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そば屋梅吉捕物帳 [時代劇]

オリジナル 1979 東京12チャンネル
今回放映データ
テレ玉 7月1日から 8月12日

1話欠落☆

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1977年の『達磨大助事件帳』(テレビ朝日系)以来、『若さま侍捕物帳』(テレビ朝日系、主演:田村正和)、『伝七捕物帳(テレビ朝日版)』と、国際放映は前進座とタッグを組んで梅之助出演のテレビ時代劇を送り出したが、レギュラーシリーズとしては本作が最後となった。「捕物帳」と銘打っているが、中村梅之助演じる梅吉は、着流し姿で秘密裏に悪人たちを闇に葬る。また、伝七同様、梅之助が「北町奉行・遠山左衛門尉景元(金さん)」との二役を見せる
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この経緯からキャスティングや演出は『達磨大助事件帳』と相当に似通った雰囲気の作品。

第1話を見終えて
OPで口上(梅吉の来歴を物語るようなもの)があり、その後メインレギュラーが中村梅之助も加え5人、映像付きで紹介。ここらは、『達磨大助事件帳』っぽい感じ。
メインレギュラー5人
梅吉(梅村源之丞) / 遠山左衛門尉景元(二役)…中村梅之助
粂次…志垣太郎
弥之助…松山政路
おけい…宝蔵寺三千代
お美和…山本みどり
松山政路は(省二改め)と付記されてる。梅吉と一緒に仕事(裏の悪人成敗の仕事)をするのは粂次、弥之助、おけい。お美和は粂次の妹。その裏の仕事については知っているのかどうか微妙な感じ、薄々なにかをやってるという程度は気付いているよう。全員梅吉が主人の「助六蕎麦」の従業員のようである
その他キャスト&スタッフクレジットはラスト、主題歌(「江戸っ子だい」(作詞:山上路夫、作曲:吉田正、編曲:寺岡真三、歌:橋幸夫))とともに。
「山口グループ」「殺陣:山口博義」というクレジットが『若さま侍捕物帳』、『達磨大助事件帳』のときと同じ。
メインレギュラー5人以外にもレギュラーはおり、ここに特記したい俳優がずらり。『達磨大助事件帳』でメインレギュラーだったの和田幾子、鈴木慎、さらに同じく『達磨大助事件帳』のレギュラー浅香春彦がそのときと同じように主人公の裏の仕事をしらない同心の役、主人公梅吉の息子が子役の松田洋治という布陣。
和田幾子は梅吉に惚れてる芸者、鈴木慎は梅吉に対抗する岡っ引きの五郎蔵の下っ引きという役どころ、五郎蔵の人見きよしとコンビで登場する。
小えん…和田幾子
長太…鈴木慎
まむしの源次郎…浅香春彦
小三郎…松田洋治
五郎蔵…人見きよし
ほかに
鳥居甲斐守…南原宏治
おきん…浅利香津代
などがレギュラー。おきんは「助六蕎麦」の従業員。浅利香津代は当時前進座
中村梅之助が遠山、梅吉の双方を同じ画面内で演じ、会話する場面というのがあるものの、その二人の関係はよくわからず梅吉がどういう謂れで蕎麦屋稼業の傍ら、悪人成敗の仕事をしているかが不明。
おれはこれを録画し始めたとき、どんな作品かと、冒頭だけ見てみたことがあり、おれはてっきり、遠山が職を辞し蕎麦屋になって、町民の目線から悪人成敗をする話かと思ってたのだが、梅吉は遠山ではないようである
1 1979年9月26日 闇を斬る江戸の月
桜木健一(渡辺大四郎)、田崎潤(長沼)、外山高士(国清)、津山登志子(美沙)
ラストの悪人成敗の殺陣の前に必殺での出陣のような場面が入る。毎回のお約束場面となるのであろうか。
目付、長沼の屋敷になんなく入り込んで成敗。たかが町人なのに。まあ時代劇なら別に普通か

※追記 同日視聴
2 10月3日 花の吉原遊女の悲恋
武原英子(お涼)、江木俊夫(巳之吉)、神田隆(木曽屋)、市川祥之助(富沢大和守)、小島三児(棟梁)、天草四郎(八兵衛)
ほかに役名なしで金原亭駒八というクレジットがある。調べてみると現在「吉原朝馬」
「助六蕎麦」は担ぎ屋台もやっており、神出鬼没、事件のある場所には屋台で店を出し事件関連を見張ってる。
この回では川が見える街道の休息処のようなところでも店を開いてる(※)、今回はここで遠山と密会、遠山に「腕を振るってくれ」と言われてるところを見ると、遠山から密命が下ってるものと見える。前回も事件のことを話しており、あれで遠山からの指図ということがわからないといけないのか。
梅吉は半年前まで同心で名前を梅村源之丞。遠山の部下だったのだろう。番組のOPの口上で、「十手を返上」とあり、それをおれは遠山が奉行を辞めたと勘違いしたのだ。(※)なんでこんなところに店があるのだろうと思ったが、これは俺の勘違い、他の回にもあるが、茶店や休憩処のようなところを借りて、梅吉の運んできた蕎麦を食べているという情景だ。そもそも第1話もそんな感じのところでの密会である。
心中のし損ないが発端で、女郎の千歳(本名がお涼)は元の店へ、男の巳之吉のほうは、車善七に引き取られたあげく、元の店である木曽屋に戻った。この巳之吉は女をたぶらかしては悪さをしており、この心中も狂言。この人がこの回の悪役かなと思いきや、最後に改心するというパターン。悪役は木曽屋、寺社奉行の富沢大和守、大文字屋の八兵衛
天草四郎、よく見る名前。そしてよく見る顔だった。お涼の店「大文字屋」の主人、八兵衛
お涼は店に戻り「奴女郎」という身分に。奴隷的身分のようだ。で、店の牢のようなところに入れられるのだが、そこへ巳之吉が入り込んでくる。入り込むのも大変だろうが、そこまでして、言うことが金の無心。ちょっと出鱈目な展開に思える。そしてさらに、お涼はその三十両の無心を請け負い、主人に言うと、主人は金を出す。ここらへんはまったくわからない。ここで主人は「お前は奴女郎だ、今かさら貸した借りたって言える身分じゃない」とかなんとか言っている。でもなんで三十両を「奴女郎」に渡すのだろう。まあその後の場面を見ると、寺社奉行の富沢大和守、今回の悪役のうちのひとりだが、に抱かれており、そもそも富沢大和守がお涼にご執心だったようで。見てる側からすると心中者の奴女郎なんて汚い女に見えるがね。
小島三児は序盤に出てくる、助六蕎麦の客。事件の話をしているが、噂話の類であり、その後はまったくストーリーには絡まない。

