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水戸黄門 第3部 [時代劇]

08/02(水) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
[新]水戸黄門第3部<デジタルリマスター版>▼第1話「南から来た密使」(水戸・江戸)
新シリーズ初回という大事な回で、意外にも弥七がかなりフィーチャー。もちろんシリーズ初回はどういう理由で光圀が旅へ出るかという旅の目的となる事件の発端エピソード(今シリーズでは薩摩藩取り潰しを光圀が主導しているという噂で藩内が騒動になっていると聞きそれを確かめに行く)であり、それは今回もそうであるが、そこに霞のお新が絡んでおり、そこに弥七も絡んでくるという内容で、弥七の過去も少し知れる
というわけで霞のお新がシリーズ初登場
霞のお新の父親役が市川小太夫、三船の「大忠臣蔵」で最終盤に吉良上野介役を兄・中車の急死により引き継いだ人だ
前回最終回で光圀にたしなめられていた柳沢が今回も暗躍しそうで、キャストは同じ。山形勲
成田三樹夫は柳沢に雇われ光圀一行を狙うという立ち位置。髪型が角度によっては現代的に見え、登場時はなんだか松田優作だとかそんな感じにさえ見える
岩井友見、少しの出番ながら旅立ちの場面では見せるねえ。旅の一行から外されそうになった格さんとともに旅立つ一行の前に現れ、これが女房の役目とキリっとした表情で言い、そして一向に加わることになった格さんとちょっとした別れのシーン、それに八兵衛始め一行が喜劇的に絡むものだから、真面目な場面と喜劇とが混ざってとても良い雰囲気
この場面の前の光圀が旅立ちを宣言し、格さんの義父の中山備前(永田靖)とやり合う場面も楽しい。ここら辺は今シリーズ以降も毎度のこととなるのだろうが。
冒頭も良い。冒頭は今シリーズ大テーマの薩摩のこととは関係のない一エピソード。西山荘で畑仕事をしている光圀爺さん、そこを通りかかる籠と行列、今回老中となった小笠原佐渡守が御老公にご挨拶とのことで、供のものが爺さんに無礼な口を利くが、佐渡守が籠から顔を出し、急いで出てきて平伏す、というまあまあお約束パターン。喜劇的で楽しい。
八兵衛は弥七の子分というキャラからすっかり光圀の近しい人という感じで、西山荘で農作業をする光圀へ握り飯を運ぶという風に冒頭の場面から登場
これまで折々書いてきた助さん評についてはこれから長い里見浩太朗の助さんが続くので折々書いていくことにしよう

第2話 12月6日 明神谷の決闘
おせい:野川由美子
栄次郎:前田吟
松田玄蕃:玉川伊佐男
相模屋次郎八:香川良介
大五郎:藤岡重慶
源太:穂積隆信
大久保加賀守:原聖四郎
竹:武藤章生
熊:山本一郎
寅:田中幸四郎
野川由美子と前田吟がメインゲスト。
二つの石屋の争い。栄次郎は花火職人から石辰に職替えしてきており、火薬の扱いに長け、石を切り出す際の重要な任務を担っている。
これを邪魔し、あわよくば石辰の山を奪おうとしているのが相模屋
山本一郎というのはチンピラか悪徳岡っ引きあたりの悪役が多い印象だが、ここでは善玉側である石辰の人夫。石辰から裏切り者が出そうな展開でこの人かなと思ったが違って裏切り者は源太
光圀の正体を明かすお約束場面はまだ構築途中か。今回はこの藩の殿様大久保加賀守が弥七からの投げ踏みで駆け付けその場を収め、光圀へ平伏すという形
八兵衛、今回は光圀一行でなく弥七と行動を共にしている
助さん。見てくれは杉良太郎のを引き継いでいる感じだ。そして、女好きキャラも健在。序盤で、石辰の衆が相模屋から暴行を受けているのを助けた助さん格さん、おせいの美貌にすぐにまいってしまう助さんを光圀と格さんがからかっている。
お新が弥七を狙うという構図が第1話でできあがっており、それはこの回にも継続、未だ誤解は解けず。

※追記8/7
月曜日。この週から杉版金さんを放映当日に見ていこうと決めたのだが、こちらも即日視聴で対応していこうと思う(最悪週末までにその週分を視聴)。暑くてほかにやる気もせず、あまり何も考えずに見れる作品だから。
08/07(月) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第3部<デジタルリマスター版>▼第3話「雲助珍道中」(箱根)
第3話 12月13日 雲助珍道中
おとし:青柳美枝子
熊:柳沢真一
茂:三角八郎
茶店の婆さん:笠置シヅ子
定:和崎俊哉
風祭の平十:小林重四郎
田代甚太夫:深江章喜
浜田鉄之進:島田順司
寅:市村昌治
設楽三河守:藤沢宏
色々盛りだくさんだが、出来は物足りない。この出来の物足りなさはなんだろうと考えてみると、サブタイトルから想像できるようにちょっと喜劇チックなところがあり、そこに時間を取られて悪役の悪事っぷりがほとんど描かれておらず、最終的には最後の場面でセリフで悪事が並べ立てられてるという感じになってるからだと思い至る。
内容は、箱根の人足、馬方、駕籠かきが悪事三昧、それがそこの親分、そして道中奉行にまで繋がってるというようなもの。
登場人物が比較的複雑な構成になっている。
おとしは大工の娘で父親が斬られ敵討ちを狙ってる善玉。だがその父親は実は賄賂を渡すなどしてたということが最後明かされる。
風祭の平十が雲助を束ねる親分。その配下の下っ端に熊と茂がおり、これが光圀と道中することになり喜劇場面を担う。悪役側だが下っ端で、根は善人というキャラ。元はおとしのところで大工をやっていて、棟梁が殺されてしまったという話を光圀にしてるが、その際に、手間賃のピンハネをされたとか愚痴ってる。
役人は悪役側で道中奉行は設楽三河守。浜田鉄之進はその中では固いと評され、周りから石部金吉と言われるキャラ。おとしは奉行を仇と狙うが、実はおとしの父親を斬ったのは浜田で、それはおとしの父親が行った不正のため。
と、まあこのように悪役側に善玉がおり、善玉側が完全に善ともいえずという構図。
最後は光圀が名乗りを上げ、奉行の罪状を並べ立て、責任の取り方はわかってるだろうなと、多分切腹となったのであろうことを示唆。
さらにはおとしと浜田で仇討勝負。浜田はわざと隙を見せて、おとしに討たれようとし、手に傷を負い、それ以上はおとしは動かず、そこで光圀は勝負を止めるという流れ。最後は浜田がおとしの後見人、そして熊も茂もおとしに付きそうという形に納まる
おとしが奉行を狙って斬りこむ場面、ここで浜田がおとしの父親の賄賂のことをあげ、自分が斬ったことを言い、これは仇討だから、周りは手を出すなというも、奉行は浜田が賄賂のことを言ったので後には引けず、となっていくという展開。ここの殺陣がなんともままごとみたいで迫力がない。
九郎太と藤吉も出てきて、平十に旅の爺(光圀)を殺すよう頼んでいる
光圀の正体を明かす場面が後年の形になりつつある。こちらにおわすはを格さん、頭が高いを助さん、という風に言い分けている
笠置シヅ子は序盤だけの出番でチョイ役の割にやけに長く映り存在感あるなあと思ったら、著名な人か。
弥七の出番が非常に少ない。
そしてこの回はお新が活躍、雲助に囲まれるおとしを助け、おとしが父親の敵討ちをやろうとしていると聞き、自分も父親の敵討ちを考えての旅であり、助けることにするという流れで、おとしが斬りこむ場面まで一緒に付き添って助けてやっている。
冒頭では旅日記を光圀が忘れたとかで、助さん格さんで小田原に戻ろうとしている。そこで助さんがまた石辰のおせいさんに会えるかもしれないとか言ってる。一話完結の場合前回の人物の名前は出さない方がよいように思う。
冒頭は助さんと格さんが旅日記を取りに行かされており、その一方で光圀と八兵衛が一緒。

