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女系家族 2021

2021年12月4日・12月5日の両日とも、21時 - 22時55分で、テレビ朝日

本来「にょけい」とは読まないようであるが、ここでは「にょけい」と読ませている

また録り溜めた日本の連ドラでないテレビドラマ。1日に1本ずつこういうのを見ていくというのはペースとしてはとても心地よい。
細雪を思い出す。どうしたって船場が舞台で「こいさん」「とうさん」なかあんちゃん」という呼称をはじめとして船場言葉が全編に渡って飛び交う。
内容は全然違う、細雪はその船場の名家の日常を描くことによってその文化が滅びゆくさまを描いたものでストーリー的にはあまり起伏はない。こちらは、相続を巡るミステリーというかなりはっきりしたテーマがあり、それの舞台が船場だということだ。
が、細雪を意識してしまうと、今作品のあの場面が細雪のあの場面、あの人物は細雪のあの人物に符合するなどと考え始めると結構類似があり、意識してるのかなと思う。
例えば主役が女性の姉妹(こちらは三姉妹)、真ん中の娘には婿がおり、それは細雪での石坂か伊丹。船場の名家。寺巡りをしたという場面があるが、細雪での花見の場面を思い出させる、など。
平成26(2014)年を舞台にしているが、ウィキを見てみると1963年の山崎豊子の小説であり、それからすぐに映画化、そして何度もテレビドラマ化されているようだ。
メインどころの出演者
浜田文乃
演 - 宮沢りえ
「矢島商店」4代目当主である矢島嘉蔵の愛人。
矢島藤代
演 - 寺島しのぶ
大阪にある老舗木綿問屋「矢島商店」の長女。
矢島千寿
演 - 水川あさみ
老舗木綿問屋「矢島商店」の次女。姉である藤代に劣等感を抱いている。
矢島雛子
演 - 山本美月
老舗木綿問屋「矢島商店」の三女。
矢島芳子
演 - 渡辺えり
矢島三姉妹の叔母。
矢島良吉
演 - 長谷川朝晴
千寿の夫。
大野宇市
演 - 奥田瑛二
矢島家の大番頭。
ほかに、山村紅葉、伊藤英明、余貴美子も存在感を発揮、役所広司(特別出演)が亡くなった当主の役。
主役は宮沢りえと寺島しのぶとされており、この二人が字幕オンでの色付きであるが、もう一人、奥田瑛二も色付きにしてよかろうと思えるような活躍、ナレーションも彼であり、いわば彼の目線から語られていく。彼は小悪党で相続について色々調整をしながら、自分もその中からちょろまかしたりしており、そして最後の最後で破綻するという役柄。
テレビや芸能界に詳しくないからなんともいえないが奥田瑛二がこんなに重要なそして出番の多い役をやってるのを見るのは久しぶり。そして充実の演技。
宮沢りえは序盤はあまり存在感薄め、姉妹が強烈で、一方亡くなった旦那の愛人という役の宮沢はその相続争いにも控えめであまり主役のような感じでなかったが、第2話の中盤以降一気に大逆転である。
寺島しのぶはわがまま強欲な長女の役で、これもうまい。最後、文乃が出してきた矢島嘉蔵の子供の認知についての書置状で、多くを文乃にも財産を分けなくてはならなくなり(というか文乃が産んだ息子に)、さらには自分の処遇への言及(家を出て自分の道を見つけろ)、そしてこの家の女系を続ける ことを戒めることまで書かれており、その言葉を何度か繰り返しながらサバサバと受け入れるあたりの表情もいい。