※8/17
3 10月10日 男一匹八百八町
栗田ひろみ(お加代)、長塚京三(友吉)、山田吾一(藤太郎)
江見俊太郎(神田主膳)、根本嘉也(大黒屋)、東龍明(権次)
この回で遠山は出ないのかなと思っていたが一番最後に出てきた。毎回登場するという約束かもしれない。
出陣の場面は今のところ毎回ある。必殺の影響かなと思ったが、考えてみると、必殺における出陣の場面で、いつから始まったのだろう。必殺仕事人からのような気がしてきた。必殺仕事人はこの作品と同年で、5月から始まってる
鳥居は南町奉行、その部下として浅香春彦の源次郎がおり、その下に五郎蔵、長太がいる。鳥居はいつも事件の裏にいるという感じで悪役だが、その悪役感はいまのところ希薄で強烈な悪役には設定されてない。そして源次郎は悪役の部下であるのだが、今のところその繋がりは希薄、今のところ源次郎はこの作品の中のレギュラー同心というだけの役割

4 10月17日 裏街道を翔ぶ男達
寺田農(三浦外記)、赤座美代子(萩乃)、永井秀明(堀田摂津守)、松山照夫(才三)、北九州男(聖天の大八)
鳥居の名を受けて堀田との連絡役をやっていた男が、堀田の悪が露見したことで、用済みになり、源次郎に殺されている。一つ前のところで、鳥居と源次郎の繋がりは希薄と書いたが、そこはあっさり訂正せねばなるまい。源次郎も悪役側だな。
梅吉の女房については今のところ語られないが、この回では梅吉が匿っている萩乃を小三郎が母親に似ていると言い、母親に対する情を見せる場面がある。いずれ語られるのだろう

5 10月24日 夜空に消えた父娘星
松村達雄(辰五郎)、沢本忠雄(伊助)、北林早苗(おいと)、北原義郎(浜村蔵人)、高城淳一(遠州屋)、真木恭介(備前屋)、梅津栄(酔漢)、守屋俊志(儀十)、湊俊一(松平和泉守)
遠州屋となっているが劇中では泉州屋。
梅津栄は助六蕎麦にて酔っ払って饒舌な男、そこへ梅吉が帰ってきて、言葉を交わす。ストーリーにはまったく絡まない。
第2話の小島三児のような感じ。ここらは友情出演のようなもんだろうか。それなりに有名どころがストーリーに絡まない形の一場面だけの登場で、それなりに長めのセリフ。
役名なしで都家歌六。ストーリーには絡まない形、梅吉が歩いている境内で「ガマの油売り」
梅津栄の場面で店内壁に貼ってある品書(「覚」となっている)が見える。
助六蕎麦が十二文となっており、梅津はその品書を指差して「でもお前よ、十二文の蕎麦が、十六文のそばよりうめえってのこれ一体、どういうわけなんだよ」などと騒いでいる。そういや、第2話での小島は「可愛いお美和ちゃんの顔を拝みながら助六蕎麦の蕎麦を食う、よくぞ江戸っ子に生まれけり」などと気取ったことを言って店を褒めている
ここまでで疑問、中村梅之助が一人二役をやってるが、その意図がわからない。似ているということが話の仕掛けに使われることもないし、作品内の登場人物が二人が似ていることで驚くようなこともない。

※8/18
6 10月31日 大奥に潜む黒い影
欠落回。ウィキによるとゲストは鈴鹿景子。見たかった
7 11月7日 情無用の帰り船
佐藤オリエ(彩)、原田大二郎(征一郎)、勝部演之(越後屋)、久富惟晴(坂崎主水)、出光元(留吉)、長谷川弘(百目鬼主馬)
彩と征一郎は夫婦でその不運な運命と愛情がテーマ、クラシック風バイオリン局に乗せてスローモーションになったり、この二人をじっくり描いており、そのためかストーリーは単純。梅吉の出番も普段より多少少ないような気がする。
はめられ偽小判作りに関与したとされ島送りになった同心の征一郎。妻の彩は夫の無罪を信じて待っていたのだが、征一郎を助けるという越後屋の誘いに乗り囲われ者へ。しかし、偽小判作りの主犯で征一郎を島送りにしたものこそが越後屋であったのだ。
そのときと同じ偽小判がまた出回り、遠山の働きかけで征一郎は赦免となり江戸へ戻り、夫婦はどうなるか、といったようなストーリー。
出光元(留吉)というのは、前に書いた小島三児、梅津栄に似た出番(出光元という人は特別有名ではなさそうだが)で、ストーリーに関係のない形で、助六蕎麦で噂話をしている客という役。そこではストーリーとは関係ない話として、五郎蔵の嫁が出て行ってしまったという話がされていて、小えんは五郎蔵の息子の不憫に思い、相手をしてやったりもしている。そしてラスト、五郎蔵の嫁が戻り、嫁のいない間に五郎蔵を誘ったと疑われたとかで、小えんがかなり長い愚痴を助六蕎麦で留吉、おきんを相手に繰り広げ、最後に店に戻った梅吉に「おかみさんにして」と迫って終わる。この愚痴の場面が変に長い。梅津栄のときも思ったが、こういう風にひとりの役者のひとり芝居を見せるというのもこの作品の特徴だろうか。
ここまでのところ、おけい…宝蔵寺三千代があまり活躍していない。単にグループの一員という程度。この人も前進座の人なのだろうか、顔がまだ幼く、演技も硬い感じで、なぜ抜擢されたのかがよくわからない。

