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罠の戦争 [連ドラ]

2023年1月期の連ドラ。大層話題になっていたので楽しみにしていた。
第2話まで視聴済み。
素晴らしい出来。エンタメ連ドラだから、話が自然とは言えないものの、その世界に入っての鑑賞をした感じでは話の展開に無理がない。
ダメな部分もあるにはあるが、それはほぼ難癖ともいえるレベルだし、さらにどこかダメなところはあるかと重箱の隅を探しているような気分になる。
例えば第1話のオープニング、パーティシーンは非常にワクワクさせるもので、スピード感のあるカメラの切り替えで主要登場人物がどんどん紹介される。ここなんかもとてもいい出来だが、老人のおれからすると、ちょっとついていくのが大変という難癖。
中盤で犬飼大臣が鷲頭に息子の件は事故としておさめろと命じる場面。ここなんかは、まず、裏に事件を隠したい事情があるにせよ、なんでこんな事件が起きてすぐ、鷲頭の前に正体を現すようなことするかなあ、とちょっと無理やりな筋のように思えたのだが、そうせざるを得ない事情、つまり、誰かが誰かに頼み、またその誰かが誰かに頼み、その末に大臣に頼んできた筋があり、それは多分犬飼が絶対に拒めない筋だったのだろう、ということがわかり、なるほど納得。
ああ、この場面の後の妻に離婚を切り出すものの、共闘していくことを誓いあう場面がなんだか演劇チックでちょっと恥ずかしいか。
序盤でのパーティの場面、妻の可南子が鷲津に電話で連絡している。電話でどうしても話したいというのはわかるけど、まずSMSなどでメッセージじゃね
主役の草彅剛、いやあ、いい俳優になったなあ。現在主役をはれる人材でトップクラスであろう。おれはたしかこの「戦争シリーズ」の前の作品も見たはずだが、それはまだちょっとアイドルの格好つけみたいのが残っていて、ちょっとなあと思った覚えもあるが、いまはジャニーズを離れ、年齢も重ね、そういうのがほぼない感じでリアルな市井の人間という感じが良い。
全体的なことをいえば悪役善玉のバランスもとてもいい。人数も、演じているそれぞれの嵌り具合も、とてもうまく配置されている。
事務所の蛍原と蛯沢が鷲津の仲間になっていく過程も自然で良い。政治家では鴨井や鷹野が善玉で、ここらは嫌味がない感じ。悪役側(本田博太郎、岸部一徳、高橋克典、特に前者二人)の強烈に癖のある顔の面々と対照的
この後も見るのが楽しみだ
「TAKADA FREND」という自転車屋が出てきて、その綴りが気になってしまった。friendじゃないかって。検索してみると、セルビア・クロアチア語として「英語からの借用語」とか、もしくは人の名前だとか、なんともあやふや。と、ほかにそのものずばり「TAKADA FREND」という看板の「たかだフレンド」という自転車が見つかり、そのブログを見ると、この罠の戦争で撮影に使われたという記事も見つけた。なんでFRENDなのかはわからないけど。

