雅代
尚古堂:青木義朗
川添刑部:安部徹
米沢藩上杉家。ここに出てくる上杉綱憲は忠臣蔵でもおなじみの人物で吉良家から養子にきた人物。先代のご落胤を後継にしようとする城代家老の川添。しかしそれには秘密があり、それを探りに公儀隠密が大挙押し寄せており、川添は忍び狩り、隠密を斬る浪人、を頼んでいて、もう何人も斬っている。というような状況下、お納戸役の沢本はずいぶん前から藩に入っている隠密、次席家老秋山の娘袖と恋仲で、そういう関係性の中隠密の仕事をやり遂げるため、袖と別れを決意する・・・。
忍び狩りのリーダーが牧冬吉
後年格さんを演じることになる伊吹吾朗の出演が見どころ。
ラストのナレーションは切られているが、ちょっとミスがあるようで音声不良になっている

第9話 3月19日 ごますり剣法免許皆伝
北野屋辰之助:目黒祐樹
お梅:北城真記子
お七:伊藤るり子
立花玄五郎:藤岡重慶
堀田内記:永井秀明
彦兵衛:北村英三
浪人:中井啓輔
前回が割合シリアスなトーンだったのに比べるとこちらはいくらかコミカル
米問屋北野屋の若旦那、といってももう自分が主であるが、辰之助は剣術狂い、だが腕はさっぱり、なのに周りがゴマをすり、道場の師範代に納まり、店の仕事には一切目もくれず。
さらに北野屋は藩の家老堀田内記に食い物にされていて、さらに次期剣術指南役を狙う立花と組んで、更なる収奪を狙っていた。
ゴマをする浪人が中井啓輔、また立花のほうは辰之助が師範代を務める道場とは別の道場主だが、辰之助にゴマをすり、いずれこの道場も、などと言っている
前回、光圀の正体を披露するのは弥七。今回は光圀が印籠を渡す形で格さんが行っていて、第3話のときに助さんがやっていたのと同じ形。なかなか後年のような助さん格さんが二人で口上を分け合う形にはならない。あと、光圀の「助さん格さん、もうそろそろいいでしょう」もまだ出てこない

第10話 3月26日 あの紅が憎い
お菊:菊容子
万造:稲葉義男
北島将監:大滝秀治
利吉:西田健
奥田昌能:早川純一
日野屋嘉兵衛:沢村宗之助
鹿渡の伝八:市村昌治
珍しいストーリー展開。紅花農家が花の出来がよくなく、娘たちを売る羽目に。売られゆく娘から助けを求められた光圀は、助さん格さんに言ってそれを助けてやる。といきなり、結末めいたところから始まる。役人も紅花問屋の日野屋に雇われたやくざものの言いなり。
藩も日野屋に多額の借金があり、頭が上がらない。
三幕ものだが、1幕の最後のところで、城に乗り込み、殿様と藩の重役(勘定奉行北島将監)に圀が正体を明かすといういつもは最後にやるようなことをやる。しかも大抵の場合悪役となるし、今回もそうであろうと思われた藩の重役にも正体を明かし、協力体勢を取って、悪役である日野屋を懲らしめる展開に傾く。しかし、その日野屋も、藩に金を貸してるだけで、貸した金は返してもらうのが当然、商人なのだから儲けようとするのも当然と言い放ち、しかし、その言葉に弥七はこっちのほうが正しいといい、光圀も同意する。
まあ結末は一人は悪役を作らなくちゃ納まりが悪いからか、北島将監が無理な借金をしていたとかなんとかで、懲らしめられており、日野屋が勘定奉行になれと言われており、お前も版も百姓も設ければよいと、百姓の娘が編み出した新しい紅の作り方や紅花から作られる薬というアイデアを教えてやっている。
ところどころ安直な展開はあるが、ストーリー展開の珍しさで興味深い

第11話 4月2日 地獄に落ちた悪い奴
牧野平左衛門:浜田寅彦
榊原隼人:玉川伊佐男
泰三之進:中村孝雄
〆香:瞳順子
お牧:松木聖
百姓:北見唯一(クレジットは役名なし)
愚庵:松村達雄(トメ)
中盤までに光圀の正体は知れてしまっているというように、前回ほどではないもののありきたりの展開ではない。
八兵衛は猿の大道芸に夢中で光圀一行から置いていかれ別行動。仇討姉弟と旅路を一緒にする。
光圀一行はその地の良い土地、魚が取れるだとか肥沃な土地だとかから百姓が追いやられている現状を知るも、役人たちから追われ、寺へ逃げ込む。そこの和尚は愚庵で、かつて光圀が副将軍のときに見たことがあるということですぐ正体が知れる。
また光圀一行を公儀隠密と勘違いして、探りに来た町奉行の榊原隼人もそれが光圀だとわかり、城代家老の牧野と相談。
牧野は、その前に仇討姉弟の訪問を受け、その仇が榊原隼人らしいことを知りそのまま伝える。榊原はその仇が、忍びの術を会得しており、姿は変幻自在だと、その姉弟が思っていることを利用して、その仇討姉弟に光圀を仇だと知らせて討たせようと提案する。

