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競争の番人 [連ドラ]

フジテレビ2022年7月からの連ドラ
第1話を視聴

古いものは別として、近年作られてるものとしてはNHKとTBSのものしか見てないと思うが、それだからか、ノリが違う感じが強くする。
そして全体的にチャチ。コメディに思いっきり触れてるわけでなく、公取を舞台にしたその仕事内容を描くみたいない作品でそこにちょっとコメディタッチを入れてるという作りだと思うが、そのリアリティさが壊れて見てる側が白けてしまうような場面がいくつかあった。
主演は坂口健太郎と杏で、この二人が字幕オンでの色付き。黄色が坂口。クレジットのトップは二人が並記。
おれは杏のほうが主役なのかと思った。
冒頭で出てくるのも杏だし、杏を中心に作られてるように見える。
その冒頭。犯人を追う杏の白熊の場面なのだが、夜の場面で画面が暗く、何が行われてるのかよくわからず、いきなり気が逸れる。結局なにが行われていたのかよくわからなかった。その後の場面で、野菜を追っかけて犯人を取り逃がしたと小勝負が白熊のことを評して言ったセリフがあり、そういう場面だったのかと、もう一度見直して、スローにしたり静止画にしたりしてようやくその場面で映像が何を表現したかったのかわかった。冒頭でいきなりわかりにくいってのはどうなの、おれの理解力の問題。

勝手に一話完結かと思っていた。一つの回で公取が一つの事件を解決して終わり、次の回でまた別の事件というような。
そうではなかった。第1話ではホテルのウエディングのカルテルの事件で、山本耕史がメインの悪役なのだが、この回では完結せず、さらには、シリーズ通じての悪役になると思われる小日向文世演じる藤堂清正ともこの山本演じる天沢雲海が繋がっているようで・・・。

※追記
同日第3話まで視聴
この山本耕史がメインのホテルのウエディングのカルテルの件がここで終結。1話では完結せず、数話を使い一件を完結させながら、最終的な悪役、小日向文世を小出しにするという構成か。
まあこのホテルのウエディングのカルテルという事件だけじゃとても10話は引っ張れないから、これくらいの構成が妥当だろう
第2話の冒頭での主役の公取が助ける側の被害者側花屋が白熊を裏切るということをして、おおっと思う。この辺はちょっと面白い構図だと思った。これと同じことは天沢に雇われているホテル長の濱津隆之にも言え、告発をし公取に協力するかと思いきや、小勝負と白熊を書庫に監禁するなんてこともやる。こちらは動きがあやふやで、監禁しながらも、二人に役立つ資料をその監禁場所に置いておくなんてこともやっているが。
と、面白いと思ったところもあったが、一方でチャチな感じは延々とある。ホテルウエディングカルテルには三人が絡んでいて、そのうちのひとり、政岡を桃園は落として、天沢との密談の場での会話をダイロクメンバーにスマホを使って公開している。でも、政岡を落としたなら、そこで証言取れば、一件落着じゃねえの? と思わないでもない。
キャスト、レギュラーは豪華だと思う。特に女性陣、杏、小池栄子、寺島しのぶ、全員超実力派だ。これだけの個性的な面々で、この脚本に文句はなかったのだろうかと思わないでもないけど。
で、一方ゲスト陣は山本耕史以外は知らない人ばかり。あ、チョイ役、テレビの情報番組の司会者で安東弘樹が出ていたな