※追記
第3話
犬飼の息子・俊介が犯人ではないかと疑われる回で、おれはそういう方向に話がなったとき、でもそれだと、上に書いた犬養が鷲津に事故で処理しろと強要するのはおかしいような気がした。あそこはあくまで頭が上がらない誰かに頼まれたからであって、身内が犯人だともう少し行動が変わってくるはず、などとうだうだ考え、これはミスリードさせてるのだろうと思っていたら、やっぱりそうだった。
第4話
犬養の後援会長、鰐淵の回。第3話と同じく、今度は鰐淵が犯人かと鷲津たちが動くことになる。後から考えれば、真相に近づく前に間違った犯人捜しの回で回数稼ぎをしているということなのだが、例えば六平直政の演技が良かったり、ということもあり、あまり、そういうことには見てる間は思い至らなかった。よくできているということなのだろう。
でも真相を掴むために選挙に出るというのは、ちょっとなあと思う。
徘徊する鰐淵の母親を探す場面、場所は千葉。鷲津の妻、可南子も電話で連絡を受け、すぐ行くと駆け付けている。探すのに1,2時間もかけているなら千葉だからあり得るか。なんでそんなにすぐ行けるんだよと見てるときは思ったが。
この回の最後では、鷲津が蛯沢の兄の陳情の対応(結果的には握り潰した)をしていたことが描かれており、これは意外な方向へのストーリーの転換になりそうである
上に鴨井や鷹野が善玉と書いたが、連ドラの定石で意外な人がラスボスということからすると、この二人も裏があるのかもしれない。鷹野のほうは、鷲津を選挙に引っ張り出してきており、ちょっとそういう感じが見え隠れ。鴨井のほうは、善玉一本やり。第3話で、鷲津に外科医を紹介する場面で鷲津が「社交辞令かと」と言っているのをおれは聞き違えた。外科医を紹介してきたことを、そんなのは社交辞令だよと言って、鴨井にも裏があることを視聴者に感じさせる台詞なのかと思ったのだが、そうではなくて、その前の段階で外科医を紹介すると言っていたことを、社交辞令かと思っていたが、本当に紹介してくれたのかと感謝しているセリフだ。
第5話
選挙の回。そして当選という結果に。落選でも話は作れるとは思ったが、まあドラマとしては当選のほうが普通だろう。
総理が犯人かと鷲津は行動を起こしているが、これも間違い(かは確定していないが、まあここからそういう方向へは持って行けないだろう)となり、3回連続で犯人捜しを間違うという展開だが、この回はそこだけがメインテーマでなく、選挙のことの方に力点が置かれており、またかと飽きるようなことはない。
また前回の最後で出てきた「鷲津が蛯沢の兄の陳情の対応」の件としては、その続きのような感じで、蛯沢が選挙事務所のスパイでないかと疑われるという形で描かれ、だが、蛯沢はスパイでなかったことが明確に描かれている。そして一方では、終盤に前回それが描かれた場面でその書類を見つけた蛍原がその書類を抜き取って隠してしまうという場面もあり、まだ尾を引く感じである
そしてラストでは、犯人が幹事長であるということが示唆されており、さて、これがラスボスか。
第6話
録画リストでサブタイトルが目に入ってしまった。このシリーズは全11話、第10話に「復讐される側へ・・・」とある。鷲津が蛯沢から、ということだろう。
ということは第9話までに鷲津の息子の件はすべて明るみになり、さらに残り2話はそこら辺が描かれるということか。単なる復讐劇ではなく一ひねりあるということのようで、さてうまくいくかどうか。単なる復讐劇にしたほうがよかったとなるのか、うまくまとめ上げ、質が一段階上のレベルとなるか。
この回は幹事長との攻防がメイン。そして「鷲津が蛯沢の兄の陳情の対応」もくすぶり続ける。この回では鷲津がそのことを蛍原から聞かされる、そして蛯沢にそのことを告白しようとして飲み込むという場面もある。
そしてこの回の最後、これは意外な展開で、鷲津の息子の事故(事件)の件は幹事長が捜査にあつりょおくをかけていたのだけど、これは鴨井から頼まれていたということのようだ
どの回もすぐ次を見たくなるような作りになってるはずで、キリがないので、今日の視聴はここまでにしよう。

※追記4/13
第7、8話
第7話では鴨井大臣追求の回。犯人は鴨井大臣の息子、鴨井大臣が息子を庇ってということではあるが、あまり大きな悪としないような作り、すなわち事件の報は幹事長にまず伝わっており、そこで幹事長判断で捜査はストップさせられていた。鴨井大臣はその後幹事長に呼ばれ、どうするか問われ、事後承諾というような形、このあまり大きな悪でないような作りというのは、その後第8話の展開で、自ら記者会見を開き、大臣どころか議員辞職表明という流れにうまく繋がっている。
おれはこの回を中盤まで見ていて、鴨井が悪役かあ、すると、鷹野のほうは悪役にはならず、鷲津の良き友達というだけのキャラなのかなと思っていたのだが、この回の最終盤で鷹野が鷲津を潰せという幹事長の命令を受け入れて、第8話以降そういう展開になっていく。そうきたかという感じ
と思いきや、第8話の割と早い段階で、鷹野は鷲津と通じていて、鷲津を潰す計画を実行しているように見せながら鷲津の幹事長潰しのための時間稼ぎをしていたということが明かされる。
第8話中盤以降は、鴨井大臣と可南子の対面の場面はちょっと冗長だったかな、それ以外にもこのシリーズで時折思い入れがこもった長台詞の場面があり、そこらは退屈に思えた。退屈というより自分にこらえ性がなくなっているということだと思うが。
あと、鴨井大臣と可南子の対面場面で、鴨井の息子、文哉も登場するが、文哉は鴨井が来ることを知ってて待機してたの? 文哉は可南子と前日に対面してはいるのだが、ちょっと都合よすぎ。
この第8話は前半は鷹野回であり、そこからやっぱり幹事長が巨悪という流れ、そして終盤では鴨井大臣の誰にも相談せずの記者会見で、鴨井が善玉へ復帰。
8話でここまで意識のなかった泰生が目覚める
8話での幹事長室での鷲津と鷹野対鶴巻の場面、お互いに勝負札を出し合うという感じになっているがちょっと技巧に走って策に溺れるという感じ。
またレギュラーを一人ずつフィーチャーしてきて、ここで鷹野を出してくるあたりは、まあまあ予想通りという感じではある

