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旅屋おかえり [連ドラ]

NHK
全8回(4つの話がすべて前後編で構成されている)。2022年に「秋田編」「愛媛・高知編」(全4回)、2023年に「長野編」「兵庫編」(全4回)放送されたとのこと
原作は原田マハ
その原作についてウィキから--
唯一のレギュラー番組を打ち切られた「よろずやプロ」所属タレントの女性が事務所に届いた女性のメールをきっかけに旅代行業を生業として全国行脚をする過程を描く
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現在、最初の「秋田編」を前後編視聴
ハートウォーミング系。
主演が安藤サクラで丘えりか(通称:おかえり)役。見どころは彼女に尽きるという感じ。いつもニコニコと笑顔でポジティブなキャラでそこがとても魅力的。いとうあさこに似た感じの顔つきで、演じられているキャラもなんだかちょっとだけ彼女を彷彿と。動画を自撮りしながら旅をするという場面がとてもたくさんあるのだが、その際の演出や仕草が、いとうあさこだったらこんな風にやりそう、と。
ちょっと難癖を。
最後、えりかが依頼者である真与に旅の動画を見せる場面、会いたかった陽斗が出てきたことで、真与に顔の変化が出てくるが、その後の動画の展開から、その地でえりかが出会った人々皆が真与とは深い繋がりがあったとわかり、なら、動画に陽斗が出てくる前に、その地で出会った人が続けざまに出てくるあたりで、何かを予感し、表情に変化があってもいいのではと思う。多少そう取れるような表情もあるが。
ここからは作品と関係のないことを。そしてかなりどうでもいいことを。
自分の記憶についてだ。とても薄い記憶だ
原田マハという名前を聞いて、原田宗典という名前を思い出す、原田宗典、というか読み方はあやふやだが原田宗なんとか、という人がいたはずで、そしてこの原田マハと兄妹だったか、従妹だったか、なんらかの縁があったような気がする、くらいの薄い記憶。ウィキを見たら、当たってた。
そしておれはこの原田宗典にしてもとても薄い記憶しかないのだ。一冊くらい読んだのかなあ、とてもつまらないものを読まされたという記憶とともに、この名前が結びついている。でもなんで読んだのかなあ。この先は思い出せないが、自分の好きな誰か、多分文筆業の誰かとこの原田宗典が友人だかの交友があり、それに興味を惹かれて読んだのだったと思う。で、読んでみてつまらないと思ったのだと思う。でも原田宗典のウィキを読んだ程度ではその誰かは見つけ出せないし思い出せなかった。
さらになんて本だったかなあ、と記憶を辿る。エッセイだったはず、で、すばらしきせかい、とかいう署名を記憶から引っ張り出した。で、ウィキの著作リストを見ると、『スバラ式世界』というのがあった。1990年に単行本でのちに文庫とある。ちょうどおれが本を大量に読んでいたころだ。
ほかに『東京トホホ本舗』、『むむむの日々』なんて本もあり、椎名誠の世界と通じる。椎名の本もかなり読んだので、この両者に交流でもあれば、おれもそこから原田に辿り着いたのかもしれない。
まあ、どうでもいい話。

