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日本の話芸(2023.7~9)☆ [毎回視聴]

--立川談四楼 落語「一文笛」
初回放送日: 2023年7月2日
立川談四楼さんの落語「一文笛」をお送りします(令和5年4月16日(日)収録)【あらすじ】とある商家の旦那が浅草の観音様にお参りした帰り、男から「腰に提げている煙草入れを売ってほしい」と声をかけられた。気になって話を聞くと、男は、実は自分は「はやぶさの七」と呼ばれるスリなのだと言い出した…--
7/2視聴、放映当日の視聴だが、特別に楽しみに待ち構えていたというわけではない。割と落語が聞ける体調で、どれを見ようかと選んだ結果だ。
とても良い。声は小さめで抑えた口調、人情噺風な構成で笑いを求めるような部分は一切なく、それゆえ演じている最中客席の反応はほとんどなしだったが、聞きごたえがあった
談志の弟子なんだなあと思える。意識してそんな風にやってる面はないのだけど、そういや談志がこんな風に抑えた語り口で演じていた落語がいくつかあったし、仕草やセリフに、必ずしも談志の有名な口調というわけではなく、地味な部分なので談志のことを頭に浮かべていなくては気付きもしないが、こんな風なのがあったと思い出させるところがあった。
この落語、米朝の作である。おれは一度だけ米朝を見ていて、吉祥寺の前進座。独演会だったと思うが、覚えているのは息子の小米朝が禁酒番屋、そして米朝が最後にやったのがこれだった。独演会だったら二席やってると思うが、親子会だったのかもしれない。
始めて見る米朝、最初に絶品の小噺を何本もやっていて、おれは志ん生を思い出した。
まあそれはそれ。この落語はそのとき聞いて、その後そのネタが自作の名作とされてることを知り、という程度で何度も聞いたということはなく、落げは印象に強く残ってるが内容はほとんど覚えていない。
今回聞いていて序盤はこんなのだったかなあ、と。演題紹介で、江戸を舞台に作り替えたというようなことを言っており(※後述)、かなり大胆に手を入れてるのかなとも思ったが、中盤あたり、演題の一文笛が出てきたあたりで、ああそうだったそうだった、と思い出す。
演題紹介では、ちょっとどういう状況か分りかねる面もあるのだけど、米朝作である、自分には関西弁が難しい、一門の方から教わった方が江戸を舞台に作り替えた(のを教わった)、ということのようである。わかりかねるというのは、自分が作り替えたのか、その教わった人が作り替え、それを教わったのか、というあたりだ。
書き起こし)一門の人からまた稽古してもらったという人がですね、まあまあ証拠作りに稽古はしてもらったと、ただ全面的に江戸落語に変えてしまおうという、あんまり近い人に教わると失礼かと思って、舞台も江戸に移して、しかも時代も江戸時代、大阪で、明治のはずなんですね、米朝師匠のは。ですから無礼のないように、江戸落語にちょっと聞こえたら幸いと・・・。
これ読み直すと、米朝からはちょっと遠目の人から自分は教わった。江戸落語に作り替えを行うので、米朝に近い人から教わるのは失礼かと思った、という風にも見える。
「証拠作り」と言ってるのは興味深い、談志がよく「ルーツ」のため稽古をつけてもらったというようなことを言ってた、例えば源平盛衰記を三平から教わったという風にね。

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入船亭扇辰 落語「三方一両損」
初回放送日: 2023年7月9日
入船亭扇辰さんの落語「三方一両損」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】江戸っ子の金太郎は、三両もの金が入った財布を拾う。中にあった書きつけを手掛かりに神田に住む大工・吉五郎の家を探しだし、財布を返してやろうとするのだが……双方の大家も巻き込んでの大騒ぎに、おなじみ名奉行、大岡越前守も登場
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8/12視聴
古典の名手、多分寄席では人気だろう。今回も驚くほどのことはないが、オーソドックスにいい調子でやっている
この人は鈴本配信のとき見た際に、前に出ていた人を腐し、毒舌が板についていて、そういうタイプなのかと思っていたが、そういう落語ファンの前でやるときと、テレビ客前のときとは多少変えているようで、ちょっと大人し目にやってるのが面白い。

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桂米二 落語「替り目」
初回放送日: 2023年7月16日
桂米二さんの落語「替り目」をお送りします(令和5年6月1日(木)NHK大阪ホール収録)【あらすじ】酒に目のない男、きょうも夜中に酔っ払って家に帰ってきたが、まだ飲み足りない。もう少し飲みたいので、女房に「つまみを出せ」と言う。なにもないと聞くと、おでん屋へ買いに行くよう言いつける。残された男は酒の酔いもあってか、女房への感謝を口にしだす。しかし、女房はまだ家の中にいた…。
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7/23、30は再放送