10/25
第4ー5話
この二回で一つの事件が扱われている。
ここでは第1話の冒頭で白熊が取り逃がした犯人が再登場で最大の悪役。あの白熊が取り逃がした犯人というのはあの場面だけかと思っていたが。しかも悪役に見えて、実はそうでもなかったかにも思われる終わり方でキャラ設定も複雑。このキャラ設定が単純な善悪でないというのは前回のとこにも書いた花屋やホテル長にも通じ、また今回のゲストである下請けのまとめ役なんかにも通じる。ここら辺は面白くできている。一つの事件が1話で終わらないのもこういういったりきたりがあるからでもある
一方、チャチな出来も継続。この事件の結び、小勝負が仕掛けた芝居なのか。いやそうではないだろう、単に下請けを煽っておいて、多分こうなるはずと考え、その結末のやり取りが発表会準備会場で行われたのだろう、ということは、出来すぎとしか思えない。
この白熊が取り逃がした犯人、その事件、強盗殺人事件だが、その件も検察は諦めてしまっているようで、この後どうなるのだろうか。まあここではそういうような意味では白熊がフィーチャー。この後では、今シリーズの大悪である藤堂清正が前面に出てきて、彼に因縁のある小勝負がフィーチャーされてくるのだろう。
一方、第5話では審査官の六角洸介(加藤清史郎)がフィーチャー、さらに次回では小池栄子の桃園がフィーチャーされるようで、ダイロクの審査官ひとりひとりが順にフィーチャーされる構成にもなっている。

第6話、第7話
この2回はどちらも一話完結となっている。上の方に書いたが、おれはこういう形式を予想していた。
第6話、ストーリーの大きな流れとしては面白くできているのだけど、再三言っているようにチャチな場面が多々。
小池栄子の桃園がフィーチャー。真飛聖がメインゲストの一人
第7話、ここはちょっと異例な作りで、白熊がひとりで案件を任されるという回で、その後メンバーに助けられるとかいうこともなく、本当に一人、ではなく、キャップの風見がついて回るという形ではあるが、で最後までやり遂げるという回で、白熊と風見以外のメンバーの出番はほんの少しである。
本庄は確か第6話にも出ていないが、第7話にも少しだけしか出ていない。その出番というのは第7話の一番最後。このことについて指摘しておきたい。次の回のエピソードの幕開けを最後に持ってくるというのは今の連ドラの多くで、というより、ほとんどで使われている演出。本庄の出番というのもそれ。なのだけど、考えてみると、これって余計である。次回に気を持たせるという意味あいなのはわかるけど、例えばこの回についていえば、その次回の幕あけ場面がなくても成立するし、もっといえば、そっちのほうがスッキリしている。
雛形あきこがメインゲスト、見てる間は気付かず
女性の活躍について
女性の社会進出なんてのが叫ばれたのはいつごろのことだったろう。今や実社会でも完全に定着しているように見える。今作品でもそうで、女性が活躍していて一切違和感なく見れる。ダイロクのメンバーは5人中2人が女性で、その審査長の本庄も女性。各回のエピソードでは第1話から始まるエピソードは男性優位か。第4話からのもそうだな。第6話では着物業界の話で女性経営者2人がメイン。第7話では男女がコンビを組んでの通販サイトとファッションブランドの話でそこにもう一人の女性が関わってくるという風に女性が目立つ話が2回続いた。
巨悪(ここでは藤堂)が見え隠れしながらもなかなか正体を現さないという作りも珍しいものではないが、ここではあまりうまくいってないように思える。ちなみに第6,7話はまったく絡まない。ちょっと正体を現さなすぎる感じで、どうせ彼が巨悪なんだろうというのはわかるが、あまり効果的に出てきていない。第1話からのエピソードでの天沢は藤堂と関係あるはずであるが、そこら辺もよくわからない感じの描かれ方で、このままあの二人の関係が描かれないのだとしたらひどいと思うが、まあそんなことはなく、終盤(次回から始まる「最終章」)に再度天沢が登場(確かもう捕まっているから、現代の場面への登場は無理として回想シーンだとしても)して説明されるのだろう。白熊が第1話冒頭での捕まえ損ねた男は第4話からのエピソードでの悪役であったが、あれの終わり方もモヤモヤで、これも「最終章」にて絡んでくると思われる(※追記、天沢についてはその後何も描かれず、ぼんやりとした藤堂との関係のまま。白熊が第1話冒頭での捕まえ損ねた男については、言及あり、殺人犯ではなかった)