第12話 4月9日 なまはげ様のお通りだ!
八重:鮎川いづみ
石塚孫太夫:永井智雄
目付銀:深江章喜
川村棋一郎:村井国夫
浪速屋六左衛門:野口元夫
石塚の部下:西山清孝
川村総治郎:志垣太郎(クレジット順は終盤)
川村さき:毛利菊枝(クレジット順は終盤でトメ)
クレジットでは、「特技:宍戸大全」が端役のクレジットと並記で出てきて、その後「協力:俳優座」が出てくるが、その間に単独表記で数名出演キャストクレジットがある。今回の場合、志垣と毛利
悪家老と商人の結びつきというありきたりの内容
光圀一行が宿で銃撃事件に遭遇、隣の部屋から、通りの行列に狙撃。隣の部屋の男(永井智雄)を助さんたちは一旦取り押さえるものの、光圀の「舌を噛むぞ」という言葉で一瞬ひるんで逃がしてしまう。
その後光圀一行も牢に入れられるという展開で、考えてみると、その後光圀一行が家老たちの悪を探る機会もなく、なぜいつものような展開になるのかという疑問がある
総治郎は町人風の頭と格好で母親に会いに行く場面、母親がその格好はどうした、と刀を渡す場面があり、そこで追手の映像が挿入され、次の場面では総治郎が侍姿になって刀を差し、母親の家から出ていく場面。まあその間に髪の毛を結い直す時間があったんだろうけど。
光圀が正体を明かす場面というのは見どころの一つであるが、この回では総治郎に正体を明かす場面が省略され、いつの間にやら知っているという風になっている。
サブタイトルは八兵衛の発案で、それを油断するかもと取り上げられ、なまはげの面をつけて家老の家へ乱入。油断しきった悪役たちが見もの。
永井智雄、前回の玉川伊佐男に似ており、実は前回見ていたとき、永井智雄かなと思いながら見ていた。結構な年齢の割に忍びの術を会得している役として、結構な動きを見せておりびっくりしていたのだ。永井は14年生まれ、玉川は22年生まれ。玉川にしても50歳超えで、結構な年齢である
今シリーズになって緊張感がなくなった感じがある。マンネリ化ということだろうか、でもまだお約束が確立した感じでもない。ストーリー的なお約束は固まった感じか。
緊張感がなく、マンネリ化という中でもまだ面白い。緊張感がなく、マンネリ化というのは水戸黄門の特徴でもある

第13話 4月16日 曲わっぱの恋
お杉:望月真理子
三木文之進:高橋長英
小野寺外記:河津清三郎
重蔵:浅野進治郎
田代甚太夫:外山高士
黒木甚八:木村元
河内屋三衛門:志摩靖彦
高橋長英が石高が低い侍で、生活のためのわっぱ作りに誇りを持っているという純真な青年役。その母親は、そういう息子の生き方を認めておらず、旧来型の侍の誇りを堅持しようとして、息子に冷たく当たっている。
藩では本家の財政を助けるため、水害を守るための木を大量に切る計画を立てており、しかも、そこには帳簿に乗ってない隠し山の木も含まれていた。
終盤に山の中で結構な規模の殺陣があり、そこに光圀も助さん格さんも参加しておらず、それだけじゃ物足りないからだろう、次の場面では、光圀一行が悪の本尊へ乗り込んで、小規模な殺陣という構成、こういうのはさほど珍しくはないかもしれないが。
お約束の場面では、印籠はなし。格さん、助さんの順で口上と最終形に近い

第14話 4月23日 落ちて来たおしら様
上田仁左衛門:松本克平
与左衛門:成瀬昌彦
伍平:河野秋武
山口三左衛門:横森久
勘太:佐藤京一
お道:隅田和世
直吉:矢崎知紀
勘七:下元年世
百姓:日高久
百姓の平村と猟師の落合村の対立。百姓の村を荒らし回る猟師、一方猟師側の言い分は罠が壊されたり、自分たちは取らない梢の生き物が殺されていたり。
銀山が見つかり、二つの村を壊滅させようと企んでいた山奉行の企みであった。
横森久、そればかりではないけれど、こういう役職のある悪役で、わりとしみったれた感じという役が多く顔つきが立派なわりに、小者というところがとても似合う
お約束の印籠場面、格さんが印籠を出して口上、それに続いて助さんも口上と、最終形に近いが、それを出す場面が、お馴染みの形でなく、城下が厳戒態勢で道も捜査のため塞がれていて、そこをなんとか通るためという、結構せせこましいところでの印籠披露
おしらさまとは東北北関東の農家の間で信じられていた守り神、光圀一行は道に迷い崖から光圀が落ちるという危機的事態、そして光圀は村の者に助けられ、そこの子供におしら様だと信じられてしまう

