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引き裂かれたカーテン [映画]

1966 アメリカ
6/24 NHKBSP

ヒッチコック作品
主演がポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースというどちらも大スター俳優
音楽では「ハリーの災難」以来組んできたバーナード・ハーマンとこの作品で対立したためこの前作である「マーニー」がヒッチコックと組んだ最後の作品となっている。ちなみにこの「マーニー」も7/8にNHKBSPで放映されている。
面白いなあ、やっぱ。主役もうまくいってる。ジュリー・アンドリュースってあんまり見てないでいうのもなんだけど、あまり好みでないという感じがある。何を見てそう思ったかよくわからないが。ここでは最初そういうイメージで見ていたからか、あまりノれないでいたが、終盤はかなりよい。
ストーリーとしては、ちょっと出来すぎで話を作ってる感じがする。二時間のエンターテイメント映画として納めるためか、例えば東側に亡命すると宣言して乗り込み、ところが亡命は嘘で秘密を盗み帰ってくるというのが使命だが、東側に入り込んだ途端に、付き人兼監視人に疑われて殺してしまうことになり、もう絶体絶命、翌日帰国する手はずになるのだが、その合間に時間ギリギリに秘密を盗み出す(教授との駆け引き)というあたりは出来すぎである。現代で作ったらもっとリアリティを重視しそうである。
ポーランド人の婦人のあたりでは多少コミカルで、逃げてる主人公カップルを、テレビで見たわ、スパイに会えるなんて、などと喜んでいる。でも当時の東側ではこんなこともありそうで楽しい感じに仕上がってる。
ラスト近くのバレエ観劇のところで主演の踊り子が客席にいる追われる主人公を見つけるなんてのもちょっと出来すぎ。そういやその劇場が警察に取り囲まれる場面はジュリー・アンドリュースの「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出す。今作は「サウンド・オブ・ミュージック」の翌年の作品で、大ヒットしたこれを意識したように思われる。
中盤あたりから、どったんばったんと逃げようとする、追手が迫る、機転を利かし逃げ切るの連続。
ラスト、船から積み荷として主人公の入った籠が積みだされる場面、ちょっと「禁酒番屋」を思い出した。人が入ってる籠を持ち上げる際「よっこいしょ」とでも言いそうで、それを契機に見つけ出されるのではないかと。そうはならなかったが、それに近いことが起きた。吊り上げられる籠に向かってそこに入っていることを知っている人夫が「幸運を」と声を掛けてしまい(というのはフェイクなのだが)、それを契機に見つかってしまい、銃撃が始まるのだ。