※追記
4/20視聴
「愛媛・高知編」
結論からいえば、今回もよかった。
ここからは批判めいたことを多く書くが、まあ難癖に近い
まず、今回の依頼者が坂本龍馬の名を出したとき、武田鉄矢演じる萬鉄壁がなんともそわそわした感じになる。武田鉄矢が龍馬を尊敬していることは有名で、それはおれも知ってるが、おれはこれを見て、こんなことをストーリーに絡めるのかよとちょい食傷気味。が、その後鉄壁が龍馬について語られることはなく、単に武田と龍馬の関係を知ってる人へのお遊び場面だったようで、まあストーリーに絡めるにせよ、ちょっとしたお遊び場面だったにせよ、鬱陶しい。と思ったが、書いてるうちに気付いた。そうか、龍馬というより、その地名を聞いて、別れた元妻を思い出したという演出だったか、それを龍馬の名前が出るところに持って来ておれのようなミスリードに誘う演出だったか。それならまんまとはまってしまった。
ゲストに草刈民代、真野響子、寺田農、ヴァサイェガ渉(少年忍者 / ジャニーズJr.)
草刈民代は安藤との対面の場面が多く、二人はちょっと似た感じ、髪を短くまとめて、できる女風。演技力も同じようなものなように思うが、なんかこの二人の場面が見てられない感じ。
真野響子、ずいぶん懐かしい名前、よく見た顔のはずだが、ここでに出てきたのは、昔を思い出させる顔でなく、そもそもどんな顔の人だっけと、検索してしまった。
ヴァサイェガ渉は、オランダ人の夫と草刈民代演じる真理子との子でハーフ。えりかや鉄壁が彼を見て、外国人の血が入っていることをわかったようだが、その見た目はさほど外人感があるものでもない。
この回の序盤を見ているときは、最初の「秋田編」がストーリーとして奇跡的にうまくいっており、自分としてもいいものを見たとちょっと気分が上がったのだけれど、冷静になって思い返してみると、人に旅をしてもらって、その様子を動画にまとめて渡すなんて仕事として成り立つのかねえという気持ちになった。
そしてこの回も同じような奇跡的な出会い(寺田農が依頼者の会いたかった人)で結末へ辿り着くという展開となるも、やっぱりうまく話をまとめている。まあよく考えてみれば、依頼者は思い出の場所としてその地に行くよう指示し、そこにはその思い出の関係者がいるわけだから、こうなることも依頼者も願っていたともいえる(「秋田編」「愛媛・高知編」で以来の内容もその思い出の種類は違うが)。
またどちらの回も、依頼者が会いたかった人にえりかが気付く場面(実際にはえりかがそれに気づいた反応という映像はない)でその場面は終わり、そこから時間が飛んで、えりかたちが依頼者に結果を報告する場面になるという演出になっており、これが効果的である。

「長野編」
諏訪が舞台、御柱祭のことなんかも出てくる。ダブルローカルというライフスタイル(都会と田舎、二つに拠点を持つ)を推進する運動をやっている若者がそのPR動画をえりかにやってほしいという依頼者。
鉄壁はギャラの話を持ち出すと、「ホームページに料金はお気持ちでと書いてあったので」と返され、鉄壁は渋い顔
前話で、鉄壁が真理子のところにやってくるのは、ちょっと過剰かなと思ったが、今話も、レギュラーの一人であるのんの(美保純)を使っての作話
出てくるキャラに変わりはないが、作風というか演出というか、ストーリーの構成は前二作とは異なるものになっており、つまり、依頼者が指示した場所を旅して、その依頼者が依頼したわけではないが心の中で会いたかった人にえりかが出会うという展開ではない。その展開は冷静に考えればちょっとありえない都合の良い展開ともいえるもので、それが延々続くと食傷気味になるだろうと、おれはすでに前の回を見て思ったくらいなのだが、それでもそれをやってほしいし、変えてきた構成はこれといって特徴のないもの。
さらにメインストーリーである依頼者の父親とのんのの再会とそれに対する二人の思いというのが、両者、とくにのんのの方には強い思い入れがないという風にストーリーが進行しているので、最後によりを戻すのどうのとなるのが唐突に見える。終わってみれば、両者に強い思いがあったことはわかるのではあるが。
良いところもあった。その最後の場面でよりを戻すのかと思いきや、東京に来てくれ、いや、お前がこっちに来いからはじまる喧嘩の場面が喜劇。
あまり話に絡まない矢野部が途中急に、自分のことを物語る、東京で仕事をしていたが、急に嫌になって、特急あずさに乗ってここへ来た、うんぬん、そしてこれが最後の場面で、二人を結びつける、一緒にいなくたって今はSNSで繋がれるという彼の提案に繋がってきていて見事。
長濱ねるという娘は下手だなあ、下手というか、もっと田舎娘風にすりゃいいのに、なにやら白のヒラヒラしたものがついてる可愛らしいブラウス、あれで農業とか言われても。
彼女の演じる花音と矢野部のさりげない恋物語(お弁当を作ってあげる花音、そのおにぎりやサンドウィッチの具に対して文句を言う矢野部に対して、いいから黙って食えとかかあ天下が予想できる将来)、ほんの少し描かれるだけだが、ここは微笑ましい。