第15話 4月30日 津軽哀歌
卯之吉:樋浦勉
佐吉:地井武男
おいち:磯野洋子
烏帽子屋五兵衛:見明凡太郎
塩屋源八郎:穂高稔
油川の又蔵:高品格
与吉:岡浩也
三角関係と代官、ヤクザがグルの悪事の二本立てでここが妙味
太鼓を作り商う烏帽子屋。ここの娘と夫婦になり後継ぎになる予定だった一番弟子の佐吉は修行のため旅に出てしまい、彼が戻ってきたところから始まる。
旅に出ている間に主人が亡くなり、娘のおいちは二番弟子の卯之吉と夫婦になり、与吉という息子も生まれている。とこれが三角関係ストーリー
一方で代官とヤクザで、烏帽子屋の持つ山の材木を狙った悪事のストーリーがある
三角関係の山場、佐吉がおれにおいちと与吉(※)を返せなどと言い始める場面では、そんなことより山の材木の話のが重要じゃねと思わないでもないし、旅先で烏帽子屋がどうなってるか聞いた上で帰って来てるのに、よくそんなこと言えるなとも思える。
(※)与吉は佐吉の子であり、おいちが妊娠してるのを佐吉には伝えずに旅に出ている。ということはおいちのほうでも、父親の急死というのがあったからこういうことになったというのはあるが、それがなくても、子供は生まれてくるわけで、いずれ何かしらのトラブルは発生していたはずだ。まあ佐吉の子供ということで、帰ってくるのを待つという形かねえ
また中盤で光圀は悪役の代官に正体を明かしており、そこで代官は平伏して、悪を懲らしめることを約しているが、その言を覆して、つまり光圀を向こうに回してまだ悪事を遂行するという、これはちょっと事態が理解できないバカのように見えてしまう

16,17欠番
第18話 5月21日 駈けろ若駒
千坂隆太郎:青山隆一
依田吉之介:小瀬格
権右衛門:富田仲次郎
南部広信:中村竜三郎
権太:前川哲男
権次:平沢彰
(以下「特技:宍戸大全」の後、「協力:俳優座」の前)
浅川平之丞:滝田裕介
千坂加代:津島恵子
献上馬を育てようとしている親子、三年前に献上馬が毒殺されたことの責任を取って自刃した御馬奉行の妻と息子だった。
そしてその件はそのことで後継御馬奉行になった浅川平之丞らの悪事であった。
お約束の印籠披露から口上での光圀が正体を現す場面は、ちょっと変則的ではあるが、印籠を出す格さんから始まり、口上もだいぶ後年のものに近くなっている。
これの後に、隆太郎が仇討ちを願い出て光圀がそれを許し仇討となる展開。こういう展開は珍しくはないが、正直言って現代の嗜好からするともう勝ち負けが決まって悪人は殿様から懲らしめられるとわかっていながらも仇討というのは合わないように思う。後年の作品ではこういうのは減ったのではなかろうか
キャストクレジットではトメに当たる箇所が終盤にあり、それは「特技:宍戸大全」の後、「協力:俳優座」の前(これ以降の回については「トメ」とだけ表記しておく)。ここに単独表記が数名入るのだが、そこに一人も出ない回もある。今回は滝田裕介と津島恵子の二人。
今回のメインゲストともいえる隆太郎と弥七が特別の交流を育んでおり、弥七がフィーチャーされている回でもある

第19話 5月28日 七人の暗殺者
天草一郎太:内田勝正
月岡修理:伊達三郎
安井頼母:夏目俊二
黒沢孫兵衛:梶健司
天草三郎太:北九州男
天草次郎太:遠藤征慈
天草七郎太:丘路千
天草六郎太:阿波地大輔
天草四郎太:藤本秀夫
天草五郎太:滝譲二
ゆきの姉:丘夏子
ゆき:玉山由利子
役人:大城泰
笹丹波:水島道太郎(トメ)
いつもとは変化をつけたストーリーで、こういうのがたまにあると面白く見れる。
通りかかった村が、今しがたまで人がいたような気配、食事の用意がされてるなど、が人が一人もいない。手紙を持って馬に乗り少女がやってきた。その手紙を奉行所へ届ける光圀一行。
村民全員を人質に取り、温泉に立てこもり、奉行を呼び出す天草兄弟一味。
この奉行安井頼母のキャラがちょっと面白い。町人に意見される時代劇の奉行となると普通は高圧的なのだが、ここでは、いきりたって入ってきた町人に対して優柔不断、村民を救うためにとにかく現地へ赴けと言われても、ああだこうだ言い訳をするあたりが面白い。
光圀は格さんを連れて、一足早く、現地へ湯治に来たという名目で乗り込む
結末としては実は次席家老月岡修理が城代家老笹丹波を追い落とすための作戦であり、一味は雇われていたのだった。
光圀は最終手段として、一味との戦だと言い切り、一人ずつ殺していく。
カットがあるのだろうなあ。次席家老がどうなったかわからない。いや、カットじゃないかもしれない。城代家老は藩の恥を知らしめることになるため、次席家老の陰謀ということを一郎太が口にしそうになったとき、その口を封じており、光圀は城代家老と、ここであったことを秘密にして別れる約束をしていた。次席家老はこの後城代家老が腹に収めて藩政を行うということなのだろう
ちょっとわからないのが、天草一味はまず、町奉行の笹次兵衛に恨みがあるとして、呼び出しをかける。笹次兵衛はもう死んでいて、新奉行(先の優柔不断)が交渉にあたり、いないのなら、妻や子を要求し、それもいないとなると兄弟を要求しようやく、城代家老笹丹波に辿り着いている。これも最初からわかっていての作戦か。