8 11月14日 草笛に泣く流れ星
若原瞳(小袖)、汐路章(岩田屋)、近藤宏(大伴主膳)、穂高稔(三好)
小袖は粂次の過去の女。ということでこの回では粂次がフィーチャー、同心だったころの梅吉との出会いも描かれている
お美和が梅吉に惚れていることを粂次がいい、その仲を取り持とうかなどと言っている
梅吉とお美和だと年齢的に釣り合わない感じだなあ
ラストシーン、普段は助六蕎麦にて梅吉がいるという場面だが、この回では粂次、お美和の兄妹。

9 11月21日 遠山桜も男泣き
頭師佳孝(小六)、鈴木瑞穂(仙造)、山岡徹也(福島屋)、鈴木輝江(なほ)、八名信夫(加納又十郎)、吉田柳児(日向屋)
小六は同心だったころの梅吉が使っていた岡っ引き、仙造の息子。梅吉の仕事で仙造は命を落としている。そして同日に梅吉は病だった女房を失っているという風に、梅吉の女房についても語られている。
小六は目の不自由ななほの治療の金のため、悪の道に走り、遠山を鉄砲で暗殺するという仕事を請け負っている。小六は同時に自分の父親のことで遠山を恨んでいた。
八名は鳥居配下の内与力、加納。冒頭に遠山を襲撃する事件の際に登場し、その襲撃犯を無礼討ちとして問答無用でばっさり斬り捨てる。小六の遠山暗殺の際、小六が遠山の駕籠の前に立ちはだかった梅吉に躊躇していると加納が登場し銃を発射。つまり冒頭の件は、襲撃が加納、及びその裏に鳥居も関与しているかもしれない、が命令し、失敗したら殺してしまうという段取りだったということがわかる。
頭師佳孝は濱田岳みたいなイメージの俳優で以前にも時代劇で見たことを覚えている
小六は遠山暗殺のために街中の建物の二階に陣取っている。その窓から狙るのであるが、そこに草が生えている。最初、その場面のとき、邪魔だから取っちゃえばいいのに、と思ったが、その草が、後の場面で生かされている。小六が水を飲むとき、その草にも水をかけてやるという場面、さらに目の見えないなほが、これは超能力的だが、兄の危機を感じ、梅吉に兄のところへ連れて行くよう懇願、その際に、「白い花」とつぶやき、それは小六が水をかけてやった草についた小さな花を指しているいるのだが、その言葉で梅吉は場所を特定していく(といっても、そんな二階の窓のところに生えている雑草についた小さな白い花でわかるわけもないが、他にもなほが小六のいる場所について喋ったのだろう)
十手を梅吉と仙造で見せあう場面があり、梅吉の十手が短い。そういや『達磨大助事件帳』の時も短かったが、今回はそれよりは長いように思う。
長太が蕎麦猪口にたっぷり蕎麦を入れこねくり回して食べているのを見て小えんが蕎麦の粋な食べ方(落語でよくあるような)を教える場面がある。時代劇で珍しいことではないが、このように割とストーリーに絡まないお遊びの場面が多い。

8/19
10 11月28日 おんな狩り
中尾彬(大場又十郎)、紀比呂子(お菊)、宮本曠二朗(吾紅屋)、日恵野晃(大和屋)、三田村賢二(伊三郎)
中尾は梅吉がまだ同心だったころから知っている悪同心。
ここ数回鳥居は出ておらず、がしかし、多くの回で鳥居が悪役側の裏にいるという形で名前が出てくる。同時に源次郎も出ておらず、鳥居とセットという扱いなのだろう。
一方、五郎蔵長太は毎回出ており、この回では大場の手下で働いている。
遠山は最後に出てきており、梅吉が今回は仕事が急だったもので、と断りなしに動いたことを詫び、それに対して、俺に遠慮はいらないよ、今度みたいにどんどん片付けてくれりゃ大助かりだ、と言っている。
これを見ると、やはり基本的には遠山の命令が出ているという構図なのだろう
その場面に続いて、遠山が大和屋の親子、これから幸せになってもらいたいと言い、この回の善人側ゲストの大和屋とお菊の親子が大和屋で働いており、お菊を守ろうとして殺された伊三郎の墓参りをしている場面がラストとなる。
ラストの場面は梅吉でない回。そういやこういう終わり方は他の回でもあったような気がする。第8話で梅吉以外でラストシーンとなるのは珍しいというようなことを書いたが、そうでもないかもしれない。
粂次がこの回に出ていない。メインレギュラー5人で欠場は初。セリフで「粂次も帰ってくるが」と旅に出ていることを示唆している

8/20
11 12月5日 血を誘う能面の女
佐々木剛(信次郎)、香野百合子(おのぶ)、原良子(高姫)、船戸順(兵藤)
おきんフィーチャー回。意外に思えた。おきんというのは、助六蕎麦の従業員という形でのレギュラーで、それ以上掘り下げられるようなことはなさそうな感じがしていたからだ。
梅吉が負傷した男を運び込んできた。その男は信次郎、かつて女郎だったおきん請け出す約束をしていたのだった。が、信次郎には女房がいて、それがおのぶ、彼女はおきんと同じ女郎屋にいた後輩、おきんを信次郎が迎えに来なかったのにはおのぶが信次郎についた嘘があった、というような流れが一方にあり、が、信次郎もおのぶもこの回の悪役ではなく、むしろ善玉のほう。
悪役は将軍家のお姫様でいまは旗本の兵藤かずまに嫁いだ高姫、子供の頃鷹狩りで目をえぐられ、目が潰れ醜女となってしまい、常に能面をつけている。で、その高姫は美しいものを憎しみ、幸せな女をさらってきては拷問をして、顔を潰し、殺してしまうというという風に狂気に支配されており、信次郎とおのぶも高姫に狙われたのだった。
助六蕎麦に梅吉と同世代くらいの従業員らしき男がいるのが映る。セリフもあり。助六蕎麦の法被を着ているのでそうだと思うが。レギュラーではない。混乱するのでこういうのは出さないほうがいいのに。
おきんは梅吉たちの裏の仕事をある程度は知っていると思わせる描写。今回おきんがフィーチャーされているが、そのおきんは梅吉たちがこの件に関してなにやら動いていることは承知している。