第5話 12月27日 掟を破った黄門さま
茅乃:望月真理子
勘四郎:東野孝彦
名主 正蔵:北沢彪
義三郎:浜田寅彦
山崎因幡守:北原義郎
千坂修理:中村錦司
サブタイトルの掟とは東照神君のお墨付きのことを指している。
山葵はこの地においてのみ作ること、他所で作ることを許さぬというのがその掟。
他の地からやってきてそれを破る勘四郎、名主の娘茅乃から山葵の苗をもらって持ち出そうとし、名主の正蔵もそれを黙認。
が、この三人のほうが善玉扱いで、そこには苦渋の選択があり、また奉行は運上金の不正をやらかしており。で光圀の裁きはどうなるか、というような内容
これまで度々助さんのイメージについて書いてきたが、この回は新しい助さんに変わり始める最初の回となるかもしれない。
冒頭は八兵衛加えて四人での旅、そして道化役が八兵衛になってることで、助さんも八兵衛をからかっており、助さんの道化役からの脱却が見られる。そういうイメージがあったからか、中盤で光圀から指図を受ける際にも助さんが何やら品格を備えたかのようであるし、助さんと格さんが喋る場面でも対等な感じに見える。
浜田寅彦は善悪どちらの役もできる人。今回は百姓として登場、虐げられる百姓という役かなと思っていると、そこに名主が役人に引っ立てられる場面が出てきて、そこで自分が名主になるべきだなどという時の邪悪な顔、周りの男たちの嫌そうな顔で、義三郎が悪役らしいと知れる。顔の表情で一瞬にしてそれをわからせる演技は見事。
光圀が名乗りを上げる場面、今回はまず格さんが頭が高い、助さんがここにおわすは。印籠はなし
東野孝彦の勘四郎と光圀の場面多々あり。
東野孝彦、この人は上手いのかねえ、子供のころから東野英治郎の息子だと知って見ていたが、どこに出ていてもなんか浮いてるように見え、親の七光りなんじゃないかと子供心に思ってた。が、一方で『あばれはっちゃく』シリーズで有名とのことで、おれはこの作品を好んで見ていたわけではないが、確かにそのお父さん役がはまっていたようなイメージはある。

第6話 1972年1月3日 仇討ち姉弟
都築うめ:奈美悦子
都築竹次郎:岡本隆成
赤石呑龍(黒川源十郎):小池朝雄
木賃宿の女中:正司花江
おぎんの父:山村弘三
金太郎の母:吉川雅恵
太田備中守:市川男女之助
おぎん:中原早苗
金太郎:砂塚秀夫
いろいろ盛沢山の回。
落語から拝借がたくさんある。時代劇ではありがちな手法で、大岡越前でもそういう回は多かった。その際、丸々落語の一つのネタを使う場合以外に、色々な落語から引用してくるという方法があるのだが、今回は後者。そういう場合は例えば長屋を舞台にして喜劇色の強い作品という風に落語に似合う作風になるのだが、今回は見終えてみると、あまり喜劇色を強くする必要もない作品(仇討をしようとする姉妹と知り合い助けることになる)であり、フィットしていない感じがする
落語からの引用個所。
まず宿にて光圀の魚の名前の講釈。真っ黒だからマグロ、ほうぼうで取れるからホウボウ。と、ここらへんはそれなりに威厳のある爺さんが言っているから、みんな感心してしまっており、あまりやかん先生のインチキ感がないから、別に落語からの引用ということでもないのかなと思ったのだが。
この場面に続いて、その食事している部屋へ夫婦喧嘩がなだれ込む。「すべた」「ひょっとこ」「おかめ」。これは厩火事かな。
これが連続したことでやっぱ落語かなあ、と。でもまだ確信が持てず。しかしその後もたくさん。
夫婦喧嘩の夫のほうが三行半を書いてくれるよう光圀に頼む。
「離縁状を五、六本書いてくれ」「五、六本がダメなら二本」「一本は女房に渡すとして、もう一本は」「婆にやる」「その婆とは」「おれの生まれる前からいる婆だ、よく考えたらおれの死んだ親父のかかあなんだよ」「それじゃお前のおふくろじゃねえか」「まあ早く言えばな」「遅く言ってもそうだ」ここらは天災だとか二十四孝が混ざった感じか。
弥七がおぎんの父がやってる飯屋で、「のようなもの」を頼む。これは居酒屋
ラストは厩火事でその夫婦喧嘩の決着をつけるよう弥七が助言、その決着はどうついたかまでは描かれていない。茶碗を壊そうとするところまで。この茶碗については、中盤でそういう茶碗を亭主が大事にしているというフリがなされている。
この夫婦喧嘩の夫婦がおぎんと金太郎
金太郎は昔中間で屋敷勤めをしており、そのときの主人が仇討をしようとしているうめ、竹次郎の父親で、今はこの地で魚屋、うめを家に置いて、仇討の手伝いをしており、昔の主だとしても女を入れて世話ばかりしているということで夫婦間が危機になった。
本筋のほうはその仇討ちを巡るあれこれ。
そしてその仇が小池朝雄の黒川であり、これが成田三樹夫の柘植九郎太のかつて手先をやっており、今回の旅で、昔馴染みで押しかけて一晩泊っているという風に関係が深い。この二人の俳優は同時代に同じような作品で同じような役をやってる関係ではなかろうか、あまり詳しくはないのだけど。
さらにお新と弥七が対面し、人質になってしまった仇討姉弟を助けようとする。その結末は描かれていないが、二人は助け合ったのではなかろうかという場面がある。でもその後の場面ではお新が父の仇と弥七に斬りかかってもいるのだけど。
冒頭、光圀は木賃宿に泊まろうと言い出し、本当に泊る(この宿は上に書いた魚の名前のうんちくのっ宿)。ここのお風呂では湯が少なく、格さんが助さんと八兵衛に一緒に入れと言い、本当に狭い湯船に三人が入るという場面がある。
横内正の格さんについて。前にも書いたが、この人がアップになるたびに、ああこれだ、これって子供のころ見たんじゃなかったかなあ、と思う。推測するに、俳優の名前などわからずに最初は見ていて、それがこの横内正の格さん(及び里見浩太朗の助さん)の時代で、その後大和田伸也に替わったころに俳優の名前を憶えだし、という感じではなかろうか。しかもおれは横内正から大和田伸也に替わったことさえ気づいてなかったのかもしれないと思い至る。
まあそのあたりは大和田伸也の格さんを見たときにまた思い出すかもしれない。
また、おれの水戸黄門の最初期の記憶が志乃が一向に加わっていて、まだ助さんと結ばれていないという時期のもので、それが第9部、大和田伸也格さんが初登場のシリーズだそうだ。うーん、これが横内正の格さんの時代だったとしたら、おれが横内正の格さんの時代を見ていた証拠になるんだがなあ

