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Sound Trip モロッコ・音楽と生きる人々

03/29(水) 02:00 -
NHKBSプレミアム|60分|DR
Sound Trip モロッコ・音楽と生きる人々
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ブライアン・ジョーンズが心酔した秘境の村ジャジューカを訪ねる NHK BS『Sound Trip モロッコ・音楽と生きる人々』3月28日深夜放送
ローリング・ストーンズ創設時のリーダー、ブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)が心酔し、現地録音盤を残したことでも知られる、モロッコの秘境の村ジャジューカ。モロッコの港町タンジェと、秘境の村ジャジューカを訪ねる紀行番組、NHK BSプレミアム『Sound Trip モロッコ・音楽と生きる人々』は3月28日(火)深夜放送。音声再生技術「イマーシブオーディオ」を使った新しい紀行番組で、ヘッドホンをするとより没入感が楽しめます。

■『Sound Trip モロッコ・音楽と生きる人々』
NHK BSプレミアム 2023年3月29日(水)午前2:00 ~ 午前3:00 (60分)
「イマーシブオーディオ」を使った音の旅。訪ねるのは、北アフリカのモロッコ。異国情緒あふれる港町タンジェ、そして、ローリングストーンズのブライアン・ジョーンズが心酔したという秘境の村ジャジューカの魔術的儀礼祭をたどる。音楽が宗教と結びつき、今も暮らしに生きるモロッコ。人々は音楽にどんな祈りを込めるのか。
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なんとも魅力的な番組が放映されるという記事を偶然見つけ、録画視聴
魅力的だが、その一方でこれは見なくてはという義務感が発生する場合もあり、こういった毎回視聴でない単発の番組は録画はしたものの、そのまま録画版積読になる可能性もある。そうそう、そういえば、昨晩、偶然テレビ欄を見ていて、NHK総合にて「」が放映されるのを知りびっくり。確かこれおれはもう見たやつだよなあ、と録画の倉庫を探し、やっぱりあった。番組説明もほぼ同じだし、と中身もちょっと見たら、面白くて結構時間をかけて見てしまった。なんでいま? という気がしないでもない。まあこういった番組も、中身次第だが、録画したものの・・・、となる可能性はいつでもあるのだ。
で、これ。翌日すぐ視聴。それもかなり楽しみな気分を持続して。
なんでだろう、まあ他の溜まった録画で見たいものがあまりなく、なにもかもにちょっと飽きていたというのがあろう。
まあ、テレビをつけすぐ再生。
さて、中身
NHKの番組紹介にもブライアンの名前があり、冒頭にブライアンのこの音楽についての言葉がテロップで出る。が、その後ブライアンのことには触れないし、彼の姿が映ることもない。まあブライアンの名前が惹句となっているのは疑いようもないが
純粋なドキュメンタリーで、ちょっと特異なところはナレーションがなく、説明する部分はテロップ、そしてドキュメンタリーであるからその地の人が喋る部分はあるが、そこも吹替などはなく、テロップでの翻訳のみ。
まあ、そういった静かな番組だからすぐ集中は途切れ、しばしローリングストーンズについて思いを馳せ、そしてブライアンについてもちょっとだけ思いを馳せ。おれはあまりブライアンに思い入れはないのだ。まあストーンズはここでは主題でない(ブライアンでさえ主題ではない)ので、ちょっと置く。後で書くことにしよう。
序盤はボーっとしていたが中盤で出てきたジャジューカの音楽隊でブージュルード(この祭りの由来エピソードで出てくるヤギと人間が半々の怪物、神的存在であろう)に扮して踊る花形マスターをする父親を持つ息子モハメッドの登場シーンに惹かれた、といってもゾワゾワするという不気味なという側の惹かれ方である。幼い子供たちが遊ぶ後ろで壁に隠れ少し顔を出し、カメラを見つめている。これが数秒続く。なんだろ、この男は、と思っていると、次の場面では、一転して快活にカメラマンなど取材陣に声を掛け、ざくろを食べて、食べてと勧める、が、そこへ父親が来てそのことを彼らはざくろを食べに来ているんじゃないよと叱る
