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水戸黄門第1部<デジタルリマスター版> [時代劇]

05/22(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第1部<デジタルリマスター版>▼第20回「父を尋ねて」(鯖江)

「水戸黄門 第1部」再放送 デジタルリマスター版の魅力
この記事を見つけ、第1部を放送していることを知って驚愕
長いシリーズなので、途中のものを見ても仕方ないということで、視聴を考慮に入れてこなかったが、第1部なら見たいと思ってたのだ。
というわけで、途中からの視聴なんてのは普段はしないが、これについてはしばらく見てみることにする。まあ今後はバンバン放送されるかもしれないが。
一方で、この後この枠で第2部~以降全話放送なんてことになるなら、この最初の方を見れなかったのは悔やまれるということになる。

第20話 12月15日 父を尋ねて
篠塚仙之助(三宅新十郎):大友柳太朗
お京:河村有紀
鯖江郡代・丹波:永井智雄
篠塚次郎吉:杉山直
大田黒一平:山本麟一
1969年の作品
もう出来上がってる面とまだまだなところ、そして製作年度が古いせいか稚拙なところと。
東野英治郎の水戸黄門のキャラはもう出来上がってる感じである。長いシリーズの最初の段階でもうビシッと決まってるというのは驚きでもあるし、だからこそのはまり役ということでもある。
必殺の主水の最初のシリーズで主水ももさることながらせんとりつが後年のキャラがすっかり出来上がってて驚いたものだ。
劇中流れる音楽も聴き馴染みのあるもので、それは後年まで使われていたものだと思う(OPの主題歌については後述)
一方でフォーマットとしては、この回では印籠を出さない(が、悪役である代官は相手が光圀であることをわかっており、光圀はそれを承知のうえで、凄んで見せている)。この回では弥七は出ていない(今シリーズにはすでに登場しているとのこと)し、八兵衛は今シリーズにまだ登場していない。
脚本や演出の面ではどこか稚拙なところが目立つ。序盤でそんなことを思い、が、気のせいかなと思ったものの、終盤に至るもそういう面が多々あり、これは製作年度が古く、まだ金もかけられずといったことかもしれないし、まだテレビドラマが軽く見られていたということかもしれない。ストーリーの運びに汲々としている感じなのだ。
この回では一行が知り合った父を探している少年と助さんが先に旅立つという内容で、先に旅立つことになった後は、その二人がメインであり、異様なほど光圀の出番が少ない。
また殺陣では、助さんのみが悪役の元で乗り込む形で、それが大体済んだところで光圀と格さんが登場するという形
OPやEDにクレジットがあったのだろうと思うが、ここではOPで短縮バージョンのクレジット。キャストについては水戸黄門と助さん格さんだけしか表示されない。ここら辺についてはウィキにある。主題歌は有名な「ああ人生に涙あり」だが歌なしのインストゥルメンタル

*5/23
第21話 12月22日 子の刻登城
鎌田新左ヱ門:中村竹弥
あらすじは検索すれば出てくるので書かないようにするが、子の刻登城というのがテーマになっていて、毎年その先陣を取っている下級武士の役が中村竹弥。この人はおれが見たものでいうと、主人公を温かく見守るというような旬を過ぎたがキャストに華やかさを増させる存在といった立ち位置なのだが、ここでは年頃の娘がいるものの、まだまだ生臭く、悩んだり武士のあり方を語ったり、そして追い詰められて最後には割腹で果てるという役。
ストーリーとしては、こんなテーマを後の水戸黄門ではやってなさそうな感じがした。どこにそんなことを感じたのかはなかなかうまく言えないが。
ハイライトシーンは後のものと比べるとちょっと異質である
印籠は出さず、名前を名乗らないが、相手方にはわかっているというもので、これは前回と一緒。殿様と今回の悪役であるこの子の刻登城を仕切っている家老の息子が待つ先陣登城の場に黄門一行が乗り込む。殺陣の果てに殿様が光圀であることに気付くも、家老の息子は気付かない。殿様が退けと言うも、再度挑みかかり、二度目の殺陣となる、という風なところも後の作品ではあまり見ないのでは。
という風に、この二回分で、後の作品と比較しているが、よく考えて見るとおれはリアタイで80年前後くらいか見ていたくらいで、その後はあまり見ていないはず、近年で武田鉄矢版は除くとして、他には見たっけなあ、だから比較といってもおぼろげな記憶と、マンネリ水戸黄門のイメージで語っている
今回はガッツリ光圀一行が事件に絡んでる。また前回感じた稚拙な部分というのは今回はまったく感じず。
ラストに芥川隆行のナレーションあり(前回はなかった)

