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若さま侍捕物帳 [時代劇]

オリジナルは1978年
今回放映分はテレ玉 3/22-4/14
全18回

第1話 1978年5月18日 「命ごま参上!!」
原田新兵衛:伊吹吾郎、天満屋喜平太:田中明夫、老中・木村:森幹太
西岡喜内:松山照夫、市子登:島田順司、夜鴉の吉蔵:山口博義、相模屋:幸田宗丸、権次:井上茂
山口グループ
スタッフ陣
江戸独楽:やなぎ女楽、広井正昭
殺陣:山口博義
制作:前進座、国際放映、テレビ朝日
やなぎ女楽の名がある。たしか、同じく時代劇連ドラでそしてこれと同じように独楽が重要な役割を果たしていて、クレジットにやなぎ女楽があるものを見た記憶があり、このメモブログにも記したはずと思い検索してみたが、出てこない。なんていう作品だったかな、もしかしてこの作品を1回見ようとして、そのクレジットを見つけたのかもしれん。
広井正昭、検索すると「広井政昭」という名前で江戸独楽作りの人が出てくる。
山口博義は荒野の素浪人でよくクレジットを見た。役名なしのクレジットが多く、一つのシリーズで何度も名前が出てるので単なる大部屋俳優かと思ったが、ここでは殺陣としてもクレジットされている(ゲストとして役名ありでクレジットがある)。そういう人だとしたらこの「山口グループ」というのも、山口を中心に殺陣の得意なグループを作っていたのかもしれない。
前進座はレギュラーの中村梅之助つながりであろう
主役は田村正和で、このころの時代劇連ドラにありがちな主役一人だけが浮くくらいに顔を作っていたり目立つ演出(俺が知ってる中では大川橋蔵の銭形平次が顕著だったと思う)。そしてここでは父親を彷彿とさせるような芝居の仕方、といってもおれは阪東妻三郎はほとんど知らないが、まあおれが知っている過去の時代劇スター風の演出がなされているということだ。
レギュラー陣についてはこの後触れたいときにおいおい触れていくが、市原悦子、伊藤雄之助あたりは楽しみだなあ。
セリフがちょっと聞き取りにくい。そしてこの作品、検索してみたらBSフジでも放映していたことがあるようで、そっちなら字幕つきかと思われ、そっちの方がいいなあとチラリと思ったり。

第2話 6月01日 「参上!! 男の花道」
佐竹真之助:柴田侊彦、旗本・磯村:片桐竜次
前回はゲストで知ってる名前が多かったが今回はこの程度。
作風もちょっと異例な感じでさほど田村が活躍せず、ゲストの腹違いの兄弟の話がメインで、悪役がやられるというような場面が付け足しのような感じ。
ジャネット八田、レギュラー。前回は伊吹吾郎の部下のような役割で登場していたが、その伊吹は悪役に殺され、前回の最後で田村らと一緒に行動していくことが示唆されている。という形での今回、基本的に田村の若さま、ジャネット八田の櫛巻きお紺、そして松山省二の遠州屋小吉の三人がチームで動いて事件を解決していくという構図になっていくのだろう。それを統率するのが矢部駿河守 - 中村梅之助で、冒頭のナレーションも多分この人。おふじ - 市原悦子と喜平 - 伊藤雄之助は協力者といったところか(二人はこの回には出ていない)。佐藤真理というのがレギュラー、船宿の女中(かと思いきや喜平の娘とのこと)、この人は何回か見たことある。
あと主要レギュラーの神田左京 - 嵐圭史。今のところどの人かよくわからない。第2話には出てないようだ(キャストクレジットには主要レギュラーだからだろう、嵐圭史も市原悦子も伊藤雄之助も登場している)
ウィキには「ナレーター(予告):鈴木瑞穂」とある。それなりに有名な人ではあるが、こんなクレジットなしのところで仕事しているのか。クレジットなしなのになんでわかるのだろう。
そうそう、冒頭ナレーションのあとにクレジットが始まるが、そこでの田村のジャンプが尋常でないように見える。ものすごく高く飛んでるように見えるが、そこは映像技術によるものであろうが、でも、飛んだ後に膝を曲げ胸のところに持っていくというのは若くなければできないだろうなあ