第9話
幹事長鶴巻との対決は鶴巻が記者の前で倒れ、幹事長を辞職ということで決着、ここまでのメインストーリーの巨悪への勝利というハイライトシーンにしてはあっさりしていてこういうドラマで得られる爽快感みたいなものは薄い。ここまでの出来はよかっただけに拍子抜けという感じだが、この後があるということが吉と出るか。
そして前にサブタイトルを見てしまったことで予想できたように、今度は鷲津が狙われる側になっていくわけで、そのための準備ともいえるのだが、鷲津のキャラ変、憎んでいた鶴巻のような古い政治家への闇落ちというような場面がこの回の後半では頻繁に描かれ始める。そして、鶴巻はストーリー的に終わったと思っていたのだが、後任幹事長の後ろ盾として幹事長室に入り浸り、そこに序盤での最初に鷲津に倒された虻川が復活というところで、この回は終わる。
闇落ちについてはまあ予想通りという感じがあり、あとの興味は残り二回でどう収束させるかという辺りにのみ

第10、11話
鷲津の闇落ちから話をどう収束させるかというところが最大の興味、でもこれで鷲津が闇落ちのまま終わるわけはない、地上波ドラマとして、もしくは全体的なバランス(シリーズのほとんどを善玉として生きて、最終盤に悪役になって終わっていく)からいってもありえないので、最後に善玉になって終わるのだろうなと予想していたが、まあそこは予想通り。
第10話では相変わらず怪文書の出どころを鷹野と疑ってみたり、そして演出的にも鷹野だと思わせぶりにしてみたり、とやっていて、最終盤に真犯人が蛯沢だと知れ、最終話に突入。が蛯沢が最後の大きな敵となるのかと思いきや、そこは彼のキャラからして役不足であり、あっさりあしらわれるという敵役としては雑魚キャラ扱い。
最後の敵は総理。総理派の鷲津が鷹野とやり合う場面があり二人は決裂したかと思わせるも、実は見張られてると知って鷲津が機転を利かせており、生中継記者会見で爆弾をぶちかます、と言ったあたりは上に書いたが技巧に走って策に溺れる感じで、またこれか感。
鷲津の出頭で本編が終わりということであろう、その後はエピローグ、可南子が国会議員になり、秘書として蛍原がつき、さらに秘書募集に蛯沢が、そして最後に鷲津が採用されていくというあたりは大団円、うまくいってる

終盤の鷲津の闇落ちが、誰かを罠にかけるための壮大な芝居なのか、本当に闇落ちしてるのかという二つの方向性を考えていたが、そこは後者だった。
シリーズ全体と最終盤に鷲津が闇落ちしていくというエピソードのバランス。
全体的にこれしかなかっただろうというのが一番の感想だが、あえていえば。
やっぱり最後は自分の息子の事件の復讐で終わらせてほしいという気持ちもあり、闇落ちするなら途中に入れるという方式も考えられはする。
また政治家がその地位についたことで段々変わるというようなことを描きたいのなら、息子の事件の復讐劇なんていう重いテーマをやるべきでもなく、まあそれが発端だとして、そこは数話で終わらせて、半分以上を政治家鷲津の変遷でやるべきだろう。
余談だが、政治ってのはゴールがあってそれを目指すという面もあろうが、それと同時に、この社会の日常の秩序を守ることという面もあるからねえ。ラストの方で、不正を隠して秩序を守るくらいならぶっ壊せとかやってたけど。
宮澤エマが出ていた。宮澤総理の言葉をうろ覚えで覚えている。現代の日本について、氷河を行く大きな船に例えていた。操作を誤れば氷河にぶつかってしまうので、もう誰がやってもほぼやるべきことは同じで、選択肢というものはほとんどない(もちろん細かい個々の政策については色々あるだろうけど)みたいなことを。

登場人物に全部動物の名前となっているが、これはあまり面白くもない小細工
主題歌が「香取慎吾×SEVENTEEN「BETTING」」。さして印象には残ってないけど、香取と草彅のタッグというのはジャニーズ時代だったらなんとも思わなかったと思うが、退所以降苦労もあっただろう彼らを思うと、ちょっと感慨深い。CMは飛ばしてるけど、稲垣吾郎のCMが目に入った(ある記事によると香取出演のCMも流れていたそうだ)