*5/24
第22話 12月29日 決斗・砂塵の宿
生方源十郎:田村高廣
おせい:北林早苗
生方庄太:藤田和久
赤沢大助:草野大悟
松田伝内:五味龍太郎
磯貝新兵衛:山岡徹也
仁助:瀬良明
おみよ:志乃原良子
吉田屋清兵衛:永野達雄
越前屋彦兵衛:北原将光
七左衛門:矢奈木邦二郎
辰蔵:田畑猛雄
作造:北見唯一
弥吉:河上一夫
安松:田村保
ゲストはウィキを全コピペ(先に書いた通り、番組内でゲストキャストクレジットはない)
田村高廣、驚いた。見る前に事前情報を入れたくないので、ウィキをあまり見ないようにしており、この前後でどんなゲストが出てるかわからない(前掲記事にいくらか書いてあったが)。
おれが見始めてから三連続で大物ゲスト、田村も大友柳太朗も超大物と言ってよい。
ストーリーに触れると長くなって面倒なので触れないつもりでいたが、今作は異色で触れざるを得ない。最小限に触れる。
水戸黄門でこんな作品があったのか。世界観が黒澤の「用心棒」(だったかな? 違うかもしれない)だとか西部劇でよくあるようなもので、飲んだくれと蔑まれていた男が実は凄腕、その凄腕がその凄腕のため町中から頼られるものの、敵が仕返しにやってくると知り、全部をその凄腕に押し付け、家に閉じこもり、閉じた戸を少し開けてその最後の決闘を覗いている。風が吹きすさぶ町、そして最後の決闘が始まる・・・。ああ、だからこういうサブタイトルなのか
序盤からその町民のいい加減さが描かれていることもあり、用心棒だとかを思い出してはいたのだが、終盤になり、敵が復讐にやってくるとなり、町民がみな凄腕源十郎に手のひら返しでそっぽを向き始めたところで、演出の狙いが明らかになり、そう考えると、光圀一行が今回は登場人物とはがっつり絡んではいるものの、この町を襲う暴漢騒ぎについては一貫して傍観者の立場であることに気付く
どういう結末かなと見ていると、やはりそういう水戸黄門では異質なストーリーのままであり、光圀が出て行って事を治めるといういつものアレはまったくなく決着がつく。ただ、敵方が予想より多く、光圀は二人に助太刀するよう言い、二人はその命令通り動くという風に殺陣には絡んでいる(その殺陣で相手が強いということなのか、助さん格さん二人がかりで一人を相手にしているという見方によっては卑怯なことをやっている)
田村は剣豪の役ははまり役過ぎてここでも素晴らしい。暴漢が町を襲い、源十郎が一人を怪我させる。源十郎は侍ではあるが医者でもあり(この町では医者として知られているが、今は飲んだくれで医者として期待はされていない)、怪我をさせたそいつを治療してやっている。
その一人を奪還するために暴漢たちは戻ってくるという流れで、ラストの殺陣では、全員を倒した後、怪我を治療してやった男も斬り殺しており、ここら辺も殺伐とした水戸黄門の世界とはかけ離れた世界観の時代劇という感じ。
端役のところで見たような顔が一杯。一応ウィキの全コピペをしておいたが、北見唯一とか永野達雄とか。永野は町の顔役というような役で、いつもの老中とかからはかけ離れた感じ、顔役といってもなにせ薄汚れた町である
他も見たことある顔があったが名前は思い出せなかった。暴漢の中で怪我をした男が草野大悟だな