第7話 1月10日 日本一の川人足
伝造:中村竹弥
おしげ:馬渕晴子
作兵衛:多々良純
源八:舟橋元
中田才助:高野真二
権次:梅津栄
三吉:堀川亮
友:松山照夫
松平紀伊守:五十嵐義弘
黒田右衛門佐:小田真士
中盆:川谷拓三
中村竹弥は川越人足(かわごしにんそく)の役で、基本的に位の高い武士の役や、そうでなくても鳶の頭とか格のある役が多い人で、こういう最下層とまでは言わないが身なり的にはそういう汚らしい荒くれ男の役は珍しい。ここではそこを仕切っている作兵衛の組に入らず睨まれてるが、同じ境遇の人足の中ではリーダー格。
善玉なのだが博打好きで、女房おしげともうまく行ってない。三吉という息子と二人暮らし
作兵衛側の人足に梅津栄と松山照夫がいる。松山照夫が結構若く見える。
ゲストキャストはウィキのコピペ。川谷拓三はクレジットなしか、あっても役名なしだろうなあ。賭場で壺振りの隣で場を仕切ってる人、セリフあり、大きく映る場面もあるが出番は一瞬だけ。
川留めとなってしまい光圀一行は足止め。その地の川渡しの親方と宿役人の中田が結託した不正の話。
最後の殺陣のところで、その地で川留めのため足止めされていた大名二組(松平紀伊守、黒田右衛門佐)が川留めが解けたと聞いて渡し場にやってきてこっちが先だと争う場面、そこまででこの二組についてはほんの少し触れられていただけで親方と宿役人の結託というストーリーとはまったく絡んでいないのだが賑やかしとして楽しい。
矛盾が多いような感じ。
弥七を襲うお新と藤吉。光圀を殺す算段ができ、光圀は光圀がやられたとなると、弥七は狼狽して隙ができるとか言っているのに、その算段の前に弥七を襲っている
光圀を殺す算段は、その場面そのものが描かれてないので詳細はわからないが、藤吉が越後の縮緬問屋の番頭と名乗り、中田と接触しており、その後作兵衛が光右衛門を川渡しでなんとかしようと工作を始めており、まあそういうことなのだろうが、にしては藤吉が越後の縮緬問屋の番頭と名乗るのはどうなんだろう、主人を川渡しの場で沈めてくれと頼むのはなんかおかしい。
善玉おしげが知らずにだが悪役藤吉から小判をもらって、願いを聞いてしまっている
おしげは伝造に愛想をつかしているが、最後の場面では駆けつけてきて、光圀は夫婦円満になってよかったというような感じになっている。が、おしげが伝造を許すきっかけになるような場面がない。
そもそもなんで駆けつけてきたのだろうとさえ思うが、それは伝造が簀巻きにされたと聞いて駆けつけたというのが解釈としては良いと思う。
助さんについては第5話以降そのイメージが崩れず、むしろ強固になってきている。端的に言い表す言葉を思いついた。助さんが三枚目か二枚目かということなのだろう。三枚目的な場面がまったくなくなっていて、しかも八兵衛に対する態度などいくらか品格があり堂々としている

第8話 1月17日 雪姫変化
堀直次郎:里見浩太朗(里見が二役で出演)
お仙(中村仙之丞):弓恵子
雪姫:松本留美
村上玄蕃:神田隆
宮田伊十郎:菅貫太郎
吉兵衛:福田豊土
井伊直宣:武内亨
矢沢:西山嘉孝
呼び込み:広瀬義宣
「里見が二役で出演」するという、まあまあありがちな演出。
どこがどうというのは挙げづらいが、なんだかつまらない話だった。ありきたりであるのだが、それは毎度のことでもあるし。ここまではとても楽しく見れていたのだが、見進めていくにつれ、だんだんこういう風に思う回も多くなるのでは、と思う。大岡越前の終盤なんかではリメイクばかりだったのを思い出す
里見二役という仕掛けに注力してしまい他がおろそかになり、ストーリーが単調になってるように見える。
また、光圀を狙う九郎太、弥七を狙うお新と藤吉(ちなみにこの回ではお新は出ていないが)というシリーズを貫くストーリーがちょっと邪魔な感じがする。こういうのはうまく使えば効果的なのだが、なんだか毎回の各エピソードにちょっとだけ絡んできては失敗して、という風にこちらのストーリーは進まないで、本編ストーリーの邪魔をしてるだけと思える
最後にちょっとした意外な展開があるのだが、これも見終えると、なんでそんなことをやったか、そして小手先であり、大したことはないもの。
ストーリーは城主が病、息子も身体が弱く、娘の雪姫に婿をどこから取るかで家臣の間で揉めている。
悪役は城代家老の村上で、婿を取る先の家老と約束して、藩を恣にする計画。直次郎というのは雪姫の思う相手であり村上じゃないほう側が推す婿候補、もちろん大名の家の息子である。その直次郎を助けるのが中村仙之丞一座という手踊りの一座、その関係性はよくわからない。
印籠を出す場面がある。今シリーズ初めてだったように思う。少なくともこの数回は出してなかった。光圀が助さんに渡し、助さんが「ここにおわすは」の口上、そして格さんが「頭が高い」をやる。
その後の光圀の裁定からが意外な展開。悪役側城代家老の村上を褒め、善玉側雪姫を少し叱り、城へ戻って村上の思う通りの姫の婚礼の仲人をやると言う。これには助さん格さんも不満顔。
が、お見合いの席に現れたのは雪姫が手に手を取って逃げようとした直次郎、そしてそこで相手との約定書を証拠の書状として改めて村上の悪辣ぶりを指弾、切腹の沙汰がくだり、村上は手向かうも捕縛。
その前の場面で村上を指弾してもなんの問題もなく、小手先の変化という感じではある。
弓恵子、おれがこの日見た杉版金さんの次回予告で彼女の顔が映ってた。次回出演とのことだ。このころの時代劇でよく見る顔というのはほんとに何度も出演していることを思い知る。
広瀬義宣、よく見る名前だ。今回初めて顔を確認できる役
松本留美、なんだかへたくそ。
弥七が光圀への知らせを風車で投げるというお馴染みの場面で、「危ない」と助さんが叫んで光圀をかばう場面がある。弥七の投げるものが危険に見えてしまう場面というのは珍しいのではなかろうか

第9話 1月24日 愛のむち
吉住沙織:水野久美
岩倉武太夫:夏目俊二
浜松屋剛右衛門:武藤英司
法浄:岩田直二
吉住喜一郎:斎藤信也
立原:永田光男
松平資俊:峰祐介
吉住喜十郎:入江慎也
助さんが杉風助さんのように三枚目的場面があるが、光圀が杉のときのように追い込むようなことはしない。
殺陣では助さん格さんが外へ出ていってしまい、それを契機に別働隊が襲ってくるので、光圀が殺陣で対応する時間が長い
印籠を出すのは格さんで、頭が高いを先にやり、ここにおわすはが後になっている。どちらも格さんの言葉
水野久美がメインで印象に残る作り。
岩田直二が珍しく和尚さんで坊主姿

第10話 1月31日 泣く子にゃ勝てぬ黄門さま
へら平:田中邦衛
桂:高森和子
兵馬:山本豊三
お宮:新田勝江
お雪の方:二本柳俊恵
岩城半左衛門:近藤宏
お鶴の方:三浦徳子
旅籠の女中:中里ひろみ
久世重之:坂東京三郎
この回は中盤から登場する田中邦衛のためにあるような回で、登場してから数分は完全に彼がメイン。光圀一行が泊る宿の隣の部屋の毛ずねのへら平、街道筋じゃ少しは名の知れたなどと言ってるからだ中に間抜けな刺青をしたやくざ者。
赤ん坊がうるさいと光圀一行の部屋へ怒鳴りこむも、逆に助さんに懲らしめられ、宿賃を払うよう約束させられ、金がないと今度は宿から逃げ出すと、今度は柘植に捕まり、その宿への付け火を約束させられ、どうしようと右往左往、光圀に正直に話してみると、さらに仕事を頼まれて・・・、といった具合
ひょんなことからあ赤子を拾ってしまった光圀一行、この赤子が藩の世継ぎにおける対立の一方の若殿様、というような内容
助さん下げのセリフがいつくかあるものの特に三枚目にもならず、この程度のからかいなら自分の子供のころ見た里見助さん像に反するものではなく、むしろその像にあう

第11話 2月7日 恩讐の通し矢
遊佐新八郎:高橋長英
福地宗右衛門:吉田輝雄
藤兵衛:竜崎一郎
加納屋重兵衛:香川良介
榊原内膳:永井秀明
水野監物:高野真二
おゆき:松木路子
伊達綱村:南条新太郎
五助:平沢彰
通し矢、連続で矢を射抜く競技らしいが、それを巡るストーリー。一方で家老が商人と運上金の裏帳簿という一件もある。後者についてはその悪役の片割れ加納屋が中盤であっさり捕まってしまい、いつもは最終盤に来るはずなのに、と変な感じ。後で思い直したが、弓矢の競技のほうがメインストーリーだからである。
殿様役は高野真二。今シリーズで殿様は最後の最後に駆けつけて光圀に平伏すというだけの登場が多いが、この回ではそれなりの出番。事の起こりはこの水野の見栄からくる家来自慢、弓の名人は我が家来の遊佐新兵衛だと自慢し伊達に言い返され、競技を行った結果新兵衛は負けて切腹、その切腹も気に障ると家名断絶となる。そしてその弓対決に勝ったのは伊達の家来の福地。この回ではその福地は、その名前を明かさずに所々に登場(光圀の窮地を救ったり、ラストでハイライトシーンとなる新兵衛の息子新八郎の通し矢の窮地に現れ腕の治療をしてやったり)し存在感たっぷり、最後に光圀に正体を見透かされ、新兵衛が非業の最後を遂げたと聞き、自分も家禄を捨て浪々に身となったと明かす。
高橋長英は数日前に鬼平71で見て若いことに驚いた。そっちの作品では小悪党だった。ここでも幼い顔つきで、が、しかしこちらは父の恥をそそぐためと弓道に励む真っすぐな若者