4/28
第3話 6月08日 「参上!! 涙の大脱走」
植木職人・佐七:石山律雄、喜多八:財津一郎
ほかに村田みゆき、市村昌治など
若が矢部の密命を受けて牢屋で探索するという話で、その牢の牢名主が財津一郎。財津が出ているからかコメディタッチ。石山律雄は脅されて罪を被って牢屋入りしている囚人で、その真相を探るのが密命だった。
おふじ、喜平は第2、3話に出ていないとウィキにあるが、喜平は第3話に少しだけ出てくる。それはウィキにある「彼の腹心の子分には「芒に満月」の札を割符にした物を渡してあり、若さまも持っている」、若と喜多八の牢内の場面で喜多八が若の持っている割符の上半分を見て驚き、自分の下半分を見せるという場面で喜平の映像(腕の花札の刺青を見せている)がインサートされる。なお、このとき若は不審な顔をしていて、その割符の意味(つまり喜平の正体)を知らなかったかのように見えた。
この回には小吉も出ていない
第2話に続いて矢部駿河守によるお白州の場面、これもこの作品の見せ場なのかもしれん。
大岡金四郎なる町方が出てくる

第4話 6月15日 「参上!! 悲恋の罠」
お千代:和泉雅子、相模屋久兵衛:須賀不二男
米問屋太田屋:幸田宗丸
おふじや喜平、左京が登場。左京については第1話にも出ていたようだが、気付かなかったので、ようやく正体が知れた感じだ。
この連ドラがこういうキャラのレギュラーがいて、こういう風に話が進むという典型なのでは、と思う。まだ見始めたばっかりでそれが正しいかわからないが。これを第2話に持ってくるべきだったかと思う。幸田宗丸が第1話にも出ていて第2話で別の役で出ているとそれはそれで変な感じになる、が、この回に出ている伊藤高は第3話にも出ている。
時代劇連ドラでよくあるような、例えば「旅がらす事件帖」、最後には見栄を切りながら(※)悪党どもの前に現れ、全員を斬って解決という風な筋立て。身分を隠して奉行の手伝い、表では裁けない(町奉行(若を使っている矢部駿河守は北町奉行)の管轄外)悪のため斬り捨ててしまうということなのかな、ここでは旗本が相手だ、こういうのもありがちな設定ではある
作品の出来が幾分低いように思う。それはすぐ上に書いた「ありがちだから」、という点ではなく、そういうありがちなものを使っていても面白いものは面白いはずで、この作品は見ていてちょっと色々物足りないというか。
※ここで独楽が飛んできて「命ごま参上!!」と第1話のサブタイトルにもなってるセリフがエフェクトがかかった音声で入ってくる

第5話 6月22日 「参上!! 地獄花」
高松十兵衛:田口計
ほかに市村昌治も
尼寺を舞台にした話で、悪役は出世のために若年寄を殺害しようとしている寺社奉行。これも町奉行の管轄外だ。
若さまが自分で「若さま」と自称している。
田口計は寺社奉行に仕える侍という役どころ、悪徳代官だとか悪徳商人でなく、その手下的な位置なのが珍しい。
佐々木俊蔵 - 瀬川新蔵、レギュラー。北町の与力。この人はコメディ的役割を担っていて、第2話で出てきて(第1話にいたかどうかは覚えてない)、小吉を使って捜査していた、変な扮装、変な言葉遣いで目立っているがそれが誰だかわからず、その次の回も変な扮装、変な言葉遣いで出てきて、レギュラーらしいと気付いたのだが、いずれ誰だかわかるだろうと放置。捜査の邪魔になってしまうだとか、そういう風な形としてもあんまりストーリーには絡んでこない。
この回では料亭で芸者を追いかけ、矢部の部屋に入り込んでしまい叱責を受けている。

第6話 6月29日 「参上!!寄席ばやし」
山下角之進:左右田一平
ほかに須藤健
金座の役人が解雇になって噺家に落ちぶれるという筋立てで、その元金座役人が左右田一平。落語かとしての名前は浦島亭桃太郎となっている

第7話 7月13日 「参上!! 悪魔の使者」
お島:三条泰子、天魔の五郎蔵:曽根晴美、耳助:井上茂
井上茂は二度目
冒頭で少女を人質に捕った女を若は捕まえ、その女、お島は磔となる。お島は盗賊五郎蔵の情婦であり、五郎蔵一味が若に復讐にやってくるという筋書き。お島と五郎蔵の仲睦まじい回想場面が何度か入り、この二人、どの程度有名どころなのかわからないが、何を見せられてるんだという気にもなる。ストーリーとして単調で、繋ぎとしてとかそういうことかもしれない。