*5/25
第23話 1970年1月5日 初春・役者騒動記
お静:島かおり
歌三郎:平凡太郎
市川銀之助:中村竜三郎
牧右衛門:桑山正一
甚兵衛:人見きよし
久七:柴田侊彦
おみつ:井上清子
鬼瓦:遠藤辰雄
伯竜:谷幹一
金森丹波守:南廣
ほかに、関敬六の名前もウィキにあるが、どこに出てたかわからなかった。再度見て、らしいのを見つける。やくざの下っ端かな
前回はらしからぬ作品だったが、今回は一転して喜劇的要素が強く、らしい作品。見てみてかつてこのストーリーを見たなあという記憶があるわけでもないが、かなりステレオタイプな水戸黄門という感じで、この後繰り返しリメイクされたのではないかと思う。
光圀一行がやってきた地では二つの芝居小屋、朝日座と南座がいがみあっている。この二つの芝居小屋は朝日座の番頭だった甚兵衛が飛び出して独立という経緯。南座が悪役側で、やくざの鬼瓦一家がバックについている。朝日座のほうが桑山正一
その二つの小屋の息子と娘が恋仲(朝日座の娘がおみつで南座の息子が久七)だが、親からは交際を許されていない、という構図
またその地では辻講釈師(谷幹一、戸部伯龍」と幟が上がっている)が自作の新作、水戸黄門漫遊記を読む、とこの設定では喜劇的演出がいくつも考えられると思うがそれが総動員されている感じ。例えば光圀は六尺豊かな大男とされ、助三郎は五尺に満たぬ小男、ブ男、生来の女好きなれど女にモテずとされる。終盤で芝居として水戸黄門をやり、それに光圀一行が出ることになったとき、助さんはそれに文句を言ってる。
また助さんは旅一座の女優、お静に惚れられているが、お静は告白がうまくできないと、一座の同僚の女に助けを頼み、裏に隠れて声色を使ってその女が代わりに告白をしてやる、なんぞという喜劇的演出もある
芝居小屋のいがみ合いというのも色々喜劇的要素が膨らむ。意地を張り合い少しでも大きな看板を出しあうとか。
その後の展開としては嫌がらせで朝日座にきた一座は二度目、前と同じ芝居をかけると、嫌がらせで南座に同じ芝居をかけられてしまい、朝日座は伯竜の勧めで「水戸黄門旅日記」をやることになる。が、役者が怪我をし、光圀一行がが出演することになり、ラストへなだれ込む。
その地の殿様が出張って水戸黄門光圀さまを芝居にするとはけしらからんと取り締まるも・・・、と予想通りの大団円。
ここでウィキに「初の印籠を使っての悪成敗回」とあり、そうか、ここが初めてだったか。道理でこなれてないと思った。光圀自身が印籠を出しており、そこまでの経過もちょっとこなれてない。
光圀が本人だと名乗り、周りがみなひれ伏すも、召し取りに出張った殿様の金森丹波守だけがまだ立っていて、そこで印籠。ここは普通なら、殿様がまず光圀に気付き、周りに控えろーと叫ぶという段取りだと思う。
印籠の後は懲らしめの言葉を聞きながら余韻に浸る場面かと思うが、その懲らしめの言葉もなく、旅立ちの場面になっており、あっさりしていて、ここままだこなれてない感じだ。
二つの芝居小屋のいがみ合いというのは大した悪でもないしどっちが悪とも言えない事件で、その片方にやくざや役人をつけて、最終的に無理やり悪人成敗の話にしている感じはある。
遠藤太津朗が若い。谷幹一が講釈師という珍しい役。ここらも見もの

*5/26
第24話 1月12日 謎の死紋
寺坂弥太郎:本郷功次郎
縫:珠めぐみ
太兵ヱ:森健二
お京:左時枝
松島右近:須藤健
峰十太夫:山本清
片貝大八:守田学哉
仇討の話だが、目的は仇討だけとは言えず、藩をよくするということを目指しているようである。
新たな蔵奉行が見回りの最中に小柄を投げつけられ、その小柄には剣片喰の紋がついた布が巻き付けられていた。この剣片喰の紋は切腹させられた前の蔵奉行、細谷十兵衛のもの。一族はみな切腹させられ誰も残ってないはず。
弥太郎と縫が兄妹で、弥太郎は呉服問屋の井筒屋に勤めており、縫が討つべき相手の右近の家に奉公。右近は亀田藩の要職で悪政を行っている。
弥太郎は細谷十兵衛の部下であり側近であった。
その井筒屋の主が太兵ヱで娘がお京、太兵ヱは元盗人で弥太郎からも盗もうとして、諭される。そこで太兵ヱは弥太郎に惚れ、真人間になり今は井筒屋。弥太郎に協力している。
最終的には縫、太兵ヱが殺されてしまうという結末
最後のナレーションあり。そこで気付いたが、この悪人成敗をする側の四人、その二組のそれぞれが一人を失うという結末が話のテーマ。なのだが登場人物が多くて焦点がぼやけている感じである。
殺陣から光圀の登場シーン。助さん格さんが弥太郎たちに交じって殺陣に参加。光圀はこの藩の重役らしき人物(ここで初登場の人物、考えるに、光圀がその藩に事情を告げ、その場を収めるために、光圀の付き添いとなったということだろう、と考えると要職であるはずである)に連れられてその人物が、こちらは水戸中納言と言って、周りがひれ伏すという演出。助さん格さんは一旦そこで膝をつき、その後、光圀の元へ馳せ参じる。という風に後年のものとはずいぶん違っている。
その後、弥太郎へ右近を討つことを許すも、右近が光圀に向かってきたので、助さん格さんがすぐさま斬り捨てている
冒頭と最後、分かれ道、光圀があらぬ方へ行こうとし、助さんが陰口で「頑固爺」、「狸親父」などと暴言、光圀は聞こえていながら耳が遠くなったととぼける。このやり取り、テレビドラマ水戸黄門のイメージそのものであり、東野英治郎がノってきた感あり
川谷拓三らしき男が一瞬登場、第2幕中盤、弥太郎一派の会議の最中、町人姿で、見張り役「おい、表に誰か(来ている)」と注意を発している