第12話 2月14日 消えた密書
おけい:桜井浩子
高月軍太夫:戸浦六宏
儀助:郷鍈治
敬太:室田一人
喜兵衛:信欣三
成瀬隼人正:永野達雄
この回では霞のお新関連のエピソードが主になっており、弥七への誤解が解けるという転機の回となっている。お新の回だというのに弥七が出ていないというのはもったいない。
そして悪代官対百姓というその地での通常通りというようなエピソードも一応あるのだが、お新エピソードに時間をたっぷりかけており、こちらは付け足しのような感じ。最終盤にとりあえずこっちも片づけておくかというような作り。おれは時間が迫っていたので前後編にでもして次回の持ち越しかなと思ったくらいだ。
永野達雄は藩の附家老の役で、ラストの光圀一行の殺陣で駆けつけてきて、光圀の正体を明かす役と言う風に前回のところで書いた「今シリーズで殿様は最後の最後に駆けつけて光圀に平伏すというだけの登場」という役割
伝書鳩がはやぶさに襲われ、その手紙の行方というのが今回のポイントの一つなのだが、悪役側はその行き先を知らぬはずなのに、その手紙を偶然に手に入れてしまっていたお新から藤吉がうまいこといって奪おうとして、それが成功したとぬか喜びする場面がなんだか変だし、お新は機転を利かせて手紙を別のところに隠しており、このお新の行動は藤吉の動きを読んでいるわけだが、藤吉が手紙のありかをわかっていないはずなのに、警戒するのは重ねて変
この回の冒頭で八兵衛が三枚目、助さんがそれをからかうという場面。里見助さん、そして八兵衛の立ち位置についての象徴的場面かと思う
八兵衛加えて四人旅というのが定型になるのかどうか。この回では最初も最後も四人旅だが、前回では八兵衛は除かれており、そこにさして必然性はなく、毎回八兵衛連れということで固定したらよさそうなものだ。まあ最初のほうでは、八兵衛に別行動をさせておいて、八兵衛は一行とは別のところでなにか事が起きるという風に必要性があるのかもしれないが、ラストの旅立ちの場面では一緒に旅立つとしたほうがわかりやすい、これももちろんなにか別行動をしているという設定があるなら仕方ないが。

第13話 2月21日 死を賭けた願い
中村五平太:佐藤慶
お花:鮎川いづみ
幸右衛門:織本順吉
中村金八:倉岡伸太郎
川井伊賀之介:横森久
お千代:町田祥子
石川近江守:峰祐介
焼き蛤屋:北見唯一
いい出来。色々盛りだくさんなのだが、まずは佐藤慶に尽きる。この人は第6話の小池朝雄と同じく、成田三樹夫と同時代に同じ作品で同じような役柄で出ていたような人。ここでは若くして家老になったという役で、この人は悪役一辺倒ではないもののそこで光る人であるから、おれもそういう風に見ていたが、終盤まで悪か善かどっちかなと思わすような役。それをなかなかわからせない引っ張り方とそれに見合う演技で見ごたえあり。
この弟が中村金八(倉岡伸太郎)。この倉岡という人もどこかで見たなと思ったが、杉版金さんの50話に少し書いてある。この人のキャラ、顔つきを生かした役で、こちらは善玉とすぐわかるような真っすぐな青年侍。
登場人物の相関関係が面白い。幸右衛門というのは町人で博打好きなのだが、それと中村兄弟になにがしかの関係性があり興味がそそられる展開。昔の友達(金八と幸右衛門の娘お花は恋仲)とのことで、中村家はそれまで武士の家でなく、妹の千代が殿さまの目に止まり、城に上がって、兄弟も侍になったという流れ。その千代とは本当の兄妹でなく、それゆえ、千代の子、春千代が殿様の子でなく、五平太の子ではないかと噂される始末。で、そこら辺を使った後継争いに家老の川井の悪だくみが絡んだ話となっている。
レギュラー陣にも色々動きあり。今回は助さん格さんの旅の様子から始まる。光圀に命じられて別の道を行っているらしく、それを命令した際の光圀の物真似を皮肉たっぷりにやっている。
光圀の方は八兵衛を連れて、焼き蛤を食いまくり(この場面で北見唯一が出ている)。腹を壊してお花の馬に乗せて家へ連れて来られるという風に事件と関わっていく。
柘植も登場し相変わらず悪役側と光圀抹殺を依頼している(その担当を命じられたのが五平太で、銃を持って光圀の牢へ入り、人払いをし、そして銃口を自分に向け、長い銃身なので足で引鉄を引いて自害、死をもって後継争いについて光圀に頼む)が、お新は柘植一派とはもう切れたと格さんに言明し、光圀に加勢。
助さん格さんは敵に襲われ、これは老公も危ないと、その敵との戦いは助さんが受け持ち、格さんは光圀のもとへ急ぐという展開のため、助さんは序盤ではこの場面のみ。終盤の殺陣で助けに駆けつけるという風に出番は少な目。
弥七は登場しない。
今シリーズ初だったと思うが、ちょっとだけ長いキャストクレジット。でもゲストで表示されるのは佐藤だけ

第14話 2月28日 激流の死闘
川井芳江:珠めぐみ
川井新八郎:小笠原良知
吉沢頼母:永井智雄
惣右衛門:成瀬昌彦
蓬莱屋伝兵衛:幸田宗丸
板倉重冬:坂口徹
一行が二手に分かれての旅路で始まる。格さんと八兵衛は路用の金子を受け取るために別行動。そこで多勢に襲われている旅人を見かけ助ける。
次の場面では光圀と助さんのほかになんとお新も同行。一行に加わっている姿は初。
比較的助さんがからかわれている場面が多い回、そして
別行動しているときに合図として宿の玄関軒先に笠を吊るしておくということをやるが、その笠に「格」と名前が書かれている。この演出は後年のものでは見慣れたものだが、今シリーズでは初めてのはず、見落としがあるかもしれないが。
その笠は乞食に盗まれ、あっさりその目印はなくなってしまうのであるが、光圀たちが到着し、他の宿に部屋を取るも、窓から格さんと芳江が百姓の格好をしてこっそり逃げ出そうとしているのを見つけるという風に、合流は達成される、といってもこの場面では八兵衛だけが合流し、格さんと芳江はこの回を通じて二人での旅、行動という風になっている
柘植が悪役の密談のところに現れるというのがお約束になってきており、少々飽きた。全然目的である光圀抹殺を遂げられていないのに、へこたれてない。
ストーリー。亀山藩が舞台。他国からの米の買い入れは禁制である。しかし品薄のため、川井兄妹が自分の意思で持ってそれを行おうとしており、妹の芳江が菰野藩に入り、その件を了承してもらう。その際に売るのではなく貸すということにしている(幕府による詮議への対策であろう)
それを邪魔するのは家老の吉沢頼母。米問屋蓬莱屋と組んで米の値上がりを操作しているのだった。
珍しい展開としては、殿様の重冬はそれを許可していること。重冬は長の患いで権力が弱まっているということもあるのだろう、家老の頼母は殿の意向に反した行動を取っている。
結末で、頼母は光圀から問い質され、禁制である米の買い入れ(借入であるが)を止めただけだと言い張るも、蓬莱屋が全部自白。そしてその禁制である買い入れの件については、光圀が菰野藩から寄進してもらい、重冬の病気見舞いに持参しようとしただけだと、菰野藩主からの書状も見せて、決着させる。
見せ場は菰野藩からの米を運ぶ道が全部塞がれ、急流の川を使っての運び入れ。西部劇にでもありそうな急流を下る小舟、それを迎え撃つ敵方、万事休すかと思われたとき、光圀からの密命で一行から離れたお新の手裏剣攻撃。

