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志ん朝関連 [読書]

・よってたかって古今亭志ん朝 文芸春秋 2006.3.15
・まわりまわって古今亭志ん朝 文芸春秋 2007.6.30
この2冊はシリーズ物。文・構成岡本和明。後者の後書きに「志ん朝の大阪での交遊録のようなものを出せないか・・」と書いているが、たしか「志ん朝と上方」というのを読んだ覚えがあるが、このシリーズの続編だったようだ。
前者が志ん朝の弟子による対談形式。後者は志ん朝の同期や寄席関係者、マネージャー、私的な交友の人へのインタビューなどで構成。
後者に同期の仲間として小勝が出ており「私が小勝を襲名した時、披露公演に兄さんは四十日出てくれたの。・・・」とある。おれ小勝の襲名披露って偶然見に行った覚えがあるんだが、志ん朝出てたっけなあ・・・。そういや出ていたような気もするし・・・。小勝襲名が94.9とあり、記憶をさかのぼると、多分おれが初めて落語を生で見たのが94.8の国立演芸場の談志がトリで出ていた公演。そのすぐ後かあ。小勝襲名披露は落語に夢中になり賭けで「ぴあ」で出演者を見て小さんが出るとあって見に行ったのだった。披露口上のあと小さんが出て「親子酒」。トリは小勝で「寝床」だったはず。う~ん、志ん朝、、、口上していたような気もするし、出て落語やったとしたら仲トリだなあ。小さんの後に席を立った客が何人かいたことも覚えてる。
あと、うなぎについてのエピソード。文楽が語っている。咄家辞めたいと文楽が志ん朝に相談したところ、志ん朝が「俺も色々嫌なことあってさあ・・・・・、そん時、オフクロに虚空蔵様のお札を受けてこいって言われてもらってきたんだけど、兄ちゃんも俺と同い年なんだから虚空蔵様のお札でも受けて来たらどうだい?」って言われて谷中・全生庵の側の福相寺を紹介され、今でも時折そこへ行き住職と話をしている。ウナギは虚空蔵様の使い姫と云われているからウナギを食べないことにしてるとのこと。

・落語を聴くなら古今亭志ん朝を聴こう 浜美雪著 2010.3.14 白夜書房
奥付けを見るとプロデュース・高田文夫とあるな。浜さんはあのスイッチの志ん朝特集をやった人だな。
13人の現役落語家による志ん朝についての論考。プラスして5代目円楽による既出のインタビューの採録。いま、気付いたが、この円楽の原稿は笑芸人vol.6からのもので、それがいま手元にあるが、改行などいくらか手を入れている。そして笑芸人の原稿の最後の部分で談志の名前を出して自分の死に際について軽口を飛ばしているが、その部分はカットされているな。円楽も死んでしまったし、まあ、はっきり言ってこの本にとって不要な部分というか余計な部分だからだろう(実際はこれが出た当時でさえ不要だなあと俺は思った)

志ん生を撮った! [読書]

金子桂三著
昭和30年代の寄席、落語家の写真を撮ってきた人。寄席は人形町末広、落語家は志ん生が中心。
文章では志ん朝についての記述が興味深かった。昭和50年代に著者が深く関わって出版された雑誌(月刊誌「世界」の寄席特集・昭和53年新年号よりスタートの2回目が人形町末広の特集で文章が志ん朝になったとのこと)に掲載された志ん朝のインタビューや、志ん朝の晩年に喫茶店で話をしたエピソードなど。
昭和36年の人形町末広の写真があり、そこに柳好の名前が載っているが、ウィキで調べてみたら野晒しの柳好は昭和31年に死去。4代目はいつ襲名したか不明となっていたが、これを見る限り昭和36年には襲名していたようだ。

落語を聴かなくても人生は生きられる [読書]