第20話 6月4日 湖水の女
庄兵衛:北沢彪
おりん:吉沢京子(トメ)
木を使いお椀などを作る木地屋の話。
山の木を使ってはならん、使うなら運上金を二倍にして払えとう命令に頭領の庄兵衛は殿さまへの直訴に向かうも殺されてしまう
その仇討の話が主で、おりんが格さんに武術を習う場面がかなり長い
結末としては運上金がそもそも設定されておらず、郡奉行が勝手に巻き上げていたのだったという悪役ぶり。
最期は光圀の前で仇討となり、助太刀なしで討ち取っている。
吉沢京子が少し若く野暮ったく見える

第21話 6月11日 南部鉄瓶由来
佐々木由美:本阿弥周子
嘉平:溝口舜亮
孫六:太刀川寛
吉五郎:金井大
久兵衛:小林重四郎
野口武太夫:二瓶秀雄
南部大膳行信:細川俊夫
仙八:砂塚秀夫(トメ)
佐々木嘉平次:島田正吾(トメ)
冒頭に出てくるのが八兵衛と仙八のわんこそば対決、砂塚の明るく調子のよいキャラがよい。
南部釜の名人佐々木嘉平次と弟子の嘉平、嘉平次の娘由美が中心のストーリーで仙八は破門になった嘉平を匿って助けるという役
八兵衛が仙八と友達になったことから多少フィーチャーされている。といっても出ずっぱりという感じではない。そしてその他一行の出番が少ないという割とレギュラー以外だけでストーリーが進行しているような気がした
クレジット順において、ゲストトップというのがあいまい。ここでは本阿弥だが、レギュラーの光圀(単独)、助さん格さん、弥七(単独)とあり、次に八兵衛と並記で本阿弥という形なので、レギュラーとの境目があいまいで、トップという風にあまり見えず、それゆえトメのところに来るゲストの名前が目立つ
その本阿弥、そして金井大が若く見える

第22話 6月18日 激流に実る恋
川村加奈:亀井光代
吉村兵庫:夏八木勲
内藤政親:柳生博
近江屋源助:嵯峨善兵
上泉玄藩:神田隆
名主・善兵衛:増田順司
だるまの重兵衛:永野達雄
山本一郎、志賀勝
堤を築いて川の流れを変え土地を開拓しその土地を百姓の与えようと測量にせいを出している加奈。そしてその行動を守ろうとする浪人の吉村兵庫
とにかく夏八木が目立つ回
そして構成としては変則的な展開。第3幕の序盤で、捕らえに来た役人に対し光圀は城へ行こうと、身分を明かし、殿様と対面して一気に解決を図る。で、解決するのだが、まだ放映時間はたっぷりあるわけで、ここから悪役がもうひと踏ん張りするという展開なのだが、その変則パターンが成功しているという風に見えない。
ただその終盤のところで、吉村と加奈が結ばれていく展開が盛り込まれており、まあそのためのこの展開ともいえる。
吉村と加奈はなんというか、あまり関係性が濃くなく、単に隣同士に住んでいるという縁だけだと説明されており、また吉村のほうは純情そのもので、加奈とのことを言われると怒り狂うという設定。
が、その終盤で矢で射られた加奈を見て、激高し仕返しに行った吉村について、兵庫が死んだら自分も生きてはいないと、愛情を口にする、ちなみにこれを聞いていたのは八兵衛なのだが、その後の場面では、助さんが加奈がこんなことを言っていたと吉村に聞かせており、ここは変である。
そういや始まり方も異例で、この吉村は助さん格さんに匹敵するほどの剣豪で、冒頭でやくざどもを締め上げ、光圀たちが番所へ連れて行きなさいというのを、それじゃあ金にならないと、親分のところへ乗り込み「落とし前」として金を要求するという風に善玉が悪役をやっつける場面から始まる。ここでの悪役はだるまの重兵衛で、悪役といっても、この場面にしか出てこないストーリー全体の悪役ではないが。
永野達雄は老中役などでお馴染みであるがここでは珍妙な格好でやくざの親分

第23話 6月25日 泥棒にされた黄門さま
亀太:加賀爪芳和
伊東空斉:待田京介
大庄屋仁左衛門:浜田寅彦
山岸治郎右衛門:宇佐美淳也
山住五兵衛:井上昭文
今回もかなり変則的展開。盗賊が跋扈しており、その取り締まりが強化されている藩。が、探ってみると、甲賀の忍衆のようで、ということは幕府の隠密。そこで光圀は藩の家老で旧知の山岸と面会し、幕府が藩の取り潰しを考えてるらしいことを悟り、甲賀の忍衆と戦うことを決意するという全体の流れが序盤という早い段階で決する
浜田寅彦という人は善悪どちらでもの人で、だが悪役で見ることが多い。ここでは人望のある庄屋、最初の場面を見るだけで悪役では絶対にないとわかる。こういうのが名優だと思う。
というかこの人は善玉のほうが似合っていて、が、善玉系統の人がやる悪役の凄みというのもうまく出せる人で、それゆえ悪役が多いのか。
子どものころに、これだ、という風に見た記憶はないものの、多分しょっちゅう見ていたんでないかなあ。後年になってこういう風に時代劇の再放送なんかを見てるときに、昔よく見た俳優のうちの一人という認識だ。
川谷拓三らしき顔がある。浜田寅彦の庄屋に逃散を説得される百姓の一人で、セリフもあり。ノンクレジット
クレジット順において、ゲストトップというのがあいまいという件、ここでは八兵衛と並記が子役の亀太:加賀爪芳和。続いて待田京介が単独表記で、これはどう考えても待田京介がゲストトップ(トメはいない)。
待田京介という人は、滝田裕介だとか清水綋治に似た顔つき。まとめて画像を見てみると、仲代達矢もこの系統の顔つきだ
子役の亀太というのも活躍する回。冒頭で道端に座り途方に暮れているのを光圀が見て、助さんに面倒を見るよう言い、そこで助さんに懐き、ずっと助さんと行動をともにし、事件解決の手助けもする