第15話 3月6日 忍びの掟
茜:有川由紀
小弥太:江守徹
名張の弥平次:武藤英司
久留島嘉門:滝田裕介
柘植玄斉:天本英世
松丸:牧冬吉
甚内:千葉敏郎
忍び:福本清三
今回は忍者の話で最初から最後まで。伊賀の国が舞台で、そこには名張もの、柘植ものという忍者の一族がいる。侍の身分を持ちながら生活は百姓仕事、そして苦しい年貢の取り立てに苦しむ、
名張の弥平次が名張ものの頭、茜が名張の弥平次の娘で小弥太は恋人、小弥太は忍者を抜けたいと思っているが、茜はそれを許さずという風に、抜け忍についてそれぞれ考えており、その後登場する弥七についても見解を異にする
一方城代家老の久留島は太平の世に忍者の力を疎ましく思っている。そこへ柘植が現れお約束の光圀抹殺を依頼、久留島はそれを受け入れながらも一考、名張には光圀を守るよう、そして柘植には光圀抹殺を命じ、争わせようとする。
弥七が久しぶりに登場、そして彼の出自が名張ものであることが明かされている。久々の登場、そしてストーリー上重要な役割を担っているにもかかわらず、出番は名張の弥平次に光圀を守ってくれるよう依頼するのみ。抜け忍であるとされ、追われる身であり、ただそれについてはいまの名張ものの頭である名張の弥平次を庇ってのことだったということで茜の誤解は解けるが、それでもその地は弥七にとって危険ということで、旅の先の道を急ぐことになる。
この回はお新は中盤以降に登場、ということで弥七との再会はなし。
柘植九郎太は柘植もの出身、こちらも抜け忍という立場、柘植の頭の玄斉に高飛車に命令している
死んだと思われた夜鴉の藤吉が再登場、といってもウィキでその後も登場回があることは知ってはいたが。今回は鉄製の鎧に身を固め、プロレスのビッグバン・ベイダーの頭につけてる兜みたいな感じだ。
忍者回ということで、侍同士の刀での殺陣だけでなく、忍者ものらしい大きな仕掛けがふんだんに使われている。大爆破だとか仕掛けの施されたからくり屋敷、柘植九郎太は久留島に変装(もちろん変装のところは滝田裕介が演じているので、変装しているとは視聴者にはわからない)
久留島、切腹になって当然の悪なのだが、どう身を処するか尋ねられ、切腹をしようとすると、光圀はそれを止め、もっと良い政治をしろというような意味のことを言って許している。
「なばりもの」という言葉がわからず検索、名張(なばり)という地名は、「隠(なば)り=隠れる」が由来とのこと
福本清三は名張の一員、クレジットでは役名なしか、もしくはノンクレジットかもしれない。
牧冬吉は名張ものの実行部隊のリーダー格。

第16話 3月13日 あほんだら兄ちゃん
おひさ:北川美佳
藤七:中山克巳
宗兵衛(弥宗次):稲葉義男
弓削:外山高士
油屋呉七:飯沼慧
胴元:汐路章
馬:山本一郎
油屋の用心棒:丘路千
丁の目の半次:芦屋雁之助
この回は色々盛りだくさんだが、まずは芦屋雁之助。必ずしもメインゲストというほど出ずっぱりではないのだが、彼が出てくる場面の大阪言葉がとっても魅力的で印象に残る。サブタイトルも彼の役のことを言っている。そして必ずしも喜劇的な作りはしておらず、つまり明確に笑えるオチのあるような場面が芦屋雁之助の出ているところではない(むしろ光圀らがそういうのをやってる)のだが、大阪弁の魔力なのか、なんとなく楽しい。登場場面では山本一郎と一緒で漫才コンビのような立ち振る舞い、汐路章との賭場の場面でのやり取りも素晴らしい。
役名が「丁の目の半次」、ウィキのコピペ。そんな役名だったのか。
ストーリー。芸者のおひさが藤七と逃げる。おひさを狙ってるのが代官の弓削、手先が油屋
おひさが逃げ込むのが父親の宗兵衛のところ。おひさの兄が半次。
追ってきた弓削らが、宗兵衛のところにやってきて驚く。かつて密貿易で弓削、油屋、宗兵衛が組んでいたのだった。その過去をネタに宗兵衛ひとりに罪をかぶせることもできると脅し、おひさを差し出せと迫る。宗兵衛は自害し、半次はおひさを渡すと弓削を誘い出し、仇討ちをしようとする。そこへ光圀一行も駆けつけ大団円
さて、もう一つ。弥七とお新の再会がこの回でなされる。
お新の誤解が解けて以降、なかなかこの場面にならず、その話題もあまり出てこずやきもき。ひょっとして忘れちゃったんじゃなかろうかと思ってしまうくらいだ。まあそれはないにしても、そこまで大袈裟にはしないのかな、と。
ところがこの回は冒頭で弥七抜きの五人での旅路。光圀が別路へ行くと言い出し、弥七との待ち合わせ場所にはお新だけで行けと言う。気を利かしているのだ。これだけで、大袈裟な演出にしようとしていることがわかる、というか、こういう風に扱われてるだけで、すでに重要な場面として扱っていることになる。
ただ再会はなかなかならず、結局終盤の殺陣の場面で弥七が強敵(丘路千)と戦ってるときに、お新も駆けつけ「やっちゃん」と声を掛ける。相手が強敵なのに、返事をして、戦いながら光圀と呑気に会話を交わし、気の緩んだ殺陣である。
エピローグ場面で、恋心を確かめあう感じの二人の会話がちょっと長めにあり、そこへ格さんがやってきて光圀の真似をして出立を告げる。
光圀が一人で出立してしまったと聞いての旅立ちであり、普段の最後の場面は、一行が仲良く歩いているのであるが、ここでは、光圀を皆が追いかける形。さらに八兵衛、終盤で悪党を尾ける役割を負っているものの、穴に落ちてしまい・・・、その扮装(要所要所に置くため風車をたくさん持っていた)で旅立つ皆を追いかける。一行の全員である六人勢揃いの旅姿は初であろう
光圀らの喜劇的場面。俳句や短歌のことを話す光圀、それをまぜっかえして、八兵衛が五七調で「お新さん 弥七親分ああ弥七親分と繰り返し」
楠木正成の墓参りと言っていた光圀、さらには俊徳丸、そしてお初徳兵衛。
おれは詳しくないのでよくわからないながらも、侍の墓詣りかと思えば芝居で有名な人物である。
ちなみに、これも詳しくはないのでよくはわからなかったがお初徳兵衛の心中の場面のパロディも出てくる。
山本一郎は付き馬の役、半次が賭場で借金、それの取り立て。