書名 :落語を聴かなくても人生は生きられる
著者名:松本尚久/編
出版者:筑摩書房
2012.6.10

この本を読んだきっかけは、小林信彦の志ん朝さんの訃報後に掲載された週刊文春のエッセイを読み直したかったのだが、それが収録されているという情報をなにかで(多分週刊誌)知ったからだ。
内容は落語に関するエッセイを集めたもので、結構な分量があり、最初手に取ったときはちょっと読むのが面倒そうで気が重かった。しかし、読み終えてみて、かなり多くのいい文章があり読んで良かったと思う。
①小林信彦「志ん朝さんの死、江戸落語の終焉」
まず冒頭に該当の小林信彦のエッセイが掲載されている。この中に立川談志を「自称名人」と呼んでいる部分があり、その部分がどう書かれているかをもう一度読んでみたかったのだ。その部分だけメモとして書き写す。
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業界を盛り上げるどころか、人間関係をずたずたにするような事件さえおこった。〈古典一筋〉は時代遅れ、と石を投げる幼稚な〈評論家〉が現れ、戦時中からの落語界の変遷を熟知している故・江国滋は、荒れたその世界を離れた。そうした江国滋にまで石を投げる〈自称天才〉の落語家がいた。
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--週刊文春2001.10.18、のち「人生は五十一から 物情騒然。」文芸春秋2002.4
となっている。小林信彦の単行本で掲載されていそうなところには当たったはずなんだが、見落としていたとみえる。
これについては編者松本氏があとがきで触れている。そのころラジオを談志と一緒にやっていた松本氏は、この小林のエッセイについて談志が怒りまくっていたとのこと。このことについて江国滋「落語無学」の解説にも書いているとのこと。読んでみようと思う。

さて、これ以外でいい文章、また勉強になった文章を上げておく。
②都築道夫「私の落語今昔譚」
③池内紀「悋気の火の玉」
④戸井田道三「人と人の出会う間」
⑤日比野啓「金馬・正蔵はなぜセコと言われたか」
⑥久保田万太郎「寄席」

②は兄が落語家で鶯春亭梅橋。兄が自作したギャグとして「桃太郎」に入れた「おじいさんの名前、ないの。お米ととっかえちゃったんだ」とか「ぼくんち遊びにおいでよ」「いやだよ、狭いから」「広くなったよ、たんす売っちゃった」などが上げられている。志ん生がこういうギャグをやっていたとは聞いたことがあるが、他の人が作ったものとは知らなかった。また、新作落語として「綴方教室」「彼女の弟」「幽霊タクシー」とある。ネットで検索すると確かに「幽霊タクシー」は鶯春亭梅橋作とある。「綴方教室」はどうなのかなあ。有名な柳亭小痴楽の「綴方狂室」のことだろうけど、これは痴楽の作なのではないかと思ってた。

③⑥は今私が住んでいる東京のそのまた一地域のことを点描しているエッセイ。②も同じように言える。

④上手下手についてわかりやすい説明。
落語が左右に顔を振って二人をしわける芸であることを説明した上で、そこには規則があるとのこと。そして(ここから引用)それは落語家のほうからいって右側が入り口に近いほう、反対に左側が入り口に遠いほうです。落語家の左側が上手で右側が下手なのです。(引用終わり)
⑤「はなし」と「かたり」について深い考察
ここでいう「はなし」は「描写」「写実」であり「演技」。「演技派」が円生(圓生)、談志であり、「語り派」が金馬、正蔵とされている。サゲで地に返るか返らないかなどということについても言及されている
私もこの点については落語を見ているとしょっちゅう考える。そもそも落語がどう出来上がってきたのか、芝居(歌舞伎)を一人で表現するために大きな舞台を一人が座って動ける範囲にまで狭くしていったのか、そうではなく、一人が面白い話を語ることが原点であり、それの表現の幅として仕方噺の方法がとられていったのか。

日本破滅論 [読書]

「日本破滅論」 藤井聡 中野剛志 2012.8.20

ぼくらの祖国 民主主義とは何なのか [読書]

ぼくらの祖国 青山繁晴 2011.12.30

民主主義とは何なのか 長谷川三千子 平成12.9.20

中野剛志さんについて [読書]

官庁に戻り、一切の言論活動を止めるのかと思っていたが、執筆は続けてるようで嬉しい。チャンネル桜の出版物「言志」で見かけたときは狂喜乱舞した。その他、調べてみると「表現者」にも書いているし、今月の文芸春秋にも書いていた。そして新刊、というかこれまでの評論を集めたものが出るようだ。読むのが楽しみ。
また、藤井さんとの共著(執筆というか対談したのは中野さんがまだ京大にいたころのもの)も8月に出ている。
そして藤井さんの著作を推薦する文を出版社のウェブ上に上げていた。
9月になってるね
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2012年9月4日