5/2
第8話 7月20日 「参上!! 殺しの番号」
栗田ひろみ、中田博久、織本順吉、都家歌六
都家歌六は瓦版屋で端役。栗田はスリであまり大きな理由もなく若と出会って、スリを止める決心をしている。織本は住職の役で、富くじ不正を扱った話。この二人がメイン格であろう。だが、織本が第3幕で殺されてしまい(この作品は4幕もの)、主だったところはみんな中田博久に殺されてしまっており、でも中田は単なる用心棒のようで。まだ続きがあるのかあと思っていると、この件は寺社奉行管轄であり、寺社奉行が北町奉行の矢部にクレームを入れてるシーンが入り、その後黒幕、この回の大悪、寺社奉行の用人が富くじ不正を操っており、その部下が中田、が登場してきて、そこに若が乗り込むという展開。最後になって突然この回初登場が大悪というのはちょっと演出上どうかと思いそうなものだが、それほど違和感はない。
喜平が腕の花札の刺青を見せて部下を集めて捜査をしている。この腕の刺青の件は第3話以来だったと思う

第9話 7月27日 「参上!! 夜桜お吉」
お吉:浅野真弓、嶋屋治兵衛:南原宏治、文吉:入川保則
千代松:うえだ峻、半兵衛:和田一壮(和田恵秀)
おれは歌舞伎に全然詳しくないので間違ってるかもしれないが、サブタイトルは「夜桜お七」、「三人吉三」が混じったもので、さらには「白浪五人男」なんかも混じってるような気もするが、そんな盗賊を気取った三人組の盗賊がお吉、千代松、半兵衛で、こちらは作品上は小悪。彼らが嶋屋から金のほかに帳面を盗み出し、それを取り返すため、千代松、半兵衛が殺されていき、捜査をしていた若はお吉を助け、巨悪を討つ。
嶋屋から三人組が盗む方法は、お吉が店先で騒動を起こし、その隙に蔵から盗み出すという手法。ここではちょっとした盗みを小僧の前でしてみせ、小僧が番頭に訴え、番頭がお吉に詰め寄るが、ものはもう元の場所に置かれ・・・、といった具合で、これって「白浪五人男」じゃなかったっけ。
この場面で通りかかった佐々木はお吉に味方をしてしまい、後からお吉たちの盗みが発覚し、嶋屋からの苦情で与力から風烈廻り昼夜廻り同心格下げになってしまう。
エンディング、この作品ではほぼ決まっていて、一件落着でのんびり歩いてる若のもとへお紺が次の事件の到来を告げ二人が走り出すというもの(序盤の回ではそこに小吉が混じっていたりもする)、だが、この回では異なり、お吉が牢に入れられ、囚人たちに仁義を切っているという場面。おれは見ている最中、これはいい終わり方で、ここで終わってほしいが、この場面が終わって、若とお紺の場面になっちゃうかなと心配したが、見事、ここで終わっていた。

第10話 8月3日 「参上!! 謎の短銃」
人足頭・吉蔵:高松英郎、岡っ引き・安兵衛:玉川良一、外村外記:石浜朗、廻船問屋・佐渡屋:武藤英司
前回の予告で、芝本正がメインゲストかなと思ったが、違ってて、高松英郎。そういえば今まで気づかなかったが結構似ている。
玉川良一は出番少なし
市原悦子、ここまで存在感が薄くなんとももったいない使い方と思っていたが、この回では初めて出番が多い。おふじの息子の鶴吉と安兵衛の息子が一緒に遊んでいて、負傷している吉蔵を見つけ、「男と男の約束」を交わし、ご飯を運んだり、隠れ場所を教えたりと助けてやる。
この吉蔵、抜け荷の仕事をさせられ、さらに人足たちを皆殺しにされそうになったのを逃げており、しかもお尋ね者とされてしまっていたのだった。
喜平も左京も出ていなかったような気がする。ウィキの登場人物の項に○話には出ていない旨書かれているが、この回については書かれておらず、あまり信用できないようである。
喜平、序盤は市原のおふじと並んでさほど存在感がなかったが、ここ数回ではそれなりの存在感。