第17話 3月20日 二つに別れた黄門主従
お葉:武原英子
島原甚内:小林勝彦
市兵衛:谷口完
六之助:大竹修造
千代吉:伝法三千雄
加賀藩の用人:永田光男
定吉:島岡安芸和(子役)
佐々木:笹木俊志
ごろつき:志賀勝
ごろつき:川谷拓三
ごろつき:井上茂
本家 小松屋緑寿斎:金田龍之介
宗家 小松屋緑寿斎:曽我廼家明蝶
堺が舞台。商人が大名と五分のつきあいをする意気込みを見せて賑わう町というナレーションの紹介から始まる。
まず光圀と格さんが宗家小松屋にやってくる。小松屋はお茶道具の店、京の万里小路の紹介で立ち寄ることとなり、一行は小松屋で落ち合う約束になっているのだ。
続いて助さんと八兵衛が本家小松屋へ。
同じ名前の店が向かい合ってあることに夜になって気付き、双方事情を探り、その二つの店の諍いの原因はわかる。ここでなぜか光圀一行は一緒になろうとはせず、お互いの主張に乗っかり、相手方がこっちに来るべきだとなるのは変と言っちゃあ変だが、それほど不自然に感じられないよう作られ(例えば助さんが滞在する本家には可愛い娘のお葉がいるとか)ていてうまい。
宗家本家ともに悪役ではなく、ちょっとした意地の張り合い。先代に身寄りがなく、二人の番頭のどちらかが後継ぎということになっていたが、それを指名しないまま死んでしまい、こうなったという程度のことだ。
宗家には息子六之助、本家には娘お葉がおり、二人は好き合っているが、とても夫婦になりたいなどといえそうにない。
悪役は宗家の番頭市兵衛と大坂城代お側役の島原甚内。
市兵衛は島原が見初めたお葉を手に入れるために本家へ罠をかけ、一方六之助がお葉との駆け落ちをしようとしているのを見つけ、そこでも悪だくみ
どっちの悪だくみにも絡んでいるのが市兵衛である
また島原甚内のお葉を手に入れるための罠とは、大坂城代愛蔵の藤原定家の書簡、表層の修理を依頼。しかし中は偽物。本家小松屋緑寿斎はそれを島原に申し上げるも、城代が直々改めの上手渡されたものを自分が持って来た。自分の手から離れるまでは本物であったのだから、もしそれが偽物なら、それは小松屋内ですり替えられたに違いない。というもの。
そしてそれを許す代わりに娘をくれと言いだす。
解決の場面で光圀はそれを持ち出す。それほど大事なものを紛失したのなら、それは城代の身に難がかかる大事件であり、そのような大事件が当家の娘をその方へ差し出せば片付くではない、と。
光圀は城代には黙っててやるから定家の書簡はこっそり元に戻しとけという感じが放免。この際光圀は印籠で名乗りを上げているが、この名乗りはちょっと珍しく、島原甚内一人に対して行っている。周りに小松屋など数名はいるが。普段は悪役の配下と殺陣をやった後なのに。
で、定家の書簡が市兵衛の手にあると知り、市兵衛を放免してしまっていたので焦って助さん格さんが市兵衛を探し回り、ここで取って付けたように殺陣が始まる。
また市兵衛と定家の書簡は、その回初めての登場となる弥七がそこへ突然登場し、市兵衛を懲らしめ奪還。ここら辺も取って付けたような感じ
島原甚内を恐れ入らせて終わりという風に思える回で終盤は駆け足という感じだった。しかもこれはおれがそう思ったというだけのことだが、島原甚内を恐れ入らせる場面がまだ時間的に中盤のような気がしていて、それが終盤だったことに気付いて、この回は時間が短く感じられた。終盤が取って付けたような急いだ展開なのも含め、内容が盛沢山なのかもしれないな。
中盤から終盤にかけてのところで、二つに別れていた光圀一行が相談している場面はないのだが、ストーリー的には相談していたのだろう。おれは終盤になって光圀が二つの問題をどんどん片づけていくのを見て、話が飛んでるようにさえ思ったくらいだ
小林勝彦も谷口完もあまりメイン格で見ることはないのだが、ここではたっぷり。これを見るだけでもこの回は価値あり。とくの小林勝彦、ちょっと抜けてる悪役、光圀に叱られてるときの間抜け面など、これまで見た中で一番だ
金田龍之介は悪役も多いが、ここではちょっと意地が悪いが憎めない真っ当な商人
井上茂は気付かなかったなあ。志賀勝と川谷拓三は市兵衛の配下のごろつきで最後の取って付けたような殺陣の場面でセリフのある二人。

第18話 3月27日 人情・刀鍛冶
お園:北林早苗
おまき:大塚道子
安藤外記:神田隆
七之助:村井国夫
おのぶ:京春上
藤五郎:徳田実
要助:前川良三
浪人:岩尾正隆
備前少将綱政:南条新太郎
左門:夏八木勲
祐定:志村喬
前回のように二人が並列で争ってるような話で、こういう場合、片側が完全な悪役の場合もあるし、前回では、両方とも善玉という形だった。今回も同じく両方とも悪役ではない。だが、その片方である左門は悪ぶった登場。
でも時代劇の場合、完全な悪役なのか、悪ぶっていて実は善玉なのかというのもわかりやすく作られている。少なくとも後者の場合、完全に視聴者を騙すようには作られていない。今回の場合も、どっちだろうとは思ったが、善玉の可能性はあるなとは思えるようになっていた。そういうのは例えば、誰がその役をやってるか、どういう扮装でどういう言動か、というあたりで探ることになる。やはり俳優によって悪役専門の人とか、逆に悪屋は絶対やらない人とか。今回の場合は役者でわかったというわけではなく、父親の祐定が左門の実力を認めているらしいことがわかる場面があったりといったあたり、また左門が悪ぶり過ぎていて、しかしながら、憂いの表情があったりとかがヒントだろう。
刀鍛冶の話。名工祐定の後継問題。長男が七之助、左門が実力はあるが粗暴な左門、そして左門は後妻であるおまきの連れ子であり、祐定とは血が繋がっていないのである。
で、両方とも善玉。左門のほうは終盤で、殿さまへを箴言を父親の祐定がしようとすると、それに被せて自分がそれを言うという劇的な形で善玉へ転換。
お園は芸者で左門の女。
左門の母親おまきは自分の息子の刀を勝たせるよう家老安藤外記をそそのかすという悪をしでかしており、最後、祐定に成敗されそうになり、それを七之助のほうが庇うという形で、おまきは追い出されるだとか殺されるまではいかず、心を取り戻すというような形で決着
また前回もそうだったが善玉だらけというわけにもいかず、おまきのほかに外記を登場させ悪役に仕立てている。外記は刀の出来を判定する係でそれをおまきから脅される形で曲げた判定をしようとするという悪事なのだが、まあよく考えるとそれだけじゃ弱いわけで、実は辻斬りを何度もしていたという罪までしていたことにされている。ここらの悪役の仕立て方はちょっと安易か。
その外記によって八兵衛が斬られる場面からこの回は始まっており、そこへ助さん格さんは駆け付けるが、取り逃がしている。よく考えると相手は年寄りひとりで、こちらは最強のふたりであるのに、である。まあやたら相手を殺したりはしないようにという命令でも出てるのかもしれないが。
この回はどこか説明不足というか、話が飛んでいるというか、そんな場面が多い。まあおれの感想ではあるが。
八兵衛が光圀たちに内緒で自ら動き回る場面がいくつかあり、その動機が説明されておらず、これもそんな例の一つだ。まあ辻斬りに会って、その際証拠の品を手に入れたので探しているということは見直してみてわかったが、内緒にしておく理由はない。
ほかにも、おまきが外記に会って、自分の息子、左門の刀を選んでくれと頼む場面、断られ、次の場面でお園に出会い、お園から外記が辻斬りやってることをネタに脅せばと提案されてる。続いておまきが外記に再度会っている場面。と、話を進めるのに急ぎすぎ。
前二つの場面の間にいくつか説明が必要なのではないか、場面が飛んでるように思える。なんでお園はおまきが外記にそういう頼み事をしていることを知ってるのか、とかだ。こんな感じの場面転換、エピソードの流れの中で飛んでいるような場面が多いような気がした。
弥七、お新はまったく登場せず。柘植九郎太もまったく登場しないのでストーリーとしてはすっきりしている。前回もそうだったな。弥七はちょっとだけ出ていたが。ということは二名が競うという形のことも含めて二回続けて似たような構図だったということになる。

第19話 4月3日 姿なき復讐
志乃:五月みどり
榊原源十郎:井上孝雄
松崎典膳:北原義郎
関根源蔵:夏目俊二
山名屋五兵衛:山岡徹也
綾:服部妙子
伊助:田島義文
黒田弥九郎:高森玄
伊勢屋甚助:入江慎也
田原屋利吉:村居京之輔
蜂須賀綱矩:志摩靖彦
榊原源十郎と妹の綾が父の仇を狙うという役どころで、榊原家で働いていた伊助とその娘の志乃がそれに協力している。
仇は家老の松崎典膳とその配下、また商人の山名屋など、という構図
特徴的なのは、善悪はすぐ把握できるものの、劇中で光圀一行は仇討をする側の意図がなかなか掴めず、一方榊原のほうも光圀一行のことを邪魔ものだと思っているまま中盤まで進行すること。といってもこれはさほど特徴的ということでもなく、水戸黄門の中でパターンかされた劇作のうちの一つといったところか。
脚本の問題。シリーズ全部に通じることで、これは時代劇全般、いやとくにこの枠、水戸黄門以外に大岡越前などでそうなのだが、善悪どっちなのかとか、敵か味方かみたいなことをうまく描くところがテクニックだと思うが、セリフで「おれは味方だ」だとか「この人は悪い人ではない」とか、あからさまなセリフで明言してしまうところが度々出てくる。今回も源十郎に助さん格さんが言ってる。
五月みどりかなと登場のところでは思ったが、途中で違うなと思ったり。やっぱり五月みどりだったか
夏目俊二というのはよく見る顔だ。歌舞伎顔とでもいうか、坂東八十助(十代目坂東三津五郎)みたいな顔だ。
川谷拓三らしき人が侍の格好で。3幕の最初、助さん格さんの邪魔が入り、「逃げたぞ」というセリフ。