*5/29
ビバリー昼ズゲストが時代劇研究家の春日太一。この水戸黄門第1シリーズについての言及あり
第25話 1月19日 旅烏の子守唄
稲荷の弥之吉:渡哲也
庄左ヱ門:菅井一郎
おかよ:加賀ちか子
勘太:下沢寛之
鬼塚の熊吉:藤尾純
熊吉の子分:志賀勝
渡哲也が当時期待の若手だったのだろう、特別待遇ともいえるほどに見せ場と言えるような場面が多々ある。
そして、勘太という子役の下沢寛之、今ウィキで名前をクリックして仰天したが、なんと真田広之である。言われて見直すと、子役ながら確かに面影がある
この回も水戸黄門の通常パターンからはかなり逸脱。光圀一行が懲らしめる悪役というものが見当たらず、曲がったことの嫌いな渡世人、弥之吉が勘太を祖父のところまで届けようという旅に光圀一行が関わるというような話。この弥之吉は三人の男に追われていて、また、彼は光圀に勘太を預けて一人旅になるところでは、賭場に入り、いかさまを見破ったことで、その賭場を開いてる親分(藤尾純)たちに追われ、という風な程度の悪役はいるが、そこはほとんど描かれておらず、サイドストーリーである。尚、弥之吉を追う三人の男は実は悪役でなく、江戸から親分の言いつけで若親分を取り戻した来た一行で、弥之吉は江戸のやくざの跡取りなのであった。
ラストの殺陣で鬼塚の熊吉一行と弥之吉が対決、助さん格さんは弥之吉に助太刀、とこういう構図で、その三人も追いつき、弥之吉に加勢するという展開になる。
光圀は自分の身分を明かしてどうこうというお約束場面がない。

*5/30.
第26話 1月26日 越後騒動
市川紺太夫:藤田佳子
おみつ・かえで:磯野洋子
新切新之助:伊吹吾朗
お蓮:丹阿弥谷津子
お千代:阿井美千子
永見大蔵:高野真二
とよの方:三島ゆり子
お万:利根はる恵
片山主水:高田次郎
阿部豊後守:永田光男
服部十左衛門:中村錦司
松平光長:村居京之輔
小栗美作:鳴海剣吾
この回は藩のお家騒動のエピソード。二人の家臣が別の後継者を立てて家督相続を争っているという内容で、よく時代劇で使われる題材だなと思っていたが、ラストはびっくり、マンネリに入った水戸黄門ではなさそうな結末だった。
敵対する二人の家臣(小栗と永見)に高田藩の藩政は牛耳られ、60を超えた殿様、松平光長はその双方からの若い女の供給を受け未だ好色三昧、という風にその当事者三方が悪役っぽく進行。そして、その殿をお諫めしようとした奥方であるお蓮の方は座敷牢に幽閉
光圀は光長と昔一緒に鷹狩に行った仲、そしてそのお蓮はその鷹狩の際に立ち寄った百姓家の娘という思い出がある。
ゲストが多数で、みなそれなりに重要な役、メインゲストとなるのは誰だろう、伊吹吾朗、言うまでもなく後の格さん役、ここでもメインゲスト的扱いで存在感あり。お蓮の娘、みつと恋仲で、藩をなんとかしようと奮闘
みつは町人で旅姿の光圀一行の身分を見破り、藩の窮状をなんとかしてくれと頼みにくるも、光圀はとぼけてそれを退ける。みつは悪役に殺され、新之助はその死骸を運んで光圀に再度頼み込み、光圀はそこで腰を上げるという展開
かえではみつの妹で一人二役
市川紺太夫というのは冒頭で光圀一行と旅をともにしている手妻の旅芸人一行の座頭で、終盤、光圀が城に乗り込むときにも一役買う。
お蓮の丹阿弥谷津子も含めて四人がフィーチャーされてる感じ。
他にも殿様、対立する家臣、その双方の裏にいる大奥の実力者や、双方から殿に提供される若い女、どちらの派にも属さない家臣の片山主水、最後は江戸で採決となるので、その場面では評定を下す阿部豊後守も出てきて、盛りだくさん。三島ゆり子は殿さまにあてがわれてる若い女、とよの方。
光長は光圀と会ってもさして顔色も変えず、気づいているのかいないのか、みたいな状態で、ここは大袈裟に旧友との再会、もしくは権力者に出会って驚くみたいな素振りみせなくちゃダメじゃんと思っていたのが、それは演技がダメなわけではなく、その殿様の様子を見て、光圀は「手遅れだった」とお蓮に言っての、お取り潰しという結末なのだった
検索してみると今回のサブタイトルと同じ「越後騒動」というのがあり、そこには、松平光長、永見大蔵、小栗美作が登場する。それを元にしたストーリーだったようだ。

