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必殺仕事人2020 [必殺]

06/28(日) 21:00 -
テレビ朝日|124分
スペシャルドラマ 必殺仕事人2020【最新作!!東山紀之・市村正親が初共演!】[解][字]

すばらしい。ぎり合格点ではなくて、かなり高い評価を上げたい。東山版必殺仕事人、もうずいぶん長くなるし、初期の藤田まことがいたころの作品はどの程度だったか覚えてないのでそこらへんは抜き、近年のものとしては文句なく一番の出来。
まずストーリーが相当にわかりやすい。近年のものはいつも突拍子のないものが多かった印象だが、今回は往年の必殺シリーズのようなかなり単純化されたものだったように思う。
順を追って話せば、まずは期待値が相当に低かった。まあこれまでの出来から推して知るべし、そこまで期待しても仕方ないし。そんな気持ちで見始めたのだが、まず最初の評価の転換どころ。二時間の作品で、中盤の1時間あたりのところで、まず最初の仕事人による仕事が始まる。これだよこれ、うまくやったな。おれの持論なのだが、必殺シリーズは連ドラシリーズで1時間ものに限る、2時間ものであるテレビスペシャル、映画版に良い作品がひとつもない。2時間となると長尺のため、テレビスペシャルとなると、当時の人気タレントなんかを出して、そのころの流行りのセリフを言わしたりのおふざけが多く、また映画となると映画ならではの力の入った凝った演出、どちらも必殺の魅力を出せていない。
そういう声があったかどうか知らないが、1時間で一つ目の区切りを持ってきて、一応の決着としたのを見て、「おっ、なかなかやるじゃん」と思った。
そして後半、これは第2エピソードの別の話というわけでなく、前の話を引き継いでいる。最初の仕事が失敗だったともいえるし、依頼通りそれはそれでやったともいえるのだが。
この後半、際立って目立ち、つまりはこの作品はこの人に尽きるといえるのが、杉本哲太。格好良い。そしてこういう名のあるゲストというのは悪人役だろうなと思っていたのだが、豈はからんや、善人役で無念にも惨殺(騙されて自害)され、結果殺しを依頼する側となる役。そしてこのキャラクターがまた必殺シリーズでは比較的馴染みのあるタイプ。おれは織本順吉がやったので覚えているが、主水の同僚、息子について思い悩んでるといったような回があったと思うが、今回の杉本はそういう役。さらには結構な熱演名演。まあ冷静に考えると、その杉本の役とその息子ともに、簡単に騙されるバカというのはあるが、こういうところも必殺シリーズではお馴染み。
その杉本が活躍する終盤の流れはちょっと自分の思っていたのと違うストーリーだったが、そこらも破綻に繋がることはなく、心地よく進んだ。
子役、とても可愛らしく上手いのだけど、それをプッシュしているのか、出番が多すぎ。子役がそういうタイプというのは食傷気味である。
こういうときはすべてがうまく行くということもあり、第1エピソードで母を殺されたその子役、第2エピソードで杉本と息子が死んでしまい、途方に暮れるその妻。この二人が今後一緒に暮らしていくことが示唆され終わっていくのだけど、それも唐突でなく、その前段として二人が知り合っているという場面が挿入されてるのがうまい。

ゲスト
市村正親と駿河太郎が悪役。どちらも良い。駿河のほうは善良な役として登場しながらも最後に悪の正体を見せる。市村のほうは本町奉行、最初から悪とはわからないまま話は進み(といっても記事で悪役だと知ってるし、雰囲気的にも悪役的ではあるけど)、やはりことらも最後に悪としての正体を見せるという形式。登坂淳一は冒頭に仕事人渡辺小五郎に殺されるというだけの色物ゲストの役
レギュラー
キムラ緑子は完全に野際陽子の後釜として、もう前はなかったことのようにイキイキとしていた。まあこういうのは引きずるのもよくないしな。あと、大阪弁なのはちょっと嫌だな。
和久井映見、存在感が薄いがそういう役に徹しているところに好感。
ジャニーズ3人。別に悪くはないのだが・・・、一人ひとりに目をやっても特別悪くはないのだが。なのだけど3人はいらないという風にしか思えない。これは固定観念なのだろうけどな。東山はおkでしょう。じゃあ東山だけにしてほしい。松岡はどうか。悪くはない。ジャニーズらしいくさい部分は少ししかないし。あと、もうひとり、知念侑李、リョウ役。これは当人の演技力もキャラクター自体の魅力もイマイチ。なのだけど、必殺シリーズに登場する殺し屋で色々な面でイマイチだったレギュラー出演者はいなかったわけではなく、そう問題ではないだろう。なのだけど、三人が揃うとなあ。
といっても今回はこの三人どれもさほど目立っておらず、それがあまり出しゃばらずという風に見え良い出来に繋がってるのかもしれない。
今回の作品ではジャニーズ3人がさほど目立っていないので、そうとは言えないが、全般的に和久井映見に大きな見せ場がないのはジャニーズ3人より目立たせなくないという配慮からだったりしてな。

必殺に当世の流行を取り入れるというのはお馴染みだが、今回は「振り込め詐欺(オレオレ詐欺)や半グレ集団、引きこもり(ニート)」。すべてうまく乗せているように見えた

スタッフに布目真爾の名あり。

そういや、この作品突如放映決定のニュースが出ていたけど、制作開始のニュースというのは出ていたのだろうか。いなかっただろうな、時折検索していたが、この「2020」の特別サイトが見当たらず、最新作が旧作のままだった。新作の制作発表があればそちらも開設されるはずだろうし、ニュースもヒットしていただろうし。
いつごろ制作したのだろう。コロナ禍以前に完成していたと思われるが、なぜもっとまえに放映しなかったんだろう。疑問が多い。みんながステイホームしている時期ならもっと見てもらえただろうに。
完成していたはずと書いたが、細かい手直しだとか、再撮影とかが残っていたとかだろうか。