12 12月12日 炎と燃える十手花
佐野浅夫(村井源兵衛)、池波志乃(おなみ)
江幡高志(榊主膳)、陶隆司(信濃屋)、灰地順(堀田日向守)、矢田稔(大滝)
佐野浅夫は南町奉行所をお払い箱になるものの、北町の遠山に拾い上げられ臨時廻り同心の村井。今回のストーリーは村井が南町にいたころ調べていて、調べ過ぎたがゆえにお払い箱になったという事件であり、遠山もそれを続けて調べさせている。
注目点は江幡高志か。いつもどおり悪役ではあるが役柄は普段と異なり、大名家の江戸家老という立派な役職の役。案の定似合ってはいない。
弥之助は遠山からの口添えもあり、村井のところで見習いになる、実際には事件について奉行にも報告しない村井のサポート、及び見張りというような意味あいだろう。で、そこに訪ねてくるのは、その事件の被害者である堺屋の娘のおなみ。このおなみに弥之助はポーっとなってしまい、という展開で、ストーリー自体はコメディでないものの、所々(弥之助とおなみ、村井の頑固さ)でコメディ的場面がある。
粂次はこの回にも出ていない。

8/21
13 12月19日 涙雨殺し人別帳
川地民夫(白戸の佐平次)、小栗一也(巽の喜兵衛)、児島美ゆき(娼婦)
仕事人的な金で殺しを請け負う稼業の話で、殺し屋が川地、その元締が小栗。

その殺し屋が請け負った仕事は油の売り惜しみによる値上げを目論み、それに反対する問屋を狙ったもの
佐平次と娘のお春のやり取りとその娘の演技、演出が良く、なかなかの作品。
畳張りを使った殺しが起きる。梅吉はピンと来た。同心時代に取り逃がしたのが畳針を使った殺しをする佐平次。佐平次の渺茫の葬儀で、ちょっと油断したのだった。
それ以来佐平次はお春とは離れ離れ。
お春は売り惜しみに反対する油問屋の伊豆屋で働いていた。
そのお春は最初の殺し(冒頭)の際、佐平次がやったのを見て、そしてそれが父親だとわかるが、番屋で見たことを頑として話さなかった。
佐平次は一度断った伊豆屋の殺しを請け負うことにする。そしてその金を伊豆屋へ行きお春に渡すよう言付ける。
が、その帰路、佐平次はお春と再会、お春は母親の墓へ参り謝るよう言う。そしてお春は佐平次が殺しの仕事をやってることを知っており、かぶりを振ることでそれを止めてと訴える。
墓参りに行くと、そこで梅吉が待ち構えている。梅吉は自分が名乗り出るよう言うが、佐平次は一日待ってくれ、娘の幸せのためだと言い逃げていく。
伊豆屋を殺す仕事へ行くのかと思いきや、伊豆屋の駕籠を止め、この先で殺し屋が待ってること、本人が言ってるだから信用しろと言い、そこへ元締が様子がおかしいと思い集めた浪人たちが襲撃をかけ、殺陣となる。佐平次は伊豆屋を守り死んでいく、そこへ駆け寄るお春・・・。
児島美ゆきは佐平次がその顔(ほくろ)に娘を思い出し佐平次が情をかける女で、この女自体は大きくストーリーに絡むわけではない。

14 12月26日 黒い十手に悪の華
村松英子(千代)、久保明(土井源造)、睦五朗(御側用人西岡)、二瓶正也(番頭伊助)、吉岡祐一(佐吉)
市村昌治(仁蔵)
市村昌治は冒頭に殺しを行う男の役
この回では小えんと旧知の千代が罠に陥れられていくというような話で、小えんが梅吉に相談をしており、梅吉が裏で何かをやってるという程度には知っているのだろう。まあ、町の揉め事を片付ける実力者的な扱いというだけのことかもしれないが。

15 1980年1月9日 遠山桜を狙う奴
珠めぐみ(八重)、工藤堅太郎(岡村隼人)
出光元(留吉)
八重の父親、同心森下が殺される。八重は梅吉に相談、これは父親が自分に何かあったら梅吉に相談するよう言ってたからだ。そこでここ最近の父親の様子を話し、これは奉行所にはまだ言っていないが、結婚約束をしている同心の岡村には話しているという
この工藤堅太郎演じる岡村が曲者で、この回の見どころか。まず最初に岡村の名前を聞いた時の梅吉の表情から、悪役っぽいなと思わせる。が、登場すると意外や意外、そうでもなさそうな純朴そうな若い同心。梅吉も八重さんを守ってやれなどと声を掛けており、思い違いか、と。その後はところどころで不審な行動が少しありながらも、基本的には善玉に見える。が、終盤で悪役とわかってくる。
結果悪役とわかったところ、八重が後を付け探ろうとした、そこで八重は岡村に斬られ殺されてしまう。時代劇の、というかこの作品の作風だと、八重が殺されてしまうとは思わなかった。
サブタイトルどおり、遠山暗殺計画の攻防。
遠山登場の場面では、梅吉に「お前も危ないぞ、何しろそっくりだからな」と今作品で初めて二役であることを利用した台詞。
そしてこのそっくりを利用した結末、暗殺計画が行われる日、駕籠に梅吉が乗り込むのだ。
が、ここらは色々不自然。まず、ここまでの回で、そのことをなぜ誰も指摘しなかったのか。今回も、例えば岡村は梅吉の顔を知ってるわけで、その後駕籠から遠山が出てきたとき驚かないのか。
襲撃で駕籠を引き連れ悪人どもの前へ連れて来られ、腕の桜の刺青を確認するも、梅吉はもろ肌を見せ、刺青が腕にしかなく、それも書いた刺青、「今日はおれが一件落着させてもらうぜ」などと言う。
結局悪人どもの前へ引っ張り出され、切腹を迫られるも、逆に啖呵を切って、悪どもに立ち向かう。こういう展開だと、もし遠山が同じように剣術に優れているとしたら、悪人どもはこのように駕籠を連れてきてしまったらどうしても勝てないということになってしまうと思った。まあ時代劇ではそんなの通常だが。悪人どもが遠山暗殺を成し遂げるには、どうしたらよかったか。出会った場面ですぐやるべきだったろう。
不自然な点はほかにも。岡村に梅吉は遠山にその日暗殺計画があるからとなんとか出発時間を変えてもらったということを話し、そこでなおと目配せ(この辺りで梅吉となおは岡村に疑いありと示し合わせているのだろう)、なおが岡村の行動を探るのだが、岡村は梅吉が遠山と繋がってることに疑念を抱かないのだろうか、また、繋がってると知っていたら、遠山暗殺に向けて、もっと警戒したり、利用したりするはずである。
粂次が出ない。今回は信州へ蕎麦の仕入れ。
出光元(留吉)というのは7話にも出てるね。助六蕎麦でお美和やおきんと駄弁を繰り広げており、前にもこんな場面見たなあと。さらにそれが留吉という客で、あれれ、同じ人? と。やっぱりそうだ。ウィキによると、この後にも1回出てくるらしい。
今シリーズでは終盤の殺陣がハイライトシーンでその後にエピローグ、遠山と梅吉の場面や、助六蕎麦での一コマだとかがあるが、この回は殺陣のシーンで終わっていく