第11話 8月10日 「参上!! 恐怖の妖刀」
刀匠・広秋:中尾彬、刀匠・広正:速水亮、刀匠・康重:神田隆
刀匠の話。村正の流れを汲む広秋広正兄弟が江戸に出てくるが妖刀と厭われ旗本の目の敵にされる。で、広秋広正兄弟を喜平を中心に町奴が後援し始めて、旗本対町奴のいざこざになり始める
この回では喜平が活躍。特に広秋広正兄弟がやっと作った刀を旗本が広秋を負傷させ奪っていったのを、喜平が旗本のところに乗り込んで取り戻そうとする場面は白眉。
すぐ町奴が広秋広正兄弟に肩入れするのが変で、そのときには広秋広正兄弟が刀を作っては試し斬りをしているという噂(旗本がやっていた)もあったはずなのに。
榊原伊織という役名がある。旗本を抑える役職で矢部と話し合っている場面がある。

5/3
第12話 8月17日 「参上!! 女岡っ引」
お新:結城しのぶ、徳次:玉川長太、田辺数馬:御木本伸介
岡っ引きの父親が鬼面党という盗賊に殺され仇を討つため娘のお新が十手持ちを引き継ぐというような話で、お新が大活躍するのかなと思いきやそうでもなく・・・。

第13話 8月24日 「参上!! 赤い影法師」
飯田和馬:風間杜夫、和馬の妹・加代:鈴鹿景子、天草屋:砂塚英夫、中丸剛右衛門:鈴木昭生
ほかに草村礼子、松田洋治も。
鈴鹿景子というのは必殺によくゲスト出演していた綺麗な女優というイメージだが、ここではなんだかあか抜けない
松田洋治は子役
前回に続いて仇討もので、風間杜夫と鈴鹿景子が兄妹で両親の仇を取るために江戸へ出てきたという設定。そして松田洋治の国松と姉のお絹を養っている爺さん(船頭)が殺され、その捜査という二つの話が並列で進行、まあ結局は同じ一味の仕業となっていくのだけど。

第14話 8月31日 「参上!! 黒い罠」
穴戸右近:今村民路、菊乃:三浦布美子、塚原主膳:嵐芳夫
三浦布美子という人はなんか見たことあるなあ、京塚昌子風の和風の顔。ウィキを見てみたら、「黄桜のCMに出演」とある。それで見たことあるのかもしれない。
で、時代劇で時折見られるキャラなのだが、今の目から見るとちょっと頭の弱いといいたくなるような強請にどんどん応じてしまう女性。今は道場主の嫁であるが、過去の行状で脅される。その過去とは、結婚前に好きな男との結婚が許されないため出会い茶屋で逢瀬を重ねたという、これまた今の目からするとだからどうしたというようなもの。
中村梅之助が殺陣を披露、今シリーズ初のような気がする。序盤ではあったかもしれない。矢部駿河守 は休演の回はこれまでになかったと思うが、出番が少ない回では若が漕いできた船(若は船頭という設定)の中で若と酒を酌み交わしながら策略を練ったり、またはエンディングで同じ構図で酒を飲んでたり、という同じ場所だけの撮影で済むような出番だけなのだが、この回は出番が多い。
嵐芳夫というのは前進座の人で、この年に六代目嵐芳三郎を襲名しているようだ。

第15話 9月14日 「参上!! 吸血鬼」
知ってる名前としては吉田義夫、菅貫太郎
旗本・黒田弾正のところに女中として働きに出てそのまま行方不明になるという事態が発生。調べていったところそのようなことがたびたびあったようで、その女たちは女郎として売られてるようす。で、それを取り仕切ってるのが、相模屋(吉田義夫)。この旗本と相模屋が今作品のメイン悪役。
登場人物が多くどれがメインとも言い難いが、菅貫太郎はその旗本の用人といった役どころ。
「命ごま参上!!」の場面、回転している独楽が悪人たちのいる部屋へ投げ込まれ、悪人の頭に突き刺さり回り続けたり、部屋のどこかで回り続けたりとなるのだが、その投げ込まれる場面で障子を派手に破って飛び込んでくる。この回では大きな円で丸く障子がくり抜かれるのだが、静止映像にしてみると、独楽が飛び込んでくる前から薄く切り目が入れられてるのがわかる。