10/26
第8話
前半で物語の舞台の10年以上前の事象、本庄と小勝負の父親、そして藤堂との関わりを描く。
本庄、この回から出てくる石井正則演じるラクター建設の木下の動きが気になる。木下はこの回の前半での談合の主役格だが、現代では本庄と繋がっているようだ。そして本庄は藤堂と繋がっていて、その情報密告でダイイチのラクターへの立入検査がその検査中に中止となってしまう。
おおっと本庄は悪役かあと思わせながらも、まあそうはならないだろうなという予感、それはやはりそのようで、この回のラスト(小勝負が刺される瞬間それを庇って刺される)、そして次回予告(本庄がずっと藤堂を追っていたというようなセリフが聞こえる)でそれは示唆される。

第9ー10話
ここまで書いてきたことの繰り返しとなるが、大雑把なストーリーとしては面白いのだけど、その場面場面の描き方がどうにもチャチで出来栄えの評価は低い。シリーズ終盤になり、それがさらに拡大している感じさえする。
で、出来栄えが悪いと判断してしまうとそう見えてしまうのか、役者の演技も幼稚に見えてしまう。そんなに悪いわけでもないと思うんだが、なに、この人格好つけてるの? みたいにね。
そんな中でも小日向文世はよかった。まあほとんど抑揚のないキャラであり、この人の得意な役柄であると思うが。
チャチなのは脚本、演出なのだと思う。この回あたりでいうと、なんで裏書のないレシートが残ってるのだろう、とか、父とは縁を切り、長年会わず、疎遠になっている藤堂の娘、環が久しぶりに父の家で再会したときの素っ気ない様子とか。この二つだけじゃなく、かなりの場面にケチをつけたくなる。悪い評価をしてしまうと、そういう目で見てしまい、些細なことさえ、ダメと判断しがちになるし、それこそ演技も下手に見えてくる。
あと、談合という言葉。談合は悪、というのはそれでもいいのだけど、このドラマのようにわかりやすくするためだろうが、単純化してしまうと、おれには、談合も悪くないんじゃないのと思えてくるほどで、あまりに単純化するのはどうかと思える。
談合の一部合法化の法案というのが出てくる。藤堂が国会に提出する準備をしているものだ。この言葉の使い方も雑だなあと思う。わかりやすくしているのだろうけど。
談合の合法化などとストレートな言葉は使わずにやってるはずで、それの中身は実質談合の合法化となるというようなもののはずで、であるならそれの発見者の六角も電話で報告するときに、ちょっとセリフが多くなってしまうが、そういう言い方にしたほうがリアリティが出ると思う。そして国会提出間近という状況でもあり、そこまで秘密にできるものかということもある、マスコミが騒いでるだろうに。
第10話で藤堂の件は終結、で第11話、最終回はまた別のエピソードのようだ。サブタイトルを見てそのことはおおよそわかってはいたのだけど、でもこの作品の一番重要な藤堂エピソードの後に付けたしでもう1回あるというのも変で、最後に藤堂の逆襲みたいのがあるのかなと思っていたが、次回予告を見る限りそうではなさそうだ

第11話(最終回)
いやぁ、意表を突く問題作、最終回にこれを持ってくるか、なぜ最終回でこれをやったんだ、という感じ。
内容は荒唐無稽でリアリティのない内容だが、面白く見れた。
第7話で杏一人だけがフィーチャーされてた回があったが、こちらは小勝負のみフィーチャーという回といえるが、そんなことより内容。
スーパーに人質を取って立てこもりという事件で、その割にのんびりした空気感でそこらはリアリティがまったくない。突入し犯人確保する余裕がいくらでもあるのに、突っ込まないのだ。
またそういう事件に巻き込まれた小勝負が、いきなり白板を使ってそのスーパーの不当廉売の不正について解説するあたりはほとんどコメディ、というよりそういう風に見てもらう狙いであろう。
この回は面白かったけど、なぜあの藤堂の件で終わらなかったのか。もしこれが出来のいいドラマだったとして、それでこの最終回がくっついていたとしたら・・・、うーんそれはそれで評価されそうではある。でも制作者としたら、あの藤堂のやつが最終回としたかったんじゃないかと思う、それをあえて覆したということか。
寺島しのぶは最終回には出ていない