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秋日和 [映画]

1960 日本 B
12/09(水) 13:00 NHKBSプレミアム|130分

デジタル修復版。
先日見た「彼岸花」と似通ってる場面が多く、調べてみるとそのことについてウィキには多く記述されている。
自分が気付いたのは以下の点。まず佐分利信を含む3人の初老の男友だちの雰囲気(調べてみると同じ俳優とのこと)。その3人が序盤で料理屋で飲む場面があり、そこで「女房がきれいだと短命、そうでないと長命」という下品な話をし、そのネタで料理屋の女将をからかう場面(なんとその女将も同じ女優)。
佐分利信が勤めている会社の風景も同じセットを使ってるかのようにそっくり。
その他各登場人物の家の様子も似ているような気がする。
佐田啓二が重要な役で出演。
また脇役で渡辺文雄と須賀不二男が出ている。渡辺文雄は「彼岸花」ではわからなかったが、こちらでは大層活躍(アヤ子の同僚)。
それ以外にウィキでは「鎌倉に暮らし里見弴と親しくしていた小津が、里見の原作をもとにシナリオ化した作品で、この趣向は『彼岸花』(1958年)に続いて2本目」とのこと。

序盤でその料理屋の女将が三輪母子を「姉妹みたい」と言っているが、それは全くその通りで、遠めに見ると原節子が若く、また司葉子が年齢の割りに老けて見える。まあここらへんんは作品が進むにつれて母子に見えてくるが。
原節子は序盤では常時ニコニコしていて、こういう言い方はどうかと思うがなんだか気持ち悪い。

アヤ子の同僚で百合子というのが出てくる。作品に似つかわしくないほどのなんとも乱暴な言葉遣いがいくつかある。序盤中盤あたりまでは端役だと思っていたが、後半で大活躍する。そしてその大活躍の場面で幾分エキセントリックな性格であることがわかってきて、だからこそのあの乱暴な台詞だったのかもしれないと思う。

佐分利信は何本か見てきて、ようやっと顔に馴染みが出てきた。田中角栄に似た感じだ。

いわゆる喜劇ではないが、いくらかは意識して笑わせる場面が出てきてクスッとしてしまう。例えばバーで3人が飲む場面。パイプを間宮と田口が同じ動作でいじくるのには笑ってしまう。
序盤での間宮と田口が家で妻に秋子のことでからかわれる場面も同じような台詞の繰り返しで可笑しい。

この映画で描かれているような感覚、例えば夫婦、結婚、家族、親子というものへの考え方が当時の常識的考え方なのだろうか。だとしたら隔世の感である。そしてその感覚のズレが起因となっているのだろうが、話の展開でいくらか理解しにくいところがあった。

それとは別にちょっとおかしな展開もあった。秋子が間宮を訪ねていく序盤。昼飯に誘われ2時からはミシンを教えに行くという秋子だが、結局ご馳走になる。その後、帰宅の場面となり、アヤ子はご飯の支度をして待っていたと言い、秋子は間宮にご馳走になった旨を言う。この帰宅の場面というのは昼飯時なのだろうか、夕飯時なのだろうか。間宮と昼飯を食って2時からミシン学校へ行くはずなのに、学校へ行く前に家に帰ったってことだろうか。多分そうなのだろうが。
ただそう考えると、アヤ子は仕事へ行っていないのか、となってしまう。

小津の作品の放映が連続している。このデジタル修復版は、生誕110年没後50年ということで作られたそうだ。小津は「1903年12月12日 - 1963年12月12日」であるから2年前ということだな
また作品の放映前にこれから放映する映画の静止画像とタイトルが表示されるがそこにテロップで原節子の代表作である旨表示された。この作品の放映が決まったのは原節子が亡くなったという報道前に決まっていたことで、タイミングが良いというか。いや亡くなったことにたいしてタイミングが良いというのは不適切ではあるが。



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