4/21視聴
「兵庫編」
今作も前作のように、そしてその前の二作品とは異なるストーリー展開のもの。まあ元々の旅屋というコンセプトにちょっと無理があるから、こうなっても仕方ない。
今回は、これまでにも事務所のポスターとして登場していた、以前事務所にいた俳優の慶田盛元が依頼者となるという形式。4つの話で3回が事務所関連が絡んでくるという構成で、広がりに欠ける展開。
元が俳優の仕事に疲れ、海の近くの民宿で働いていたときの思い出の兄弟に自分の受賞パーティで料理を作ってほしいという手紙を渡してほしいという依頼。この兄弟が今は諍いをしていて、それを結びつけるというストーリー展開。
えりかが兄弟にそれぞれ会い、手紙も渡した。手紙を渡したことで依頼は済みだが、諍いは続いたまま。二人はちょっとしたボタンの掛け違いから諍いになったということがわかる。
そこでえりかは二人が一緒にやってくれるという望みがあり、さらに動く。
試食会を今は売りに出されているその民宿で催すという手紙を出した。ここで変なのが、それに応じて二人がやってくるという展開。
で、ここで二人は打ち解け合い、二人協力して料理を作るというハッピーエンド。
元も試食会にやってくる。が兄弟と再会する場面は、大層感動的な出会いとなるはずだが、その場面はカットで、試食を運んできたふたりを穏やかに迎えている。

全体的に。
最初に見たときのところに書いているが、この作品は安藤サクラに尽きる。
売れていないが、とにかく明るいキャラのタレント役で、タレントだからこそのそのちょっと過剰な部分、画面に映ってる(自撮りだけど)のときにちょっとテンションを上げるのはよくあることだろうが、そうでないオフのときもやはりちょっとテンションを上げた感じが、そこここにいそうなタレント像であり、うまい。

よくあることなのだと思うが。俳優の格という問題
番組公式HPのゲスト表記、「秋田編」では眞島秀和、勝村政信、木野花の3人が上げられていて、それに準じてということだろう、ウィキもそうなってる。
でもこの回では、勝村政信、木野花あたりは脇役であり、一方眞島演じる玉田の息子の陽斗(田代輝)や依頼人である鵜野正臣(山中崇)、真与(早坂美海)の親娘のほうが重要な役(公式HPに名前が上げられてないというだけでもちろん番組のクレジットには掲載されている)。とくに山中崇は俺でも名前も顔もを知ってるくらいだからそこそこ有名。余談だが、鵜野正臣という差出人のメールというメールから話は始まっていくのだが、おれは細野晴臣と見間違えて、それからしばらく細野が出るのかなと思ってしまった。主要登場人物は、登場すると名前がテロップ表示されるので、そこで勘違いと気付く
頻繁にドラマの公式HPを見ているわけでないので、ほかはどうかは知らないが、こういうこと、つまり出演者の名前を確認しようとしてもなかなか見つからないということが時折、特にNHKで見られる。
ちなみに「長野編」「兵庫編」には公式ではゲスト俳優の表記はない。

原作のこともちょっと探ってみた。正しいかどうかはわからんが、「秋田編」「愛媛・高知編」が原作にはあり、後半二作品についてはNHKの「特集ドラマ『旅屋おかえり』「長野編」「兵庫編」 制作開始のお知らせ」という記事に「今回の旅は、原田マハさんが新たに書き下ろした未発表エピソードを、長田育恵さんがドラマ版として脚本化します」となっている
なるほどねえ、ちょっと出来栄えが違いすぎるがそういうことか。「秋田編」「愛媛・高知編」の奇跡的なストーリーががシリーズらしく同じように展開していたが、あれはじっくり時間をかけて作ったものなのだろうな