第16話 9月28日 「参上!! 幻の用心棒」
伊三郎:寺田農、永井若狭守:外山高士、鉄翁:辰巳柳太郎
今シリーズでベストと思われる作品。話の筋の巧みさよりも、役者の演技とそれを丁寧に撮った演出が秀でている。
ここまでジャネット八田(お紺)についてはさしてうまくもなく、というか下手な部類で、多分当時人気だったのだろうくらいにしか思ってなかった。あ、あと、平野ノラちゃんに似てるなあということくらいか。この回はお紺が伊三郎に惚れるという恋バナが主軸エピソードの一つ。この情景がとても良く、とくにジャネット八田の表情が良いし、もう一方の寺田農、この人も色男の役ばかりという感じの人で悪いところがあろうはずがない。夕日を背景に二人がいるところを引きの映像で演出しているところなんかは、丁寧に作られてるなあという印象。
伊三郎は人形師であり、金で殺しを請け負うという「必殺」的キャラでもある。そしてそういえば、人形師に惚れるという話が必殺であったはず、と記憶をほじくり返し、「必殺必中仕事屋稼業」だったな(中尾ミエが惚れる役で、緒形拳がその旦那だと思い起こしタイトルを思い出した)、と思い出し、なんか気になってその回がどれか探してみたら、第20話 「負けて勝負」、人形師が「伊三郎 - 津川雅彦」となっておりびっくり。伊三郎ってのは人形師として有名な名前なのだろうか。さらに付け加えれば、「必殺必中仕事屋稼業」のその次の回、第21話のゲストが寺田農である。
この回はさらに辰巳柳太郎が出演している。こちらはトメである中村梅之助の前という位置にクレジット。この位置でのゲストクレジットは今シリーズ初。メインということだろう。そういえば普段中村梅之助の前は何人か並記され左に山口グループなど集団のクレジットがあったはずで、山口グループなんかは毎回クレジットされていたが、今回はない。
役は鉄翁という元老中で今は隠居、政界復帰を各所から願われている(矢部もそのひとり)という人物。これがひょんなことから若と知己を得て、用心棒に雇われることになる(矢部から乞われる)という設定。
そういえばこのシリーズは二つの事件が起こり、それが段々同じ根っこの事件であることが露わになってくるというようなストーリーが多い。ここでは伊三郎が鉄翁殺害の依頼を受けるという筋立て。
お紺は若の手下でもあるわけで、伊三郎がそういう人物だと知り、ついには鉄翁を狙うところを目の前で見せられて、さてどうするお紺、という風に進んでいき、お紺はそんなあなたを許せないと殺害、若はその元締と鉄翁殺害を依頼した若年寄(外山高士)を成敗しに行くという結末
エピローグは大変。なにしろ辰巳柳太郎のこともやらなくちゃ、恋人を殺したお紺もやらなくちゃである。で、若と鉄翁(鉄翁が病で命が短いということが判明、鉄翁は上様が鉄翁の老中返り咲きを望まれたがをれを断ったと若に語るも、若は残り少ない命を捧げなくてどうすると恫喝し、鉄翁もそれを承諾する)、そして若と矢部(鉄翁と若とのやり取りを振り返る)、そして最後はお紺の伊三郎との時の回顧のシーン。田村正和が主演ではあるが、この回はこれでいい。お紺伊三郎エピソードのほうが上回っている。

5/4
第17話 10月12日 「参上!! 子ども鼠」
壷井平七郎:佐々木剛、彦坂軍太夫:深江章喜、長崎屋徳衛:山本麟一
これも二つの事件が起きて、それが最終的に繋がるという筋立てだが、その繋がり方ががちょっと安直か。
仇討が起きるが若はそれに不審の念を抱く。
一方菊祭りにて、菊作りの名人が殺され菊人形の頭の部分にされるという事件。この人形の頭の部分が本物の死骸というのは石坂浩二の金田一耕助シリーズ「犬神家の一族」から持ってきたものだろう。
仇討の件が本筋となるのかなあ、でも菊名人の件にも多く時間が割かれており、サブタイトルの子ども鼠というのは、名人が殺され病弱の母親は危篤になってしまい、うわごとで菊とつぶやいているのを見た子ども(少女と少年、もう一人年長の姉がいるが、彼女は弟妹たちを心配そうに見守ってる)が医者代のため売られた父親の菊を盗んで取り返すことをやり始め、鼠小僧次郎吉ならぬ「次郎菊」を名乗っていることを指している。
仇討は若の見込み通り、いかさまで、その仇討ちで殺された西海屋に代わり御用商人の鑑札を手に入れた長崎屋、取り潰された西海屋の財産を過小申告させ差額をふところに入れた勘定奉行、そして偽の仇討免状を作った当時の代官である彦坂軍太夫の三者組んで、合法的に西海屋を殺害、取り潰しを仕組んだのだった。
その策略を聞かれてしまい、菊名人も殺したという風にされており、そこはもうちょっと入り組んだ理由を作ったほうがよさそう。
次郎菊が作品の見どころであり、エピローグ場面では、今回の事件に尽力した喜平の寝所に次郎菊が入り込んできて喜平から盗んだ菊を返しに来て、お礼を言うという場面で、誰かが忍んできたには気付いた喜平が、次郎菊だと気づき、起き上がれなくなり、寝入ったふりをしながら涙を流し、そのお礼を聞くという風になっている。
佐々木俊蔵が休演、今シリーズ初だと思われる