第24話 7月2日 牢破り
奥村喜一郎:森次晃嗣
彦坂源八:菅貫太郎
木村啓之助:住吉正博
早坂刑部:鈴木瑞穂
目明しの儀助:荘司肇
早坂弥平次:大村文武
奥村綾乃:田代千鶴子
囚人:伴勇太郎
囚人:川谷拓三(役名なしクレジット)
お豊:清川虹子(トメ)
奥村喜一郎と綾乃が父の仇討免許状を持ち、仇を探している。お豊はかつて奥村家に女中としてあがっていて恩があり、その息子が木村啓之助で吟味役。
奥村の仇が早坂弥平次で、その叔父が代官の早坂刑部。刑部の指令で同心の彦坂源八や儀助が喜一郎を追い回し、罪を被せて始末しようとする
八兵衛と並記が奥村喜一郎:森次晃嗣。彦坂源八:菅貫太郎と木村啓之助:住吉正博が並記。どれが格上かわからないが、まあストーリー的には森次のほうが上だろう。今回はトメがあるけど
住吉正博が善玉、正義の吟味役、最期には代官に出世しているが、あまりに合わないなあ。善玉悪役にかかわらずもうちょっと小者の役のが似合う
格さんの早変わりの場面がある。お宿改めで、部屋に喜一郎が来ており、宿の主人が侍も一人いましたと話しているのを聞いて、格さんが町人姿から侍姿へ早変わり(喜一郎は部屋の外で隠れてる)。って、いくらなんでもそんな早変わりは無理だってえの

第25話 7月9日 狙われた弥七
おその:珠めぐみ
奥州屋清次郎:早川保
雨宮七十郎:原田清人
濡れ髪の源蔵:戸浦六宏
血桜十兵衛、甚助:吉田義夫
大沢靫負:加賀邦男
吉兵衛:波田久夫
山崎屋由兵衛:市川男女之助(役名なしクレジット)
伊兵衛:島田秀雄(役名なしクレジット)
盗賊一味:中村錦司(役名なしクレジット)
弥七と過去に縁のあるおそのと源蔵が登場。15年前、まだ盗賊だったころであり、光圀と知り合う10年前とのこと。
そして展開が異例。
どういえばいいか、大岡越前だとか鬼平だとかの江戸を舞台にした捕物ドラマのようである。そもそも光圀一行が旅をして、その旅先での事件ということだけ考えると、こういう回があってもいいのかもしれないが、あまりにも光圀が裁くような話でもなく、一応光圀印籠の場面はあるにはあるし、最期には正体披露して、城から迎えがきたりと大仰になってはいるが、本編ではほとんど水戸黄門らしさはない。そこが面白いともいえるが。
まず冒頭がそう。強盗団が押し込みに入る場面からで、よく大岡越前、鬼平などでありがち。そして水戸黄門の冒頭といえば、ほぼ毎回光圀一行の旅の様子であり、そこから見ても異例。
そして端的に言えばその押し込みを罠にかけて捕まえるというストーリーだ。そこに弥七と登場人物の因縁が絡むという形式
清次郎と与力の雨宮がいくらか不気味で悪役なのかもと中盤あたりまでわからなかったのだが、これはそう見せようとしてたか、おれが単に鈍いだけかわからん。ただ、そういったことも、見応えがあることに繋がったように思う。
戸浦六宏が若々しく、またそれを兄貴と呼ぶのが中村錦司で、中村は年寄りのころのをよく見ているので、そもそも兄貴なんて呼ぶ存在がいるのが面白い。そして両方とも盗賊一味で、身軽な感じが珍しい、とくに中村の方はそういうのを見たことがほとんどない