*5/31
第27話 2月2日 暗闇の長者
別所妙:山本陽子
別所縫之助:新田昌玄
稲葉主膳:南原宏治
法庵:山口幸生
冒頭で弥七登場、待ってました! という感じだが、それはおれが途中から見始めており、今回が初お目見えだからだが、実際には第1話から登場している。助さんが妙に弥七を紹介しており、「その道では名のある盗賊」(弥七は「元だよ、盗人の前に元の字をつけてくんな」と返している)「妙な男でしてね、わたしたちにまとわりついてちょっかいを。やれ、どこの大名が悪いの、商人があくどいの、と良いこと言ったためしがない」というもので、弥七の正体を光圀自身は知ってるが、助さんたちはよくわかってない状態のよう(助さんたちが弥七を排除しようとするのを光圀が放っておけとか言っているのだろう、で、助さんたちがおおよそのことを察している状態かと思われる)。
風車も登場しており(呼び名が風車の弥七と助さんも言っており、それが通り名だろうから、登場の際は強調するように風車が使われてると思われるが)、武器としても使用している
天領地、白河が舞台。助さんが江戸での道場で親しくしていた別所縫之助がいるということで、そちらへ寄ることになる。縫之助には美しい妹がおり、助さんの目当てはそちらのよう。しかし格さんは不満顔、が、光圀にも思惑がある。この地方は洪水で貧乏な生活を強いられており、代官がしょっちゅう入替になってるが、この白河だけは安定している。どのように統治しているか、見てみたいと。
しかし、光圀一行はその地へ入ると虚無僧の集団に襲われる。そしてそれは執拗に繰り返される。この虚無僧の一団の正体は・・・。
冒頭の弥七は、この白河で、なぜか寺の仏像に用意されている金を持ち去っていく名主たちを見かける。怪しい空気を感じ、事情を吐かせると、暗闇の長者なるものから、金の施しが来る、それを百姓に分け与えなんとか不満を抑えている、と
この暗闇の長者とはなにか、善か悪か、そして事情を知ってるはず、知ってるらしい助さんの友である代官配下の元締、縫之助はなにを知ってるのか。
縫之助が悪役なのか善玉なのかよくわからないまま進行、見た目的に善玉で、だが、展開からすると悪役っぽく・・・。
暗闇の長者は代官の稲葉主膳、二重帳簿で、年貢を取り立て、わずかばかりを暗闇の長者として施していた。
縫之助は目の不自由な妙の目の治療のためもあり、また暗闇の長者はこの地を治めるには必要だとも認識しており、代官に騙されていた部分もあったという流れで、殺陣の場面では稲葉が光圀を撃ち、それを守るため、盾になって果てた。
二重帳簿云々というあたりは、ちょっと辻褄が合わない感じもするが、あまり詳しくはそこは語られない。六万石とされているが、実際には四万石しかなく、それゆえ厳しい土地とされているのだが、尚更、代官が旨味を得られるほどの石高ではないということになってしまう
後年ではなさそうな雑な演出や、もしくはらしくない演出がいくらか見受けられる。後者はキャラが固まり切ってない、もしくは、この当時はこういうキャラだったということからくることだ。
前者としては、例えば縁の下で代官、縫之助と助さん格さんの会談を聞いている弥七が、その密談に対して大声で独り言を言ってるとかだ。
助さんは前回みつに親密になり、「惚れた、情けねえが一目ぼれだ」と熱く格さんに語っていたが、今回でも、縫之助に妙の将来を託され、まんざらでもなさそうな顔をしている。