モハメッドは父の後を継ぎたいと言い、しかし、父親から後を継ぐことに関してなにも言われていないとのこと(が、代々継がれてきているという説明もあった)
このモハメッドはなんなんだろう、中学を1年で辞め家の手伝いをしている22歳とされている。日本とは異なるのでそれとピッタリ合うわけではないが、引きこもりみたいなもんだろうか。その父親の場面の前には母親に手伝おうかと声をかけ、後でねとあしらわれてる。家族の中でのけものにされてる感じだ。まああ母親とのやり取りはおれが勝手に想像たくましくしてしまってるせいもあるが。
終盤はその久々の祭り、ジャジューカ音楽隊の演奏場面、モハメッドは父親がブージュルードとして踊る前で激しく踊り出し、周りの子供たちも踊り出し、その踊ってる子たちを、その踊り手である父親はなにかはたきのような、すすきのようなもので叩く。叩くといってもはたき、すすきであるから、痛くはないのだが、追い払うように。これが何を示しているのかわからない(※)。(※見直してみたら「ブージュルードにオリーブの枝で叩かれると幸せになるという」というテロップ説明が入っていた)
そしてその演奏が終わり、その父親はあと数年したら自分も踊れなくなる、でもそうしたら息子が継いでくれるだろう、その時は完全に仕込むつもりだと語っており、なあんだ、とハッピーエンド。
このモハメッドの場面が中心に据えられてるのかどうかわからなかったが、このエピソードでまあ中心の一端はそうだろう。
あとは、序盤に出てきた火事で自分の農場のオリーブの木が1000本焼けてしまった男。これも終盤の演奏の場面で熱心に聞いている場面があり、その後にその音楽の効能についてインタビューに答え、最後は農場で、死んだオリーブの木を切って、これがもしかしたら数年後生き返るかもしれないと語っている場面。この二人がこの番組の中心、少なくとも中心の一部であろう。他にもあったかもしれないが、何しろボーっとしていた時間があったので。
制作はNHKとなっている
コロナ禍で二年間祭りが中止になり、ついに再会された祭りについてのドキュメンタリーとなっていて、ということから考えると、つい最近の撮影である
その音楽が聴けるかというとそういう面ではちょい不満

さて、ストーンズ。
おれは80年代にストーンズを知った。81年のアメリカツアーの映画が公開し日本の雑誌に取り上げられたころにロックというのを知り、ストーンズの名前を知った。だからリアルタイムでニューアルバムを聞いたのは「アンダーカバー」ということで、なんともあたふたしたものだ。これがストーンズなのか、と。後年ストーンズの歴史を見返した後、最初がアンダーカバーと聞いても、そのあたふたさはわかると思う。
まあそれはいいとして、であるからブライアンについては初期メンバーという程度にしか知らなかった。その後ストーンズについて色々読んだりして、少しずつその役割とかを知るし、悲劇的なロックスターであることはわかるが、その音楽性や影響とかについてはあまり興味もなかった。ストーンズの初期、ブライアンがいた時代にしても彼が傑出したなにかをストーンズの音楽に与えていたように、少なくとも音楽からは感じ取れない。もちろん、文章としては、ブライアンがミックとキースに大きな影響を与えていたということは読み取れるし、ゆえにミックとキースの作り出すものの中に、ブライアンの影響というのが出ているともいえないことはないが(その最たるものの一つはコンチネンタル・ドリフトだろう)。初めて手に取った楽器をすぐ演奏できたとかいうエピソードだって、ストーンズがギターバンドという意識があり、どうでもいいことのように思えた
ネットが発達して、時折ストーンズのことを読んでみて、初めて知るようなエピソードも続々と知れるようになるも、やはりブライアンのことについては、あまりその印象は変わらない。
たまにストーンズはブライアンのいた時代が好きという人もいるし、さらに大袈裟なのはストーンズはデビュー前だね、デビューして1,2枚は良かったけど・・・みたいなことを言う人もいるかもしれない、まあこれはマニアをパロディ化しているだけだろうが。