第26話 7月16日 黄金の誘惑
早坂奈津江:鮎川いづみ
木地屋五兵衛:藤原釜足
綱木頼母:須藤健
岩崎弥九郎:天津敏
杉山良以:北村英三
銀六:汐路章
黒田伊十郎:高木二郎
早坂平馬:佐々木功
おしん:小田まり
出来が良くない。作品の核心となる部分が全くダメ
一行が若い侍(佐々木功)が襲われて斬られるのに行き当たり、亡くなる間際の言葉を聞いたことからそれをなんとかしてやろうとするも、彼が誰なのか、何をすればいいのかもわからない中手探りで動き出す。名前やその行き先、なつえという女の名(山道で叫んでいたのを見かけた)などが手掛かり。
助さんがその死んだ早坂平馬に化け、印籠を腰に下げ、骨壺を抱え、宿の女中に聞いた彼の行き先へ旅をすることになる。で、辿り着いた先で平馬の妹なつえに会うことができる。
なつえは盲目。再会の場面、ここが問題の箇所。
なぜか助さん、及び一行は助さんがなつえの兄平馬であると誤魔化そうとするのだ。
この理由がまずわからない。これこれこういうことがあり、どういう事情か分からないまま、なんとかここまでたどり着きました、と正直に言って、平馬の素性などを聞けばいいだけである
また、なつえと平馬がどれくらい会ってないのか、数か月なのか、子供の時別れて以来なのか、後者なら騙せる可能性はあるが、前者なら声ですぐわかってしまうだろう。
と、やる理由もなく、失敗する可能性の高いことをやろうとするのが見てられない。そしてこの場面も長いし、その後もなつえが兄でないことを気付いているのがわかっても、この助さんが平馬に化けるということを止めないので、なかなか見るのがつらい感じである。
まあわかってしまってもこれを続けるというのは光圀がなつえが言いだすまでこの芝居を続けようと言っており、それはそれでわかるのだが。
鮎川いずみが大きくフィーチャーされる。眼科医にかかり目が治る場面なんかは大活躍。
眼科医は北村英三
手術の場面。昔の作品だから仕方ないかもしれないが失笑もの。現代の製作ならどうなるというものでもないのかな。現代に現代ものの医者を扱った作品なら、実際とは違ってもそれなりに納得いくくらいまで細かく作るだろうが、結局は舞台が江戸時代だからねえ。現代制作する時代劇となるとあまりないが、赤ひげ先生を船越英一郎でやってたはずで、あれなんかを見たらおれはどう思うのだろう。
と、これは「破れ傘刀舟 悪人狩り」のところで書きたい話。
そしてこれも「破れ傘刀舟 悪人狩り」を見ているときもよく思うのだが、「名前と顔が一致」の話
時代劇ばかり見ていて、だいぶ常連俳優を覚えた。
キャストクレジットで名前を見て顔を思い浮かべることはできるのだけど、逆に顔を見ても名前が思い出せないというのは非常によくある話。今回も豪勢なキャストだが、須藤健、天津敏、汐路章、高木二郎あたりがそれ。
ラストナレーションカットがされており、そのためだと思うが、旅立ちの場面で、一行が歩き出し、助さんが立ち止まり振り返る、奈津江を見たのだろう、そこで映像が多分カットされ、一行が歩き去っていく場面となり終わる。多分助さんが振り返り、その顎に奈津江のアップになったのだと思うが。もし奈津江のアップがなかったにしても、もうちょっとその助さんの振り返りの一連の動きを最後まで入れてほしい、振り返る途中くらいで切れてるのだ

第27話 7月23日 士魂
有村律:川口敦子
石立刑部:渥美国泰
矢崎賢八郎:高野真二
武平:平井昌一
堀田正仲:松原光二
庄屋譲右衛門:岩田直二
長田屋次助:郡司良
有村粂太郎:三木豊
有村伊兵衛:木村功(トメ)
有村伊兵衛が善玉、正義の塊のような人で代官、妻が律、息子が元服間近(作中に元服の場面がある)の粂太郎。武平は有村家の用人、百姓をまとめるのが庄屋
治水のための工事を藩が賛成しないので自費で行う。悪役は家老石立刑部と奉行矢崎賢八郎。工事の邪魔をし、それでも怯むことなく工事が続き、ついに完成してしまうと、伊兵衛に押し込みの嫌疑を着せて牢へ。
奉行矢崎、終盤まで伊兵衛の三方のようなふるまいで、すっかり騙された。見終えてみれば、その味方っぷりがわざとらしいかもしれない。高野真二という人はお偉い役職の役をよくやる人で、悪役かもしくはストーリー上当たり障りのない役の人で、わざと善玉っぽく振る舞っていたので、なにかあるぞとは思って見ていたのだが。
終盤ちょっとだけお約束からはみ出したような展開だがそれはすんなり受け入れられるような演出だった。家老の悪事をすべてわかったところで、光圀が名乗って城に出向き、殿様以下と対面、そこでその悪事を暴露していくという展開だ。
が、ラストは驚いた。光圀の失策とまで言えないものの苦い終わり方。光圀が城へ行っている間に、伊兵衛は自害してしまうのだ(伊兵衛にも一応罪があり、私財だけでは足りぬため徴収した税を担保に借金していたことを罪状に入れられていて、その責を取っての自決である)。光圀が順番を変えて、伊兵衛とともに城へ行くとかしてれば、こんなことにはならなかったのに。

第28話 7月30日 庄助さんの娘
お菊:東三千
小原庄助:織本順吉
梅沢与太夫:横森久
笹屋重吉:遠藤辰雄
多七:浅野進治郎
多助:小川真司
田川の留吉:山村弘三
弁天の島五郎:小田部通麿(役名なしクレジット)
やくざ:秋山勝俊(役名なしクレジット)
居酒屋の親父:北見唯一(役名なしクレジット)
やくざ:大橋壮多(役名なしクレジット)
織本順吉、地味な名演。名優だなあとつくづく感じる
造り酒屋の主だがすっかり酒浸り。そしてそこで作られてる酒がまずい酒。なぜこんなことになってるのか探っていくと、罠に嵌められ、代官梅沢と笹屋の政策、酒を一つ銘柄にして藩による酒の専売、、に反対したことで、罠にかけられ造り酒屋の仲間である田川の留吉を殺したことにされ、笹屋の傘下に入りまずい酒を造るという約束をさせられたのだった。
まずい酒という言葉が頻繁に出てくる。もうちょっと言い様がないのかとも思うが。一つ銘柄にすれば余計な競争もなくなり、品質を落として安い酒を造るということが政策なのである