*6/2(6/1プロ野球中継のため休止)
第28話 2月9日 隠密無情
菊原志乃:岩崎加根子
菊原平太:東千代之介
堀江外記:杉山昌三九
五味左内:三島耕
山形屋重兵衛:堀正夫
乞食:宍戸大全
キャストに宍戸大全の名がある。どんな役だったかと見直してみた。乞食に扮した隠密で、志乃の仲間、華麗なアクションを見せている
ストーリーは割と平凡な感じ。城代家老、堀江外記の不正とそれを暴こうとする公儀隠密
その藩の下級武士平太とその妻、志乃の夫婦がフィーチャー。志乃は里隠れ(隠密)であり、しかし、何事も起きずに、この夫婦での生活を全うしたいと願っている。夫のほうはなにも知らず、実直な男という描かれ方。
ラストハイライトシーンでは、おれが見始めてからは初めて、あの有名な口上、控えい、こちらにおわすは先の中納言水戸光圀公なるぞ、頭が高い、などが出てくる(後年の固まったものよりは不完全だが)。が、印籠は出していない。
そして、まだ形が固まっておらず、それが行われるのは殺陣の始まる前であり、それに悪役は反発し、殺陣が始まるという展開。

*6/5
第29話 2月16日 ならず者
久作:中村是好
おいね:青柳美枝子
鉄五郎:滝恵一
脇田半太夫:夏目俊二
相良重蔵:内田良平
この回はOPクレジットがちょっとだけ充実、といって完全ではない。キャストクレジットとして、メイン3人のほかに、今回登場している弥七とゲストキャスト5人(上記)が表記される。スタッフについてはプロデューサーが追加されてる、という程度。音楽は長くなったが、歌入りではない。
内田良平がメインゲスト。
ほかに(こちらはウィキより)
お松:永野裕紀子
辰吉:宮下堤
善兵衛:石浜祐次郎
平右衛門:岩田直二
岩田直二ってこのころからもう老齢で、名主の役
内容はちょっと異色。終盤の例のハイライトシーンに相当する部分は後年のものとはまったく異なった形。
訪れた地ではやくざ者一味が跋扈し、村の隠し米を強奪、宿屋など商家にはゆすりで金を奪うというようなことが茶飯事
そしてその頭がなんと格さんのよく知っている水戸藩士だった相良重蔵で、光圀も気骨ある家臣として知っているくらいの存在
この相良がなぜ藩を脱藩したか、そして今なぜこの地でそんなことをやってるかというのが描かれていく
相良は下級武士で、恋仲だった重役、沼田の娘ちずと別れさせられそうになり、駆け落ちで脱藩。その脱藩の際に、格さんは雪の中、逃げる二人を見かけ止めようとしていたのだった。
そして相良は、この地で子供に読み書きを教えたりしていたのだが、代官の無法に役人を切ってしまい牢行き。村の衆は新しい代官に相良の嫁ちずを差し出し、年貢を数年負けてもらうという約束。
相良の嫁は自害、相良はそれを境に武士としての自分は死んだものとして、やくざ者の頭になり、村を襲い、商家をゆすり・・・。そして代官の脇田半太夫と裏で手を結び、村に隠し米があること、商家に金があることを教え、約束してしまったゆえ年貢を取りっぱぐれている米を渡しているという関係。が代官とは喜んで手を結んでいるのではなく、両者はお互いに憎しみあっている。
終盤、まず村の者たちを平伏させるため、光圀の正体を明かす役目が弥七。「馬鹿もん、そこにおわす方はな、恐れ多くも水戸のご老公様なるぞ、控えろ」
さらに代官を呼びつけて、相良は元水戸藩士だから、こちらに任せてくれんかと、そこで一応の話はつく。最後に相良重蔵の一味を投降させるため彼らの隠れ家に向かうのだが、ここに光圀は同行しない。場所は西部劇を思わすような植物のない切り立った崖を要する山で、こんな悪い足場じゃ、御隠居にはどだい無理だったななどと言っており、が、一方光圀は「相良の気持ちを和らげるためにもわしはでしゃばって行かぬほうが良いのじゃ」とひとりごちる
代官は相良重蔵について光圀に任せると約束したものの、追手を出している。相良重蔵一派と、光圀一派(助さん、格さん、弥七)が対面しているところを、崖の上から銃で取り囲まれるという絶体絶命の
ピンチ、後年なら弥七はその銃撃隊の後ろからやってきてその銃撃隊をやっつけるというパターンになりそうなところである。
まあ、結末は悪役はなんとかやっつけて、相良重蔵は格さんに抱かれて果てるという形。