第20話 4月10日 帰って来た男
お夏:関根恵子
安太郎(十一の安):前田吟
おちか:町田祥子
横波の五郎蔵:藤岡重慶
代官 軍八郎:見明凡太朗
寅次:河原崎建三
二葉屋の主人:長浜藤夫
野々村内記:溝田繁
あかしや卯八:有川正治
用心棒:木谷邦臣
五郎蔵の乾分:志賀勝
水戸からの路銀を受け取るため、格さんが一行から離れての旅路。で、そこで金を奪おうと後をつけてきた男(十一の安)ともみ合いになり、崖から落ちそうになるその男を助けようとして、最後の言伝を頼まれる。光圀の元へ戻りたいが、逡巡した挙句、その言伝のためにそちらへ寄ることに。しかし、そこでその家の長男安太郎が帰ってきたと間違われて・・・。というわけで、こっちの話がメイン、そして一方の光圀一行はというと、その入ってくるはずのお金で酒を飲んでの散財、しかし金はない、助さんは格さんを探しに出ることを許されるも、光圀と八兵衛は人質で、宿の手伝いをさせられ、という展開が時折挿入される、こちらは喜劇モード。こっちの場面の序盤では「居残り佐平次」を思い出したが、意識しての引用かどうかは微妙。例えば飲んで盛り上がってるところで勘定を言われ、「飲んでる最中に金の話はするな」と言う場面とか、翌日の散々飲み食いし長々とした勘定書きを見て、「いやしかし安い。でも今は金はない」と言ったり。後者は居残りではなかったかもしれない。落語であったよね「安い・・・でも金はない」って。
キャストが興味深い
前田吟はまったく気付かず。河原崎建三、若く、最初の方から似てるなとは思ったが、よくわからず、終盤になって多分そうだな、と。
川谷拓三らしき人が今回も。今回は中盤で漁師たちが網を取り返しに行ったときに出てくる五郎蔵の子分たちのうちのひとり。左利きだから目立つのだが、違うかもしれない。

第21話 4月17日 母恋巡礼
お静:岩本多代
おさよ:竹内美香(子役)
讃州屋清兵衛:春日俊二
住職:北竜二
大野丹波:伊達三郎
西沢伊十郎:沼田曜一
銀次:江波多寛児
新田屋仙左衛門:野口元夫
お新が登場。
その登場の場面がちょっと不自然。そもそも光圀に同行するのか、しないのならなにをしているのやら。ここでは女中として登場
また途中のかくれんぼの場面も不自然極まりない。おさよの親を探すという話で、事態が込み入っており、説明の難しい中、なかなか会えずおさよが落ち込んだ顔をしているのに、能天気にかくれんぼしましょと言って、相手が乗り気でないのに、勝手にじゃんけんして、おさよが鬼になり、お新は隠れていると、おさよがさらわれる。
また、この不注意を光圀に報告するとき謝りもしないのも変
この回では助さんと格さんが何も告げずに途中からかなり長い間いなくなっておりこれも不自然。そして再登場する場面が、光圀が危機の陥ってる場面、場所は原っぱ、そこへ駆けつけてくるのも、なんでその危機を知ったのやら、で変
最後の殺陣で光圀の名乗りがないばかりか、光圀はその場にいないというパターンからは外れた円種討つ。光圀は協力してくれた寺の住職に、色々な願い事(けっこうそれが盛沢山でこき使うなあと思ってしまった)をする前に名乗っており、それは光圀一行と住職だけの場面。そして殿様に事件の証拠を届けるように頼む際に、自分(光圀)のことは内緒にしてくれるよう言ってる。
これはこの藩に自分が来ていることは内緒にしておかなければならないなにかがあるのだろうか。
久しぶりに柘植九郎太による光圀抹殺作戦発動、多分第15話以来
弥七とお新が同時出演も久しぶり。しかし特にその仲に関する演出はほとんどなし、お新の登場のところでちょっとからかわれてるが。こちらは多分第16話以来
同時に杉版金さんや破れ傘刀舟を見ているが、ゲストで出てくる人がさっき違う番組で見た人だということが非常に多い。同じころの作品だから当然なのかもしれないが。
今回でいえば、沼田曜一(刀舟30話)や野口元夫(刀舟37話)

第22話 4月24日 消えた姫君
鶴姫:八代順子
梅乃:八木昌子
大田黒将監:沢村宗之助
増田源三郎:柴田昌宏
吉沢:丘寵児
新次:黒木進
新太:田中弘史
ふぐ新主人:山村弘三
黒沼源兵衛:守田学哉
清十郎:諸口旭
増田頼母:市川男女之助
この地について時には気を養うためと遊びに行きたい助さんとそれをたしなめる格さんとで喧嘩になり、二手に分かれることになる。助さんは八兵衛を多少強引に連れて料亭へ、一方格さんは光圀と宿へ。といっても光圀は積極的に格さんの味方をしたわけではない。
内容としては、藩の家老同士の争い、城代家老増田頼母が次席家老大田黒に陥れられ牢に入れられており、それを助けようとする息子の源三郎とかつて増田頼母に恩がありそれを助けようとするふぐ新の親子(息子は新次と新太)。その情勢についてはなにも知らないお転婆な鶴姫、頼母によって学問の手ほどきをされていたのだが、が城下に遊びに来ており、そこへどうにかして書状を届けようという作戦。
結末は鶴姫が事情を知り、奮闘するも大田黒の逆襲にあい、最後は光圀登場。処罰については、鶴姫が光圀に自分に任せてくれ、父の裁きによって罪を償わせると言い、よくぞ申されたご存分になさるがよいと返す光圀、舌っ足らずに「大田黒らを引き立て」と鶴姫
黒木進は小野武彦の前芸名だそうだ。確かに小野かなとは思ったが、こんな昔から活躍してたとは。

第23話 5月1日 仇討ち博多人形
小袖:鮎川いづみ
文平:蜷川幸雄
瀧田嘉兵衛:川辺久造
元舟屋徳兵衛:潮万太郎
鮎川いづみと蜷川幸雄が兄妹で、両親の死に不正を感じ証拠を探す芸者の小袖、一方そのことに無関心な素振りで人形作りに励む文平
今回は柘植九郎太による光圀抹殺作戦発動。登場パターンもいつも通り悪役側の元へ現れ脅し半分餌半分と言った感じで作戦を了承させるという感じだが、今回は冒頭、舟で辿り着いた光圀一行を柘植の指図で刺客が襲うという始まり方
弥七とお新も登場ということでレギュラー勢揃い
鮎川いずみという人は、自分の一番好きな必殺シリーズで、それも好きになった要因である子供のころ見ていたシリーズにメイン格(何でも屋)で出ていた人なので特別な女優という位置づけなのだが、ウィキを見て、芸能界を止めた理由として「自分は芝居が下手だって気持ちがどこかにあって、芸能界には向かないと思い、決心をした。」という言葉が掲載されていて、それ以来じっくり演技を見るようになったのだが、確かにさほど、ね。
この回はその鮎川いずみと蜷川幸雄がメインであり、文平は小袖をモデルに人形を作っているが、その人形を見た助さんはその人形に暗い影があると言ったことで二人は衝撃を受けるという一コマがあり、そして最後の光圀一行の旅立ちの場面ではそのエピソードを踏まえて、人形の顔に鮎川いずみの顔が重なり、仇討を遂げ明るい顔立ちになったことが描かれるという風に、かなりフィーチャーされている

