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アパッチの怒り [映画]

1954 アメリカ
NHKBS 20/8/28

西部劇
ロック・ハドソン主演
今の目から見るとかなりの違和感
ロック・ハドソンが主役でインディアンの部族長を演じており、ということからわかるように、彼が演じるターザというインディアン側から描かれる。
それゆえだろう、インディアンの言語は全部英語。そしてそのことが影響しているのか、インディアンの行動や思想が全部アメリカ人っぽく、つまり敵側とあまり変わらない感じなのだ。もちろん住んでいるところは平野(居留地)に鎌倉みたいな茅葺の小屋を建てて暮らしているわけであるが。
序盤は白人との平和条約に尽力してきたターザの父が亡くなり、ターザが族長を継ぐという場面から。ターザも父の意向を継いで、白人との平和条約を守ろうとするも、弟を始め何人かからは戦うべきと反発される。
こういう前提のなか、序盤を終わると、今度は居留地に移され、ターザはインディアンの罪はインディアンが罰すると主張し、自主警察権を勝ち取り、アメリカ騎兵隊の軍服を着て、インディアンを守りながらも取り締まる側に回る。
と、こうなってくると、アメリカ側に屈したインディアンという感じがして、今の時代だとインディアン側からアメリカとの闘争を描くとしたら、誇り高く徹底的に戦いながらも、相互に理解が生まれるとか、インディアン側の事情を深く描くとかされ、屈したインディアンというのは、多少侮蔑的に描かれそうなものである。
ここら辺が違和感。居留地には捕らえられた好戦的なジェロニモも護送されてきて、居留地のインディアンはアメリカ軍への反発の気配が高まってくる
ラストはちょっと期待させる展開になるものの、結局えーという感じ。ぬるいエンディング。
居留地のインディアンが氾濫を起こす気配に、ターザは約束通り自分たちが取り締まると主張するも一蹴され、ターザは脱走。アメリカ騎兵隊とインディアンの戦いになり、インディアン優勢、とここでどう作品を終わらせるのやら、と思っていると、軍服を脱ぎ捨てたターザが現れ・・・、で、ジェロニモなどインディアン側(弟も含む)と対峙するのだ。なら脱走する必要もない、いや、約束通りの主張が受け入れられなかったのだから、それはいいのか、で、自分は自分で、インディアンがインディアンを罰するという行動を取ったということか。
まあとにかくぬるいなあと思った。
バーネット大尉を親交を深めていくという流れがあるが、これもなぜそうなっていったのか、どちらかといえば最初の出会いは反発しあう感じだったのに、その次の場面でなぜか信頼関係が生まれているのも変に思えた

インディアンと書いてきたが、この作品ではアパッチ族とされているので、喋っているセリフでは「アパッチ」だが字幕では「先住民」とされている