中野剛志

プラグマティズム, 閉塞感, 思考
この記事を読むのに必要な時間:およそ 0.5 分

ご好評いただいております,藤井聡先生の『プラグマティズムの作法』,重版も出来上がりまして絶賛発売中です。今回の重版にあわせ,『TTP亡国論』などで知られる中野剛志先生より推薦文をいただきました。中野先生は,2012年5月まで,京都大学で藤井先生と同じ研究室に在籍,「レジリエンス研究ユニット」として基礎研究および具体的な政策提言を進めておられた,いわば同志とも言うべきお方です。では,中野先生による推薦文をどうぞ。
『プラグマティズムの作法』を推す

この二十年間というもの,「閉塞感」という言葉を聞かない日はない。確かに,日本は,政治も経済も社会も文化も,会社も学校も親戚づきあいすらも,すべて,閉塞感に覆われている。これまで何度も,「閉塞感の打破」を目指して,もっともらしい改革が提案され,実行されてきた。しかし,逆に閉塞感は深まるばかりだ。

ここまで病膏肓に入ると,日本人の精神や思想が,根本のところで,何か大きな間違いを犯していると考えるしかない。

その根本問題を,藤井聡教授は,ずばり「プラグマティズムの不足」だと診断する。そして,日本中を覆う閉塞感の迷路から抜け出る「導きの糸」として,「プラグマティズムの作法」を提示する。

その作法とは,一つに,目的を見失わないこと。そして二つに,お天道様に顔向けできないような振る舞いはやめること。

「なんだ,それだけのことか」と言うなかれ。それだけのことが,いかにできていないことか。

本書があげる多数の具体例を読めば,賢明なる読者であれば,心当たりがあるはずだ。そもそもの目的を忘れ,目先の利益や形式に異様に執着し,しまいには周囲の人々を巻き込んで,閉塞感の檻の中に閉じこめる。そんな振る舞いが,企業でも,学界でも,政治でも,行政でも行われている。その無数の積み重ねの結果が「失われた二十年」だ。

デフレ不況,世界的な経済危機,大震災,政局の混乱……。日本はさらに「閉塞感」の雲に覆われている。だが,この暗く厚い雲を振り払うのに,「抜本的構造改革」も「維新」もいらない。それらはむしろ閉塞感の原因なのだ。やるべきことは,我々一人一人が常識に立ち返り,今一度,自分の行動の目的が何か,それがお天道様に顔向けできるものか,問い直しながら,日々の具体的な問題を解決していくことだ。この易しいようで難しい作法が,これ以上ないわかりやすさで書かれている。本書自身が,プラグマティズムの作法を実践しているのである。
中野剛志
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文芸春秋編 日本の論点 2012 [読書]

文芸春秋編 日本の論点 2012
中野剛史の論文は「電力の自由化」について。中野氏は反対の立場から、八田達夫氏が賛成の立場からの論。

日中の興亡 [読書]

日中の興亡 青山繁晴 2008.7.7 PHP

売国奴に告ぐ!、わしズム Vol.30 、週刊現代 2012/02/18  [読書]

「売国奴に告ぐ!いま日本に迫る危機の正体」徳間書店 中野剛志+三橋貴明(対談形式) 2012.2.29
序文によれば三橋氏からの依頼を中野氏が受けたという形らしい。

「わしズム Vol.30」幻冬舎  2012.3
中野氏の原稿あり。小林よしのりと西田昌司の対談。巻頭特集の「女性宮家創設の真相はこれだ!」もまんが部分と小林の原稿、小林と久能靖、友納尚子の対談は読んだ

週刊現代 2012/02/18 
これは談志の長女のインタビュー(独白形式)が掲載。出た当時読みたかったが、随分時間がたってしまい、あまり興味なくなってしまった。彼女がその談志闘病記を「ザッツアプレンティ」として出版したが、それに付随したインタビューだろう。そこだけ読んだ
あれ? でもザッツアプレンティは談志のお別れの会(逝去の1ヵ月後だったと思う)には出版されていたから、このインタビューはそこから時間が結構経過してるな

成長なき時代の「国家」を構想する  経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン [読書]

成長なき時代の「国家」を構想する  経済政策のオルタナティヴ・ヴィジョン
中野剛志編
9/5読了