*6/6
第30話 2月23日 上州からっ風
政吉:山田吾一
お絹:高森和子
林外記:永井秀明
秀五郎:沼田曜一
徳松:小林重四郎
OPは前回とは異なり、前々回までの短縮版
この回は全体的に話が稚拙
政吉はお人好しすぎる荷役人夫、そして歌が好きでありしかもうまい、村の八木節の要となるほど存在で頼りにされている
まず事件の発端、親方の徳松から懇願され、200両と高価な仏像を運ぶ仕事を頼まれそれを請け負うも、途中で襲われ仏像は持って行かれる。
依頼主の秀五郎(太田村の顔役)と仲介役の林外記(郡代)との話になり、徳松が責任を取ると言ってるのに、わざわざ一人夫にすぎない政吉も呼び出され、罰を与えられることになる。その罰は歌をやめろということ。ここら辺がどうにも稚拙。まあ、へまをやらかした罰として好きなことを止めさせるというのはわからないでもないけど。
で、これらは徳松、秀五郎、林外記がグルになってのことだった。
徳松は最初悪役かなあと思ったが、その交渉の際に政吉を庇って必死に謝ってる演技がよく、ひょっとして善玉かなと思ってしまった。その場面の直後に、三人が悪だくみの相談(というか政吉の歌を止めさせるという策略がうまくいったことを話している)をしていて正体が現しているのだが。
そんなとんでもない事態のため歌をやめているのに女房は歌の練習へ行けと送り出すのが次の展開で、ここも違和感。
太田村、河合村。奉納唄い比べ、村同士の八木節の競い合いだ、これに躍起になっていて、そもそもこれに勝ちたいがために、政吉を排除するという作戦を行うというのは少々大仰ではあるが。城主の見守る唄い比べということで、これに躍起になるのはまあわからないでもない。
悪側の動機としては、秀五郎は唄い比べで太田村に勝たせたい、勝つことによって城の改築工事の受注もできそう、徳松はその分け前に与りたい、そして林外記、こちらは政吉の女房、お絹を狙っていた。お絹は数年前まで林外記のところで働いていてなにかとんでもない忌まわしいことが起きているようだが、それについては示唆されるだけ
政吉、セリフが多いからかどこか棒演技。
光圀と助さんの出番が少ない。
光圀から一応格さんに命令があり、そこに現れた弥七とともに、事件について色々首を突っ込むのだが、その後、一々の事情を光圀に報告することなく、主体的に動いており、こういうのも珍しい感じだ。
徳松が悪に絡んでいることを格さんが探り当てる場面はなく、しかし格さんはそれともう知って話が進んでいるのも変な感じ
今回も弥七が光圀の正体を明かしている。
唄い比べに間に合うかどうかぎりぎりのタイミングになり、政吉が馬を走らせるという場面が最終盤、無理やり感動的な話に仕上げている感じである
柴俊夫にそっくりな人が終盤に一瞬出ている(唄い比べの場へ秀五郎を捕えに来る役人頭)

*6/8
第31話 3月2日 乱闘・鷹ノ巣峠
お竜:佐藤友美
堀田大膳:竜崎一郎
お蘭の方:万里昌代
榊原十太夫:天津敏
脇坂民部:市川男女之助
脇坂りく:八汐路圭子
脇坂綾:徳富晴子
これまでも時折会話の中で話されているのだが、水戸へ戻る行程のようで、そして格さんは水戸へ戻ると祝言を上げるとのことである。
そしてこの回ではもう水戸が近いとのこと。最終回も近いか。
藩の家老同士の争い。筆頭家老が脇坂で、次席家老が堀田。脇坂の病を契機に堀田がのしてきて、殿様寵愛のお蘭の方とも組んでやりたい放題。これは殿様の恥にもなるから、脇坂は表立っての行動ができないという状況で、しかも堀田は武芸指南役の榊原十太夫とも組んで、脇坂の女房、娘を誘拐してきて拉致。脇坂が掴んだ堀田の不正の証拠を渡せと迫っている。というのが今回のあらまし。
終盤では後年のお約束のパターンとは異なる展開があるが、あらためて考えてみるとこういうパターンのことも、時折あったような気がする
善玉の脇坂に光圀は身分を明かし、事情を聞いて味方することを 言う。ハイライトシーンでは脇坂が光圀の身分を明かし、光圀は堀田に罪を認めることを迫る。ご老公の名を騙る偽物と殺陣が始まるというパターンである
お竜はその藩の揉め事には関係のない盗人。光圀から財布をするも、光圀も用心してのダミー。よし、もう一度と狙っているうちに、騒動に巻き込まれ、ノリノリで善玉側の味方をすることになる
盗人同士ということで弥七に惚れて、ラストシーンでは逃げる弥七を追いかける
弥七はいつの間にか大分光圀一行、助さん格さんに馴染んでいる。ラストシーンで四人での旅路となる場面では、すっかり旅の一行だなと思ったが、上記のお竜とのドタバタが入ってくるという風に終わっていく。
市川男女之助、よく見る名前だが、これだけの大きな役は珍しいように思う