第24話 5月8日 女海賊とにせ黄門
源爺:東野英治郎(東野が二役で出演)
卍丸の船長 亀:清水良英
おこの:御影京子
唐物商小町屋宗吉:大竹修造
田上作左衛門:早川雄三
壱:草薙幸二郎
三造:市村昌治
松浦肥前守:不破潤
まつら屋の婆さん:吉川雅恵
黄門役の俳優が二役やるという形での偽黄門登場の回で、偽黄門というのはこれまでにもあったし、今後も何度もあるとは思うが、こういうのは珍しいのではないかな。まあよくわからないけど。
始まりから罠にかけられ、光圀とお新のみが舟に乗っており、供の三人を待っているのだが、舟が出航してしまうという風に始まる。それは抜け荷を行ってる海賊の舟であり、お新は売り飛ばし、男の客は海に捨てようとなり、ここで舟の下男、源爺(東野英治郎)が登場する。
源爺が光圀を海に落とす役になるのだが、手加減でもしたのか、光圀はうまく小舟に乗り移ってしまい、海賊たちもそれを放置。まあ光圀が生き残ってくれなきゃ話にならない。
源爺が光圀に心を動かされ手加減したとかそういうことかと思って見ていたが、そうではないようで、その後の展開の中でそういうことは語られないし、源爺はちょっと抜けているバカという程度にしか描かれていない

第25話 5月15日 狙撃者
おみの:金井由美
鬼塚甚八:菅貫太郎
下げ針の金作:武藤英司
茂平次:高品格
戸塚剛右衛門:植村謙二郎
跡部新作:小川真司
大川内左内:矢奈木邦二郎
そろそろシリーズ終盤、前回の最後でそもそもの旅の目的である薩摩藩のことに触れており、もしかしたら前後編でワンエピソードだとか、各回において薩摩藩の揉め事の件がちょこちょこと顔を出すとかするかなと思い警戒(それならば一気見したいのだ)したが、今回は普通の旅の一行程でのエピソード。しかも島原の乱で有名な天草の島が舞台で呑気に島めぐりをしてるってわけだ。薩摩への行程の一分なのかねえ。
その島原の乱が終わり年貢は半分になっていたのだが、それを代官、名主が組んでの過酷な年貢の取り立てとそれに抵抗する村人というような話。名主が高品格。代官の部下の鉄砲名人が菅貫太郎で髷を結わえず、現代風な髪型、今回は出ていないが今シリーズでの成田三樹夫みたいな見てくれ

第26話 5月22日 肥後の競い馬
喜助:安井昌二
琴姫:北川美佳
寅蔵:藤原釜足
宍戸刑部:河津清三郎
十時新太郎:清水綋治
大島剛蔵:五味竜太郎(五味龍太郎)
小山田一平太:小林勝彦
細川越中守:中村錦司
中間:西田良
清水綋治が若く父親の仇討を狙う純真な若侍という若いからこそやれる役で珍しい
五味龍太郎がメイン格の悪役。小林勝彦も中村錦司も若い。中村錦司はこの頃は殿様役も多めに思える。
またも柘植九郎太が失敗しだけど格好つけてるというワンパターン。やってて馬鹿らしく思ってそう。
残り2話。前後編かどうかわからんが、まとめての視聴にしよう。

第27話 5月29日 夕映えの対決
おひさ:北林早苗
高林くみ:真屋順子
伝九郎:江見俊太郎
土々呂の逸平:小堀明男
彦造:寺島雄作
町奉行:永野達雄
保利十九二:高橋悦史
高橋悦史はトメなのだろう、実質メインゲストは高橋悦史と北林早苗と真屋順子で、高橋悦史は人夫頭をやってるが、裏のある人物。女房が北林早苗でこちらは威勢の良い江戸っ子的な女でちょっと北林早苗にしては珍しいか。そして保利十九二はかつて長崎で医師の勉強をしていたという過去があり、そのときの恋人が真屋順子。高林くみが訪ねてきてしまったことから、女同士の嫉妬対決みたいのが始まりそうになるが、その場面はすでに緊急事態でもあり、そういうものを裏に秘めながら、ドタバタと話が結末に向かうという風な演出。
そしてこの回は別路を行く弥七のみが上記のメインストーリーに絡むという形になっており、それじゃあ光圀の出番が少なくなると心配してなのか、序盤に光圀が一つあっさりと事件を片付ける。市中引き回しになってる子供がおり、通行人に事情を聞いて、それをもうすんなりと受け入れて、役人連中にさっさと名乗って、裁きを下すという風に。これは水戸黄門では珍しい演出かもしれない。大岡越前で冒頭に三方一両損の判決部分をやるみたいな、シリーズのハイライトシーンを冒頭にやってしまうというやり方。
なおメインストーリーのほうでは光圀の名乗りをお新がやっており、これは珍しい。初めてだったと思う。またそこで平伏した悪役がもう一人の悪役を殺してしまい、騙されておりました、ここに成敗してやりましたと光圀に得意げに命乞いという、これも光圀が名乗った後の展開としては珍しい。ここで平伏している悪役はヤクザ連中ばかりで、侍はおらず、悪役に侍は介在していない。
薩摩に入るためにはどうしたらいいかみたいなことが序盤では強調され、最終回に向けてという雰囲気はあるものの、この回には柘植九郎太は出ておらず、起きた事件には次回に引き継ぐ事項なし。前後編になるかもという予想は外れだった(9/20視聴)

09/20(水) 18:30 - BS-TBS|60分|12倍録
水戸黄門 第3部<デジタルリマスター版>[終]▽第28話「暗雲晴れて」(薩摩・江戸)
(9/20視聴)
第28話 6月5日 暗雲晴れて
司馬丹兵衛:佐々木孝丸
笠間与一郎:天野新士
お百合の方:松村康世
甲府宰相綱豊:坂東京三郎
水戸藩上屋敷の侍:波多野博
第27話に続けて見出したが、27話から引き継がれてることはなさそうであり、さらに序盤で司馬丹三郎の父親というのが登場、第1話の司馬丹三郎の回想シーンが出てきて、そういえば第1話はちょっと見ていて理解が消化不良だったことを思い出し、第1話を見直すことにした。第1話は1.3倍速を基本での視聴にした。
結果的にこれは大正解。第1話とこの最終話が前後編ものと見てもいいのではなかろうか。となると今シリーズのそれ以外の回はなんなんだということになりかねないが、何度か書いたように柘植九郎太は自信満々に登場しては失敗しても笑ってるし、その横やりもワンパターンで各回のエピソードにいい効果を与えてるように見えないし。
まあとにかく。この回の行程として(薩摩・江戸)とされているように、薩摩の揉め事はこの回ではかなり早めに終結する。今シリーズは3幕ものであるが2幕の中盤で終わる。
追い詰められて光圀が爆弾抱えて崖に飛び込むなんというシーンが第1幕の最後にあり、こりゃどうなるかなと思ったが、それは丹兵衛が身代わりになっていたとのこと。
さすがに柘植九郎太も悔しそうで、そして2幕中盤以降では、江戸に戻り柳沢に報告がてら自決を勧め、が、しかし柳沢にはまだ策略があり、自分が自決すれば、同志となっていた尾張公にも罪が及ぶことになり、それを光圀はどう考えるのか、と。そして第3幕、江戸城内、将軍、光圀、御三家と甲府宰相、そして柳沢の場面となり、ここはただその舞台での会話劇、前シリーズもこんな感じだったと思うが、光圀が柳沢の上を行く策略で、柳沢を自決させずに隠居に追い込む。
ラスト、水戸藩江戸屋敷に深雪が赤ん坊を連れて登場、生まれたての赤ん坊だぞ、雑に扱ってるなあと思う、ラストシーンでは水戸への帰還の旅路で、深雪は赤ん坊を抱いての旅路、って無理だろ、それ。
お新と弥七でお新の父親、野ぶすまの仁平の墓参り。夫婦になることを示唆。

明日からは「水戸黄門 第41部」。さすがに全シリーズ放映とはならないか。
まだまだマンネリ完成にはなっておらず、特に印籠のシーン、これからどうマンネリ化していくのか見たかったが、でもまあちょうどその道筋も見えてきた感じでもあったので、いいタイミングか