第29話 8月6日 しのびの殿さま
お秀の方:木村俊恵
松平大和守正保:勝呂誉
守山外記:北原義郎
谷口弥平次:藤岡重慶
矢部音十郎:可知靖之
北川伊之助:五味竜太郎
居酒屋の客:神戸瓢介
構成はちょっとだけ異質で、藩主を殺して後継を狙うみたいな話で、こういうときはよくあるパターンだと、二人の家老が争って、一人が善玉、もう一人が悪役となるのだが、ここでは、殿様を守る側がストーリー上まったく出てこない。
世論を聞くためと称してお忍びで田畑や町に出る殿様、正保。お付の谷口弥平次は、殿様がやってくることを触れ回り、例えば百姓にその間は農作業をやってろ、話しかけることはならん、とお触れを出しておく。居酒屋では、誰がどのように話しかけるか決めておく、といった塩梅。まあ例えるなら、現代でもあるようなことであり、天皇陛下が外へ出られるときも全部決まっているのであろう、ただ違いは、その殿様は、お忍びであり誰にも気づかれていないと信じており、見せられているものが仕組まれたものだと気付いていないこと。まあバカ殿であるが、作品途中で助さん格さんはバカ殿だと思っていたがなかなかのお方だ、一肌脱ぐかなどと言っている。
家老の守山外記は先代のお秀の方と繋がっており、その子を後継ぎにするため、殿様を斬ることを計画し浪人一団を組織していた。
五味竜太郎、殿さまを狙う浪人団のリーダーというまあ彼にとっては普通の役だが、剣豪という設定のようで、助さんとの一騎打ちになる場面は見ごたえたっぷり

第30話 8月13日 御用金強奪事件
白石屋の娘お峰:葉山葉子
溝呂木一作:深江章喜
丑蔵:田口計
秋葉勘十郎:穂高稔
杉森救女:永田光男
福本清三(役名なしクレジット、悪役の子分、よく映ってる)
サブタイトルが安直というかストレート。一行が御用金運搬に行き会い、それが強奪される現場を見る。どうも内通者がいるという不審を持ち、探り始める。
弥七らが強奪を企む一味に加わり捜査を進めると意外な犯人が・・・。
霞のお新登場、この後一行と共に旅をするようだ
お新は父親の兄弟分の法事にやってきたという設定で、その兄弟分の娘がお峰
葉山葉子という人は、実際にはそんなこと覚えてないのだけど子供のころ見てた時代劇によく出ていたというような懐かしさを感じる顔で、今出川西紀を思い起こした。今出川西紀のほうは、大人になってから子供のころ見ていた時代劇、必殺なんかを見るようになったとき、確実に子供のころよく見た顔だと思い出したものだ。
どちらも幸薄そうなところも似ている
幸薄いといえば三浦リカのウィキに「テレビドラマ『水戸黄門』では、最多出演のゲスト女優である。ゲスト出演が多い理由について「貧しい娘役が似合うと思われたのではないか」と述べている」と書かれていて、今出川とか葉山とは別方向の幸薄い感じがある
お新が登場してクレジット順に変更あり。助さん格さん並記の次に弥七が単独、次に八兵衛とゲストが並記というのがこれまでだったが、今回から助さん格さん並記、八兵衛お新が並記、弥七が単独、でレギュラーが済となり、ゲストのクレジットになる。これで第21話などのところで度々書いてきたゲストトップがあいまいという問題は解消する

第31話 8月20日 仇討無用
牛追い権九郎:沢村宗之助
治助:長浜藤夫
小浪:旭輝子
お若:松平純子
やくざ:内田勝正
やくざ:井上茂(役名なしクレジット)
浅利又四郎:大友柳太朗(トメ)
大友柳太朗フィーチャー回。前半はワンマンショー的な作り
そして全体的に喜劇チックであり、その中心が大友。大友の喜劇的なものはあまり覚えがないのだが、これがなかなかよい
仇討の旅をして26年にもなる又四郎が光圀を仇と思い込みつけまわすという展開
大友に時間を取られ悪役が悪役風味の少ない、というより悪役不在の回といってもよいくらいで、でも最後に取って付けたように、その会に出てきていたやくざを悪役にしている。やくざだから、まあ町の者を苛めてるみたいな描写はあるが悪さはそれくらいである

第32話 8月27日 からくり異聞
佐吉:橋本功
おみつ:北川美佳
酒井采女:竜崎一郎
田尻仁三郎:近藤宏
沖山:小笠原良知
お濃の方:伊吹友木子
戸田忠世:市川男女之助(役名なしクレジット)
奥平昌能:水上保広(役名なしクレジット)
久助:志村喬(トメ)
家老酒井による藩主暗殺計画。家老の妹お濃が側室であり子の竹丸を世継ぎにして、酒井が藩政を恣にしようというのだ
若殿が大殿の還暦祝いに茶室を作る。そしてその茶室は家老の暗殺計画のための、からくり屋敷が作られようとしており、それが作れるのは飛騨伊丹流の秘伝書を持つ宮大工に限られる。それが志村喬の久助。
キャストについてはウィキコピペに自分でも少しつけくわえているのだが、戸田忠世:市川男女之助と、奥平昌能:水上保広のところ、後者は間違っている。この二人は親子で、宇都宮藩の大殿様と若殿様で、作品内での呼び名は戸田忠世(ただよ)と戸田忠成(ただなり)。多分このころの宇都宮藩主が奥平昌能であるから、この名前を入れたのであろう