第18話 10月19日 「参上!! 悪女狩り」
与平:中尾彬、おえん:池波志乃、馬吉:小島三児
中尾彬と池波志乃の共演。この年に二人は結婚していて、ウィキによるとこの年に三作で共演している。他の二作は「西遊記」と「達磨大助事件帳」であるが、後者はこの「若さま侍捕物帳」と同じ枠で「若さま侍捕物帳」の前に放送されていた作品、しかも主演が中村梅之助で制作もこの「若さま侍捕物帳」と同じテレビ朝日、前進座、国際放映という同系統の番組。確かBSフジでも割と最近放映されてたはず。見たいものだ(※追記 と思っていたらテレ玉で5/23より放映予定となってるのをすでにメモしてあった、これの次に続けてやってくれればよかったのに。いまやってるのは先日視聴したばかりの小林旭の「旅がらす事件帖」)
中尾彬と小島三児が江戸へ金儲けができるのでは、と田舎から出てきた兄弟の与平と馬吉。中尾はこのシリーズ二度目の登場で前回も兄弟の兄役だった。
兄弟が喜仙にて食い逃げをしようとし若から金を恵んでもらうという一幕を経て、職を見つける。与平は渡海屋で人足、馬吉は金貸しの用心棒。この二つの話が描かれ、また二つの話が一つに収束するという形式かと思ったが、この回では特に収束はしない。本筋は渡海屋エピソードとなるが、一方この金貸しのほうは、主である婆さんが死んでしまい、そこの娘と馬吉は結ばれ、馬吉が金貸しの主、与平が番頭になるという程度には収束、田舎からきた二人は作品上本筋でなく傍流の流れでハッピーエンド。このハッピーエンドの後に、渡海屋エピソードに戻りいつもの「命ごま参上!!」の場面になるという構成。
このシリーズは思えばいつも旗本が悪役となっており、この回もそう。
渡海屋の後妻がおえんで、与力と組んで主を殺し乗っ取ろうとしている(が、この与力が旗本が化けている偽者という風に少し凝った作りになっている)。おえんが人足の与平と強引に交合しようとする場面があり、ここはちょっと映像が凝っていて、コマ送りや同じ部分の繰り返しなどが使われちょっとコミカル。おえんは主殺しに与平を使おうとしていたのだった。
結局与平は殺しをできず、おえんが殺す。しかし与力が偽者だということを知ったおえんはその場で斬られてしまう。そこで若が参上という具合。
あまり最終回らしくないなあ、取って付けたように最後に中村梅之助の殺陣(若が屋敷の中で暴れまわる中、旗本が助けに来るのを屋敷の外で追い払う)があるあたりくらいか。
佐々木俊蔵、エピローグ、一番最後で、若と矢部が通りすがる屋台におり、奉行が通ったことに気付くも、人違いかと独り言ちる。

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お紺、小吉は若を支える役として、矢部駿河守は若を見守る役として、出番が多く、レギュラーとしての役割を存分に果たしている。左京はそれほど出番がなく、一方で佐々木俊蔵はコメディリリーフとしてという面が大きいが存在感もあるし出番も多い。すべての回に登場しているような気がするが、そうだとしたらこのシリーズにおいては数少ない役。
おふじはちょこちょことは出ているがあまり存在感はない。もっと重要な役をやる人だろうに。また、この市原悦子という人は結構棒読みの感じがする。
喜平はここに上げたレギュラー陣の中では比較的休演回が多い。娘のお糸や板前の茂吉のほうが出演回数は多いはずだ

船宿「喜仙」の半纏
黒に近い濃い紺色で後ろ側は白い四角があり中に「喜仙」と文字が入っているのだが、その白い四角の部分が、背中に紙を貼られたみたいである。その白い四角は掛け軸のようなデザインなのだが、そのデザインが悪いのだろう。

お白州の場面
第2、3話のみだった