8/22
16 1月16日 浅間の煙よ男の命
織田あきら(浅太郎)、田口計(室伏)、小野進也(原田秀之進)、村田みゆき(志乃)
武甲藩の家老室伏による横暴な藩運営。それを正そうと脱藩し謀反を起こそうとしている集団と室伏を守ろうとする一派の攻防。浅太郎は脱藩したものの、その血盟には加わらず、町人として蕎麦屋を目指して蕎麦の納入作業をし、梅吉ともつながりがある。原田は親友で室伏派、その妹が志乃でかつて浅太郎とは恋仲であった。原田は室伏の行状を浅太郎からも言われ、自分で確かめそれが確信に変わったとき、室伏派から殺されてしまい、しかも藩とは関係ない人物だと無縁仏に。志乃はそれを抗議に行き、室伏に乱暴をされ、自害。梅吉とこの件に関わらないと約束していた浅太郎だが、ついに剣を持ち敵討ちに立ち上がる。

17 1月23日 涙で濡らす雪牡丹
目黒祐樹(梅津又兵衛)、野平ゆき(おりん)、北相馬宏(瀬川)
五郎蔵親分がいじめられてた小三郎を助けて店へ入ってくるという場面がある。五郎蔵親分の性格がわかる。
これに対して梅吉は情けないと小三郎を叱り、小三郎は仕返しへ。そこで又兵衛と出会うことになり、梅吉とも知り合っていくという場面だ。
梅又兵衛は小えんと芸者仲間のおりんのひも。毎晩おりんを迎えに来ては芸者仲間に冷やかされてる。日々ぶらぶらしていて、上記のように子供の喧嘩に立ち入ったりしてる(この小三郎の仕返しの場面では小三郎は仕返しをやり遂げ、又兵衛はそれを褒め小三郎と一緒に帰ろうとするが、そのいじめっ子たちが石を投げてきて、それが又兵衛にあたり、ひっくり返ってしまうというこの場面では目黒のひょうきんな顔での倒れ方がアップになっている)。と出だしはそんな調子で、のほほんとした明るいお調子者というキャラなのだが、実はその裏で、不良旗本の一団「鬼人組」に乱暴され自害した妹おぶんの敵討ちを狙っていたのだった、というようなストーリー。

18 1月30日 地蔵も泣いた風車
藤巻潤(佐川吉右衛門)
本所の埋め立て工事で次から次へと死人が出ているという噂。そこでは連れて来られた人足が乱暴な使われ方をしていた
弥之助はそこへ潜入する。そこは警備が厳しくつなぎが取れないという描写がある。が、弥之助が仲間と共に逃げるというタイミングで、粂次とおけいが弥之助を助けに来る。同日同時刻。これはご愛敬か。
子役松田洋治の小三郎、とても可愛らしい、そのことを書こうと思っていたが、キャラとしては梅吉は息子と暮らしているという設定のためだけのもののため、事件に絡むことがここまでほとんどなかった。前回のようにメインゲストと知り合うというのは初めてではなかろうか。
今回は結構がっつり絡んでくる。またまたいじめられていると一太郎という同年配の武士の子供に助けられ友達になる。この一太郎が今回のメインゲスト藤巻潤の息子という設定。
一太郎は江戸へ顔も知らない父親を捜しに来たのだった。
そして佐川のほうは、この本所の埋め立て工事の用心棒、逃げ出す人足を斬っているのだ。
ラスト殺陣では梅吉は佐川に一太郎のことを話し、なんとか話し合いに持ち込もうとするも、佐川は斬りかかり刀が飛んでしまい、小刀のほうで、自分の腹を刺し、息も絶え絶えに、一太郎に自分のことは言わないでくれと懇願。梅吉は一太郎にあの(佐川が人を斬っているところを一太郎は小三郎と一緒に見ており、その際、自分の父親の印籠をつけているの見てあれが父親だと思っているのだ)浪人の印籠は旅先で立派な侍からもらったものだそうだと伝える。そして一太郎が道場で働いているのを、梅吉、小三郎、お美和で見守る場面で終わっていく。

19 2月6日 江戸を走る影法師
大友柳太朗(尾形陣五郎)、小林昭二(弁造)、石田信之(綱之助)、ひろみどり(おくみ)
浜伸二(生首丹左)
生首丹左という狂暴な押し込み盗賊が現れ遠山もてんてこまい。綱之助は北町同心、その父親が尾形陣五郎で同心株を息子に譲って隠居暮らし、弁造は陣五郎、綱之助と二代に渡ってついている岡っ引き。
ストーリーが巧みだと思った。
序盤でこの三人が登場。どれも悪役に見えない。が、生首丹左を追っているとき、綱之助が何かをもらってわざと逃がしたという疑いが浮かび、しかも綱之助はそれを肯定、収監されてしまう。あれっ、綱之助が悪人? とチラリと思うも、それは演出ですぐに否定され、が、その裏にどういう事情が潜んでいるのか、という風に話は進む。段々、弁造が怪しいとなっていく中盤、まあ悪役としてはこの人が適任であろう。
そのストーリーの一方で綱之助には父親に下賤だとして紹介できない鳥追いの女おくみとの間に娘おゆきがおり、が、陣五郎は綱之助が嫁を取らないことを不審に、そして不満に思っているというストーリーも流れており、この事件をきっかけに、梅吉が陣五郎におくみとおゆきを紹介。この回のラストは梅吉でなく、四人家族となった尾形家の情景である
大友の顔がどっかで見たことある程度にしかわからず、中盤まではこの三人でどれがメインだろうとちょっとわからなかった、というか、綱之助がメインかなと思うくらいだ。