第33話 9月3日 長槍始末記
小宮市之介:山本圭
小宮美保:金井由美
日向頼母:川合伸旺
北原浅衛門:横森久
本多忠良:武内亨
庄作:増田順司
小田切勘兵衛:中村竹弥(トメ)
福本清三がクレジットなし、検地の場面で小宮の後ろにいる
多少凝っていて面白いストーリー
善玉として藩の新勘定奉行小宮がおり、さらに旅の浪人小田切勘兵衛がいる。小宮は藩政改革を手掛けているが、検地の見直しをやろうとして百姓が反発、勘兵衛に邪魔をしてほしいと頼み、勘兵衛は承諾、という具合に善玉同士が対立となる。
山本圭のクレジットを見ていたが、登場のところでは気付かず。顔がちょっと悪役にも見える顔で、悪役かなと思ったのだが、それと同席している前勘定奉行で現城代家老日向頼母と目付の北原浅衛門、川合伸旺と横森久が揃っているのでこちらが悪役だな、と。
小宮は妻の美保にその検地を邪魔した浪人が父親であることを告げる。
日向に炊きつけられた勘兵衛は小宮を暗殺しに行くが、そこで父息子の対面となる。とここら辺の展開は都合よすぎか。
その父子対面について弥七らから報告を受けた光圀は、すでにそのことを知ってた様子で、どこで知ったのだろう。
もうひとつ変なことがあり、勘兵衛が役人に連れて行かれ、日向の屋敷に連れて行かれる、ここで炊きつけられるのであるが、連れ込まれた様子を見ていたのは助さん格さん、その報告を光圀にすると、連れの三人の侍は小宮を襲った三人ですぜと弥七(小宮が三人の侍に襲われた場面が先にあった)、でも勘兵衛が連れて行かれる様子を弥七は見てないはずだが

第34話 9月10日 家康公のお墨付
芳賀太左衛門:金田龍之介
太吉:石山律
お美代:沢久美子
笠原彦六:高津住男
茂市:高原駿雄
檜垣五郎兵衛:中山昭二
古島大八:楠本健二
東照神君家康のお墨付きを笠にやりたい放題の大庄屋芳賀太左衛門。代官も言いなり。とこの二人が悪役。
その横暴ぶりを直訴しようとしたのが太吉と村役の利右衛門だが、利右衛門は殺され、太吉がその殺しの容疑で捕らえられた。太吉の仲間、茂市、善人面で登場したが、実は庄屋のスパイ。
茂市の息子しょうたは父親を庄屋をやっつける正しい人と信じており、茂市の方も脅されてやらされていただけ、光圀に諭され、善玉となり、代官の前で庄屋の悪事を申し立て、代官は怒るも、光圀登場
ここで光圀、庄屋を捕えるよう代官に命じる、というあたりは珍しい形。
代官は庄屋を捕えに行き、その後ろには光圀一行。光圀対太左衛門、副将軍対家康のお墨付き対決は面白い
この回だけなぜかお新が右に八兵衛は左にクレジット、他は逆

第35話 9月17日 旅こそ人生
谷口武兵衛:岡田英次
中山源三郎:大塚国夫
坂田河内守:幸田宗丸
逃水の利兵衛:牧冬吉
蝦蟇の油売り:古川ロック(クレジットでは役名なし)
笠井次郎左衛門:藤木悠
水戸へ戻る直前から始まる。そこで江戸へ向かうため弥七たちは一行に別れを告げるが、茶店でお新が盗人の逃水の利兵衛を見つけ、二人は後をつけることにし、今回の事件に関わり合うことになる。
その事件とは、中山備前守死去後の後継ぎ騒動。ウィキに「中山備前を演じた永田靖は放映開始前の1972年9月に死去しており、第1話が生前最後の出演となった。これに伴ない役柄の備前も光圀が旅をしている間に病没したこととされ、帰郷後にそのことを聞かされた光圀が感慨に耽る描写がある」とあったのを読んでいたので、少し触れられるだけかなと思っていたが、今回のストーリーの中心であった。なおウィキには先にコピペした部分の後に「また、最終話は備前の逝去による中山の家の跡目相続を巡る陰謀を光圀が解決する筋立てとなっている」と、そのことがちゃんと書いてあった。
一方光圀一行のほうは水戸へ辿り着く前に、用心棒を買って出た笠井次郎左衛門なる蝦蟇の油売りと連れ立っての旅となり、水戸で起きている事件のストーリーの方にはなかなか絡まない展開。また藤木悠はトメの位置にクレジットされてるが、その本編ストーリーには絡まず、光圀を筑波で行われる蝦蟇祭りに連れて行ってしまうというだけの役回りである

これが放映終了後は第5部の放映開始。まだまだ継続して見ることができる