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宝井琴桜 講談「おかか衆声合わせ」
初回放送日: 2023年8月6日
宝井琴桜さんの講談「おかか衆声合わせ」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】幕末の安政五年、加賀国・金沢で実際にあった物語。米の値が上がって人々は日々の食事にも困っていた。なんとか藩からお救い米を出してほしいと、町人をまとめる肝いり役や年寄り役に訴えてもらちが明かない。そこで人々は、お殿様に直接、窮状を訴えることを思いつく…
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8/20視聴
講談師の名前、落語家、歌舞伎も同じだが。一門で名前が似ており、自分がよく知っている名前以外でうろ覚え程度だと、それぞれがごっちゃになる・この人も見る前には、宝井で琴も桜も見たことあるような気がして、なんとなく頭に思い浮かべたのだが、全然違った。初めて見る顔、女流講談だった。
演題はなかなか面白そうで、上にある解説からしても時代劇の題材のような感じで講談に会いそうであり、楽しみにしていたが、差別するわけでもないが、女流はちょっと苦手、さらに演題紹介で、これが古典でなく、自作とのことでさらに期待薄になった。
最初の内は、パスしちゃおうかななどと思いながら見ていたのだが、意外や意外、講談の名調子という感じではないのだが、とても聞きやすい。ストーリーがすんなり頭に入ってきて、しかも情景が思い浮かぶ、多分これは声がよく、また話の組み立て方が上手くできていることが要因かと思う。
聞き終わってみるとさほど大した内容ではないと思うが、面白く聞けた。
演題紹介から引用。
幕末に本当にあったおはなしで、児童文学のかつおきんや先生の『安政五年七月十一日』という作品をを元に、これは子供たちが主人公だが、子供のお母さんたちを主人公にしたら、講談にできるのではないかと取り組んだ、とのこと


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五街道雲助 落語「浮世床」
初回放送日: 2023年8月13日
重要無形文化財の保持者(人間国宝)に認定されることになった五街道雲助さんの落語「浮世床」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】江戸時代の髪結床(かみゆいどこ)。髪を結ってもらう場所の奥には座敷があり、順番を待つ人のために将棋盤や貸本などが置いてあった。ここにはいつも町内の若い衆がたむろして、へぼな将棋を指したりしている。太閤記を読んでいた男は、声に出して読めと言われて…
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8/17視聴
演題紹介、師匠である馬生は、この手の若い衆が大勢出てきてワイワイ騒ぐ噺をワイワイガヤガヤの噺と呼んでいたとのこと。この浮世床はそのワイガヤの典型的な噺。
途中で終わってしまう人が多いが今回はフルバージョンで、と言っており、聞いたことないような部分があるのかなと思ったが、そんなことはなく、芝居小屋で女に誘われたという話を長々やって夢オチで終わり。
さて人間国宝だそうである。この人が人間国宝というニュースを聞いて意外感があり驚いた。そのニュースについてたくさん読んだわけでもないが、素人のコメントなんかも含めていくつか読んで、なんとなく結論。これまでがあり、落語という分野で数年おきに人間国宝を出すということがもう決めごととしてあるのではなかろうか、そして今回その対象者としてこれくらいの世代の中から選ばれたのだと。例えばさん喬だとか権太楼が同世代、近い期であり、人気実力があるのだが、そういう中から、バランスを取って今回は古今亭系とされたのではないか、と。
小さん、米朝、小三治という流れだと全員大名人すぎて文句はまったくなく、それに比べると、雲助にしても、先に名を挙げたさん喬権太楼にしてもそれに相応しいとはあまり思えないが、まあ順繰りに今後は選ばれるというならそんなもんかという感じではある。
雲助については、おれが見始めたころからちょっと独自の我が道を行くという芸風で、とっつきにくい感じがありながら、そういう先入観で見ると、意外にも普通の噺家で普通の落語という時もあるという落語家だ。

--桂伸治 落語「ちりとてちん」
初回放送日: 2023年8月20日
桂伸治さんの落語「ちりとてちん」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】将棋の会がお流れになり、余った料理をもてあました旦那。お世辞のうまい竹さんを呼んでふるまうことにする。竹さんは何を食べても「はじめていただくもので…」と大喜びで食べるので旦那もご満悦。ふと思い出したのが、何を食べさせても文句ばかり言う、知ったかぶりの寅さんのこと…
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放映当日視聴
ちりとてちんは先日に楽輔のものを聞いており、その余韻も残ってる中、勢いで放映当日に視聴した。伸治はいつもニコニコ、明るく軽いキャラクターを前面に出した落語家で、そのキャラが好きかどうかで評価が分かれるだろう、おれはちょっと苦手だ。
楽輔のもので「構成が変に思えた」箇所があり(そのことを当該記事に書いてある)、ネット動画で小さんのものを確認したりしたのだが、今回のものも同じ構成だった。
そういや楽輔が下ネタを言っていたが、伸治も楽輔とは別のところで下ネタ。寅さんのことを何でも知ってると言う嫌な奴と称して、「体中物知りで固まった、(男性器あたりを示して)この辺が「もの」、(臀部あたりを示して)この辺が「尻」だ、って言うんだ」と。
演題紹介では、文朝に習ったと。それも文朝が落語協会に移籍する前だからずいぶん昔のこと、という話をしていた