20 2月13日 闇に笑うけしの花
藤村有弘(望月平九郎)、長内美那子(志乃)
北上彌太朗(坂崎采女)、島田順司(宮本由之進)、幸田宗丸(越前屋)、出光元(留吉)、小笠原弘(西脇)
粂次が出ていない。
序盤では全然そんなこと思わなかったが中盤からメインゲスト(藤村有弘(望月平九郎)のこと)が前田吟に見えてくる。まあよく見るとやっぱ違うかなあとなったが。
平九郎の息子、京太郎(演・松岡章夫)足が不自由なのだが、も出てくる。で、その子と仲良くなるという関係でこの回も小三郎がストーリーに少し絡んでくる。足が不自由ということで肩を貸してやるなんていう場面もある。
この回では悪役は四人、坂崎采女、宮本由之進、越前屋、西脇であり、それを殺陣に入る前の梅吉の啖呵でこの四人を順に呼んでいる。その回の悪役の主だったどころを全員呼ぶというような演出は結構多く、そこでおれも名前を確認したりしている。一方、考えてみると、その悪役の主だったところの数人、それは大抵、お殿様と実行部隊であるその部下、(奉行所などの)役人、そして悪徳商人という感じであるが、そこら辺があまり深く描かれていないように思える。梅吉の啖呵でようやく構図がわかってきたり、こんな人もいたなと思い出したり。この回では島田順司は顔を知ってるということもあるが、この人の出番は多く活躍していたが、他はあまり記憶に残ってない。
この回の序盤では平九郎が助六蕎麦で蕎麦を大量に平らげ、が、金は持っていないという場面がある。この際小三郎が「すごい、18枚だ。あと2枚で10人前だよ」と言っている。この場面でわきに例の留吉(出光元)

8/23
21 2月20日 怨み節を弾く女
葉山葉子(茜)、草薙幸二郎(服部典膳)、石田英二(相模屋茂兵衛)、綾川香(吉村左近)
お納戸役の不正を扱った話
御納戸役三人が立て続けに殺された。
御納戸役では前任者八木沢が亡くなり、組頭だった服部が異例の出世、その際もう一人の組頭だった小笠原が夫婦ともども何者かに斬殺されたという事件が起きていた
茜は小笠原の娘。小笠原に世話になったと相模屋が茜を助け、仇討ちを決行していた。最初の三人がそれである。残りは服部とその部下吉村。が、相模屋は味方のふりして服部と繋がっており、小笠原夫婦をの殺しを決行した部下の四人が邪魔になったので、茜を操って殺させていたのだった、というようなストーリー。
冒頭第1幕で茜が三人目の殺しを行い、役人に追われ、弥之助の家へ逃げ込むという始まり方。弥之助は茜を看病し住まわせてやる。ここで多少の恋心、という風にこの回は弥之助のフィーチャー回でもある。
茜は騙されていることを梅吉に教えられ相模屋を襲うが逆襲され斬られてしまう、最後は弥之助の腕の中で死んでいく。このシリーズは割と善玉が生き延びれないケースが多めのような気がする。
ラストは弥之助が川へ茜の三味線(三味線の胴に刀を仕込んだものが茜の武器)を投げ入れるシーン。
このシリーズの第1幕、OP口上、メインレギュラー五人の紹介に続いて始まる。この幕はとても短いというのが特徴的。そして、その回の事件の発端だけが描かれる。そのため梅吉やレギュラー陣が登場することが少ない。そりゃそうだ、梅吉は事件が起きてからその事件のことを知るわけだから。ただ、その事件の発端で五郎蔵長太が出てきたり、通りかかった小えんが出てきたりということはある。この回の弥之助が出ることも珍しい
この回まで、お美和、おけいの活躍が少ない。お美和は序盤ではそれなりに出番は多かったと覚えているが。そして南原宏治の鳥居は、どの回からからまったく出なくなった。セリフ上では事件の裏にいるというような感じで出てくるが。源次郎も登場回が少ない。そして出てきても少しだけ。単に同心というだけの役で悪役でも善玉でもない感じだ

22 2月27日 冥土へ走る黄金船
村地弘美(おいね)、佐藤仁哉(多吉)、三谷昇(松造)、石橋雅史(桑田)、町田祥子(おぬい)
桑田率いる押し込み強盗の一団、拠点が岡場所、そこから足抜けしようとした女郎と男(おいねと多吉)が強奪した金を隠しているところを見てしまい、逃げ出すも、迎えに来ていたおいねの父親は斬り殺され、おいねと多吉はバラバラになり逃げる。おいねは記憶喪失となり、助六蕎麦の前のお稲荷さんでお供え物を漁っているところをおきんたちに見つけられる。という始まりで、おいね、多吉を追いかける桑田の一団という構図がメインストーリー。
そして、これはほんの少しだけしか描かれないが、おいねの父親が殺されるところを目撃した松造、これは小田原で暮らしていたが、浪人にさらわれた女房を探して江戸へ来たという。この松造が異様な顔立ちで目立つ。最初は恐ろしく汚い身なりで助六蕎麦にやってきて、蕎麦を平らげるが、おきんに臭いから湯に行けと言われ、今度はこざっぱりとした身なりとなって、また助六蕎麦にやってきて、おきんとともに酒を飲んで気を許し合う。が、松造はおいねの父親を殺したのが女房をさらった浪人で、その浪人のことを知ってるのではないかとおいねに問い質したかったのだ。
そして、なんともご都合主義的だが、女房おぬいは、おいねのいた岡場所「滝川」の女主人となって、桑田の相棒となっていたのだ。
松造がその女主人おぬいに会いに来る場面はなかなかで、強欲な岡場所の女主人でありながら、元の旦那が探しに来てくれたことが嬉しかったのだろう、言葉は乱暴ながら、身請けする金と差し出されたものを、持って帰るように言い、桑田がその金を取り上げると、返すよう懇願し桑田に斬られてしまう。こちらのストーリーは少しだけしか描かれないのだが、印象に残ったシーンでもある。
今回の出陣後の殺陣は鵜綿と梅吉の一対一。これまでは毎回多人数を相手にしており、一対一は初じゃないかな。
その前の場面、滝川での松造とおいね、桑田の場面に続いて、粂次たちが乗り込んできて、大立ち回りで桑田の子分どもはやられており、桑田はその場を子分を見捨ててこっそり抜け出していたのだ。そしてついてきた子分ひとりはばっさり斬り捨てており、それゆえ、梅吉と一対一になったのだった。
ラストでは、粂次、弥之助、おけい、お美和がおいね、多吉を見せの前で見送る場面とそれに続いて、店内でおきんが松造を見送る場面(死んだかみさんが忘れられないと松造、いいのよそんなこととおきんは言いながらも未練の目)となる。蕎麦屋の中では梅吉がいないからか小三郎が法被を着て蕎麦をこねている。
この回では助六蕎麦がある場所を「本郷台地、助六横丁」と言っている

