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花のあと [映画]

2010 日本
NHKBS 11/16

先日見た「山桜」と同じく藤沢周平による短編時代小説が原作
そして「山桜」といくつかの類似ポイントがある。調べてみると、ある種同じコンセプトでシリーズ企画なのかとも思うが、そういう記述は少なくともウィキにはない。
NHKでの放映日もそれなりに離れており、一気にシリーズものを放映したという感じでもない。
類似点。
まずびっくりしたのはラストにかかる主題歌が一青窈。こちらでその声を聞いたとき、あれ山桜と同じく一青窈かなと思った。
ウィキによると一青窈の藤沢周平原作による映画作品の関係は--
藤沢周平原作による映画作品のタイアップを担当するのは「かざぐるま」[3]「栞」[4]に続いて3度目となる
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藤沢周平だからそれは当たり前かもしれないが、舞台が海坂藩、ただ山桜では作品の中では言っていなかったとは思う。
桜、花、がタイトルにあり、映像でも桜の描写が印象的に挿入。
ウィキによれば、藤沢の出身地である山形で先行上映、これなんかはこの2作がシリーズものっぽい雰囲気。
そしてそこまで見て、製作会社だとかを見てみると、製作に川城和実、亀山慶二という二人の名前が両作品にある。
まあ、こんなとこである。

短編小説、とくに短編時代小説というのは、ストーリーは要約してしまえば他愛のないもの、単純なものが多く、その行間の余韻を味わうもので、それを映像化したものもそうなっており、この二作品もそれに準じており、やたらにゆったりとした演出。といってもこちらの作品はそれなりにストーリーも面白かったが。

主演が北川景子で、最初に出てきたときの顔がちょっとどん臭く、こんな顔だったっけと。
甲本雅裕が演じる才助、この作品はこれに尽きると思う。主人公の以登(北川景子)の許嫁という役どころで、江戸からしばらく帰っていないというのが序盤での説明。その間に許嫁と孫四郎のエピソードがどんどん進行していく。孫四郎を演じるのは宮尾俊太郎という人でこの人は名前を知らなかったのだが、中盤までは明らかにこの二人が主人公の話。
才助は江戸から戻ってきたと思えば、金の無心で、以登には顔を合わさずに帰ってしまったり、そしてようやく帰ってきて久しぶりの対面(確か5年ぶり)でようやく作品に顔を出したかと思えば、なんとも気の障るキャラクター。下卑た笑いと厚かましくも大飯食らい。
こいつのとの婚約を解消して以登と孫四郎の関係にクローズアップしていくというような役柄のように予想してしまうくらいだ。
ところがよく考えてみると、作品情報の出演者のところには二番目に表記されており(作品のラストのキャストクレジットでも二番目、ということはトメが二番手だとすると3番目くらいの序列、トメに國村隼、中トメに市川亀治郎)こんな軽い役ではあるまいと思い直す。
そして、この後作品内でどんどん存在感を増していく。この役をやるのは得するのではないかなあと思えるキャラである。
ニヤニヤ笑い、そして頼りにならなそうながら、八面六臂の活躍、といっても活躍の場面はほとんど描写されないのだが。
孫四郎が自害、その真相を探りたいという以登の頼みを聞いて、いつの間にやら調べ上げる。
真相を知り、仇を藤井勘解由(市川亀治郎)と見定め仇討となるも、それをそんな無茶ないことと止めるでもなく、一緒に行こうかと声をかけ、不要といわれ、穏やかに見送る。そして仇討が成就するとそこに現れ、後始末を見事にする。これらの活躍の場面は先にも書いたようにほとんど描かれず、その後の描写で、才助がうまくやってくれたのだなとわかるようになっている。
そしてエンディングではナレーションで以登と才助が結ばれ・・・ということが語られ終わる。
まあ、解釈としては以登が女として一番いい時期に本気で愛したのは孫四郎で、その女の盛りを終え、才助と結ばれるということなのだろうけど。

以登の母親役は相築あきこ。目つきが似ていて、母娘という感じがよく出ている。
市川亀治郎はNHK用のクレジット(本編終了後のクレジットや、作品紹介ページの表記)では市川猿之助
伊藤歩が勘解由と不倫している女の役。
作品の頭と最後にナレーション、これは以登がお婆さんになり孫に物語っているという態。担当は藤村志保。といえば、2014年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』でのナレーション降板劇。おれは見ていなかったので、ふと気になり調べてみた。なかなか見つからなかったがようやくDailymotionにて。酷評されるようなものかねえ。作品リストを見ると、この20114年以降仕事をしてない・・・。
まあ、それはともかく、作中北川演じる以登は字幕オンの字幕で黄色なのだが、このナレーションは白。同一人物は同じ色でいいと思うのだが。

堀内正美が殿様役