そのブライアンのいた時代、そしてメンバーの交代劇、ここらは結構劇的で、そして必然だったのだろうか、ちょうど音楽産業、ロックの世界がレコード面でもライブ面でも様変わりしていく時代で、その要請にストーンズも自ら変わっていったということもあるのかもしれないが、いいタイミングだったのだろうと思う。ブライアンがその後の時代に対応できていただろうか、ストーンズに残っていたら、仮に体調がよかったとして、どんなだっただろうと思うと想像できない。
あのライブ面でもレコード面でも、日本ではそれをまねたGSみたいな、チャチさがあの時代のロックだ。
そしてそれが近代的になっていく60年代後期以降。ストーンズで言えば、やはりハイドパーク、そしてオルタモントを含むツアーとそれ以前のライブ映像の違い。ハイドパークは過渡期的でもあるが、オルタモントを映像化した映画「ギミー・シェルター」でのストーンズは、もう一気に近代的になっているとわかる。
レコードでは、ベガーズ・バンケット、レット・イット・ブリード、そしてスティッキー・フィンガーズ。ベガーズ・バンケットとその先行シングル的な意味あいの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」が、新生ストーンズだと思うが、ここにはまだブライアンはおり、映像でもこの曲を演奏している姿は残されている(「ロックンロール・サーカス」や「プロモビデオ」)。そしてロックと言えばエレキギターなのだが、ここではアコースティック主体でながらもそれゆえというか、緊張感のあるロック。アコースティックギターは音が持続しないところを利用したと何かで読んだが、まあ異様に魅力的な響きのイントロであるストリート・ファイティング・マン。そういや、おれが一番初めに買ったストーンズのアルバムは確かこれだった。
そういやおれは「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」と「ベガーズ・バンケット」の関係、つまり発表順だとかレコーディング体制とかについても知ったのは割と後年になってからであり、そういやサウンドに類似性があるなと納得したものだった。それについてはその後の「ホンキー・トンク・ウィメン」と「レット・イット・ブリード」の関係なんかについても、同じころ知った。なんとなく発表された順とか知っていても、アルバムに入ってないシングルとなるとその辺があいまいで。
いま、ウィキを見ていま改めて知ったが、「ホンキー・トンク・ウィメン」がミック・テイラーの初参加局なのか。ここら辺の時代については読めば読むほど面白い。
この二枚のアルバム過渡期というような言い方はしたくはないが(ブライアンは「レット・イット・ブリード」にも参加局がある)、次の「スティッキー・フィンガーズ」こそが完全に近代的になったストーンズという感じである。そしてここからミック・テイラーも前面参加でごちゃごちゃした制作体制が整理された感じもある。この次の「スティッキー・フィンガーズ」も含めてこの4枚がストーンズの最高傑作とする人は多くいるが、まったく異論はない。
メンバー交代と言えば、そのミック・テイラーからロン・ウッドの交代については、ブライアンのときほど混とんとした感じはなく、それは先に書いた音楽産業が様変わりした時代と重なったブライアン交代期とは異なり、そういうことはなかったので、サウンドメイキングの面でもライブの面でもスムーズに感じる(多少は変化はあっただろう、例えばキースのギタースタイルがミックからロニーに代わったことで自分も変わるとか)、が、内情はそうでもなかったようだが。
ここらの時代についても、おれはそれまでそれこそ年代記としては一応知ってはいるけど、ネットの時代になり始めて知るようなことも多く深く知るようになってきた
ロニーの最初のストーンズの傘下は正式なストーンズへの加入の前だったということは割と最近になって知った。ここら辺の時代はごちゃごちゃしているのだ。「ブラック・アンド・ブルー」が「グレイト・ギタリスト・ハント」と呼ばれていることは多少知ってはいたが、ジャケットにロニーもいるし、ロニーのメンバー入り後最初のアルバムという認識である(間違ってはいない)。でも「サム・ガールズ」が雰囲気を一新したアルバムであり、これがロニー参加後最初のアルバムとなっていたほうが収まりが良い感じがしないでもない。
なんだかまとまりのない文章、そして関係ない事柄にまで及んでしまった