23 3月5日 影の軍団夜を飛ぶ
風間杜夫(同心田口)、木村弓美(千沙)、村上冬樹(若年寄高江)、山下勝也(旗本笹村)
浪士隊なる浪人からなる集団が商家を襲う。そこには「奸商 誅殺」と。
がこれは老中水野、若年寄高江、南町奉行鳥居甲斐守が裏で操っていたのだった
同心田口は南町同心、婚約者千沙は旗本笹村の妹。旗本笹村は旗本の次男坊で、旗本次男坊、三男坊が集まっては素行不良。田口も旗本次男坊だったが同心の家に養子になり同心となったのだった。
真相は、この旗本次男坊集団が浪士隊。鳥居は浪士隊捜査のためと称し浪人狩り。
田口はその真相を知ってしまい、鳥居の勘気に触れお役目御免となってしまう。
梅吉は遠山に田口を北町で使うよう進言。
浪人狩りも済み浪士隊も用済み。高江の屋敷に招かれるがそこで毒殺されてしまい、そこへ梅吉が乗り込む。
高江は鳥居にそれをやれば水野から評価を受けられるとそそのかされていたのだった
同心に嫁入りということから千沙を見て、小三郎が母親のことを梅吉に問う場面があり、また梅吉も女房を思い出したか墓参りの場面がある
この回は非常に久しぶりに南原宏治の鳥居が登場

24 3月12日 女狐獄門旅
三条泰子(夜桜おもん)
天野新士(前田伊織)、武藤英司(備前屋)、松本朝夫(篠原丹波)
今シリーズで初めてだったと思うが、旅先での出来事から始まる。
粂次も弥之助も仕入れに旅へ出ており、その弥之助の旅先で唐丸籠から盗賊夜桜おもんが侍の一団に奪われ、おもんはその侍たちからも逃げ出し、山道で休んでおにぎりを食べている弥之助のおにぎりを盗むことから二人は知り合う。とそんな始まり。
ちょっとこれは変だなあというのが二点
おもんは江戸へ行きたいと言い、二人は江戸を目指すのだが、江戸へ入り、水車小屋で隠れている場面で、弥之助はようやく江戸へ入ったがここからが大変だ。どうやって助六蕎麦へ戻るか、みたいなことを言ってる。江戸へ入るのが一番難しくて、江戸へ入ればもう簡単なのではないかと。案の定とでもいうか、そこへ粂次とおけいが屋台を担いで登場、梅吉が道順からすると隠れられるのはここしかないと言ったとのこと。そこから助六蕎麦へ戻るのは別に難しくないだろうに。
が、その後その担ぎ屋台も利用して、四人で戻る場面では、おもんを追う集団に出くわし、ひと悶着となるのだけど。
もう一つ。おもんには子供がいたが、その子は生まれてすぐ人にもらわれていったとのこと。が、行き先は知っているというのもちょっと変だが、それは教えてもらえたのだろう。で、その娘に人形を上げたのだが、そこに今回の事件の鍵となる書付を隠しているのだという。
で、人形を上げるという回想シーン、屋外、長屋の井戸端だろうか、そこで娘におもんが人形を渡している。不審な状況にしか見えない。その娘からするとおもんは知らない人のはずだし。人形はなんだか怖いし。その人形はその娘が大事にしていたとのことで書付は見つかるのだが、知らない人からもらった怖い人形を大事にするだろうか。
おもんは盗賊だが、その書付のことで巨悪を暴くことになる。ラストは、護送されるおもん(怪我をしたため療養のため養生所に送られ、その後島送りの刑となる)を橋のたもとで見送る人形を持った娘とその養い親、そして弥之助とおけい。おもんは娘と視線を交わしながら去っていく。
一杯のかけそばみたいなエピソードが挟み込まれる。母娘が助六蕎麦に閉店間際にやってきて、一杯だけ頼む。娘が少し食べた後母に上げようとするとお腹いっぱいだからと断り、娘は昨日から何も食べてないじゃない、と。ここで梅吉が数を間違えて作っちゃったんで、食べてもらえませんか、お題は両方ともいただきません(注文されたのは「そば一杯」であり、ぶっかけがでてきた。二杯目に梅吉が渡したものにはかまぼこが乗ってるようでそれを母親が娘に分けて上げていた、しっぽくということだろうか)、と。これを二階で匿われていたおもんが見つめていた(その目を見て梅吉はおもんに子がいることを悟るという風に後の場面に繋がっていく)。という流れ。
一杯のかけそばにちなんだのだと思ったが、一杯のかけそばブームは1989年とのこと

8/24
25 3月19日 地獄の底で笑う奴
神田隆(林田主膳)
この回では弥之助フィーチャー。弥之助のフィーチャー回が多い。とくにこの回では第8話で粂次と同心時代の梅吉の出会いが描かれたように、弥之助の同心時代の梅吉との出会いが描かれる。この手のものはこういうチームで行動するような時代劇作品ではありがちではある。