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林家たい平 落語「幾代餅」
初回放送日: 2023年8月27日
林家たい平さんの落語「幾代餅」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】搗米屋(つきごめや)の職人・清蔵が寝込んでしまってご飯ものどを通らない。わけを聞くと恋わずらいで、相手は今をときめく吉原のおいらん・幾代太夫。絵草紙屋で見た絵姿に一目ぼれをしたのだと言う。そこで親方は「一年間必死に働いて給金をためれば、会わせてやる」と…
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桂米福 落語「湯屋番」
初回放送日: 2023年9月3日
桂米福さんの落語「湯屋番」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】道楽が過ぎて勘当された若旦那。出入りの職人の親方を頼って居候しているのだが、一日中ごろごろしているのでおかみさんの風当たりが強い。そこで、親方の紹介状をもって桜湯という銭湯で働くことにする。桜湯のおかみさんは美人で評判なので、銭湯に向かう道すがら、若旦那の妄想がくりひろげられて…
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桂文之助 落語「宇治の柴舟」
初回放送日: 2023年9月10日
桂文之助さんの落語「宇治の柴舟」をお送りします(令和5年7月6日(木)NHK大阪ホール収録)【あらすじ】大阪の材木問屋の若旦那が恋わずらいになった。相手はなんと「絵に描かれた女」。養生のため京都・宇治へ行き、宿に泊まり込むうちに具合が良くなった若旦那。ある夕方、二階から外を眺めていと、絵にそっくりな女が伏見まで帰ろうとしているのを見つける。若旦那は、船頭になりすまし、女を舟に乗せようとするが…。
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カラーで蘇(よみがえ)る古今亭志ん生
初回放送日: 2023年9月17日
「落語の神様」と称される古今亭志ん生の没後50年を記念し全盛期に収録された高座映像「風呂敷」をカラー化、初オンエアする。出演は五街道雲助、池波志乃、古今亭文菊。
2023年は「落語の神様」と称される昭和の大名人、古今亭志ん生の没後50年。命日の9月21日を前に、最新のAIを用いカラー化した志ん生の落語を初オンエアする。演目は、全盛期の1955年に収録された「風呂敷」。番組では、大画面で初公開された9月1日のイベントから、志ん生の孫弟子であり、今年人間国宝に認定される五街道雲助、同じく孫弟子の古今亭文菊、そして実の孫、俳優の池波志乃によるトークもお届けする。
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09/17(日) 14:00 - NHKEテレ1東京|30分|DR
カラ―で蘇(よみがえ)る古今亭志ん生[字]
ほぼリアタイで。VIVANTを連続視聴している合間だったが、休憩中で時間も空いていたし、こちらも期待していた番組だったので。
カラーになると臨場感が違う感じ。雲助は白黒のほうは記録映像のようだが、こっちは稽古をつけられてるかのようだと言っていた。
これはこのカラー化のイベントがあったようで、その会場の客席の一番前に三人が座り座談。後ろには観客が座っているという形で、この形で上映会にもなったのだろう。
三人に人選がちょっと不思議で、志ん生門下がまだ元気でいつでも出れそうな人もまだ何人かいるのに、そこはすっ飛ばして。また志ん朝門下からもいない、まあ志ん朝は直系という感じはするもののそれだけが志ん生の弟子ではないし。
雲助は人間国宝の授与というトピックもあり(座談の最初でそれに触れていたしまあことあるごとにそれをギャグのようにいじられていた)、あとは若手ということで、しっかりしている感じの文菊。さらにはお孫さんの池波志乃、無難か。
最後のクレジットでこの三人以外の名前がズラズレ、あれはなんだろう。金原亭、桃月庵、古今亭の落語家だろう名前。
この番組となったイベントのページを見てみたら、前座があり、そういう人の名前かも。でもたくさん名前がクレジットされてたからなあ。
そのイベントでは、雲助、文菊は落語を披露もしていたようで、それはラジオで放送されたようだ。
池波志乃は馬生の娘で、雲助は弟子。雲助が弟子入りしたころの志乃だとか、どうだ、と師匠から雲助が志乃を嫁にと勧められた話など、面白い。考えてみるといい組み合わせの座談である

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林家正雀 落語「田能久」
初回放送日: 2023年9月24日

林家正雀さんの落語「田能久」をお送りします(令和5年6月9日(金)収録)【あらすじ】阿波・田能(たのう)村の久兵衛は親孝行者でおっかさんをとても大事にしている。一方で、たいへんな芝居好きで、仲間たちと素人芝居の一座を作った。田能村久兵衛一座、縮めて田能久(たのきゅう)一座という。ある日、伊予の宇和島に呼ばれて興業していると、おっかさんが病に倒れたと知らせが来たので…--