*6/9
第32話 3月9日 水戸の白梅
森田冴:姿美千子
森田図書:水島道太郎
沼沢喜八郎:原田清人
桑田市次郎:楠年明
中山備前:永田靖
深雪:岩井友見
予想通り最終回
水戸へ戻りひと悶着のエピソード。冒頭は水戸へ到着する一幕で、格さんが深雪との再会に破顔しており、これも予想通りだが、この回では格さんと深雪の婚礼が結末となる回なのだが、活躍するのは助さん。
水戸藩で筆頭家老の中山備前を次席家老の森田が辞めさせようとする策略が進んでいる状況がまず描かれ、そういう血生臭いハードな内容なのかなと一瞬思うが、全体的に緩んだ空気感。そして内容としては、家老同士の争いというよりも、筆頭家老の中山は病がちで、仕事の遂行もままならぬ状況で、その功績に敬意を表しながらも退任していただくというのが森田の考えで、ハードな内容にはならず、最後まで緩んだ感じで進む。
筆頭家老、中山備前の娘(養女)が格さんの相手の深雪。
光圀の元へ筆頭家老の側近として一人よこしてくれと言われ、助さんをやることにする。本当は格さんが推薦されるだろうという思惑だったのだが、ここで格さんをやると、色々な争いに難儀して、婚礼が遅れることになりかねないという光圀の深慮
森田の考えの意を受け部下の若侍たちが中山の引退を画策するも、若者らしくまっすぐに意を通そうとするので何かと過激に。
助さんはその若侍たちに、中山に引退を進言する役を頼まれる(娘の相手だからこそ言うことも聞くのでは、ということで本当は格さんが来るのを望んでいた)
助さんのお調子者具合や、森田の娘、冴への色目など喜劇的に話は進んでいく。
この枠、次回からは第2部だそうだ。全シリーズやるのかね

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光圀も隠さんも違和感ないのだが、杉良太郎の助さんのみ多少違和感、
この後、助さんは里見浩太朗、あおい輝彦へ、格さんは大和田伸也、伊吹吾郎へ引き継がれる(それより後についてはここでは触れない)のだが、おれは歴代のうち、杉良太郎の助さんだけは見たことがなかったという程度のことだと思う。それに加えて第1シリーズということでほかのことでも、後年のマンネリとは異なる演出がされており、助さん像も固まり切っていないということもあろう。
横内正もリアタイあたりではあまり見た印象はなく、その俳優の名前も知らなかったが、その後の再放送で横内正のを見て、大和田伸也が横内正のを穏当に引き継いでいるなと思った。
また、里見浩太朗からあおい輝彦なんかもうまく引き継いでいるように思った。伊吹吾郎だけはちょっと異質になった感じはある。
で、そういう風にうまくキャライメージを引き継いできているのを見ると、特に後になって横内正を見て、大和田伸也のものがうまく弾きついていると思ったことに比べると、杉良太郎のを見て、里見浩太朗のものを引き継いでいるかどうか、ちょっと疑問に思えたのだ。
おれがリアタイで一番覚えているのは助さんが里見浩太朗で山口いづみの志乃が旅に同行していたり、助さんと恋仲であったり、その後結婚したりというころだ。
あおい輝彦は1988年から助さん役をやっているとのことであり、見た覚えはあるけど、自分の年齢からすると、ほとんど見ていないはずだ。
伊吹吾郎の格さんが83年からとのことで、これくらいなら見てたかもしれない。また横内正は78年まで、見ていたけど、あまり理解はしていなかったという感じで、だから懐かしくもあり、でも名前は記憶にないといったところか。
志乃は9部から17部、78年から88年。東野英治郎の光圀は13部(82-83年)まで。

※追記
第24話についてウィキに「助三郎が光圀に対して「頑固親父」と暴言を吐くなど、後のシリーズではあまり考えられないような描写も多々見られている」とあるが、聞こえないように光圀への不満を助さん格さんで言い合う場面なんかは後年のものでもよくあったと思う