26 3月26日 江戸で一番いい男
御木本伸介(仙太郎)、宗方勝巳(杉村大二郎)
沢かをり(八重)、加賀邦男(越前屋)、森幹太(清水)、山本昌平(佐吉)
最終回。ということで豪勢なゲスト陣・・・、そうでもないか。自分のよく知る二人がメインだったもので、そう思えてしまった。
ただストーリー的には力の入ったものである
仙太郎は元は杉村長一郎といい、大二郎の兄。兄弟の父は同心で、抜け荷探索中殺されてしまっていた。仙太郎は実の子でないということもあり、家を出ていた。
旅がらすの格好で江戸へ舞い戻り、父の日記を頼りに復讐を始めるというストーリー。大二郎は南町鳥居の配下で、抜け荷探索情報を商家に流したりしていた。
この兄弟の和解というのがテーマで、中盤にある二人の対面の場面、飲んだくれてた大二郎に仙太郎が声を掛けると、再開を喜び笑顔になる大二郎だったが、すぐに表情を変え、今は追われる身の仙太郎をののしる、なんていう場面や、その後の父親の日記について知った大二郎が十手返上覚悟で抜け荷探索に向かう場面などはなかなか。
また最終回らしい演出も随所に。ストーリー的にはあまり意味がないが、源次郎が五郎蔵と長太に酒を振る舞いご苦労さんと言っている場面とか、また、ラストシーンは、助六蕎麦従業員御一行が慰安旅行に旅立つという場面で、そこへ小えんが私も連れてってよ、に、梅吉が働いてる仲間の骨休めだからお得意さんでもダメ、いない間この店も見回ってよなどと言っており、そこへ遅れてきたおきん、派手な格好で、他のみんなが敬遠、弥之助が「なるべく離れてきてね」におきん「悔しい~、親方ぁああ」で追いかけていき、それを小えんが笑いながら見送るというエンディング
23話に続いて南原宏治の鳥居が登場。そしてこの回のEDクレジットでは、南原がトメ、和田幾子がその一つ前という形で、これは今シリーズ初期はそうであったのだが、途中から、多分南原が出なくなってから、こういう形式でなくなった。メインゲスト1、2名が最初、その後レギュラー陣、そしてその他ゲスト、最後に南原と和田というのが初期の形式だったが、途中からは、トメの位置に来るべき人、例えば和田が出演しているときはレギュラー陣の先頭となっていたのだ。れは23話でもそうで、南原がレギュラー陣の先頭であった。
25話と26話で必殺に似たような音楽が流れる。それゆえか、映像というか演出というかがその場面についてはすごく煮ている。
音楽のほうは似てると言うか、同じじゃないかと思う。
必殺で高名な楽曲はいくつもあるが、そうではないが、何度も流れてたようなものも多いはずで、その中のひとつ。ところがどこで流れてたかすぐには指摘できないし、探すのも大変なのでこれ以上の詮索は止めておくか。
遠山の登場はほぼすべての回で梅吉との会談だったがこの回では鳥居と南北での月番についての引継ぎの場面。



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遠山が出る場面では必ずテロップで「北町奉行 遠山左衛門尉景元」と出る。

助六蕎麦店内の品書
第5話
店内壁に貼ってある品書(「覚」となっている)が映るが、ぼやけててあまり読めない。
これまでの回で、「助六蕎麦」(これはざるそば)、「ぶっかけ」(これは多分かけそば)、「花巻」、「しっぽく」 などが出てきていた。後者、「花巻」と「しっぽく」 は落語「時そば」に出てくる。
品書の右から二番目に「助六蕎麦」と赤文字で12文。
品書の一番左は「上酒一合 40文」、その右隣は「玉子とじ 32文」
表記は(玉子とじのところ)「一玉子とじ 代三十二文」、すべての品の最初に「一」とあり、代金のところに「代」と「文」がある。助六蕎麦の十二文のところだけ「拾二文」
第14話
2幕の最初には、「しっぽく花巻上がったよ」という梅吉のセリフとともにその二品が映像になって出てくる。客はなぜかそれをひとりで頼んでいる。
第15話
一番右、品名は読めない、48文。右から4番目、5番目がそれぞれ花巻、しっぽくで、これが24文。
品書がなぜ読めないか。気取った字体、かなも旧字、また思わぬところで漢字が使われる。ここでは「花ま記」、「志っぽく」となっている。
画像
5話 梅津栄
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14話 右が花巻、左がしっぽくだろう
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15話
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「出陣」の場面。お約束なのだから、という風にも思うが、急いで駆け付けなきゃならないような場面、例えばゲストの誰々が仕返しに悪役のもとへ向かったとか、そんな場面ではすぐ自分たちも駆けつけなきゃならんだろうに、いちいち家へ戻って酒を湯呑に一杯グイッと飲み干して「さあ、繰り出すぜ」と決め台詞、出かけるというのが、変といえば変。
それと同じようなことでいえば、粂次たちは担ぎ屋台を利用して至る所で店を開き、事件の見張りをしているのだけど、これまた急いで相手を追うだとか、梅吉に知らせなければならないとか、そんな場面でも、よっこいしょっと担いでいる。

出陣後、殺陣に入る前に梅吉による長めの「啖呵」がある。これも見どころなのだろう、一番最初の口上の最後の部分は「火を吐く啖呵で悪を斬る」となっている

梅吉ちょんまげ
最後の殺陣の場面での梅吉のちょんまげが変な形。あれはなんというのだろう。普通は月代に縦一本の髷が乗っかってるが、ここでは月代の後ろ半分全体を覆い隠すようになっている。正面から見ると、おでこの広さがそのまま頭の前半分あたりまでになっており、その後方が髪。
15話では、最初は遠山を装ってるため整えられてる髷姿なのだが、殺陣に入るといつの間にかそれに変わっている
20話、21話では殺陣の場面でもいつもの髷のまんまだ。
22話では出陣の場面からこのちょんまげ

助六蕎麦の構成
従業員がやけに多いと思ったが、よくよく見てみると、粂次、弥之助、おけいは担ぎ屋台の担ぎ手としての従業員で、お美和とおきんが店内注文取り。これくらいの人数ならまあ変ではない。